JP2001172233A - 3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液の製造法 - Google Patents

3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液の製造法

Info

Publication number
JP2001172233A
JP2001172233A JP36336999A JP36336999A JP2001172233A JP 2001172233 A JP2001172233 A JP 2001172233A JP 36336999 A JP36336999 A JP 36336999A JP 36336999 A JP36336999 A JP 36336999A JP 2001172233 A JP2001172233 A JP 2001172233A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aqueous solution
epichlorohydrin
chloro
reaction
trimethylamine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP36336999A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4395949B2 (ja
Inventor
Isao Goto
勲 後藤
Hideyo Sato
英世 佐藤
Kenichi Kasahara
健一 笠原
Yu Okochi
祐 大河内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Gas Chemical Co Inc filed Critical Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Priority to JP36336999A priority Critical patent/JP4395949B2/ja
Publication of JP2001172233A publication Critical patent/JP2001172233A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4395949B2 publication Critical patent/JP4395949B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】塩酸とトリメチルアミンの混合物の水溶液にエ
ピクロルヒドリンを反応させて3-クロロ-2- ヒドロキシ
プロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液を製
造するに際して、副生物の生成を抑制し、反応の制御が
容易で、エネルギー消費量の少ない、工業的に有利な方
法を提供する。 【解決手段】pH8以下の塩酸とトリメチルアミンの水
溶液へ反応温度を15〜20℃の範囲に維持しながらエピク
ロルヒドリンを添加して反応させた後、25〜30℃の範囲
の温度で熟成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩酸とトリメチルア
ミンの水溶液にエピクロヒドリンを反応させて3-クロロ
-2- ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロラ
イド水溶液を製造する方法に関する。3-クロロ-2- ヒド
ロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド(以
下、CHPTACと称す)は、カチオン性を付与する4
級アンモニウム塩基と各種高分子物質と反応するクロル
ヒドリン基を有するカチオン化剤で、澱粉、セルロース
系繊維、ポリアミド並びにボリビニルアルコールなど広
範囲のポリマーにカチオン性を付与するので、天然ポリ
マー及び合成ポリマーの改質、特にカチオン多糖類、例
えばデンプンの製造において有用に用いられる。
【0002】
【従来の技術】塩酸とトリメチルアミンの水溶液へエピ
クロルヒドリンを反応させてCHPTAC水溶液を製造
する方法は公知であり、特開昭58-174349 号にはトリメ
チルアミン塩酸塩とエピクロルヒドリンを等モルづづ連
続的に混合して70℃以下の温度で反応させることが記載
されている。また、特公昭61-20535号にはCHPTAC
水溶液に水または水蒸気を添加しつつ減圧下または常圧
下で連続トッピングすることにより、未反応エピクロル
ヒドリンおよび副生物を留去することが記載されてい
る。
【0003】このトリメチルアミン塩酸塩水溶液とエピ
クロルヒドリンの反応では、1,3-ジクロルヒドリンや1,
3-ビス (トリメチルアンモニウムクロライド)-2-ヒドロ
キシプロパン (以下、BTAと称す)等の副生物を生成
すると共に、未反応のトリメチルアミン塩酸塩やエピク
ロルヒドリン等が残留する。この1,3-ジクロルヒドリン
やエピクロルヒドリンはカチオン化剤として澱粉と反応
させた際に、架橋作用により澱粉溶液の粘度上昇やゲル
化の原因となり製品品質を低下させる。BTAは原単位
及び純度を悪化させるとともにCHPTACの水溶解性
を低下させ、高濃度水溶液を得ることができない。トリ
メチルアミン塩酸塩の残存はアミン臭の原因となる。
【0004】BTAのようなジ4級塩の生成を抑制する
ため、特表平10-512274号には塩酸とトリメチルアミン
の混合物中に遊離アミンを 1〜10モル%存在させるよう
にしてエピクロルヒドリンと2段で反応させることが記
載されている。また、トリメチルアミン塩酸塩の残存を
抑制するには過剰のエピクロルヒドリンを使用する必要
があり、特公平6-72126号にはトリメチルアミン塩酸塩
に対するエピクロルヒドリンのモル比を1.05〜1.20に保
つ方法が記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の特表平10-51227
4号の実施例では、原料に用いる塩酸とトリメチルアミ
ンの混合物のpHが8.5以上であり、エピクロルヒド
リンとの第一段反応を10℃、第二段反応を30〜40℃で行
っている。この方法を本発明者等が追試したところ、第
一段反応における反応速度が遅いために、反応液中の未
反応エピクロルヒルドリンの濃度上昇をまねき易く、エ
ピクロルヒルドリン濃度が所定量を越えると急速に反応
が進行して反応液温度を急騰させるため温度制御が困難
となった。また、この実施例では特公平6-72126号の方
法に従いトリメチルアミン塩酸塩に対するエピクロルヒ
ドリンのモル比を1.05〜1.10としているが、反応終了時
の未反応エピクロルヒドリン濃度が高く、1,3-ジクロル
ヒドリン等の副生を促進することから、カチオン化剤合
成の際の許容濃度までエピクロルヒドリンや1,3-ジクロ
ルヒドリン等を除去するには多大なエネルギーを要す
る。本発明の目的は、塩酸とトリメチルアミンの水溶液
にエピクロルヒドリンを反応させて3-クロロ-2- ヒドロ
キシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液
を製造するに際して、副生物の生成を抑制し、反応の制
御が容易で、エネルギー消費量の少ない、工業的に有利
な方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するため手段】発明者等は上記の如き課題
を有するCHPTAC水溶液の製造法について鋭意検討
した結果、原料の塩酸とトリメチルアミンの水溶液にお
ける遊離アミン濃度を低下させ、特定範囲の温度での二
段反応によりエピクロルヒルドリンとの反応を行うよう
にすれば、副生物の生成が抑制され、反応の制御が容易
となり、エネルギー消費量も少なくなることを見出し、
本発明に到達した。また、粗CHPTAC水溶液の注水
真空蒸留による精製において、従来はCHPTAC濃度
の管理を液体クロマトグラフを使用して行われたが、導
電率計を用いて管理を行うことにより、容易に効率良く
管理できるようになり、エネルギー消費量を少なくする
ことができることも見出した。
【0007】即ち本発明は、pH8以下の塩酸とトリメ
チルアミンの水溶液へ反応温度を15〜20℃の範囲に維持
しながらエピクロルヒドリンを添加して反応させた後、
25〜30℃の範囲の温度で熟成することを特徴とする3-ク
ロロ-2- ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムク
ロライド水溶液の製造法、および粗3-クロロ-2- ヒドロ
キシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液
中に水を添加しながら真空蒸留により精製する方法にお
いて、3-クロロ-2- ヒドロキシプロピルトリメチルアン
モニウムクロライドの濃度を導電率を用いて管理するこ
とを特徴とする3-クロロ-2- ヒドロキシプロピルトリメ
チルアンモニウムクロライド水溶液の製造法である。
【0008】
【発明の実施形態】本発明において原料の塩酸とトリメ
チルアミンの水溶液の製造法は特に限定されない。例え
ば塩酸水溶液にトリメチルアミンを導入する方法や、ト
リメチルアミン塩酸塩水溶液にトリメチルアミン水溶液
を添加する方法により、目的とする塩酸とトリメチルア
ミンの水溶液を製造することができる。飽和塩酸水溶液
を用いた場合、該水溶液のトリメチルアミン塩酸塩濃度
は59重量%程度である。塩酸とトリメチルアミンの混
合物の塩酸に対するトリメチルアミンの混合比率は塩酸
とエピクロルヒドリンとの反応による1,3-ジクロルヒド
リンの生成を抑制するためにトリメチルアミンを過剰の
状態とするが、トリメチルアミンとエピクロルヒドリン
との反応によるグリシジルトリメチルアンモニウムクロ
ライド(以下、GTAと称す)の生成や、GTAとトリ
メチルアミン塩酸塩との反応によるBTAのようなジ4
級塩の生成を抑制するため、遊離アミンの量をできるだ
け減らすようにする。このため本発明における塩酸とト
リメチルアミンの水溶液のpHを8以下、好ましくは
7.0〜7.8とする。このpHは塩酸に対するトリメ
チルアミンの混合比率により決定され、本発明における
塩酸に対するトリメチルアミンの混合比率は1.01以
下、好ましくは1.001〜1.005の範囲である。
【0009】本発明では上記の塩酸とトリメチルアミン
の水溶液にエピクロルヒドリンを添加して反応させるこ
とにより粗CHPTAC水溶液が得られるが、この反応
を2段で行う。エピクロルヒドリンの添加量は、原料の
塩酸に対してを1.01〜1.05倍、好ましくは1.02〜1.04倍
である。第1段反応は水溶液の温度が15〜20℃、好まし
くは16〜18℃の範囲を維持できるようにエピクロルヒド
リンを徐々に添加する。第1段反応の温度が低すぎる場
合には第1段反応における反応速度が遅いために反応が
不安定となり、副生物の生成量が増大して収率の低下等
をもたらす危険性がある。第1段反応の温度が高すぎる
場合には第1段反応での副生物の生成量が増大して全体
としての収率が低下することになる。エピクロルヒドリ
ンの添加は第1段反応の間に終了する。第2段反応は熟
成によって反応を完結させるもので、熟成温度を25〜30
℃、好ましくは26〜29℃とする。熟成時間は反応状況に
よるが、通常は1〜3時間、好ましくは 1.5〜2.5 時間
程度である。第2段反応の熟成温度が低すぎる場合には
熟成に要する時間が非常に長くなる。熟成温度が高すぎ
る場合には副生物の生成量が増大して収率が低下するこ
とにる。
【0010】塩酸とトリメチルアミンの水溶液にエピク
ロルヒドリンを添加して反応させることにより得られた
粗CHPTAC水溶液は、次に蒸留により未反応エピク
ロルヒドリンと副生物を除去して高純度、高濃度のCH
PTAC水溶液が得られる。この精製蒸留は常圧で行う
こともできるが、副生物の生成を抑制するために低温で
の蒸留が好ましく、大気圧以下の圧力、好ましくは蒸留
塔内温度が30〜90℃に相当する50〜100mmHg (7〜13kPa)
での真空蒸留が好適である。
【0011】粗CHPTAC水溶液の精製蒸留は、水ま
たは水蒸気を添加しながら蒸留することによって未反応
エピクロルヒドリンと副生物の1,3-ジクロルヒドリンを
留去することができる。このエピクロルヒドリンと1,3-
ジクロルヒドリンの留去も二段で行うことが好ましく、
先ず水または水蒸気の添加量の調整によりCHPTAC
濃度を60〜63重量% として未反応エピクロルヒドリンを
留去し、GTAと当量の塩酸を添加してGTAをCHP
TACに転化させるGTA処理を行った後、引き続いて
CHPTAC濃度を64〜68重量% として副生1,3-ジクロ
ルヒドリンを留去することによって、エピクロルヒドリ
ンと1,3-ジクロルヒドリンを短時間に効率良く留去する
ことができる。
【0012】この精製蒸留の際に用いられる蒸留塔の形
式は特に限定されず、通常の充填塔等が使用される。還
流量は蒸留塔の状況によって決定され、還流無のトッピ
ングにより精製を行うこともできる。このような粗CH
PTAC水溶液の精製蒸留において、導電率を指標にし
てCHPTAC濃度を管理すれば極めて容易に迅速に対
応することができ、省エネルギー化と省力化が図られる
と共に適切を管理を行うことができる。
【0013】トリメチルアミン塩酸塩とエピクロルヒド
リンの主反応の進行には遊離のトリメチルアミンが必要
であるが、過剰トリメチルアミンの存在はトリメチルア
ミンとエピクロルヒドリンの反応によりGTAの生成を
促進し、GTAとトリメチルアミン塩酸塩との反応によ
りBTAが増加し品質を悪化させる。また、反応温度を
低くすることでBTAの生成を少なくすることはできる
が、低い反応温度では反応が遅く、エピクロルヒドリン
の添加・反応中に未反応エピクロルヒドリン濃度が上昇
し、所定濃度を越えると反応が急速に進行して温度制御
に影響を与える。本発明では過剰アミン量が僅かなpH
8以下の塩酸とトリメチルアミンの混合物の水溶液を用
い、第一段反応を温度を限定することによりBTAの生
成を抑制しながら適正な反応速度を維持することができ
る。また本発明ではBTAの生成量が少ないので、CH
PTACの水溶解性が高く、高濃度のCHPTAC水溶
液を得ることができる。
【0014】また主反応のトリメチルアミン塩酸塩とエ
ピクロルヒドリンの反応は、エピクロルヒドリンが不足
すると未反応のトリメチルアミン塩酸塩が残存し製品の
アミン臭原因となることから、トリメチルアミン塩酸塩
に対して過剰のエピクロルヒドリンが必要であるが、過
剰なエピクロルヒドリンはエピクロルヒドリンとCHP
TACの反応およびエピクロルヒドリンと水の反応によ
る1,3-ジクロルヒドリンの生成や、GTAの生成を促進
する。更に、過剰なエピクロルヒドリンを用いることに
より未反応エピクロルヒドリンが増加するため、これら
の除去に多大なエネルギーを要することになる。本発明
では、塩酸とトリメチルアミンの混合物のpHを8以下
とし、僅かな過剰アミン量とすることによってエピクロ
ルヒドリン添加量の減量が可能となり、未反応トリメチ
ルアミン塩酸塩を増加させることなく副生1,3-ジクロル
ヒドリンの濃度や未反応エピクロルヒドリン濃度を抑制
することができる。
【0015】更に、未反応エピクロルヒドリンや副生1,
3-ジクロルヒドリンを注水真空蒸留で除去する際に、導
電率計を用いてCHPTAC濃度を調整することにより
注水量を適切に管理することができ、蒸留時間の短縮が
可能となる。本発明ではエピクロルヒドリン添加量が減
少して副生1,3-ジクロルヒドリンの濃度や未反応エピク
ロルヒドリン濃度が減少することと、導電率計を用いて
CHPTAC濃度を適切に管理することができることか
ら、CHPTAC製造装置におけるエネルギー効率を著
しく改善することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。但し本発明は以下の実施例により制限されるも
のではない。なお、以下の実施例と比較例における組成
%はいずれも重量単位である。
【0017】実施例1 撹拌機、温度計、還流冷却器を備えた500ml反応フラ
スコへ58.43%のトリメチルアミン塩酸塩278g
(1.70mol)を入れ、撹拌しながら30%トリメチルアミ
ン水溶液1.3gを加え、塩酸に対するトリメチルアミ
ンのモル比を1.004とした。この溶液のpHは7.
4であった。反応液温度を18℃に保ちながらエピクロ
ルヒドリン166g(1.79mol)を4時間で添加・反応さ
せた後、反応液温度を28℃として2時間熟成して得
た。反応液には、1,3-ジクロルヒドリンが0.58%、
エピクロルヒドリンが0.88%、GTAが2.88%
含有していた。この反応液のCHPTAC濃度を反応液
の導電率を指標に60〜63%に維持しながら注水真空
蒸留(7〜9kpa)でエピクロルヒドリンを50ppm以下
まで留去させ、GTAと当量の塩酸を添加してGTAを
CHPTACに転化させるGTA処理を行った後、引き
続いて反応液のCHPTAC濃度を64〜68%に維持
しながら注水真空蒸留を継続して1,3-ジクロルヒドリン
を留去させた。注水真空蒸留に要した注水量は1.2k
gであり、この注水真空蒸留に要した時間は6時間であ
った。次いで濃縮によりCHPTAC濃度を69%に調
整して製品を得た。製品の分析結果を表1に示す。
【0018】比較例1 実施例1において30%トリメチルアミン水溶液を1
3.4g添加し、塩酸に対するトリメチルアミンのモル
比を1.04(pH8.7)とし、実施例1と同様に反
応させ、熟成した。得られた反応液の含有率は、1,3-ジ
クロルヒドリン0.73%、エピクロルヒドリン1.1
%、GTA3.58%であった。次いで、実施例1と同
様に注水真空蒸留およびGTA処理及び濃縮を行った。
製品の分析結果を表1に示す。この製品は室温で僅かな
析出物を生じた。
【0019】比較例2 実施例1において30%トリメチルアミン水溶液を1
9.7g添加し、塩酸に対するトリメチルアミンのモル
比を1.10(pH 9.2)として実施例1と同様に
反応させ、熟成した。得られた反応液の含有率は、1,3-
ジクロルヒドリン0.55%、エピクロルヒドリン1.
6%、GTA6.50%であった。次いで、実施例1と
同様に注水真空蒸留、GTA処理を行い、濃縮によりC
HPTACを68%に調整した。製品の分析結果を表1
に示す。この製品は常温で析出物を生じ、CHPTAC
濃度を69%まで高めることが出来なかった。
【0020】実施例2 実施例1においてエピクロルヒドリン添加量を161g
(1.74mol)として実施例1と同様に反応させ、熟成し
た。得られた反応液の含有率は1,3-ジクロルヒドリン
0.70%、エピクロルヒドリン0.71%、GTA
2.87%であった。次いで実施例1と同様に注水真空
蒸留、GTA処理及び濃縮を行った。製品の分析結果を
表1に示す。
【0021】参考例1 実施例1においてエピクロルヒドリン添加量を174g
(1.88mol)として実施例1と同様に反応させ、熟成し
た。得られた反応液の含有率は1,3-ジクロルヒドリン
0.85%、エピクロルヒドリン1.2%、GTA3.
05%であった。次いで、実施例1と同様に注水真空蒸
留、GTA処理及び濃縮を行った。この場合、注水真空
蒸留の注水量は1.3kgであり、この注水真空蒸留に
要した時間は6.5時間で、実施例1に比較して蒸留時
間が延長した。製品の分析結果を表1に示す。
【0022】参考例2 実施例1においてGTA処理を行った後、反応液のCH
PTAC濃度を60〜63%に固定して注水真空蒸留を
行い、エピクロルヒドリン及び1,3-ジクロルヒドリンを
留去した。注水真空蒸留に要した注水量は1.6kgで
あり、この注水真空蒸留に要した時間は8時間で、実施
例1に比較して蒸留時間が延長した。
【0023】 表1 実施例1 比較例1 比較例2 実施例2 参考例1 TMA-HCl 水溶液pH 7.4 8.7 9.2 7.4 7.4 TMA/HCl(mol/mol) 1.004 1.04 1.10 1.004 1.004EpCH/TMA(mol/mol) 1.05 1.05 1.05 1.02 1.10 熟成後の反応液組成(%) DCH 0.58 0.73 0.55 0.70 0.85 EpCH 0.88 1.1 1.6 0.71 1.2 GTA 2.88 3.58 6.50 2.87 3.05 製品組成 CHPTAC(%) 69.5 69.5 68.0 69.4 69.3 BTA(%) 1.6 2.4 3.8 1.1 1.5 EpCH(ppm) 10> 10> 10> 10> 10> DCH(ppm) 50> 50> 50> 50> 50> TMA-Cl(ppm) 10> 10> 10> 10> 10> 析出物 無 僅有 僅有 無 無
【0024】(表1における使用記号) TMA: トリメチルアミン HCl: 塩酸 EpCH: エピクロルヒドリン DCH: 1,3-ジクロルヒドリン CHPTAC: 3-クロロ-2- ヒドロキシプロピルトリメチルア
ンモニウムクロライド GTA: グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド BTA: 1,3-ビス (トリメチルアンモニウムクロライ
ド)-2-ヒドロキシプロパン TMA-Cl: トリメチルアミン塩酸塩
【0025】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように、本
発明により過剰アミンが僅かなの塩酸とトリメチルアミ
ンの水溶液を用い、特定の温度範囲の二段反応でトリメ
チルアミン塩酸塩とエピクロルヒドリンの反応させるこ
とによりGTAやBTAなどの副生物の生成が抑制さ
れ、高品質のCHPTACが得られる。また本発明では
BTAの生成量が少ないのでCHPTACの水溶解性が
高く、69重量%以上の高濃度のCHPTAC水溶液を
得ることができる。更に本発明ではエピクロルヒドリン
添加量も減量できることから、メチルアミン塩酸塩とエ
ピクロルヒドリン反応の制御が容易である。また、未反
応エピクロルヒドリンが少ないので精製操作も容易であ
り、注水真空蒸留により少ないエネルギー消費量で効率
よく粗CHPTAC水溶液の精製を行うことができる。
注水真空蒸留による粗CHPTAC水溶液の精製におい
て、導電率計を用いてCHPTAC濃度を調整すること
により注水量を適切に管理することができ、蒸留時間の
短縮がされ、省エネルギー化と省力化を図ることができ
る。このように本発明は工業的に極めて優れたCHPT
ACの製造法であり、本発明の工業的意義は大きい。
フロントページの続き (72)発明者 大河内 祐 新潟県新潟市太夫浜4061番地 エーアンド シー株式会社 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC30 AC41 AC52 AD11 BC10 BC16 BC31 BM10 BM72 BN10 4H039 CA52 CA60 CF90 CH60

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】pH8以下の塩酸とトリメチルアミンの水
    溶液へ反応温度を15〜20℃の範囲に維持しながらエピク
    ロルヒドリンを添加して反応させた後、25〜30℃の範囲
    の温度で熟成することを特徴とする3-クロロ-2- ヒドロ
    キシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液
    の製造法。
  2. 【請求項2】塩酸とトリメチルアミンの水溶液がpH
    7.0〜7.8である請求項1に記載の3-クロロ-2- ヒ
    ドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水
    溶液の製造法。
  3. 【請求項3】原料の塩酸に対して1.01〜1.05倍のエピク
    ロヒドリンを添加して反応させる請求項1に記載の3-ク
    ロロ-2- ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムク
    ロライド水溶液の製造法。
  4. 【請求項4】熟成により得られた粗3-クロロ-2- ヒドロ
    キシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液
    中に水を添加しながら真空蒸留を行い、該水溶液中に含
    まれる未反応エピクロルヒドリンと副生1,3-ジクロルヒ
    ドリンを除去する請求項1に記載の3-クロロ-2- ヒドロ
    キシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液
    の製造法。
  5. 【請求項5】熟成により得られた粗3-クロロ-2- ヒドロ
    キシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液
    の3-クロロ-2- ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニ
    ウムクロライド濃度を60〜63重量% として未反応エピク
    ロルヒドリンを留去し、グリシジルトリメチルアンモニ
    ウムクロライドと当量の塩酸を添加してグリシジルトリ
    メチルアンモニウムクロライドを3-クロロ-2- ヒドロキ
    シプロピルトリメチルアンモニウムクロライドに転化さ
    せた後、引き続いて3-クロロ-2-ヒドロキシプロピルト
    リメチルアンモニウムクロライド濃度を64〜68重量% と
    して副生1,3-ジクロルヒドリンを留去する請求項4に記
    載の3-クロロ-2- ヒドロキシプロピルトリメチルアンモ
    ニウムクロライド水溶液の製造法。
  6. 【請求項6】粗3-クロロ-2- ヒドロキシプロピルトリメ
    チルアンモニウムクロライド水溶液中に水を添加しなが
    ら真空蒸留により精製する方法において、3-クロロ-2-
    ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド
    の濃度を導電率を用いて管理することを特徴とする3-ク
    ロロ-2- ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムク
    ロライド水溶液の製造法。
JP36336999A 1999-12-21 1999-12-21 3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液の製造法 Expired - Fee Related JP4395949B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36336999A JP4395949B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP36336999A JP4395949B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001172233A true JP2001172233A (ja) 2001-06-26
JP4395949B2 JP4395949B2 (ja) 2010-01-13

Family

ID=18479147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP36336999A Expired - Fee Related JP4395949B2 (ja) 1999-12-21 1999-12-21 3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4395949B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030037475A (ko) * 2001-11-05 2003-05-14 삼성정밀화학 주식회사 외부순환식 반응기를 이용한할로히드록시프로필트리알킬암모늄할라이드의 제조방법
CN103539685A (zh) * 2013-09-27 2014-01-29 昆山培新服装有限公司 一种用于织物的活性改性剂的制备方法
CN104212429A (zh) * 2014-08-11 2014-12-17 东北石油大学 防膨缩膨剂及其制备方法
CN105669472A (zh) * 2016-04-01 2016-06-15 山东国丰君达化工科技股份有限公司 高品质阳离子醚化剂生产流程pH值动态控制方法
CN111579707A (zh) * 2020-05-29 2020-08-25 山东省分析测试中心 一种检测阳离子醚化剂中三甲胺盐酸盐的方法及应用
CN111718270A (zh) * 2020-07-13 2020-09-29 山东泰和水处理科技股份有限公司 一种双季铵盐中间体的合成方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20030037475A (ko) * 2001-11-05 2003-05-14 삼성정밀화학 주식회사 외부순환식 반응기를 이용한할로히드록시프로필트리알킬암모늄할라이드의 제조방법
CN103539685A (zh) * 2013-09-27 2014-01-29 昆山培新服装有限公司 一种用于织物的活性改性剂的制备方法
CN104212429A (zh) * 2014-08-11 2014-12-17 东北石油大学 防膨缩膨剂及其制备方法
CN105669472A (zh) * 2016-04-01 2016-06-15 山东国丰君达化工科技股份有限公司 高品质阳离子醚化剂生产流程pH值动态控制方法
CN111579707A (zh) * 2020-05-29 2020-08-25 山东省分析测试中心 一种检测阳离子醚化剂中三甲胺盐酸盐的方法及应用
CN111718270A (zh) * 2020-07-13 2020-09-29 山东泰和水处理科技股份有限公司 一种双季铵盐中间体的合成方法
CN111718270B (zh) * 2020-07-13 2023-08-22 山东泰和科技股份有限公司 一种双季铵盐中间体的合成方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4395949B2 (ja) 2010-01-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN104058947A (zh) 一种减少醋酐使用量的氯乙酸生产方法
CN113402494A (zh) 一种改进提高氯代碳酸乙烯酯收率的方法
CN113698320A (zh) 一种l-卡内腈的制备方法
JP2009525326A (ja) 高純度のモノペンタエリスリトールを製造する方法、およびその方法によって製造されたモノペンタエリスリトール
JP2001172233A (ja) 3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液の製造法
CN113651721A (zh) 3-(叔丁氧羰基甲氨基)丙酸的制备方法
KR101002061B1 (ko) 4-아미노메틸벤조산 제조방법
CN109503408B (zh) 一种(s)-(+)-2-氨基丁酰胺盐酸盐的拆分方法
WO2017138588A1 (ja) 1-メチルピロリジン-3-オールの製造方法
CN108752217B (zh) 一种度鲁特韦关键中间体2,4-二氟苄胺的合成方法
JP6999112B2 (ja) 2,5-ビス(アミノメチル)フラン二ハロゲン化水素塩及びその製造方法並びに2,5-ビス(アミノメチル)フランの製造方法
JPH10158238A (ja) N−メチル−2− ピロリドンの製造方法
SE542625C2 (en) Process for production of Pentaerythritol with an increased yield of Di-Pentaerythritol
CN109250694B (zh) 一种利用氯化氢干气制备盐酸羟胺的方法
CN104860843A (zh) 一种丙酮连氮的合成方法
JPS6058740B2 (ja) ポリエチレンポリアミンの製造法
JP2004131399A (ja) シス−ヘキサヒドロイソインドリンの製造法
KR100531115B1 (ko) 디알릴디메틸암모늄클로라이드의 분리 및 회수 방법
JPH06271557A (ja) シスエポキシコハク酸塩の製造方法
CN112591751B (zh) 一种氧硫化碳的合成方法
CN112645867B (zh) 双(1-辛氧基-2,2,6,6-四甲基-4-哌啶基)癸二酸酯的合成方法
JPH04145054A (ja) 3―ハロ―2―ヒドロキシプロピルトリアルキルアンモニウムハライド水溶液の製造法
KR20180047257A (ko) 트리메틸올프로판의 제조장치 및 이를 이용한 제조방법
CN116730872A (zh) 氰氨基甲酸甲酯合成工艺
CN113307741A (zh) 一种屈昔多巴的制备方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090624

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090819

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090929

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091012

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4395949

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121030

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131030

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees