JP2001172621A - アルミン酸塩系蛍光体の製造方法 - Google Patents

アルミン酸塩系蛍光体の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】発光輝度が高く、均一組成のアルミン酸塩系蛍
光体を容易に製造可能な方法を提供する。 【解決手段】Ba、Mg、Eu、Mn、Sr、Ca、T
b、CeおよびZnから選ばれる少なくとも一種の金属
元素の陽イオンを含む水溶液とアルミニウム化合物と有
機酸と有機溶媒とを混合し、乾燥して得られる前駆体
を、1000〜1700℃の温度範囲で焼成するアルミ
ン酸塩系蛍光体の製造方法。該蛍光体が、一般式x11
O・y1MgO・z1Al23(M1:Ba、Srおよび
Caから選ばれる少なくとも一種)で示される複合酸化
物基体にEuおよび/またはMnが付活剤として添加さ
れた化合物、または、一般式x2CeO1.5・y22O・
2Al23(M2:MgおよびZnから選ばれる一種)
で示される複合酸化物基体にTbおよび/またはMnが
付活剤として添加された化合物である前記アルミン酸塩
系蛍光体の製造方法。前記いずれかの製造方法によって
得られ、一次粒子径が0.05μm以上5μm以下の粒
子が80重量%以上含まれるアルミン酸塩系蛍光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラズマディスプ
レイパネル(PDP)などの発光タイプの各種ディスプ
レイに用いられるアルミン酸塩系蛍光体を製造する方法
に関し、より詳しくは陽イオンの組成が極めて均一であ
ることを特徴とするアルミン酸塩系蛍光体の製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】PDPは画面の大型化および薄型化が可
能なことから、陰極線管(CRT)に代わり得るフラッ
トパネルディスプレイとして注目されている。PDPは
多数の微小放電空間(以下「表示セル」と略すことがあ
る)をマトリックス状に配置して構成した表示素子であ
り、各表示セル内には放電電極が設けられ、各表示セル
の内壁には蛍光体が塗布されている。各表示セル内の空
間にはHe−Xe、Ne−Xe、Ar等の希ガスが封入
されており、放電電極に電圧を印加することにより、表
示セル内で希ガスの放電が起こり、真空紫外線が放射さ
れる。この真空紫外線により蛍光体が励起され、可視光
を発する。表示素子の所定位置の表示セルの蛍光体の発
光によって画像が表示される。各表示セルに用いられる
蛍光体としてそれぞれ、青、緑、赤に発光する蛍光体を
用い、これらをマトリクス状に塗り分けることにより、
フルカラーの表示を行うことができる。
【0003】近年、希ガス放電により放射される真空紫
外線等によって励起して発光させるアルミン酸塩系蛍光
体の開発が盛んに行われている。例えば、青色発光蛍光
体としては一般式x11O・y1MgO・z1Al23
示される複合酸化物基体に付活剤としてEuが添加され
た化合物で、M1がBaである化合物(BaMgAl1 0
17:Eu、BaMgAl1423:Eu等)が良く知ら
れている。また、緑色発光蛍光体としては一般式x11
O・y1MgO・z1Al23で示される複合酸化物基体
に付活剤としてMnが添加された化合物で、M1がBa
である化合物(BaAl1219:Mn、BaMgAl14
23:Mn等)が良く知られている。
【0004】さらに詳しくは、例えば、青色蛍光体(B
aMgAl1017:Eu、BaMgAl1423:Eu
等)を製造する場合、原料として、(1)酸化バリウ
ム、水酸化バリウム、炭酸バリウム等のバリウム化合
物、(2)酸化ユウロピウム、フッ化ユウロピウム等の
ユウロピウム化合物、(3)酸化マグネシウム、水酸化
マグネシウム、炭酸マグネシウム等のマグネシウム化合
物、及び(4)酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム
等のアルミニウム化合物を用いる。その原料の混合物を
前駆体として弱還元雰囲気で焼成することにより青色蛍
光体を得ることができる。
【0005】しかしながら、この方法では、青色蛍光体
の原料として各構成イオンの化合物の固体を用いるた
め、その混合をボールミル等の物理的な混合により行う
が、このボールミル等の物理的な混合で得られる前駆体
は、Ba、Mg、Al、Euの各構成金属元素の分散が
悪く、焼成後の青色蛍光体は均一組成となりにくい。各
構成金属元素の分散が悪い、特に発光中心であるEuの
分散が悪いと、局所的にEuの濃度が高い部分が出現
し、濃度消光といわれる発光輝度の低下が起こってしま
う。
【0006】かかる背景からして、発光輝度が向上する
蛍光体を得るために、構成イオンの分散がより良好な蛍
光体前駆体を合成し、均一組成である蛍光体を合成する
ことが求められてきた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、発光
輝度が高く、均一組成のアルミン酸塩系蛍光体を容易に
製造可能な方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる状
況下、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、
アルミニウム化合物が分散した有機溶媒に有機酸を添加
して混合して得られたスラリーに、特定の金属元素の陽
イオンの水溶液を添加すると、該陽イオンは共沈して、
該陽イオンの有機酸塩がアルミニウム化合物の表面に析
出し、これを分離して得られるアルミン酸塩系蛍光体の
前駆体を特定温度で焼成すると、均一組成で発光輝度が
高いアルミン酸蛍光体が容易に得られることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は以下の(1)〜(5)
を提供する。(1)Ba、Mg、Eu、Mn、Sr、C
a、Tb、CeおよびZnからなる群から選ばれる少な
くとも一種の金属元素の陽イオンを含む水溶液とアルミ
ニウム化合物と有機酸と有機溶媒とを混合し、乾燥して
得られる前駆体を、1000℃以上1700℃以下の温
度範囲で焼成するアルミン酸塩系蛍光体の製造方法。
(2)アルミニウム化合物と有機酸を有機溶媒を用いて
混合して得られたスラリーと、Ba、Mg、Eu、M
n、Sr、Ca、Tb、CeおよびZnからなる群から
選ばれる少なくとも一種の金属元素の陽イオンの水溶液
とを混合し、該陽イオンを該有機酸の塩としてアルミニ
ウム化合物の表面に析出させ、該アルミニウム化合物を
分離し乾燥して得られる前駆体を、1000℃以上17
00℃以下の温度範囲で焼成するアルミン酸塩系蛍光体
の製造方法。(3)アルミン酸塩系蛍光体が、組成式x
11O・y1MgO・z1Al23(M1はBa、Srお
よびCaからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属
元素であり、0.5≦x1≦4.5、0≦y1≦4、0.
5≦z1≦20)で示される複合酸化物を基体とし、E
uおよび/またはMnを付活剤として含有する化合物で
ある上記(1)または(2)いずれか記載のアルミン酸
塩系蛍光体の製造方法。(4)アルミン酸塩系蛍光体
が、組成式x2CeO1.5・y22O・z2Al23(M2
はMgおよび/またはMnであり、0.9≦x2≦1.
1、0.9≦y2≦1.1、z2=5.5)で示される複
合酸化物を基体とし、Tbおよび/またはMnを付活剤
として含有する化合物である上記(1)または(2)記
載のアルミン酸塩系蛍光体の製造方法。(5)(1)〜
(4)のいずれかに記載の製造方法によって得られ、一
次粒子径が0.05μm以上5μm以下の粒子が80重
量%以上含まれるアルミン酸塩系蛍光体。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明についてさらに詳し
く説明する。本発明において用いるアルミニウム化合物
としては、アルミニウムを含む固体であれば、いかなる
ものを用いても良く、例えば、水酸化アルミニウム、酸
化アルミニウム、硫酸アルミニウムが挙げられる。
【0011】本発明において用いる有機溶媒は、アルミ
ニウム化合物を分散させるものならばいかなる有機溶媒
であっても良く、例えば、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、プロパノール、ブタノール等のアルコ
ール類、クロロホルム、ケロシン等が挙げられる。アル
ミニウム化合物が分散しやすいアルコール類が好まし
い。
【0012】本発明において用いる有機酸としては、−
COOH基を有する有機酸が好ましく、例えば、シュウ
酸、蟻酸、酢酸、酒石酸等が挙げられる。特に、シュウ
酸を用いた場合、Ba、Mg、Eu、Mn、Sr、C
a、Tb、Ce、Znの陽イオンと反応しやすく、B
a、Mg、Eu、Mn、Sr、Ca、Tb、Ce、Zn
の陽イオンがシュウ酸塩として析出しやすいため、より
好ましい。Ba、Mg、Eu、Mn、Sr、Ca、T
b、Ce、Znからなる群から選ばれる少なくとも一種
の金属元素の陽イオンは有機酸と反応して有機酸塩とし
てアルミニウム化合物の周囲に析出していることが好ま
しい。用いる有機酸の量としては、好ましくはアルミニ
ウム以外の陽イオンが有機酸塩として析出するのに必要
な化学量論量の1倍以上、より好ましくは3倍以上であ
る。
【0013】本発明において用いる陽イオンの水溶液と
しては、陽イオンの塩化物水溶液、陽イオンの硝酸塩水
溶液等を挙げることができる。構成陽イオンとしては、
例えば、青色蛍光体(BaMgAl1017:Eu、Ba
MgAl1423:Eu等)を製造する場合は、Ba、M
g、Euのイオンを、また、緑色蛍光体(BaAl12
19:Mn、BaMgAl1423:Mn等)を製造する場
合は、Ba、Mg、Mnのイオンを用いれば良い。混合
の方法は、いかなる方法によっても良いが、例えば攪拌
による混合方法が制御しやすく、低コストであるので好
ましい。
【0014】本発明の方法において、Ba、Mg、E
u、Mn、Sr、Ca、Tb、CeおよびZnからなる
群から選ばれる少なくとも一種の金属元素の陽イオンを
含む水溶液とアルミニウム化合物と有機酸と有機溶媒と
を混合したものを焼成用の前駆体とするには、直接乾燥
するかまたは濾過や遠心分離等の方法により固体を液体
から分離した後に乾燥する。乾燥温度は20〜300℃
の範囲が好ましく、さらに好ましくは90〜200℃で
ある。直接乾燥させる方法としては、エバポレーション
や、顆粒化しながら乾燥させるスプレードライを挙げる
ことができる。
【0015】次に、アルミン酸塩系蛍光体の前駆体を焼
成する方法はいかなる方法によっても良いが、例えば、
前駆体をアルミナボートに充填し、所定のガス雰囲気中
で所定の温度で焼成して各色の蛍光体を得ることができ
る。
【0016】例えば、青色蛍光体(BaMgAl
1017:Eu、BaMgAl1423:Eu等)の前駆体
を焼成する場合は、還元性雰囲気中で、1000〜17
00℃の温度範囲、0.5〜40時間の範囲で1回以上
焼成するのが好ましい。焼成温度の範囲は1200〜1
550℃がさらに好ましい。還元性雰囲気を得る方法と
して、前駆体の充填されたボート内に黒鉛の塊を入れる
方法、窒素−水素の雰囲気中、あるいは希ガス・水素の
雰囲気中で焼成する方法等が挙げられる。これらの雰囲
気に水蒸気が含まれていても良い。
【0017】緑色蛍光体(BaAl1219:Mn、Ba
MgAl1423:Mn等)の前駆体を焼成する時は、大
気雰囲気もしくは酸素雰囲気中で、1000〜1700
℃の温度範囲、0.5〜40時間の範囲で1回以上焼成
するのが好ましい。焼成温度の範囲は1200〜155
0℃がさらに好ましい。焼成後に得られたアルミン酸塩
系蛍光体に、分散、水洗、乾燥、篩い分け等の処理を行
ってもよい。
【0018】本発明にて得られたアルミン酸塩系蛍光体
は、一次粒子径が0.05μm以上5μm以下の粒子を
80重量%以上含み、通常の方法にて得られたアルミン
酸塩系蛍光体の一次粒子径よりも小さい。このように、
蛍光体の一次粒子径を小さくかつ粒度分布をシャープに
することにより、例えば、PDPの表示セル等の微小放
電空間内に効率良く、蛍光体を塗布することが可能とな
り、発光輝度の高いPDPなどの発光タイプの各種ディ
スプレイを作製することが可能となる。
【0019】本発明方法によって得られるアルミン酸塩
系蛍光体は、構成イオンの分散が極めて良好であるため
に、真空紫外線励起下で発光輝度に優れ、プラズマディ
スプレイパネル(PDP)などの各種ディスプレイに用
いられるアルミン酸塩系蛍光体として極めて有用であ
る。また本発明によるアルミン酸塩系蛍光体は、真空紫
外線励起下のみならず、紫外線、陰極線あるいはX線励
起下においても優れた発光輝度を示すことが判明した。
すなわち、本発明は真空紫外線、紫外線、陰極線あるい
はX線などの幅広いエネルギーによって励起可能で、優
れた発光特性を示すアルミン酸塩系蛍光体の製造方法を
提供するものである。
【0020】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0021】実施例1 水酸化アルミニウム(灼熱減量が26.3%)8.47
gをイソプロパノール100gに分散させ、攪拌を行い
ながら、シュウ酸が10g溶解したイソプロパノール2
10gを添加して、スラリーAを調製した。次に、塩化
バリウム2水和物2.69g、塩化ユウロピウム6水和
物0.45g、塩化マグネシウム6水和物2.49gを
純水20gに溶解し、バリウムイオン、ユウロピウムイ
オン、マグネシウムイオンの混合水溶液を調製した。次
いで、スラリーAを攪拌しながら、混合水溶液を添加し
て、水酸化アルミニウムの周囲にバリウム、ユウロピウ
ム、マグネシウムをシュウ酸塩として析出させ、エバポ
レーションにより固液分離を行い、青色蛍光体の前駆体
を調製した。析出物が水酸化アルミニウムの表面に析出
していることを走査型電子顕微鏡による観察により確認
した。得られた前駆体を弱還元雰囲気中で1450℃で
2時間焼成し、青色蛍光体を得た。得られた青色蛍光体
の一次粒子径はすべて0.05μm以上1μm以下であ
ることが、走査型電子顕微鏡による評価によりわかっ
た。
【0022】この青色蛍光体に、6.7Pa(5×10
-2Torr)以下の真空槽内でエキシマ146nmラン
プ(ウシオ電機社製)を用いて紫外線を照射したとこ
ろ、青色の強い発光を示し、発光輝度を輝度計(トプコ
ン製BM−7)で測定したところ、発光輝度は25.0
5cd/m2であり、従来品に比べて強かった。なお、
この蛍光体を254nmもしくは365nmの紫外線あ
るいは陰極線あるいはX線にて励起した場合も、高輝度
の青色発光を示した。また、得られた蛍光体について、
微小X線回折装置(Rigaku製RU−200)によ
って相同定評価を行ったところ、BaMgAl1017
Eu単一相であることがわかった。
【0023】実施例2 水酸化アルミニウム8.47gをアルミナ6.2gに変
更した以外は実施例1と同様にして青色蛍光体を得た。
得られた青色蛍光体の一次粒子径はすべて0.05μm
以上1μm以下であることが、走査型電子顕微鏡による
評価によりわかった。
【0024】この青色蛍光体に、6.7Pa(5×10
-2Torr)以下の真空槽内でエキシマ146nmラン
プ(ウシオ電機社製)を用いて紫外線を照射したとこ
ろ、青色の強い発光を示し、輝度計(トプコン製BM−
7)で測定したところ、発光輝度は28.09cd/m
2であり、従来品に比べて強かった。なお、この蛍光体
を254nmもしくは365nmの紫外線あるいは陰極
線あるいはX線にて励起した場合も、高輝度の青色発光
を示した。また実施例1と同様にX線回折を測定した結
果、得られた蛍光体はBaMgAl1017:Eu単一相
であることがわかった。
【0025】実施例3 水酸化アルミニウム(灼熱減量が28.5%)7.26
gをイソプロパノール83gに分散させ、攪拌を行いな
がら、シュウ酸が10g溶解したイソプロパノール16
7gを添加して、スラリーBを調製した。次に、塩化バ
リウム2水和物1.87g、塩化マンガン4水和物0.
168gを純水16.7gに溶解し、バリウムイオン、
マンガンイオンの混合水溶液を調製した。次いで、スラ
リーBを攪拌しながら、混合水溶液を添加して、水酸化
アルミニウムの周囲にバリウム、マンガンをシュウ酸塩
として析出させ、エバポレーションにより固液分離を行
い、緑色蛍光体の前駆体を調製した。析出物が水酸化ア
ルミニウムの表面に析出していることを走査型電子顕微
鏡による観察により確認した。得られた前駆体を大気雰
囲気中で1450℃で2時間焼成し、緑色蛍光体を得
た。得られた緑色蛍光体の一次粒子径はすべて0.05
μm以上1μm以下であることが、走査型電子顕微鏡に
よる評価によりわかった。
【0026】この緑色蛍光体に、6.7Pa(5×10
-2Torr)以下の真空槽内でエキシマ146nmラン
プ(ウシオ電機社製)を用いて紫外線を照射したとこ
ろ、緑色の強い発光を示し、発光輝度を輝度計(トプコ
ン製BM−7)で測定したところ、発光輝度は180.
5cd/m2であり、従来品に比べて強かった。また、
得られた蛍光体について、微小X線回折装置(Riga
ku製RU−200)によって相同定評価を行ったとこ
ろ、BaAl1219:Mn単一相であることがわかっ
た。
【0027】比較例1 水酸化アルミニウム(灼熱減量が26.3%)8.47
gをイソプロパノール200gに分散させ、攪拌を行い
ながら、スラリーCを調製した。塩化バリウム2水和物
2.69g、塩化ユウロピウム6水和物0.45g、塩
化マグネシウム6水和物2.49gを純水20gに溶解
し、バリウムイオン、ユウロピウムイオン、マグネシウ
ムイオンの混合水溶液を調製した。次いで、スラリーC
を攪拌しながら、混合水溶液を添加後、エバポレーショ
ンにより固液分離を行い、得られた乾燥粉末を2%H2
−Ar雰囲気中で1450℃で2時間焼成した。得られ
た粉末について、微小X線回折装置(Rigaku製R
U−200)によって相同定評価を行ったところ、Ba
MgAl1017:Eu以外にα−アルミナが生成してお
り、BaMgAl1017:Eu単一相ではないことがわ
かった。
【0028】こ得られた粉末に、6.7Pa(5×10
-2Torr)以下の真空槽内でエキシマ146nmラン
プ(ウシオ電機社製)を用いて紫外線を照射したとこ
ろ、青色の発光を示したが、発光輝度を輝度計(トプコ
ン製BM−7)で測定したところ、発光輝度は18.7
1cd/m2と低かった。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、各構成イオンの分散が
極めて良好なアルミン酸塩系蛍光体を容易に製造するこ
とができ、発光輝度が高いアルミン酸塩系蛍光体を安価
にて提供することができる。このアルミン酸塩系蛍光体
はプラズマディスプレイパネル(PDP)などの各種デ
ィスプレイに用いられる蛍光体として工業上極めて有用
なものである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ba、Mg、Eu、Mn、Sr、Ca、T
    b、CeおよびZnからなる群から選ばれる少なくとも
    一種の金属元素の陽イオンを含む水溶液とアルミニウム
    化合物と有機酸と有機溶媒とを混合し、乾燥して得られ
    る前駆体を、1000℃以上1700℃以下の温度範囲
    で焼成することを特徴とするアルミン酸塩系蛍光体の製
    造方法。
  2. 【請求項2】アルミニウム化合物と有機酸を有機溶媒を
    用いて混合して得られたスラリーと、Ba、Mg、E
    u、Mn、Sr、Ca、Tb、CeおよびZnからなる
    群から選ばれる少なくとも一種の金属元素の陽イオンを
    含む水溶液とを混合し、該陽イオンを該有機酸の塩とし
    てアルミニウム化合物の表面に析出させ、該アルミニウ
    ム化合物を分離し乾燥して得られる前駆体を、1000
    ℃以上1700℃以下の温度範囲で焼成することを特徴
    とするアルミン酸塩系蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】アルミン酸塩系蛍光体が、組成式x11
    ・y1MgO・z1Al23(M1はBa、SrおよびC
    aからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属元素で
    あり、0.5≦x1≦4.5、0≦y1≦4、0.5≦z
    1≦20)で示される複合酸化物を基体とし、Euおよ
    び/またはMnを付活剤として含有する化合物である請
    求項1または2記載のアルミン酸塩系蛍光体の製造方
    法。
  4. 【請求項4】アルミン酸塩系蛍光体が、組成式x2Ce
    1.5・y22O・z2Al23(M2はMgおよび/ま
    たはZnであり、0.9≦x2≦1.1、0.9≦y2
    1.1、z2=5.5)で示される複合酸化物を基体と
    し、Tbおよび/またはMnを付活剤として含有する化
    合物である請求項1または2記載のアルミン酸塩系蛍光
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】アルミニウム化合物が水酸化アルミニウム
    または酸化アルミニウムである請求項1〜4のいずれか
    に記載のアルミン酸塩系蛍光体の製造方法。
  6. 【請求項6】有機酸がシュウ酸、酢酸または酒石酸であ
    る請求項1〜5のいずれかに記載のアルミン酸塩系蛍光
    体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法
    によって得られ、一次粒子径が0.05μm以上5μm
    以下の粒子が80重量%以上含まれることを特徴とする
    アルミン酸塩系蛍光体。
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