JP2001170572A - Pcb汚染機器の浄化方法 - Google Patents

Pcb汚染機器の浄化方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】PCB含有機器を浄化するにあたり、周囲への
PCBの排出が無く、その結果周囲の汚染も小さく、浄
化効率も高い浄化方法を提供する。また、特に部材と部
材に挟まれた間隙中に滞留するPCBなどを効率よく除
去し、効果的にPCB汚染物を浄化する方法を提供す
る。 【解決手段】密閉条件下で、PCB汚染機器を溶剤の蒸
気に暴露し、該機器の表面上で凝縮生成したPCB溶剤
混液を流下させる洗浄工程と、洗浄された機器表面を乾
燥する乾操工程を有する。洗浄工程において、前記機器
表面に液体溶剤を接触させ、該機器表面温度を溶剤の凝
縮温度以下に維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、PCB汚染機器の
浄化方法に関し、更に詳しくは、例えば電力用高圧トラ
ンスのような、PCB又はPCBを含む油が充填されて
PCBに汚染されていた大型機器などについて好適な浄
化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】PCBは、かって有用な物質として熱媒
体、トランス・コンデンサ等の電気機器用の絶縁油、ノ
ーカーボン紙の他、潤滑油、各種可塑剤、塗料、シーラ
ンド剤等向けに生産され、そうした方面で使用されてい
た。しかしカネミ油症事件等をきっかけに生体・環境へ
の影響が明らかになり、昭和47年までに生産が中止さ
れ、昭和49年度までに製造・輸入が禁じられ、さらに
開放系用途での使用、新規用途での使用も禁じられた。
その後熱媒体用のPCBは大部分が回収されたが、閉鎖
系用途については、電気機器用に現在も継続して使用さ
れているか、使用事業者で保管されている。
【0003】しかし、使用済PCB電気機器等の保管が
長期化する中で、機器の紛失・行方不明例が報告されは
じめ、PCBの漏出あるいは事故による漏洩等の恐れが
大きくなってきている。現在、PCBは環境中あるいは
生体中で広く検出され、種々の経路を通って環境中に侵
入している可能性も示唆されている。PCBに汚染され
たまま現在に至ってきた電気機器等も、多くが処分時期
を迎えている。PCBに汚染された絶縁油を現在でもな
お充填しているような電気機器を完全に処分するには、
充填されている絶縁油だけでなく、絶縁油を介してPC
Bが付着、又は含浸している容器等の被洗浄物も浄化す
る必要がある。PCBで汚染された廃プラスチック類又
は金属くずは、その処分、再生の方法が定められてい
る。焼却設備や洗浄設備を用いてPCBを十分に除去し
なければならない。
【0004】我が国の浄化基準は諸外国と比較して非常
に厳しい。含有量で0.01mg/kg、表面付着量と
して0.1μg/100cm2が、上限値として定めら
れている。こうした基準をクリヤーできる浄化方法とし
ては、従来多くの方法が検討され、一部は実用化されて
きている。例えば、PCB汚染物を含有する機器を洗浄
する場合、従来は特殊な洗浄槽内に洗浄対象機器を設置
して洗浄している。また洗浄効果を向上させるために切
断・破砕等の前処理を行う例もある。溶剤洗浄による浄
化率を向上させるには次のような工夫が必要である。洗
浄時、接触する洗浄溶剤にPCB汚染物が浸透しやすく
すること。洗浄溶剤の汚染物への接触性を向上させるこ
と。汚染物を洗浄溶剤に溶解しやすくすること。汚染物
を溶解した溶剤を、被洗浄物の表面から速やかに排除で
きるようにすること。これらが重要である。浸透・接触
性の向上方法としてはいくつかある。洗浄槽に洗浄溶剤
を導入し、被洗浄物を浸漬する。浸漬時、超音波洗浄又
は洗浄溶剤による煮沸を行う。洗浄槽で洗浄溶剤蒸気が
利用されることもある。溶解性の向上には溶解効果の高
い適切な溶剤の選定や加温溶剤が利用されてきた。例え
ば、蒸気洗浄槽とシャワー洗浄槽とを組み合わせて配置
して行う洗浄法がある。シャワー洗浄と蒸気洗浄とを順
次実施する洗浄法も行われている。真空減圧とシャワー
洗浄と蒸気洗浄と真空乾燥を繰り返す浄化方法もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、PCB汚染物
の浄化にあたっては依然、次のような問題がある。 ・浄化基準が非常に厳しいため、非常に高い浄化効率が
要求される。 ・洗浄後、その洗浄廃液にはPCBが含まれる。廃液の
処分は困難が伴う。 ・珪素鋼板やコイルなどの資材の場合、洗浄終了後もな
お間隙中にPCBが残留しているものが多い。従来は、
汚染物を溶解した溶剤を被洗浄物から除去する過程が軽
視されていた。従来のシャワー洗浄は、被洗浄物の温度
が溶剤の凝縮によって上昇して凝縮が起こらなくなる
と、浄化効果が不充分でも洗浄作業は終了する。凝縮液
を被洗浄物から速やかに除去する手段もない。また供給
蒸気も汚染溶剤を単に蒸発・気化させたもので清浄な蒸
気が得られない。十分な洗浄効果も得られないことが多
い。真空減圧、シャワー洗浄、蒸気洗浄、真空乾燥を繰
り返す浄化方法の場合、汚染物が溶解した凝縮液が被洗
浄物表面から十分排除されない段階で被洗浄物を真空乾
燥に付す。そのため、溶剤に比べて蒸発しにくいPCB
が被洗浄物表面に取り残され、十分な洗浄効果を得るこ
とは困難である。特に蒸気が浸透しにくく、凝縮液が蒸
発しにくい間隙中のPCBの除去は困難になる。このよ
うにして従来の洗浄方法の場合、特に部材と部材に挟ま
れた間隙中の汚染物の除去効果が低い。厳しい浄化基準
に照らし、必要な所定の浄化物がなかなか得にくい。こ
れを解消するには結局、処理時間が非常に長くなるとい
う問題点があった。また、破損や漏洩の心配がない場合
の機器では、PCBが汚染しているのは内部だけであ
る。本来外部を洗う必要はない。それにも係わらず、充
填汚染油中などのPCB含有濃度が高い機器を破砕して
洗浄しなければならない場合、周囲へのPCB汚染物の
飛散防止策は、予め設けておかなければならない。そう
した作業負担は、通常かなり大きいという問題点があっ
た。特に、PCB汚染物を含有している機器には、例え
ば電力用の高圧トランス等のように、容積の非常に大き
いものもある。こうした大型機器を、例えば特殊な洗浄
槽内に設置して洗浄しなければならない場合、洗浄槽を
非常に大きくするか、又はPCB含有量が大きいまま直
接破砕する等の危険な大規模な前処理を行う必要がある
という問題点があった。そこで本発明は、PCB含有機
器を浄化するにあたり、周囲へのPCBの排出が無く、
その結果周囲の汚染も小さく、浄化効率も高い浄化方法
の提供を目的とする。また、特に部材と部材に挟まれた
間隙中に滞留するPCBなどを効率よく除去し、効果的
にPCB汚染物を浄化する方法を提供することを課題と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を以
下の手段で解決した。 (1) 密閉条件下で、PCB汚染機器を溶剤の蒸気に
暴露し、該機器の表面上で凝縮生成したPCB溶剤混液
を流下させる洗浄工程と、洗浄された機器表面を乾燥す
る乾操工程を有するPCB汚染機器の浄化方法。 (2) 洗浄工程において、前記機器表面に液体溶剤を
接触させ、該機器表面温度を溶剤の凝縮温度以下に維持
することを特徴とする上記(1)に記載のPCB汚染機
器の浄化方法。 (3) 乾操工程において、洗浄された機器を昇温され
たガスに暴露することと、減圧吸引することを交互に行
うことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のPC
B汚染機器の浄化方法。 (4) 機器そのものが密開容器の場合、溶剤供給排出
手段ならびに昇温ガス供給及び真空引き手段を付設し、
内部のPCB汚染部位を洗浄・乾燥することを特徴とす
る上記(1)〜(3)のいずれかに記載のPCB汚染機
器の浄化方法。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。本発明の第1の実施の形態では、PCB汚染物で
汚染された被洗浄物を密閉可能な洗浄槽内に配置する。
PCB汚染物および溶剤蒸気が環境中へ排出されること
を防止するためである。このような被洗浄物を洗浄する
にあたり、好ましくはその一部又は全部を前処理として
解体する。溶剤との接触ならびに流下を良くするためで
ある。前処理としての解体では、被洗浄物である機器類
の開蓋、開孔、切断、破砕等がある。解体した機器部品
類は、洗浄槽内で被洗浄物と溶剤との接触効率を高める
ため、なるべく均等に配置するとよい。金属類と紙・木
・布等とが結合していれば、これは分離する。分離方法
は特に限定されないが、例えば公知の風選、磁選等を用
いるとよい。洗浄にあたっては、被洗浄物に加熱洗浄溶
剤蒸気を噴射する。洗浄溶剤としては具体的にはパーク
レンなどを用いることができるが、好ましくは環境にや
さしい洗浄用溶剤がよい。蒸気溶剤は、被洗浄物表面に
付着している汚染物に潜熱を転移し、有機溶剤に溶解し
やすくするとともに、凝縮して液化し、汚染物を取り込
む。被洗浄物表面が加熱蒸気の熱を吸収し、洗浄溶剤が
凝縮しにくくなったら液体溶剤を噴射し、表面を冷却す
る。液体溶剤の温度は特に限定されないが、液温はより
低い方が少量で被洗浄物の冷却効果をあげることができ
て好ましい。
【0008】液体溶剤を導入している間は、好ましくは
溶剤蒸気の供給口からの導入量はゼロにする。しかし、
液体と蒸気の割合を完全に切り替えることは必ずしも得
策でない場合もある。スチームハンマー現象や閉止配管
の逆汚染を防止するためである。蒸気溶剤と液体溶剤の
切り替えは次のように行うことが好ましい。すなわち、
当初は蒸気主体とし、その後、液体主体にした後、再度
蒸気主体に変える。その後は必要に応じてさらに液体主
体、蒸気主体に少なくとも2回切り替えることが望まし
い。被洗浄物表面からPCB汚染物が脱離したら、凝縮
した有機溶剤で湿潤している被洗浄物表面を乾燥する。
乾燥方法としては、洗浄槽の加熱、減圧吸引、加温気体
の導入などの方法を用いることができるが、減圧吸引と
加温気体導入との組み合わせがより望ましい。減圧吸引
と加温気体導入はくり返して行うことが好ましい。乾燥
に当たり、加温に用いる気体は空気でも良いが、PCB
又は溶剤の酸化を防止するため、窒素ガスなどの不活性
気体を用いることが望ましい。乾燥操作は、減圧吸引と
加温気体の通風導入とを複数回に渡って繰り返して行う
ことが好ましい。PCB含有溶剤が、環境へ排出するこ
とを防止するため、洗浄槽から排出されるガスは、例え
ば冷却凝縮と活性炭吸着という二段構えの方法で浄化す
ることが望ましい。使用済み溶剤はPCBを含む。適正
に処理・処分する必要があり、排出量を少なくするため
に回収して再生することが望ましい。回収・再生方法と
しては、蒸留分離が一般的であるが、必要に応じてダス
ト除去等の精製を行うとよい。溶剤回収時の蒸留残渣は
廃PCB等(PCBを含む油)として別途処分する。
【0009】一般に、各種の固定材の間隙中を液体が移
動することは困難である。間隙が狭くなるほど固体表面
と液体の接触面の摩擦の影響は大きくなり、液体流速が
非常に小さくなる。間隙が狭くなれば圧損も大きくな
る。間隙内に液体溶剤を流通させることはいっそう困難
になる。洗浄槽内の被洗浄物に溶剤蒸気を供給すると、
被洗浄物の内部の表面あるいは間隙中に蒸気が浸透し、
凝縮して汚染物を溶解する。被洗浄物の温度が高いほ
ど、また蒸気の温度が高いほど、より小さい又は深い間
隙まで浸透させることができる。しかし、蒸気の凝縮に
伴って被洗浄物の温度が高くなると、溶剤蒸気は凝縮し
にくくなり、汚染物を新たに溶解することができなくな
る。液体溶剤を供給することで被洗浄物の温度を低下さ
せることができ、再度溶剤の凝縮が可能になる。乾燥方
法として洗浄槽自体を加熱した場合、ヒーター表面は乾
燥温度より高温にせざるを得ない。PCBや洗浄溶剤
は、熱変性の可能性が高い。減圧吸引はPCB及び溶剤
の蒸発を促進し、低温での乾燥も可能にする。しかし、
搬送気体がなく、蒸発したPCB及び溶剤の乾燥速度が
小さく、したがって乾燥には長い時間を必要とする。加
温気体を供給すれば、被洗浄物を加温するとともに、蒸
発したPCB及び溶剤も搬送・除去できる。減圧吸引と
加温気体の供給とを組み合わせれば、比較的低温下で乾
燥が可能となる。PCB汚染物であるPCB含有電気機
器等は、比較的平滑で形状が単純な外函と、珪素鋼板の
積層からなる鉄心、銅又はアルミの巻線からなるコイル
部とから主に構成されている。外函と、間隙が多い鉄心
又はコイル部とでは、洗浄の難易が大きく異なる。両者
を一緒に洗浄した場合には洗浄しにくいコイル部等に時
間を合わせなければならない。長い作業時間がかかって
無駄なだけでなく、洗浄槽内の被洗浄物の充填密度の違
いから、洗浄溶剤蒸気も無駄に消費されかねない。
【0010】洗浄の前処理として被洗浄物を解体すれ
ば、洗浄するものを比較的均等に洗浄槽内に充填するこ
とができる。また形状の違う部材ごとに別々に洗浄する
ことも可能で、それぞれ最適な洗浄条件及び洗浄時間を
選択することができる。紙・木・布のような含浸性物質
は、金属類に比較して洗浄が困難である。含有している
汚染物の量も多い。そこで解体後の部材を金属類と紙・
木・布等とに分離できれば、紙・木・布等に関係なく必
要な金属類をより容易に浄化することができる。紙・木
・布等は、浄化基準が定められていない。これらは浄化
後も保管することになる可能性が高い。紙・木・布等の
洗浄に無駄に溶剤やエネルギーを使うことも無い。洗浄
に使用する溶剤はPCBに比較して沸点が低い。使用済
み溶剤は蒸留によってPCBと分離すれば再生できる。
再生できれば、使用済み溶剤の排出量も少なくでき、溶
剤補充量を低減できて好ましい。また廃PCB等(PC
Bを含む油)として処分するものが溶剤回収時の蒸留残
渣のみになる。処理・処分が困難で費用もかかる廃PC
B等(PCBを含む油)の処分量を低減できる。溶剤回
収・再生時の蒸留残渣を更に再度蒸留分離できれば、洗
浄操作と別途に行う処分量を更に減らせる。廃PCB等
の処理・処分時に不純物扱いとなる溶剤量を除去したり
減少させることもできるようになる。
【0011】本発明の第2の実施の形態では、内部がP
CBで汚染された機器を対象として浄化する。この方法
で浄化できる被洗浄物としては、例えば電力用高圧トラ
ンスのような密閉性の高い機器を対象とすることができ
る。実施に当たっては、そのような機器に溶剤蒸気及び
乾燥用気体の供給口(溶剤供給手段、昇温ガス供給手
段)と、流下する溶剤の底部排出口(溶剤排出手段)と
を設ける。溶剤蒸気供給口と乾燥用気体供給口とは、一
つの供給口で兼用してもよく、別々に設けても良い。供
給口は機器上部に設け、排出口は機器底部に設けること
が望ましい。供給口及び排出口は、機器自体に既に転用
可能な開口部が設けてあれば、それを事実上直接利用し
てもよく、他に新たに作ってもよい。さらに、外周全体
を密閉状態に出来ることを確認することとし、密閉困難
な場合には漏洩部を修繕して密封する。洗浄中の機器内
部の状況を把握するため、既設の測定器が測定対象機器
に付属している場合を除き、温度計と圧力計とを設置す
ることが望ましい。洗浄対象の機器に供給口等を設置し
た場合、いったんガスパイプなどを接続した後、気密試
験をおこなって機器の密閉状態を確認する。必要な場合
は修繕等をおこなう。
【0012】気密試験に用いた気体は機器を浄化した後
に排出するか、専用タンクに回収・貯留して次回の使用
に備えるようにするとよい。気密試験用及び乾燥用の気
体としては空気又は不活性ガスが使用できる。そのう
ち、不活性ガスを用いて酸素濃度を低く維持することが
より望ましい。PCB汚染機器は、特定の有機溶剤で洗
浄する。加熱蒸気状態で洗浄中、機器内の温度を少なく
とも1回、一時的に下げるとよい。温度を下げる方法と
しては、具体的には、液体状態の有機溶剤を一時的に注
入することをもって行うことができる。注入する液体溶
剤の温度は特に限定されないが、液温は低い方が少量で
被洗浄物の冷却効果をあげることができる。勿論トラン
ス等の機器自体を外部から冷却することを妨げない。
【0013】本実施の態様では、PCB汚染機器の浄化
は、必ずしも特別な洗浄槽、作業室を要しない。しか
し、環境管理できる特定の作業室内で行うことは、より
好ましい。温度調節を行う場合、例えば、PCB汚染機
器を搬入した設置作業室に冷却機、加熱機などを設置す
ることで行うとよい。換気調節が行える場合もある。そ
の場合には、換気量と換気空気の温度によって調節す
る。機器からのPCB又は洗浄用溶剤の漏洩の可能性を
考慮し、排気の浄化設備を設置することが望ましい。
【0014】前処理作業は負担が少ない。具体的には、
溶剤および気体の供給口及び排出口を作るだけである。
作業内容は小さい。洗浄前の前処理に伴いPCB汚染物
が周囲に飛散したり、外部に排出することに伴う汚染は
起きにくい。供給口・排出口の開設も、洗浄対象機器に
既にもとからある供給口又は排出口が利用できる場合
は、前処理作業はごく少なくて済む結果となる。一般
に、各種の固定材の間隙中を液体が移動することは困難
である。間隙が狭くなるほど固体表面と液体の接触面の
摩擦の影響は大きくなり、液体の流速は非常に小さくな
る。間隙が狭くなれば圧損も大きくなる。間隙内に液体
溶剤を流通させることはいっそう困難になる。被洗浄物
の内部に溶剤の加熱蒸気を供給すると、被洗浄物の内部
表面及び間隙中に蒸気が浸透する。蒸気は液体よりも流
動性が大きく、浸透した場所で凝縮してPCB汚染物を
溶解する。被洗浄物の温度が高いほど、また蒸気の温度
が高いほど、より小さい又は深い間隙まで浸透させるこ
とができる。しかし、高温の蒸気に長時間曝されると、
蒸気の凝縮量の累積に伴って被洗浄物の表面温度が高く
なる。こうなると溶剤の凝縮は起こりにくくなる。凝縮
しなくなるとPCB汚染物を新たに溶解することはでき
なくなる。
【0015】PCT汚染物による汚染量が多い場合等に
は1回の蒸気洗浄では十分な浄化効果が得られない。そ
のような場合、液体溶剤を供給して被洗浄物の表面温度
を再度低下させ、機器内で流動する溶剤蒸気が凝縮しや
すくするとよい。こうすれば再度溶剤の凝縮が可能にな
る。浄化効果を一層、高めることができる。洗浄工程終
了後、洗浄溶剤は、排出口から排出する。ついで、凝縮
して液化した溶剤で湿潤している被洗浄物内部を乾燥す
る。乾燥方法としては、乾燥用気体の供給口からなどの
加温気体の導入などの方法を用いることができるが、減
圧吸引と加温気体の導入の組み合わせがより望ましい。
乾燥に当たり、加温に用いる気体は空気でも良いが、P
CB又は溶剤の酸化を防止するため、窒素ガスなどの不
活性気体を用いることが望ましい。加温気体の温度とし
ては、PCB又は溶剤の熱変性が起こらない程度で高温
であることが望ましい。乾燥操作は、減圧吸引と加温気
体の通風導入とを複数回に渡って繰り返しておこなうと
よい。PCB含有溶剤が、環境へ排出することを防止す
るため、洗浄槽から排出されるガスは、冷却凝縮と活性
炭吸着という二段構えの方法で浄化することが望まし
い。十分に除去・乾燥させた後、PCBに内部汚染され
ていた大型トランス等の機器を開ける。こうすると、被
洗浄物の切断等の解体作業をおこなう際、排出される溶
剤等が少なく、安全性も高い。周辺環境を汚染する恐れ
が無い。浄化工程の最適処理温度は、洗浄時と乾燥時で
異なる。洗浄時、被洗浄物が高温になりすぎることは蒸
気の凝縮を妨げるため好ましくない。乾燥時にはより高
温になる方がむしろ望ましい。
【0016】電力用トランスには、絶縁液の過熱を防止
するため、通常は空冷用のラジェータ部がある。外周温
度が低い場合、構造上、ラジェータ部は本体部分よりも
低温になる。そのため、ラジェータ部で溶剤蒸気は奥ま
で浸透する前に凝縮しやすい。その結果、奥は浄化され
にくい。そこで、ラジェータ部の温度を、少なくとも洗
浄工程中の一部の時間、本体より高くして気体蒸気が浸
透できるようにするとよい。こうすると、ラジェータ部
での溶剤蒸気の流通が促進し、浄化効果も高まる。具体
的な方法としては、機器に保温材又は断熱材を取り付
け、ラジェータ部の周囲を温度調節するというような方
法を採用することも可能である。ラジェータ部の加熱
は、新たに加熱設備を用いて行ってもよいが、必ずしも
それに限らない。洗浄時、洗浄対象機器には加熱した有
機溶剤蒸気を供給している。断熱してラジェータからの
放熱を低減すれば、温度は容易に昇温する。これによっ
て、洗浄機器内で溶剤蒸気を流動しやすくする。ラジエ
ターの加熱を、保温材や断熱材の取り付けで対応する場
合、いずれは浄化工程の進行に従って保温材や断熱材は
取り外す必要がある。形状・大きさが異なる多数の機器
にいちいち脱着するのは煩雑である。そこで、洗浄しよ
うとする機器を、予め温度調節可能な室内に設置できれ
ば、容易に最適温度に維持することもできる。
【0017】洗浄に使用する溶剤はPCBに比較して通
常、沸点が低い。使用済み溶剤は、蒸留分離によって再
生できる。再生できれば、使用済み溶剤の排出量も少な
くできる。溶剤補充量も低減できる。また、洗浄溶剤を
蒸留分離によって再生できれば、PCBを含む油すなわ
ち廃PCBとして処分しなければならないものは、溶剤
回収時の蒸留残渣のみとなる。蒸留残渣のみが処分対象
となれば、廃PCB等として処分しなければならない廃
棄物量は低減できる。処理・処分が困難で費用もかかる
作業負担は軽減する。溶剤回収し、再生時の蒸留残渣も
更に再度蒸留分離すれば、別途処分する廃棄物量は更に
減らせるだけでなく、廃PCB等の処理・処分時の不純
物となる溶剤の除去負担も減少させることができる。
【0018】
【発明の効果】本発明は、上記のような構成でなるか
ら、PCB含有機器を浄化するにあたり、周囲へのPC
Bの排出が無く、その結果周囲の汚染も小さく、浄化効
率も高い浄化方法を提供できる。また、特に部材と部材
に挟まれた間隙中に滞留するPCBなどを効率よく除去
し、効果的にPCB汚染物を浄化する方法を提供でき
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉条件下で、PCB汚染機器を溶剤の
    蒸気に暴露し、該機器の表面上で凝縮生成したPCB溶
    剤混液を流下させる洗浄工程と、洗浄された機器表面を
    乾燥する乾操工程を有するPCB汚染機器の浄化方法。
  2. 【請求項2】 洗浄工程において、前記機器表面に液体
    溶剤を接触させ、該機器表面温度を溶剤の凝縮温度以下
    に維持することを特徴とする請求項1に記載のPCB汚
    染機器の浄化方法。
  3. 【請求項3】 乾操工程において、洗浄された機器を昇
    温されたガスに暴露することと、減圧吸引することを交
    互に行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のPC
    B汚染機器の浄化方法。
  4. 【請求項4】 機器そのものが密開容器の場合、溶剤供
    給排出手段ならびに昇温ガス供給及び真空引き手段を付
    設し、内部のPCB汚染部位を洗浄・乾燥することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のPCB汚染機
    器の浄化方法。
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Cited By (2)

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