JP2001173508A - 内燃機関用ノック制御装置 - Google Patents
内燃機関用ノック制御装置Info
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Abstract
を区別して内燃機関の運転状態を適切に制御すること。 【解決手段】 ノック発生状況における各気筒グループ
のノック検出頻度、標準偏差値を用いて比較判定され、
その結果として例えば、(SWmax /SBmin )が所定
範囲外と大きくなるときにはノック発生時と異なる異常
な疑似ノック発生時と判定される。すると、ノック信号
を抽出するBPF(バンドパスフィルタ)のフィルタ特
性の中心周波数がノック検出のための基本ノック周波数
から疑似ノック判定のための高周波ノック周波数に切替
えられる。これにより、ノック・疑似ノック発生が正確
に判定されることとなり、内燃機関の運転状態を適切に
制御することができる。
Description
態をノック判定に基づき制御する内燃機関用ノック制御
装置に関するものである。
から抽出したノック信号に対してノック判定を行い点火
時期・燃料噴射量等のノック制御要因を制御する内燃機
関用ノック制御装置が知られている。
ク制御装置におけるノック検出システムとしては、ノッ
クセンサで検出した振動信号波形からノック信号をバン
ドパスフィルタで抽出し、このノック信号のピーク出力
値を対数正規分布の出力分布特性として求め、所定のノ
ック判定レベルとの比較によりノック発生の有無を判定
するものであった。
ottle:スロットルバルブ全開状態・全負荷),機関回転
数2000〔rpm〕近傍でノック発生なしのような特
定の運転条件において、更に点火時期を遅角させると、
通常のノック発生時の図13(a)に示すノック信号と
異なる図13(b)に示すような、燃焼に関わるノイズ
信号(以下、これを『疑似ノック信号』という)が発生
することがあった。
較すると、ノック信号はピーク出力タイミングが早く信
号発生時間が短いのに対し、疑似ノック信号は出力値が
ほぼ一定で信号発生時間が長いという特徴がある。しか
し、これらノック信号と疑似ノック信号との周波数はほ
ぼ同じである。したがって、点火時期の過渡遅角制御途
中に疑似ノック信号をノック信号として誤検出すると、
更なる遅角制御を遂行してしまうこととなりノック発生
時の適切なフィードバック制御が不能になるという不具
合があった。
るためになされたもので、ノック信号とノイズによる疑
似ノック信号とを区別して内燃機関の運転状態を適切に
制御可能な内燃機関用ノック制御装置の提供を課題とし
ている。
ック制御装置によれば、信号抽出手段で抽出されたノッ
ク信号によるノック発生状況がノック検出手段で検出さ
れ、その検出結果に基づきノイズ判定手段でノック発生
時と異なるノイズによる疑似ノック発生状況にあると判
定されたとき、特定運転領域内の特定の特性切替運転領
域において特性切替手段によって信号抽出手段のフィル
タ特性が切替えられる。これにより、ノック・疑似ノッ
ク発生が正確に判定されることとなり内燃機関の運転状
態が適切に制御される。
けるノイズ判定手段では、ノイズ発生の有無が内燃機関
の気筒毎のノック検出頻度の差が大きくなるとノック発
生時と異なるノイズによる疑似ノック発生状況にあると
判定されることでノック・疑似ノック発生が正確に判定
される。
けるノイズ判定手段では、ノイズ発生の有無が内燃機関
の気筒毎のノック発生状況の対数正規分布より求められ
た各気筒毎の標準偏差値の差、または各気筒毎の中央値
に対する正の標準偏差値と負の標準偏差値との差が大き
くなるとノック発生時と異なるノイズによる疑似ノック
発生状況にあると判定されることでノック・疑似ノック
発生が正確に判定される。
ける特性切替手段では、信号抽出手段におけるフィルタ
特性の切替がノック検出及び疑似ノック判定にそれぞれ
最適な中心周波数または帯域幅のうち少なくとも1つに
より実施されるため、ノック・疑似ノック発生が正確に
判定されることとなり内燃機関の運転状態が適切に制御
される。
ける特性切替手段では、信号抽出手段におけるフィルタ
特性の切替が全気筒一律またはノイズ判定気筒で実施さ
れるため、ノック・疑似ノック発生気筒が正確に判定さ
れることとなり内燃機関の運転状態が適切に制御され
る。
ける特性切替手段では、信号抽出手段におけるフィルタ
特性の切替が特性切替運転領域を外れたとき解除される
ため、フィルタ特性切替時の不連続性が頻繁に発生する
ことが防止されることとなり内燃機関の運転状態が適切
に制御される。
ける特性切替手段では、信号抽出手段におけるフィルタ
特性の切替が点火時期遅角量が所定値以下と小さく、ま
たは点火時期遅角量に基づくプレミアム(ハイオク)/
レギュラの燃料性状判定結果によって疑似ノック発生状
況にあると見做されるときに実施されるため、ノック・
疑似ノック発生が正確に判定されることとなり内燃機関
の運転状態が適切に制御される。
例に基づいて説明する。
かる内燃機関用ノック制御装置における全体構成を示す
ブロック図である。
ブロック(図示略)に取付けられ、内燃機関に発生する
振動信号波形を検出する振動ピックアップとしてのノッ
クセンサであり、11はノックセンサ10の振動信号波
形からノックに関連した成分を抽出する中心周波数をマ
イクロコンピュータ20からのそのときの運転条件によ
る切替信号に対応して切替自在なバンドパスフィルタ
(Band Pass Filter:特定周波数帯域通過フィルタ;以
下、『BPF』と記す)である。このBPF11で抽出
されたノック信号は、ピークホールド回路12にてマイ
クロコンピュータ20からのピークホールド信号に対応
してピークホールドされたのちA/D変換器21でA/
D変換(アナログ−ディジタル変換)されピーク出力値
Vとしてマイクロコンピュータ20に取込まれる。
機関の気筒判別センサ15からノック検出気筒を特定す
るための気筒判別信号が取込まれる。この他、マイクロ
コンピュータ20には内燃機関の例えば、クランク角セ
ンサ、吸気量センサ、水温センサ等からの各種センサ信
号が取込まれる。これら取込まれた信号に基づきマイク
ロコンピュータ20にて点火時期、燃料噴射量等が演算
される。そして、マイクロコンピュータ20からその演
算結果がイグナイタ30、インジェクタ(燃料噴射弁)
40等に出力される。なお、本実施例の内燃機関として
は、#1気筒〜#4気筒の4気筒構成が想定されてい
る。
知の各種演算処理を実行する中央処理装置としてのCP
U、制御プログラムを格納したROM、各種データを格
納するRAM、B/U(バックアップ)RAM、入出力
回路及びそれらを接続するバスライン等からなる論理演
算回路として構成されている。
号波形からノック信号を抽出しノック判定を実施する構
成で、マイクロコンピュータ20からの切替信号に対応
したフィルタ特性としてBPF11の中心周波数が基本
ノック周波数f0 に設定された状態を『フィルタ特性
A』、マイクロコンピュータ20からの切替信号に対応
したフィルタ特性としてBPF11の中心周波数が高周
波ノック周波数f1 に設定された状態を『フィルタ特性
B』と記し、以下に説明する。
転数Ne〔rpm〕をパラメータとするノック検出性に
て示す特性図である。図2に示すように、フィルタ特性
Aによるノック検出性は機関回転数Neが低くなるに連
れて高くなる左上がりの傾向、フィルタ特性Bによるノ
ック検出性は機関回転数Neが高くなるに連れて高くな
る右上がりの傾向と互いに相反する特性を有する。つま
り、機関回転数Neが所定の機関回転数N1 までの低回
転側の運転領域αにおいては、フィルタ特性Aによるノ
ック検出性が許容検出レベルを越えて良好であり、機関
回転数Neが所定の機関回転数N1 を越える高回転側の
運転領域βではフィルタ特性Bによるノック検出性が許
容検出レベルを越えて良好である。このため、機関回転
数N1 を境にしてその前後でノック検出性が良好な方の
フィルタ特性を選択的に用いることで機関回転数Ne全
般に渡ってノック検出性を良好なものとすることができ
る。
点火時期を遅角させた疑似ノックの発生し易い特定の運
転条件における機関回転数Ne〔rpm〕をパラメータ
とするノイズ誤検出率〔%〕にて示す特性図である。図
3に示すように、内燃機関の特定の運転条件として例え
ば、WOT,機関回転数2000〔rpm〕近傍の特定
運転領域γ内において、フィルタ特性Aではノイズによ
る疑似ノックをノックと間違う多くの誤検出があるため
ノイズ誤検出率が高いが、フィルタ特性Bではさほど誤
検出がないためノイズ誤検出率が低いことが分かる。
を疑似ノックが発生し易い特定運転領域γ内で各気筒毎
の点火時期における進角側のノック発生時のノック判定
率〔%〕及び遅角側の疑似ノック発生時にノック発生と
間違う判定率〔%〕を示す特性図である。図4に示すよ
うに、フィルタ特性Aでは点火時期を進角させたノック
発生時の判定率及びノック発生なし時から更に遅角させ
た疑似ノック発生時にノック発生と間違う判定率(誤判
定率)とも大きな値となり、フィルタ特性Bではノック
発生時の判定率の方が疑似ノック発生時にノック発生と
間違う判定率を大きく上回っている。
かる内燃機関用ノック制御装置で使用されているマイク
ロコンピュータ20におけるノック・疑似ノック判定す
るための具体的なBPF11の中心周波数設定の処理手
順を示す図5及びBPF11の中心周波数初期設定の処
理手順を示す図6のフローチャートに基づき、図7及び
図8を参照して説明する。この中心周波数設定ルーチン
はマイクロコンピュータ20にて繰返し実行される。
のピーク出力値Vの対数正規分布の出力分布特性として
のlog(V)分布特性を示す特性図である。なお、以
下では、ノック信号のピーク出力値Vの対数正規分布の
出力分布特性を、単に『log(V)分布特性』と記
す。また、図8は内燃機関の機関回転数〔rpm〕と負
荷とをパラメータとしたノック制御領域及び疑似ノック
判定領域を示す説明図である。なお、図8に示すノック
制御領域のうちZ1 ,Z3 は基本ノック周波数f0 をB
PF11の中心周波数としてノック検出する領域、Z4
は高周波ノック周波数f1 をBPF11の中心周波数と
してノック検出する領域、Z2 は通常では基本ノック周
波数f0 及びノイズ判定時では高周波ノック周波数f1
をそれぞれBPF11の中心周波数としてノック検出す
る領域、Z5 はノイズ発生による疑似ノック判定する領
域であり、フィルタ特性切替時に不連続性が頻繁に発生
しないよう領域Z5 <領域Z2 に設定されている。
ば、内燃機関の100点火毎の各気筒毎のノック検出頻
度Ci (i=1,2,3,4)、内燃機関の100点火
毎のlog(V)分布特性における各気筒毎の標準偏差
値Si (i=1,2,3,4)がそれぞれ算出される。
次にステップS102に移行して、図7に示す#3気筒
及び#4気筒を疑似ノックの発生し易い気筒としてW気
筒グループ、図7に示す#1気筒及び#2気筒を疑似ノ
ックの発生し難い気筒としてB気筒グループとし、W気
筒グループの最大ノック検出頻度CWmax 、B気筒グル
ープの最大ノック検出頻度CBmax 及び最小ノック検出
頻度CBmin 、W気筒グループの最大標準偏差値SWma
x 、B気筒グループの最小標準偏差値SBmin がそれぞ
れ算出される。また、W気筒グループの最大標準偏差値
SWmax をB気筒グループの最小標準偏差値SBmin で
除した標準偏差値に基づく比HS(図7参照)、W気筒
グループの最大ノック検出頻度CWmax をB気筒グルー
プの最小ノック検出頻度CBmin で除したノック検出頻
度に基づく比HCがそれぞれ算出される。
制御領域内で予め設定された疑似ノックの発生し易い特
定運転領域にあるかが判定される。ステップS103の
判定条件が成立、即ち、特定運転領域としての図8に示
す領域Z2 にあるときにはステップS104に移行し、
B気筒グループの最大ノック検出頻度CBmax が所定値
K0未満であるかが判定される。ステップS104の判
定条件が成立、即ち、B気筒グループの最大ノック検出
頻度CBmax が所定値K0未満と少ないときにはステッ
プS105に移行し、ノックセンサ10の振動信号波形
からノックに関連した成分を抽出するBPF11の中心
周波数を切替える周波数切替フラグFFが「0」にセッ
ト、即ち、BPF11の中心周波数が基本ノック周波数
f0 に設定されているかが判定される。なお、内燃機関
のイグニッションスイッチ(図示略)のオン時、BPF
11の中心周波数初期設定ルーチンを示す図6のステッ
プS201にて、周波数切替フラグFFは「0」にセッ
トされ、BPF11の中心周波数は基本ノック周波数f
0 に初期設定されている。
ち、FF=0とBPF11の中心周波数が基本ノック周
波数f0 に設定されているときにはステップS106に
移行し、ステップS102で算出されたノック検出頻度
に基づく比HCが所定値K1を越えているかが判定され
る。ステップS106の判定条件が成立、即ち、ノック
検出頻度に基づく比HCが所定値K1を越え大きいとき
にはステップS107に移行し、ステップS102で算
出された標準偏差値に基づく比HSが所定値K2を越え
ているかが判定される。ステップS107の判定条件が
成立、即ち、標準偏差値に基づく比HSが所定値K2を
越え大きいときには疑似ノック発生状況にあると見做さ
れるためステップS108に移行し、周波数切替フラグ
FFが「1」にセットされ、BPF11の中心周波数が
高周波ノック周波数f1 に切替えられ(図8参照)、本
ルーチンを終了する。
せず、即ち、ノック検出頻度に基づく比HCが所定値K
1以下と小さいとき、またはステップS107の判定条
件が成立せず、即ち、標準偏差値に基づく比HSが所定
値K2以下と小さいときにはステップS109に移行す
る。ステップS109では、周波数切替フラグFFが
「0」とBPF11の中心周波数が基本ノック周波数f
0 のまま(図8参照)、本ルーチンを終了する。
せず、即ち、特定運転領域としての図8に示す領域Z2
にないとき、またはステップS104の判定条件が成立
せず、即ち、B気筒グループの最大ノック検出頻度CB
max が所定値K0以上と大きいとき、またはステップS
105の判定条件が成立せず、即ち、周波数切替フラグ
FFが「1」とBPF11の中心周波数が高周波ノック
周波数f1 に切替えられているときには何もすることな
く本ルーチンを終了する。なお、この中心周波数設定ル
ーチン終了後のノック回避のための点火時期の進角/遅
角処理ルーチンは省略する。
制御装置は、内燃機関(図示略)で発生する振動信号波
形を検出するノックセンサ10からノック信号を抽出す
るフィルタ特性を切替自在な信号抽出手段としてのBP
F(バンドパスフィルタ)11と、BPF11で抽出し
たノック信号に基づき内燃機関の特定運転領域としての
ノック制御領域Z1 〜Z4 (図8参照)におけるノック
発生状況を検出するマイクロコンピュータ20にて達成
されるノック検出手段と、前記ノック検出手段による検
出結果に基づきノイズ発生の有無を判定するマイクロコ
ンピュータ20にて達成されるノイズ判定手段と、前記
ノイズ判定手段による判定結果に基づきノック制御領域
Z1 〜Z4 内の特定の特性切替運転領域としての領域Z
2 (図8参照)でBPF11におけるフィルタ特性を切
替えるマイクロコンピュータ20にて達成される特性切
替手段とを具備するものである。また、本実施例の内燃
機関用ノック制御装置は、前記ノイズ判定手段がノイズ
発生の有無を内燃機関の気筒毎のノック検出頻度の差に
基づき判定するものである。そして、本実施例の内燃機
関用ノック制御装置は、前記特性切替手段がBPF11
におけるフィルタ特性の切替を中心周波数により実施す
るものである。更に、本実施例の内燃機関用ノック制御
装置は、前記特性切替手段がBPF11におけるフィル
タ特性の切替を全気筒一律で実施するものである。ま
た、本実施例の内燃機関用ノック制御装置は、前記特性
切替手段がBPF11におけるフィルタ特性の切替をノ
ック制御領域内の特定の特性切替運転領域としての領域
Z2 (図8参照)を外れたとき解除するものである。
Z4 におけるノック発生状況が検出され、このうち領域
Z2 で気筒毎のノック検出頻度の差に基づきノック発生
と異なるノイズによる疑似ノック発生状況にあると見做
されるときには全気筒のフィルタ特性としてBPF11
の中心周波数がノック検出のための基本ノック周波数f
0 から疑似ノック判定のための高周波ノック周波数f1
に切替えられる。このBPF11のフィルタ特性の切替
状態は、イグニッションスイッチがオン時の初期設定に
て解除され復帰され、切替時の不連続性が頻繁に発生し
ないよう所謂ヒステリシス特性が設けられている。これ
により、ノック・疑似ノック発生が正確に判定されるこ
ととなり、内燃機関の運転状態を適切に制御することが
できる。
かる内燃機関用ノック制御装置で使用されているマイク
ロコンピュータ20におけるノック・疑似ノック判定す
るためのBPF11の中心周波数設定の処理手順の変形
例を示す図9のフローチャートに基づき、上述の図8を
参照して説明する。なお、この中心周波数設定ルーチン
はマイクロコンピュータ20にて繰返し実行される。ま
た、この中心周波数設定ルーチン終了後のノック回避の
ための点火時期の進角/遅角処理ルーチンは省略する。
ク制御領域内で予め設定された疑似ノックの発生し易い
特定運転領域にあるかが判定される。ステップS301
の判定条件が成立、即ち、特定運転領域としての図8に
示す領域Z2 にあるときにはステップS302に移行
し、ノックセンサ10の振動信号波形からノックに関連
した成分を抽出するBPF11の中心周波数を切替える
周波数切替フラグFFが「0」にセットされ、BPF1
1の中心周波数が基本ノック周波数f0 に設定されてい
るかが判定される。なお、上述と同様、内燃機関のイグ
ニッションスイッチ(図示略)のオン時、周波数切替フ
ラグFFは「0」にセットされ、BPF11の中心周波
数は基本ノック周波数f0 に初期設定されている。
ち、FF=0とBPF11の中心周波数が基本ノック周
波数f0 に設定されているときにはステップS303に
移行し、点火時期遅角量TRETが所定値K3未満であ
るかが判定される。ステップS303の判定条件が成
立、即ち、点火時期遅角量TRETが所定値K3未満と
小さいときには疑似ノック発生状況にあると見做される
ためステップS304に移行し、周波数切替フラグFF
が「1」にセットされ、BPF11の中心周波数が高周
波ノック周波数f1 に切替えられ(図8参照)、本ルー
チンを終了する。
せず、即ち、点火時期遅角量TRETが所定値K3以上
と大きいときにはステップS305に移行し、周波数切
替フラグFFが「0」とBPF11の中心周波数が基本
ノック周波数f0 のまま(図8参照)、本ルーチンを終
了する。一方、ステップS301の判定条件が成立せ
ず、即ち、特定運転領域としての図8に示す領域Z2 に
ないとき、またはステップS302の判定条件が成立せ
ず、即ち、周波数切替フラグFFが「1」とBPF11
の中心周波数が高周波ノック周波数f1 に切替えられて
いるときには何もすることなく本ルーチンを終了する。
制御装置は、マイクロコンピュータ20にて達成される
特性切替手段がBPF11におけるフィルタ特性の切替
を点火時期遅角量TRETが所定値K3未満のとき実施
するものである。つまり、点火時期遅角量TRETが所
定値K3未満と小さくなると疑似ノック発生状況にある
と見做すことができるため、BPF11の中心周波数が
ノック検出のための基本ノック周波数f0 から疑似ノッ
ク判定のための高周波ノック周波数f1 に切替えられ
る。これにより、ノック・疑似ノック発生が正確に判定
されることとなり、内燃機関の運転状態を適切に制御す
ることができる。
かる内燃機関用ノック制御装置で使用されているマイク
ロコンピュータ20におけるノック・疑似ノック判定す
るためのBPF11の中心周波数設定の処理手順の他の
変形例を示す図10のフローチャートに基づき、図11
及び上述の図8を参照して説明する。ここで、図11は
疑似ノック発生なし気筒及び疑似ノック発生気筒のlo
g(V)分布特性を利用したノック・疑似ノック判定を
示す特性図である。なお、この中心周波数設定ルーチン
はマイクロコンピュータ20にて繰返し実行される。ま
た、この中心周波数設定ルーチン終了後のノック回避の
ための点火時期の進角/遅角処理ルーチンは省略する。
ック制御領域内で予め設定された疑似ノックの発生し易
い特定運転領域にあるかが判定される。ステップS40
1の判定条件が成立、即ち、特定運転領域としての図8
に示す領域Z2 にあるときにはステップS402に移行
し、ノックセンサ10の振動信号波形からノックに関連
した成分を抽出するBPF11の中心周波数を切替える
周波数切替フラグFFが「0」の基本ノック周波数f0
にセットされているかが判定される。なお、上述と同
様、内燃機関のイグニッションスイッチ(図示略)のオ
ン時、周波数切替フラグFFは「0」にセットされ、B
PF11の中心周波数は基本ノック周波数f0 に初期設
定されている。
ち、FF=0とBPF11の中心周波数が基本ノック周
波数f0 に設定されているときにはステップS403に
移行し、図11に示すように、log(V)分布特性で
log(V)が累積頻度0σ、即ち、50〔%〕である
中央値VM の前後における累積頻度の1σ〔%〕に対応
するlog(V)の幅Sから累積頻度の−1σ〔%〕に
対応するlog(V)の幅S′を減算した絶対値が所定
値KSを越えているかが判定される。なお、この|S−
S′|の値は疑似ノック発生なし時で理想的には「0」
となる。また、log(V)が累積頻度0σ、即ち、5
0〔%〕である中央値VM の前後における直線性に基づ
き疑似ノック発生の有無を判定することもできる。
ち、|S−S′|の値が所定値KSを越え大きいときに
は疑似ノック発生状況にあると見做されるためステップ
S404に移行し、周波数切替フラグFFが「1」にセ
ットされ、BPF11の中心周波数が高周波ノック周波
数f1 に切替えられ(図8参照)、本ルーチンを終了す
る。
せず、即ち、|S−S′|の値が所定値KS以下と小さ
いときにはステップS405に移行し、周波数切替フラ
グFFが「0」にセッとBPF11の中心周波数が基本
ノック周波数f0 のまま(図8参照)、本ルーチンを終
了する。一方、ステップS401の判定条件が成立せ
ず、即ち、特定運転領域としての図8に示す領域Z2 に
ないとき、またはステップS402の判定条件が成立せ
ず、即ち、周波数切替フラグFFが「1」とBPF11
の中心周波数が高周波ノック周波数f1 に切替えられて
いるときには何もすることなく本ルーチンを終了する。
制御装置は、マイクロコンピュータ20にて達成される
ノイズ判定手段がノイズ発生の有無を内燃機関の気筒毎
のノック発生状況の対数正規分布より求めた各気筒毎の
中央値VM に対する正の標準偏差値+σと負の標準偏差
値−σとの差である|S−S′|の値に基づき判定する
ものである。つまり、疑似ノック発生なし時には|S−
S′|の値は小さくほぼ「0」となるため、|S−S′
|の値が所定値KSを越え大きくなるときには疑似ノッ
ク発生時と判定できるのである。これにより、ノック・
疑似ノック発生が正確に判定されることとなり、内燃機
関の運転状態を適切に制御することができる。
かかる内燃機関用ノック制御装置における全体構成の変
形例を示すブロック図である。なお、図中、上述の実施
例と同様の構成または相当部分からなるものについては
同一符号及び同一記号を付し、その詳細な説明を省略す
る。
性として中心周波数を内部にて切替えて用いたが、図1
2に示すように、本変形例では異なる中心周波数からな
る2つのノックセンサ10A,10Bを有し、ノックセ
ンサ10A,10BからBPF11への信号伝達経路途
中にスイッチ回路14を配設し、マイクロコンピュータ
20からの切替信号にてスイッチ回路14における信号
伝達経路を切替えるものである。即ち、ノックセンサ1
0A,10Bからの信号波形をスイッチ回路14を介し
て選択的にBPF11に入力し、ノックセンサ10A,
10B及びBPF11にてノック信号を抽出するフィル
タ特性を切替えるものである。
における構成と同様、ノック・疑似ノック発生が正確に
判定でき、内燃機関の運転状態を適切に制御することが
できるという効果が期待できる。
転条件に対応してBPF11の中心周波数を切替えた
が、本発明を実施する場合には、これに限定されるもの
ではなく、BPFの帯域幅(Q値)を運転条件に応じて
切替えるようにしてもよい。また、BPFの中心周波数
と帯域幅(Q値)とを組合わせ運転条件に応じて切替え
るようにしてもよい。
イズ発生の運転領域で全気筒一律に切替えたが、本発明
を実施する場合には、これに限定されるものではなく、
ノイズ発生気筒が予め特定される内燃機関では、ノイズ
発生領域でノイズ発生気筒のフィルタ特性を切替、ノイ
ズ発生がない気筒のフィルタ特性は切替えないようにし
てもよい。
復帰タイミングが頻繁に切替わることを防止するため、
ノック制御領域内の特定の特性切替運転領域を外れたと
きとしてイグニッションスイッチがオン時の初期設定で
解除し復帰させるようにしているが、本発明を実施する
場合には、これに限定されるものではなく、アイドル時
等の特定の運転条件で解除し復帰させるようにしてもよ
い。
生状況が異なるときのノック・疑似ノック判定について
述べたが、本発明を実施する場合には、これに限定され
るものではなく、全気筒で一様にノイズ発生するもので
は各気筒間の差に基づきノック・疑似ノック判定を実施
するようにしてもよい。
る内燃機関用ノック制御装置における全体構成を示すブ
ロック図である。
る内燃機関用ノック制御装置によるフィルタ特性を機関
回転数をパラメータとするノック検出性にて示す特性図
である。
る内燃機関用ノック制御装置によるフィルタ特性を機関
回転数をパラメータとするノイズ誤検出率にて示す特性
図である。
る内燃機関用ノック制御装置によるフィルタ特性を疑似
ノックが発生し易い特定運転領域内で点火時期に対する
ノック・疑似ノックの判定率にて示す特性図である。
る内燃機関用ノック制御装置で使用されているマイクロ
コンピュータにおけるノック・疑似ノック判定するため
のBPFの中心周波数設定の処理手順を示すフローチャ
ートである。
処理手順を示すフローチャートである。
る内燃機関用ノック制御装置における各気筒毎のlog
(V)分布特性を示す特性図である。
る内燃機関用ノック制御装置で用いられる内燃機関の機
関回転数と負荷とをパラメータとしたノック制御領域及
び疑似ノック判定領域を示す説明図である。
る内燃機関用ノック制御装置で使用されているマイクロ
コンピュータにおけるノック・疑似ノック判定するため
のBPFの中心周波数設定の処理手順の変形例を示すフ
ローチャートである。
かかる内燃機関用ノック制御装置で使用されているマイ
クロコンピュータにおけるノック・疑似ノック判定する
ためのBPFの中心周波数設定の処理手順の他の変形例
を示すフローチャートである。
かかる内燃機関用ノック制御装置における疑似ノック発
生なし気筒及び疑似ノック発生気筒のlog(V)分布
特性を利用したノック・疑似ノック判定を示す特性図で
ある。
かかる内燃機関用ノック制御装置における全体構成の変
形例を示すブロック図である。
ける疑似ノック信号との違いを示す図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 内燃機関で発生する振動信号波形からノ
ック信号を抽出するフィルタ特性を切替自在な信号抽出
手段と、 前記信号抽出手段で抽出した前記ノック信号に基づき前
記内燃機関の特定運転領域におけるノック発生状況を検
出するノック検出手段と、 前記ノック検出手段による検出結果に基づきノイズ発生
の有無を判定するノイズ判定手段と、 前記ノイズ判定手段による判定結果に基づき前記特定運
転領域内の特定の特性切替運転領域で前記信号抽出手段
におけるフィルタ特性を切替える特性切替手段とを具備
することを特徴とする内燃機関用ノック制御装置。 - 【請求項2】 前記ノイズ判定手段は、前記ノイズ発生
の有無を前記内燃機関の気筒毎のノック検出頻度の差に
基づき判定することを特徴とする請求項1に記載の内燃
機関用ノック制御装置。 - 【請求項3】 前記ノイズ判定手段は、前記ノイズ発生
の有無を前記内燃機関の気筒毎のノック発生状況の対数
正規分布より求めた各気筒毎の標準偏差値の差、または
各気筒毎の中央値に対する正の標準偏差値と負の標準偏
差値との差に基づき判定することを特徴とする請求項1
に記載の内燃機関用ノック制御装置。 - 【請求項4】 前記特性切替手段は、前記信号抽出手段
におけるフィルタ特性の切替を中心周波数または帯域幅
のうち少なくとも1つにより実施することを特徴とする
請求項1に記載の内燃機関用ノック制御装置。 - 【請求項5】 前記特性切替手段は、前記信号抽出手段
におけるフィルタ特性の切替を全気筒一律またはノイズ
判定気筒で実施することを特徴とする請求項1に記載の
内燃機関用ノック制御装置。 - 【請求項6】 前記特性切替手段は、前記信号抽出手段
におけるフィルタ特性の切替を前記特性切替運転領域を
外れたとき解除することを特徴とする請求項1に記載の
内燃機関用ノック制御装置。 - 【請求項7】 前記特性切替手段は、前記信号抽出手段
におけるフィルタ特性の切替を点火時期遅角量が所定値
以下のとき、または点火時期遅角量に基づくプレミアム
/レギュラの燃料性状判定結果に応じて実施することを
特徴とする請求項1に記載の内燃機関用ノック制御装
置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013122192A (ja) * | 2011-12-12 | 2013-06-20 | Mitsubishi Electric Corp | 内燃機関の制御装置 |
KR101969908B1 (ko) * | 2017-12-28 | 2019-08-13 | 주식회사 현대케피코 | 엔진 노킹 캘리브레이션 시스템 및 방법 |
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1999
- 1999-12-16 JP JP35719499A patent/JP4390939B2/ja not_active Expired - Fee Related
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