JP2001172632A - コレステリック性液晶組成物、配向フィルムおよび多色反射板 - Google Patents
コレステリック性液晶組成物、配向フィルムおよび多色反射板Info
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Abstract
きるモノドメイン配向フィルムを形成しうるコレステリ
ック性液晶組成物の提供。 【解決手段】 一般式(a)で示される架橋型ネマチッ
ク性液晶モノマー、一般式(b)で示される架橋型コレ
ステリック性液晶モノマーおよび一般式(c)で示され
るコレステリック性液晶モノマーを含有してなるコレス
テリック性液晶組成物。(式中A、BおよびDはそれぞ
れ、1,4−フェニレン基、または1,4−シクロヘキ
シル基を、Xは、−COO−,−OCO−または−O−
基を、JおよびLは光学活性基をそれぞれ表す。)
Description
液晶組成物、配向フィルムおよび多色反射板に関する。
本発明のコレステリック性液晶組成物は、配向架橋処理
されてモノドメイン配向フィルムとなり各種光学フィル
ム等に用いうる。特に、配向フィルムの調製にあたっ
て、光学活性基の含有量を制御したモノドメイン配向フ
ィルムは、多色反射板として有用である。
装置と比較するとバックライトが不要であるという大き
な特徴を有するため、当該表示装置を薄く、軽くするこ
とが可能であり、しかもバックライトに必要な消費電力
を削減することができる。かかる特徴は、液晶表示装置
を備え、電源の容量が限られた携帯用の機器類、とりわ
け携帯用のノートパソコンの表示装置としての利用価値
か大きい。
晶表示装置に準じてカラー表示化を達成することが要求
されている。これまでは反射型表示装置においても透過
型液晶表示装置で使用されているカラーフィルターを用
いたカラー化技術が採用されていた。しかし、かかるカ
ラー化技術を用いた反射型液晶表示装置は表示が暗く、
視認性に乏しいものであることから、別個のカラー化技
術が求められている。
たなカラー化技術としては、液晶の複屈折による着色変
化(ECBモード)を利用したものが提案されている。
しかしながら、このカラー化技術は、表示色やその色数
が限定されていて、多色カラー性に乏しく、また色純度
にも劣って鮮明性に乏しい難点があった。
晶による選択反射性を利用したカラー化技術も提案され
ている(J.Phys.D:Appl .Phys.,v
ol.8,1441;1975)。しかしながら、この
カラー化技術では、液状の液晶を用いるため、液晶表示
装置が、液晶をガラス基板間等に挟持した構造となって
重くて厚いものとなり、反射型の液晶表示装置には不向
きであると共に、液晶の流動性が色区画の固定性を低下
させ、また熱により色特性が変化しやすいという問題が
あった。
モノマーに溶解させて、それを温度制御下に活性光線を
使用して重合固定化したフィルムも提案されている(特
開昭59−83113号公報)。しかしながら、この技
術では、色制御を温度によって行う必要があること、ま
た液晶ポリマーがリオトロピック性のためにフィルム形
成時に基板挟持構造とすることが必要であること等のた
め、赤色領域、緑色領域、青色領域等の色区画を微細化
することが困難であると共に大面積化や量産化も困難で
あった。
4905号公報には、シッフ塩基を有するコレステリッ
ク性液晶ポリマーに光酸発生剤を添加し、紫外線等の活
性光線の照射にて発生した酸により、シッフ塩基を切断
等してコレステリック性液晶ポリマーの面内でのコレス
テリックピッチを制御した多色反射板、並びにその製造
方法が提案されている。この技術は、表示色や色数の制
御が容易で色純度に優れ、反射型液晶表示装置における
鮮明で豊富な多色カラーによる良視認性の表示が達成で
き、しかも軽くて薄く、色区画の固定性に優れ、色特性
が実用温度で変化しにくい光学素子を製造することがで
きる。
り、光学活性基の含有量を調整してコレステリック性液
晶ポリマーの面内でのコレステリックピッチを制御し
て、十分な選択反射色を達成するためには、コレステリ
ック性液晶ポリマーがシッフ塩基などの結合基を有する
ことが不可欠ではあるものの、シッフ塩基などの結合基
を有するコレステリック性液晶ポリマーは、加熱配向時
における熱的安定性等の性質が十分でないため、多色反
射板における一定の品質を保持することが難しい。
熱性に優れ、しかも多色反射板等に利用できるモノドメ
イン配向フィルムを形成しうるコレステリック性液晶組
成物を提供することを目的とする。
を解決すべく、鋭意研究した結果、以下に示すコレステ
リック性液晶組成物により、前記目的を達成できること
を見出し、本発明を完成するに至った。
はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基または1,4
−シクロヘキシレン基を、Xはそれぞれ独立して−CO
O−基、−OCO−基または−O−基を、Bは1,4−
フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、4,4’
−ビフェニレン基または4,4’−ビシクロヘキシレン
基を、gおよびhはそれぞれ独立して2〜6の整数を示
す。)で表される架橋型ネマチック性液晶モノマー
(a)、一般式(b):
はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基または1,4
−シクロヘキシレン基を、Xはそれぞれ独立して−CO
O−基、−OCO−基または−O−基を、Jは活性光線
により変性ないし失活しない光学活性基を、gおよびh
はそれぞれ独立して2〜6の整数を示す。)で表される
架橋型コレステリック性液晶モノマー(b)、および、
一般式(c):
はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基または1,4
−シクロヘキシレン基を、Xは−COO−基、−OCO
−基または−O−基を、Lは活性光線により変性ないし
失活する光学活性基を、gは2〜6の整数を示す。)で
表されるコレステリック性液晶モノマー(c)を含有し
てなるコレステリック性液晶組成物、に関する。
液晶モノマー(a)が架橋型であることに加え、コレス
テリック性液晶モノマー(b)も架橋型であり、配向後
における後架橋によって、液晶性を維持した架橋形態の
液晶ポリマーが得られることから、耐熱性が向上するた
め熱的安定性がよい。
ノマー(b)の光学活性基(J)は活性光線に対し安定
なものであり、一方、コレステリック性液晶モノマー
(c)の光学活性基(L)は活性光線に対し活性で不安
定なものである。このように発明の液晶組成物は、活性
光線に対する安定性の異なる光学活性基によって、選択
反射特性に関わる光学活性基の有効成分含有量の制御が
可能であり、多色反射板等に利用できるモノドメイン配
向フィルムを形成しうる。なお、前記一般式(b)およ
び一般式(c)中の光学活性基に係わる変性ないし失活
とは、光学活性基の結合基の切断や構造変化、異性化や
転移などにより光学活性基がグランジャン配向における
螺旋ピッチの形成に有効に寄与しない状態となることを
意味する。
物は、たとえば、ガラス転移温度以上に加熱後冷却する
方式にて配向処理でき、常法により架橋処理することに
より液晶ポリマー化できる。したがって、従来のコレス
テリック性液晶組成物に準じ、低温で配向架橋処理によ
り、耐熱性に優れる配向フィルムの大面積体も容易に効
率よく製造することができる。また、本発明の液晶組成
物、配向フィルムは、活性光線に対し活性で不安定な光
学活性基の割合が制御されているため、雰囲気中や溶媒
中の酸性不純物に対する安定性、溶液安定性にも優れ
る。
により変性ないし失活しない光学活性基)は、一般式:
1≦qを満足する整数を示す。)で表される光学活性基
(j)のいずれかであることが好ましい。このような光
学活性基(j)は、活性光線に対して活性なシッフ塩基
等の連結基を含まず、溶液安定性や配向時の熱的安定性
に優れ、耐熱性が向上する。
により変性ないし失活する光学活性基)は、一般式:
チル基または2−ナフチル基を示し、R3 はメチル基、
フェニル基またはカルボキシメチル基を示し、R 4 はメ
チル基、ベンジル基またはt−ブチル基を示す。*は不
斉炭素原子を示す。)で表される光学活性基(l)のい
ずれかであることが好ましい。このような光学活性基
(l)により、光学活性基の有効成分含有量を容易に制
御でき、選択反射特性を向上させうる。
ック性液晶組成物に配向処理および架橋処理を施して得
られるものである。配向フィルムはモノドメイン配向を
有する。本発明の配向フィルムは、大面積のものを容易
に効率よく製造でき、しかも架橋されているため耐熱性
に優れている。
用するには、前記コレステリック性液晶組成物に、複数
の領域ごとに制御された活性光線を順次又は同時に照射
して、当該コレステリック性液晶組成物中の光学活性基
の有効含有量が異なる複数の領域を形成し、その後又は
それと同時にコレステリック性液晶組成物を配向処理し
て前記領域ごとに反射波長の異なる反射領域を形成する
多色化処理工程を行った後、さらに架橋処理を施す。か
かる製造方法により、耐熱性に優れた多色反射板が得ら
れる。
マー(a)、架橋型コレステリック性液晶モノマー
(b)、コレステリック性液晶モノマー(c)は、任意
の方法で合成できる。
ネマチック性液晶モノマー(a)の合成例の一例を下記
化11に示す。
息香酸2モル部に対しハイドロキノン1モル部を、ジシ
クロヘキシルカルボジイミド(式中、DCC)およびジ
メチルアミノピリジン(式中、DMAP)触媒下でエス
テル化することにより、架橋型ネマチック性液晶モノマ
ー(a)を合成できる。前記式(α)の構造は本発明に
おける架橋型ネマチック性液晶モノマー(a)の一例で
あり、本発明における架橋型ネマチック性液晶モノマー
(a)が前記式(α)に限定されるものではない。
キシ)安息香酸の合成は、下記化12に示す通りエチレ
ンクロロヒドリンと4−ヒドロキシ安息香酸をヨウ化カ
リウムを触媒としてアルカリ水溶液中で加熱還流させ
て、ヒドロキシカルボン酸を得た後、それをアクリル酸
と脱水反応させて得ることができる。
性液晶モノマー(b)の合成例の一例を下記化13に示
す。
息香酸2モル部に対しイソソルビド1モル部を、ジシク
ロヘキシルカルボジイミドおよびジメチルアミノピリジ
ン触媒下でエステル化することにより、架橋型コレステ
リック性液晶モノマー(b)を合成できる。かかる前記
式(β)の構造は本発明における架橋型コレステリック
性液晶モノマー(b)の一例であり、本発明における架
橋型コレステリック性液晶モノマー(b)が前記式
(β)に限定されるものではない。
リック性液晶モノマー(c)の合成例の一例を下記化1
4に示す。
息香酸と4位にシッフ塩基を介して光学活性基を有する
フェノールを、ジシクロヘキシルカルボジイミドおよび
ジメチルアミノピリジン触媒下でエステル化することに
より、目的のコレステリック性液晶モノマー(c)を合
成できる。かかる前記式(γ)の構造は本発明における
コレステリック性液晶モノマー(c)の一例であり、本
発明におけるコレステリック性液晶モノマー(c)が前
記式(γ)に限定されるものではない。
基を有するフェノールは、例えば下記化15のように、
4−ヒドロキシベンズアルデヒドと(S)−(−)−1
−フェニルエチルアミンをトルエン中で共沸脱水するこ
とにより得ることができる。
マチック性液晶モノマー(a)、架橋型コレステリック
性液晶モノマー(b)、コレステリック性液晶モノマー
(c)を含有してなるものである。なお、これら液晶モ
ノマーは、それぞれ前記一般式で表されるものを2種以
上混合して用いてもよい。
ー(a)の組成割合は、過少だと液晶性に乏しくなり、
配向できないおそれがあるため、50〜95モル%程度
とするのが好ましい。さらには、架橋型ネマチック性モ
ノマー(a)の含有量は、65〜95モル%とするのが
より好ましい。
ク性液晶モノマー(b)およびコレステリック性液晶モ
ノマー(c)の合計の割合は、架橋型ネマチック性モノ
マー(a)の残部となる。また、架橋型コレステリック
性液晶モノマー(b)およびコレステリック性液晶モノ
マー(c)の組成比は、たとえば、作製する多色反射板
の選択反射波長の制御範囲にもよるが、通常、(b):
(c)=10:90〜90:10程度(モル比)、好ま
しくは25:75〜75:25の範囲である。コレステ
リック性液晶モノマー(c)が過少の場合、単色用に用
いる場合には特に問題はないが、選択反射光を多色化し
て用いる場合には選択反射波長を制御できる範囲が極端
に小さくなり、多色反射板の作製上好ましくない。一
方、過多になると、溶液安定性や熱的安定性に劣る光学
活性基が選択反射波長制御後にも残存することとなり、
好ましくない。
物は、前記液晶モノマー(a)、(b)、(c)を各種
用途に応じて適宜に選択し、上記方法に準じて合成して
たものから調製するが、本発明の目的を損なわない範囲
で、前記液晶モノマー以外の液晶モノマーや、液晶ポリ
マーを含有することができる。
配向処理および架橋処理が施されてモノドメイン配向を
有する配向フィルムとなる。
たは配向処理方法で行いうる。たとえば、コレステリッ
ク性液晶組成物の溶液を配向処理面上に展開して乾燥
後、加熱処理して配向層を形成する。
る溶媒としては、前記液晶モノマー(a)、(b)、
(c)を溶解しうるものであれば特に限定はなく、この
ようなものを適宜に選択して用いることができるる。た
とえば、1,1,2,2−テトラクロロエタン、シクロ
ヘキサノン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒド
ロフラン等があげられる。これらの溶媒は単独溶媒や混
合溶媒として用いられる。
合物の配向処理に使用されている公知のものを用いるこ
とかできる。たとえば、基材上にボリイミドやポリビニ
ルアルコール等からなる薄膜を形成して、それをレーヨ
ン布等でラビング処理したものや、酸化珪素等を斜方蒸
着したもの、あるいは延伸フィルムなどがあげられる。
基材等としては、液晶組成物を配向させるための加熱処
理に耐えるものであれば特に制限されず、例えばガラス
板やポリマーシート、位相差板や偏光板等を適宜に選択
して用いうる。
溶液を、スピンコート法やロールコート法、フローコー
ト法やプリント法、デイップコート法や流延製膜法等の
方法で薄層展開し、それを乾燥処理して溶媒を除去する
方法などによりおこなうことができる。
熱処理は、液晶組成物のガラス転移点から等方相を呈す
る溶融状態までの温度範囲に加熱することにより行うこ
とができる。なお、配向状態を固定化するための冷却条
件については特に限定はなく、通例前記の加熱処理を3
00℃以下で行いうることから、自然冷却方式が一般に
用いられる。
理することにより配向架橋物とされるが、その架橋処理
は電磁波照射および加熱の一方、または両方により行う
ことができる。電磁波は、紫外線や電子線等の適宜なも
のを用いうるが、中でも開始剤を添加する必要が無く初
期配向性に影響の少ない電子線を好ましく用いうる。電
磁波の波長、照射量は適宜決めることができるが、紫外
線を用いる場合は液晶組成物の吸収のない300nmよ
り長波長の紫外線が好ましく、電子線を用いる場合は、
照射量が多すぎると液晶ポリマーが崩壊するので、系に
よるがおおむね1〜200Mrad/cm2 が好まし
い。
開始剤は架橋形態によって異なるが、いずれの場合も開
始剤の添加による配向処理物の着色が実用上問題のない
程度であることが望ましい。まず加熱のみによって架橋
を行う場合は、配向処理時に架橋が起らないよう、分解
温度の高い開始剤を用いる必要がある。次に電磁波架橋
のうち開始剤が必要な紫外線について言及すると、紫外
線照射のみ、もしくは加熱しながら紫外線照射によって
架橋を行ういずれの場合も、配向温度および架橋時の加
熱温度で分解するものは好ましくなく、液晶組成物の吸
収がある300nmより長波長の紫外線で分解する開始
剤であれば使用できる。例えば、2‐ベンジル−2−ジ
メチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブ
タノン−1や、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−
1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノ
ン]などが好ましく用いられる。また添加する開始剤量
も適宜決めることができる。
響を回避するため減圧下や無酸素下等で行うことが好ま
しい。なお加熱処理の場合、液晶組成物のガラス転移温
度より高く、等方相転移温度より低い温度範囲の中の適
宜な温度で加熱してよい。
配向処理した液晶層を有する形態や、配向処理した液晶
層の単独層からなるフィルム形態などの適宜な形態を有
するものであってよい。液晶単独層からなるフィルムは
配向処理面よりの剥離物として得ることができるが、そ
の剥離回収には、長鎖アルキル基等からなる剥離性側鎖
を有するラビング膜形成剤を用いる方式や、炭素数8〜
18のアルギル鎖を有するシラン化合物を表面に結合修
飾させたガラス板に配向処理面を形成する方式などの適
宜な方式を必要に応じて適用することができる。
ムとする場合、その基材としては、プラスチックフィル
ムやガラス板、あるいはポリマーシート、位相差板等の
延伸フィルムや偏光板の如き光学フィルムなど適宜のも
のを用いうる。前記のプラスチックフィルムとしては、
例えばポリメチルメタクリレートやポリカーボネート、
ポリビニルアルコールやポリアクリレート、ポリプロピ
レンやその他のポリオレフィン、ポリスチレンなどの、
延伸フィルムを形成しうる光学的に透明なプラスチック
を適宜に選択して用いうる。なお、基材としては、ガラ
ス板やトリアセチルセルロースフィルムの如く複屈折に
よる位相差が可及的に小さいものが特に望ましい。
使用目的に応じた光学特性などにより適宜に決定しうる
が、一般には柔軟性等の点より100μm以下、就中5
0μm、特に1〜30μmとされる。
ルムは、円偏光二色性を示す光学フィルムとして、液晶
表示素子等の色補償板、光学位相板、コレステリックフ
ィルム、ノッチフィルター等の種々の光学フィルム用途
に有用なものである。
物は、基材層に展開した液晶相に対し、複数の領域ごと
に制御された活性光線を順次又は同時に照射して、当該
コレステリック性液晶組成物中の光学活性基の有効含有
量が異なる複数の領域を形成し、その後又はそれと同時
にコレステリック性液晶組成物を配向処理して前記領域
ごとに反射波長の異なる反射領域を形成する多色化処理
工程を行った後、さらに架橋処理を施すことにより、コ
レステリック性液晶の選択反射特性を任意に設定した、
耐熱性に優れる多色反射板を製造できる。
し失活させうる、例えば可視光線や紫外線、電子線やガ
ンマ線などの適宜な放射線を用いることが出来る。その
中でも、照射エネルギー等の点より水銀灯やエキシマレ
ーザー等を介した紫外線が好ましい。
液晶モノマー(c)中の光学活性基(L)に係わるシッ
フ塩基等の結合基が切断され、光学活性基の有効含有量
が異なる複数の領域が形成され、コレステリック性液晶
の選択反射特性を任意に設定可能である。
処理は、前記と同様の処理法を採用でき、配向処理は活
性光線の照射と同時に行うこともできる。なお、活性光
線の照射にあたっては、基材層に展開した液晶相を予め
配向処理しておくことにより、活性光線の照射後または
同時における配向処理を良好に行いうる。
して非流動層とすることにより、結合基の切断に必要な
活性光線の照射量を減量できるが、かかる光酸発生剤を
添加した場合には、光学活性基に係わるウレタン結合や
−OCOO−結合においても切断が可能となる。その配
合量は、液晶組成物100重量部に対し25重量部以
下、就中0.1〜20重量部、特に0.5〜10重量部
が一般的であるが、これに限定されない。
類、芳香族スルホニウム塩類、芳香族ジアゾニウム塩
類、シアン酸エステル類、芳香族スルホン酸エステル
類、ニトロベンジルエステル類、芳香族スルファミド類
などの適宜なものを用いうる。就中、配合効果や液晶配
向への無影響性などの点より、トリアジン類や芳香族ス
ルホニウム塩類が好ましく用いうる。
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3’,4’
−ジメトキシフェニル)トリアジン、2,4−ビス(ト
リクロロメチル)−6−(4’−メトキシナフチル)ト
リアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ビ
ペロニルトリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−6−(4’−メトキシ−β−スチリル)トリアジ
ン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3’−
クロロ−4’−メトキシ−β−スチリル)トリアジンな
どが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
しては、下記の化学式で表されるものなどが挙げられ
る。
施例等について説明する。
ー(a)の合成)
00mlの混合液に溶解し、その溶液に4−ヒドロキシ
安息香酸276gと触媒量のヨウ化カリウムを溶解させ
た後、加温状態でエチレンクロロヒドリン177gを徐
々に添加して約15時間還流させた。得られた反応液よ
りエタノールを留去し、次いで水2000ml中に入
れ、この水溶液をジエチルエーテルで2回洗浄後、塩酸
を添加して酸性液とした。さらに沈殿物を濾別乾燥した
後、エタノールで再結晶し、4−(2−ヒドロキシエト
キシ)安息香酸298gを得た。
シ)安息香酸18.2gをテトラヒドロフラン300m
lに溶解させた後、それにアクリル酸ビニル19.5g
とリパーゼPS(天野製薬 (株)製)18.0gと少量
のp−メトキシフェノールを添加して40℃で3時間撹
拌した。得られた反応液よりリパーゼPSを濾別後、そ
の濾液を減圧留去した。生成の固体を2−ブタノン/ヘ
キサン=2/1(重量比)の混合溶媒で再結晶させて4
−(2−プロベノイルオキシエトキシ)安息香酸17.
5gを得た。
キシ)安息香酸9.44g、ヒドロキノン2.2g、ジ
メチルアミノピリジン触媒量およびブチルヒドロキシト
ルエン少量を塩化メチレン100mlに溶解し、室温撹
拌を行い、そこへ塩化メチレン10mlに溶解したジシ
クロヘキシルカルボジイミド(DCC)9.89gを徐
々に添加した。室温で5時間撹拌した後、析出したDC
Cウレアを濾別した。濾液を0.5モル/l塩酸、飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水(2回)(各1
50ml)で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥、濾
別、溶媒を留去し、さらにシリカゲルカラムクロマトグ
ラフイー(展開溶媒:塩化メチレン/ジエチルエーテル
=25/1(重量比))を行い、目的の架橋型ネマチッ
ク性液晶モノマー4.80g(化学純度>97%)を得
た。
ノマー(b)の合成)
10g、イソソルビド2.83g、ジメチルアミノピリ
ジン触媒量およびブチルヒドロキシトルエン少量を塩化
メチレン50mlに溶解し、室温撹拌を行い、そこへ塩
化メチレン3mlに溶解したジシクロヘキシルカルボジ
イミド(DCC)2.33gを徐々に添加した。室温で
5時間した後、析出したDCCウレアを濾別した。濾液
を0.5モル/l塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、飽和食塩水(2回)(各100ml)で洗浄し、さ
らに硫酸マグネシウムで乾燥、濾別、溶媒を留去した
後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:
塩化メチレン/ジエチルエーテル=6:1(重量比))
を行い、目的の架橋型コレステリック性液晶モノマー
1.39g(化学純度>90%)を得た。
(c)の合成)
200mlに加温して溶解した後、(S)−(−)−1
−フェニルエチルアミン121gを30分かけて加え、
Dean−Stark器を用いて理論量の水を確認する
まで約3〜4時間還流した。次に反応液を放冷し、析出
した結晶を濾過し、エタノール1500mlで再結晶し
て自色の針状結晶(キラルフェノール化合物)166g
が得られた。
安息香酸118g、キラルフェノール化合物113g、
ジメチルアミノピリジン触媒量およびブチルヒドロキシ
トルエン少量を酢酸エチル2500mlに溶解し、室温
撹拌を行い、そこへ酢酸エチル200mlに溶解したジ
シクロヘキシルカルボジイミド(DCC)124gを徐
々に添加した。室温で5時問撹拌した後、析出したDC
Cウレアを濾別した。濾液を飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液、飽和食塩水(2回)(各100ml)で洗浄し、
さらに硫酸マグネシウムで乾燥、濾別、溶媒を留去した
後、エタノール1800mlで再結晶を行い、目的のコ
レステリック性液晶モノマー130g(化学純度>90
%)を得た。
4重量部、製造例2で得られた架橋型コレステリック性
液晶モノマー10重量部および製造例3で得られたコレ
ステリック性モノマー16重量部をシクロヘキサノンに
溶解させて30重量%の液晶組成物の溶液を調製した。
た延伸ポリエチレンテレフタレートフィルムに、スピン
コーターにて塗布して乾燥させ、160℃で5分間加熱
して配向処理後に、室温にて放冷した後、電子線を40
Mrad/cm2 で照射して架橋し、配向架橋処理され
た配向フィルムを得た。
に、光酸発生剤5重量部を添加した液晶組成物の溶液を
調製し、さらに当該溶液に実施例1と同様の配向処理を
行った後、透過率が100%、50%、0%の3領域を
100μmピッチで有するフォトマスクを介してDee
p紫外線を100mJ/cm2 照射し、さらに前記同様
の配向処理条件で再配向して多色反射処理を行った後、
電子線を40Mrad/cm2 で照射して架橋処理し
て、配向架橋処理された配向フィルム(多色反射板)を
得た。
2で得た架橋型コレステリック性液晶モノマーを用いな
かった以外は、実施例1と同様の操作を行い配向フィル
ムを得た。
2で得た架橋型コレステリック性液晶モノマーを用いな
かった以外は、実施例2と同様の操作を行い配向フィル
ムを得た。
実施例1と同様の操作を行い配向フィルムを得た。
実施例2と同様の操作を行い配向フィルムを得た。
の温度で1時間加熱して外観の変化を目視観察し、変化
が認められない最高温度を耐熱温度として評価した。結
果を表1に示す。
を含有する液晶組成物から調製された実施例の配向フィ
ルムは、架橋型コレステリック性液晶モノマー(b)を
含有していない液晶組成物から得られた比較例の配向フ
ィルムに比べて、耐熱温度が大幅に向上していることが
認められる。また、参考例から、配向フィルムは、架橋
処理を施すことにより、耐熱温度が大幅に向上している
ことが認められる。
Claims (6)
- 【請求項1】 一般式(a): 【化1】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を、AおよびD
はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基または1,4
−シクロヘキシレン基を、Xはそれぞれ独立して−CO
O−基、−OCO−基または−O−基を、Bは1,4−
フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、4,4’
−ビフェニレン基または4,4’−ビシクロヘキシレン
基を、gおよびhはそれぞれ独立して2〜6の整数を示
す。)で表される架橋型ネマチック性液晶モノマー
(a)、一般式(b): 【化2】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を、AおよびD
はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基または1,4
−シクロヘキシレン基を、Xはそれぞれ独立して−CO
O−基、−OCO−基または−O−基を、Jは活性光線
により変性ないし失活しない光学活性基を、gおよびh
はそれぞれ独立して2〜6の整数を示す。)で表される
架橋型コレステリック性液晶モノマー(b)、および、
一般式(c): 【化3】 (式中、R1 は水素原子またはメチル基を、AおよびD
はそれぞれ独立して1,4−フェニレン基または1,4
−シクロヘキシレン基を、Xは−COO−基、−OCO
−基または−O−基を、Lは活性光線により変性ないし
失活する光学活性基を、gは2〜6の整数を示す。)で
表されるコレステリック性液晶モノマー(c)を含有し
てなるコレステリック性液晶組成物。 - 【請求項2】 一般式(b)におけるJ(活性光線によ
り変性ないし失活しない光学活性基)が、一般式: 【化4】 (各式中、q、rは0≦r≦5、1≦q≦6、かつr+
1≦qを満足する整数を示す。)で表される光学活性基
(j)のいずれかであることを特徴とする請求項1に記
載のコレステリック性液晶組成物。 - 【請求項3】 一般式(c)におけるL(活性光線によ
り変性ないし失活する光学活性基)が、一般式: 【化5】 (各式中、R2 はフェニル基、ビフェニル基、1−ナフ
チル基または2−ナフチル基を示し、R3 はメチル基、
フェニル基またはカルボキシメチル基を示し、R 4 はメ
チル基、ベンジル基またはt−ブチル基を示す。*は不
斉炭素原子を示す。)で表される光学活性基(l)のい
ずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載
のコレステリック性液晶組成物。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のコレス
テリック性液晶組成物に配向処理および架橋処理を施し
て得られる配向フィルム。 - 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載のコレス
テリック性液晶組成物に、複数の領域ごとに制御された
活性光線を順次又は同時に照射して、当該コレステリッ
ク性液晶組成物中の光学活性基の有効含有量が異なる複
数の領域を形成し、その後又はそれと同時にコレステリ
ック性液晶組成物を配向処理して前記領域ごとに反射波
長の異なる反射領域を形成する多色化処理工程を行った
後、さらに架橋処理を施す多色反射板の製造方法。 - 【請求項6】 請求項5に記載の製造方法で得られた多
色反射板。
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---|---|---|---|
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JP35952899A JP4441028B2 (ja) | 1999-12-17 | 1999-12-17 | 配向フィルムおよび多色反射板 |
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---|---|---|---|---|
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WO1998047979A1 (de) * | 1997-04-22 | 1998-10-29 | Basf Aktiengesellschaft | Verfahren zur herstellung polymerisierbarer flüssigkristalliner verbindungen |
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-
1999
- 1999-12-17 JP JP35952899A patent/JP4441028B2/ja not_active Expired - Fee Related
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