JP2001166092A - 放射性物質乾式貯蔵設備 - Google Patents

放射性物質乾式貯蔵設備

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JP2001166092A
JP2001166092A JP35111199A JP35111199A JP2001166092A JP 2001166092 A JP2001166092 A JP 2001166092A JP 35111199 A JP35111199 A JP 35111199A JP 35111199 A JP35111199 A JP 35111199A JP 2001166092 A JP2001166092 A JP 2001166092A
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air
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radioactive
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JP35111199A
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Naoki Kumagai
直己 熊谷
Hitoshi Shimizu
清水  仁
Hidetoshi Kanai
秀俊 金井
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】貯蔵室上部への空気の高温域発生を防止し、除
熱効率の高い放射性物質貯蔵設備を提供する。 【解決手段】放射性物質乾式貯蔵設備1は、放射性物質
を収納する収納管7が設置されている貯蔵室3を備え、
貯蔵室3には外部と連絡する空気流入口13および空気
流出口14を備える。収納管7に収納された状態での放
射性物質の発熱領域の最上端は、貯蔵室天井6よりも1
m以上下方に離れて位置する。貯蔵室天井付近の空気温
度上昇を抑え、貯蔵施設の健全性を保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は発熱を伴う放射性物
質の乾式貯蔵設備に係り、特に高レベル放射性廃棄物や
原子力発電所から発生する使用済燃料等の放射性物質を
貯蔵する設備に係る。
【0002】
【従来の技術】原子力発電所から発生する使用済燃料集
合体は、ウラン及びプルトニウム等の再使用可能な核燃
料物質を回収するために再処理するが、このときに発生
する高レベル放射性廃棄物はガラス固化される。この放
射性廃棄物ガラス固化体は崩壊熱が発生するため、発熱
量が小さくなり処分が可能になるまでの間冷却しながら
貯蔵する必要がある。また、使用済燃料集合体は、再処
理されるまでの間原子力発電所内の貯蔵プールに保管さ
れるが、年々増大する使用済燃料集合体に原子力発電所
内の貯蔵プールが容量不足となり、長期間貯蔵可能な新
たな貯蔵設備の建設が望まれている。
【0003】これらの目的に対応した放射性物質貯蔵施
設としては、放射性廃棄物ガラス固化体及び使用済燃料
集合体を周囲に流れる空気によって冷却しながら貯蔵す
る放射性物質乾式貯蔵設備がある。放射性物質の乾式貯
蔵設備の例としては、特公平5−11598号公報,特公平6
−31880号公報及び特開平8−15495号公報に記載された
貯蔵設備がある。
【0004】特公平5−11598号公報に示された放射性物
質乾式貯蔵設備は、コンクリート製建屋内の貯蔵室に設
置された密封容器である収納管内に、放射性廃棄物ガラ
ス固化体または使用済燃料集合体を収納して貯蔵する。
収納管は下端部が貯蔵室の床に保持され貯蔵室の天井に
まで達しており、貯蔵室の高さは貯蔵する放射性物質の
長さにほぼ等しい。収納管内の放射性物質から発生する
崩壊熱は、天井と床との間に形成される冷却空気通路内
の収納管相互間を水平方向に流れる空気によって除去さ
れる。冷却空気は貯蔵室の床の片側に接続された空気流
入口により下方から導入され、貯蔵室の空気流入口が接
続された部分の反対側に位置する天井に接続された空気
排出口より上方に冷却空気が排出される。
【0005】特公平6−31880号公報に示された放射性物
質乾式貯蔵設備も、特公平5−11598号公報に示された放
射性物質乾式貯蔵設備と同様に、コンクリート製建屋内
の貯蔵室に設置された密封容器である収納管内に、放射
性廃棄物ガラス固化体または使用済燃料集合体を収納し
て貯蔵する。収納管は下端部が貯蔵室の床に保持され貯
蔵室の天井にまで達しており、1本の収納管には複数体
の放射性物質密封容器が入れられる。貯蔵室の高さは1
本の収納管に収納する複数体の放射性物質密封容器の最
下段より最上段までの長さにほぼ等しい。収納管内の放
射性物質から発生する崩壊熱は、天井と床との間に形成
される冷却空気通路内の収納管相互間を水平方向に流れ
る空気によって除去される。冷却空気は貯蔵室の天井の
片側に接続された空気流入口により上方から導入され、
貯蔵室の空気流入口が接続された部分の反対側に位置す
る天井に接続された空気排出口より上方に冷却空気が排
出される。
【0006】特開平8−15495号公報に示された放射性物
質乾式貯蔵設備は、特公平6−31880号公報に示された放
射性物質乾式貯蔵設備と同様に、コンクリート製建屋内
の貯蔵室に設置された密封容器である収納管内に、放射
性廃棄物ガラス固化体または使用済燃料集合体を収納し
て貯蔵する。貯蔵室には天井と床の間に、上下方向に分
離する仕切り板があり、使用済燃料集合体を貯蔵する場
合には、使用済燃料集合体の密封容器を収納管内に縦に
2段に収納する。収納管内の放射性物質から発生する崩
壊熱は、天井と仕切り板および床と仕切り板との間に形
成される冷却空気通路内の収納管相互間を水平方向に流
れる空気によって除去される。冷却空気は貯蔵室の天井
の片側に接続された空気流入口により上方から導入さ
れ、貯蔵室の空気流入口が接続された部分の反対側に位
置する天井に接続された空気排出口より上方に冷却空気
が排出される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特公平5−11598号公
報,特公平6−31880号公報及び特開平8−15495号公報に
記載された放射性物質乾式貯蔵設備は、いずれも貯蔵室
の天井と床の間を水平に流れる空気によって、放射性物
質から発生する崩壊熱を除去する。しかし、逆に暖めら
れた空気は軽くなるため、貯蔵室の天井へと上昇し始
め、暖められた空気が貯蔵室の天井に溜まりやすくな
り、この部分の空気温度が上昇する。空気は暖められ続
ける限り上昇しようとするため、発熱を伴う放射性物質
の貯蔵する位置が貯蔵室の天井に近いと、貯蔵室の天井
近くまで空気が暖められながら上昇し、貯蔵室の天井付
近に高温の空気が溜まることになり、この部分の空気温
度が非常に高くなる。空気温度が上昇すると冷却効率は
減少し、設備の耐久性能も悪化するため、空気流量を増
やすか貯蔵量を減らして空気温度を下げなければならな
い。しかし、空気流量を増やすには貯蔵室内で暖められ
た冷却空気を外部に放出する排気口の位置を更に高くし
なければならず、建設コストの増加となる。また、貯蔵
量を減らす事は貯蔵施設全体の大きさを大きくすること
になるため、やはり建設コストの増加となる。
【0008】特公平5−11598号公報および特公平6−318
80号公報に示された放射性物質乾式貯蔵設備は、収納管
に収納された使用済燃料や高レベル放射性物質ガラス固
化体等の発熱を伴う放射性物質が、貯蔵室の床面より天
井付近の高さまで貯蔵されている。このため、冷却空気
は天井付近まで加熱され、天井付近の空気温度が局所的
に上昇して冷却効率は減少し、高温となった部分では設
備の耐久性能も悪化する。
【0009】特開平8−15495号公報に示された放射性物
質乾式貯蔵設備も、特公平5−11598号公報および特公平
6−31880号公報に示された放射性物質乾式貯蔵設備と同
様に、収納管に収納された使用済燃料や高レベル放射性
物質ガラス固化体等の発熱を伴う放射性物質が、貯蔵室
の床面より天井付近の高さまで貯蔵されている。このた
め、冷却空気は天井付近まで加熱され、天井付近の空気
温度が局所的に上昇して冷却効率は減少し、高温となっ
た部分では設備の耐久性能も悪化する。さらに貯蔵室の
中央付近に貯蔵室を上下に分ける仕切り板があり、この
仕切り板の下部についても、貯蔵室の天井付近と同様
に、空気温度の局所的な高温域が発生する。
【0010】本発明の目的は、貯蔵室天井付近に発生し
やすい空気温度の局所的な高温域の発生を防止し、冷却
効率の高い放射性物質乾式貯蔵設備を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する第
1の発明の特徴は、貯蔵室の天井と、貯蔵中の発熱を伴
う放射性物質の上端との距離を1m以上離して貯蔵する
ことにある。空気を暖め続ける限り、温度が上昇して浮
力が増大し、貯蔵室の天井付近に高温となった空気が溜
まる。しかし、貯蔵室の天井と、発熱を伴う放射性物質
の上端との間の距離を広げて、その間の浮力の発生を防
いで空気の上昇流を抑制すると、逆にその部分の空気流
入口から空気排出口へ水平方向に流れる空気流が増大
し、貯蔵室の天井部分に高温の空気が溜まりにくくなる
ため、空気の温度が平均化され、除熱効率が向上する。
貯蔵室の天井と発熱を伴う放射性物質の上端との間の距
離を大きくすると、初めのうちはこの効果が顕著に現れ
て、貯蔵室の天井付近に現れていた貯蔵室内の空気の最
高温度が著しく低下する。しかし、上昇流に比べて水平
の流れが十分に大きくなると、貯蔵室の天井付近に溜ま
っていた高温の空気は消滅し、貯蔵室内の空気温度は平
均化される。そして、貯蔵室内の空気の最高温度はほと
んど変化しなくなる。この空気最高温度の、貯蔵室の天
井と発熱を伴う放射性物質の上端との間の距離に対する
変化を図5に示す。図5に示す通り、貯蔵室の天井と発
熱を伴う放射性物質の上端との間の距離が1mになるま
では、この距離が大きくなるにつれて、貯蔵室の天井付
近に溜まっていた高温の空気の領域が小さくなり、貯蔵
室内の空気の最高温度は減少していく。しかし、1mを
超えると、貯蔵室内の空気は水平の流れが顕著となり、
貯蔵室内の空気温度が平均化されるため、空気最高温度
がほとんど低下しなくなる。貯蔵する放射性物質の発熱
量が異なると、図5に示す温度変化も異なり、貯蔵室内
の放射性物質の発熱量が大きくなるほど、貯蔵室の天井
と発熱を伴う放射性物質の上端との間の距離を広げる必
要がある。しかし、自然空冷による放射性物質貯蔵設備
の場合、貯蔵設備に用いられているコンクリートの温度
制限、使用済核燃料や高レベル放射性廃棄物ガラス固化
体等の貯蔵物自身の温度制限のため、貯蔵室内の放射性
物質の発熱量が制限される。このことから、貯蔵室の天
井と発熱を伴う放射性物質の上端との間の距離が1m以
上必要となるような状況はほとんどない。また、発熱量
が小さくなっても、貯蔵密度を上げて貯蔵設備全体の発
熱量の制限値に近づけることで、やはり図5に示す結果
と同様となり、空気温度を平均化するために、貯蔵室の
天井と発熱を伴う放射性物質の上端との間の距離を1m
以上離さなければならなくなる。以上の理由から、放射
性物質乾式貯蔵設備において、貯蔵室の天井と、貯蔵中
の発熱を伴う放射性物質の上端との距離を1m以上離し
て貯蔵することにより、貯蔵密度の低下やコストの増大
なしに除熱効率の高い施設を提供することができる。
【0012】上記目的を達成する第2の発明の特徴は、
第1発明の特徴に加えて、前記貯蔵室の床と天井の間に
水平に位置し、前記貯蔵室内の空気通路を上下方向にお
いて複数の空気通路に分離する仕切り板を備えることに
ある。それにより、貯蔵室の高さを増して貯蔵密度を増
加させても、空気が暖められて上昇するのを仕切り板が
さえぎるため、貯蔵室天井付近の空気温度が上昇するの
を防ぐことができる。上記目的を達成する第3の発明の
特徴は、第2の発明の特徴に加えて、前記仕切り板の高
さ位置を、収納管に貯蔵中の放射性物質の高さ位置以外
の位置に設け、仕切り板と仕切り板のすぐ下に位置する
放射性物質の上端との間を離すことにある。それによ
り、仕切り板の下部においても暖められた空気が仕切り
板付近まで上昇しつづけるのを防止して貯蔵室内の仕切
り板より下側の温度分布が均一化し、貯蔵密度の低下や
コストの増大なしに除熱効率の高い施設を提供すること
ができる。
【0013】上記目的を達成する第4の発明の特徴は、
第3発明の特徴に加えて、前記仕切り板の高さ方向位置
を挟んで上側と下側にある2組の放射性物質の間に、間
隔を広げるための部材を設置することにある。それによ
り、仕切り板の下部において、仕切り板と放射性物質の
上端の間を十分離す事ができ、暖められた空気が仕切り
板付近まで上昇しつづけるのを防止して貯蔵室内の仕切
り板より下側の温度分布が均一化し、貯蔵密度の低下や
コストの増大なしに除熱効率の高い施設を提供すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】(実施例1)本発明の好適な一実
施例である放射性物質乾式貯蔵設備を、図1〜図5を用
いて説明する。本実施例の放射性物質乾式貯蔵設備は、
原子力発電所から発生した使用済燃料集合体を貯蔵する
設備1である。この設備はコンクリート製の建屋からな
り、内部に装荷室2,貯蔵室3を有する。
【0015】原子力発電所より運搬されてきた使用済燃
料集合体4は密封容器5に入れられ、蓋の溶接および容
器の健全性検査終了後に貯蔵室3の上に位置する装荷室
2に運ばれる。
【0016】貯蔵室3は、上部に位置する貯蔵室天井6
によって装荷室2と分けられる。貯蔵室3内部には密封
容器5を収納する収納管7が貯蔵室床8に複数本垂設さ
れ、上端は貯蔵室天井6を貫通して装荷室2へと開口し
ている。使用済燃料集合体4を密封した密封容器5は装
荷室2より装荷機9によって収納管7に収納され、収納
管蓋10で収納管7に蓋をされて貯蔵される。一本の収
納管7には密封容器5が二本縦に収納される。貯蔵室3
の貯蔵室天井6と貯蔵室床8の中間には仕切り板11が
設けられ、貯蔵室3を上段と下段の2つに分ける。
【0017】冷却空気12は、使用済燃料貯蔵設備1の
外部より取り入れられ、貯蔵室3の一辺の端に設けられ
た空気流入口13より貯蔵室3内に流入する。流入した
冷却空気12は仕切り板11の上段と下段に分かれて、
貯蔵室3の空気流入口13が設けられている一辺の反対
側へと、使用済燃料集合体4を収納した収納管7の周囲
を通って流れる。その時、冷却空気12は使用済燃料集
合体4から発生した崩壊熱を奪い、自身は暖まりながら
流れる。貯蔵室天井6の空気流入口13が設けられてい
る一辺の反対側には空気流出口14が設けられ、冷却空
気12は排気塔15を通って、使用済燃料貯蔵設備1の
外部へ放出される。排気塔15内部の冷却空気12は、
使用済燃料集合体4から発生する崩壊熱を奪って暖めら
れた空気であるため、使用済燃料貯蔵設備1の外部の空
気よりも密度が小さく、浮力により上昇する力が働く。
この力により貯蔵室3内に冷却空気12が流れる。
【0018】空気流入口13から貯蔵室3に流入した冷
却空気12は、仕切り板11によって貯蔵室床8と仕切
り板11の間の空気通路と、貯蔵室天井6と仕切り板1
1の間の空気通路に分けられ、使用済燃料集合体4を冷
却しながら、冷却空気12自身は暖められながら空気流
出口14へと流れる。使用済燃料集合体4より発生する
熱は、収納管7表面より冷却空気12に伝わるので、収
納管7表面付近の冷却空気12は、その外側に比べて温
度が高いため、貯蔵室3の上部に向かって上昇する。こ
のため、貯蔵室3の仕切り板11上側の段(上段)では
貯蔵室天井6付近に、仕切り板11下側の段(下段)で
は仕切り板11付近に温められ、温度の高くなった空気
が集まりやすくなる。このとき、図2に示すような従来
の構造では、貯蔵室天井6や仕切り板11の高さ位置付
近まで使用済燃料集合体4があるため、貯蔵室天井6や
仕切り板11のすぐ下に高温となった冷却空気が集ま
り、局所的な高温域が発生する。このような状態では、
高温の冷却空気に接する貯蔵室天井6や仕切り板11の
温度も上昇し、これらの部分の健全性が損なわれる恐れ
がある。また、高温域に位置する使用済燃料集合体4へ
の除熱効率も著しく損なわれる恐れがある。
【0019】そこで、本実施例では、まず上段におい
て、貯蔵室天井6と使用済燃料集合体4の発熱領域の上
端との間Aを1m以上離すこととした。上段に流入した
冷却空気12は、収納管7表面を上昇する空気を補うた
めと、温度が低いことから、徐々に下に降りて仕切り板
11表面付近を流れ、貯蔵室上部に高温となった冷却空
気が集まり始める。ここで、冷却空気流入口13を上部
に設け、貯蔵室天井6と使用済燃料集合体4の発熱領域
の上端との間を1m以上離すと、この部分では空気の浮
力が弱まり、冷却空気流入口13より流入してきた冷却
空気12が流れ込みやすくなるため、高温域の発生が抑
えられ、除熱効率が向上する。
【0020】下段においても上段と同様である。収納管
に2段に積まれている使用済燃料集合体4の間の位置に
仕切り板11を設け、さらに上側と下側の密封容器5の
間にショックアブソーバを兼ねた仕切り部材16を入れ
て、仕切り板11と下側の使用済燃料集合体4の発熱領
域の上端との間Bも1m以上離すことで、仕切り板11
の下部に発生しやすい高温域の発生を抑えることができ
る。
【0021】図1に示す本発明による貯蔵施設構造と、
図2に示す従来の貯蔵施設構造の、空気温度分布の違い
を図3,図4に示す。図3は従来の貯蔵施設構造での空
気温度分布であり、図4は本発明による貯蔵室構造での
空気温度分布である。図3では、上下段とも貯蔵室天井
6や仕切り板11に向かって、水平方向に等温線が走
り、高温域が発生している。これに対して図4の本発明
を適用した場合の空気温度分布は、空気流入口13から
空気流出口14に向かって垂直方向に等温線が走り、貯
蔵室3内の空気温度分布が均一化され、高温域の発生も
見られなくなる。図5には、貯蔵室天井6と放射性物質
の発熱領域の上端との間の距離に対して、貯蔵室内の空
気の最高温度の関係を示す。このように、貯蔵室天井6
からの距離が大きいほど空気最高温度は小さくなるが、
貯蔵室天井6と放射性物質の発熱領域の上端との間の距
離が約1m以上では、温度低減効果は非常に小さい。こ
のため、貯蔵室天井6から放射性物質の発熱領域の上端
との間の距離については、1m以上離すことで、効果的
に空気最高温度を低減することができる。
【0022】本実施例は原子力発電所から発生した使用
済燃料集合体を貯蔵する設備であるが、使用済燃料集合
体4を密封した密封容器5の代りに、高レベル放射性廃
棄物のガラス固化体や、他の発熱する放射性物質であっ
ても同様に本発明を適用することができる。高レベル放
射性廃棄物ガラス固化体に適用した場合の例を図6に示
す。
【0023】(実施例2)本発明の他の実施例(実施例
2)である放射性物質乾式貯蔵設備を、図7を用いて説
明する。実施例1と同一の構成は、同一符号で示す。本
実施例の放射性物質乾式貯蔵設備も、実施例1と同様に
原子力発電所から発生した使用済燃料集合体を貯蔵する
設備1である。
【0024】実施例1と異なる部分は、収納管7に2段
に積まれている密封容器の間に仕切り部材を挟まない点
である。貯蔵室天井6は主にコンクリートからできてい
るが、仕切り板11は金属製である場合もある。金属製
の仕切り板11は、コンクリートよりも耐熱性能が高い
ため、仕切り板11付近に発生する高温域を防止する必
要がない。そこで、上段の貯蔵室天井6と、上側に積ま
れた使用済燃料集合体4の間は1m以上の十分な間隔を
とるが、仕切り板11については、上側に積まれた使用
済燃料集合体4の発熱領域のすぐ下に設置し、仕切り板
11と下側の使用済燃料集合体4の発熱領域との間を可
能な限り長くとることで、実施例1の仕切り部材16の
代わりとする。本実施例では、実施例1のときよりも仕
切り板11と下側の使用済燃料集合体4の発熱領域との
間が短くなるが、使用済燃料集合体4の発熱量が小さい
場合や仕切り板11が金属製であって、高温域の発生を
防ぐ必要がない場合等には、本実施例を適用することが
できる。
【0025】(実施例3)本発明の他の実施例(実施例
3)である放射性物質乾式貯蔵設備を、図8を用いて説
明する。実施例1および実施例2と同一の構成は、同一
符号で示す。本実施例の放射性物質乾式貯蔵設備は、高
レベル放射性物質ガラス固化体を貯蔵する設備18であ
る。
【0026】燃料装荷室2および燃料貯蔵室3の構造は
実施例1と同様である。ただし、本実施例では実施例1
および実施例2とは異なり、貯蔵室内に仕切り板11を
設置していない。収納管7には複数本の高レベル放射性
物質ガラス固化体密封容器5が積まれているが、貯蔵室
天井6と最上段に積まれた高レベル放射性物質ガラス固
化体の上端との間を1m以上離して、貯蔵室天井6付近
に高温域が発生しないようにしている。
【0027】本実施例は高レベル放射性廃棄物のガラス
固化体を貯蔵する設備18であるが、高レベル放射性廃
棄物のガラス固化体を密封した密封容器5の代りに、原
子力発電所から発生した使用済燃料集合体や、他の発熱
する放射性物質であっても同様の実施例で本発明を適用
することができる。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、貯蔵室の天井と、貯蔵
中の発熱を伴う放射性物質の上端との距離を1m以上離
して貯蔵することで、暖められた空気が天井付近まで上
昇しつづけるのを防止して貯蔵室内の温度分布が均一化
し、貯蔵密度の低下やコストの増大なしに除熱効率の高
い施設を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である放射性物質乾式
貯蔵設備の縦断面図である。
【図2】従来の放射性物質乾式貯蔵設備の例を示す縦断
面図である。
【図3】従来の放射性物質乾式貯蔵設備における空気温
度分布の一例である。
【図4】本発明の好適な一実施例である放射性物質乾式
貯蔵設備における空気温度分布の一例である。
【図5】本発明を適用した場合の空気最高温度の低減効
果について示す図である。
【図6】本発明の他の一実施例である放射性物質乾式貯
蔵設備の縦断面図である。
【図7】本発明の他の一実施例である放射性物質乾式貯
蔵設備の縦断面図である。
【図8】本発明の他の一実施例である放射性物質乾式貯
蔵設備の縦断面図である。
【符号の説明】
1…使用済燃料貯蔵設備、2…装荷室、3…貯蔵室、4
…使用済燃料集合体、5…密封容器、6…貯蔵室天井、
7…収納管、8…貯蔵室床、9…装荷機、10…収納管
蓋、11…仕切り板、12…冷却空気、13…空気流入
口、14…空気流出口、15…排気塔、16…仕切り部
材、17…冷却空気の高温域、18…高レベル放射性物
質ガラス固化体貯蔵設備、19…等温線。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射性物質または放射性物質を内蔵した密
    封容器を内部に収納する管が床面より天井面にわたって
    複数本垂設されている貯蔵室を備え、前記貯蔵室には外
    部と連絡し外部から取り入れられた空気を前記貯蔵室に
    取り入れる空気流入口および外部に連絡し前記貯蔵室内
    の空気を外部に排出する空気排出口を備え、前記空気流
    入口が前記貯蔵室高さの1/3よりも上方に位置し、前
    記空気流入口より前記貯蔵室を経由して前記空気排出口
    へと流れる空気通路を形成し、放射性物質から発生する
    熱を前記密封容器の周囲を流れる空気で除去する放射性
    物質乾式貯蔵設備において、 貯蔵室内に貯蔵されている二酸化ウラン、高レベル放射
    性物質ガラス固化体,高レベル放射性物質圧縮体等の発
    熱を伴う放射性物質の上端が、前記貯蔵室の天井面より
    少なくとも1m以上下方に位置することを特徴とする放
    射性物質乾式貯蔵設備。
  2. 【請求項2】前記貯蔵室を上下方向に複数段に分割する
    仕切り板を貯蔵室内に備え、前記仕切り板によって分割
    された各段毎に空気流出口と各段の高さの1/3よりも
    上方に位置する空気流入口を備えた請求項1の放射性物
    質乾式貯蔵設備。
  3. 【請求項3】前記仕切り板の高さ方向の設置位置を、貯
    蔵中の放射性物質の高さ方向の位置以外の位置に設置
    し、仕切り板によって分割された各段毎に、段内に位置
    する放射性物質の上端が上側の仕切り板位置より下方に
    位置することを特徴とする請求項2の放射性物質乾式貯
    蔵設備。
  4. 【請求項4】前記仕切り板の高さ方向位置を挟んで上側
    と下側にある2組の放射性物質の間に、間隔を広げるた
    めの部材を設置することを特徴とする請求項3の放射性
    物質乾式貯蔵設備。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007046994A (ja) * 2005-08-09 2007-02-22 Taisei Corp 使用済燃料貯蔵施設
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