JP6726777B1 - 低炭素フェロマンガンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高いMn歩留を享受できる低炭素フェロマンガンの製造方法を提案する。【解決手段】上吹きランスおよび底吹き羽口を備えた反応容器中で高炭素のフェロマンガンの溶湯浴面上に、上吹きランスから酸化性ガスを吹きつけて脱炭し、低炭素のフェロマンガンを製造するに際し、前記酸化性ガスの浴面到達時流速が70m/s以上150m/s以下となるように吹き付けて、精錬する。また、底吹き羽口から吹込むガスの撹拌動力密度が500W/t以上となる条件で撹拌する。【選択図】図1

Description

本発明は、低炭素フェロマンガンの製造方法に関する。
鉄鋼製品の合金成分として有用なマンガン(Mn)成分は、高炉溶銑を主原料とする転炉製鋼法の場合には転炉精錬の終了時点で添加され、一方、スクラップを主原料とする電気炉製鋼法の場合には溶解作業時に添加されるが、何れの場合も、マンガン成分としては、フェロマンガン(FeMn)合金を用いるのが一般的である。このフェロマンガン合金は、含有する炭素濃度によって高炭素フェロマンガン(HCFeMn)、中炭素フェロマンガン(MCFeMn)、低炭素フェロマンガン(LCFeMn)に分類され、その化学組成は日本工業規格(JIS)で定められている(表1参照)。なお、MCFeMnやLCFeMnは通常、高価なシリコンマンガン(SiMn)合金と多量の電力を使用して製造するので、HCFeMnに比べてはるかに高価な合金鉄である。
中・低炭素フェロマンガンを製造する従来の技術の中には、いわゆる脱珪法と呼ばれる方法がある。この方法はまず、電気炉等において目標炭素含有量のシリコン−マンガン溶湯を準備し、その後この溶湯にマンガン鉱石等のマンガン酸化物を添加してシリコン−マンガン溶湯中のシリコンを酸化除去する方法である。この方法は、電気炉を使用するために電力コストが嵩むという問題点がある。
このような問題点を解決するため、従来は、高炭素フェロマンガン溶湯に酸素ガスを吹きつけたり、溶湯中に酸素ガスを吹きこんだりして、フェロマンガン溶湯中の炭素を酸化除去するという方法がとられている。一般に、フェロマンガン溶湯の脱炭反応は、下記(1)式で表され、その際の平衡定数Kは、下記(2)式で示すことができる。
(MnO)+[C]=[Mn]+CO ・・・(1)
K=aMn・PCO/aMnO・a ・・・(2)
ここで、aは成分iの活量、Pは成分jの分圧(atm)である。平衡定数K、aMn、aの値は文献の熱力学データを用いて計算することができ、そして、下記(3)、(4)式の条件のもとで溶湯中の平衡[C]濃度と溶湯温度の関係を求めることにより、フェロマンガン溶湯の脱炭限界を知ることができる。
MnO=1 ・・・(3)
P=PMn+PCO=1 ・・・(4)
ただし、上記(4)式においてPは全圧(atm)であり、PMnはその温度でのMnの蒸気圧に等しいとする。
上記(1)〜(4)式より、フェロマンガン溶湯の脱炭を進行させるには、溶湯温度の上昇、CO分圧の低下および酸化マンガンの活量の増加が必要であることがわかる。従って、低炭域でのフェロマンガン溶湯の脱炭については、大気圧下での吹錬を行うかぎり高温吹錬はもちろんのこと、歩留り低下の要因となるマンガンの酸化による酸化Mnの生成とマンガン蒸気の発生がある程度は避けられない。
高炭素フェロマンガン溶湯に酸素ガスを吹き込んで吹錬する方法としては、特許文献1や特許文献2において、高炭素フェロマンガン溶湯中に反応炉の炉底羽口から酸素ガスを吹きこむことにより、溶湯中の炭素を酸化除去するという方法が提案されている。
また、特許文献3には、炉底羽口から不活性ガスを吹き込んで溶湯を攪拌しつつ、上吹きランスから酸素ガスを吹きつけることにより溶湯中の炭素を酸化除去するという方法が提案されている。
さらに、上吹きガス、底吹きガスのガス種やその流量を、吹錬の時期や溶湯温度とともに制御する方法も提案されている。例えば、特許文献4には、炉底羽口から酸素ガスを吹き込んで高炭素フェロマンガン溶湯を脱炭するに際し、低炭域では酸素ガスに水蒸気および不活性ガスを混合して吹きこむ方法が提案されている。
また、特許文献5には、炉底羽口から酸素ガスと不活性ガスを混合して吹き込んで溶湯を攪拌しつつ、上吹きランスから酸素ガスを吹きつけて高炭素フェロマンガンの溶湯を脱炭するに際し、吹錬の進行に伴って底吹き酸素流量および底吹き不活性ガス流量を低下させる方法が提案されている。
さらに、特許文献6や特許文献7には、上吹き酸素に不活性ガスを混合して吹きつける方法が提案されている。
特開昭48−079716号公報 特開昭52−009616号公報 特開昭60−056051号公報 特開昭54−097521号公報 特開昭62−230951号公報 特開昭61−291947号公報 特開平02−166256号公報
しかしながら、特許文献1〜3の方法には、次のような問題点があった。すなわち、一般にマンガンは、酸素との親和力が強く酸素ガスにより容易に酸化されてスラグを形成するとともに、蒸気圧が高いために溶湯温度の上昇とともに蒸発が活発となり、ヒュームダストとして系外に飛散しやすいという傾向がある。そのため、これらの技術では、酸素ガスを単純に溶湯中に吹きこんだり、吹きつけたりするだけでは脱炭が困難なばかりか、Mnの歩留りも低下し、その結果として中・低炭素フェロマンガンを経済的に製造することができなくなるという問題があった。
また、特許文献4〜7に記載の先行技術についても、次のような解決すべき課題を残しているのが実情である。
例えば、炉底羽口から酸素ガスまたは酸素ガスと不活性ガスの混合ガスを吹きこむ方法(特許文献4および5)では、フェロマンガン溶湯の脱炭精錬について、前述したように、高温吹錬が必須であることに加えて、羽口近傍が酸素ガスによる酸化反応熱により一層の高温に曝されることが予想される。したがって、羽口の溶損による溶湯の漏洩を防止するために高度な操業技術を必要とするとともに、不活性ガスのみを吹きこむ場合と比較して羽口寿命が著しく低下し、耐火物コストの大幅な上昇が避けられない。
一方、上吹きする酸素ガスに不活性ガスを混合してフェロマンガン溶湯に吹きつける方法(特許文献6および7)は、最も高温で脱炭が生じやすいサイトである火点(上吹きガスが溶湯面に衝突する位置)が、不活性ガスで冷却されることになるとともに、もともと火点はマンガン蒸気の発生が大きくCO分圧の低下が生じていると考えられることから、不活性ガスによるCO分圧低下の効果が小さい。また、混合する不活性ガスの流量を大きくして反応炉内全体のCO分圧を低下させるという考え方もあるが、この方法では、不活性ガスとして高価なアルゴン等の希ガスを用いる場合には、精錬費用が嵩んで経済的でない。
さらに、上記従来技術には、転炉状の反応容器において、上吹きランスから酸化性ガスを供給して、フェロマンガン溶湯を脱炭する際の適正な送酸条件については何ら明らかにされていない。
そこで、本発明は、従来技術が抱えている上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、転炉型の反応容器において、酸化性ガスを上吹きしてフェロマンガン溶湯からの脱炭を行う際に、高いMn歩留を享受できる低炭素フェロマンガンの製造方法を提案することにある。
発明者らは、Mn歩留りのよい低炭素フェロマンガンの製造方法について、溶湯温度や溶湯中成分の変化に着目して、研究を重ねた結果、転炉型の反応容器において、酸化性ガスを上吹きしてフェロマンガン溶湯からの脱炭を行う際に、上吹ランスから吹きつける酸化性ガスの溶湯浴面での流速をコントロールすれば、高温域で大量に生成するMnの蒸発および過剰なMnの酸化が抑えられ、高い脱炭酸素効率を得られることができるとの知見を得て、本発明を開発するに至った。すなわち、本発明は、上吹きランスおよび底吹き羽口を備えた反応容器内に収容した高炭素のフェロマンガン溶湯の浴面上に、上吹きランスから酸化性ガスを吹きつけて脱炭し、低炭素のフェロマンガンを製造するに際し、上記酸化性ガスの吹きつけを浴面到達時流速が70m/s以上150m/s以下となるようにして吹錬することを特徴とする低炭素フェロマンガンの製造方法を提案する。
なお、上記のように構成される本発明の低炭素フェロマンガンの製造方法は、また、
a.上記底吹き羽口からは、撹拌動力密度にして500W/t以上となるように撹拌用ガスの吹きこみを行うこと、
b.上記吹錬中に、中炭素フェロマンガンまたは低炭素フェロマンガンの冷材を投入すること、
がより好ましい実施形態になりうるものと考えられる。
本発明によれば、フェロマンガン溶湯に吹きつける酸化性ガスの流速を適正化することで、高い脱炭酸素効率での吹錬を行うことができ、ひいては高いMn歩留を得ることが可能となる。加えて本発明によれば、底吹きガスの攪拌動力密度を適正化することで、より高いMn歩留を得ることができる。
本発明に用いる反応容器の一例を示す概略図である。
図1は本発明方法を実施するのに有効な設備の一例である。以下、この図1に従って、高炭素フェロマンガン(HCFeMn)の脱炭精錬方法を説明する。図示したように上底吹き転炉の例である反応容器1には、溶融した高炭素フェロマンガン溶湯2が装入される。その容器内溶湯2浴面上には、上吹きランス3から酸素ガス(O)と非酸化性ガスを混合した酸化性ガスが吹きつけられ、一方、底吹き羽口4からは溶湯2中に非酸化性ガスが吹きこまれる構成とされている。なお、上記底吹き羽口4には、非酸化性ガスを導く配管5が、そして、上吹きランス3に非酸化性ガスを導く配管6および酸素ガスを導く配管7には、それぞれ流量調節弁8が設置されている。なお、吹錬中は炉口から各種冷却材9を投入することができる。上記上吹きランス3は、ラバールノズルを用いることが好ましく、複数のノズルとするときは、ランス軸に対し、回転対称に配置することが好ましい。さらに、この上吹きランス3は、多孔のランスを用いることで、単孔ランスに比べ火点面積が広くなり、効率よく溶湯に酸素を供給することができるため、大量生産に適している。
本発明に係る低炭素フェロマンガンの製造方法にあたっては、まず、反応容器1内に高炭素フェロマンガンの溶湯2を装入する。そして、その溶湯2の装入前から精錬中にかけて、底吹き羽口4からは所要量の非酸化性ガスを該溶湯2中に吹きこんで、溶湯2を攪拌する。その後、上吹きランス3を上方より下降させ、上記溶湯2の浴面に酸化性ガスの吹きつけを行って、脱炭吹錬を開始する。
なお、上吹きランス3から吹きつける酸化性ガスとしては、酸素ガスや酸素ガスに非酸化性ガスを30vol%以下混合した酸素混合ガスを用いることができる。混合する非酸化性ガスとしては、Arが好ましい。このとき、火点の温度確保の観点から、上吹きガスは非酸化性ガスが10vol%以下の酸素混合ガスがより好ましく、純酸素ガスを用いることがより好ましい。一方、底吹き羽口から吹込む非酸化性ガスとしては、溶湯中の窒素濃度を上昇させず効率よく撹拌するという観点から、Ar、COもしくはCOまたはそれらの混合ガスを用いることが好ましい。
上吹きランス3からの酸化性ガスの吹きつけは、下記(5)〜(8)式により計算される浴面到達時の流速が70m/s以上150m/s以下となるように操業をすることが必要であり、その理由はこの範囲内で操業することにより、酸素がMnの蒸気(ヒューム)に遮られることなく、かつ溶湯の飛散を抑制しながら吹錬を行うことができるので、脱炭酸素効率が向上し、高いMn歩留りが得られるからである。より好ましくは、浴面到達時の流速が80m/s以上130m/s以下の範囲となるようにして吹錬することである。
O2=0.456・n・d・(P/0.97) ・・・(5)
=740{1−(P/P2/71/2 ・・・(6)
U/U=D/2CL ・・・(7)
C=0.016+0.19/((P/0.97)−1.034) ・・・(8)
ここで、FO2:上吹きランスからの酸化性ガスの供給速度(Nm/h)、n:上吹きランスのノズル孔数(個)、d:上吹きランスのノズルのスロート径(mm)、P:酸化性ガスの上吹きランスノズル前圧力(atm)、P:同出口圧力(atm)、U:上吹きランスからの酸化性ガスの噴出流速(m/s)、U:上吹きランスからの酸化性ガスの浴面到達時流速(m/s)、L:ランス高さ(上吹きランスのノズル出口から、静止時浴面までの距離)(mm)、D:上吹きランスのノズル出口径(mm)、C:酸化性ガスのジェットの広がりを表す常数(−)である。
また、上述の操業にあたっては、吹錬中の脱炭反応を促進させるため、下記の(9)式で示される溶湯2の撹拌動力密度εが500W/t以上となる条件で溶湯2中に羽口4から底吹きガスを供給することが好ましい。それは適正な撹拌動力で溶湯の撹拌を行うことで、スラグ−メタル反応を促進し、スラグ中の酸化Mnを回収することができるからである。さらに好ましくは、攪拌動力密度を600W/t以上とすることである。一方、通常は底吹きガスを大量に吹き込んでも吹抜けによって溶湯の撹拌に寄与する有効な底吹きガスが減少するため、攪拌動力密度の最大値は1000W/t程度である。
ε=6.183×(Q×T/(60×W))×[ln{1+h/(1.02×10−4×(101325×P))}+{1−(T/T)}] ・・・(9)
ここで、ε:底吹きガスの撹拌動力密度(W/t)、Q:底吹きガス流量(Nm/h)、W:フェロマンガン溶湯量(t)、T:フェロマンガン溶湯温度(℃)、T:底吹きガス温度(℃)、h:浴深(静止時浴面から反応容器底までの距離)(m)、P:大気圧力(atm)である。
なお、耐火物の損耗、Mnの蒸発の抑制、脱炭速度の維持を獲得するという観点からは、フェロマンガン溶湯温度Tは、溶湯中炭素濃度[C]:2.0mass%以上は1700℃以下、[C]:2.0mass%未満1.5mass%以上では1750℃以下にして操業を行うことが望ましい。上記範囲に溶湯温度を維持するためには、この脱炭精錬の途中で必要に応じて合金、生石灰、ドロマイトなどの副原料やMn鉱石、スラグなどを冷却材9として添加することが有効である。この場合において、Mnの蒸発を抑えること以上にスラグボリュームが増加すると、スラグへのMnの移行が増加し、Mn歩留まりの低下を招く。そのため、冷却材としてはFeMnの破砕屑を用いることが好ましく、MCFeMnまたはLCFeMnを冷材として用いることがさらに好ましい。しかし、そうした破砕屑を用いて操業温度の制御を行うことは、冷却材の添加によって溶湯が局部的に冷却されるため、脱炭反応促進の観点からはあまり好ましくない。そこで、破砕屑を用いて溶湯温度を制御する場合には、その使用量は極力減らすことが望ましい。
さて、所定の炭素濃度になるまで脱炭したら、上記上吹きランス3を上昇させ、酸化性ガスの吹きつけを停止する。また、該上吹きランス3の上昇後、底吹きガスによって撹拌しながら、FeSi、SiMnなどの還元材を添加し、スラグ中の酸化Mnを還元回収することが好ましい。
この実施例は、25tの高炭素フェロマンガン(HCFeMn)の溶湯を、内径約2.3mの円筒状の上底吹き型精錬炉に装入し、脱炭精錬を行った例である。ここで使用したHCFeMnは、表1に示す2号(Mn:73mass%、C:6.9mass%)に相当し、装入直後の温度は1335〜1342℃であった。操業(吹錬)にあたっては、底吹き羽口からArを吹き込んで、溶湯を撹拌しつつ、上吹きランスより純Oを吹きつけた。酸素供給速度は精錬開始から終了まで40Nm/minで行った。そして、吹錬に際しては、MCFeMn(Mn:80mass%、C:1.5〜2.0mass%)の破砕屑500kgおよびLCFeMn(Mn:80mass%、C:0.5〜1.0mass%)の破砕屑450kgをそれぞれ添加した。また、この操業にあたっては、ランス高さ、上吹きノズルの形状および孔数、ならびにノズル前圧力を変化させ、上吹きガスの浴面到達時流速を変化させて、高炭素フェロマンガン溶湯の脱炭精錬を行った。その結果を表2にまとめた。なお、フェロマンガン溶湯中の炭素濃度[C]:0.5mass%を終点として吹錬を終了した。
Figure 0006726777
Figure 0006726777
なお、この実施例において、Mn歩留り、脱炭酸素効率の定義はそれぞれ下記(10)(11)式のとおりである。
ηMn=W/(W+W+W)×100 ・・・(10)
ここで、ηMn:Mn歩留(%)、W:製品FeMn中のMn重量(kg)、W:HCFeMn溶湯中のMn重量(kg)、W:Mn含有合金として添加したMn重量(kg)、W:酸化Mnとして添加したMn重量(kg)である。
ηO2=(([C]1−[C]2)×10/12×0.5×22.4×100)/WO2 ・・・(11)
ここで、ηO2:脱炭酸素効率(%)、[C]1:吹錬開始時の溶湯中炭素濃度(mass%)、[C]2:吹錬終了時の溶湯中炭素濃度(mass%)、およびWO2はFeMnの単位重量当たりの吹錬酸素総量(Nm/t)である。
表2に示すように、上記脱炭精錬の結果、上吹きガスの浴面到達時の流速が70m/s以上150m/s以下である水準では、Mn歩留りが高位であった。一方で、浴面到達時流速が70m/s未満である水準では、酸素がMnの蒸気(ヒューム)に遮られ、十分浴面に到達しなかったため、脱炭酸素効率が低位であったと考えられる。また、浴面到達時流速が150m/s超えの水準では、溶湯の飛散が多くなりMn歩留が低下したと考えられる。さらに、底吹きガスの撹拌動力密度が500W/t以上の水準では、撹拌動力密度が500W/t未満の水準よりもMn歩留がより高位であった。適正な撹拌動力で溶湯の撹拌を行うことで、スラグ-メタル反応を促進し、スラグ中の酸化Mnを還元回収することが出来たためであると考えられる。
本発明に係る低炭素フェロマンガンの製造方法で提案している技術は、例えば、その他の一般的な製鋼精錬技術の分野への展開も可能であると考えられる。
1 反応容器
2 溶湯
3 ランス
4 羽口
5 非酸化性ガス配管
6 非酸化性ガス配管
7 酸素ガス配管
8 流量調節弁
9 冷却材(添加材)

Claims (3)

  1. 上吹きランスおよび底吹き羽口を備えた反応容器内に収容した高炭素のフェロマンガン溶湯の浴面上に、上吹きランスから酸化性ガスを吹きつけて脱炭し、低炭素のフェロマンガンを製造するに際し、前記酸化性ガスの吹きつけを浴面到達時流速が70m/s以上150m/s以下となるようにして吹錬することを特徴とする低炭素フェロマンガンの製造方法。
  2. 前記底吹き羽口からは、撹拌動力密度にして500W/t以上となるように撹拌用ガスの吹きこみを行うことを特徴とする請求項1に記載の低炭素フェロマンガンの製造方法。
  3. 前記吹錬中に、中炭素フェロマンガンまたは低炭素フェロマンガンの冷材を投入することを特徴とする請求項1または2に記載の低炭素フェロマンガンの製造方法。
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