JP2001172711A - 含クロム溶融鉄合金の精錬方法 - Google Patents
含クロム溶融鉄合金の精錬方法Info
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Abstract
酸素効率を従来より向上可能な含クロム溶融鉄合金の精
錬方法を提供することを目的としている。 【解決手段】精錬容器に保持した含クロム溶融鉄合金の
浴中に、酸化性ガスを該容器の底又は側壁から吹き込
み、脱炭する含クロム溶融鉄合金の精錬方法において、
前記含クロム溶融鉄合金の静止浴面位置から酸化性ガス
が吹き込まれる位置までの浴深さ、該含クロム溶融鉄合
金の静止浴面と該浴面上に存在するスラグとの界面積及
び吹き込まれる酸化性ガスの流量を、下記式を満足する
範囲内に定めて精錬する。 5≦Q×A/H≦20…(1) ここで、 Q:1トン当たりの含クロム溶融鉄合金中に吹き込まれ
る酸化性ガスの流量(Nm3/t・min)、 A:含クロム溶融鉄合金の静止浴面と該浴面上に存在す
るスラグとの界面積(m2)、 H:含クロム溶融鉄合金の静止浴面位置から酸化性ガス
が吹き込まれる位置までの浴深さ(m)
Description
金の精錬方法に係わり、特に、ステンレス鋼等、含クロ
ム溶鋼の溶製に有効な技術である。
溶製するには、予めクロム鉱石等を転炉で直接溶融還元
したり、あるいは溶銑とフェロクロムとを混合してクロ
ムを含有した高炭素濃度の溶融鉄合金(以下、含クロム
溶融鉄合金という)を製造する。そして、この含クロム
溶融鉄合金を同一あるいは別の転炉でさらに脱炭等の精
練を行ない、目的とする組成の含クロム溶鋼としてい
る。
含クロム溶融鉄合金に酸素ガスを多量に吹き込むことに
よって、クロムが酸化されてスラグへ移行する所謂「酸
化ロス」をいかに低減するかが重要である。これは、言
い換えると、吹き込んだ酸素ガスが炭素の除去に利用さ
れた割合を表す「脱炭酸素効率」の向上を必要とする。
そのため、含クロム溶融鉄合金の溶製に上吹き(LD)
転炉を用いる場合には、酸素ガスの吹き付けをハードブ
ロー化したり、浴を浅くするシャローバス化により、浴
の撹拌力を増大して、脱炭酸素効率の向上を図ってい
る。また、上底吹き転炉を用いる場合には、浴の撹拌を
ガスの底吹きで行えるので、上記LD転炉の場合よりも
大きな撹拌力が得られ、LD転炉よりも高い脱炭酸素効
率が得られている。なお、この底吹きによる撹拌力を増
大するには、従来より、浴の深さや底吹きガス流量を大
きくするのが有効と言われている。
人の試行によれば、浴をある深さ以上にすると、脱炭酸
素効率はかえって低下することが判明した。また、底吹
きガスの流量の増大でも、脱炭酸素効率が低下する場合
があった。さらに、ヒートサイズ(1回の精錬で処理す
る含クロム溶融鉄合金の重量)を一定にしてある程度の
浴の深を確保しようとすると、必然的にスラグ−メタル
界面積が減少してしまう。その結果、この場合には、ス
ラグの脱硫能が低下し、脱硫率も下がるという別の問題
が生じていた。
硫能を損なわずに、脱炭酸素効率を従来より向上可能な
含クロム溶融鉄合金の精錬方法を提供することを目的と
している。
成するため、クロム溶融鉄合金の精錬における操業条件
について鋭意研究し、鋼浴形状、つまり、浴深さとスラ
グ−メタル界面積との比、及び底吹きガス流量の最適化
に成功し、それを本発明に具現化した。
含クロム溶融鉄合金の浴中に、酸化性ガスを該容器の底
又は側壁から吹き込み、脱炭する含クロム溶融鉄合金の
精錬方法において、前記含クロム溶融鉄合金の静止浴面
位置から酸化性ガスが吹き込まれる位置までの浴深さ、
該含クロム溶融鉄合金の静止浴面と該浴面上に存在する
スラグとの界面積及び吹き込まれる酸化性ガスの流量
を、下記式を満足する範囲内に定めて精錬することを特
徴とする含クロム溶融鉄合金の精錬方法である。
る酸化性ガスの流量(Nm3/t・min)、 A:含クロム溶融鉄合金の静止浴面と該浴面上に存在す
るスラグとの界面積(m2)、 H:含クロム溶融鉄合金の静止浴面位置から酸化性ガス
が吹き込まれる位置までの浴深さ(m) また、本発明は、前記含クロム溶融鉄合金がクロムを5
質量%以上含有することを特徴とする含クロム溶融鉄合
金の精錬方法である。
素ガス又は酸素ガスと他のガスとの混合ガスであった
り、あるいは前記精錬容器が、底吹き転炉、上底吹き転
炉及びAOD炉から選ばれた1種であることを特徴とす
る含クロム溶融鉄合金の精錬方法である。
ので、スラグの脱硫能を損なわずに、脱炭効率を従来よ
り向上させることができるようになった。
実施の形態を説明する。
つまり 1.浴をある深さ以上にすると、脱炭酸素効率はかえっ
て低下した、 2.底吹きガスの流量の増大でも、脱炭酸素効率が低下
する場合があった、 3.ヒートサイズ(1回の精錬で処理する含クロム溶融
鉄合金の重量)を一定にしてある程度の浴深を確保しよ
うとすると、必然的にスラグ−メタル界面積が減少して
しまい、その結果、スラグの脱硫能が低下する 等の内容から、浴の深さ(記号H)、底吹き酸化性ガス
流量(記号Q)及びスラグ−メタル界面積(記号A)を
操業因子に選択し、操業試験を行なった。
ロム溶融鉄合金の浴中に、酸化性ガスを該容器の底又は
側壁から吹き込み脱炭精練するものである。含クロム溶
融鉄合金としては、前記した直接クロム鉱石を予め溶融
還元したもので、クロム濃度は、5重量%以上の鉄合
金、具体的には5.5重量%Cr合金、9重量%Cr合
金、13重量%Cr合金、16重量%Cr合金及び18
重量%Cr合金である。
うな底吹き転炉である。しかし、本発明では、図2
(a)に示すような底吹き転炉、あるいは図2(c)に
示すような、酸化性ガスを側壁からメタル浴中に吹き込
む所謂AOD炉(転炉から出鋼された溶鋼を、別途アル
ゴンガスを吹き込み、脱炭するのに使用する炉)を使用
しても良い。
脱炭酸素効率及び脱硫率に着眼して整理した。その際、
上記3つの因子は操業で同時に使用されることから、3
つの因子をすべて使用して脱炭酸素効率や脱硫率との関
係が表現できることに留意した。この3つの因子の組み
合わせを種々試みたところ、Q×(A/H)なる組み合
わせが最も良い整理結果になった。つまり、図1に示す
ように、脱炭酸素効率に対しては台形状の関係が、脱硫
率に対してはГ状の関係が得られた。この関係を得るに
際して使用した各因子の具体的な値のうち浴の深さやス
ラグ−メタル界面積については、溶融鉄合金の静止状態
を基準にした。これらの値は、操業中では常に変動し、
一定にならないからである。また、酸化性ガスとして
は、通常の転炉操業に従い、酸素ガスを用いたが、本発
明では、酸素ガスと他のガス、例えばアルゴン、窒素等
の不活性ガスとの混合ガスを用いても良い。なお、脱炭
酸素効率は、(脱炭に必要な理論酸素量)/(実績酸素
量)として、脱硫率は、(精錬前溶湯中S濃度−精錬後
溶湯中S濃度)/(精錬前溶湯中S濃度)として定義さ
れる。
し、その関係が得られた理由を以下のように考察した。
0超えの領域)で低下しているのは、吹き込みガスがあ
まり大きくなり過ぎると、流速が早くて吹込んだガスが
浴面からすぐに抜けてしまい、攪拌がQ×A/Hのより
小さい側よりかえって弱まる。これは、操業中に酸素ガ
スと浴中炭素の接触機会を減らす。また、吹抜けガスが
多いと、浴中で消費しきれない酸素がスラグ相や気相の
酸素ポテンシャルが高まり、メタルの酸化を促進する。
この酸化は、所謂スラグ−メタル間反応なので、炭素の
酸化よりもクロムの酸化に有利になり、脱炭酸素効率が
低下する。なお、クロムは、一旦酸化されスラグへ移行
すると、溶融鉄合金浴中に含まれる他の金属元素では還
元され難い。
領域)で低くなっているのは、その条件下では、浴が深
くてスラグ−メタル界面積が小さいため、スラグ−メタ
ル反応が主体の脱硫を阻害するからである。従って、図
1に現れた関係は、クロムを5質量%以上と多量に含有
する溶融鉄合金の酸素吹錬ほど妥当なものである。
記(1)式を、本発明の要件に採用したのである。
る酸化性ガスの流量(Nm3/t・min)、 A:含クロム溶融鉄合金の静止浴面と該浴面上に存在す
るスラグとの界面積(m2)、 H:含クロム溶融鉄合金の静止浴面位置から酸化性ガス
が吹き込まれる位置までの浴深さ(m)
ロム溶融鉄合金(Cr含有量13〜18重量%)を脱炭
精練し、含クロム合金鋼を溶製した。その際、本発明に
係る方法と表1に条件を示す従来通りの方法の2種類を
採用し、操業結果を比較した。出発原料の含クロム溶融
鉄合金は、事前に同一の精錬容器を用い、溶融還元法等
で精錬を別途行い準備した。
り、本発明によれば、従来に比べて、脱硫率を損なわず
に、脱炭酸素効率が格段に向上していることが明らかで
ある。
ロム溶融鉄合金の精錬において、操業条件の一部を最適
化するだけで、スラグの脱硫能を損なわずに、脱炭効率
を従来より向上できるようになった。
と本発明で新たに採用した操業因子との関係を示す図で
ある。
図であり、(a)は上底吹き転炉、(b)は底吹き転
炉、(c)はAOD炉である。
Claims (4)
- 【請求項1】 精錬容器に保持した含クロム溶融鉄合金
の浴中に、酸化性ガスを該容器の底又は側壁から吹き込
み、脱炭する含クロム溶融鉄合金の精錬方法において、 前記含クロム溶融鉄合金の静止浴面位置から酸化性ガス
が吹き込まれる位置までの浴深さ、該含クロム溶融鉄合
金の静止浴面と該浴面上に存在するスラグとの界面積及
び吹き込まれる酸化性ガスの流量を、下記式を満足する
範囲内に定めて精錬することを特徴とする含クロム溶融
鉄合金の精錬方法。 記 5≦Q×A/H≦20…(1) ここで、 Q:1トン当たりの含クロム溶融鉄合金中に吹き込まれ
る酸化性ガスの流量(Nm3/t・min)、 A:含クロム溶融鉄合金の静止浴面と該浴面上に存在す
るスラグとの界面積(m2)、 H:含クロム溶融鉄合金の静止浴面位置から酸化性ガス
が吹き込まれる位置までの浴深さ(m) - 【請求項2】 前記含クロム溶融鉄合金がクロムを5質
量%以上含有することを特徴とする請求項1記載の含ク
ロム溶融鉄合金の精錬方法。 - 【請求項3】 前記酸化性ガスが、酸素ガス又は酸素ガ
スと他のガスとの混合ガスであることを特徴とする請求
項1又は2記載の含クロム溶融鉄合金の精錬方法。 - 【請求項4】 前記精錬容器が、底吹き転炉、上底吹き
転炉及びAOD炉から選ばれた1種であることを特徴と
する請求項1〜3のいずれかに記載の含クロム溶融鉄合
金の精錬方法。
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JP35411399A JP3743237B2 (ja) | 1999-12-14 | 1999-12-14 | 含クロム溶融鉄合金の精錬方法 |
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1999
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