JP2001165065A - 揺動ピストン形圧縮機及び冷凍空調装置 - Google Patents

揺動ピストン形圧縮機及び冷凍空調装置

Info

Publication number
JP2001165065A
JP2001165065A JP35046599A JP35046599A JP2001165065A JP 2001165065 A JP2001165065 A JP 2001165065A JP 35046599 A JP35046599 A JP 35046599A JP 35046599 A JP35046599 A JP 35046599A JP 2001165065 A JP2001165065 A JP 2001165065A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
cylinder
compression
suction
oil supply
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35046599A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4381532B2 (ja
Inventor
Takeshi Kono
雄 幸野
Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Kenichi Oshima
健一 大島
Shigeya Kawaminami
茂也 川南
Isao Hayase
功 早瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP35046599A priority Critical patent/JP4381532B2/ja
Publication of JP2001165065A publication Critical patent/JP2001165065A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4381532B2 publication Critical patent/JP4381532B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】揺動ピストン形圧縮機及び冷凍空調装置におい
て、コストダウンを図り、かつ性能及び信頼性の高いも
のとすること。 【解決手段】揺動ピストン形圧縮機24及び冷凍空調装
置において、密閉容器6内を吸込圧力とすると共に、ピ
ストン8をローラ部8aとベーン部8bとで一体に形成
し、シリンダ1の吸入室12と油供給側とに間欠的に連
通する油ポケット23を設けて油供給側から吸入室12
に所定量の油を供給し、冷凍サイクル内の油循環率を所
定範囲にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、揺動ピストン形圧
縮機及び冷凍空調装置に係り、特に、密閉容器内を吸込
圧力としてなる揺動ピストン形圧縮機及びこれを用いた
冷蔵庫、冷凍機等の冷凍装置や、ルームエアコン、パッ
ケージ形エアコン等の空調装置等の冷凍空調装置に好適
なものである。
【0002】
【従来の技術】従来の冷凍・空調装置等に用いられるロ
ータリ圧縮機としては、特開平7−301190号公報
に記載されているように、潤滑状態の厳しい代替フロン
を用いた場合でも、ベーンとローラの接触部における摩
擦・摩耗の問題を解決するために、密閉容器内に、固定
子及び回転子を有する電動要素と、この電動要素により
駆動されるクランク軸、このクランク軸の偏心部に回転
自在に嵌合されたローラ、このローラに先端を接して往
復運動し、シリンダ内を吸入室と圧縮室に仕切るベー
ン、及び前記クランク軸を軸支し、かつ前記シリンダの
両端開口を閉塞する端板を有する主軸受及び副軸受で形
成される圧縮要素を収納し、ベーンが最もシリンダの外
方向に移動したときをクランク軸回転角の0°として、
この回転角90°近傍において、シリンダの吸入室の中
に密閉容器内にたまった潤滑油をベーンとローラの接触
部に向かって供給する油供給手段を備え、そして、密閉
容器内が圧縮要素で圧縮された吐出圧力となっており、
ベーンがこの吐出圧力及びスプリングにより押圧されて
ローラに接触するようになっているものがある(従来技
術1)。
【0003】また、冷凍機や空気調和装置等に用いる従
来のロータリコンプレッサとしては、特開平8−247
062号公報に示されているように、低圧となるシリン
ダの吸込み側に、確実に潤滑油を供給し、圧縮室のシー
ル性の向上を図ることを目的として、潤滑油が封入され
た密閉ケース内に吸込通路によって導かれた冷媒を、圧
縮機構部で圧縮し、吐出通路を介して密閉ケースの外へ
吐出し、前記圧縮機構部を、シリンダと、クランク室内
に配置された偏心軸部により偏心回転が与えられ、前記
シリンダ内を偏心回転するローラと、ローラの外周面と
接触し、圧縮室を形成するブレードとで構成し、前記シ
リンダの吸込み側に給油する給油手段を設けたものがあ
る(従来技術2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術1の
ものは、別体のベーンがローラに接触するようになって
いるために、この部分に油を供給する油供給手段を設け
たとしても、ベーンとローラの接触部の摩耗を解消する
ことはできないという問題があった。
【0005】また、従来技術1のものは、ローラにベー
ンを押し付けるために密閉容器内を高温、高圧の吐出圧
力にしているので、次のような問題を有するものであ
る。即ち、電動要素が高温で加熱されることにより、コ
イルが温度上昇し、信頼性が低下すると共に、モータ効
率を高めることが難しくなっている。また、高圧のロー
ラ内面から低圧の吸入室内への差圧による漏れ込み油が
過剰となることにより、圧縮機の性能が低下する。しか
も、冷媒が油中に溶解しやすくなるので、多量の冷媒を
必要としてコストアップを招き、特に自然系冷媒の場合
には可燃性なので安全性が低下し、軸受部に供給した油
から冷媒が発泡することによって潤滑性能が低下し、こ
れにより信頼性低下を招くおそれがあった。さらには、
密閉容器の耐圧を高めるために、厚い密閉容器を用いる
ことによる重量増加及びコストアップを招くものであっ
た。
【0006】さらに、従来技術1のものは、冷凍サイク
ルに用いて圧縮機を断続運転する場合、圧縮機停止時に
密閉容器内の高温・高圧のガスが蒸発器内に逆流し、蒸
発器内温度を上昇させ、冷凍空調装置の性能を低下させ
る断続ロスの問題もあった。
【0007】一方、従来技術2のものは、シリンダの吸
込み側と油供給側とを連通して油を供給するものであ
り、油供給側からシリンダの吸込み側へ供給する油の供
給量を所定範囲内に調節することが難しく、かつ油の供
給量を所定範囲に調節することについては記載されてい
なかった。
【0008】本発明の目的は、コストダウンが図れ、か
つ高性能及び高信頼性の揺動ピストン形圧縮機及び冷凍
空調装置を得ることにある。
【0009】本発明の別の目的は、コストダウンが図
れ、かつ広い運転範囲における高性能及び高信頼性の揺
動ピストン形圧縮機及び冷凍空調装置を得ることにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第1の特徴は、密閉容器内を吸入圧力とし、
ローラ部の外周面から半径方向に突出してシリンダ内を
吸入室と圧縮室とに仕切るベーン部をローラ部と一体に
形成し、前記吸入室と油供給側とに間欠的に連通する油
ポケットを介して前記油供給側から前記吸入室に油を供
給するように給油機構を形成したことにある。
【0011】本発明の第2の特徴は、密閉容器内を吸入
圧力とし、この密閉容器内への吸込み部から吸入室への
間に油分離機構を備え、前記電動要素を回転数制御し、
ローラ部の外周面から半径方向に突出してシリンダ内を
吸入室と圧縮室とに仕切るベーン部をローラ部と一体に
形成し、前記吸入室と油供給側とに間欠的に連通する油
ポケットを介して前記油供給側から前記吸入室に油を供
給するように給油機構を形成し、前記油分離機構を密閉
容器内へ戻る冷媒ガスの流速によ分離量が変化するよう
に形成したことにある。
【0012】本発明の第3の特徴は、密閉容器内を吸入
圧力とし、前記電動要素を回転数制御し、ローラ部の外
周面から半径方向に突出してシリンダ内を吸入室と圧縮
室とに仕切るベーン部をローラ部と一体に形成し、給油
機構は、前記ベーン部の先端部が挿入された孔部を油供
給側とし、この孔部と前記吸入室とに間欠的に連通する
油ポケットを前記ベーン部に形成して前記油供給側から
前記吸入室に油を供給するように形成し、前記孔部内圧
力の負側の最大値にほぼ等しい位置で前記油ポケットと
前記孔部との連通が終了するように形成したことにあ
る。
【0013】本発明の第4の特徴は、揺動ピストン形圧
縮機、凝縮器、減圧装置及び蒸発器を配管で接続して冷
凍サイクルを構成し、前記揺動ピストン形圧縮機の密閉
容器内を吸入圧力とし、前記揺動ピストン形圧縮機のロ
ーラ部の外周面から半径方向に突出してシリンダ内を吸
入室と圧縮室とに仕切るベーン部をローラ部と一体に形
成し、前記冷凍サイクル内の油循環率が0.1wt%〜
1.0wt%となるように前記揺動ピストン形圧縮機の
給油機構を形成したことにある。
【0014】本発明の第5の特徴は、揺動ピストン形圧
縮機、凝縮器、減圧装置及び蒸発器を配管で接続して冷
凍サイクルを構成し、前記揺動ピストン形圧縮機の密閉
容器内を吸入圧力とし、前記揺動ピストン形圧縮機のロ
ーラ部の外周面から半径方向に突出してシリンダ内を吸
入室と圧縮室とに仕切るベーン部をローラ部と一体に形
成し、前記吸入室と油供給側とに間欠的に連通する油ポ
ケットを介して前記油供給側から前記吸入室に油を供給
して、前記冷凍サイクル内の油循環率が0.1wt%〜
1.0wt%となるように前記給油機構を形成したこと
にある。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施例を図を用
いて説明する。なお、第2実施例以降の実施例において
は第1実施例と共通する構成を一部省略すると共に、重
複する説明を省略する。また、各実施例の図における同
一符号は同一物又は相当物を示す。
【0016】まず、本発明の第1実施例の揺動ピストン
形圧縮機及び冷凍空調装置を図1から図5を参照して説
明する。
【0017】図1は本発明の第1実施例における縦型揺
動ピストン形圧縮機の横断面図、図2は図1のA−A断
面図、図3は図1の縦型揺動ピストン形圧縮機の給油機
構の動作説明図、図4は図1の縦型揺動ピストン形圧縮
機を用いた本発明の冷凍空調装置の冷凍サイクル説明
図、図5は図4の縦型揺動ピストン形圧縮機における油
循環率と成績係数COPの関係を示す特性図、図6は図
4の縦型揺動ピストン形圧縮機における回転速度と油循
環率の関係を示す特性図である。
【0018】揺動ピストン形圧縮機24は、密閉容器6
内に電動要素、圧縮要素及びこの両者を連結する駆動軸
4を配置すると共に、この密閉容器6内を吸入圧力とし
ている。電動要素は、固定子7及び回転子5を有してい
る。圧縮要素は、圧縮機構と給油機構とを有している。
圧縮機構は、シリンダ1と、このシリンダ1内に回転可
能に配置されたピストン8と、シリンダ1の両端開口を
閉鎖する主軸受2及び副軸受3とを備えている。
【0019】シリンダ1は、その中央部に円筒状内周面
1aが形成されており、その両端開口が主軸受2と副軸
受3とで閉塞されている。この主軸受2と副軸受3は、
それぞれ中央に軸受部2a、3aが形成されており、駆
動軸4を回転可能に支持している。また、この主軸受2
と副軸受3は、支持している駆動軸4の回転軸がシリン
ダの円筒状内周面1aの中心軸と一致する様にシリンダ
1に固定している。駆動軸4には電動要素の回転子5が
固定されている。シリンダ1の外周部は密閉容器6に固
定されている。この密閉容器6には電動要素の固定子7
が回転子5と同軸となる様に固定されている。
【0020】さらには、駆動軸4は、シリンダ1の円筒
状内周面1a内に位置する部分に偏心部4aが形成され
ている。この偏心部4aは、揺動ピストン8のローラ部
8aの円筒状内周面内に回転可能に嵌入されている。ま
た、この偏心部4aは、その円筒状外周面とローラ部8
aの円筒状外周面とが摺動して回転するように、ローラ
部8aに嵌合されている。
【0021】この揺動ピストン8は、そのローラ部8a
の円筒状外周面から径方向に突出してシリンダ1の二つ
の孔部1b、1c内に挿入されるベーン部8bが一体に
形成されている。即ち、シリンダ1は、その円筒状内周
面1aの外側に連通して、円筒状内周面1aの中心軸と
平行な中心軸を持つ第1孔部1bが形成され、さらに、
その第1孔部1bの外側に連通して、第1孔部1bの中
心軸と平行な中心軸を持つ第2孔部1cが形成されてい
る。そして、ベーン部8bは第1孔部1bと第2孔部1
cとにまたがって挿入されている。
【0022】このようなローラ部8aとベーン部8bと
を一体に形成した揺動ピストン8を用いることにより、
従来技術1のようなローラ部8aとベーン部8bとの接
触による摩耗等の問題を解消することができる。
【0023】また、ベーン部8bと第1孔部1bとの間
には、滑動部材10が介在されている。この滑動部材1
0は、ベーン部8bの平面部に摺動可能に当接する平面
部と第1孔部1bの円筒面部に摺動可能に当接する円筒
面部とを有し、ベーン部8bを挟み込むように組み込ま
れている。これにより、ベーン部8bは、第1孔部1b
の中心軸に向かう進退運動と中心軸廻りの揺動運動とが
可能になるように、シリンダ1に支持されている。この
ベーン部8bの先端部は、第2孔部1cの中で進退運動
及び揺動運動し、シリンダ1と接触することはない。
【0024】さらに、給油ピース4bは、駆動軸4の下
端に装着され、密閉容器6内の油17中に浸っている。
各摺動部への給油は、駆動軸4の回転による遠心ポンプ
作用により、密閉容器6の底部に貯溜された油17が駆
動軸4の給油穴21より若干小径の開口を有する給油ピ
ース4bより吸引され、駆動軸4に形成された給油穴2
1及び給油溝21に供給され、各摺動部の潤滑がなされ
る。これにより、ローラ部8aの内面は常に油17が充
満している。
【0025】また、電動要素の下方に位置する密閉容器
6の側面を貫通して吸入パイプ13が密閉容器6内に突
出して開口している。この吸入パイプ13に近接する位
置に吸入通路14が上軸受2に形成されている。この吸
入通路14は吸入室12に常時連通している。また、こ
の吸入通路14の吸込側には、吸込口パイプ14aが取
付けられている。この吸込口パイプ14aの吸込側開口
14bは、吸入パイプ13の開口13aと偏心して設け
られており、油分離機構を形成している。
【0026】以上の構成の揺動ピストン形圧縮機24に
おいて、電動要素により駆動軸4が回転すると、揺動ピ
ストン8は偏心部4aと共に図3(a)から(f)に示
すように公転運動を行う。図3(a)から(f)は、駆
動軸4が60°ずつ回転した時の揺動ピストン8の運動
を示した図である。この図から明らかなように、ローラ
部8aは、ベーン部8bが常にシリンダの第1孔部1b
の中心軸方向を向く様に、偏心部4aの中心軸廻りに若
干の角度だけ揺動運動を行いながらその中心が公転運動
をする。これにより、ベーン部8bはシリンダ1の第1
孔部1bの中心軸に向かった進退運動と該中心軸廻りの
揺動運動を行うが、ベーン部8bとシリンダ1の第1孔
部1bとの間の隙間のシールは滑動部材10が挿入され
ることにより保たれる。そして、シリンダ1、揺動ピス
トン8、主軸受2、副軸受3及び滑動部材10とにより
密閉された圧縮空間である圧縮室11(図3斜線部)と
吸入空間である吸入室12とが形成され、電動要素によ
る駆動軸4の回転に伴い図3の様にその容積の増減を繰
り返す。
【0027】冷媒ガスは、密閉容器6の側面中央部に取
り付けられた吸入パイプ13の開口13aより密閉容器
6内に吸込まれ、吸込口パイプ14aの開口14bから
吸入通路14を通過した後、吸入室12に吸込まれる。
この吸入パイプ13の開口13aから出て吸込口パイプ
14aの開口14bに吸込まれる冷媒は、吸込口パイプ
14aの側面に衝突して或いは向きが変えられて、油が
分離される。吸入室12に吸入された冷媒は、その後圧
縮室11の容積の減少と同時に圧縮され、副軸受3に形
成された吐出ポート3bから吐出室3cへと吐出され
る。この吐出室3cは副軸受3と吐出カバー15とによ
って形成されている。その後、冷媒ガスは、密閉容器6
に取り付けられた吐出パイプ16を通って圧縮機外に吐
出される。
【0028】このように本実施例では特に、吸入パイプ
13を通過した冷媒ガスを一旦、密閉容器6内に吸込む
構造としており、密閉容器6内は吸入圧力である。密閉
容器6内を吸入圧力とすることにより以下のような利点
がある。
【0029】(1)圧縮された高温の冷媒ガスによる電
動要素の加熱が少なく、低温の冷媒ガスによって電動要
素が冷却されるため、回転子5、固定子7の温度が低下
し、モータ効率が向上して性能向上が図れると共に、信
頼性の向上が図れる。
【0030】(2)ローラ部8a内面が吸入圧力となる
ので、吸入室12への差圧による過剰な油の供給がなく
なり、圧縮機の性能向上が図れる。
【0031】(3)フロン等の油と相溶性のある冷媒で
は、圧力が低い為、油中に溶解する冷媒ガスの割合が少
なくなり、軸受等での発泡現象が起こりにくく、信頼性
を向上することができると共に、冷媒量の低減によりコ
ストダウンを図ることができる。また、可燃性を持つ自
然系冷媒では、冷媒使用量が少なくなり安全性を高める
ことができる。
【0032】(4)密閉容器6の耐圧を低くできること
により、薄肉・軽量化が図ることができ、コストダウン
が図れる。
【0033】次に、密閉容器6の底部に貯溜された油1
7の吸入室12への流れを図3を参照して説明する。
【0034】図3(a)及び(b)は、駆動軸4の回転
角θが0°及び60°の場合を示し、シリンダ1の両端
開口を閉塞する主軸受2及び副軸受3の少なくとも一
方、例えば主軸受2の端板に形成された油ポケット23
に破線矢印で図示するようにローラ部8a内面に溜まっ
た油17が取り込まれる状態を示す。
【0035】図3(c)は、駆動軸4の回転が進んだ回
転角θが120°の場合を示し、この状態では油ポケッ
ト23は吸入室12に連通し、油ポケット23内に取り
込まれている油は吸入室12内の冷媒ガスとの密度差に
より吸入室12内に噴出し冷媒ガスと置換される。図3
(d)及び(e)は、駆動軸4の回転がさらに進んだ回
転角θが180°及び240°の場合を示し、この状態
では油ポケット23は完全に吸入室12内に露出し、油
ポケット23内は冷媒ガスで満たされる。
【0036】図3(f)は、さらに駆動軸4の回転が進
んだ回転角θが300°の場合を示し、この状態では油
ポケット23は吸入室12との連通が解消される。その
後、図5(a)の状態に戻り、油ポケット23がローラ
部8a内面の油17に連通すると、油ポケット23内を
満たしていた冷媒ガスは矢印に示すように油17と置換
される。
【0037】これらの動作を繰り返すことにより吸入室
12に所定量の油17を確実に供給することができる。
即ち、油ポケット23は、ローラ部8a内と吸入室12
とに間欠的に連通することにより、所定量の油を確実に
供給することができる。なお、油17の供給量は油ポケ
ット23の容積を変えることにより容易に変えることが
でき、最適油量に設定することができる。
【0038】次に、かかる本発明の揺動ピストン形圧縮
機24を搭載した冷凍空調装置を図4を参照して説明す
る。この冷凍空調装置は、具体的には冷蔵庫の例であ
る。
【0039】この冷凍空調装置の冷凍サイクルは、揺動
ピストン形圧縮機24、凝縮器31、 減圧装置、例え
ば膨張弁32、蒸発器33を配管36で連結することに
より構成されている。また、凝縮器ファン31aは凝縮
器31に強制的に通風を行うように設けられ、蒸発器フ
ァン33aは蒸発器33に強制的に通風を行うように設
けられている。
【0040】揺動ピストン形圧縮機24を起動すること
により、圧縮された高温・高圧の作動ガスは、実線矢印
で示すように吐出パイプ16から凝縮器31に流入し
て、ファン31aの送風作用で放熱、液化し、膨張弁3
2で絞られ、断熱膨張して低温・低圧となり、蒸発器3
3で吸熱、ガス化された後、吸入パイプ13を経て揺動
ピストン形圧縮機24に吸入され、冷却運転が行われ
る。
【0041】この冷凍空調装置においては、本発明の揺
動ピストン形圧縮機24を搭載しているので、エネルギ
ー効率に優れた冷凍空調装置が得られる。特に、本発明
の揺動ピストン形圧縮機は、密閉容器6内を低圧にして
いるので、断続運転時に高温・高圧の冷媒が蒸発器33
内に流入する量を少なくでき、断続エネルギーロスを低
減できる。
【0042】ここで、上述した揺動ピストン形圧縮機2
4の性能上最適な内部潤滑の供給量について、図5を参
照して説明する。
【0043】図5は、密閉容器6内を吸入圧力とした揺
動ピストン形圧縮機24において、油ポケット23によ
る給油機構により吸入室12に油を供給し、この油ポケ
ット23の容積を種々変化させて圧縮機性能との関係を
実験により調べた実験結果であり、冷凍サイクル中の油
循環率(冷媒中の油の質量割合で、JIS B 860
6の付属書Dに記載されている方法による測定値)と成
績係数COP(=冷凍能力/消費電力)との関係を示す
性能特性図である。ここで、冷媒は134aを用い、実
験条件は冷蔵庫の通常運転に相当する吐出圧力Pd=
1.043MPa、吸入圧力Ps=0.095MPa、回
転速度N=3000min-1である。また、圧縮機24
の成績係数COPは、密閉容器6内の圧力が吐出圧力
で、吐出圧力と吸入圧力の差圧によって供給される油で
内部潤滑される場合のCOPを1.0(破線で図示)と
した時の比率で表している。
【0044】図5から明らかなように、油循環率が0.
1wt%以下では内部潤滑の給油が不足して内部シール
性が低下し性能が低下しているが、0.1wt%以上に
なると吐出圧力と吸入圧力の差圧で内部潤滑される場合
よりも性能向上していることがわかる。一方、油循環率
の上限は、冷凍サイクル特性において、熱交換器の管内
熱伝達率や圧力損失といった伝熱性能が低下しない範囲
に決められ、通常、その上限は1.0wt%である。油
循環率が1.0wt%を超えて増加すると、冷蔵庫の場
合は蒸発器33の蒸発温度が上昇して冷却性能が低下し
はじめる。以上より、揺動ピストン形圧縮機24の性能
上好適な内部循環の油量は、冷凍サイクルの油循環率に
して、0.1wt%〜1.0wt%の範囲にすることに
より、成績係数COPが高いものとすることができる。
【0045】上述した給油機構を設けることにより、冷
凍サイクル中の油循環率が0.1wt%〜1.0wt%
となるように吸入室12へ供給する油量を設定すること
が容易となり、冷凍装置の熱交換器の性能向上を図るこ
とができ、高性能で高信頼性の揺動ピストン形圧縮機及
び冷凍空調装置を提供することができる。
【0046】次に、上述した揺動ピストン形圧縮機24
の駆動軸4の回転速度と油循環率の関係について図6を
参照して説明する。
【0047】図6は、吸入パイプ13と吸入室12を直
結し、油ポケット23を備えた給油機構により吸入室1
2に油を供給し、この油ポケット23の容積を種々変化
させて、油循環率と回転速度との関係を実験により調べ
た結果である。ここで、実験条件や油循環率測定方法は
図5の実験と同じである。
【0048】油循環率は、図6に示すように、回転速度
が低速になる程ど小さく、高速になる程大きくなるが、
上述した給油機構によれば、油ポケット23を間欠的に
吸入室12及び給油側に連通するようにしているので、
低速で油循環率0.1wt%以上を満足するように油ポ
ケット23の容積を設定することができ、一方、密閉容
器6内へ戻る冷媒ガスの流速により油分離量が変化する
油分離機構を備えているので、高速時に吸込口パイプ1
4aから吸入口14を介して吸入室12に吸入される油
量の増加を抑制することができる。これにより、広い範
囲の回転速度で、油循環量が0.1wt%〜1.0wt
%となるようにすることができる。
【0049】次に、本発明の第2実施例を図7から図1
1を参照して第1実施例と主に相違する点について説明
する。
【0050】図7は本発明の第2実施例における横型揺
動ピストン形圧縮機の縦断面図、図8は図7のB−B断
面図、図9は図1の横型揺動ピストン形圧縮機の給油機
構の動作説明図、図10は図7の横型揺動ピストン形圧
縮機を用いた本発明の冷凍空調装置の冷凍サイクル説明
図、図11は図7の横型揺動ピストン形圧縮機における
回転角と孔部1c内圧力との関係を示す特性図である。
【0051】この第2実施例のものは、第1実施例のも
のに比較して、横型にした点にて大きく相違し、これに
伴って主に給油機構が次の通り相違する。
【0052】この第2実施例の給油機構は、密閉容器6
の下部に貯溜する油17と第2孔部1cとを連通する吸
込み流体ダイオード18を備えると共に、第2孔部1c
と駆動軸4に形成された給油穴21とを連通する吐出し
流体ダイオード19及び給油パイプ20を備え、さらに
は、ベーン部8bの側面に油ポケット22を形成してい
る点にて第1実施例と相違している。
【0053】次に、かかる給油機構において、駆動軸4
の摺動部への密閉容器6の底部に貯溜された油17の流
れを図7を参照して説明する。
【0054】駆動軸4の回転により、ベーン部8bが第
2孔部1cの中で進退運動し、第2孔部1cの容積が変
化する。この容積変化によるポンプ作用で、密閉容器6
の底部に貯溜された油17は、吸込み流体ダイオード1
8を介して第2孔部1c内に吸引されてこの第2孔部1
cを充満し、さらには吐出し流体ダイオード19、給油
パイプ20を通って、駆動軸4に形成された給油穴21
及び給油溝21に供給され、各摺動部の潤滑がなされ
る。これにより、ローラ部8aの内面は常に油17が充
満する。
【0055】一方、ベーン部8bの進退運動により、第
2孔部1cに貯溜された油17が、吸入室12へ図9に
示すように給油される。
【0056】図9(a)及び(b)は、駆動軸4の回転
角θが0°及び60°の場合を示し、ベーン部8bの吸
入室側面8cに形成された油ポケット22がシリンダの
第2孔部1cに連通しており、この油ポケット22に破
線矢印で図示するように第2孔部1c内に貯溜された油
17が取り込まれる。
【0057】図9(c)、(d)及び(e)は、駆動軸
4の回転が進んだ回転角θが120°、180°及び2
40°の場合を示し、この状態では油ポケット22は吸
入室12に連通し、破線矢印で図示するように油ポケッ
ト22内に取り込まれた油17は吸入室12内の冷媒ガ
スとの密度差により吸入室12内に噴出し、冷媒ガスと
置換される。
【0058】図9(f)は、駆動軸4の回転がさらに進
んだ回転角θが300°の場合を示し、この状態では油
ポケット22は吸入室12及び第2孔部1cの何れにも
連通しない。その後、図9(a)に戻り、油ポケット2
2は再びシリンダの第2孔部1cと連通し、破線矢印で
図示するように第2孔部1c内の底部に貯溜した油17
と置換される。
【0059】以上の動作を繰り返すことにより吸入室1
2に所定量の油を確実に供給することができる。油17
の供給量は油ポケット22の容積を変えることにより容
易に変えることができ、最適油量に設定することができ
る。
【0060】次に、かかる本発明の揺動ピストン形圧縮
機24を搭載した冷凍空調装置を図10を参照して説明
する。この冷凍空調装置は、具体的にはルームエアコン
の例である。
【0061】この冷凍空調装置の冷凍サイクルは、冷暖
房が可能なヒートポンプサイクルで、揺動ピストン形圧
縮機24、室外熱交換器25、減圧装置、例えば膨張弁
26、室内熱交換器27、及び四方弁28を配管37で
連結することにより構成されている。室外熱交換器用フ
ァン25aは室外熱交換器25に通風するように設けら
れ、室内熱交換器用ファン27aは室内熱交換器27に
通風するように設けられている。一点鎖線で示す29は
室外ユニット、30は室内ユニットである。
【0062】揺動ピストン形圧縮機24を起動すること
により、作動流体(例えば、HCFC22、HFC40
7C、410AやHC系冷媒)の圧縮作用が行われる。
冷房運転の場合、圧縮された高温・高圧の作動ガスは実
線矢印で示すように吐出パイプ16から四方弁28を通
り室外熱交換器25に流入して、ファン25aの送風作
用で放熱、液化し、膨張弁26で絞られ、断熱膨張して
低温・低圧となり、室内熱交換器27で室内の熱を吸熱
してガス化された後、吸入パイプ13を経て揺動ピスト
ン形圧縮機24に吸入され、冷房が行われる。
【0063】一方、暖房運転の場合は、破線矢印で示す
ように冷房運転とは逆に流れ、圧縮された高温・高圧の
作動ガスは、吐出パイプ16から四方弁28を通り室内
熱交換器29に流入して、ファン29aの送風作用で室
内に放熱して液化し、膨張弁26で絞られ、断熱膨張し
て低温・低圧となり、室外熱交換器25で外気から熱を
吸熱してガス化された後、吸入パイプ13を経て揺動ピ
ストン形圧縮機24に吸入され、暖房が行われる。
【0064】上述した第2実施例の揺動ピストン形圧縮
機24の給油機構を用いることにより、冷凍サイクル中
の油循環率が0.1wt%〜1.0wt%となるように
吸入室12へ供給する油量を設定することが容易とな
り、冷凍空調装置の熱交換器の性能向上を図ることがで
き、高性能で高信頼性の揺動ピストン形圧縮機及び冷凍
空調装置を提供することができる。
【0065】次に、上述した第2実施例の揺動ピストン
形圧縮機24は回転数制御するものであり、この回転数
制御する場合の油ポケット22からの給油量について図
11を参照して説明する。なお、図11での回転角θは
図9の回転角θと対応し、回転数1000min-1の場
合と回転数3000min-1の場合を実線で示してい
る。
【0066】図11にて明らかなように、第2孔部1c
内の圧力は、駆動軸4の回転速度が高速になる程、圧力
変動が大きくなるものであり、回転角θが145°と3
25°の近傍で吸入圧力に対して負側から正側と正側か
ら負側に変動し、また、回転角θが約60°の近傍で負
側の最大値及び約240°の近傍で正側の最大値を有し
ている。このことから、第2実施例の給油機構において
は、第2孔部1cが吸入圧力に対し負圧になっている時
に、油ポケット22に油17を取り込むようにしている
ので、回転速度が高速になる程、低い圧力状態で油ポケ
ット22に油17を取り込むこととなり、従って、高速
で取り込んだ油17の方が吸入室12で冷媒ガスと置換
し難くなり、高速になる程、吸入室12へ供給する油量
を抑制できる。そこで、低速で最適油量となるように油
ポケット22の容積を設定することにより、広範囲の回
転速度にわたり吸入室に供給する油量を冷凍サイクル中
の油循環量が0.1wt%〜1.0wt%となるように
供給でき、幅広い回転速度にわたり安定した給油が可能
な高性能で高信頼性の揺動ピストン形圧縮機及び冷凍空
調装置が提供できる。また、第2実施例の給油機構にお
いては、図11の連通期間Aに示すように、油ポケット
22が第2孔部1cに連通し、第2孔部1cの負側のほ
ぼ最大値のところで連通を終了するようにしているの
で、回転速度による給油量の抑制を顕著なものとするこ
とができる。
【0067】次に、本発明の揺動ピストン形圧縮機にお
いて、広範囲の回転速度にわたり吸入室に供給する油量
を冷凍サイクル中の油循環量が0.1wt%〜1.0w
t%となるように供給するための油分離機構の各実施例
について説明する。
【0068】図12は本発明の第3実施例を示す横型揺
動ピストン形圧縮機の油分離機構部分の断面図である。
ここで図12は、図7の吸入パイプ13に相当する部分
の近傍を拡大したものであり、図13から図16におい
ても同様である。
【0069】吸入室12と連通する吸入通路14には吸
込口パイプ14aが取り付けられている。この吸込口パ
イプ14aの入口14bは、吸入パイプ13から吸い込
まれる冷媒ガスが直接吸入室12に吸い込まれないよう
に、吸入パイプ13とずらしている。吸入パイプ13か
ら吸い込まれる前記冷媒ガスは、通常、油が混入した状
態となっている。吸入パイプ13から冷媒ガスと共に吸
い込まれた油は、密閉容器6に流入した際に、吐出カバ
ー15や吸込口パイプ14aに衝突し、油が前記吐出カ
バー15や吸込口パイプ14aに付着することにより両
者は分離される。この時、冷媒ガスの流速が速いほど付
着しやすくなり、分離効率が良くなる。従って、流速が
速くなる高速域で油分離効率が向上し、吸入室12へ冷
媒ガスと共に吸い込まれる油量を抑制することができ
る。
【0070】図13は本発明の第4実施例を示す横型揺
動ピストン形圧縮機の油分離機構部分の断面図、図14
は本発明の第5実施例を示す横型揺動ピストン形圧縮機
の油分離機構部分の断面図である。
【0071】前述した図12に示す油分離機構は吸入パ
イプ13の吸込方向と吸込口パイプ14aの吸込方向が
同一方向のものであるが、図13及び図114に示す油
分離機構は、吸込口パイプ14aの吸込方向を吸入パイ
プ13の吸込方向に対して、それぞれ90°及び180
°の角度を持つように変化させている。このように、吸
入パイプ13の吸込方向と吸込口パイプ14aの吸込方
向を変化させることにより、吐出カバー15や吸込口パ
イプ14aに衝突後に冷媒ガスと共に吸い込まれる油量
を図12で示したものより低減できる。なお、吸込口パ
イプ14aを断熱性のある樹脂系材料で構成することに
より冷媒ガスが加熱される影響を少なくできる。
【0072】図15は本発明の第5実施例を示す横型揺
動ピストン形圧縮機の油分離機構部分の断面図である。
この図15に示す油分離機構は、吸入パイプ13が流路
抵抗が大きくならない程度の円弧で曲げられており、冷
媒ガスが円弧部14cを通過後、直接吸入通路14へ流
入するように前記吸入パイプ13に吸入通路14が挿入
されている。吸入パイプ13から冷媒ガスと共に吸い込
まれた油は、円弧部14cで油と冷媒ガスの密度差によ
る遠心力差により両者は分離される。分離された油は前
記隙間14dを通って密閉容器6の底部に戻される。こ
の時、流速が速くなる高速域で油の遠心力が大きくなり
油分離効率が向上し、吸入室12へ冷媒ガスと共に吸い
込まれる油量を抑制することができる。また、冷媒ガス
が円弧部14cを通過後、直接吸入通路14へ流入する
ように前記吸入パイプ13に吸入通路14が挿入されて
いるので冷媒ガスが加熱される影響を少なくできる。
【0073】図16及び図17は本発明の第7実施例を
示す横型揺動ピストン形圧縮機の油分離機構部分の断面
図である。この図16に示す油分離機構は、吸入通路1
4と吸入パイプ13との間に多数の小穴を設けた邪魔板
14eが取り付けられている。吸入パイプ13を通って
冷媒ガスと共に吸い込まれた油は、吸入パイプ13を通
過後、邪魔板14eに衝突し、油が前記邪魔板14eに
付着することにより両者は分離され、分離された油は邪
魔板14eを伝わって密閉容器6の底部へと戻される。
この時、冷媒ガスの流速が速いほど付着しやすくなり、
分離効率が良くなる。従って、流速が速くなる高速域で
油分離効率が向上し、吸入室12へ冷媒ガスと共に吸い
込まれる油量を抑制することができる。また、冷媒ガス
は邪魔板14e通過後、直接吸入通路14へ吸い込まれ
るので冷媒ガスが加熱される影響を少なくできる。な
お、図16では邪魔板14eを2枚で示したが、邪魔板
14eはその枚数や小穴の大きさ、数を変えることによ
り分離効率を調整することができる。
【0074】以上説明した本発明の第3実施例から第7
実施例の油分離機構は、高速域で吸入室12へ吸い込ま
れる油量を抑制できるので、第1及び第2実施例にて説
明した吸入室12への油供給機構と併用し、前記油供給
機構の油ポケット容積を低速で最適油量となるように設
定することにより、広範囲の回転速度にわたり吸入室に
供給する油量を冷凍サイクル中の油循環量が0.1wt
%〜1.0wt%となるように供給することができ、幅
広い回転速度にわたり安定した給油が可能な高性能で高
信頼性の揺動ピストン形圧縮機が提供できる。
【0075】なお、上記本発明の第3実施例から第7実
施例の油分離機構を縦形揺動ピストン形圧縮機に適用す
ることは容易である。
【0076】これまでに述べた実施例では、揺動ピスト
ン形圧縮機として1シリンダの圧縮機を例に挙げて説明
したが、本発明はこれ以外に2シリンダ以上の揺動ピス
トン形圧縮機にも適用できる。
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、コストダウンが図れ、
かつ高性能及び高信頼性の揺動ピストン形圧縮機及び冷
凍空調装置を得ることができる。
【0078】また、本発明によれば、コストダウンが図
れ、かつ広い運転範囲における高性能及び高信頼性の揺
動ピストン形圧縮機及び冷凍空調装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例における縦型揺動ピストン
形圧縮機の横断面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】図1の縦型揺動ピストン形圧縮機の給油機構の
動作説明図である。
【図4】図1の縦型揺動ピストン形圧縮機を用いた本発
明の冷凍空調装置の冷凍サイクル説明図である。
【図5】図1の縦型揺動ピストン形圧縮機における油循
環率と成績係数COPの関係を示す特性図である。
【図6】図1の縦型揺動ピストン形圧縮機における回転
速度と油循環率の関係を示す特性図である。
【図7】本発明の第2実施例における横型揺動ピストン
形圧縮機の横断面図である。
【図8】図7のB−B断面図である。
【図9】図7の横型揺動ピストン形圧縮機の給油機構の
動作説明図である。
【図10】図7の横型揺動ピストン形圧縮機を用いた本
発明の冷凍空調装置の冷凍サイクル説明図である。
【図11】図7の横型揺動ピストン形圧縮機における回
転角と孔部内圧力との関係を示す特性図である。
【図12】本発明の第3実施例を示す横型揺動ピストン
形圧縮機の油分離機構部分の断面図である。
【図13】本発明の第4実施例を示す横型揺動ピストン
形圧縮機の油分離機構部分の断面図である。
【図14】本発明の第5実施例を示す横型揺動ピストン
形圧縮機の油分離機構部分の断面図である。
【図15】本発明の第6実施例を示す横型揺動ピストン
形圧縮機の油分離機構部分の断面図である。
【図16】本発明の第7実施例を示す横型揺動ピストン
形圧縮機の油分離機構部分の断面図である。
【図17】図16のC−C断面図である。
【符号の説明】
1…シリンダ、1a…円筒状内周面、1b…円筒第2孔
部1c…孔部、2…主軸受、2a…軸受部、3副軸受、
3a…軸受部、3b…吐出ポート、3c…吐出室、4…
駆動軸、4a…偏心部、4b…給油ピース、5…回転
子、6…密閉容器、7…固定子、8…揺動ピストン、8
a…ローラ部、8b…ベーン部、8c…吸入室側面、1
0…滑動部材、11…圧縮室、12…吸入室、13…吸
入パイプ、14…吸入通路、14a…吸入口、14b…
入口、14c…円弧部、14d…隙間、14e…邪魔
板、15…吐出カバー、16…吐出パイプ、17…油、
18…吸込み流体ダイオード、19…吐出しダイオー
ド、20…給油パイプ、21…給油穴及び給油溝、2
2、23…油ポケット、24…揺動ピストン形圧縮機、
25…室外熱交換器、25a…ファン、26…減圧装置
(膨張弁)、27…室内熱交換器、27a…ファン、2
8…四方弁、29…室外ユニット、30…室内ユニッ
ト、31…凝縮器、31a…ファン、32…減圧装置
(膨張弁)、33…蒸発器、33a…ファン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F25B 43/02 F25B 43/02 M (72)発明者 大島 健一 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 川南 茂也 栃木県下都賀郡大平町大字富田800番地 株式会社日立製作所冷熱事業部内 (72)発明者 早瀬 功 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社日 立製作所機械研究所内 Fターム(参考) 3H029 AA04 AA15 AA21 AB03 BB04 BB35 BB42 CC03 CC05 CC07 CC22 CC24 CC33 CC44

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉容器内に電動要素、圧縮要素及びこの
    両者を連結する駆動軸を配置すると共に、この密閉容器
    内を吸入圧力とし、前記電動要素は固定子及び回転子を
    有し、前記圧縮要素は圧縮機構及び給油機構を有し、前
    記圧縮機構は、シリンダと、このシリンダ内に回転可能
    に配置されたピストンと、前記シリンダの両端開口を閉
    鎖する主軸受及び副軸受とを備え、前記ピストンは、ロ
    ーラ部と、このローラ部の外周面から半径方向に突出し
    て前記シリンダ内を吸入室と圧縮室とに仕切るベーン部
    とを一体に有し、前記給油機構は、前記吸入室と油供給
    側とに間欠的に連通する油ポケットを介して前記油供給
    側から前記吸入室に油を供給するように形成したことを
    特徴とする揺動ピストン形圧縮機。
  2. 【請求項2】密閉容器内に電動要素、圧縮要素及びこの
    両者を連結する駆動軸を配置すると共に、この密閉容器
    内を吸入圧力とし、この密閉容器内への吸込み部から吸
    入室への間に油分離機構を備え、前記電動要素は、固定
    子及び回転子を有すると共に、回転数制御され、前記圧
    縮要素は圧縮機構及び給油機構を有し、前記圧縮機構
    は、シリンダと、このシリンダ内に回転可能に配置され
    たピストンと、前記シリンダの両端開口を閉鎖する主軸
    受及び副軸受とを備え、前記ピストンは、ローラ部と、
    このローラ部の外周面から半径方向に突出して前記シリ
    ンダ内を吸入室と圧縮室とに仕切るベーン部とを一体に
    有し、前記給油機構は、前記吸入室と油供給側とに間欠
    的に連通する油ポケットを介して前記油供給側から前記
    吸入室に油を供給するように形成し、前記油分離機構
    は、密閉容器内へ戻る冷媒ガスの流速により分離量が変
    化するように形成したことを特徴とする揺動ピストン形
    圧縮機。
  3. 【請求項3】密閉容器内に電動要素、圧縮要素及びこの
    両者を連結する駆動軸を配置すると共に、この密閉容器
    内を吸入圧力とし、前記電動要素は、固定子及び回転子
    を有すると共に、回転数制御され、前記圧縮要素は圧縮
    機構及び給油機構を有し、前記圧縮機構は、シリンダ
    と、このシリンダ内に回転可能に配置されたピストン
    と、前記シリンダの両端開口を閉鎖する主軸受及び副軸
    受とを備え、前記ピストンは、ローラ部と、このローラ
    部の外周面から半径方向に突出して前記シリンダ内を吸
    入室と圧縮室とに仕切ると共に先端部が前記シリンダの
    孔部に挿入されたベーン部とを一体に有し、前記給油機
    構は、前記ベーン部の先端部が挿入された孔部を油供給
    側とし、この孔部と前記吸入室とに間欠的に連通する油
    ポケットを前記ベーン部に形成して前記油供給側から前
    記吸入室に油を供給するように形成し、前記孔部内圧力
    の負側の最大値にほぼ等しい位置で前記油ポケットと前
    記孔部との連通が終了するように形成したことを特徴と
    する揺動ピストン形圧縮機。
  4. 【請求項4】揺動ピストン形圧縮機、凝縮器、減圧装置
    及び蒸発器を配管で接続して冷凍サイクルを構成し、前
    記揺動ピストン形圧縮機は、密閉容器内に電動要素、圧
    縮要素及びこの両者を連結する駆動軸を配置すると共
    に、この密閉容器内を吸入圧力とし、前記電動要素は固
    定子及び回転子を有し、前記圧縮要素は圧縮機構及び給
    油機構を有し、前記圧縮機構は、シリンダと、このシリ
    ンダ内に回転可能に配置されたピストンと、前記シリン
    ダの両端開口を閉鎖する主軸受及び副軸受とを備え、前
    記ピストンは、ローラ部と、前記シリンダ内を吸入室と
    圧縮室とに仕切るベーン部とを有し、前記給油機構は、
    前記冷凍サイクル内の油循環率が0.1wt%〜1.0
    wt%となるように形成したことを特徴とする冷凍空調
    装置。
  5. 【請求項5】揺動ピストン形圧縮機、凝縮器、減圧装置
    及び蒸発器を配管で接続して冷凍サイクルを構成し、前
    記揺動ピストン形圧縮機は、密閉容器内に電動要素、圧
    縮要素及びこの両者を連結する駆動軸を配置すると共
    に、この密閉容器内を吸入圧力とし、前記電動要素は固
    定子及び回転子を有し、前記圧縮要素は圧縮機構及び給
    油機構を有し、前記圧縮機構は、シリンダと、このシリ
    ンダ内に回転可能に配置されたピストンと、前記シリン
    ダの両端開口を閉鎖する主軸受及び副軸受とを備え、前
    記ピストンは、ローラ部と、前記シリンダ内を吸入室と
    圧縮室とに仕切るベーン部とを有し、前記給油機構は、
    前記吸入室と油供給側とに間欠的に連通する油ポケット
    を介して前記油供給側から前記吸入室に油を供給して、
    前記冷凍サイクル内の油循環率が0.1wt%〜1.0
    wt%となるように形成したことを特徴とする冷凍空調
    装置。
JP35046599A 1999-12-09 1999-12-09 揺動ピストン形圧縮機 Expired - Fee Related JP4381532B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35046599A JP4381532B2 (ja) 1999-12-09 1999-12-09 揺動ピストン形圧縮機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35046599A JP4381532B2 (ja) 1999-12-09 1999-12-09 揺動ピストン形圧縮機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001165065A true JP2001165065A (ja) 2001-06-19
JP4381532B2 JP4381532B2 (ja) 2009-12-09

Family

ID=18410687

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35046599A Expired - Fee Related JP4381532B2 (ja) 1999-12-09 1999-12-09 揺動ピストン形圧縮機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4381532B2 (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006035680A1 (ja) * 2004-09-28 2006-04-06 Daikin Industries, Ltd. 摺動部材及び流体機械
JP2013531162A (ja) * 2010-05-24 2013-08-01 ワールプール・エシ・ア 冷凍圧縮機の吸入機構
JP2016023573A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 日立アプライアンス株式会社 密閉形圧縮機及びこれを搭載した機器
CN105545749A (zh) * 2016-03-04 2016-05-04 广东美芝制冷设备有限公司 旋转式压缩机及具有其的制冷系统
JPWO2014083900A1 (ja) * 2012-11-30 2017-01-05 三菱電機株式会社 圧縮機、冷凍サイクル装置およびヒートポンプ給湯装置
WO2018135013A1 (ja) * 2017-01-18 2018-07-26 三菱電機株式会社 圧縮機及び冷凍サイクル装置
US10928108B2 (en) 2012-09-13 2021-02-23 Emerson Climate Technologies, Inc. Compressor assembly with directed suction
US11236748B2 (en) 2019-03-29 2022-02-01 Emerson Climate Technologies, Inc. Compressor having directed suction
US11248605B1 (en) 2020-07-28 2022-02-15 Emerson Climate Technologies, Inc. Compressor having shell fitting
US11619228B2 (en) 2021-01-27 2023-04-04 Emerson Climate Technologies, Inc. Compressor having directed suction
US11767838B2 (en) 2019-06-14 2023-09-26 Copeland Lp Compressor having suction fitting

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006035680A1 (ja) * 2004-09-28 2006-04-06 Daikin Industries, Ltd. 摺動部材及び流体機械
JP2013531162A (ja) * 2010-05-24 2013-08-01 ワールプール・エシ・ア 冷凍圧縮機の吸入機構
US10995974B2 (en) 2012-09-13 2021-05-04 Emerson Climate Technologies, Inc. Compressor assembly with directed suction
US10928108B2 (en) 2012-09-13 2021-02-23 Emerson Climate Technologies, Inc. Compressor assembly with directed suction
JPWO2014083900A1 (ja) * 2012-11-30 2017-01-05 三菱電機株式会社 圧縮機、冷凍サイクル装置およびヒートポンプ給湯装置
JP2016023573A (ja) * 2014-07-18 2016-02-08 日立アプライアンス株式会社 密閉形圧縮機及びこれを搭載した機器
CN105545749A (zh) * 2016-03-04 2016-05-04 广东美芝制冷设备有限公司 旋转式压缩机及具有其的制冷系统
WO2018135013A1 (ja) * 2017-01-18 2018-07-26 三菱電機株式会社 圧縮機及び冷凍サイクル装置
CN110312871A (zh) * 2017-01-18 2019-10-08 三菱电机株式会社 压缩机及制冷循环装置
JPWO2018135013A1 (ja) * 2017-01-18 2019-11-07 三菱電機株式会社 圧縮機及び冷凍サイクル装置
CN110312871B (zh) * 2017-01-18 2021-03-09 三菱电机株式会社 压缩机及制冷循环装置
US11306953B2 (en) 2017-01-18 2022-04-19 Mitsubishi Electric Corporation Compressor and refrigeration cycle apparatus
US11236748B2 (en) 2019-03-29 2022-02-01 Emerson Climate Technologies, Inc. Compressor having directed suction
US11767838B2 (en) 2019-06-14 2023-09-26 Copeland Lp Compressor having suction fitting
US11248605B1 (en) 2020-07-28 2022-02-15 Emerson Climate Technologies, Inc. Compressor having shell fitting
US11619228B2 (en) 2021-01-27 2023-04-04 Emerson Climate Technologies, Inc. Compressor having directed suction

Also Published As

Publication number Publication date
JP4381532B2 (ja) 2009-12-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4561326B2 (ja) 流体機械
JP6948531B2 (ja) インジェクション機能を備えた圧縮機
JP2006266170A (ja) 密閉形スクロール圧縮機及び冷凍空調装置
JP2008101559A (ja) スクロール圧縮機およびそれを用いた冷凍サイクル
JP6928792B2 (ja) スクロール圧縮機
US20100326128A1 (en) Fluid machine
JP2001165065A (ja) 揺動ピストン形圧縮機及び冷凍空調装置
WO2008038366A1 (fr) expanseur à spirale
JP4013552B2 (ja) 密閉形圧縮機
JPH1037868A (ja) スクロール圧縮機
JP2006132377A (ja) 流体機械
JP4384368B2 (ja) 密閉型回転圧縮機及び冷凍・空調装置
US11953005B2 (en) Compressor having orbiting scroll supply hole to lubricate thrust surface
JPH07301190A (ja) ロータリ圧縮機
JP4110781B2 (ja) 密閉型回転式圧縮機
JP2001254688A (ja) 揺動ピストン形圧縮機及びこれを用いた冷凍装置
JP2004324595A (ja) 容積形流体機械
JP2000179472A (ja) ロータリ圧縮機
JP4074760B2 (ja) 密閉型回転圧縮機及び冷凍・空調装置
JP2013204488A (ja) スクロール式流体機械
JP7470567B2 (ja) 圧縮機及び冷凍サイクル装置
JP2023136791A (ja) 密閉型ロータリ圧縮機およびこれを備える冷蔵庫
CN112412791B (zh) 回转式压缩机及冷冻循环装置
JP2006037896A (ja) スクロール圧縮機
JP2024048814A (ja) 密閉型ロータリ圧縮機及びこれを備えた冷蔵庫

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060224

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060224

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090401

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090609

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090803

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090825

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090916

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121002

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131002

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees