JP2001172573A - 酸化物膜被覆物品およびその製造方法 - Google Patents

酸化物膜被覆物品およびその製造方法

Info

Publication number
JP2001172573A
JP2001172573A JP35938099A JP35938099A JP2001172573A JP 2001172573 A JP2001172573 A JP 2001172573A JP 35938099 A JP35938099 A JP 35938099A JP 35938099 A JP35938099 A JP 35938099A JP 2001172573 A JP2001172573 A JP 2001172573A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oxide
film
oxide film
sol
gel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP35938099A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazutaka Kamiya
和孝 神谷
Hiroaki Yamamoto
博章 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority to JP35938099A priority Critical patent/JP2001172573A/ja
Publication of JP2001172573A publication Critical patent/JP2001172573A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋外の使用にも耐える、強固なゾルゲル酸化
物膜および機能性膜が被覆された物品、および、その製
造方法を提供する。 【解決手段】 アルキレン基を含有するゾルゲル金属酸
化物膜を基材表面に被覆してなる酸化物被覆物品であ
る。酸化物膜の結合にアルキレン基を導入することによ
って酸化物特有の脆さを改善し、耐摩耗性に優れ、摩耗
による膜剥離の起こりにくい膜となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はガラス、セラミック
ス、プラスチック或いは金属等の基材表面に摩耗に対す
る耐久性が改善されたゾルゲル酸化物膜が被覆された物
品、およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ガラス板その他の基材の表面に、ゾルゲ
ル膜を設けることにより、撥水、防汚、防曇、低反射、
低摩擦等の機能性を付与する技術が知られている。(特
公平4−2078号、特開平2−311332号、国際
公開WO99/28534号)。例えば、前記国際公開
WO99/28534号公報には、シリコンアルコキシ
ドおよびその部分加水分解物のすくなくともいずれか1
つ 0.01〜3重量%(シリカ換算)、酸 0.00
1〜1.0規定、および水 0〜10重量%を含有する
アルコール溶液を、基材に塗布・乾燥してシリカ系膜被
覆物品を製造する方法、およびそのシリカ系膜を下地膜
として、水酸基または加水分解可能な官能基と機能性官
能基を有するオルガノシランを含む機能性薄膜用組成物
を、前記下地膜の上に被覆する機能性膜被覆物品を製造
する方法が記載されている。
【0003】しかし、これらの技術においては、被膜は
ケイ素を主成分とする金属の酸化物で、硬い反面もろい
という欠点があり、例えば、砂塵が吹き付けられた状態
で摩耗される場合に、容易に膜表面に傷が付き、膜剥が
れ、あるいは、付加機能の低下を招くことになった。さ
らに、埃等が付着していない場合でも、硬い繊維からな
る布、ブラシ等との摩擦(例えばワイパーなどによる自
動車の窓ガラスの表面拭き)で、小さな傷が形成され、
膜剥がれや付加機能の低下が避けられなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な問題を鑑みてなされたものであり、屋外の使用にも耐
える、高い耐久性能を有する、ゾルゲル酸化物膜または
機能性膜が被覆された物品、および、該ゾルゲル酸化物
膜または機能性膜被覆物品の製造する方法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、鋭意研究を重ねた結果、ケイ素を主成
分とする酸化物膜の結合にアルキレン基を導入すること
によって酸化物特有の脆さを改善し、摩耗による膜剥離
の起こりにくい膜とすることができることを発見した。
【0006】すなわち、本発明は、アルキレン基を含有
するゾルゲル金属酸化物膜を基材表面に被覆してなる酸
化物被覆物品である。
【0007】本発明におけるゾルゲル酸化物膜とは、加
水分解および縮重合可能な金属化合物を含む液を基材表
面に塗布し、乾燥または加熱して得られる金属酸化物の
膜であり、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、酸化チタニ
ウム等を主成分とすることが好ましい。これらの金属酸
化物の中で、酸化ケイ素が主成分であることがより好ま
しい。これは、ゾルゲル法で酸化物膜を得る際に、酸化
ケイ素を主成分とする膜は、高温で加熱しなくても緻密
な膜になりやすいからである。
【0008】酸化ケイ素を主成分とする膜として特に好
ましくは、酸化ケイ素単成分、酸化ケイ素−酸化ホウ
素、酸化ケイ素−酸化アルミニウム、酸化ケイ素−酸化
ジルコニウム等の2成分系、酸化ケイ素−酸化ホウ素−
酸化マグネシウム、酸化ケイ素−酸化アルミニウム−酸
化マグネシウム、酸化ケイ素−酸化ジルコニウム−酸化
マグネシウム、酸化ケイ素−酸化ホウ素−酸化カルシウ
ム、酸化ケイ素−酸化アルミニウム−酸化カルシウム、
または酸化ケイ素−酸化ジルコニウム−酸化カルシウム
等の3成分系を挙げることができる。
【0009】本発明のゾルゲル金属酸化物膜はアルキレ
ン基を含有する。金属酸化物の金属原子と金属原子の間
の架橋酸素原子を部分的に置き換える形でアルキレン基
(−(CH2n−、nは整数)を導入することによっ
て、金属酸化物膜の中に、例えば酸化ケイ素膜の場合、
酸化物を構成するケイ素(Si)の一部が酸素(O)と
アルキレン基を介して連結されて、≡Si−(CH2n
−Si≡ の結合構造が部分的に形成され、それによっ
て膜強度を低下させることなく、膜に柔軟性を持たせる
ことができる。このアルキレン基(−(CH2n−)と
しては、nがあまり大きい場合は、アルキレン基の周囲
で非架橋酸素が増加し、膜の強度が低下しやすくなるの
で好ましくない。従って式中のnが1〜6までの整数で
あるもの、すなわち、メチレン基、エチレン基、プロピ
レン基、ブチレン基、ペンチレン基、およびヘキシレン
基が好ましく、nが1または2のもの、すなわちメチレ
ン基およびエチレン基が特に好ましい。また、単にCH
3等のアルキル基を導入した場合には、これが架橋酸素
原子に置き換えられることはなく金属−酸素−金属の結
合に影響を与えないので、膜に柔軟性を持たせることが
できるものの、膜強度が低下するので、アルキレン基の
ような効果はない。
【0010】これらアルキレン基の導入量は、あまり少
なすぎると膜に柔軟性を持たせることができなくなり、
逆に多すぎると膜の強度が低下するので、アルキレン基
は膜中に0.1重量%〜20重量%含有されていること
が好ましく、より好ましい含有量は0.3重量%〜12
重量%であり、さらに好ましい含有量は0.5〜8重量
%である。またアルキレン基の導入量を金属酸化物膜の
中の酸素原子との割合で表すと、金属酸化物膜中の酸素
原子総数の0.2〜15%がアルキレン基で置換されて
いることが好ましく、さらに好ましい置換量は0.5〜
5%である。
【0011】本発明のゾルゲル酸化物膜のうち酸化ケイ
素を主成分とする膜は、好ましくは、重量%で表して、 ケイ素酸化物(SiO2換算) 50〜99.9、 アルキレン基 0.1〜20、 ホウ素酸化物(B23換算) 0〜40、 アルミニウム酸化物(Al23換算) 0〜40、 ジルコニウム酸化物(ZrO2換算) 0〜40、 マグネシウム酸化物(MgO換算) 0〜30、および カルシウム酸化物(CaO換算) 0〜30、 を含有する。
【0012】上記2成分系の組成は、重量%で表して、 酸化ケイ素(SiO2換算) 70〜98.9、 アルキレン基 0.1〜20、 酸化ホウ素、酸化アルミニウム、または酸化ジルコニウ
ム (B23、Al23、ZrO2に換算) 1〜29、 を主成分として含有することが好ましい。
【0013】また上記3成分系の組成は、モル%で表し
て、 酸化ケイ素(SiO2換算) 70〜97.9、 アルキレン基 0.1〜20、 酸化マグネシウムまたは酸化カルシウム (CaO、CaOに換算) 1〜20、および、 酸化ホウ素、酸化アルミニウム、または酸化ジルコニウ
ム (B23、Al23、ZrO2に換算) 1〜28、 を主成分として含有することが好ましい。
【0014】本発明における酸化物膜は、上記の金属酸
化物およびアルキレン基以外に、さらに、着色源とし
て、Cu、Fe、Co、Ni、Cr、Mn等の遷移金属
の酸化物を含んでいてもかまわない。
【0015】本発明の金属酸化物膜の膜厚は、あまり小
さ過ぎると、膜の効果がなく、またあまり大きすぎると
亀裂(クラック)が生じやすくなるので、10nm〜1
0μmの厚みが好ましく、より好ましくは20nm〜1
000nmであり、更に好ましくは20〜200nmで
ある。
【0016】また、本発明は、(A)ケイ素、ジルコニ
ウムおよびチタニウムからなる群より選ばれた少なくと
も1種の金属のアルコキシドまたは塩化物、(B)X3
Z−(CH2n−ZX3(Xは、Cl、OCH3、また
は、OCH25、nは1から6までの整数、Zは、それ
ぞれ独立に、Si、Zr、またはTiである。)、
(C)酸、および(D)アルコール、を含有するゾルゲ
ル酸化物膜被覆用組成物を基体表面に塗布し、乾燥する
ことを特徴とするゾルゲル酸化物膜被覆物品を製造する
方法である。
【0017】本発明における、(A)金属アルコキシド
または塩化物は特に限定するものでない。例えばケイ素
のアルコキシドとしては、テトラメトキシシラン、テト
ラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブ
トキシシラン等のテトラアルコキシシランを挙げること
ができ、ケイ素の塩化物としては、テトラクロロシラン
を挙げることができる。これらの中で、テトラアルコキ
シシランは、比較的取り扱いが容易であるため好ましく
用いられる。テトラアルコキシシランの中でも比較的分
子量の小さいもの、例えば炭素数が3以下のアルコキシ
ル基からなるテトラアルコキシシラン、すなわちテトラ
メトキシシラン、テトラエトキシシラン、およびテトラ
プロポキシシランが、緻密な膜となり易いので、さらに
好ましく用いられる。またこれらテトラアルコキシシラ
ンの重合体で、平均重合度が5以下のものも好ましく用
いられる。またテトラアルコキシシランの他に、例えば
メチルトリメトキシシランのようなトリアルコキシシラ
ンを、テトラアルコキシシランに対して少量、例えば3
重量%以下含まれていても差し支えない。
【0018】また、ジルコニウムのアルコキシドまたは
塩化物としては、テトラメトキシジルコニウム、テトラ
エトキシジルコニウム、テトライソプロポキシジルコニ
ウム、テトラn−プロポキシジルコニウム、テトライソ
プロポキシジルコニウムイソプロパノール錯体、テトラ
イソブトキシジルコニウム、テトラn−ブトキシジルコ
ニウム、 テトラsec−ブトキシジルコニウム、テトラt
−ブトキシジルコニウム、ジルコニウムテトラクロライ
ド、ジルコニウムオキシクロライドなどが好便に使用で
きる。ジルコニウムモノクロリドトリアルコキシド、ジ
ルコニウムジクロリドジアルコキシドなどのジルコニウ
ムハロゲン化物のアルコキシドなどを使用することもで
きる。また上記のジルコニウムアルコキシドをβ−ケト
エステル化合物でキレート化したジルコニウムアルコキ
シドも好適に用いられる。キレート剤としては、アセト
酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、
アセト酢酸ブチルのような、CH3COCH3COOR、(ここでR
はCH3、C2H5、C3H7、またはC4H9)で表されるアセト酢
酸エステルを列挙することができ、これらのなかでアセ
ト酢酸アルキルエステル、特にアセト酢酸メチルおよび
アセト酢酸エチルが、比較的安価で入手できるので、好
適である。ジルコニウムアルコキシドのキレート化の程
度は一部または全部でもよいが、モル比で(β−ケトエ
ステル)/(ジルコニウムアルコキシド)=2の割合で
キレート化させるのが、キレート化合物が安定であるの
で好ましい。β−ケトエステル化合物以外のキレート剤
例えばアセチルアセトンでキレート化したジルコニウム
アルコキシドは、アルコール等の溶媒に不溶であるため
に沈殿してしまって塗布溶液を調製することができな
い。
【0019】チタニウムのアルコキシドまたは塩化物と
しては、テトラメトキシチタニウム、テトラエトキシチ
タニウム、テトライソプロポキシチタニウム、テトラn
−プロポキシチタニウム、テトライソプロポキシチタニ
ウムイソプロパノール錯体、テトライソブトキシチタニ
ウム、テトラn−ブトキシチタニウム、 テトラsec−ブ
トキシチタニウム、テトラt−ブトキシチタニウム、チ
タンアセチルアセトネート、チタンカルボキシレートの
ようなチタンの有機化合物、および、チタニウムテトラ
クロライド、チタニウムオキシクロライド等が好適に使
用される。反応性から考えて、チタンイソプロポキシ
ド、チタンブトキシドが望ましい。また、チタンの場合
にはアセチルアセトネートを用いた方が、その安定性か
ら好ましいことも従来から知られている。この場合には
一般式として、Ti(OR)mLn(m+n=4,n≠
0)で表わされるが、Lがアセチルアセトンである。こ
の場合には、チタンアルコキシドをアセチルアセトンに
よってアセチルアセトネート化しても構わないし、市販
のチタンアセチルアセトネートを使用しても構わない。
更には、カルボン酸塩を使用することも考えられる。
【0020】(A)成分以外の金属酸化物である、ホウ
素酸化物、マグネシウム酸化物、カルシウム酸化物、ア
ルミニウム酸化物、銅酸化物、鉄酸化物、コバルト酸化
物、ニッケル酸化物、クロム酸化物、マンガン酸化物の
原料としては、該金属のアルコキシド、塩化物、オキシ
塩化物、酸化物、水酸化物、硝酸塩、オキシ硝酸塩等が
好ましく利用できる。中でも、塩化物、オキシ塩化物、
硝酸塩、オキシ硝酸塩で水あるいはアルコールと混合し
た場合に単純に電離して溶解するものが特に好ましく利
用できる。具体的には、MgCl2、Mg(NO3)2、CaCl2、AlCl
3、Al(NO3)3、Ca(NO3)2、H3BO3、CoCl2、Co(NO3)2、CuC
l、CuCl2、CuNO3、Cu(NO3)2、FeCL2、FeCL3、Fe(NO3)2、Fe(N
O3)3、NiCl2、Ni(NO3)2、CrCl2、CrCl3、Cr(NO3)2、Cr(NO3)3
MnCl2、Mn(NO3)2を例示することができる。
【0021】本発明における(B)成分は、X3Z−
(CH2n−ZX3 で表され、ここでXは、Cl、OC
3、または、OCH25、nは1から6までの整数、
Zは、それぞれ独立に、Si、Zr、またはTiであ
る。Xは、OCH3、または、OCH25、が取り扱い
が容易で好ましく、nは1あるいは2が特に好ましい。
そして、ZとしてはSiが特に好ましい。これらの例と
して、Cl3Si−CH2−SiCl3、Cl3Si−(C
22−SiCl3、Cl3Si−(CH23−SiCl
3、Cl3Si−(CH26−SiCl3、(OCH33
Si−CH2−Si(OCH33、(OCH33Si−
(CH22−Si(OCH33、(OCH33Si−
(CH23−Si(OCH33、(OCH33Si−
(CH26−Si(OCH33、(OC253Si−
CH2−Si(OC253、(OC253Si−(C
22−Si(OC253、(OC253Si−(C
23−Si(OC253、(OC253Si−(C
26−Si(OC253、が挙げられる。
【0022】(B)成分としては市販品を用いることが
でき、例えばビストリエトキシシリルメタン((OCH
2CH33SiCH2Si(OCH2CH33、アヅマッ
クス社製)を挙げることができる。
【0023】本発明における(C)成分である酸は、
(A)成分および(C)成分の加水分解触媒として作用
するものであり、常温の乾燥で揮発して膜中に残らない
という観点から、塩酸、フッ酸、硝酸、酢酸、ギ酸、ト
リフルオロ酢酸等の揮発性の酸が好ましく、なかでも、
高い電離度と揮発性を有し、取り扱う際にも比較的安全
な塩酸が特に好ましい。ゾルゲル酸化物膜被覆用組成物
中の酸の濃度は0.01〜1.0モル/Lであることが
好ましい。
【0024】本発明における(D)成分であるアルコー
ルは、特に限定するものではないが、メタノール、エタ
ノール、1−プロパノール、2−プロパノール、ブチル
アルコール、アミルアルコール等を挙げることができ
る。それらの中で、メタノール、エタノール、1−プロ
パノール、2−プロパノールのような炭素数が3以下の
鎖式飽和1価アルコールが、常温における蒸発速度が大
きいので更に好ましく用いられる。
【0025】上記(A)〜(D)成分を含有するゾルゲ
ル酸化物膜被覆用組成物(コーティング溶液)には、上
記(D)成分(アルコール以外に、他の溶剤、例えばヘ
キサン、トルエン、シクロヘキサンのような炭化水素、
塩化メチル、四塩化炭素、トリクロルエチレンのような
ハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトンの
ようなケトン、ジエチルアミンのような含窒素化合物、
酢酸エチルのようなエステルが少量含まれていてもかま
わない。
【0026】さらに、前記コーティング溶液は、上記の
加水分解のための若干の水を含んでいることが好まし
い。市販の特級アルコールには、通常0.2重量%以上の
水分が含まれているので、本発明においては、この水分
だけで十分であり、別個に水を添加する必要はない場合
が多い。また、金属酸化物原料をアルコールに添加する
際に、あらかじめ、金属化合物を、水に溶解して添加し
ても良く、最終的なコーティング溶液が分相しないよう
に均一に混合されておれば良い。コーティング液中に多
量の水が存在すると、コーティング液のポットライフが
短くなり、また、コーテイング液の塗布後の乾燥の際に
膜厚のムラが生じやすくなる。従って、溶液のポットラ
イフを長くし、塗布後の乾燥の際の膜厚のムラをなくす
るためには、コーティング溶液中の水の濃度はできるだ
け小さい方が好ましい。コーティング液中の水の濃度は
0〜10重量%であることが好ましく、0〜2重量%で
あることがさらに好ましい。コーティング液中の水の濃
度がゼロであっても、基材に塗布された後の塗布膜には
空気中の水分が吸収されるので加水分解反応が阻害され
ることはない。
【0027】本発明の被覆用組成物中の、好ましい
(A)成分に対する(B)成分の割合は、モル比で表し
て、(B)/(A)が0.005〜2である。ただし、
(A)成分として重合体が用いられる場合は、モノマー
に換算したモル比とする。この割合が0.005未満で
は、酸化物膜の脆さを改善する効果がなく、また、2を
超えると、十分な膜硬度が得られず好ましくない。本発
明の被覆用組成物は、各成分を以下のように含有するこ
とが好ましい。 (A)ケイ素、ジルコニウムおよびチタニウムからなる群より選ばれた少なくと も1種の金属のアルコキシドまたは塩化物、(それぞれSiO2、Al23、Z rO2、およびTiO2に換算した合計量) 0.01〜3重量%、 (B)X3Z−(CH2n−ZX3(Xは、Cl、OCH3、または、OCH25 、nは1から6までの整数、Zは、それぞれ独立に、Si、Zr、またはTiで ある。) (A)成分に対するモル比で 0.005〜2, (C)酸 0.01〜1.0モル/L、 (D)水 0〜2重量%、 (E)アルコール 残部
【0028】本発明におけるコーティング方法は、特に
限定されるものではないが、コーティング液組成物で基
体を均一に濡らし、基体を静置して乾燥固化させること
が望ましい。そうすることによって、膜厚むらのない膜
を形成することができる。なお、ここでいう静置とは、
基体上に塗布されたコーティング液が振動しない程度で
あれば良く、塗布中に基体をゆっくり平行移動させても
良い。
【0029】具体的なコーティング方法としては、ディ
ップコーティング、フローコーティング、カーテンコー
ティング、スピンコーティング、スプレーコーティン
グ、バーコーティング、ロールコーティング、刷毛塗り
コーティングなどが例示できる。
【0030】本発明における基材としては、ガラス、セ
ラミックス、プラスチック或いは金属等の、透明または
不透明の板状体、棒状体その他の種々の形状のものが挙
げられる。基材の表面に親水性基が少ない場合には、そ
の表面を予め酸素を含むプラズマまたはコロナ雰囲気で
処理して親水性化したり、あるいは、基材表面を酸素を
含む雰囲気中で200〜300nm付近の波長の紫外線
を照射して、親水性化処理を行った後に、表面処理を行
うことが好ましい。
【0031】本発明の被覆物品のゾルゲル酸化物膜の上
に、表面改質層として、撥水、防汚、低摩擦、防曇、低
反射等の機能を有する層を被覆することができる。これ
らの機能を発現する官能基を有するオルガノシランを前
記ゾルゲル酸化物膜上に塗布することによって、従来よ
りも優れた耐久性の前記機能膜を得ることができる。
【0032】また、撥水、防汚、低摩擦等の機能を発現
させるために、上記のように上塗りする代わりに、疎水
性官能基を有するオルガノシランを、あらかじめ前記オ
ルガノシランを前記ゾルゲル酸化物膜コーティング溶液
中に溶解して塗布することにより、該オルガノシランの
界面活性作用により、前記ゾルゲル酸化物膜表面に機能
性膜を形成することもできる。この場合、前記オルガノ
シランは前記コーティング溶液中に0.0001〜0.
1重量%含有させることが好ましい。そしてゾルゲル酸
化物膜中に、上記機能を有する有機基を0.1〜10重
量%含有させることが好ましい。
【0033】撥水、防汚、低摩擦機能を発現させるオル
ガノシランとして、アルキル基含有シラン化合物、具体
的には、CH3(CH230SiCl3、CH3(CH220
SiCl3、CH3(CH218SiCl3、CH3(CH2
16SiCl3、CH3(CH214SiCl3、CH3(C
212SiCl3、CH3(CH210SiCl3、CH
3(CH29SiCl3、CH3(CH28SiCl3、CH
3(CH27SiCl3、CH3(CH26SiCl3、CH
3(CH25SiCl3、CH3(CH24SiCl3、CH
3(CH23SiCl3、CH3(CH22SiCl3、CH
3CH2SiCl3、(CH3CH22SiCl2、(CH3
23SiCl、CH3SiCl3、(CH32SiCl2
(CH33SiClのようなアルキル基含有クロロシラ
ン;CH3(CH230Si(OCH33、CH3(C
220Si(OCH33、CH3(CH218Si(OC
33、CH3(CH216Si(OCH33、CH3(C
214Si(OCH33、CH3(CH212Si(OC
33、CH3(CH210Si(OCH33、CH3(C
29Si(OCH33、CH3(CH28Si(OC
33、CH3(CH27Si(OCH33、CH3(C
26Si(OCH33、CH3(CH25Si(OC
33、CH3(CH24Si(OCH33、CH3(C
23Si(OCH33、CH3(CH22Si(OC
33、CH3CH2Si(OCH33、(CH3CH22
Si(OCH32、(CH3CH23SiOCH3、CH3
Si(OCH33、(CH32Si(OCH32、(CH
33SiOCH3、CH3(CH230Si(OC253
CH3(CH220Si(OC253、CH3(CH218
Si(OC253、CH3(CH216Si(OC
253、CH3(CH214Si(OC253、CH
3(CH212Si(OC253、CH3(CH210Si
(OC253、CH3(CH29Si(OC253、C
3(CH28Si(OC253、CH3(CH27Si
(OC253、CH3(CH26Si(OC253、C
3(CH25Si(OC253、CH3(CH24Si
(OC253、CH3(CH23Si(OC253、C
3(CH22Si(OC253、CH3CH2Si(OC
253、(CH3CH22Si(OC252、(CH3
CH23SiOC25、CH3Si(OC253、(CH
32Si(OC252、(CH33SiOC25のよう
なアルキル基含有アルコキシシラン;CH3(CH230
Si(OCOCH33、CH3(CH220Si(OCOC
33、CH3(CH218Si(OCOCH33、CH3
(CH216Si(OCOCH33、CH3(CH214
i(OCOCH33、CH3(CH212Si(OCOCH
33、CH3(CH210Si(OCOCH33、CH
3(CH29Si(OCOCH33、CH3(CH28Si
(OCOCH33、CH3(CH27Si(OCOC
33、CH3(CH26Si(OCOCH33、CH3
(CH25Si(OCOCH33、CH3(CH24Si
(OCOCH33、CH3(CH23Si(OCOC
33、CH3(CH22Si(OCOCH33、CH3
CH2Si(OCOCH33、(CH3CH22Si(OC
OCH32、(CH3CH23SiOCOCH3、CH3
i(OCOCH33、(CH32Si(OCOCH32
(CH33SiOCOCH3 のようなアルキル基含有ア
シロキシシラン;CH3(CH230Si(NCO)3、C
3(CH220Si(NCO)3、CH3(CH218Si
(NCO)3、CH3(CH216Si(NCO)3、CH3
(CH214Si(NCO)3、CH3(CH212Si(N
CO)3、CH3(CH210Si(NCO)3、CH3(C
29Si(NCO)3、CH3(CH28Si(NCO)
3、CH3(CH27Si(NCO)3、CH3(CH26
Si(NCO)3、CH3(CH25Si(NCO)3、C
3(CH24Si(NCO)3、CH3(CH23Si
(NCO)3、CH3(CH22Si(NCO)3、CH3
CH2Si(NCO)3、(CH3CH22Si(NC
O)2、(CH3CH23SiNCO、CH3Si(NC
O)3、(CH32Si(NCO)2、(CH33SiNC
O のようなアルキル基含有イソシアネートシランを挙
げることができる。
【0034】これらアルキル基含有シラン化合物の中
で、下記に例示する、炭素数が8以上のアルキル基を含
有する、クロロシラン、アルコキシシラン、アシロキシ
シラン、またはイソシアネートシランが好ましく用いら
れる。オクチルトリメトキシシランCH3(CH27
i(OCH33、オクチルトリクロロシランCH3(C
27Si(Cl)3、ノニルトリメトキシシランCH3
(CH28Si(OCH33、ノニルトリクロロシラン
CH3(CH28Si(Cl)3、デシルトリメトキシシ
ラン CH3(CH29Si(OCH33、デシルトリク
ロロシランCH3(CH29Si(Cl)3、ウンデシル
トリメトキシシランCH3(CH210Si(OC
33、ウンデシルトリクロロシランCH3(CH210
Si(Cl)3、ドデシルトリメトキシシランCH3(C
211Si(OCH33、ドデシルトリクロロシラン
CH3(CH211Si(Cl)3
【0035】また、撥水、防汚機能を発現させることが
できるオルガノシランとして、フルオロアルキル基含有
シラン化合物、具体的には、CF3(CF211(C
22SiCl3、CF3(CF210(CH22Si(C
l)3、CF3(CF29(CH22SiCl3、CF
3(CF28(CH22SiCl3、CF3(CF27(C
22SiCl3、CF3(CF26(CH22SiC
3、CF3(CF25(CH22SiCl3、CF3(C
24(CH22SiCl3、CF3(CF23(CH2
2SiCl3、CF3(CF22(CH22SiCl3、CF
3CF2(CH22SiCl3 、CF3(CH22SiCl3
のようなフロオロアルキル基含有トリクロロシラン;C
3(CF211(CH22Si(OCH33、CF3(C
210(CH22Si(OCH33、CF3(CF29
(CH22Si(OCH33、CF3(CF28(C
22Si(OCH33、CF3(CF27(CH22
i(OCH33、CF3(CF26(CH22Si(OC
33、CF3(CF25(CH22Si(OCH33
CF3(CF24(CH22Si(OCH33、CF
3(CF23(CH22Si(OCH33、CF3(C
22(CH22Si(OCH33、CF3CF2(C
22Si(OCH33、CF3(CH22Si(OC
33、CF3(CF211(CH22Si(OC
253、CF3(CF210(CH22Si(OC25
3、CF3(CF29(CH22Si(OC253、CF
3(CF28(CH22Si(OC253、CF3(CF
27(CH22Si(OC253、CF3(CF2
6(CH22Si(OC253、CF3(CF25(CH
22Si(OC253、CF3(CF24(CH22Si
(OC253、CF3(CF23(CH22Si(OC2
53、CF3(CF22(CH22Si(OC
253、CF3CF2(CH22Si(OC253、C
3(CH22Si(OC253 のようなフロオロアル
キル基含有トリアルコキシシラン;CF3(CF2
11(CH22Si(OCOCH33、CF3(CF210
(CH22Si(OCOCH33、CF3(CF29(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF28(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF27(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF26(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF25(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF24(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF23(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF22(C
22Si(OCOCH33、CF3CF2(CH22Si
(OCOCH33、CF3(CH22Si(OCOC
33 のようなフロオロアルキル基含有トリアシロキ
シシラン;CF3(CF211(CH22Si(NC
O)3、CF3(CF210(CH22Si(NCO)3
CF3(CF29(CH22Si(NCO)3、CF3(C
28(CH22Si(NCO)3、CF3(CF2
7(CH22Si(NCO)3、CF3(CF26(C
22Si(NCO)3、CF3(CF25(CH22Si
(NCO)3、CF3(CF24(CH22Si(NC
O)3、CF3(CF23(CH22Si(NCO)3、C
3(CF22(CH22Si(NCO)3、CF3CF2
(CH22Si(NCO)3、CF3(CH22Si(NC
O)3のようなフロオロアルキル基含有トリイソシアネ
ートシランを挙げることができる。
【0036】これらフロオロアルキル基含有シラン化合
物の中で、フッ素原子を10個以上有するフロオロアル
キル基を含有する、トリクロロシラン、トリアルコキシ
シラン、またはトリイソシアネートシランが好ましく用
いられ、CF3(CF27(CH22Si(OCH3
3(ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン )お
よび CF3(CF27(CH22SiCl3(ヘプタデカ
フルオロデシルトリクロロシラン) が特に好ましい。
【0037】上記の被覆用組成物を基体表面に塗布した
のち、乾燥することによりゾルゲル酸化物膜被覆物品が
得られる。本発明における乾燥は、常温で、または15
0℃以下の温度で、30秒間〜5分間、好ましくは相対
湿度40%以下の雰囲気で、自然乾燥または強制乾燥する
ことにより行われる。150℃より高い温度に加熱して
もよいが、400℃以上加熱した場合には、膜中のアル
キレン基が分解して、ケイ素−アルキレン基−ケイ素結
合がケイ素−炭素−ケイ素結合に変化して膜の強度は低
下してしまうので好ましくない。
【0038】
【発明の実施の形態】以下に、実施例を上げて本発明の
実施の形態を具体的に説明する。 [実施例1]テトラエトキシシラン(Si(OCH2
34、信越シリコーン製)3.4g、ビストリエトキ
シシリルメタン((OCH2CH33SiCH2Si(O
CH 2CH33、アヅマックス社製)0.034g、濃
塩酸(35重量%、関東化学製)2gを、全量100g
となるようにエタノール(含有水分量0.35重量%)
に撹拌しながら添加し、コーティング液を得た。コーテ
ィング液中の全Si原子数に対する、アルキレン基を介
して連結しているSiの数の割合は10%であった。こ
の撥水被覆用溶液を洗浄したソーダ石灰珪酸塩ガラス組
成のガラス基板(3.4mm×150×150mm)の
表面上に、湿度30%、室温(20℃)でフローコート
法にて塗布し、室温で約1分乾燥させてゾルゲルシリカ
膜付きガラス板を得た。原料、および、コーティング液
中の全金属原子数に対する、アルキレン基を介して連結
しているSi原子数の割合を表1に示す。また、膜組成
を表2に示す。膜中の酸素原子総数(アルキレン基置換
前)に対するアルキレン基の置換率は2.5%であっ
た。なお、表2において、酸化ケイ素、酸化ジルコニウ
ム、酸化ホウ素、酸化マグネシウムおよび酸化カルシウ
ムはそれぞれSiO2、ZrO2、B23、MgO、およ
びCaOに換算した値で示している。
【0039】さらに、膜の剥がれ難さの評価は、JIS R
3212に準拠した摩耗試験によって行った。すなわち、市
販のテーバー摩耗試験機を用い、500gの加重で10
回摩耗または1000回摩耗を行い、摩耗試験前後のヘ
イズ率測定を行った。膜厚、テーバー摩耗試験前後のヘ
イズ率、および、摩耗試験後の膜剥離の有無を表3に示
す。10回摩耗および1000回摩耗の結果をそれぞれ
テーバー試験Aおよびテーバー試験B欄に示す。なお、
摩耗試験後の膜に剥離が生じた場合にはヘイズ率は低下
するので、膜剥離の有無を光学顕微鏡により確認し、剥
離がある場合にはヘイズ率の値は記載していない。テー
バー試験Bの後のヘイズ率は1.2%と低く、膜剥がれ
の起こりにくい強固な膜となっていることが分かる。
【0040】[実施例2〜9]実施例1のコーティング
液における、酸化物原料とその添加量を、それぞれ、表
1のように変更した以外は、実施例1と同様にして撥水
性ガラスを得た。コーティング液中の全金属原子数に対
する、アルキレン基を介して連結しているSi原子数の
割合、および膜組成はそれぞれ表1および表2に示す通
りであった。膜中の酸素原子総数(アルキレン基置換
前)に対するアルキレン基の置換率は、実施例2では1
0%、実施例3では2.5%、実施例4では10%、実
施例5〜10ではいずれも2.5%であった。
【0041】膜厚、テーバー摩耗試験前後のヘイズ率、
および、摩耗試験後の膜剥離の有無を表3に示す。実施
例1同様、テーバー試験Bの後のヘイズ率は低く、膜剥
がれの起こりにくい強固な膜となっていた。
【0042】[実施例10]実施例1のコーティング液
における、酸化物原料以外に、撥水機能を付加するオル
ガノシランとしてヘプタデカフルオロデシルトリメトキ
シシラン(CF3(CF27(CH22Si(OCH3
3、 信越シリコーン製)を、表1の組成で添加するよう
にした以外は、実施例1と同様にして撥水機能が付加さ
れたソルゲル酸化物膜付きガラスを得た。コーティング
液中の全金属原子数に対する、アルキレン基を介して連
結しているSi原子数の割合、および膜組成はそれぞれ
表1および表2に示す通りであった。膜中の酸素原子総
数(アルキレン基置換前)に対するアルキレン基の置換
率は2.5%であった。
【0043】膜厚、テーバー摩耗試験前後のヘイズ率、
および、摩耗試験後の膜剥離の有無を表2に示す。ま
た、得られた撥水性ガラス板について、水の接触角を接
触角計(CA−DT、協和界面科学(株)製)を用い
て、2mgの重量の水滴による静的接触角として測定し
たところ109度であった。実施例1同様、テーバー試
験後のヘイズ率は低く、膜剥がれの起こりにくい強固な
撥水性膜付きガラスが得られた。そしてテーバー試験A
の後の静的接触角は106度であり、テーバー試験Bの
後の静的接触角は87度であった。
【0044】[実施例11]実施例3で作製したゾルゲ
ルシリカ膜付きガラス板に、表面改質層として撥水機能
を付加するオルガノシランを塗布した。室温で1分間乾
燥した直後のゾルゲルシリカ膜に、ヘプタデカフルオロ
デシルトリメトキシシラン(CF3(CF2 7(CH2
2Si(OCH33、 信越シリコーン製)1gと濃塩酸
1gをエタノール98gに溶解した液を塗布することに
より、撥水膜付きガラス板を得た。このガラス板のテー
バー摩耗試験前後のヘイズ率、および、摩耗試験後の膜
剥離の有無は実施例3のガラス板と全く同じであった。
【0045】得られた撥水性ガラス板の、水の接触角は
110度であった。また、テーバー試験A後の接触角は
108度であり、テーバー試験B後の接触角は90度で
あって、撥水性能の耐久性が優れていることを示し、膜
剥がれの起こりにくい強固な撥水性膜付きガラスが得ら
れた。
【0046】[比較例1〜5]実施例1のコーティング
液における、酸化物原料とその添加量を、それぞれ、表
1のように変更した以外は、実施例1と同様にしてシリ
カを主成分とするゾルゲル膜付きガラスを得た。アルキ
レン基を介して連結しているSi原子数はいずれもゼロ
である。膜組成は表2に示す。膜厚、テーバー摩耗試験
前後のヘイズ率、および、摩耗試験後の膜剥離の有無を
表3に示す。いずれも、テーバー試験Bの後に膜は完全
に剥がれていた。なお、比較例5のゾルゲル酸化物膜付
きガラスの静的接触角は、テーバー試験Aの前および後
において、それぞれ109度および82度であった。
【0047】[比較例6]比較例2で作製したゾルゲル
シリカ膜付きガラス板に、実施例11と同様にして、撥
水機能を付加するオルガノシランを塗布した。
【0048】得られた撥水性ガラス板の、水の静的接触
角は110度であったが、テーバー試験A後の接触角は
85度であり、撥水性能は低下していた。
【0049】
【表1】 ──────────────────────────────────── 酸化物原料/添加量(g) 全金属原子数に対するアルキレン 基で連結しているSi数比(%) ──────────────────────────────────── 実施例1 TEOS/3.6、(C2H5O)3SiCH2Si(OC2H5)3/0.034 10 実施例2 TEOS/2.4、(C2H5O)3SiCH2Si(OC2H5)3/0.136 40 実施例3 TEOS/0.27、(C2H5O)3SiCH2Si(OC2H5)3/0.0026 10 実施例4 TEOS/0.18、(C2H5O)3SiCH2Si(OC2H5)3/0.0102 40 実施例5 TEOS/0.27、(C2H5O)3Si(CH2)2Si(OC2H5)3/0.0027 10 実施例6 TEOS/0.27、Cl3Si(CH2)3SiCl3/0.0023 10 実施例7 TEOS/0.27、(CH3O)3Si(CH2)6Si(OCH3)3/0.0024 10 実施例8 TEOS/0.26、(C2H5O)3SiCH2Si(OC2H5)3/0.0026 10 ZrOCl2・8H2O/0.0060、MgCl2・6H2O/0.0076 実施例9 TEOS/0.26、(C2H5O)3SiCH2Si(OC2H5)3/0.0026 10 H3BO3/0.0011、CaCl2・2H2O/0.0055 実施例10 TEOS/0.27、(C2H5O)3SiCH2Si(OC2H5)3/0.0026 10 CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3/0.02 比較例1 TEOS/4、 0 比較例2 TEOS/0.29、ZrOCl2・8H2O/0.0060、MgCl2・6H2O/0.0076 0 比較例3 TEOS/0.29、H3BO3/0.0011、CaCl2・2H2O/0.0055 0 比較例4 TEOS/3.6、(CH3)Si(OCH3)3/0.17 0 比較例5 TEOS/0.3、CF3(CF2)7(CH2)2Si(OCH3)3/0.02 0 ────────────────────────────────────
【0050】
【表2】 ─────────────────────────────────── 膜組成 SiO2 ZrO2 B2O3 MgO CaO メチレン エチレン基 フ゜ロヒ゜ ヘキシ フルオロアル メチル (各重量%) ン基 ン基 レン基 レン基 キル基 基 ─────────────────────────────────── 実施例 1 98.8 0 0 0 0 1.2 0 0 0 0 0 2 95.3 0 0 0 0 4.7 0 0 0 0 0 3 98.8 0 0 0 0 1.2 0 0 0 0 0 4 95.3 0 0 0 0 4.7 0 0 0 0 0 5 97.7 0 0 0 0 0 2.3 0 0 0 0 6 96.6 0 0 0 0 0 0 3.4 0 0 0 7 93.4 0 0 0 0 0 0 0 6.6 0 0 8 94.3 2.7 0 1.8 0 1.2 0 0 0 0 0 9 95.8 0 0.5 0 2.5 1.2 0 0 0 0 0 10 98.67 0 0 0 0 0.16 0 0 0 0.17 0 比較例 1 100 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 95.5 2.7 0 1.8 0 0 0 0 0 0 0 3 97.0 0 0.5 0 2.5 0 0 0 0 0 0 4 98.3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1.7 5 99.83 0 0 0 0 0 0 0 0 0.17 0 ───────────────────────────────────
【0051】
【表3】 ─────────────────────────────────── 膜厚(nm) 摩耗試験前 摩耗試験後ヘイズ率(%) ヘイズ率(%) A B ─────────────────────────────────── 実施例1 135 0.0 0.2 1.2 実施例2 140 0.1 0.3 1.4 実施例3 25 0.0 0.2 1.1 実施例4 30 0.0 0.0 1.5 実施例5 30 0.1 0.1 2.0 実施例6 35 0.0 0.1 2.3 実施例7 35 0.0 0.1 3.5 実施例8 30 0.0 0.2 1.0 実施例9 25 0.0 0.0 0.9 実施例10 35 0.0 0.2 1.1 比較例1 135 0.1 3.8 膜剥がれ 比較例2 30 0.0 0.9 膜剥がれ 比較例3 35 0.0 1.0 膜剥がれ 比較例4 140 0.1 4.2 膜剥がれ 比較例5 35 0.0 1.2 膜剥がれ ───────────────────────────────────
【0052】
【発明の効果】以上に説明したように本発明によれば、
金属酸化物膜の結合にアルキレン基を導入することによ
って酸化物特有の脆さを改善し、耐摩耗性に優れ、摩耗
による膜剥離の起こりにくい膜を、常温または150℃
以下の温度の乾燥により得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年2月16日(2000.2.1
6)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】本発明における(C)成分である酸は、
(A)成分および(B)成分の加水分解触媒として作用
するものであり、常温の乾燥で揮発して膜中に残らない
という観点から、塩酸、フッ酸、硝酸、酢酸、ギ酸、ト
リフルオロ酢酸等の揮発性の酸が好ましく、なかでも、
高い電離度と揮発性を有し、取り扱う際にも比較的安全
な塩酸が特に好ましい。ゾルゲル酸化物膜被覆用組成物
中の酸の濃度は0.01〜1.0モル/Lであることが
好ましい。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正内容】
【0032】また、撥水、防汚、低摩擦等の機能を発現
させるために、上記のように上塗りする代わりに、あ
かじめ前記オルガノシランを前記ゾルゲル酸化物膜コー
ティング溶液中に溶解して塗布することにより、該オル
ガノシランの界面活性作用により、前記ゾルゲル酸化物
膜表面に機能性膜を形成することもできる。この場合、
前記オルガノシランは前記コーティング溶液中に0.0
001〜0.1重量%含有させることが好ましい。そし
てゾルゲル酸化物膜中に、上記機能を有する有機基を
0.1〜10重量%含有させることが好ましい。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正内容】
【0035】また、撥水、防汚機能を発現させることが
できるオルガノシランとして、フルオロアルキル基含有
シラン化合物、具体的には、CF3(CF211(C
22SiCl3、CF3(CF210(CH22Si(C
l)3、CF3(CF29(CH22SiCl3、CF
3(CF28(CH22SiCl3、CF3(CF27(C
22SiCl3、CF3(CF26(CH22SiC
3、CF3(CF25(CH22SiCl3、CF3(C
24(CH22SiCl3、CF3(CF23(CH2
2SiCl3、CF3(CF22(CH22SiCl3、CF
3CF2(CH22SiCl3 、CF3(CH22SiCl3
のようなフオロアルキル基含有トリクロロシラン;C
3(CF211(CH22Si(OCH33、CF3(C
210(CH22Si(OCH33、CF3(CF29
(CH22Si(OCH33、CF3(CF28(C
22Si(OCH33、CF3(CF27(CH22
i(OCH33、CF3(CF26(CH22Si(OC
33、CF3(CF25(CH22Si(OCH33
CF3(CF24(CH22Si(OCH33、CF
3(CF23(CH22Si(OCH33、CF3(C
22(CH22Si(OCH33、CF3CF2(C
22Si(OCH33、CF3(CH22Si(OC
33、CF3(CF211(CH22Si(OC
253、CF3(CF210(CH22Si(OC25
3、CF3(CF29(CH22Si(OC253、CF
3(CF28(CH22Si(OC253、CF3(CF
27(CH22Si(OC253、CF3(CF2
6(CH22Si(OC253、CF3(CF25(CH
22Si(OC253、CF3(CF24(CH22Si
(OC253、CF3(CF23(CH22Si(OC2
53、CF3(CF22(CH22Si(OC
253、CF3CF2(CH22Si(OC253、C
3(CH22Si(OC253 のようなフオロアル
キル基含有トリアルコキシシラン;CF3(CF2
11(CH22Si(OCOCH33、CF3(CF210
(CH22Si(OCOCH33、CF3(CF29(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF28(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF27(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF26(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF25(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF24(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF23(C
22Si(OCOCH33、CF3(CF22(C
22Si(OCOCH33、CF3CF2(CH22Si
(OCOCH33、CF3(CH22Si(OCOC
33 のようなフオロアルキル基含有トリアシロキ
シシラン;CF3(CF211(CH22Si(NC
O)3、CF3(CF210(CH22Si(NCO)3
CF3(CF29(CH22Si(NCO)3、CF3(C
28(CH22Si(NCO)3、CF3(CF2
7(CH22Si(NCO)3、CF3(CF26(C
22Si(NCO)3、CF3(CF25(CH22Si
(NCO)3、CF3(CF24(CH22Si(NC
O)3、CF3(CF23(CH22Si(NCO)3、C
3(CF22(CH22Si(NCO)3、CF3CF2
(CH22Si(NCO)3、CF3(CH22Si(NC
O)3のようなフオロアルキル基含有トリイソシアネ
ートシランを挙げることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】これらフオロアルキル基含有シラン化合
物の中で、フッ素原子を10個以上有するフオロアル
キル基を含有する、トリクロロシラン、トリアルコキシ
シラン、またはトリイソシアネートシランが好ましく用
いられ、CF3(CF27(CH22Si(OCH3
3(ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン )お
よび CF3(CF27(CH22SiCl3(ヘプタデカ
フルオロデシルトリクロロシラン)が特に好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】
【表2】 ─────────────────────────────────── 膜組成 SiO2 ZrO2 B2O3 MgO CaO メチレン エチレン基 フ゜ロヒ゜ ヘキシ フルオロアル メチル (各重量%) レン基 レン基 キル基 基 ─────────────────────────────────── 実施例 1 98.8 0 0 0 0 1.2 0 0 0 0 0 2 95.3 0 0 0 0 4.7 0 0 0 0 0 3 98.8 0 0 0 0 1.2 0 0 0 0 0 4 95.3 0 0 0 0 4.7 0 0 0 0 0 5 97.7 0 0 0 0 0 2.3 0 0 0 0 6 96.6 0 0 0 0 0 0 3.4 0 0 0 7 93.4 0 0 0 0 0 0 0 6.6 0 0 8 94.3 2.7 0 1.8 0 1.2 0 0 0 0 0 9 95.8 0 0.5 0 2.5 1.2 0 0 0 0 0 10 98.67 0 0 0 0 0.16 0 0 0 0.17 0 比較例 1 100 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 2 95.5 2.7 0 1.8 0 0 0 0 0 0 0 3 97.0 0 0.5 0 2.5 0 0 0 0 0 0 4 98.3 0 0 0 0 0 0 0 0 0 1.7 5 99.83 0 0 0 0 0 0 0 0 0.17 0 ───────────────────────────────────
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 183/14 C09D 183/14 4J038 185/00 185/00 4K044 C23C 30/00 C23C 30/00 Z // B05D 7/00 B05D 7/00 E Fターム(参考) 4D075 BB24Z CA02 CA03 CA06 CA34 CA36 DA06 DB01 DB13 DB14 DB31 DC13 EA12 EB01 EB16 EB42 EB47 EC02 EC08 4F100 AA17B AA17K AA18B AA19B AA20B AA27B AA31B AK52B AT00A BA02 BA10A BA10B EH462 EJ862 GB32 GB90 JK09 JL00 JM02B YY00B 4G042 DA03 DB11 DC03 DD02 DE04 DE07 DE09 DE14 4G059 AA01 AB11 AC03 AC04 AC21 AC22 FA01 FA05 FB05 GA01 GA04 GA11 4G072 AA41 BB09 GG02 HH07 HH30 JJ45 KK01 LL11 MM01 NN21 PP17 RR05 RR12 SS01 UU30 4J038 DL161 DM021 HA446 NA07 NA11 4K044 AA01 AA12 AA13 AA16 AB02 BA12 BA21 BB01 BC01 BC02 BC05 CA53 CA62

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキレン基を含有するゾルゲル金属酸
    化物膜を基材表面に被覆してなる酸化物被覆物品。
  2. 【請求項2】 前記アルキレン基が0.1〜20重量%
    含有されている請求項1記載の酸化物被覆物品。
  3. 【請求項3】 前記金属酸化物膜中の酸素原子総数の
    0.2〜15%がアルキレン基で置換されている請求項
    1または2記載の酸化物膜被覆物品。
  4. 【請求項4】 前記アルキレン基は−(CH2n−、
    (nは1〜6までの整数)である請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の被覆物品。
  5. 【請求項5】 前記アルキレン基は、−(CH2n
    (nは1〜2までの整数)である請求項4記載のゾルゲ
    ル酸化物膜被覆物品。
  6. 【請求項6】 前記金属酸化物膜は酸化ケイ素を主成分
    とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の被覆物品。
  7. 【請求項7】 前記金属酸化物膜は、酸化ケイ素−酸化
    ホウ素、酸化ケイ素−酸化アルミニウム、酸化ケイ素−
    酸化ジルコニウム、酸化ケイ素−酸化ホウ素−酸化マグ
    ネシウム、酸化ケイ素−酸化アルミニウム−酸化マグネ
    シウム、酸化ケイ素−酸化ジルコニウム−酸化マグネシ
    ウム、酸化ケイ素−酸化ホウ素−酸化カルシウム、酸化
    ケイ素−酸化アルミニウム−酸化カルシウム、または酸
    化ケイ素−酸化ジルコニウム−酸化カルシウムを主成分
    とする請求項6記載の被覆物品。
  8. 【請求項8】 前記金属酸化物膜は、重量%で表して、 ケイ素酸化物(SiO2換算) 50〜99.9、 アルキレン基 0.1〜20、 ホウ素酸化物(B23換算) 0〜40、 アルミニウム酸化物(Al23換算) 0〜40、 ジルコニウム酸化物(ZrO2換算) 0〜40、 マグネシウム酸化物(MgO換算) 0〜30、および カルシウム酸化物(CaO換算) 0〜30、 を含有する請求項1〜7のいずれか1項に記載の被覆物
    品。
  9. 【請求項9】 前記金属酸化物膜は、さらに、撥水性機
    能を有する有機基を0.1〜10重量%含有する請求項
    1〜8のいずれか1項に記載の被覆物品。
  10. 【請求項10】 前記有機基はフルオロアルキル基であ
    る請求項9記載の被覆物品。
  11. 【請求項11】(A)ケイ素、ジルコニウムおよびチタ
    ニウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属の
    アルコキシドまたは塩化物、(B)X3Z−(CH2n
    −ZX3(Xは、Cl、OCH3、または、OCH25
    nは1から6までの整数、Zは、それぞれ独立に、S
    i、Ti、またはZr、(C)酸、および(D)アルコ
    ール、を含有するゾルゲル酸化物膜被覆用組成物を基体
    表面に塗布し、乾燥することを特徴とするゾルゲル酸化
    物膜被覆物品を製造する方法。
  12. 【請求項12】 前記(A)成分と(B)成分のモル
    比、(B)/(A)が0.005〜2である請求項11
    記載のゾルゲル酸化物膜被覆物品を製造する方法。
  13. 【請求項13】 前記被覆用組成物は、 前記(A)成分物、(それぞれSiO2、ZrO2、およびTiO2に換算した合 計量) 0.01〜3重量%、 前記(B)成分 (A)成分に対するモル比で 0.005〜2, 前記(C)成分 0.01〜1.0モル/L、 前記(D)成分 0〜2重量%、および、 前記(E)成分 残部、 を含有する請求項11または12記載のゾルゲル酸化物
    膜被覆物品を製造する方法。
  14. 【請求項14】 前記(B)成分はビストリエトキシシ
    リルメタンまたはビストリメトキシシリルメタンである
    請求項11〜13のいずれか1項に記載のゾルゲル酸化
    物膜被覆物品を製造する方法。
  15. 【請求項15】 前記被覆用組成物は、さらに、撥水
    性有機基を有するオルガノシランを0.0001〜0.
    1重量%含有する請求項11〜14のいずれか1項に記
    載のゾルゲル酸化物膜被覆物品を製造する方法。
  16. 【請求項16】 前記オルガノシランはフルオロアル
    キル基含有シラン化合物である請求項15記載のゾルゲ
    ル酸化物膜被覆物品を製造する方法。
  17. 【請求項17】 (A)ケイ素、ジルコニウム、およびチタニウムからなる群より選ばれた少なく とも1種の金属のアルコキシドまたは塩化物、(それぞれSiO2、ZrO2およ びTiO2に換算した合計量) 0.01〜3重量%、 (B)X3Z−(CH2n−ZX3(Xは、Cl、OCH3、または、OCH25 、nは1から6までの整数、Zは、それぞれ独立に、Si、Zr、またはTiで ある。) (A)成分に対するモル比で 0.005〜2, (C)酸 0.01〜1.0モル/L、 (D)水 0〜2重量%、および、 (E)アルコール 残部、 を含有する被覆用組成物。
  18. 【請求項18】 前記(B)成分はビストリエトキシシ
    リルメタンまたはビストリメトキシシリルメタンである
    請求項17記載の被覆用組成物。
  19. 【請求項19】 前記被覆用組成物は、さらに、撥水
    性有機基を有するオルガノシランを0.0001〜0.
    1重量%含有する請求項17または18記載の被覆用組
    成物。
  20. 【請求項20】 前記オルガノシランはフルオロアル
    キル基含有シラン化合物である請求項19記載の被覆用
    組成物。
JP35938099A 1999-12-17 1999-12-17 酸化物膜被覆物品およびその製造方法 Pending JP2001172573A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35938099A JP2001172573A (ja) 1999-12-17 1999-12-17 酸化物膜被覆物品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35938099A JP2001172573A (ja) 1999-12-17 1999-12-17 酸化物膜被覆物品およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001172573A true JP2001172573A (ja) 2001-06-26

Family

ID=18464214

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35938099A Pending JP2001172573A (ja) 1999-12-17 1999-12-17 酸化物膜被覆物品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001172573A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6696538B2 (en) * 1999-07-27 2004-02-24 Lg Chemical Ltd. Semiconductor interlayer dielectric material and a semiconductor device using the same
JP2008285503A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Asahi Kasei Chemicals Corp 防汚コーティング液
US7470636B2 (en) 2000-02-02 2008-12-30 Lg Chem, Ltd. Semiconductor interlayer dielectric material and a semiconductor device using the same
JP2011516645A (ja) * 2008-04-02 2011-05-26 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 弾性の線状異形材、殊にウインドウワイパーブレード用のコーティング、およびその製造方法
US8171750B2 (en) 2008-10-17 2012-05-08 Mitsubishi Electric Corporation Air conditioner and coating composition
JP2014074118A (ja) * 2012-10-04 2014-04-24 Asahi Glass Co Ltd 撥水膜付き基体および輸送機器用物品
JP2014144551A (ja) * 2013-01-28 2014-08-14 Asahi Glass Co Ltd 撥水膜付き基体および輸送機器用物品
JP2014156061A (ja) * 2013-02-15 2014-08-28 Asahi Glass Co Ltd 下地層及び撥水膜を有する基体、及びこの下地層及び撥水膜を有する基体を含む輸送機器用物品
WO2015105615A1 (en) * 2014-01-13 2015-07-16 Eastman Kodak Company Use of titania precursor composition pattern
WO2020066597A1 (ja) * 2018-09-26 2020-04-02 富士フイルム株式会社 積層体

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6696538B2 (en) * 1999-07-27 2004-02-24 Lg Chemical Ltd. Semiconductor interlayer dielectric material and a semiconductor device using the same
US7470636B2 (en) 2000-02-02 2008-12-30 Lg Chem, Ltd. Semiconductor interlayer dielectric material and a semiconductor device using the same
JP2008285503A (ja) * 2007-05-15 2008-11-27 Asahi Kasei Chemicals Corp 防汚コーティング液
JP2011516645A (ja) * 2008-04-02 2011-05-26 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 弾性の線状異形材、殊にウインドウワイパーブレード用のコーティング、およびその製造方法
US8171750B2 (en) 2008-10-17 2012-05-08 Mitsubishi Electric Corporation Air conditioner and coating composition
JP2014074118A (ja) * 2012-10-04 2014-04-24 Asahi Glass Co Ltd 撥水膜付き基体および輸送機器用物品
JP2014144551A (ja) * 2013-01-28 2014-08-14 Asahi Glass Co Ltd 撥水膜付き基体および輸送機器用物品
JP2014156061A (ja) * 2013-02-15 2014-08-28 Asahi Glass Co Ltd 下地層及び撥水膜を有する基体、及びこの下地層及び撥水膜を有する基体を含む輸送機器用物品
WO2015105615A1 (en) * 2014-01-13 2015-07-16 Eastman Kodak Company Use of titania precursor composition pattern
US9267206B2 (en) 2014-01-13 2016-02-23 Eastman Kodak Company Use of titania precursor composition pattern
WO2020066597A1 (ja) * 2018-09-26 2020-04-02 富士フイルム株式会社 積層体
JPWO2020066597A1 (ja) * 2018-09-26 2021-08-30 富士フイルム株式会社 積層体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6623863B2 (en) Article coated with water-repellent film, liquid composition for coating with water-repellent film, and process for producing article coated with water-repellent film
JP6823141B2 (ja) 防曇膜つき透明物品
AU2005276313B2 (en) Method of producing a substrate which is coated with a mesoporous layer and use thereof in ophthalmic optics
WO1998027021A1 (fr) Articles en verre anti-buee et anti-taches
WO1999028534A1 (fr) Procede de production d'articles recouvertes d'enrobages a base de silice
JP2000239283A (ja) フルオル有機官能性シラン及び/又はシロキサンを有する組成物、その製法、その使用及び表面変性された支持体
JP2001172573A (ja) 酸化物膜被覆物品およびその製造方法
JP2017515649A (ja) 疎水化ハードペイント表面
EP2880111B1 (en) Hydrophobic coating
JP3427755B2 (ja) シリカ系膜被覆物品を製造する方法
JP6011364B2 (ja) 撥水膜付き基体および輸送機器用物品
JPH09328336A (ja) 光触媒活性を有する被膜とそれを形成する組成物
JP2717167B2 (ja) 被覆用組成物
JP3987505B2 (ja) 表面処理剤、表面処理方法及び該方法により処理された物品
CN110358445B (zh) 拒水膜形成用组合物和拒水膜
JP2005350502A (ja) 超撥水性被膜被覆物品、その製造方法及び超撥水性被膜形成用塗工材料
JP5163022B2 (ja) 光学機能性積層体上に防汚性被膜を形成するための処理剤
JPH01309003A (ja) 撥水性を有する帯電防止物品
JP2001205187A (ja) シリカ系膜被覆物品の製造方法、およびシリカ系膜被覆物品
JP3346278B2 (ja) 有機系基材への光触媒膜の形成方法とその用途
JP2000336334A (ja) シリカ系膜被覆物品および機能性膜被覆物品を製造する方法
JP2002348542A (ja) 被覆物品、被覆用液組成物および被覆物品を製造する方法
WO2002074447A2 (en) Coated article, coating liquid composition, and method for producing coated article
JP2003292342A (ja) シリカ系膜被覆物品
JP4552250B2 (ja) 塗料、塗膜の形成方法及び該方法により形成された塗膜