JP2001172705A - 金属粉末の製造方法、並びに導電性ペーストおよびセラミック電子部品 - Google Patents

金属粉末の製造方法、並びに導電性ペーストおよびセラミック電子部品

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JP2001172705A
JP2001172705A JP35721299A JP35721299A JP2001172705A JP 2001172705 A JP2001172705 A JP 2001172705A JP 35721299 A JP35721299 A JP 35721299A JP 35721299 A JP35721299 A JP 35721299A JP 2001172705 A JP2001172705 A JP 2001172705A
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metal
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Abstract

(57)【要約】 【課題】不純物混入の恐れがなく、分散性に優れた、微
細な金属粉末を効率よく安価に製造する方法を提供す
る。 【解決手段】水溶性アルコールからなる非水溶媒中
に、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンおよび
モノエタノールアミンよりなる群から選ばれる少なくと
も1種のキレート化剤、並びに高分子タイプ界面活性剤
を溶解する工程、非水溶媒中に、金属塩を溶解または
分散する工程、非水溶媒中に、塩基性化合物の水溶液
を添加してpHをアルカリに調整して未溶解の金属塩を
溶解して溶液とし、加温する工程、加温した溶液に、
超音波を照射しながら、溶液中に溶解している金属イオ
ンをMn+とした場合、金属イオンMn+とのモル比率N2
4/M n+がn(ただし、nは金属イオンの価数)以上
になる量のN24を加えて還元反応を行ない金属を析出
させる工程、とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性ペースト用
などの電子材料として用いられるニッケルなどの金属粉
末の製造方法に関し、特に化学的還元法による金属粉末
の製造方法に関する。また、得られた金属粉末を用いた
導電性ペーストおよびセラミック電子部品に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、Ni、Coなどの金属粉末が導電
性ペースト用などの電子材料として盛んに用いられてい
る。金属粉末の工業的製造方法としては、機械的粉砕
法、化学的還元法、気相法などがある。
【0003】機械的粉砕法は、金属塊を機械的に粉砕し
て金属粉末を得る方法である。
【0004】化学的還元法は、金属イオンを含む水溶液
に還元剤を添加して、金属イオンを還元して金属粉末を
得る方法である。
【0005】気相法は、塩化物などの金属化合物蒸気を
水素と反応させたのち冷却して金属粉末を得る化学気相
法、水素ガス雰囲気中においてアーク放電で溶融・蒸発
させた金属蒸気を冷却して金属粉末を得る水素アーク
法、不活性ガス中で高周波誘導加熱などで加熱蒸発させ
た金属蒸気を冷却して金属粉末を得るガス中蒸発法など
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、機械的
粉砕法による場合は、得られる金属粉末の粒径が粗く、
粉砕時に不純物混入の恐れがあり、導電性ペースト用な
どの電子材料として不向きである。
【0007】また、化学的還元法の場合、例えば、Ni
またはCoの金属粉末を得る方法として、Ni2+または
Co2+を水溶液中でNaBH4またはN24で還元する
方法がある。この化学的還元法によれば、粒径の細かい
金属粉末が得られるが、還元剤としてNaBH4を用い
ると副生成物として金属の硼化物(硼化ニッケル、硼化
コバルトなど)が生成し、純粋な金属粉末を得ることが
できないという致命的な欠点を有している。また、還元
反応で得られる金属粉末は凝集しているため、別途、分
散剤を用いて分散させなければならないという欠点も有
している。さらに、水溶液中で還元反応を行なうため、
例えばNi2+やCo2+が酸化され易く、この酸化を防ぐ
ためには水溶液のpHを一定範囲に厳密に調整する必要
がある。
【0008】さらに、気相法の場合、いずれの気相法に
おいても、得られる金属粉末は粒径が細かく電子材料と
して好適であるが、量産性に乏しくまたは製造設備費が
高価であって、製造コストが高くなるという問題点を有
している。
【0009】そこで、本発明の目的は、上記問題点を解
決した、不純物混入の恐れがなく、分散性に優れた、微
細な金属粉末を効率よく安価に製造する方法を提供する
ことにある。また、得られた金属粉末を用いた導電性ペ
ースト、およびこの導電性ペーストを用いたセラミック
電子部品を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の金属粉末の製造方法は、水溶性アルコール
からなる非水溶媒中に、トリエタノールアミン、ジエタ
ノールアミンおよびモノエタノールアミンよりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種のキレート化剤、並びに高分
子タイプ界面活性剤を溶解する工程、前記非水溶媒中
に、さらに、金属塩を溶解または分散する工程、前記金
属塩が溶解または分散した非水溶媒中に、塩基性化合物
の水溶液を添加してpHをアルカリに調整して未溶解の
金属塩を溶解して溶液とし、該溶液を加温する工程、前
記加温した溶液に、超音波を照射しながら、前記溶液中
に溶解している金属イオンをMn+とした場合、該金属イ
オンMn+とのモル比率N24/Mn+がn(ただし、nは
金属イオンの価数)以上になる量のN24を加えて還元
反応を行ない金属を析出させる工程、とを備えることを
特徴とする。
【0011】そして、前記金属塩はNi金属塩であり、
前記調整したpHは11〜12であり、前記加温温度は
55℃以上であり、前記金属イオンMn+はNi2+であ
り、前記金属粉末はNi粉末であることを特徴とする。
【0012】また、前記金属塩は、硝酸塩、硫酸塩、酢
酸塩および塩化物よりなる群から選ばれる少なくとも1
種であることを特徴とする。
【0013】また、前記高分子タイプ界面活性剤は、ポ
リビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、
ポリビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロー
スよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを
特徴とする。
【0014】また、前記塩基性化合物は、NaOH、L
iOH、KOH、CsOH、NH4OHおよびRbOH
よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特
徴とする。
【0015】また、本発明の導電性ペーストは、金属粉
末と有機ビヒクルとを含有する導電性ペーストであっ
て、前記金属粉末は上記の製造方法により製造されたも
のであることを特徴とする。
【0016】また、本発明のセラミック電子部品は、セ
ラミックと、該セラミックに形成された導体とを備えた
セラミック電子部品であって、前記導体が、上記の導電
性ペーストを焼成して得られたものを含むことを特徴と
する。
【0017】さらに、本発明のセラミック電子部品は、
複数の積層された誘電体セラミック層と、該誘電体セラ
ミック層の特定の界面に沿って形成された内部電極と、
該内部電極に電気的に接続された外部電極とを備えて積
層コンデンサが構成されており、かつ、前記内部電極
は、Niを主成分とするものであって、上記の導電性ペ
ーストを焼成して得られたものであることを特徴とす
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の金属粉末の製造方法は、
水溶性アルコールからなる非水溶媒中に、トリエタノ
ールアミン、ジエタノールアミンおよびモノエタノール
アミンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のキレー
ト化剤、並びに高分子タイプ界面活性剤を溶解する工
程、前記非水溶媒中に、さらに、金属塩を溶解または
分散する工程、前記金属塩が溶解または分散した非水
溶媒中に、塩基性化合物の水溶液を添加してpHをアル
カリに調整して未溶解の金属塩を溶解して溶液とし、該
溶液を加温する工程、前記加温した溶液に、超音波を
照射しながら、前記溶液中に溶解している金属イオンを
n+とした場合、該金属イオンMn+とのモル比率N 24
/Mn+がn(ただし、nは金属イオンの価数)以上にな
る量のN24を加えて還元反応を行ない金属粉末を析出
させる工程、を備える。
【0019】このような製造方法により、不純物混入の
恐れがなく、分散性に優れた、微細な金属粉末を効率よ
く安価に得ることができる。
【0020】なお、水溶性アルコールからなる非水溶媒
としては、メチルアルコール、エチルアルコール、プロ
ピルアルコールなどの一価アルコール、エチレングリコ
ール、グリセリンなどの多価アルコールが挙げられる。
そして、これらを単独で、あるいは混合して用いること
ができる。これらアルコールは水に可溶であり、反応溶
液のpHを調整するのに用いるNaOH、KOH、Li
OH、CsOHおよびNH4OHを容易に溶解する。し
たがって、これらの非水溶媒を用いることによって、得
られる金属粉末に含まれる不純物を洗浄除去することが
容易となる。
【0021】また、得られる金属粉末としては、特に限
定されるものではなく、金属塩を適宜選択することによ
り、例えばNi粉末、Co粉末などの種々の金属粉末を
得ることができる。
【0022】また、金属塩の塩としては、硝酸塩、硫酸
塩、酢酸塩、塩化物などを適宜用いることがでいる。
【0023】また、高分子タイプ界面活性剤としては、
カルボン酸エステルタイプの界面活性材を除くポリビニ
ールピロリドン(PVP)、ヒドロキシプロピルセルロ
ース(HPC)、ポリビニルアルコール(PVA)、カ
ルボキシメチルセルロース(CMC)などを適宜用いる
ことができる。
【0024】また、塩基性化合物としては、NaOH、
LiOH、KOH、CsOH、NH 4OHおよびRbO
Hなどを適宜用いることができる。
【0025】本発明の製造方法は、還元反応を超音波を
照射しながら行なう方法であるため、反応溶液内が酸化
性の状態になりやすい。このように、酸化されやすい状
態になると、金属イオンの還元効率が低下し、金属粉末
の収率に影響を与える。しかしながら、キレート化剤と
して、トリエタノールアミン(TEA)、ジエタノール
アミン(DEA)またはモノエタノールアミン(ME
A)を用いることにより、金属イオンが水酸化物の形で
沈殿するのを防止するのみならず、反応溶液内が酸化性
の状態になるのを抑制して、金属イオンの金属粉末への
還元効率の低下を防ぐことができる。
【0026】また、反応溶液に超音波を照射するため、
反応溶液系内にキャビテーションが起こり、キャビテー
ション内に高エネルギーが与えられ、このエネルギーに
よってキャビテーション内での反応、すなわち還元反応
が促進される。また、超音波照射は生成する金属粉末の
分散を促進し、凝集の少ない金属粉末を得ることが可能
となる。
【0027】また、超音波照射に加えて、高分子タイプ
界面活性剤を添加することにより、得られる金属粉末の
分散を助け、さらに凝集の少ない金属粉末を得ることが
できる。
【0028】例えばNi金属粉末を製造する場合、具体
的に以下のように、超音波照射により還元反応が促進さ
れる。
【0029】還元反応中に超音波を照射しない場合、N
24/Ni2+のモル比率が2であって反応温度が55℃
のとき、理論反応の約40%程度しか還元反応が進まな
い。これに対して、還元反応中に超音波を照射した場
合、N24/Ni2+のモル比率が2であって反応温度が
55℃のとき、理論どおりの100%反応が進む。還元
反応中に超音波を照射しない場合、Ni2+の還元反応を
100%進めるためには、反応温度を75〜80℃に高
める必要がある。
【0030】次に、本発明の導電性ペーストは、上記の
製造方法で得られた金属粉末を有機ビヒクル中に分散さ
せることにより得られる。なお、有機ビヒクルは、通
常、樹脂および溶剤を主成分とし、それ以外に必要に応
じて、分散剤、可塑剤、消泡材、静電気防止剤などを所
定量含む。
【0031】そして、樹脂としては、セルロース系樹
脂、アクリル系樹脂、ブチラール系樹脂、アルキッド系
樹脂などが挙げられ、これらを単独あるいは混合して用
いることができる。また、溶剤としては、たとえば、テ
ルピネオール、グリコール類、セロソルブ類、酢酸エス
テル類などが挙げられるが、特に限定されるものではな
い。樹脂の種類、塗布方法などとの兼ね合いで、適宜選
択して用いることができる。
【0032】また、この導電性ペースト中には、例えば
積層セラミックコンデンサを製造する際、セラミックグ
リーンシートとの密着性を向上させるために、共材とし
て前記セラミックグリーンシートと同種の原料粉末を所
定量添加してもよい。
【0033】次に、本発明のセラミック電子部品は、セ
ラミックと、上記の導電性ペーストの焼成により形成さ
れた導体とを含むものであり、例えば、積層セラミック
コンデンサ、セラミック多層回路基板、セラミックコン
デンサ、セラミック共振器、セラミックアクチュエータ
などがある。
【0034】図1は本発明のセラミック電子部品の一例
を示す積層セラミックコンデンサの断面図であり、図2
は図1に示す積層セラミックコンデンサの積層体2の分
解斜視図である。
【0035】図1および2を参照して、積層セラミック
コンデンサ1は、複数の積層された誘電体セラミック層
3および4と、積層方向における中間部に位置する誘電
体セラミック層4間の特定の界面に沿いかつ積層体2の
積層方向に互いに重なり合った状態で形成された複数の
内部電極5および6とを含む、直方体形状の積層体2を
備えている。この内部電極5および6が、Niを主成分
とするものであって、本発明の導電性ペーストを焼成し
て形成されている。
【0036】そして、積層体2の外表面上であって、そ
の各端部には、第1および第2の外部電極7および8が
それぞれ形成されている。外部電極7および8は、それ
ぞれ、内部電極5および6のうちの特定のものに電気的
に接続されるもので、第1の外部電極7に電気的に接続
される内部電極5と第2の外部電極8に電気的に接続さ
れる内部電極6とは、交互に積層方向に配置されてい
る。
【0037】なお、外部電極7および8の各上には、ニ
ッケル、銅などからなる第1のめっき層9が形成され、
さらにその上には、はんだ、錫などからなる第2のめっ
き層10が形成されてもよい。
【0038】次に、この積層セラミックコンデンサ1の
製造方法について、製造工程順に説明する。
【0039】まず、例えば、チタン酸バリウムを主成分
とした非還元性の誘電体セラミック原料粉末を用意し、
これに有機バインダを加えてスラリー化し、このスラリ
ーをシート状に成形して、誘電体セラミック層3および
4のためのセラミックグリーンシートを得る。
【0040】次に、中間部に位置する誘電体セラミック
層4となるセラミックグリーンシートの各一方の主面上
に、ニッケルを導電成分として含む内部電極5および6
を形成する。これら内部電極5および6は、本発明の導
電性ペーストを用いて、スクリーン印刷法などの印刷法
で形成される。
【0041】次に、内部電極5または6を形成した誘電
体セラミック層4のためのセラミックグリーンシート
を、必要枚数積層するとともに、図2に示すように、こ
れらセラミックグリーンシートを、外層部に位置する、
内部電極が形成されていない誘電体セラミック層3のた
めのセラミックグリーンシートによって挟んだ状態と
し、これらを圧着することによって、生の積層体を得
る。
【0042】その後、この生の積層体を、所定の非酸化
性雰囲気中で所定の温度にて焼成し、積層体2を得る。
【0043】次に、積層体2の両端面上に、内部電極5
および6の特定のものと電気的に接続されるように、外
部電極7および8を形成する。この外部電極7および8
の材料としては、内部電極5および6と同じ材料、すな
わちニッケルを使用することができるが、それ以外に、
銀、パラジウム、銀−パラジウム合金なども使用可能で
ある。また、これら金属粉末に、B23−SiO2−B
aO系ガラス、Li2O−SiO2−BaO系ガラスなど
のガラスフリットを添加したものが使用される。これら
外部電極材料については、積層セラミックコンデンサ1
の用途、使用場所などを考慮して適当な材料が選択され
る。
【0044】また、外部電極7および8は、典型的に
は、材料となる金属粉末ペーストを、焼成により得た積
層体に塗布して、焼付けることによって形成されるが、
焼成前に塗布して、積層体2を得るための焼成と同時に
焼付けることによって形成してもよい。
【0045】その後、外部電極7および8の上に、ニッ
ケル、銅などのめっきを施し、第1のめっき層9を形成
する。最後に、この第1のめっき層9の上に、はんだ、
錫などの第2のめっき層10を形成し、積層セラミック
コンデンサ1を完成させる。
【0046】
【実施例】以下、本発明の金属粉末の製造方法の実施例
を、Ni粉末の製造方法を例として示す。
【0047】まず、非水溶媒としてエチルアルコール
(C25OH)を用意した。次に、エチルアルコールに
表1に示す割合で、Niの金属塩としての塩化ニッケル
(NiCl2・6H2O)、キレート化剤としてのトリエ
タノールアミン(TEA、TEA/Ni2+=1(モル比
率で))、および高分子タイプ界面活性剤としてのポリ
ビニルピロリドン(PVP、分子量25000)を加え
て溶解した。その後、塩基性化合物としてのNaOH水
溶液(12N−NaOH)を加えて、溶液のpHを11
〜12の範囲内に調整した。
【0048】次に、pHを調整した溶液を表1に示す温
度に加温した。そして、この溶液に超音波(28kHz
・20秒間−45kHz・20秒間−100kHz・2
0秒間を1サイクルとして、還元反応中繰り返す)を照
射しながら、表1に示した量のN24(包水ヒドラジン
24・H2Oとして)を還元剤として添加して、還元
反応を30分間行ないNi金属粉末を得た。なお、表1
において試料番号に*印を付したものは本発明の範囲外
のものであり、それ以外は本発明の範囲内のものであ
る。
【0049】
【表1】
【0050】還元反応終了後、濾液のpHが6.5〜
7.0の中性になるまで純水で洗浄して、生成したNa
Clを除去した。その後、Ni金属粉末のアセトン洗浄
を繰り返して、水−有機溶剤の置換を行ない、Ni金属
粉末表面の水分を除去した。その後、Ni金属粉末を真
空乾燥機を用いて乾燥し、乾燥Ni金属粉末を得た。
【0051】得られた乾燥Ni金属粉末の重量を秤量
し、(得られたNi金属粉末の量/理論反応時のNi金
属粉末の量)×100の計算式を用いて、Ni金属粉末
の収率を求めた。また、得られた金属Ni粉末のFE−
SEM観察を行ない、Ni金属粉末の一次粒子径および
凝集状態の二次粒子径を求めた。これらの結果を表2に
示す。なお、表2において試料番号に*印を付したもの
は本発明の範囲外のものであり、それ以外は本発明の範
囲内のものである。
【0052】
【表2】
【0053】表2の試料番号3、5、6と、試料番号
9、10、11を比較する。
【0054】試料番号3、5および6のように、還元反
応時に超音波を照射することにより、Ni金属粉末の収
率が理論値通りの100%となり、一次粒子径が20〜
30nmと細かく、二次粒子径が100〜200nmと
凝集の少ない分散性にすぐれたNi金属粉末が得られ
る。これに対して、試料番号9、10および11のよう
に、還元反応時に超音波を照射しない場合は、Ni金属
粉末の収率が理論値より大幅に悪く38〜75%とな
り、一次粒子径が100〜150nmと大きく、二次粒
子径が1000〜2000nmと分散性が悪く凝集した
Ni金属粉末しか得られない。還元反応時に超音波を照
射しない場合には、試料番号14〜17のように、反応
温度を75℃以上に高めて、初めて収率を100%とす
ることができる。
【0055】すなわち、Niイオンを含む溶液に還元剤
を加えて、還元反応によりNi金属を析出させるNi金
属粉末の製造方法において、還元反応時に溶液に超音波
を照射することにより、分散性に優れた微細なNi金属
粉末を、より低温で理論どおりの収率で得ることができ
る。
【0056】次に、試料番号4と18との比較で明らか
なように、反応溶液中に高分子タイプ界面活性剤を添加
することにより、界面活性剤を添加しない場合に比べ
て、一次粒子径は1/2〜1/3になり、二次粒子径は
1/2〜1/5になる。すなわち、高分子タイプ界面活
性剤を添加することにより、より微細であって、分散性
に優れたNi金属粉末を得ることができる。
【0057】次に、試料番号1〜8間の比較で明らかな
ように、還元反応を理論どおり100%進行させるに
は、N24/Ni2+のモル比率を2以上とする必要があ
る。試料1および2のように、N24/Ni2+のモル比
率が1または1.5の場合には、収率が100%になら
ない。
【0058】還元剤N24の還元反応は1電子放出反応
であるので、当然、N24/N2+のモル比率が2未満で
はNi2+→Ni0の還元反応進行率は100%にならな
い。理論計算すると、N24/Ni2+=1.0〜1.5
の間では50〜75%の反応進行率となるが、実際には
試料番号1および2のように、60〜80%となってい
る。すなわち、還元反応時に超音波を照射することによ
り、理論値よりも10%程度反応を進めることができ
る。ところで、N24自身は反応条件によって1〜4電
子放出して反応するといわれており、この実験の結果で
理論値よりも10%程度反応が進行しているのは、1電
子反応のみでなく、一部2電子放出反応を伴った還元反
応が起こった結果であると推測される。
【0059】さらに、反応温度については、試料番号1
2、13のように45〜50℃では収率が86〜90%
となり、還元反応を理論通り100%進めることができ
ない。したがって、超音波照射しながら金属Ni粉末を
得るためには、反応温度として55℃以上が好ましい。
【0060】なお、上記実施例においては、Ni金属粉
末を得る場合について説明したが、金属粉末としては特
に限定されるものでなく、例えばCo金属粉末など他の
金属粉末の場合も同様に得ることができる。
【0061】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明の
金属粉末の製造方法によれば、粉砕工程あるいは還元剤
からの不純物混入の恐れがなく、分散性に優れた、微細
な金属粉末を効率よく安価に得ることができる。
【0062】そして、本発明の製造方法による金属粉末
を用いることにより、分散性に優れた微細な金属粉末を
含有する導電性ペーストを得ることができる。また、こ
の導電性ペーストを用いることにより、より平滑かつ均
一な導体を備えた積層セラミックコンデンサなどのセラ
ミック電子部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミック電子部品の一例を示す積層
セラミックコンデンサの断面図である。
【図2】図1に示す積層セラミックコンデンサの積層体
2の分解斜視図である。
【符号の説明】
1 積層セラミックコンデンサ 2 積層体 3、4 誘電体セラミック層 5、6 内部電極 7、8 外部電極 9、10 めっき層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K017 AA03 BA03 CA08 DA01 EJ01 FA29 FB07 5E001 AB03 AC09 AE02 AE03 AH01 AJ01 5E082 AA01 AB03 EE04 EE23 EE35 FF05 FG06 FG26 FG46 FG54 GG10 GG11 GG28 JJ23 LL02 PP06 PP10 5G301 DA10 DA42 DD01 DE03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性アルコールからなる非水溶媒中
    に、トリエタノールアミン、ジエタノールアミンおよび
    モノエタノールアミンよりなる群から選ばれる少なくと
    も1種のキレート化剤、並びに高分子タイプ界面活性剤
    を溶解する工程、 前記非水溶媒中に、さらに、金属塩を溶解または分散す
    る工程、 前記金属塩が溶解または分散した非水溶媒中に、塩基性
    化合物の水溶液を添加してpHをアルカリに調整して未
    溶解の金属塩を溶解して溶液とし、該溶液を加温する工
    程、 前記加温した溶液に、超音波を照射しながら、前記溶液
    中に溶解している金属イオンをMn+とした場合、該金属
    イオンMn+とのモル比率N24/Mn+がn(ただし、n
    は金属イオンの価数)以上になる量のN24を加えて還
    元反応を行ない金属を析出させる工程、とを備えること
    を特徴とする、金属粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記金属塩はNi金属塩であり、前記調
    整したpHは11〜12であり、前記加温温度は55℃
    以上であり、前記金属イオンMn+はNi2+であり、前記
    金属粉末はNi粉末であることを特徴とする、請求項1
    に記載の金属粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記金属塩は、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩
    および塩化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種で
    あることを特徴とする、請求項1または2に記載の金属
    粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記高分子タイプ界面活性剤は、ポリビ
    ニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ
    ビニルアルコールおよびカルボキシメチルセルロースよ
    りなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴
    とする、請求項1から3のいずれかに記載の金属粉末の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記塩基性化合物は、NaOH、LiO
    H、KOH、CsOH、NH4OHおよびRbOHより
    なる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴と
    する、請求項1から4のいずれかに記載の金属粉末の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 金属粉末と有機ビヒクルとを含有する導
    電性ペーストであって、前記金属粉末は、請求項1から
    5のいずれかに記載の製造方法により製造されたもので
    あることを特徴とする、導電性ペースト。
  7. 【請求項7】 セラミックと、該セラミックに形成され
    た導体とを備えたセラミック電子部品であって、前記導
    体が、請求項6に記載の導電性ペーストを焼成して得ら
    れたものを含むことを特徴とする、セラミック電子部
    品。
  8. 【請求項8】 複数の積層された誘電体セラミック層
    と、該誘電体セラミック層の特定の界面に沿って形成さ
    れた内部電極と、該内部電極に電気的に接続された外部
    電極とを備えて積層コンデンサが構成されており、か
    つ、前記内部電極は、Niを主成分とするものであっ
    て、請求項6に記載の導電性ペーストを焼成して得られ
    たものであることを特徴とする、セラミック電子部品。
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