JP2024048814A - 密閉型ロータリ圧縮機及びこれを備えた冷蔵庫 - Google Patents

密閉型ロータリ圧縮機及びこれを備えた冷蔵庫 Download PDF

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Abstract

【課題】冷媒の封入量を低減でき、且つ吐出圧力空間の冷媒が低圧空間に逆流することも抑制して、体積効率を向上する。【解決手段】密閉型ロータリ圧縮機は、密閉容器、電動機部、クランク軸、圧縮機構部、密閉容器内の油貯溜部及び吐出室を備える。前記圧縮機構部は、シリンダ室を形成するシリンダと、シリンダ室内で偏心回転するローラと、ローラの外周面に当接してシリンダ室を吸入室と圧縮室に区画するベーンと、シリンダ室を覆うと共にクランク軸を支持する主軸受及び副軸受を有し、前記シリンダには、ベーンを収容するベーンスロットと、このベーンスロットの外周側に形成されるベーン背後空間と、ベーンを押し付けるスプリングが設けられ、密閉容器内の圧力は吸入圧力になるように構成され、前記ベーン背後空間を閉じられた空間に構成すると共に、ベーン背後空間はベーンスロット部の隙間を介してのみ他の空間と連通する。【選択図】図1

Description

本発明は冷媒を圧縮する密閉型ロータリ圧縮機及びこれを備えた冷蔵庫に関する。
冷蔵庫や空気調和機等の冷凍サイクル装置に使用される密閉型ロータリ圧縮機としては、例えばWO2017/061014号公報(特許文献1)に記載されたものがある。この特許文献1のものには、密閉容器内に電動機部と電動機部によって駆動される圧縮機構部とを備え、圧縮機構部は、電動機部により回転駆動されるクランクシャフトと、シリンダ室を備えたシリンダと、クランクシャフトの偏心軸部に嵌め合わされ、シリンダ室内を偏心して回転するローリングピストンと、先端部がローリングピストンに押圧されてシリンダ室を吸入室と圧縮室とに仕切る板状のベーンと、シリンダに形成され、ベーンを往復摺動自在に収容するベーン溝とを備え、ベーンの吸入室側の側面に、圧縮機構部で圧縮された冷媒をベーンの吸入側に引き込む通路が設けられたロータリ圧縮機が記載されている。
密閉型ロータリ圧縮機の他の例としては、特開2008-128231号公報(特許文献2)に記載されたものがある。この特許文献2のものは、密閉されたシリンダ組立体の内部空間でローリングピストンが偏心回転運動し、ローリングピストンに接触するベーンが半径方向に直線運動して内部空間を圧縮室と吸入室とに区画し、ベーンがセーブ運転時にベーンに加えられる圧力差により拘束される容量可変型ロータリ圧縮機が記載されている。
ところで、近年、冷蔵庫や空気調和機に使用される冷媒として、地球温暖化係数(GWP)の低い冷媒であるイソブタン(R600a)やR32等の可燃性冷媒が使用されている。特に、家庭用の冷蔵庫に使用されているイソブタンは強燃性の冷媒であるため、その使用量には厳しい制限があり、冷蔵庫1台あたりに封入できる冷媒量は非常に少ない量に制限されている。即ち、電気用品安全法により技術基準が定められており、例えば、家庭用冷蔵庫のイソブタンの使用量は100g以下に制限されている。
WO2017/061014号公報 特開2008-128231号公報
上述したように、冷蔵庫や空気調和機に使用される冷媒として、可燃性冷媒が使用される場合、冷凍サイクルに封入される冷媒量をできるだけ少なくすることが求められている。
密閉型ロータリ圧縮機は、圧縮機構部の摺動部を潤滑するための潤滑油(以下、冷凍機油や油とも言う)を溜める油貯溜部を有している。特許文献1及び2においては、潤滑油を差圧により各摺動部に供給するものであるため、油貯溜部は吐出圧力空間に設けられている。冷媒の冷凍機油に対する溶解量は圧力が高いほど多くなるので、冷媒は圧力が高いほど冷凍機油に吸収される量(溶解量)が増加する。
このため、冷蔵庫や空気調和機用の冷媒圧縮機として、油貯溜部が吐出圧力空間となる密閉型ロータリ圧縮機を採用し、冷媒として低GWP冷媒であるイソブタン(R600a)やR32等の可燃性冷媒を用いるものでは、冷凍機油への冷媒溶解量が多くなることから、可燃性冷媒の封入量が多くなり、電気用品安全法により定められた基準を達成することが難しくなる課題があった。
また、吐出圧力空間の油貯溜部から、圧縮機構部の摺動部、油溝及び構成部品の組立隙間等に供給された冷凍機油は、その後低圧空間に流れ込むが、低圧空間に流入した冷凍機油からは、雰囲気の圧力低下に伴い、冷凍機油に溶解していた冷媒の一部が気泡という形で発泡する。これは吐出圧力空間の冷媒が低圧空間に逆流することを意味しており、体積効率の低下要因となる。そのため、吐出圧力空間の油が低圧空間に入ることは、体積効率の低下を招く課題もある。
さらに、高温の吐出ガスに触れていた冷凍機油は高温となっており、高温の冷凍機油をシリンダ内に導入することは、シリンダ内の冷媒ガスを加熱する要因となり、この点も体積効率低下の要因となる。
本発明の目的は、冷媒の封入量を低減することができ、且つ吐出圧力空間の冷媒が低圧空間に逆流することも抑制して、体積効率を向上できる密閉型ロータリ圧縮機及びこれを備えた冷蔵庫を得ることにある。
上記目的を達成するため、本発明は、密閉容器と、この密閉容器内に収納された電動機部と、該電動機部とクランク軸を介して連結されて駆動され冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記密閉容器の底部に設けられ潤滑油を貯溜する油貯溜部と、圧縮された冷媒が流入する吐出室と、を備える密閉型ロータリ圧縮機であって、前記圧縮機構部は、シリンダ室を形成するシリンダと、前記シリンダ室内で偏心回転するローラと、このローラの外周面に当接して前記シリンダ室を吸入室と圧縮室に区画するベーンと、前記シリンダの端面に当接して前記シリンダ室を覆うと共に前記クランク軸を回転支持する主軸受及び副軸受を有し、前記シリンダには、前記ベーンを収容するベーンスロットと、このベーンスロットの外周側に形成されるベーン背後空間と、前記ベーンを前記ローラの外周に押し付けるスプリングが設けられ、前記密閉容器内の圧力は吸入圧力になるように構成され、前記ベーン背後空間を閉じられた空間に構成すると共に、前記ベーン背後空間は前記ベーンスロット部の隙間を介してのみ他の空間と連通する構成としていることを特徴とする。
また、本発明の他の特徴は、密閉容器と、この密閉容器内に収納された電動機部と、該電動機部とクランク軸を介して連結されて駆動され冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記密閉容器の底部に設けられ潤滑油を貯溜する油貯溜部と、を備える密閉型ロータリ圧縮機であって、前記圧縮機構部は、シリンダ室を形成するシリンダと、前記シリンダ室内で偏心回転するローラと、このローラの外周面に当接して前記シリンダ室を吸入室と圧縮室に区画するベーンと、前記シリンダの端面に当接して前記シリンダ室を覆うと共に前記クランク軸を回転支持する主軸受及び副軸受を有し、前記シリンダには、前記ベーンを収容するベーンスロットと、このベーンスロットの外周側に形成されるベーン背後空間と、前記ベーンを前記ローラの外周に押し付けるスプリングが設けられ、前記密閉容器内の圧力は吸入圧力になるように構成され、前記シリンダに前記ベーンスロットが形成され、このベーンスロットが形成されている前記シリンダには、前記ベーンスロットに連通する連通路が形成され、この連通路は前記圧縮室から吐出された冷媒の吐出圧力空間と連通し、前記シリンダに形成されている前記連通路のベーンスロット側は、前記ベーンにおける吸入室側(低圧側)に開口し、前記吐出圧力空間からの高圧冷媒を前記ベーンに作用させて該ベーンを前記ベーンスロット内で傾斜させるように構成していることにある。
本発明の更に他の特徴は、密閉型ロータリ圧縮機、凝縮器、膨張装置、蒸発器を備え、これらの機器を冷媒配管により順次接続して冷凍サイクルを構成し、冷凍サイクルの冷媒として強燃性冷媒を使用して、前記蒸発器で冷気を作り出し庫内に放出する冷蔵庫であって、前記密閉型ロータリ圧縮機として上述した密閉型ロータリ圧縮機の何れかを用いている密閉型ロータリ圧縮機を備えた冷蔵庫にある。
本発明によれば、冷媒の封入量を低減することができ、且つ吐出圧力空間の冷媒が低圧空間に逆流することも抑制して、体積効率を向上できる密閉型ロータリ圧縮機及びこれを備えた冷蔵庫を得ることができる効果がある。
本発明の密閉型ロータリ圧縮機の実施例1を示す図で、ベーンの部分で切断したロータリ圧縮機の縦断面図である。 実施例1の密閉型ロータリ圧縮機を吐出孔の部分で切断した縦断面図である。 実施例1の密閉型ロータリ圧縮機を連通路の部分で切断した縦断面図である。 図1~3に示すシリンダの斜視図である。 図4に示すシリンダの要部を側面から見た模式図で、クランク軸、ベーン及びローラも併せて記載した図である。 実施例1の密閉型ロータリ圧縮機におけるクランク角に対する圧縮室とベーン背後空間の圧力変化を説明する線図である。 図5の要部を示す図で、シリンダのベーンスロットを形成している壁面とベーン7との間の隙間を誇張して示す要部模式図である。 実施例1に対する比較例を説明する図で、図7に相当する図である。 本発明の実施例2を示す図で、本発明の密閉型ロータリ圧縮機を備えた冷蔵庫を示す縦断面図である。 図9に示す冷蔵庫における密閉型ロータリ圧縮機付近の模式図である。
以下、本発明の密閉型ロータリ圧縮機及びこれを備えた冷蔵庫の具体的実施例を、図面に基づいて説明する。各図において、同一符号を付した部分は同一或いは相当する部分を示している。
本発明の密閉型ロータリ圧縮機の実施例1を図1~図8を用いて説明する。本実施例1の密閉型ロータリ圧縮機は、冷蔵庫や空気調和機等の冷凍サイクル装置を構成する冷媒圧縮機として利用されるものである。
まず、本実施例1の密閉型ロータリ圧縮機(以下、単にロータリ圧縮機や圧縮機ともいう)100の全体構成を図1~3を用いて説明する。図1~3は、それぞれ本発明のロータリ圧縮機の実施例1を示す縦断面図で、図1はベーンの部分で切断したロータリ圧縮機の縦断面図、図2は吐出孔の部分切断したロータリ圧縮機の縦断面図、図3は連通路の部分で切断したロータリ圧縮機の縦断面図である。
図1~3において、1は密閉容器で、この密閉容器1内の下部には油貯溜部50が設けられ、潤滑油(冷凍機油、油)が封入されている。2は密閉容器1内に固定して設けられた電動機部で、この電動機部2は固定子2a及び回転子2bを備えている。3は前記電動機部2の回転子2bに一体に固定されたクランク軸、4は前記密閉容器1内設けられた圧縮機構部で、この圧縮機構部4は前記電動機部2により前記クランク軸3を介して駆動され、冷凍サイクル装置から吸入した冷媒を圧縮する。
前記圧縮機構部4は、クランク軸3の電動機部2側である上軸3bを支持するボス部5aを備える主軸受(上ラジアル軸受)5と、前記クランク軸3の下部側である下軸3cを支持するボス部6aを備える副軸受(下ラジアル軸受)6と、前記主軸受5と前記副軸受6との間に挟持され締結ボルトで一体に固定されたシリンダ8を備える。
また、図1に示すように、前記圧縮機構部4は、前記シリンダ8内に収容され前記クランク軸3に形成された偏心部3aの偏心回転により公転駆動されるローラ9と、ローラ9の外周側から外径方向に延びローラ9の公転運動(偏心運動)に応じて前記シリンダ8に設けられたベーンスロット(ベーン収納部)8b(図4参照)に出入りするベーン7と、このベーン7を前記ローラ9に押し付けるスプリング7aも備えている。スプリング7aはシリンダ8に設けられたベーン背後空間8c内に収納されている。
前記圧縮機構部4には、シリンダ8、ローラ9、ベーン7、主軸受5及び副軸受6によりシリンダ室11(吸入室11a及び圧縮室11b)(図5参照)が形成される。シリンダ8には、吸入室11a内に冷凍サイクルからの冷媒(冷媒ガス)を吸入するための吸入穴8a(図4,5参照)が設けられている。冷凍サイクルからの冷媒は吸入管(吸入流路)19を介して密閉容器1内に導入され、密閉容器1内に導入された冷媒は、吸入穴8aを介して吸入室11a内に吸入される。本実施例の密閉型ロータリ圧縮機100は、密閉容器1内が冷凍サイクル内の低圧空間(蒸発器側)と接続されているので、密閉容器1内は圧縮機の吸入圧力の空間(低圧空間)となっている。
シリンダ8内をローラ9が公転運動することにより、吸入した冷媒を圧縮室11bで圧縮し、圧縮された冷媒は、図2に示すように、シリンダ8に形成された吐出切欠き部8d及び主軸受5に形成された吐出ポート(吐出孔)5cを介して、吐出カバー18内の吐出室18aへ吐出される。13は前記吐出ポート5cの吐出室18a側の開口部を開閉するように設けられた吐出弁であり、吐出室18a側から圧縮室11b側への逆流を防止するものである。前記吐出カバー18内の吐出室18aに吐出された冷媒は、吐出管20を介して圧縮機外の冷凍サイクルの凝縮器(放熱器)210(図10参照)側へと供給される。前記吐出室18aは前記吐出管20を介して冷凍サイクルの高圧空間(凝縮器側)と接続されているため、圧縮機の回転が一時的に停止しても、吐出室18aは吐出圧力空間(高圧空間)となっている。
前記主軸受5はその外周壁部で密閉容器1に溶接などで固定されている。この主軸受5に、前記シリンダ8と前記副軸受6が締結ボルト(図示せず)で固定されている。なお、14は前記電動機部2に電気を供給するための電源端子である。
前記密閉容器1内下方には潤滑油(冷凍機油、油)を溜める油貯溜部50が設けられており、油貯溜部50の潤滑油は、クランク軸3下端に設けられた油流入部16から、クランク軸3に形成された中空部3dを経て、クランク軸3と主軸受5及び副軸受6との摺動面、偏心部3aとローラ9との摺動面、ローラ9とシリンダ8及びベーン7との摺動面等の圧縮機構部4の各摺動面に給油される。
即ち、本実施例においては、クランク軸3の回転運動によって中空部3d内の潤滑油が、遠心ポンプ作用によって昇圧され、各摺動部に供給されるように構成されている。更に詳しく説明すると、本実施例では油貯溜部50における潤滑油は、その油面がシリンダ8の上端面以上の高さになるように密閉容器1内に封入されており、中空部3d内に流入した潤滑油はクランク軸3の回転と共に旋回して遠心力を発生させ、また偏心部3aに形成した径方向孔3eによる遠心力や、前記中空部3dと連通し前記クランク軸3の外周面に形成されたスパイラル溝3fによるポンプ作用で、圧縮機構部4の各摺動部に油が供給されるように構成されている。
本実施例の密閉型ロータリ圧縮機100は、上述した構成により、潤滑油が封入されている密閉容器1内の油貯溜部50は、冷凍サイクル内の低圧空間(圧縮機の吸入圧力空間)となっているため、潤滑油への冷媒溶解量を少なくすることができる。即ち、潤滑油に溶解している冷媒量は低圧になるほど少なくなる傾向にあるため、密閉容器1内が吐出圧力空間になっている従来の密閉型ロータリ圧縮機と比較して、圧縮機内の冷媒量を少なく設定することが可能となる。
図3は図1に破線で示す連通路5bの部分で切断したロータリ圧縮機の縦断面図であり、この図3に示すように、主軸受5には吐出室18aと連通する連通路(第1の連通路)5bが形成されており、シリンダ8にも前記第1の連通路5bに連通するように連通路(第2の連通路)8eが形成されている。吐出カバー18内で吐出冷媒ガスから分離された油の一部が、前記第1の連通路5b及び前記第2の連通路8eを介して、前記ベーンスロット8b内に供給されるように構成されている。
次に、図4、図5を用いてシリンダ8の構造について説明する。図4は図1~3に示すシリンダ8の斜視図、図5は図4に示すシリンダ8の要部を側面から見た模式図で、クランク軸3、ベーン7及びローラ9も併せて記載した図である。
図4に示すように、シリンダ8には、吸入穴8a、ベーンスロット8b、ベーン背後空間8c、吐出切欠き部8d及び第2の連通路8eなどが形成されている。なお、8fは締結ボルトを通すためのボルト穴で、前記締結ボルトにより、主軸受5と副軸受6との間にシリンダ8が挟持されて、これらが一体に固定されるように構成されている。
図5に示すように、ベーン7はベーンスロット8b内に挿入されている。ベーン7の先端側は、ローラ9の外周にスプリング7a(図1参照)によって押し付けられている。スプリング7aとベーン7とが接触する側の空間を、ベーン背後空間8cと呼ぶことにする。このベーン背後空間8cはシリンダ8、主軸受5、副軸受6、密閉容器1の壁面で構成される閉じられた空間(略密閉空間)であり、密閉容器1内の圧縮機吸入圧力空間とは隔てられている。即ち、本実施例では、ベーン背後空間8cを閉じられた空間に構成すると共に、ベーン背後空間8cはベーンスロット8b部の隙間を介してのみ他の空間(吸入室11a、圧縮室11b、吐出室18a等の空間)と連通する構成としている。ここでベーンスロット8b部の隙間とは、ベーン7とシリンダ8との間の隙間、及びベーン7と主軸受5や副軸受6との間の隙間である。
つまり、ベーン背後空間8cを、密閉容器1内の低圧空間(吸入室11aや密閉容器内空間)とは直接連通させず、ベーンの往復動で圧力変動する程度の密閉空間(略密閉空間)とし、圧縮室11bからベーン背後空間8cに流出した冷媒は、直接低圧空間に漏れるのではなく、ベーンスロット8b部の微少隙間を介してのみ吸入室11a側などに漏れる構成とすることで、漏れ経路の漏れ面積を小さく且つ長くして、ベーン背後空間8cから低圧側への冷媒漏れを抑制するように構成しているものである。
前記シリンダ8に設けられている吸入穴8aは、一方端がシリンダ8の上端面(シリンダ8と主軸受5とが接する面)側の密閉容器1内に開口しており、吸入管19から密閉容器1内に流入した冷媒ガスをシリンダ8内の吸入室11aに導く通路である。なお、前記吸入穴8aをシリンダの上端面に開口させている理由は、吸入室11a内に吸入穴8aを介して過剰の潤滑油が流入し、油圧縮により圧縮機構部4が破損することを防止するためである。
本実施例1では、吐出カバー18内の吐出室18a(吐出圧力空間)とベーンスロット8b内を連通するために、シリンダ8に連通路(第2の連通路)8eが設けられている。この連通路8eの一方端はシリンダ8の上端面(シリンダ8と主軸受5とが接する面)側に開口しており、ベーンスロット8bに対して前記吸入穴8aが設けられている側に位置している。また、連通路8eの一方端は主軸受5に形成した前記連通路(第1の連通路)5bに連通し、この連通路5bは前記吐出室18aに開口している(図3参照)。なお、連通路8eの他方端(ベーンスロット8b側)はベーンスロット8bを形成しているシリンダ壁面に開口し、本実施例では、前記連通路8eは、前記シリンダ室11の低圧側(吸入室11a側)に連なる壁面であって、前記ベーンの幅方向の中央付近に対向するように開口している。
次に圧縮室11bからの冷媒漏れについて図5、図6を用いて説明する。図6はクランク角に対する圧縮室とベーン背後空間8cの圧力変化を説明する線図である。
図5に示すように、シリンダ8内にはローラ9とベーン7により、吸入室11aと圧縮室11bが形成される。吸入室11aは吸入穴8aと連通しているため、吸込圧力となっている。クランク軸3の回転に伴ってローラ9が公転運動すると、クランク角が0度(上死点)付近では吸入室11aの容積がほぼ最大となり、その後クランク軸3の回転に伴いクランク角が増加して、吸入室11aが吸入穴8aとの連通が遮断されると、吸入室11aから圧縮室11bに変わる。
図6に示すように、クランク角の進行に伴い、圧縮室11bの容積は次第に減少して圧縮室内圧力は上昇していく。所定の圧力(吐出圧力)に到達して吐出切欠き部8dに連通すると、圧縮室11b内の圧縮された冷媒(冷媒ガス)は吐出切欠き部8d、吐出ポート5c及び吐出弁13を通って吐出カバー18内の吐出室18aに吐出される。
この過程においてローラ9はシリンダ8内を一周公転運動する。そのためベーン7はベーンスロット8b内を一往復することになる。この時、ベーン背後空間8cは閉じられた空間(ベーンスロット8b部の隙間を介してのみ他の空間と連通する略密閉空間)になっているので、ベーン背後空間8cの冷媒ガスは、ベーン7の往復動に伴い収縮、膨張し、ベーン背後空間8c内の圧力は増加、減少を繰り返す。
ここで圧縮機構部4の部品隙間について考える。ローラ9及びベーン7は、シリンダ8内を滑らかに駆動するように、シリンダ8、主軸受5及び副軸受6との間には、組立て時において数μmから数十μmの微小隙間が形成される。この微小隙間は冷媒及び潤滑油の移動経路となる。例えば、圧縮過程の圧縮室11b内の圧力が高いときには、圧縮室11b内の冷媒がローラ9の上下端面と主軸受5及び副軸受6の端面との隙間を通ってローラ9の内径側空間に漏れ出し、同様にベーン7と、ベーンスロット8bを形成しているシリンダ8や主軸受5及び副軸受6の壁面との隙間(ベーン7とベーンスロット8b部との隙間)を通ってベーン背後空間8cへ漏出する。
次にベーン背後空間8c内の圧力に着目する。ベーン背後空間8cは、ベーン7とベーンスロット8b部との隙間(微少隙間)を介して、吸入室11a及び圧縮室11b内とつながっている。吸入室11a内は吸入穴8aを通じて圧縮機の吸入圧力空間である密閉容器1内と連通しているため、圧力は圧縮機の吸入圧力となっている。一方、圧縮室11b内の圧力は図6に示す通り、ローラ9の公転運動に伴う圧縮室11bの容積変化に応じて圧力が変化する。圧縮機静止時(圧縮機はON状態にあるが、例えば冷蔵庫の庫内温度制御等のために、回転が一時的に停止している時)には、吸入室11a、圧縮室11b及びベーン背後空間8c内の圧力が同じ状態でバランスしていたとする。次に、圧縮機が回転して圧縮室11b内の冷媒が圧縮され吐出される度に、圧縮された一部の冷媒が、ベーン7とベーンスロット8b部との隙間を通じてベーン背後空間8cへと漏出し、更にベーン背後空間8c内の冷媒の一部が吸入室11aへと漏出する。この結果、ベーン背後空間8c内の圧力は、図6に示すように、圧縮機の吸込み圧力より高く、吐出圧力よりは低い値となる。ベーン背後空間8cはベーン7の往復運動に応じて容積変化するため、圧縮機吸込み圧力より高く、吐出圧力より低い平均圧力を中心に変動する圧力となる。
本実施例では、上述した通り、ベーン背後空間8cを閉じられた空間に構成すると共に、ベーン背後空間8cはベーンスロット8b部の隙間を介してのみ他の空間(吸込室、圧縮室、吐出室等の空間)と連通する構成にしている。
これに対し、ベーン背後空間8cが圧縮機の吸入圧力空間である密閉容器1内と連通している場合を考える。この場合、ベーン背後空間8cは圧縮機の吸入圧力空間となるため、常に圧縮室11b内の圧力以下となっている。このため、圧縮工程において常に圧縮室11b内の冷媒がベーン背後空間8cへ漏出することになる。ベーン背後空間8cへ漏出した冷媒は再度吸入穴8aを通って吸入室11aへ吸入されることとなり、体積効率の低下要因となる。
一方、本実施例では図6に示した通り、ベーン背後空間8cの圧力が圧縮機吸入圧力よりも高くなっており、圧縮室11b内の冷媒がベーン背後空間8cへ漏出するのは、圧縮工程において、圧縮室11b内の圧力がベーン背後空間8cの圧力を上回った時だけとなる。更に、圧縮室11b内を漏出した冷媒が、圧縮機の吸込み圧力空間である吸入室11aへ到達するためには、圧縮室11b内の冷媒がベーン背後空間8cに漏出した後、更にもう一度、ベーン7とベーンスロット8b部との微少隙間を通過する必要がある。
従って、本実施例によれば、ベーン背後空間8cが圧縮機の吸入圧力空間である密閉容器1内と連通している場合と比較して、漏れ経路長が長く、且つ漏れ経路の通路面積も微少隙間を介して行われるため小さい。このため、本実施例における圧縮室11bからの冷媒漏れによる体積効率の低下は、ベーン背後空間8cが吸込み圧力空間である密閉容器1内と連通している場合と比較し、非常に小さくできる。
次に、圧縮機静止時におけるベーン背後空間8c内の状態について考える。圧縮機静止時においては、密閉容器1内に存在する各空間圧力が等しくなるよう、微小隙間を通じて冷媒が移動すると共に、潤滑油も移動する。本実施例においては、油貯溜部50の潤滑油の油面がシリンダ8上端面以上になるように潤滑油を密閉容器1内に封入しているため、シリンダ8内及びベーン背後空間8c内も潤滑油の一部がローラ9内側を通じて浸入することになる。
シリンダ8内に浸入した潤滑油は、圧縮機が回転すると、吐出冷媒と共に吐出されるが、ベーン背後空間8c内は閉じられた空間(略密閉空間)であるため、ベーン背後空間8c内に大量の潤滑油が浸入した場合、ベーン7の往復運動が妨げられ、圧縮機が起動できない虞も考えられる。
これに対し、本実施例においては、ベーンスロット8b内と吐出カバー18内の吐出圧力空間である吐出室18aとを連通する連通路5b,8eが設けられているため、圧縮機が静止してベーン背後空間8c内の圧力が圧縮機吸入圧力空間に近づくと、吐出カバー18内の吐出圧力の冷媒の一部が連通路8e及びベーン7とベーンスロット8b部との微小隙間を通じてベーン背後空間8cへと漏出する。その結果、圧縮機静止時においても、ベーン背後空間8c内の圧力は圧縮機の吸込み圧力よりも高い圧力の冷媒で満たされる。この結果、圧縮機の吸入圧力の潤滑油がベーン背後空間8cに大量に浸入することを抑制することができる。
次に、圧縮機回転時におけるベーン7とベーンスロット8b部との微小隙間について図7及び図8を用いて説明する。図7は図5の要部を示す図で、シリンダ8のベーンスロット8bを形成している壁面とベーン7との間の隙間を誇張して示す要部模式図、図8は実施例1に対する比較例を説明する図で、図7に相当する図であり、本実施例における連通路8eを有さない場合の要部模式図である。
ロータリ圧縮機における圧縮工程後半においては、圧縮室11bの圧力が高くなり、吸入室11aとの差圧が大きくなる。このためベーン7は吸入室11a側へと押され、またローラ9の公転運動によってベーン7の先端もローラ9との摩擦力により、吸入室11a側へと押される。このためベーン7は、図8に示すように、ベーンスロット8b内において吸入室11a側に押される力が作用する。
本実施例では図7に示すように、シリンダ8に連通路8eを設けている。連通路8eは主軸受5に設けられた連通路5bを介して吐出圧力空間である吐出カバー18内と連通している。このため、連通路8eのベーンスロット8b側の開口部の圧力は、ベーン背後空間8c内の圧力よりも高くなる。従って、ベーン7を圧縮室11b側へと押し戻そうとする力が発生し、ベーン7の姿勢は、図7に示すように、ベーンスロット8b内で傾斜した状態となる。従って、ベーン7とベーンスロット8bを形成しているシリンダ8壁面との間に形成される隙間(ベーン7とシリンダ8との間の隙間)の流路断面積は小さくなり、圧縮室11bとベーン背後空間8cを連通する流路の抵抗が大きくなるので、圧縮室11b内の冷媒がベーン背後空間8cへ漏出するのを抑制することができる。
従って、連通路8eを有する本実施例の密閉型ロータリ圧縮機によれば、ベーン背後空間8cに高圧冷媒が流入するのを抑制できるから、ベーン背後空間8cの高圧冷媒がシリンダ8とベーン7との隙間(ベーンスロット8b部の隙間)から低圧側に漏れる量を更に低減することができ、体積効率の向上を図ることができる。
上述した図7に示す本実施例の密閉型ロータリ圧縮機に対する比較例を図8により説明する。図8は本実施例とは異なり、連通路8eがシリンダ8に設けられていない場合のベーン7の動作を説明する概略図である。この図8でも、図7と同様に、シリンダ8のベーンスロット8bを形成している壁面とベーン7との間の隙間を誇張して示している。
上述したように、圧縮室11bの圧力が高くなり、吸入室11aとの差圧が大きくなると、ベーン7は吸入室11a側へと押され、またローラ9の公転運動によってベーン7先端も吸入室11a側へと押される。このためベーン7は、図8に示すように、ベーンスロット8b内において吸入室11a側に押されてベーンスロット8bの吸込側の壁面に押し付けられた形となり、ベーン7とベーンスロット8bを形成しているシリンダ8の壁面との隙間は、圧縮室11bとベーン背後空間8cを直接連通するように形成されてしまう。このため、前記隙間による通路面積は大きくなり、流路抵抗が小さくなるので、圧縮室11b内の冷媒はベーン背後空間8cへ容易に流入し易くなる。従って、ベーン背後空間8cに多量の高圧冷媒が流入すると、その高圧冷媒がシリンダとベーンとの隙間から低圧側に漏れる量も増加し、体積効率の低下を十分に抑制することはできなくなる。
上述したように、本実施例の密閉型ロータリ圧縮機によれば、油貯溜部50が吸入圧力空間となる低圧チャンバ方式において、ベーン背後空間8cを閉じられた空間に構成すると共に、ベーン背後空間8cはベーン7とベーンスロット8b部との隙間を介してのみ他の空間(吸込室、圧縮室、吐出室等の空間)と連通する構成としているので、圧縮された高圧の冷媒が、ベーンスロット部の隙間から低圧側に漏れるのを抑制でき、体積効率を向上できる効果が得られる。
本発明の実施例2を、図9及び図10を用いて説明する。図9は上述した実施例1の密閉型ロータリ圧縮機を備えた冷蔵庫の例を示す縦断面図、図10は図9に示す冷蔵庫における密閉型ロータリ圧縮機付近の模式図である。
図9に示すように、冷蔵庫200は、食品等を冷やす機器であり、冷蔵室204等が設けられた断熱箱体201を備えている。冷蔵庫200の内部には、上から順に、冷蔵室204、左右に並ぶ製氷室(図示せず)、上段冷凍室205、下段冷凍室206、野菜室207などが設けられている。
図9に示す202は冷却器等で構成された蒸発器で、冷蔵室204等を冷やすための熱交換器であり、例えば冷凍室205,206の背面側などに設けられている。蒸発器202で冷やされた空気(冷気)は、送風機208によって前記各室に循環されるように構成されている。100は冷蔵庫200の下部に設置された密閉型ロータリ圧縮機であり、本実施例では上述した実施例1に記載の密閉型ロータリ圧縮機を搭載している。密閉型ロータリ圧縮機100は、冷蔵庫200下方側の前記断熱箱体201と仕切部203で囲まれた領域である機械室209に設置されている。仕切部203は孔付きの金属板等で構成されている。
図10により、冷蔵庫200における密閉型ロータリ圧縮機100の付近の構成を説明する。図10では空気の流れを白抜き矢印で示している。この図10に示すように、冷蔵庫200の機械室209には、空気の流れの下流側に向かって順に、放熱パイプ等で構成された凝縮器(放熱器)210、機械室送風機211及び密閉型ロータリ圧縮機100が、所定の間隔を空けて配置されている。
なお、冷蔵庫200の断熱箱体201の下方側に設けた仕切部203には、機械室209に空気を導く孔H1の他、機械室209から空気を逃がす孔H2が設けられている。そして、密閉型ロータリ圧縮機100で生じた熱が、機械室送風機211から送り込まれる空気との熱交換で、金属製の密閉容器1を介して放熱されるようになっている。
また、密閉型ロータリ圧縮機100の上側には、蒸発器202(図9参照)から排水管(図示せず)介して落下した水を受ける露受皿212が設けられている。また、図10の例では、密閉型ロータリ圧縮機100の横側の所定箇所にも、別の露受皿213が設けられている。そして、密閉型ロータリ圧縮機100、凝縮器210、キャピラリーチューブや膨張弁で構成された膨張装置(図示せず)及び蒸発器202を順次接続して、冷媒が循環する冷凍サイクルが構成されている。
冷蔵庫200を構成している前記冷凍サイクルには、冷媒としてイソブタン(R600a)等の強燃性冷媒が用いられている。前記密閉型ロータリ圧縮機100の駆動により、前記冷凍サイクルが動作することにより、冷蔵室204、上段冷凍室205、下段冷凍室206、野菜室207などの庫内空間は冷却される。
家庭用の冷蔵庫には、冷媒として強燃性のイソブタンが使用されることが多いが、前述した通り、その使用量には厳しい制限がある。即ち、冷蔵庫1台あたりに封入できるイソブタンの使用量は100g以下に制限されている。このため、レシプロ式の圧縮機に比べ、一般的に冷媒封入量が多くなる密閉型ロータリ圧縮機の採用は困難であった。しかし、冷蔵庫に使用される圧縮機として本発明の密閉型ロータリ圧縮機を採用することにより、油貯溜部を有する密閉容器内が吸入圧力となる低圧方式としつつ、体積効率の良い密閉型ロータリ圧縮機を採用できるので、冷蔵庫に封入する冷媒量を低減できる。従って、強燃性冷媒のイソブタンを使用しつつその使用量を低減して安全性を向上し、且つ効率向上も図ることができる家庭用の冷蔵庫を実現することが可能となる。
即ち、従来の低圧方式の密閉型ロータリ圧縮機を冷蔵庫の冷凍サイクルに採用した場合、上述した通り、冷凍サイクルの効率が低下するが、本実施例では、上述した実施例1の密閉型ロータリ圧縮機を採用しているので、ベーン背後空間から吸入室や、低圧空間である密閉容器内への冷媒漏れを抑制することができ、冷凍サイクルの効率を向上できる。
なお、本実施例2では、冷蔵庫200を構成している冷凍サイクルの冷媒とてして、地球温暖化係数(GWP)やオゾン層破壊係数(ODP)が小さいイソブタンを使用する例について説明したが、冷蔵庫や密閉型ロータリ圧縮機に使用される冷媒としては、イソブタンに限られるものではなく、他の強燃性冷媒や微燃性冷媒を使用する場合にも同様に適用可能である。
また、図9、図10に示す冷蔵庫200の構成は一例であり、これに限定されるものではない。更に、密閉型ロータリ圧縮機100を搭載する機器として、冷蔵庫を例にとり説明したが、本発明の密閉型ロータリ圧縮機100は、冷蔵庫に限られず、空気調和機や冷凍冷蔵ショーケース等の種々の冷凍サイクル装置にも同様に適用できるものである。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。また、上述した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
1:密閉容器、2:電動機部、2a:固定子、2b:回転子、
3:クランク軸、3a:偏心部、3b:上軸、3c:下軸、
3d:中空部、3e:径方向孔、3f:スパイラル溝、
4:圧縮機構部、5:主軸受(上ラジアル軸受)、
5a:ボス部、5b:連通路(第1の連通路)、5c:吐出ポート(吐出孔)、
6:副軸受(下ラジアル軸受)、6a:ボス部、
7:ベーン、7a:スプリング、7b:ベーン油流路、
8:シリンダ、8a:吸入穴、8b:ベーンスロット、8c:ベーン背後空間、
8d:吐出切欠き部、8e:連通路(第2の連通路)、8f:ボルト穴、
9:ローラ、9a:ローラ内周空間、
11:シリンダ室(11a:吸入室、11b:圧縮室)、13:吐出弁、
14;電源端子、16;油流入部、
18:吐出カバー、18a:吐出室、19:吸入管(吸入流路)、20:吐出管、
50:油貯溜部、
100:密閉型ロータリ圧縮機、
200:冷蔵庫、201:断熱箱体、202:蒸発器(冷却器)、203:仕切部、
204:冷蔵室、205:上段冷凍室、206:下段冷凍室、207:野菜室
208:送風機、209:機械室、210:凝縮器(放熱器)、
211:機械室送風機、212,213:露受皿。

Claims (11)

  1. 密閉容器と、この密閉容器内に収納された電動機部と、該電動機部とクランク軸を介して連結されて駆動され冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記密閉容器の底部に設けられ潤滑油を貯溜する油貯溜部と、圧縮された冷媒が流入する吐出室と、を備える密閉型ロータリ圧縮機であって、
    前記圧縮機構部は、シリンダ室を形成するシリンダと、前記シリンダ室内で偏心回転するローラと、このローラの外周面に当接して前記シリンダ室を吸入室と圧縮室に区画するベーンと、前記シリンダの端面に当接して前記シリンダ室を覆うと共に前記クランク軸を回転支持する主軸受及び副軸受を有し、
    前記シリンダには、前記ベーンを収容するベーンスロットと、このベーンスロットの外周側に形成されるベーン背後空間と、前記ベーンを前記ローラの外周に押し付けるスプリングが設けられ、
    前記密閉容器内の圧力は吸入圧力になるように構成され、
    前記ベーン背後空間を閉じられた空間に構成すると共に、前記ベーン背後空間は前記ベーンスロット部の隙間を介してのみ他の空間と連通する構成としている
    ことを特徴とする密閉型ロータリ圧縮機。
  2. 請求項1に記載の密閉型ロータリ圧縮機であって、
    前記他の空間とは、前記吐出室、前記吸入室及び前記圧縮室を含むことを特徴とする密閉型ロータリ圧縮機。
  3. 請求項1に記載の密閉型ロータリ圧縮機であって、
    前記ベーンスロットが形成されている前記シリンダには、前記ベーンスロットに連通する連通路が形成され、この連通路は前記圧縮室から吐出された冷媒の吐出圧力空間と連通していることを特徴とする密閉型ロータリ圧縮機。
  4. 請求項3に記載の密閉型ロータリ圧縮機であって、
    前記主軸受には前記圧縮室に連通する吐出ポートが形成され、この吐出ポートから吐出される冷媒の吐出室を形成する吐出カバーを前記主軸受に設け、前記吐出カバー内の吐出室には冷凍サイクルに冷媒を供給するための吐出管が接続されていることを特徴とする密閉型ロータリ圧縮機。
  5. 請求項4に記載の密閉型ロータリ圧縮機であって、
    前記連通路が連通する前記吐出圧力空間は、前記吐出カバー内の吐出室であり、前記主軸受には前記シリンダに形成された前記連通路と前記吐出室とを連通する連通路が形成されていることを特徴とする密閉型ロータリ圧縮機。
  6. 請求項3に記載の密閉型ロータリ圧縮機であって、
    前記シリンダに形成されている前記連通路のベーンスロット側は、前記ベーンの幅方向の中央付近に対向するように開口していることを特徴とする密閉型ロータリ圧縮機。
  7. 請求項3に記載の密閉型ロータリ圧縮機であって、
    前記シリンダに形成されている前記連通路のベーンスロット側は、前記ベーンにおける吸入室側に開口していることを特徴とする密閉型ロータリ圧縮機。
  8. 密閉容器と、この密閉容器内に収納された電動機部と、該電動機部とクランク軸を介して連結されて駆動され冷媒を圧縮する圧縮機構部と、前記密閉容器の底部に設けられ潤滑油を貯溜する油貯溜部と、を備える密閉型ロータリ圧縮機であって、
    前記圧縮機構部は、シリンダ室を形成するシリンダと、前記シリンダ室内で偏心回転するローラと、このローラの外周面に当接して前記シリンダ室を吸入室と圧縮室に区画するベーンと、前記シリンダの端面に当接して前記シリンダ室を覆うと共に前記クランク軸を回転支持する主軸受及び副軸受を有し、
    前記シリンダには、前記ベーンを収容するベーンスロットと、このベーンスロットの外周側に形成されるベーン背後空間と、前記ベーンを前記ローラの外周に押し付けるスプリングが設けられ、
    前記密閉容器内の圧力は吸入圧力になるように構成され、
    前記シリンダに前記ベーンスロットが形成され、このベーンスロットが形成されている前記シリンダには、前記ベーンスロットに連通する連通路が形成され、この連通路は前記圧縮室から吐出された冷媒の吐出圧力空間と連通し、
    前記シリンダに形成されている前記連通路のベーンスロット側は、前記ベーンにおける吸入室側に開口し、前記吐出圧力空間からの高圧冷媒を前記ベーンに作用させて該ベーンを前記ベーンスロット内で傾斜させるように構成している
    ことを特徴とする密閉型ロータリ圧縮機。
  9. 請求項8に記載の密閉型ロータリ圧縮機であって、
    前記ベーン背後空間を閉じられた空間に構成すると共に、前記ベーン背後空間は前記ベーンスロット部の隙間を介してのみ他の空間と連通する構成としていることを特徴とする密閉型ロータリ圧縮機。
  10. 密閉型ロータリ圧縮機、凝縮器、膨張装置、蒸発器を備え、これらの機器を冷媒配管により順次接続して冷凍サイクルを構成し、冷凍サイクルの冷媒として強燃性冷媒を使用して、前記蒸発器で冷気を作り出し庫内に放出する冷蔵庫であって、
    前記密閉型ロータリ圧縮機として請求項1~9の何れか一項に記載の密閉型ロータリ圧縮機を用いていることを特徴とする密閉型ロータリ圧縮機を備えた冷蔵庫。
  11. 請求項10に記載の密閉型ロータリ圧縮機を備えた冷蔵庫であって、
    前記強燃性冷媒としてイソブタン(R600a)を用い、前記イソブタンの冷凍サイクルへの封入量は100g以下であることを特徴とする密閉型ロータリ圧縮機を備えた冷蔵庫。
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