JP2001166159A - 光導波路素子の製造方法 - Google Patents
光導波路素子の製造方法Info
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Abstract
することができる光導波路素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 光誘起屈折率変化を生じる光ファイバー
1にフェーズマスク2を介して紫外線レーザー光3を照
射するブラッググレーティング形成工程と、光ファイバ
ー1にフェーズマスク2を介さずに紫外レーザー光3を
照射するトリミング工程とを有する製造方法。
Description
タ等の光導波路素子の製造方法に関し、特に、光ファイ
バー等の光導波路中に形成されたブラッググレーティン
グの特性を調整する方法に関する。
び特開平7−140311号公報には、フェーズマスク
を用いたブラッググレーティングの形成方法が開示され
ている。これらの公報に開示された方法によれば、紫外
線に対してフォトリフラクティブ効果(光誘起屈折率変
化)を有する光ファイバー上にフェーズマスクを置き、
このフェーズマスクを介して光ファイバーに紫外光を照
射する。このとき、フェーズマスクに入射した紫外光は
フェーズマスクにより回折され、互いに干渉してフェー
ズマスクピッチ2Λの半分のピッチΛで干渉が発生す
る。このため、光ファイバーのコアには、フォトリフラ
クティブ効果により、ピッチΛごとに屈折率変化が生
じ、その結果、光ファイバーのコアにブラッググレーテ
ィングが形成される。ブラッググレーティングは、ブラ
ッグ波長λBの入力光を反射する。ここで、λB=2n
effΛであり、neffはブラッググレーティング形成領域
の実効屈折率である。
した分波又は合波用の光波長フィルタには、ほぼ100
%の反射率が要求される。これに対し、例えば、光アン
プの利得均一化フィルタにブラッググレーティングを応
用する場合は、光アンプの利得特性の逆の反射スペクト
ル特性を有するフィルタが要求される。また、ブラッグ
グレーティングを応用した光フィルタを、半導体レーザ
ーの波長選択や波長安定化に用いる場合は、半導体レー
ザーの出力効率を極力損わない反射率の設定が必要にな
る。
屈折率変化Δnの照射紫外線強度(即ち、単位面積当た
りに照射される紫外光の積算エネルギーE(J/c
m2))依存性は、図13に示されるように、対数関数
的な特性を有している。図13からわかるように、光誘
起屈折率変化Δnは、照射紫外線の積算エネルギーEが
小さい場合には顕著に現れ(図13の曲線の傾斜が急で
あり)、照射紫外線の積算エネルギーEが大きい場合に
は顕著ではない(図13の曲線の傾斜が緩やかであ
る)。従来は、低反射率ブラッググレーティングを形成
する場合に、照射紫外線の積算エネルギーEが小さい領
域を利用していたので、僅かな製造条件の変動(即ち、
照射紫外線の積算エネルギーEの変動)が光誘起屈折率
変化Δn(その結果、反射率)に大きく反映するため、
高反射率ブラッググレーティングを形成する場合(照射
紫外線の積算エネルギーEが大きい場合)に比べて、十
分に高い反射率精度(製造再現性)を得ることが困難で
あった。
術の課題を解決するためになされたものであり、その目
的とするところは、ブラッググレーティングの反射特性
を正確に調整することができる光導波路素子の製造方法
を提供することにある。
子の製造方法は、光誘起屈折率変化を生じる光導波路に
紫外光を照射してブラッググレーティングを形成する工
程と、上記光導波路に紫外光を照射してブラッググレー
ティングの特性を調整するトリミング工程とを有するこ
とを特徴としている。
程を、光導波路にフェーズマスクを介して紫外光を照射
してブラッググレーティングを形成する工程とし、上記
トリミング工程を、光導波路にフェーズマスクを介さず
に紫外光を照射すして特性を調整する工程としてもよ
い。
ググレーティング形成工程より先に実施しても、後に実
施してもよい。
が望ましい。
ープドグレーティング又はブレーズドチャープドグレー
ティングであってもよい。
波路に照射される紫外光の単位面積当たりの積算エネル
ギーの分布がブラッググレーティング形成領域の長手方
向の全域にわたって均一としてもよい。
波路に照射される紫外光の単位面積当たりの積算エネル
ギーの分布がブラッググレーティング形成領域の長手方
向の両端部近傍において徐々に低下する台形型のプロフ
ァイルを示すようにしてもよい。
程において、光導波路に照射される紫外光の単位面積当
たりの積算エネルギーがブラッググレーティング形成領
域の長手方向の両端部近傍において徐々に低下してお
り、上記トリミング工程において、光導波路に照射され
る紫外光の単位面積当たりの積算エネルギーの分布がブ
ラッググレーティング形成領域の長手方向の両端部近傍
において徐々に低下する台形型のプロファイルを示すよ
うにしてもよい。
ーティング形成領域の一部に実行してもよい。
波路に照射される紫外光の単位面積当たりの積算エネル
ギーの分布がブラッググレーティング形成領域の長手方
向に沿って徐々に増加又は減少するようにしてもよい。
波路に照射される紫外光の単位面積当たりの積算エネル
ギーの分布がブラッググレーティング形成領域の長手方
向に沿って連続的に変化するようにしてもよい。
反射率と反射中心波長の調整に関する。
導波路素子の製造方法の工程説明図であり、同図(A)
は、ブラッググレーティング形成工程を示し、同図
(B)は、ブラッググレーティングの特性を調整するト
リミング工程を示す。
係る製造方法は、光誘起屈折率変化を生じる光導波路と
しての光ファイバー1にフェーズマスク2を介して紫外
線レーザー光3を照射するブラッググレーティング形成
工程(同図(A))と、光ファイバー1にフェーズマス
ク2を介さずに紫外線レーザー光4を照射するトリミン
グ工程(同図(B))とを有する。但し、ブラッググレ
ーティングの形成を、フェーズマスク法以外の方法(例
えば、2光束干渉法)によって実行してもよい。
ドープされた石英系導波路からなるコア5と、このコア
5の外側を囲うクラッド6とから構成された感光性光フ
ァイバー(例えば、ファイバーコア(Fibercore)社製の
製品番号PS1500)を用いる。また、第1の実施形
態におけるフェーズマスク2のラインアンドスペースの
ピッチは、一定であり、2Λである。また、紫外線レー
ザー光3としては、例えば、アルゴンSHG(Second Ha
rmonic Generation)レーザーから照射される波長240
nm付近の紫外コヒーレント光を用いる。図1(A)に
示されるように、光ファイバー1にフェーズマスク2を
介して紫外線レーザー光3を照射すると、コア5には、
コア軸方向(即ち、光ファイバー長手方向又はブラッグ
グレーティング形成領域の長手方向)に屈折率変化部分
7と屈折率が変化しない部分8が交互に、フェーズマス
ク2のピッチ2Λの半分のピッチΛで形成され、その結
果、コア5に周期的な屈折率分布が生じた領域(ブラッ
ググレーティング)が形成される。
(B)に示されるように、光ファイバー1にフェーズマ
スク2を介さずに紫外線レーザー光4を照射する。紫外
線レーザー光4としては、紫外線レーザー光3と同じも
のを用いてもよい。紫外線レーザー光4の照射に際して
は、例えば、光ファイバー3を支持するテーブル(図示
せず)又は紫外線レーザー光4をコア軸方向に一定速度
で移動させる。トリミング工程は、1回でもよいが、複
数回のトリミング工程によって光ファイバーの特性を要
求される値に到達させてもよい。尚、図1においては、
トリミング工程をブラッググレーティング形成工程より
後に実施しているが、トリミング工程をブラッググレー
ティング形成工程より先に実施してもよい。
子の製造方法を説明するための図であり、同図(A)
は、ブラッググレーティング形成工程後のコア5の屈折
率分布(実線)と有効屈折率neff(破線)を示し、同
図(B)は、トリミング工程後のコア5の屈折率分布
(実線)と有効屈折率neff′(破線)を示し、同図
(C)は、単位面積当たりの照射紫外線エネルギーΔE
(J/cm2)に対する光誘起屈折率変化Δnが照射紫
外線の積算エネルギーE(J/cm2)によって変化す
ることを示す説明図である。
ッググレーティング形成工程後のコア5の屈折率分布
は、光誘起屈折率差がΔnBで屈折率変化の周期(ピッ
チ)がΛであり、山の部分(図1における屈折率変化部
分7に対応する部分)の最高値がΔnaで谷の部分(図
1における屈折率が変化しない部分8に対応する部分)
の最低値がΔnbになる。また、ncoreは、紫外線照射
前のコア5の屈折率を示す。この場合、ブラッグ波長λ
Bは、λB=2neffΛとなる。
に、トリミング工程後のコア5の屈折率分布は、光誘起
屈折率差がΔnB′で周期がΛであり、山の部分の最高
値がΔna′で谷の部分の最低値がΔnb′になる。図2
(C)に示されるように、トリミング工程においては、
コア5に均一に(単位面積に照射された紫外線の照射エ
ネルギーがΔEであるように)紫外線が照射された。こ
の場合、コア5の実効屈折率はneffからneff′に増加
し、ブラッグ波長λBは、2neffΛから2neff′Λに
増加する。図2(C)に示されるように、照射紫外線の
積算エネルギーEの低い部分では、照射エネルギーΔE
の紫外線照射により、屈折率の最低値(図1における屈
折率が変化しない部分8の屈折率)がΔnbからΔnb′
に上昇し、積算エネルギーEの高い部分では、照射エネ
ルギーΔEの紫外線照射により、屈折率の最低値(図1
における屈折率変化部分7の屈折率)がΔnaからΔ
na′に上昇する。従って、積算エネルギーEの低い部
分では、照射エネルギーΔEの紫外線照射により光誘起
屈折率の谷の部分の最低値がΔnbottom(=Δnb′−
Δnb)と大きく変化するが、積算エネルギーの高い部
分では、照射エネルギーΔEの紫外線照射により光誘起
屈折率の山の部分の最高値はΔntop(=Δna′−Δn
a)と僅かに変化する。この結果、照射エネルギーΔE
の紫外線照射により、ブラッググレーティングを形成す
る光誘起屈折率差ΔnB=Δna−Δnbが、図2(B)
に示されるように、光誘起屈折率差ΔnB′=Δna′−
Δnb′に変化する。光誘起屈折率の紫外光強度依存性
から明らかなように、常にΔnbottom>Δntopである
から、ブラッググレーティングを形成する光誘起屈折率
差は小さくなり(即ち、ΔnB>ΔnB′)、ブラッググ
レーティングの反射率は低下する。このような光誘起屈
折率の変化に伴い、このグレーティング形成領域の実効
屈折率neffがneff′変化し、ブラッグ波長λBも変化
する。この現象を利用することで、ブラッググレーティ
ング形成後に、反射スペクトル(特に、反射率と反射中
心波長)を調整(トリミング)することができる。
を狭帯域(FWHM(半値幅):0.2nm程度)のフ
ァイバーブラッググレーティング(FBG)に複数回実
行した場合の反射スペクトルの変化を示す図である。図
3に示されるように、トリミング工程を繰り返すことに
より、反射率が低下し、反射中心波長が長波長側にシフ
トし、反射スペクトルは図中の矢印方向に変化する。図
4は、第1の実施形態のトリミング工程を3種類(それ
ぞれを記号○、●、△で区別する。)の狭帯域FBGの
それぞれに複数回実行した場合の反射スペクトルの変化
を示す図である。図4に示されるように、複数回のトリ
ミング工程によりFBGの反射率は低下し、反射中心波
長が長波長側にシフトする。図3及び図4からわかるよ
うに、第1の実施形態に係る製造方法によれば、数10
%に及ぶ反射率調整とブラッググレーティングのFWH
Mに相当する約0.2nmの反射波長の調整が可能にな
る。
ムブラッググレーティングにおける反射率や反射中心波
長の調整(トリミング)は、半導体光アンプ素子等と先
球レンズファイバーに形成したブラッググレーティング
とを組み合わせて構成された外部共振器或いは半導体光
アンプ素子等とPLC型光導波路に形成されたブラッグ
グレーティングとを組み合わせて構成された外部共振器
によってレーザー発振を得る光モジュール等に使用され
るブラッググレーティングの反射率/波長のトリミング
(調整)に有効である。
るための図であり、図中の曲線は単位面積当たりに照射
される照射紫外線の積算エネルギーE(J/cm2)に
対する光誘起屈折率変化Δnを示す。この変形例は、照
射紫外線のエネルギーΔEを大きくしている点のみが、
図1から図4までに示される製造方法と相違する。ま
た、図6は、トリミング工程後のコア5の屈折率分布を
示す。図6において、Xはコア軸方向を示し、Δn
Rは、光誘起屈折率差を示す。図6において、11は、
トリミング工程における屈折率変化分を示し、12は、
グレーティング形成工程による屈折率変化を示す。この
変形例によれば、照射される紫外線の単位面積当たりの
照射エネルギーの変動に対する光誘起屈折率変化の大き
い部分(図5の部分13)ではなく、照射エネルギーの
変動に対する光誘起屈折率変化の小さい部分(図5の部
分14)を利用しているので、ファイバーにブラッググ
レーティングを形成する際に照射される紫外線の単位面
積当たりの照射エネルギーの変動に起因する特性劣化を
軽減することができる。
明するための図であり、トリミング工程後のコア5の屈
折率分布を示す。この変形例は、照射エネルギーΔEを
大きくしている点及び照射紫外線の単位面積当たりのエ
ネルギーの分布がブラッググレーティング形成領域の長
手方向の両端部近傍において徐々に低下している点が
が、上記図1から図4までに示される製造方法と相違す
る。図7において、15は、トリミング工程における屈
折率変化分を示し、16は、グレーティング形成工程に
よる屈折率変化を示す。この変形例によれば、ファイバ
ーにブラッググレーティングを形成する際に照射される
紫外光のエネルギー(ファイバに照射される単位面積当
たりの積算エネルギー)の変動に起因する特性劣化を軽
減することができる。また、ブラッググレーティング境
界部における伝搬光のロスを軽減することができる。
ッググレーティング形成工程においてサイドローブ抑圧
比の改善のためにブラッググレーティング形成領域の両
端部に屈折率変調(アポダイズ)させた部分を設けた場
合に関する。
子の製造方法を説明するための図であり、同図(A)
は、ブラッググレーティング形成工程後のコア5の屈折
率分布(実線)と有効屈折率neff(破線)を示し、同
図(B)は、トリミング工程後のコア5の屈折率分布
(実線)と有効屈折率neff′(破線)を示す。
屈折率変化を生じる光ファイバーにフェーズマスクを介
して紫外線レーザー光を照射するブラッググレーティン
グ形成工程(図1(A)に対応する工程)と、光ファイ
バーにフェーズマスクを介さずに紫外線レーザー光を照
射するトリミング工程(図1(B)に対応する工程)と
を有する。
ラインアンドスペースのピッチは、一定値2Λである。
このフェーズマスクを介して光ファイバーに紫外線レー
ザー光を照射すると、コアには、コア軸方向に屈折率変
化部分と屈折率が変化しない部分が交互に、フェーズマ
スクのピッチの半分のピッチΛで形成される。その結
果、コアにブラッググレーティングを形成することがで
きる。第2の実施形態のブラッググレーティング形成工
程においては、図8(A)に示されるように、ブラッグ
グレーティング形成工程において照射される紫外線レー
ザー光の単位面積当たりの積算エネルギーがブラッググ
レーティング形成領域の長手方向の両端部において端部
に近づくほど徐々に低下するようにアポダイズがなされ
ている。
(B)に示されるように、光導波路に照射される紫外光
の単位面積当たりの積算エネルギーの分布がブラッググ
レーティング形成領域の長手方向の両端部近傍において
徐々に低下する台形型のプロファイルを示すように、ト
リミング工程における紫外線照射においても、図8
(A)の場合と同様にアポダイズを行った。トリミング
工程においては、光ファイバーにフェーズマスクを介さ
ずに紫外線レーザー光を照射する。紫外線レーザー光の
照射に際しては、例えば、光ファイバーを支持するテー
ブル又は紫外線レーザー光をコア軸方向に移動させる。
レーザー光の照射エネルギーを一定に保ちながら、この
移動速度を変化させることによって、単位面積当たりの
照射紫外線エネルギーの分布をコア軸方向に調整するこ
とができる。こうすることによって、ブラッググレーテ
ィング形成領域の全域にトリミングを施すことができ
る。トリミング工程は、1回でもよいが、複数回のトリ
ミング工程によって光ファイバーの特性を要求される値
に到達させてもよい。尚、照射紫外線エネルギーの分布
をコア軸方向に調整する方法としては、マスクを用いる
方法もある。
れば、トリミング工程においても、屈折率変調(アポダ
イズ)を行って、グレーティング形成領域両端での屈折
率の不連続点を解消したので、ファブリペロー干渉が抑
制され、ブラッググレーティングとしてのサイドローブ
抑圧比を改善することができる。
の点は、上記第1の実施形態と同じである。
チャープドブラッググレーティングが形成された全域に
反射率調整のための紫外光照射(トリミング)を行った
ものである。
子の製造方法を説明するための図であり、同図(A)
は、ブラッググレーティング形成工程後のコア5の屈折
率分布(実線)と有効屈折率neff(破線)を示し、同
図(B)は、トリミング工程後のコア5の屈折率分布
(実線)と有効屈折率neff′(破線)を示し、同図
(C)は、トリミング工程を繰り返すことにより反射ス
ペクトルが変化することを示す。
屈折率変化を生じる光ファイバーにフェーズマスクを介
して紫外線レーザー光を照射するブラッググレーティン
グ形成工程(図1(A)に対応する工程)と、光ファイ
バーにフェーズマスクを介さずに紫外線レーザー光を照
射するトリミング工程(図1(B)に対応する工程)と
を有する。
ラインアンドスペースのピッチは、一定ではなく、最大
値2Λ1から最小値2Λ2まで徐々に増加又は減少してい
る。このフェーズマスクを介して光ファイバーに紫外線
レーザー光を照射すると、コアには、コア軸方向に屈折
率変化部分と屈折率が変化しない部分が交互に、フェー
ズマスクのピッチの半分のピッチ(Λ1〜Λ2)で形成さ
れる。その結果、コアにチャープドブラッググレーティ
ングを形成することができる。即ち、図9(A)に示す
ように、第3の実施形態の広帯域のブラッググレーティ
ングは光誘起屈折率変化のピッチを最大Λ1から最小Λ2
まで連続的に変化させることで形成されており、反射波
長帯域はλB1=2neffΛ1からλB2=2neffΛ2までの
連続波長である。
バーにフェーズマスクを介さずに紫外線レーザー光を照
射する。紫外線レーザー光の照射に際しては、例えば、
光ファイバーを支持するテーブル又は紫外線レーザー光
をコア軸方向に一定速度で移動させる。こうすることに
よって、ブラッググレーティング形成領域の全域にトリ
ミングを施すことができる。トリミング工程は、1回で
もよいが、複数回のトリミング工程によって光ファイバ
ーの反射特性を要求される値に到達させてもよい。尚、
トリミング領域を制限する方法としては、マスクを用い
る方法もある。
れば、チャープドブラッググレーティングが形成された
全域に、均等なエネルギーで、トリミング工程における
紫外光照射を行うことにより、ブラッググレーティング
を形成する光誘起屈折率差ΔnBを小さくしている(Δ
nB′にしている)ので、照射する紫外光の積算エネル
ギーが大きいほど、ブラッググレーティングの反射率は
反射波長帯域内で均等に低下する。従って、第1の実施
形態と同様に、反射率を精度良く設定することができ
る。この場合は、図9(C)に示されるように、反射波
長変化は反射波長帯域幅に比べて十分小さいことから、
現実的には反射率のみを調整することができる。また、
第2の実施形態と同様に、反射率を調整するトリミング
にアポダイズを施せばサイドローブ抑圧比を改善するこ
とができる。
の点は、上記第1の実施形態又は第2の実施形態と同じ
である。
が形成された一部分にのみ反射率調整のための紫外光照
射(トリミング)を行ったものである。
素子の製造方法を説明するための図であり、同図(A)
は、ブラッググレーティング形成工程後のコア5の屈折
率分布(実線)と有効屈折率neff(破線)を示し、同
図(B)は、トリミング工程後のコア5の屈折率分布
(実線)と有効屈折率neff′(破線)を示し、同図
(C)は、トリミング工程による反射スペクトルの変化
を示す。
屈折率変化を生じる光ファイバーにフェーズマスクを介
して紫外線レーザー光を照射するブラッググレーティン
グ形成工程(図1(A)に対応する工程)と、光ファイ
バーにフェーズマスクを介さずに紫外線レーザー光を照
射するトリミング工程(図1(B)に対応する工程)と
を有する。
ラインアンドスペースのピッチは、一定ではなく、最大
値2Λ1から最小値2Λ2まで徐々に増加又は減少してい
る。このフェーズマスクを介して光ファイバーに紫外線
レーザー光を照射すると、コアには、コア軸方向に屈折
率変化部分と屈折率が変化しない部分が交互に、フェー
ズマスクのピッチの半分のピッチ(Λ1〜Λ2)で形成さ
れる。その結果、コアにチャープドブラッググレーティ
ングを形成することができる。即ち、図10(A)に示
すように、第4の実施形態の広帯域のブラッググレーテ
ィングは光誘起屈折率変化のピッチを最大Λ1から最小
Λ2まで連続的に変化させることで形成されており、反
射波長帯域はλB1=2neffΛ1からλB2=2neffΛ2ま
での連続波長である。
バーにフェーズマスクを介さずに紫外線レーザー光を照
射する。紫外線レーザー光の照射に際しては、例えば、
光ファイバーを支持するテーブル又は紫外線レーザー光
をコア軸方向に移動させる。この移動範囲を制限するこ
とによって、ブラッググレーティング形成領域の一部に
トリミングを施すことができる。トリミング工程は、1
回でもよいが、複数回のトリミング工程によって光ファ
イバーの反射特性を要求される値に到達させてもよい。
尚、トリミング領域を制限する方法としては、マスクを
用いる方法もある。
レーティングが形成された領域の一部に、照射紫外線エ
ネルギーを一定にして紫外光照射を行っているので、照
射紫外線エネルギーの分布は、図10(B)の実効屈折
率neff′として示された破線と同様のプロファイルを
示す。即ち、トリミング工程をチャープドブラッググレ
ーティング形成領域の一部に施したことによって、図1
0(C)に実線で示されるように、階段状の反射スペク
トルを得ることができる。
れば、図10(C)に示されるように、グレーティング
形成領域内で階段状に変化した反射スペクトルを得るこ
とができ、製造された素子に、希望する波長において反
射率が急に変化する特性を持たせることができる。この
ような特性は、例えば、2値センサー等への応用に適し
ている。
程における照射紫外線エネルギーの分布のプロファイル
に、上記第2の実施形態と同様に、反射率を調整するア
ポダイズを施せばサイドローブ抑圧比の改善に有効であ
る。
の点は、上記第1から第3までの実施形態と同じであ
る。
が形成された全域に、反射率調整のための紫外光照射
(トリミング)を、コア軸方向に照射紫外線エネルギー
を連続的に変化させて行ったものである。
素子の製造方法を説明するための図であり、同図(A)
は、ブラッググレーティング形成工程後のコア5の屈折
率分布(実線)と有効屈折率neff(破線)を示し、同
図(B)は、トリミング工程後のコア5の屈折率分布
(実線)と有効屈折率neff′(破線)を示し、同図
(C)は、トリミング工程による反射スペクトルの変化
を示す図である。
屈折率変化を生じる光ファイバーにフェーズマスクを介
して紫外線レーザー光を照射するブラッググレーティン
グ形成工程(図1(A)に対応する工程)と、光ファイ
バーにフェーズマスクを介さずに紫外線レーザー光を照
射するトリミング工程(図1(B)に対応する工程)と
を有する。
ブラッググレーティングはグレーディングのピッチを連
続的に、例えば、Λ1からΛ2まで変化させることによっ
て形成されている。この場合の反射波長帯域はλB1=2
neffΛ1からλB2=2neffΛ2までの連続波長である。
第5の実施形態においては、チャープドグレーティング
が形成された領域の全域に、照射紫外線エネルギーを徐
々に変化させながら紫外光照射を行う。照射紫外線エネ
ルギーの分布は、図11(B)の実効屈折率neff′と
して示された直線(破線)と同様のプロファイルを示
す。トリミング工程を実行すると、図11(B)に示さ
れるように、チャープドブラッググレーティングの光誘
起屈折率差が小さくなる。トリミング工程によって、チ
ャープドブラッググレーティングの波長域における反射
率にはその反射波長帯域内で傾斜が発生する。
造方法によれば、図11(C)に示されるように、グレ
ーティング形成領域内で連続的に傾斜した反射スペクト
ルを得ることができ、波長の増加に応じて反射率が増加
又は低下する特性を用いるアナログセンサー等への応用
に適した特性を持たせることができる。
程における照射紫外線エネルギーの分布のプロファイル
に、上記第2の実施形態と同様に、反射率を調整するア
ポダイズを施せばサイドローブ抑圧比の改善に有効であ
る。
の点は、上記第1から第4までの実施形態と同じであ
る。
ーティングが形成された全域に、反射率調整のための紫
外光照射(トリミング)を連続的に任意のパターンでコ
ア軸方向に照射紫外線エネルギーを変化させて行ったも
のである。
の図であり、同図(A)は、ブラッググレーティング形
成工程後のコア軸方向の屈折率分布(実線)及び実効反
射率(破線)を示し、同図(B)は、トリミング工程後
のコア軸方向の屈折率分布(実線)及び実効反射率(破
線)を示し、同図(C)は、トリミング工程による透過
率の変化を示す図である。
屈折率変化を生じる光ファイバーにフェーズマスクを介
して紫外線レーザー光を照射するブラッググレーティン
グ形成工程(図1(A)に対応する工程)と、光ファイ
バーにフェーズマスクを介さずに紫外線レーザー光を照
射するトリミング工程(図1(B)に対応する工程)と
を有する。
ラインアンドスペースのピッチは、一定ではなく、最大
値2Λ1から最小値2Λ2まで徐々に増加又は減少してい
る。このフェーズマスクを介して光ファイバーに紫外線
レーザー光を照射すると、コアには、コア軸方向に屈折
率変化部分と屈折率が変化しない部分が交互に、フェー
ズマスクのピッチの半分のピッチ(Λ1〜Λ2)で形成さ
れる。その結果、コアにブレーズドチャープドブラッグ
グレーティングを形成することができる。即ち、図11
(A)に示すように、第6の実施形態の広帯域のブレー
ズドチャープドブラッググレーティングは光誘起屈折率
変化のピッチを最大Λ1から最小Λ2まで連続的に変化さ
せることで形成されており、透過波長帯域はλB1=2n
effΛ1からλB2=2neffΛ2までの連続波長である。
バーにフェーズマスクを介さずに紫外線レーザー光を照
射する。紫外線レーザー光の照射に際しては、例えば、
光ファイバーを支持するテーブル又は紫外線レーザー光
をコア軸方向に移動させる。この移動速度を変化させる
ことによって、単位面積当たりの照射紫外線エネルギー
の分布をコア軸方向に調整することができる。トリミン
グ工程は、1回でもよいが、複数回のトリミング工程に
よって光ファイバーの反射特性を要求される値に到達さ
せてもよい。尚、単位面積当たりの照射紫外線エネルギ
ーの分布をコア軸方向に調整する方法としては、マスク
を用いる方法もある。
ャープドグレーティングが形成された領域の全域に、照
射紫外線エネルギーの分布をあるパターンで変化させな
がら紫外光照射を行う。照射紫外線エネルギーの分布
は、図12(B)の実効屈折率neff′として示された
曲線(破線)と同様のプロファイルを示す。図12
(B)において、実効屈折率neff′が低下している部
分21は、照射紫外線エネルギーが低い部分に相当す
る。また、トリミング工程を実行すると、図12(B)
に示されるように、ブレーズドチャープドブラッググレ
ーティングの光誘起屈折率差が小さくなる(ΔnB′に
なる)。トリミング工程によって、ブレーズドチャープ
ドブラッググレーティングの波長域における透過率に
は、その透過波長帯域内におけるある波長(図12
(B)における部分21に対応する波長)に損失(図1
2(C)のトリミング後の透過スペクトルの部分22)
が発生する。
れば、図12(C)に示されるように、波長により損失
が連続的に変化する透過スペクトルを得ることができ、
このようなブレーズドチャープドグレーティングは、特
に、光増幅器の利得平坦化素子に有効である。
ける照射紫外線エネルギーのコア軸方向の連続的な分布
は、製造された素子の用途に応じて決定すればよい。
の点は、上記第1から第5までの実施形態と同じであ
る。
るトリミング方法は、第1から第6までの実施形態にお
けるいずれのブラッググレーティング形成領域にも適用
できる。
によれば、ブラッググレーティング形成領域に紫外光照
射を行うトリミング工程によって、ブラッググレーティ
ングの特性を正確に調整することができるという効果が
ある。
紫外光の単位面積当たりの積算エネルギーの分布がブラ
ッググレーティング形成領域の長手方向の全域にわたっ
て均一である場合は、製造された光導波路素子の反射率
と反射光の中心波長とを調整することができるという効
果がある。
紫外光の単位面積当たりの積算エネルギーの分布がブラ
ッググレーティング形成領域の長手方向の両端部近傍に
おいて徐々に低下する台形型のプロファイルを示す場合
は、製造された光導波路素子におけるファブリペロー干
渉が抑制され、ブラッググレーティングとしてのサイド
ローブ抑圧比を改善できるという効果がある。
ィング形成領域の一部に実行する場合は、製造された光
導波路素子に、希望する波長において反射率が急に変化
するという特性を持たせることができるという効果があ
る。
紫外光の単位面積当たりの積算エネルギーの分布がブラ
ッググレーティング形成領域の長手方向に沿って徐々に
増加又は減少させた場合は、製造された光導波路素子
に、波長の増加に応じて反射率が増加又は低下する特性
を持たせることができるという効果がある。
紫外光の単位面積当たりの積算エネルギーの分布がブラ
ッググレーティング形成領域の長手方向に沿って連続的
に変化させた場合は、製造された光導波路素子に、所望
の反射特性(又は透過率特性)をもたせることができ、
特に、利得平坦化素子に適した特性を持たせることがで
きるという効果がある。
の製造方法の工程説明図であり、(A)はブラッググレ
ーティング形成工程を示し、(B)はトリミング工程を
示す。
法を説明するための図であり、(A)はブラッググレー
ティング形成工程後のコアの屈折率分布と有効屈折率を
示し、(B)はトリミング工程後のコアの屈折率分布と
有効屈折率を示し、(C)は単位面積当たりの照射紫外
線エネルギーに対する光誘起屈折率変化量が照射紫外線
の積算エネルギーによって変化することを示す説明図で
ある。
狭帯域FBGに複数回実行した場合の反射スペクトルの
変化を示す図である。
射率が低下し、反射中心波長が長波長側にシフトする例
を示す図である。
でる。
工程後のコアの屈折率分布を示す図である。
ング工程後のコアの屈折率分布を示す図である。
の製造方法を説明するための図であり、(A)はブラッ
ググレーティング形成工程後のコアの屈折率分布と有効
屈折率を示し、(B)はトリミング工程後のコアの屈折
率分布と有効屈折率を示す。
の製造方法を説明するため図であり、(A)はブラッグ
グレーティング形成工程後のコアの屈折率分布と有効屈
折率を示し、(B)はトリミング工程後のコアの屈折率
分布と有効屈折率を示し、(C)はトリミング工程を繰
り返すことにより反射スペクトルが変化することを示す
図である。
子の製造方法を説明するための図であり、(A)はブラ
ッググレーティング形成工程後のコアの屈折率分布と有
効屈折率を示し、(B)はトリミング工程後のコアの屈
折率分布と有効屈折率を示し、(C)はトリミング工程
による反射スペクトルの変化を示す。
子の製造方法を説明するための図であり、(A)はブラ
ッググレーティング形成工程後のコアの屈折率分布と有
効屈折率を示し、(B)はトリミング工程後のコア5の
屈折率分布と有効屈折率を示し、(C)はトリミング工
程による反射スペクトルの変化を示す。
子の製造方法を説明するための図であり、(A)はブラ
ッググレーティング形成工程後のコアの屈折率分布と有
効屈折率を示し、(B)はトリミング工程後のコア5の
屈折率分布と有効屈折率を示し、(C)はトリミング工
程による透過率の変化を示す図である。
す図である。
紫外線レーザー光、5 コア、 6 クラッド、 7
屈折率変化部分、 8 屈折率が変化しない部分、
Λ,Λ1,Λ2 屈折率変化ピッチ、 neff ブラッグ
グレーティング形成工程後の実効屈折率、 neff′
トリミング工程後の実効屈折率、 ΔnBブラッググレ
ーティング形成工程後の光誘起屈折率差、 ΔnB′
トリミング工程後の光誘起屈折率差。
Claims (13)
- 【請求項1】 光誘起屈折率変化を生じる光導波路に紫
外光を照射してブラッググレーティングを形成する工程
と、 上記光導波路に紫外光を照射してブラッググレーティン
グの特性を調整するトリミング工程とを有することを特
徴とする光導波路素子の製造方法。 - 【請求項2】 上記ブラッググレーティング形成工程
が、光導波路にフェーズマスクを介して紫外光を照射し
てブラッググレーティングを形成する工程であり、 上記トリミング工程が、光導波路にフェーズマスクを介
さずに紫外光を照射して特性を調整する工程であること
を特徴とする請求項1記載の光導波路素子の製造方法。 - 【請求項3】 上記トリミング工程を、上記ブラッググ
レーティング形成工程より先に実施することを特徴とす
る請求項1又は2のいずれか一つに記載の光導波路素子
の製造方法。 - 【請求項4】 上記トリミング工程を、上記ブラッググ
レーティング形成工程より後に実施することを特徴とす
る請求項1又は2のいずれか一つに記載の光導波路素子
の製造方法。 - 【請求項5】 上記紫外光がレーザー光であることを特
徴とする請求項1から4までのいずれか一つに記載の光
導波路素子の製造方法。 - 【請求項6】 上記ブラッググレーティングがチャープ
ドグレーティングであることを特徴とする請求項1から
5までのいずれか一つに記載の光導波路素子の製造方
法。 - 【請求項7】 上記ブラッググレーティングがブレーズ
ドチャープドグレーティングであることを特徴とする請
求項1から5までのいずれか一つに記載の光導波路素子
の製造方法。 - 【請求項8】 上記トリミング工程において、光導波路
に照射される紫外光の単位面積当たりの積算エネルギー
の分布がブラッググレーティング形成領域の長手方向の
全域にわたって均一であることを特徴とする請求項1か
ら7までのいずれか一つに記載の光導波路素子の製造方
法。 - 【請求項9】 上記トリミング工程において、光導波路
に照射される紫外光の単位面積当たりの積算エネルギー
の分布がブラッググレーティング形成領域の長手方向の
両端部近傍において徐々に低下する台形型のプロファイ
ルを示すことを特徴とする請求項1から7までのいずれ
か一つに記載の光導波路素子の製造方法。 - 【請求項10】 上記ブラッググレーティング形成工程
において、光導波路に照射される紫外光の単位面積当た
りの積算エネルギーがブラッググレーティング形成領域
の長手方向の両端部近傍において徐々に低下しており、 上記トリミング工程において、光導波路に照射される紫
外光の単位面積当たりの積算エネルギーの分布がブラッ
ググレーティング形成領域の長手方向の両端部近傍にお
いて徐々に低下する台形型のプロファイルを示すことを
特徴とする請求項1から7までのいずれか一つに記載の
光導波路素子の製造方法。 - 【請求項11】 上記トリミング工程をブラッググレー
ティング形成領域の一部に実行することを特徴とする請
求項1から7までのいずれか一つに記載の光導波路素子
の製造方法。 - 【請求項12】 上記トリミング工程において、光導波
路に照射される紫外光の単位面積当たりの積算エネルギ
ーの分布がブラッググレーティング形成領域の長手方向
に沿って徐々に増加又は減少することを特徴とする請求
項1から7までのいずれか一つに記載の光導波路素子の
製造方法。 - 【請求項13】 上記トリミング工程において、光導波
路に照射される紫外光の単位面積当たりの積算エネルギ
ーの分布がブラッググレーティング形成領域の長手方向
に沿って連続的に変化することを特徴とする請求項1か
ら7までのいずれか一つに記載の光導波路素子の製造方
法。
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