JP2001042116A - 多色反射板の製造方法 - Google Patents
多色反射板の製造方法Info
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Abstract
大幅に低減することができる多色反射板の製造方法、並
びに当該製造方法により製造される、量産性や品質に優
れる多色反射板を提供する。 【解決手段】 光学活性基を有するコレステリック液晶
ポリマーを含有する液晶ポリマー組成物層に、複数の領
域ごとに制御された活性光線を順次又は同時に照射し
て、前記光学活性基の有効含有量が異なる複数の領域を
形成し、その後又はそれと同時に、前記コレステリック
液晶ポリマーを加熱配向させて前記領域ごとに反射波長
の異なる反射領域を形成する多色化処理工程を有する多
色反射板の製造方法において、前記液晶ポリマー組成物
層が、液晶性骨格の両末端にアクリロイル基を有する化
合物を含有することを特徴とする。
Description
晶ポリマーの組成物層に、複数の領域ごとに制御された
活性光線を照射し、その後又はそれと同時に加熱配向さ
せて前記領域ごとに反射波長の異なる反射領域を形成す
る多色化処理工程を有する多色反射板の製造方法、並び
に当該製造方法により製造される多色反射板に関する。
装置と比較するとバックライトが不要であるという大き
な特徴を有し、従って、表示装置が薄く、軽くすること
が可能であり、しかもバックライトに必要な電力消費を
削減することができる。かかる特徴は、液晶表示装置を
備え、電源の容量が限られた携帯用の機器類、とりわけ
携帯用のノートパソコンの表示装置としての利用価値が
大きい。
型液晶表示装置に準じてカラー表示化を達成することが
要求されており、これまでは透過型液晶表示装置で使用
のカラーフィルターを用いたカラー化技術が使用されて
いた。しかるに、かかるカラー反射型液晶表示装置では
表示が暗くなって視認性に乏しいものであることから、
別個のカラー化技術が求められている。
新たなカラー化技術としては、液晶の複屈折による着色
変化(ECBモード)を利用したものが提案されてい
る。しかしながら、表示色やその色数が限定されて多色
カラー性に乏しく、また色純度にも劣って鮮明性に乏し
いという難点があった。
による選択反射性を利用したカラー化技術も提案されて
いる(J.Phys.D:Appl.Phys.,vo
l.8,1441;1975)。しかしながら、液状の
液晶を用いるためガラス基板間等に挟持した構造とする
必要があるので、重くて厚いものとなり、反射型の液晶
表示装置には不向きであると共に、液晶の流動性が色区
画の固定性を低下させ、また熱により色特性が変化しや
すいという問題があった。
モノマーに溶解させてそれを温度制御下に活性光線を使
用して重合固定化したフィルムも提案されている(特開
昭59−83113号公報)。しかしながら、この技術
では、色制御を温度によって行う必要があること、また
液晶ポリマーがリオトロピック性のためにフィルム形成
時に基板挟持構造とすることが必要であること等のた
め、赤色領域、緑色領域、青色領域等の色区画を微細化
することが困難であると共に大面積化や量産化も困難で
あった。
10−54905号公報には、シッフ塩基を有するコレ
ステリック液晶ポリマーに光酸発生剤を添加し、紫外線
等の活性光線の照射にて発生した酸により、シッフ塩基
を切断等してコレステリック液晶ポリマーの面内でのコ
レステリックピッチを制御した多色反射板、並びにその
製造方法が提案されている。この技術により、表示色や
色数の制御が容易で色純度に優れ、反射型液晶表示装置
における鮮明で豊富な多色カラーによる良視認性の表示
が達成でき、しかも軽くて薄く、色区画の固定性に優
れ、色特性が実用温度で変化しにくい光学素子を製造す
ることができる。
技術では、多色化を行うための活性光線の照射の際、多
色反射板として十分な多色化を行うためには、大量の活
性光線を照射する必要があった。このため、エネルギー
コスト的に有利とは言えず、またそのような大量の照射
ではコレステリック液晶ポリマー自身にまで損傷が及ぶ
こともあり、量産化および品質の点でも改善の余地があ
った。
における活性光線の照射量を大幅に低減することができ
る多色反射板の製造方法、並びに当該製造方法により製
造される、量産性や品質に優れる多色反射板を提供する
ことにある。
を達成すべく、活性光線を照射する液晶ポリマー組成物
層に添加する各種成分について鋭意研究した結果、意外
にもアクリロイル基を両末端に有する特定構造の化合物
を添加することにより、活性光線の照射量を大幅に低減
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
光学活性基を有するコレステリック液晶ポリマーを含有
する液晶ポリマー組成物層に、複数の領域ごとに制御さ
れた活性光線を順次又は同時に照射して、前記光学活性
基の有効含有量が異なる複数の領域を形成し、その後又
はそれと同時に、前記コレステリック液晶ポリマーを加
熱配向させて前記領域ごとに反射波長の異なる反射領域
を形成する多色化処理工程を有する多色反射板の製造方
法において、前記液晶ポリマー組成物層が、下記の一般
式(化2)で表される化合物を含有することを特徴とす
る。
レン基または1,4−シクロヘキシレン基を、Bは1,
4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、4,
4' −ビフェニレン基または4,4' −ビシクロヘキシ
レン基を、X1 およびX2 はそれぞれ独立して−COO
−基、−OCO−基または−O−基を、gおよびhはそ
れぞれ独立して2〜6の整数を示す)。
すように、一般式(化2)で表される化合物の添加によ
って、活性光線照射による光学活性基の変性ないし失活
が効率良く行われるため、活性光線の照射量を大幅に低
減することができる。
り、かつその照射量が最大となる領域でも総照射量で1
00mJ/cm2 以下であることが好ましい。活性光線
を紫外線にすることで、上記化合物の添加効果がより確
実に得られ、また、最大照射量を100mJ/cm2 以
下にすることで、コレステリック液晶ポリマーの損傷を
より生じにくくすることができる。
側鎖に前記光学活性基を有すると共に、その側鎖がシッ
フ塩基、ウレタン結合、またはカーボネート結合の1種
以上を有するものであることが好ましい。これらの結合
を有することにより、光学活性基全体の又は部分的な切
断等が容易に行え、光学活性基の変性ないし失活をより
確実に効率良く生じさせることができる。
発生剤を含有するものであることが好ましい。光酸発生
剤を含有させることにより、活性光線の照射で発生する
酸により、光学活性基の切断等がより容易に行えるた
め、照射量を更に低減することができる。
領域、及び青色反射領域であり、これらの反射領域が規
則的に形成されたものであることが好ましい。これによ
り、特に反射型液晶表示装置等のカラー表示化に有効な
多色反射板を得ることができる。
かに記載の多色反射板の製造方法により製造されるもの
である。従って、上記の如く活性光線の照射量を低減で
きるため、コレステリック液晶ポリマーの損傷も少な
く、また、エネルギーコスト的に有利なため量産性や品
質が優れたものになる。
を有するコレステリック液晶ポリマーを含有する液晶ポ
リマー組成物層に、複数の領域ごとに制御された活性光
線を順次又は同時に照射して、前記光学活性基の有効含
有量が異なる複数の領域を形成し、その後又はそれと同
時に、前記コレステリック液晶ポリマーを加熱配向させ
て前記領域ごとに反射波長の異なる反射領域を形成する
多色化処理工程を有するものである。
ック液晶ポリマーとしては、光学活性基に基づいてコレ
ステリック液晶性を示し、そのグランジャン配向の螺旋
軸に対して平行に入射する自然光の内、ある特定波長の
光の約半分を右(又は左)円偏光として反射し、残りの
約半分を左(又は右)円偏光として透過する特性を示す
ものであれば、特に限定なく使用しうる。なお、前記の
波長λは、式:λ=n・pで決定され(式中、nは液晶
の平均屈折率、pはコレステリック相の螺旋ピッチであ
る)、また反射円偏光の左右は、コレステリック相の螺
旋状態で決定され、螺旋の旋回方向と一致する。従っ
て、上記の螺旋ピッチを調節することにより、液晶ポリ
マーの反射波長を制御することができる。
は、側鎖型のものと主鎖型のものが存在するが、本発明
においては側鎖型の方が、配向性が良好で螺旋ピッチの
調節も容易なため好ましい。側鎖型と主鎖型のコレステ
リック液晶ポリマーは、何れも、光学活性基を有するセ
グメントとネマチック液晶性を付与するセグメントを有
しており、例えば光学活性基含有モノマーとネマチック
液晶性モノマーとの共重合体が例示される。以下、本発
明に好適な側鎖型コレステリック液晶ポリマー(以下、
液晶ポリマーと略称する場合がある)について詳細に説
明するが、本発明は主鎖型のものについても同様に適用
できる。
しては、下記の一般式(化3)で表されるものが例示さ
れる。
X3 はエステル結合(COO基又はOCO基)であり、
pおよびqは1又は2で、かつp+q=3を満足する。
ては、下記の一般式(化4)で表されるものが例示され
る。
X4 はエステル結合(COO基又はOCO基)である。
また、R3 は下記の一般式(化5)に示される置換基か
ら選択される置換基である。
−ナフチル基、2−ナフチル基、又はビフェニル基から
選択され、R5 はメチル基、フェニル基、又はカルボキ
シメチル基から選択され、R6 はメチル基、ベンジル
基、又はt−ブチル基から選択される置換基である。
表されるセグメントに対応するアクリル系モノマーは、
公知の方法で合成することができる。具体例として、化
学式(a1)で表されるアクリル系モノマーの合成例を
下記(化6)に示した。
ドリンと4−ヒドロキシ安息香酸を、ヨウ化カリウムを
触媒としてアルカリ水溶液中で加熱還流させてヒドロキ
シカルボン酸を得た後、そのヒドロキシカルボン酸をア
クリル酸又はメタクリル酸と脱水反応させて(メタ)ア
クリレートとし、その(メタ)アクリレートを4−シア
ノ−4’−ヒドロキシビフエニルでDCC(ジシクロヘ
キシルカルボジイミド)とDMAP(ジメチルアミノピ
リジン)の存在下にエステル化することにより目的物の
(a1)を得ることができる。
含有するアクリル系モノマーの具体的な合成例を下記
(化7)に示した。
ルハライドと4−ヒドロキシ安息香酸を、ヨウ化カリウ
ムを触媒としてアルカリ水溶液中で加熱還流させてヒド
ロキシカルボン酸を得た後、このヒドロキシカルボン酸
をアクリル酸又はメタクリル酸と脱水反応させて(メ
タ)アクリレートとし、その(メタ)アクリレートを、
4位に不斉炭素基を有するフェノール化合物でDCCと
DMAPの存在下にエステル化することにより目的物の
(b1)を得ることができる。
化合物は、例えば下記(化8)の如く、4−ヒドロキシ
ベンズアルデヒドと(S)−(−)−1−フェニルエチ
ルアミンをトルエン中で共沸脱水することにより得るこ
とができる。
メントに対応する他のアクリル系モノマーも、目的の導
入基を有する適宜な原料を用いて上記に準じて公知の方
法で合成することができる。
えばラジカル重合方式、カチオン重合方式、アニオン重
合方式などの公知のアクリル系モノマーの重合方式に準
じて行うことができる。なおラジカル重合方式を適用す
る場合、各種の重合開始剤を用いうるが、そのうちアゾ
ビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイルなどの分解
温度が高くもなく、かつ低くもない中間的温度(60〜
120℃程度)で分解するものが好ましく用いられる。
なお、共重合の方法も、ランダム共重合、ブロック共重
合等のいずれであってもよい。
を有するセグメント(モノマー単位)の含有量に基づい
てコレステリック液晶のピッチが変化し、反射波長は当
該ピッチで決定されることより、前記含有量の制御で反
射波長に基づく色を調節することができる。なお当該含
有量が高いほどピッチが小さくなり、反射光が短波長側
にシフトする。一方、当該含有量が過多では液晶性に乏
しくなり、過少ではコレステリック液晶性に乏しくなる
傾向にある。
リック液晶性等の点より好ましく用いうる液晶ポリマー
は、ネマチック液晶性モノマーの1種又は2種以上と、
光学活性基含有モノマーの1種又は2種以上とを光学活
性基含有モノマーの共重合割合が3〜50モル%、好ま
しくは5〜45モル%であり、特に10〜40モル%と
なるように共重合したものが好ましい。
ーを共重合することも可能である。この場合、多色化処
理の後に架橋処理を行うことによって、液晶非流動層の
配向やピッチを固定でき、多色反射板の熱的耐久性を向
上させることができる。架橋基含有モノマーは、末端に
架橋基を持つものであれば何れも使用可能であり、例え
ばアクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、不
飽和炭素環基など、公知の架橋基をもつモノマーが挙げ
られる。中でも、配向性への影響の低さから同時にメソ
ゲン骨格を有するものが有効である。もちろん、これら
の架橋基含有モノマーは、2種以上を組み合わせて用い
ることもできる。
のモノマーの骨格にもよるが、おおむね1〜30モル
%、好ましくは5〜20モル%が適当である。架橋基含
有モノマーの共重合割合が過多であれば、配向性やコレ
ステリック液晶としての選択反射特性に影響を与える恐
れがあり、過少であれば、後架橋による熱的耐久性の向
上が十分期待されない傾向がある。
に基づき2k〜100kであることが好ましい。2k未
満では非流動層としての成膜性に乏しくなり、100k
を超えると液晶としての配向性、特にラビング配向膜等
を介したモノドメイン化に乏しくなって均一な配向状態
を形成しにくくなる傾向がある。安定した成膜性と配向
状態を得ることができる点で、2.5k〜50kである
ことが、更に好ましい。
を混合して多色反射板の形成に用いることができる。得
られる多色反射板の耐久性や、ピッチ等の配向特性の実
用時における温度変化などに対する安定性、ないし無変
化性などの点よりガラス転移温度が80℃以上の液晶ポ
リマーを使用することが好ましい。
如き液晶ポリマーを含有する液晶ポリマー組成物層に、
複数の領域ごとに制御された活性光線を照射して、光学
活性基の有効含有量が異なる複数の領域を形成し、それ
を加熱配向させて前記領域ごとに反射波長の異なる反射
領域を形成するものである。すなわち、螺旋ピッチの制
御に寄与する有効な光学活性基含有量を調節して、その
光学活性基含有量の相違により、反射波長の異なる反射
領域を形成するものである。
学活性基の含有量を相違させうる適宜な方式で行うこと
ができる。但し、各色領域(色区画)の微細性や量産
性、大面積物の容易形成性や色の制御性ないし再現性な
どの点より、好ましい形成方式は、液晶ポリマーとして
活性光線の照射によりその光学活性基が変性ないし失活
するものを使用し、所定の配色パターンを形成したフォ
トマスク等を介して活性光線を照射する方式である。
活とは、光学活性基の結合基の切断や構造変化、異性化
や転移などにより光学活性基がグランジャン配向におけ
る螺旋ピッチの形成に有効に寄与しない状態となること
を意昧する。従って活性光線としては、光学活性基を変
性ないし失活させうる、例えば可視光線、紫外線、電子
線、ガンマ線などの適宜な放射線を用いることができ
る。特に、照射エネルギー等の点より水銀灯やエキシマ
レーザー等による紫外線の使用が好ましい。
変性ないし失活する液晶ポリマーとしては、上記一般式
(化4)で表されるセグメントを有するものが使用され
る。その場合、一般式(化4)におけるR3 として−C
H=N−構造を有するシッフ塩基を使用した場合は、活
性光線の照射で光学活性基の結合基を切断できる。
もの使用した場合、液晶ポリマー組成物に、さらに光酸
発生剤を配合して非流動層とすることにより、結合基の
切断に必要な活性光線の照射量を減量できる。また、か
かる光酸発生剤を添加した場合には、ウレタン結合やカ
ーボネート結合においても切断が可能となる。なお、一
般式(化4)のR3 を例示した(化5)の置換基は、い
ずれもシッフ塩基、ウレタン結合、カーボネート結合を
有している。
0重量部に対し25重量部以下が好ましく、0.1〜2
0重量部がより好ましく、0.5〜10重量部が特に好
ましい。
類、芳香族スルホニウム塩類、芳香族ジアゾニウム塩
類、シアン酸エステル類、芳香族スルホン酸エステル
類、ニトロベンジルエステル類、芳香族スルファミド類
などの適宜なものを用いうる。これらの中でも特に、配
合効果や液晶配向への無影響性などの点より、トリアジ
ン類や芳香族スルホニウム塩類が好ましく用いうる。
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3’,4’
−ジメトキシフェニル)トリアジン、2,4−ビス(ト
リクロロメチル)−6−(4’−メトキシナフチル)ト
リアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピ
ペロニルトリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチ
ル)−6−(4’−メトキシ−β−スチリル)トリアジ
ン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(3’−
クロロ−4’−メトキシ−β−スチリル)トリアジンな
どが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
しては、下記の化学式(化9)で表されるものなどが挙
げられる。
下記一般式(化10)で表される化合物を予め液晶ポリ
マー組成物に配合して非流動層とすることにより、光学
活性基の結合基の切断に必要な活性光線の照射量を大幅
に減量できる。
レン基または1,4−シクロヘキシレン基を、Bは1,
4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、4,
4' −ビフェニレン基または4,4' −ビシクロヘキシ
レン基を、X1 およびX2 はそれぞれ独立して−COO
−基、−OCO−基または−O−基を、gおよびhはそ
れぞれ独立して2〜6の整数を示す)。なお、一般式
(化10)で表される化合物は、公知の方法により容易
に製造することができる。
0重量部に対し1〜100重量部の適宜の配合量とする
のが好ましい。前記化合物を100重量部を超えて配合
すると、加熱配向の際に析出するなど配向性に悪影響を
与える傾向がある。また1重量部未満では、願性光線照
射量の低減効果が十分に発現しない傾向がある。最適な
配合量は、用いる液晶ポリマーや上記化合物の種類にも
よるが、おおむね3〜50重量部が、特に5〜20重量
部がより好ましい。
長の異なる反射領域を形成するには、活性光線の照射後
等に、コレステリック液晶ポリマーを加熱配向させる必
要があり、配向後の液晶ポリマーはグランジャン配向し
た状態となる。また、活性光線の照射前に配向処理を行
って、液晶ポリマーをグランジャン配向させた液晶ポリ
マー組成物層を照射に用いる場合がある。このような配
向処理は、従来の配向処理に準じた方法で行うことがで
きる。その具体的な例としては、基板上にポリイミドや
ポリビニルアルコール等からなる配向膜を形成してそれ
をレーヨン布等でラビング処理した後、その上に液晶ポ
リマーを展開してガラス転移温度以上、等方相転移温度
未満に加熱し、液晶ポリマー分子がグランジャン配向し
た状態でガラス転移温度未満に冷却してガラス状態と
し、当該配向が固定化された固化層を形成する方法等が
挙げられる。処理効率の点より、ガラス転移温度よりも
30〜70℃、特に好ましくは、約50℃高い温度に加
熱して配向処理することが好ましい。
セルロース、ポリビニルアルコール、ポリイミド、ポリ
アリレート、ポリエステル、ボリカーボネート、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、エポキシ系樹脂の如き
樹脂からなるフィルム、あるいはガラス板などの適宜な
ものを用いうる。基板上に形成した液晶ポリマーの非流
動層は、基板との一体物としてそのまま多色反射板の形
成に使用してもよく、また基板より剥離してフィルムな
どからなる多色反射板の形成に用いることもできる。
ってもよいし、溶剤による溶液として展開することもで
きる。溶液として展開する際に使用する溶剤としては、
例えば塩化メチレン、トリクロロエチレン、テトラクロ
ロエタン等のハロゲン化炭化水素、シクロヘキサノン等
のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエー
テル類、N−メチルピロリドンなどが例示され、使用す
る液晶ポリマーに応じて適宜選択して、単独でもしくは
2種以上混合して使用することができる。展開は、バー
コーター、スピナー、ロールコーターなどの公知の塗工
機を適宜選択して行うことができる。
は、薄すぎると選択反射特性(色特性)を示しにくくな
り、厚すぎると均一配向性に劣って選択反射特性を示さ
なかったり、配向処理に長時間を要することなどの理由
により、0.5〜20μmであることが好ましく、特に
1〜10μmであることが好ましい。なお多色化処理工
程に用いる液晶ポリマー組成物層には、前記液晶ポリマ
ー以外のポリマーや安定剤、可塑剤などの無機化合物、
有機化合物、金属やその化合物などの1種以上の添加剤
を必要に応じて配合することができる。
学活性基の有効成分含有量の相違に基づいて反射波長の
異なる反射領域を形成することにより行うことができ
る。その場合、活性光線を照射する方式では、一般的に
光学活性基の有効成分を減少させる処理となるので反射
光を長波長化する処理となる。
化においては、反射領域は、赤色領域、緑色領域、青色
領域(RGB)からなることが好ましく、且つこれらの
反射領域が規則的に形成されていることが好ましい。こ
のような反射領域を有する多色反射板を形成する場合に
は、最も短波長の青以下の反射波長を示す液晶ポリマー
をべースに用いて、それに活性光線を照射して所定の配
色パターンとなるように長波長化処理するのが好まし
い。その場合、活性光線の照射は、各反射領域ごとに分
けて順次行ってもよく、また、透過率の異なる複数の領
域を有するフォトマスク等を用いて同時に行ってもよ
い。
応じた2色以上の適宜な数に設定でき、その配色パター
ンや色区画の大きさなどについても使用目的に応じて適
宜に決定することができる。ちなみに反射型液晶表示装
置に好適なRGB反射板では、例えばトライアングル状
やストライプ状、格子状や市松模様状などの配置パター
ンが一般的である。また活性光線の照射方式では、フォ
トマスク等を使用して照射量を精度よくコントロールで
きることより、色区画の大きさを数ミクロンオーダーと
することも可能である。なお、多色化処理工程におい
て、照射対象となる液晶ポリマー組成物層は、配向処理
されていないものであってもよいが、配向の再現性によ
る発色精度などの点より、予め配向処理して所定の単色
反射を示す非流動層に対して多色化するための活性光線
照射を施すことが好ましい。
ける所定の配色は、上記した加熱配向処理を行うことに
より発現させることができる。加熱配向処理前の状態、
従って活性光線照射を終えた状態のままでは目的の配色
が発現せず、活性光線照射前の状態を維持する。加熱配
向処理は、多色化するための活性光線照射処理と同時に
施すことも出来るし、活性光線照射処理後に施すことも
出来る。
処理における活性光線照射量を極めて少量に抑えること
ができる。紫外線を用いて一般的に行われている多色化
処理では、液晶ポリマーの種類などにもよるが、おおよ
そ1000〜20000mJ/cm2 もの照射量を必要
とするのに対し、本発明の製造方法では100mJ/c
m2 以下の照射量で達成できる。このように活性光線の
照射量を低減できれば、製造に必要なエネルギーが減少
し短時間で多色化できるなどの生産効率の点で有利なば
かりでなく、活性光線が液晶ポリマーの配向性や基材に
与える影響も最低限に抑えることができるため、極めて
有利である。
明の製造方法により製造されるものである。即ち、光学
活性基を有するコレステリック液晶ポリマーがグランジ
ャン配向して形成され、前記光学活性基の有効成分含有
量の相違に基づいて反射波長の異なる複数の反射領域が
形成された非流動層を有する多色反射板であって、前記
非流動層が前記の一般式(化10)で表される化合物及
び/又はその変性物を含有するものである。
板は、多色カラーの反射板として種々の目的に用いるこ
とができ、特にRGB等の配色パターンからなる色区画
の精度や微細性に優れるものも容易に得られることよ
り、反射型液晶表示装置の多色カラー表示等に好ましく
用いることができる。
実施例等について説明する。
に示されるモノマーが82モル%、光学活性基を含有す
るモノマーとして(化12)に示されるモノマーが18
モル%の共重合体からなる重量平均分子量が7000、
ガラス転移温度が80℃、等方相転移温度が270℃で
その間の温度でコレステリック構造を示す側鎖型コレス
テリック液晶ポリマーを使用した。
00重量部と(化13)で示される化合物を5重量部、
光酸発生剤として2,4−ビス(トリクロロメチル)−
6−(3’−クロロ−4’−メトキシ−β−スチリル)
トリアジンを5重量部を溶解させた30重量%シクロヘ
キサノン溶液を、厚さ50μmのトリアセチルセルロー
スフィルムに厚さ約0.1μmのポリビニルアルコール
層を設け、それをレーヨン布でラビング処理した処理面
にスピンコータにて塗工し、乾燥させた。
3領域をそれぞれ100μmピッチでストライプ状に配
列したフォトマスクを介してDeep紫外線を60mJ
/cm2 照射し、160℃で5分間加熱配向処理して室
温にて放冷し、反射光の中心波長が620nm、550
nmおよび450nmからなる3領域を100μmピッ
チのストライプ状配列で有する多色反射板を得た。この
多色反射板の各反射色領域の反射スペクトルを図1に示
した。
マーに代えて、上記化学式(化14)で表されるモノマ
ーを用い、さらに上記化学式(化15)で表されるモノ
マーを共重合してなる、(化11)に示されるモノマー
が70モル%、(化14)に示されるモノマーが25モ
ル%、(化15)に示されるモノマーが5モル%の共重
合体からなる重量平均分子量が8000、ガラス転移温
度が85℃、等方相転移温度が280℃の側鎖型コレス
テリック液晶ポリマーを使用した以外は、実施例1に準
じて、反射光の中心波長が620nm、550nmおよ
び450nmからなる3領域を100μmピッチのスト
ライプ状配列で有する多色反射板を得た。この多色反射
板の各反射色領域の反射スペクトルを図2に示した。な
お、この多色反射板を用い室温で電子線を120Mra
d/cm2 照射して架橋処理を行ったことろ、反射特性
は殆ど変化せずに、耐熱性が向上した。
(化13)で表される化合物を添加しない他は実施例1
に準じて、反射光の中心波長が530nm、480nm
および430nmからなる3領域を所定ピッチで有する
多色反射板を得た。この多色反射板の各反射色領域の反
射スペクトルを図3に示した。
(化13)で表される化合物を添加せずに、多色化処理
工程としてDeep紫外線を5000mJ/cm2 照射
した他は実施例2に準じて、反射光の中心波長が570
nm、510nmおよび440nmからなる3領域を所
定ピッチで有する多色反射板を得た。この多色反射板の
各反射色領域の反射スペクトルを図4に示した。
実施例1と比較例1との対比より、化学式(化13)で
表される化合物を添加した実施例1のほうが同一の照射
量で反射光の中心波長の変化量がかなり大きく、光学活
性基の有効含有量の制御に有利なことが分かる。また、
実施例2と比較例2との対比より、実施例2のほうが極
めて少ない照射量で反射光の中心波長の変化量を同等以
上にすることができることが分かる。これらの結果よ
り、本発明の製造方法が有利であり、品質等にも優れた
多色反射板が得られることが明らかである。
幅に低減することができ、処理時間の短縮や工程数の削
減が達成でき、低コスト化が可能になる。さらに活性光
線の照射量が多すぎることによる液晶ポリマーの配向性
に対する悪影響や、液晶ポリマー自身へ与える損傷をよ
り低く抑えることができるので、配向性を保持したまま
で効率良く光学活性基の有効成分の含有量を制御するこ
とができる。
ペクトルを示した図
ペクトルを示した図
ペクトルを示した図
ペクトルを示した図
Claims (6)
- 【請求項1】 光学活性基を有するコレステリック液晶
ポリマーを含有する液晶ポリマー組成物層に、複数の領
域ごとに制御された活性光線を順次又は同時に照射し
て、前記光学活性基の有効含有量が異なる複数の領域を
形成し、その後又はそれと同時に、前記コレステリック
液晶ポリマーを加熱配向させて前記領域ごとに反射波長
の異なる反射領域を形成する多色化処理工程を有する多
色反射板の製造方法において、 前記液晶ポリマー組成物層が、下記の一般式(化1)で
表される化合物を含有することを特徴とする多色反射板
の製造方法。 【化1】 (式中、AおよびDはそれぞれ独立して1,4−フェニ
レン基または1,4−シクロヘキシレン基を、Bは1,
4−フェニレン基、1,4−シクロヘキシレン基、4,
4' −ビフェニレン基または4,4' −ビシクロヘキシ
レン基を、X1 およびX2 はそれぞれ独立して−COO
−基、−OCO−基または−O−基を、gおよびhはそ
れぞれ独立して2〜6の整数を示す)。 - 【請求項2】 前記活性光線が紫外線であり、かつその
照射量が最大となる領域でも総照射量で100mJ/c
m2 以下である請求項1に記載の多色反射板の製造方
法。 - 【請求項3】 前記コレステリック液晶ポリマーが側鎖
に前記光学活性基を有すると共に、その側鎖がシッフ塩
基、ウレタン結合、またはカーボネート結合の1種以上
を有するものである請求項1または2に記載の多色反射
板の製造方法。 - 【請求項4】 前記液晶ポリマー組成物層が、光酸発生
剤を含有するものである請求項1〜3のいずれかに記載
の多色反射板の製造方法。 - 【請求項5】 前記反射領域は、赤色反射領域、緑色反
射領域、及び青色反射領域であり、これらの反射領域が
規則的に形成されたものである請求項1〜4のいずれか
に記載の多色反射板の製造方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の多色反
射板の製造方法により製造される多色反射板。
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---|---|---|---|
JP21452299A JP4225372B2 (ja) | 1999-07-29 | 1999-07-29 | 多色反射板の製造方法 |
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JP4225372B2 JP4225372B2 (ja) | 2009-02-18 |
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- 1999-07-29 JP JP21452299A patent/JP4225372B2/ja not_active Expired - Fee Related
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