JP2001050179A - ロータリ圧縮機、この圧縮機を用いた冷凍サイクル及びこの圧縮機を用いた冷蔵庫 - Google Patents

ロータリ圧縮機、この圧縮機を用いた冷凍サイクル及びこの圧縮機を用いた冷蔵庫

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JP2001050179A
JP2001050179A JP11216755A JP21675599A JP2001050179A JP 2001050179 A JP2001050179 A JP 2001050179A JP 11216755 A JP11216755 A JP 11216755A JP 21675599 A JP21675599 A JP 21675599A JP 2001050179 A JP2001050179 A JP 2001050179A
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compressor
rotary compressor
closed container
refrigerant
piston
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Masayuki Tsunoda
昌之 角田
Eiji Watanabe
英治 渡辺
Yoshihide Ogawa
喜英 小川
Minoru Ishii
稔 石井
Masao Tani
谷  真男
Munehisa Korishima
宗久 郡嶋
Takashi Yamamoto
隆史 山本
Susumu Kawaguchi
進 川口
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 密閉容器内が吸入圧力雰囲気にある場合、起
動がスム−ズでない場合があり、また密閉容器内が吐出
圧力雰囲気にある場合、冷却器の温度上昇を防止するた
めに余分な逆止弁を設けねばならずコスト高となった。 【解決手段】 ブレ−ド15bを一体に設けたピストン
15aを備えたロ−タリ圧縮機において密閉容器13内
が吸入圧力雰囲気となるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブレードを一体に
設けたピストンを備えたロータリ圧縮機に関するもので
あり、またこの圧縮機を用いる冷凍装置や空調装置等の
冷凍サイクルに関するものであり、さらにまたこの圧縮
機を用いる冷蔵庫に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図5,図6は例えば特許公報第2502
756号に示された従来のローリングピストン型のロー
タリ圧縮機(この例では2シリンタ゛ロータリ圧縮機)で、図5は
その縦断面図及び冷凍サイクル図、図6は同じく圧縮機
構部の横断面図である。 以下、図5,図6をもとに説
明する。 従来のロータリ圧縮機は、固定子1及び回転
子2からなる電動機部a、及びこの電動機部aにより駆
動され、フレーム19,吸入口3及び吐出口(図示しな
い)が開口するシリンダ室4を有するシリンダ5,二つ
のシリンダ間を仕切る仕切り板34,シリンダヘッド2
0,駆動軸6の偏心軸部7に回転自在に嵌入され上記シ
リンダ5内に配置されたピストン8,シリンダ室4を吸
入口3に通じる低圧室9と吐出口(図示しない)に通じる
高圧室10とに区画するベーン11,ベーン11がピス
トン8から離れることの無いようにピストン側に押付け
るためのベーンスプリング12及び駆動軸6からなる圧
縮機構部bにより構成される。 これら電動機部a及び
圧縮機構部bは吐出圧力雰囲気、又は吸入圧力雰囲気の
密閉容器13内に溶接,焼ばめ等の手段により直接取付
けられている。 なお、図5に示すものは、吐出圧力雰
囲気のものである。 また、その動作は、駆動軸6の回
転によりピストン8がシリンダ室4の内壁に沿って公転
し、この公転に伴って吸入口3から吸入した冷媒ガス等
の圧縮性流体を圧縮し、吐出口(図示しない)から吐出す
るようになっている。
【0003】図7、図8は例えば特開平10−0472
78に示された従来のブレード一体ピストン型のロータ
リ圧縮機の縦断面図及び圧縮機構部の横断面図である。
図7、図8において固定子1及び回転子2からなる電動
機部a及びこの電動機部aにより駆動される圧縮機構部
bにより構成される。 これら電動機部a及び圧縮機構
部bは密閉容器13内に収納されている。圧縮機構部b
はフレーム19,吸入口3及び吐出口14が開口するシ
リンダ室4を有するシリンダ5,シリンダヘッド20,
駆動軸6の偏心軸部7に回転自在に嵌入され上記シリン
ダ5内に配置されたピストン15a,該ピストン15a
に一体的に設けられシリンダ室4を吸入口3に通じる低
圧室9と吐出口14に通じる高圧室10とに区画するブ
レード15b,シリンダ5に形成された円筒穴部16に
回転自在に嵌入されブレード15bをスライド且つ揺動
自在に支持するガイド17及び駆動軸6から構成されて
いる。駆動軸6の回転によりピストン15aがブレード
15bを介してガイド17の回転中心位置18を支点に
揺動運動するようにシリンダ室4の内壁に沿って公転
し、この公転毎に吸入口3から吸入した冷媒ガス等の圧
縮性流体を圧縮し、吐出口14から吐出するようになっ
ている。なお、「機械工学便覧」(昭和62年4月15
日 日本機械学会発行)のB5−159頁の図373及び
その説明に、ピストンとブレードが一体化されて、ピス
トンが揺動運動することによりシリンダ内をピストンが
偏心回転する前記ブレード一体ピストン型のロータリ圧
縮機と類似の構造が記載されている。
【0004】また、従来のブレード一体ピストン型のロ
ータリ圧縮機では、上記電動機部a及び圧縮機構部bは
焼きばめ、溶接等の手段により密閉容器13内に固定さ
れており、密閉容器13内部は吐出圧力雰囲気となって
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のロ−リングピス
トン型のロータリ圧縮機は上記のように圧縮機構部がシ
リンダ5,ピストン8,ベーン11,ベーンスプリング12で
構成されており、シリンダ内空間をピストン8,ベーン1
1によって吸入口3に通じる低圧室9と吐出口14に通じる
高圧室10とに区画するため、ベーン11先端とピストン8
外周面を常に適度な力により接触させる必要がある。
密閉容器13内が吐出圧力雰囲気の場合、圧縮室9,10と
密閉容器13内の差圧による力がベーン11をピストン8に
押付ける方向に働くため、この差圧力を利用してベーン
11をピストン8に押付けることが可能となるので、ベー
ンスプリング12による押付力は差圧を利用できる分を考
慮して小さく設定しておけばよい。 この場合、起動直
前の圧縮機内は圧力バランス状態にあり、ベーン11は定
常運転中に必要な押付力よりも差圧力分だけ小さな力で
ピストン8に押付けられているため、ピストン8に過剰な
負荷が作用せず必要最小限の起動トルクのモータで安定
した起動が行える。
【0006】その反面、密閉容器13内で吸入圧力となる
のは 吸入管24〜吸入口3〜シリンダ5内の低圧室9 の部
分でその他の部分が吐出圧力雰囲気に満たされているの
で、冷蔵庫用のようにON/OFF運転を行なう場合の停止中
には密閉容器13内の高温高圧のガス冷媒がシリンダ5と
フレーム19,シリンダ5とシリンダヘッド20,シリンダ5
と仕切板34の各接触面21,23,35から低圧室9〜吸入管2
4へ圧力差による漏れが生じ、漏れたガスは吸入管24か
ら蒸発器36へ逆流し、冷蔵庫等の冷却器では温度上昇を
起こしやすいため、これを防止するために吸入管24と蒸
発器36の間の回路に逆止弁などを設けねばならず、コス
トアップになるという問題点があった。
【0007】これに対して、密閉容器内が吸入圧力雰囲
気となるような構成をとった場合、密閉容器内で吐出圧
力となるのは 高圧室〜吐出口〜吐出管 の部分でその他
の部分は吸入圧力雰囲気に満たされているが、吐出口の
吐出管側に設けた吐出弁が逆止弁の役割をし高温高圧の
ガスを区画分離しているのでON/OFF運転の停止中に吸入
圧力部分への漏れは生じず、回路に逆止弁などを設けな
くてもガスが蒸発器に逆流することはない。
【0008】ロータリ圧縮機で密閉容器13内が吸入圧力
雰囲気となるような構成をとった場合、ベーン11には圧
縮室と密閉容器13内の差圧による力がベーン11をピスト
ン8から引き離す方向に働くため、ベーン11をピストン8
に押付けるベーンスプリング12の押付力は想定される運
転範囲で最大の差圧力分だけ大きく設定する必要があ
り、密閉容器13内が吐出圧力雰囲気の場合より押付力の
大きいベーンスプリング12を用いなければならない。
起動直前の圧力バランス状態では、ベーンスプリング12
の押付力が差圧力によって相殺されることなくそのまま
作用するので、ベーン11は定常運転中に必要な押付力よ
りも大きな力でピストン8に押付けられているため、ピ
ストン8に過剰な負荷が作用し、起動するためには起動
トルクの大きなモータが必要であった。
【0009】起動トルクが大きくなるようにモータを設
計することは定常運転時のモータ効率を犠牲にすること
になり、圧縮機の性能低下につながった。 また、ベー
ンスプリングの押付力を想定される運転範囲で最大の値
に設定するため、運転条件(吸入・吐出の圧力差)に応じ
たベーン押付けを行なうことができず、常に押付力が強
いのでベーン先端部のピストン外周面との摺動状況が過
酷となる。 厳しい摺動条件はベーン先端の摩耗のみな
らずスラッジ発生を招く。 密閉容器内が吸入圧力雰囲
気の構成をとっているので、発生したスラッジは密閉容
器内の空間で捕捉されることなく吐出管から回路へ排出
され、回路中で堆積して毛細管を閉塞するなどの不具合
があった。
【0010】また、密閉容器内を吐出圧力雰囲気にして
ベーンの押付け力を低減してもR134aなどのHFC系冷媒を
用いた場合には、冷媒が塩素原子を含まないためにCFC
系冷媒で得られていた極圧効果が期待できなくなるので
摺動部の潤滑性は悪くなり、ベーン先端とピストン外周
面との摺動状況は厳しくなる。
【0011】一方、従来のブレード一体ピストン型のロ
ータリ圧縮機は密閉容器13内が吐出圧力雰囲気となっ
ているうえに、上記のようにベーンに相当するブレード
部15bがピストン15aと一体に構成されているので
起動時ピストン15aに押付力は作用せず、モータの起
動トルクを過大にしなくても常に安定した起動が行なう
ことができ、ベーン先端の摺動に起因する摩耗,スラッ
ジ詰まりなどの不具合もない。
【0012】その反面、密閉容器内が吐出圧力雰囲気と
なるような構成をとっているので、同じく吐出圧力雰囲
気としたロ−リングピストン型ロータリ圧縮機と同様
に、運転停止中には密閉容器13内の高温高圧のガス冷
媒がシリンダ5とフレーム19,シリンダ5とシリンダ
ヘッド20の各接触面21,23から圧力差により高圧
な密閉容器13内から、より低圧となる圧縮室内,吸入
管24と蒸発機36側へ逆流し、冷蔵庫等の冷却器の温
度が上がるため、これを防止するために吸入管24と蒸
発器36間の回路に逆止弁などを設けなければならず、
コストアップとなるという問題点があった。
【0013】また、圧縮機構部及び電動機部を密閉容器
内で弾性支持し、圧縮機構部及び電動機部と密閉容器内
壁との間に間隙を設ける構成とする場合、密閉容器に取
付けられたパイプと圧縮機構部の間を吐出側か吸入側ど
ちらか片方について密閉容器内雰囲気と隔離,シールす
る必要がある。 密閉容器内が吐出圧力雰囲気の場合は
密閉容器に取付けられた吸入パイプ〜圧縮機構部シリン
ダの吸入口の部分を密閉容器内の吐出圧力からシールし
て吸入圧力を保つように密閉容器内で吸入管を取回し、
また、密閉容器内が吸入圧力雰囲気の場合は密閉容器
に取付けられた吐出パイプ〜圧縮機構部シリンダの吐出
口の部分を密閉容器内の吸入圧力からシールして吐出圧
力を保つように密閉容器内で吐出管を取回す必要があ
る。 密閉容器内で取回す配管は、密閉容器内で弾性支
持された圧縮機構部,電動機部の振動によって変形,疲
労,破損しないように剛性が低くなるように設計しなけ
ればならない。 圧縮前のガスが流れる吸入管部分は圧
縮後のガスが流れる吐出管部分より体積流量が多く流速
が速いため、圧損の観点から管径を細くできないので吸
入管を取回すのは現実的な選択とはいえない。すなわ
ち、電動機部を密閉容器内で弾性支持し、密閉容器内を
吐出圧力雰囲気とすると、密閉容器内で取回す吸入管は
変形、破損を防ぐためには圧損が大となる問題があっ
た。したがって、密閉容器内が吐出圧力雰囲気となるよ
うな構成では、電動機部a及び圧縮機構部bが密閉容器
13に直付けされていることから、圧縮機内部の振動及
び騒音が直接外部に伝わり、必ずしも低振動・低騒音と
はいえなかった。 このため、圧縮機から冷蔵庫等の冷
凍サイクルを構成する配管系に伝わる振動を減らし、ま
た伝わった場合でも振動による変形で配管が破損するの
を防ぐために、圧縮機への配管を、径を細く,可動部分
の長さを長く構成する必要があり、圧損による効率低
下,配管が複雑化することによるコストアップ更に配管
設計の煩雑さを招いていた。
【0014】そのうえ、密閉容器13内が吐出圧力雰囲
気になっている場合はガイド17に作用する差圧による
力が ガイド17〜ブレード15b間平面摺動部の狭い
部分に集中して作用することになり、摺動ロスの増大/
信頼性の低下にもつながっていた。通常、ベ−ン(ブレ
ード)がピストンと一体であるか否かにかかわらず、ベ
ーン(ブレード)が運動する空間5aは図9(a)に示す
ように密閉容器13内の空間に開放し、均圧させるのが
一般的である。 図9(b)に示すようにして密閉する
と閉塞された空間5aにベーン(ブレード)が出入りする
ことになり、ベーン(ブレード)の出入りによる空間容積
の増減がロスとなるため、密閉容器13内が吐出圧力雰
囲気であるか吸入圧力雰囲気であるかによらず、密閉容
器13内の空間に開放したほうが良い。また、ブレード
一体型で2シリンダーの構成にすれば2個のブレード運
動空間5aの容積増減が相殺するので、密閉容器内には
開放しないことも可能となるが、この場合ガイドの挙動
に不安定を生じるという問題点があった。 図10に示
すようにガイド17の円筒面の曲率とガイドを嵌入する
円筒穴部16の曲率は同一ではなく組立性,摺動性等の
観点から微小な曲率差をつける必要がある。 このた
め、ガイド17が円筒穴部と接する支持点Sは、ガイド
17に作用する力の釣り合いで決まる。 ブレード運動
空間5aを密閉容器内に開放しない場合、その圧力は圧
縮室9,10との間の漏れにより吸入圧力Psと吐出圧
力Pbの中間の圧力Pmとなる。 このとき、吐出側の
ガイドの支持点は、高圧室10の圧力PcがPmより低
いときは図10(a)のようにシリンダ内周に近い点と
なり、圧縮が進んで高圧室10の圧力Pcが上昇しPm
より高くなると図10(b)のようにブレード運動空間
に近い点となる。 このように支持点が一箇所でなく、
図10(a)の状態と10(b)の状態の間の支持点移
動の瞬間には不安定を生じ、ガイド17の摺動,信頼性
に問題があった。ブレード運動空間5aを密閉容器13
内に開放すれば、ブレード運動空間容積増減によるロ
ス,ガイド支持点の不安定ともに避けることができる
が、密閉容器13内が吐出圧力の場合、図11に示すよ
うにブレード運動空間5aの圧力が吐出圧力Pdとな
り、ガイド17の支持点S、S’はともにシリンダ内周
近くでガイド平面部とブレード側面との荷重F3,F3'は
シリンダ内周近くの狭い部分に集中して作用するため、
摺動ロスの増大や信頼性の低下にもつながっていた。
【0015】さらに、密閉容器13内が吐出圧力雰囲気
になっている場合、炭化水素系冷媒(HC冷媒)のよう
な可燃性冷媒を使用すると、密閉容器内の空間が高圧に
なる分、運転中の回路容積の吐出圧部分が増大すること
と、密閉容器内に溜めた油が吐出圧にさらされるため吸
入圧力雰囲気のときよりも油に溶解する冷媒の量が増え
ることから、回路内封入冷媒量が増加するので、引火,
爆発の関係より、より安全という面からは望ましいこと
ではなかった。 また、封入冷媒量を少なく抑えるとい
う観点からは密閉容器内の空間容積もできるだけ小さい
ほうが望ましいが、密閉容器内が吸入圧力雰囲気である
レシプロ式の圧縮機では、図12に示すようにモータ
1,2及び駆動軸6の中心に対して一方向だけにピスト
ン15a、シリンダ5が配置されて非対称の構成となる
ので、圧縮機構部のない部分が空間容積の増大を招いて
いた。
【0016】本発明は、前記従来技術の課題を解消する
ために成されたものであり、過剰な起動トルクのモータ
を用いずにより安定した起動を常に行なうことができ、
ON/OFF運転時の停止中に高温高圧のガス冷媒が冷
却器側に逆流するのを回路中に特に逆止弁等を設けずに
防止でき、また、吸入配管の損傷や破損がなく圧縮機内
部の振動・騒音が直接外部に伝達するのを防止すること
により騒音を低減でき、使用冷媒としてオゾン層破壊に
つながらないHFC系冷媒使用可能であるとともに、地
球環境に悪影響のない炭化水素系冷媒のような可燃性冷
媒を用いた場合でも引火,爆発に対する安全性をより高
め、過酷な摺動箇所に起因するスラッジの発生,回路中
への堆積を防止し、ブレ−ドの摺動ロスの増大のない高
信頼性,高効率のブレード一体ピストン型のロータリ圧
縮機を得ることを目的とする。また、この圧縮機を用い
て、上記圧縮機の特性を生かした冷凍サイクルを得るこ
とを目的とする。さらにまた、この圧縮機を用いて、上
記圧縮機の特性を生かした冷蔵庫を得ることを目的とす
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】この発明の第1の発明に
係わるロータリ圧縮機は、シリンダ室に吸入口及び吐出
口を持つシリンダ,シリンダ内で偏心して公転するピス
トン,ピストンに一体に設けられ前記シリンダ内を高圧
室と低圧室とに区画するブレード,及び前記ピストンを
公転させる駆動軸を有する圧縮機構部と、前記駆動軸を
回転させる電動機部と、これらを収納する密閉容器とを
備えるロータリ圧縮機おいて、圧縮機構部及び電動機部
を収納する密閉容器内を吸入圧力雰囲気としたものであ
る。
【0018】この発明の第2の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第1の発明において請求項1記載のブレード一
体ピストン型のロータリ圧縮機において圧縮機構部及び
電動機部を密閉容器内に弾性支持部材により保持し、前
記圧縮機構部と前記密閉容器内壁との間及び前記電動機
部と前記密閉容器内壁との間に間隙を設けたものであ
る。
【0019】この発明の第3の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第1の発明又は第2の発明において、使用冷媒
をHFC系冷媒としたものである
【0020】この発明の第4の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第3の発明において、密閉容器内にHFC系冷
媒と非相溶又は相溶性の小さい潤滑油を封入したもので
ある。
【0021】この発明の第5の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第3の発明において、密閉容器内にHFC系冷
媒と相溶性を有する潤滑油を封入したものである。
【0022】この発明の第6の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第1の発明又は第2の発明において、使用冷媒
を炭化水素系冷媒としたものである
【0023】この発明の第7の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第6の発明において、密閉容器内に炭化水素系
冷媒と非相溶又は相溶性の小さい潤滑油を封入したもの
である。
【0024】この発明の第8の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第6の発明において、密閉容器内に炭化水素系
冷媒と相溶性を有する潤滑油を封入したものである。
【0025】この発明の第9の発明に係わる冷凍サイク
ルは、圧縮機,蒸発器,減圧装置及び凝縮器を備えた冷
凍サイクルにおいて、前記圧縮機を第1の発明〜第8の
発明のいずれかの発明のロータリ圧縮機としたものであ
る。
【0026】この発明の第10の発明に係わる冷蔵庫
は、圧縮機,蒸発器,減圧装置及び凝縮器を備えた冷凍
サイクルにおいて、前記圧縮機を第1の発明〜第8の発
明のいずれかの発明のロータリ圧縮機としたものであ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、実施の形態
1について図に基づいて説明する。 図1はこの発明の
一実施例によるブレード一体ピストン型のロータリ圧縮
機の縦断面図及び冷凍サイクル図,図2は同じく圧縮機
の圧縮機構部を示す横断面図である。図において、ブレ
ード一体ピストン型のロータリ圧縮機は固定子1及び回
転子2からなる電動機部a及びこの電動機部aにより駆
動される圧縮機構部bにより構成されている。 圧縮機
構部bは、吸入口3及び吐出口14が開口するシリンダ
室4を有するシリンダ5と、駆動軸6の偏心軸部7に回
転自在に嵌入され上記シリンダ5内に配置されたピスト
ン15aと、該ピストン15aに一体的に設けられシリ
ンダ室4を吸入口3に通じる圧縮室の低圧室9と吐出口
14に通じる圧縮室の高圧室10とに区画するブレード
15bと、シリンダ5に形成された円筒穴部16に回転
自在に嵌入されブレード15bをスライド且つ揺動自在
に支持するガイド17から構成され、駆動軸6の回転に
よりピストン15aがブレード15bを介してガイド1
7の回転中心位置18を支点に揺動運動するようにシリ
ンダ室4の内壁に沿って公転し、この公転毎に吸入口3
から吸入した冷媒ガスを圧縮し、吐出口14から吐出す
るようになっている。また、ブレー15b先端部が揺動
運動するブレ−ド運動空間5aは図9(a)のように密
閉容器13内の空間に開放するか密閉容器13内の空間
に連通する連通孔を設けるとともにブレード15b及び
ガイド17の摺動及び油シールが可能となるように油溜
り空間を形成している。 油溜り空間への潤滑油の供給
は、後述のイジェクタパイプ30により吸入口3,圧縮
室9,10,シリンダ5とフレーム19,シリンダヘッ
ド20間の隙間を通って行なわれる。ブレ−ド運動空間
5a内において空間内の潤滑油及び冷媒を圧縮する方向
にブレード15bが動く時、その動きをスムーズにする
ためにブレ−ド運動空間5aは、図9(a)のように密
閉容器13内の空間に開放するか密閉容器13内の空間
に連通する連通孔を設けて、潤滑油及び冷媒を排出する
ようにしている。 密閉容器13内が吸入圧力雰囲気で
あるので、潤滑油等の排出は容易であり、ブレード15
bがスライド且つ揺動運動をスムーズに行なうことを可
能としている。図1において、吸入管24から流入して
きた冷媒ガスは吸入脈動を抑制する吸入マフラ25で冷
媒ガスと潤滑油26に分離され、分離された潤滑油26
は吸入マフラ25下部に設けられた穴部27から密閉容
器13下部の油溜り部へ戻され、冷媒ガスは吸入口3に
通じる管路を通って吸入口3から圧縮室の低圧室9に取
り込まれる。 また、圧縮室で圧縮された冷媒ガスは吐
出口14から吐き出され、圧力脈動を抑制する吐出マフ
ラ28で冷媒ガスの脈動を抑え吐出管22へ吐き出され
る。
【0028】また、吸入管24から流入した冷媒ガスは
吸入経路(吸入マフラ25等)を通り吸入口3に達し、吸
入経路を通過する過程で圧力損失を生じる。 そのた
め、密閉容器13内の圧力は吸入口3における圧力より
も高くなる。 そこで、吸入口3には、圧縮室内と密閉
容器13内の差圧を利用し潤滑油26を供給するための
イジェクタパイプ30が取付けられており、イジェクタ
パイプ30から圧縮室内に流入した潤滑油がシリンダ5
とフレーム19の接触面21及びシリンダ5とシリンダ
ヘッ20の接触面23に供給され、これらの接触面のシ
ール性が高められる。なお、密閉容器13下部の油溜り
部から駆動軸6の軸受部であるフレーム19やシリンダ
ヘッド20の軸受部への給油は、駆動軸6に設けた油穴
により行なう。
【0029】これら電動機部a,及び圧縮機構部bは密
閉容器13内に収納されており、電動機部a及び圧縮機
構部bは密閉容器13に焼きバメ、溶接等の手段により
直接取り付けられている。
【0030】上記のように構成された圧縮機において
は、密閉容器13内が吸入圧力雰囲気となっているた
め、シリンダ5とフレーム19間の接触面21及びシリ
ンダ5とシリンダヘッド20間の接触面23から高温高
圧のガス冷媒が蒸発器36のある低圧側に逆流すること
が無くなり回路内に特に逆止弁などを設けなくても停止
中の冷却器の温度上昇を防ぐことができる。
【0031】密閉容器内を吸入圧力雰囲気として高温高
圧のガス冷媒の蒸発器がある低圧側への逆流を防いで回
路内に特に逆止弁などを設けずに停止中の冷却器の温度
上昇を回避しているものには他にレシプロ式の圧縮機が
あるが、レシプロ式はロータリ式に較べて 死容積が
大きいため死容積損失が大きい,吸入弁が必要なので
吸入圧損が大きい,吐出時間が短い(ロータリ式の約
1/2)ので吐出流速が速く吐出圧損が大きい,圧縮
トルクの変動が大きい(ロータリ式の約2倍)ので最大ト
ルクが大きいモータが必要でモータの高効率化に限界が
ある等のために圧縮機構の効率面ではロータリ式の方が
優っている。
【0032】ロータリ式の効率面での優位性を生かしな
がらガス冷媒の蒸発器側への逆流を防いで停止中の冷却
器の温度上昇を回避するために、従来のロ−リングピス
トン型のロータリ圧縮機で密閉容器内の圧力雰囲気を吸
入圧力とした場合、ベーンに圧縮室と密閉容器内の差圧
による力がベーンをピストンから引き離す方向に働くた
め、ベーンスプリングの押付力を大きく設定しなくては
ならず、圧力バランス状態から起動するとベーンスプリ
ングの押付力が差圧力によって相殺されることなくその
まま作用するので、ベーンは定常運転中に必要な押付力
よりも大きな力でピストンに押付けられてピストンに過
剰な負荷が作用し、起動するためには起動トルクの大き
なモータが必要となる。 このためモータの高効率化に
限界が生じる。また、ベーンスプリングの押付力を大き
く設定するので、常に強い押付力が作用してベーン先端
部のピストン外周面との摺動状況が過酷となり、厳しい
摺動条件がベーン先端の摩耗のみならずスラッジ発生を
招く。 密閉容器内が吸入圧力雰囲気の構成をとってい
るので、発生したスラッジは密閉容器内の空間で捕捉さ
れることなく吐出管から回路へ排出され、回路中で堆積
して毛細管を閉塞するなどの不具合を生じる。本実施の
形態では、ピストン15aとブレ−ド15bが一体に形
成されているため、従来の技術である図6のようにベー
ン11をピストン8に押付けるためのベーンスプリング
12が不要になり、ベーンスプリング12の押付力過大
によるスムーズでない起動あるいは起動トルクを大きく
することによるモータ効率の低下を回避できるとともに
条件の厳しいベーン先端とピストン外周面の摺動部分が
なくなり、スラッジの発生,回路内への流出・堆積を抑
制できる。
【0033】また、ブレ−ド運動空間を5aを吸入圧力
雰囲気の密閉容器13内に開放または連通させているの
で、ブレ−ド運動空間5aの圧力は吸入圧力Psとな
り、高圧室10の圧力Pcよりは小、低圧室9の圧力と
はほぼ等しくなり、図3に示すように吐出側のガイド1
7の支持点Sはブレード運動空間5aに近い点、吸入側
のガイド17の支持点S'はガイドの中央付近の点とな
り、前記の図11のように荷重が狭い範囲に集中するこ
とはなく、ブレ−ド15bの側面とガイド17の平面部
との間の摺動ロスの増大による信頼性の低下は生じな
い。
【0034】これらの効果により、圧縮機の効率向上、
信頼性向上、長寿命化、さらにこの圧縮機を用いた冷凍
サイクルの低コスト化が図れる。
【0035】実施の形態2.実施の形態2について説明
する。 本実施の形態は、上述した実施の形態1と同じ
部分については同じ符号を付し説明を省略し、その特徴
とする部分について説明を行なう。 図4において、図
4(a)は弾性支持部材を示している本実施の形態のブ
レード一体ピストン型の圧縮機の縦断面図、図4(b)
は吸入経路及び吐出経路を示している本実施の形態の同
じ圧縮機の縦断面図及び冷凍サイクル図である。 図4
においてブレード一体ピストン型の圧縮機は、固定子1
及び回転子2からなる電動機部a及びこの電動機部aに
より駆動される圧縮機構部bにより構成される。 実施
の形態1の図2に示すと同様に、圧縮機構部bは吸入口
3及び吐出口14が開口するシリンダ室4を有するシリ
ンダ5と、駆動軸6の偏心軸部7に回転自在に嵌入され
上記シリンダ5内に配置されたピストン15aと、該ピ
ストン15aに一体的に設けられシリンダ室4を吸入口
3に通じる低圧室9と吐出口14に通じる高圧室10と
に区画するブレー15bと、シリンダ5に形成された円
筒穴部16に回転自在に嵌入されブレード15bをスラ
イド且つ揺動自在に支持するガイド17とから構成さ
れ、駆動軸6の回転によりピストン15aがブレード1
5bを介してガイド17の回転中心位置18を支点に揺
動運動するようにシリンダ室4の内壁に沿って公転し、
この公転毎に吸入口3から吸入した冷媒ガスを圧縮し、
吐出口14から吐出するようになっている。 図4
(b)において、吸入管24から流入してきた冷媒ガス
は吸入マフラ25で冷媒ガスと潤滑油26に分離され、
分離された潤滑油26は吸入マフラに設けられた穴部2
7から密閉容器13内に返され、冷媒ガスのみ吸入口3
から圧縮室に取り込まれる。 また、圧縮された冷媒ガ
スは吐出口14から吐き出され、吐出マフラ28で冷媒
ガスの脈動を抑え、吐出管22から冷凍サイクルへと吐
き出される。これらの構造は実施の形態1と同じであ
る。
【0036】また、吸入管24から流入した冷媒ガスは
吸入経路を通り吸入口3に達し、吸入経路を通過する過
程で圧力損失を生じる。 そのため、密閉容器13内の
圧力は吸入口3における圧力よりも高くなる。 そこ
で、吸入口3には、圧縮室内と密閉容器13内の差圧を
利用して圧縮室内に潤滑油26を供給するためのイジェ
クタパイプ30が取付けられており、シリンダ5とフレ
ーム19の接触面21及びシリンダ5とシリンダヘッド
20の接触面23に潤滑油26を供給することによりシ
ール性を高めている。 これらも実施の形態1と同じで
ある。
【0037】これら電動機部a,及び圧縮機構部bは密
閉容器13内に収納されており、固定子1は圧縮機構部
bから電動機部aに向かって軸方向に突出するフレーム
19の脚部31とボルト締結されている。 このときフ
レーム19の脚部31は固定子1との締結面が決定でき
るように3本以上としている。 このフレーム脚部31
はフレーム19の他の部分から突出する脚部形状をとる
ことにより、変形しやすい柔構造となっており、ボルト
締結時に固定子1の形状ばらつき(固定子の鉄心を形成
する積層鋼鈑の板厚のばらつきにより固定子の軸方向寸
法ばらつきが発生する)によりフレーム脚部31が変形
して、フレーム19のピスト15aやシリンダ5との接
触部には歪み,変形を伝えないようにフレームの他の部
分と一体にまたは適当に接続して構成されている。 し
たがって、固定子1に形状のばらつきがあっても、フレ
ーム19とピスト15a,シリンダ5との接触部が不均
一となることがなく摩耗,入力増大,漏れ等が生じな
い。
【0038】上記のように構成されたブレード一体ピス
トン型のロータリ圧縮機においては、ベーン15bとピ
ストン15aが一体に形成されているため、ベーン11
をピストン8に押付けるためのベーンスプリング12が
不要となり、ベーンスプリング12の押付力過大による
スムーズでない起動あるいは起動トルクを大きくするこ
とによるモータ効率の低下を回避できるとともに条件の
厳しいベーン先端とピストン外周面の摺動部分がなくな
り、スラッジの発生,回路内への流出・堆積を抑制でき
る。 また、密閉容器13内が吸入圧力雰囲気となって
いるため、シリンダ5とフレーム19間の接触面21及
びシリンダ5とシリンダヘッド20間の接触面23から
高温高圧のガス冷媒が蒸発器36のある低圧側に逆流す
ることが無くなり回路内に特に逆止弁などを設けなくて
も停止中の冷却器の温度上昇を防ぐことができる。 こ
れらの効果により、圧縮機の効率向上,信頼性向上及び
長寿命化さらにこの圧縮機を用いた冷凍サイクルの低コ
スト化が図れる。
【0039】また、上記のように一体的に構成された電
動機部a及び圧縮機構部bはコイルばね等の弾性支持部
材32により密閉容器13内に支持(図4の場合は フレ
ーム19の下端部を複数の弾性支持部材32により密閉
容器13に支持する構造)され、密閉容器13内壁と電
動機部a及び圧縮機構部b間に間隙(電動機部a及び圧
縮機構部bが振動しても密閉容器13内壁と衝突しない
ような間隙)が生じるように構成されているため、電動
機部a及び圧縮機構部bで生じる振動及び騒音が外部に
伝わり難く、圧縮機のより一層の低振動化,低騒音化が
図れる。
【0040】また、上記弾性支持部材32はコイルばね
について述べたが、コイルばね以外でも板ばね,ゴム等
の弾性支持部材であれば電動機部a及び圧縮機構部bの
振動及び騒音が外部に伝わりにくく、圧縮機のより一層
の低振動,低騒音化が図れることは明らかである。
【0041】また、上記のように電動機部a及び圧縮機
構部bが密閉容器13内に弾性支持部材32により保持
されているため、吐出配管22は密閉容器13内におい
て圧縮機構部bの吐出マフラ28との接続部から密閉容
器13との固定部まで、配管を密閉容器13の内壁に接
触しないように引き回すことにより、全体として形状変
化しやすくし、すなはち配管を全体として剛性の弱い形
状に形成し、密閉容器13内の圧縮機構部b及び電動機
部aの振動を吸収し、外部に伝わり難くする構造となっ
ている。一方、吸入管24は密閉容器13の固定部から
密閉容器13内に入り吸入マフラ25に接続されるが、
吸入マフラ25との接続は圧縮機構部bの振動を許容す
るゆるい接続とすることができる(密閉容器13内が吸
入圧力雰囲気であるので可能)。
【0042】実施の形態3.次に本発明の実施の形態3
について説明する。 本例のブレード一体ピストン型の
ロータリ圧縮機は実施の形態1または2の様に構成され
たブレード一体ピストン型のロータリ圧縮機において、
冷媒としてR134a等のHFC系冷媒を使用してい
る。
【0043】このように構成されたブレード一体ピスト
ン型のロータリ圧縮機では、密閉容器内が吸入圧力雰囲
気となっているため、シリンダとフレーム間の接触面及
びシリンダとシリンダヘッド間の接触面から高温高圧の
ガス冷媒が蒸発器のある低圧側に逆流することが無くな
り回路内に特に逆止弁などを設けなくても停止中の冷却
器の温度上昇を防ぐことができる。 さらにベーンとピ
ストンが一体に形成されているため、従来のロータリ圧
縮機で生じていたベーンスプリングの押付力過大による
スムーズでない起動あるいは起動トルクを大きくするこ
とによるモータ効率の低下を回避できるとともに条件の
厳しいベーン先端とピストン外周面の摺動部分がなくな
るので、塩素を含まず極圧効果がないR134a等のH
FC系冷媒を用いても潤滑状況の厳しい摺動部がなく、
スラッジの発生,回路内への流出・堆積を抑制できる。
これらの効果により、圧縮機の効率向上,信頼性向上及
び長寿命化さらにこの圧縮機を用いた冷凍サイクルの低
コスト化が図れる。
【0044】実施の形態4.次に本発明の実施の形態4
について説明する。 本例のブレード一体ピストン型の
ロータリ圧縮機は実施の形態3の様に構成された圧縮機
において密閉容器13内に封入する潤滑油26にR13
4a等のHFC系冷媒に対して非相溶性又は相溶性の小
さいハードアルキルベンゼン(HAB)等の潤滑油が用
いられている。
【0045】このように構成されたブレード一体ピスト
ン型のロータリ圧縮機では、潤滑油に冷媒が溶け込むこ
とが無いために、潤滑油の粘度は常に一定に保たれ摺動
部に供給されるため、摺動部の異常摩耗、焼付き等が起
こり難くなる。
【0046】実施の形態5.次に本発明の実施の形態5
について説明する。 本例のブレード一体ピストン型の
ロータリ圧縮機は実施の形態3の様に構成された圧縮機
において密閉容器13内に封入する潤滑油26にR13
4a等のHFC系冷媒に対して相溶性を有するエステル
油等の潤滑油が用いられている。このように構成された
ブレ−ド一体ピストン型のロ−タリ圧縮機では、回路中
に循環した潤滑油の戻り性が非相溶の潤滑油に比べて良
好なため、粘度の高い潤滑油を用いることにより、圧縮
室における油シール性を高めることができ、漏れ損失を
低減することが可能となる。
【0047】実施の形態6.次に本発明の実施の形態6
について説明する。 本例のブレード一体ピストン型の
ロータリ圧縮機は実施の形態1または2の様に構成された
ブレード一体ピストン型のロータリ圧縮機において、冷
媒としてプロパン,イソブタン等の炭化水素系冷媒(H
C冷媒)を使用している。
【0048】このように構成されたブレード一体ピスト
ン型のロータリ圧縮機では、密閉容器内が吸入圧力雰囲
気であるため、吐出圧力雰囲気となっている圧縮機に比
べて冷媒封入量を減らすことが可能となり、封入冷媒が
室内などに漏洩した場合でも爆発限界に達することはな
い。 また、密閉容器内が同じ吸入圧力雰囲気のレシプ
ロ式の圧縮機と較べるとブレード一体ピストン型のロー
タリ圧縮機は圧縮機構部が対称配置となるので非対称の
レシプロ式よりも密閉容器内の空間容積が小さく抑えら
れて、封入冷媒量削減の観点からさらに有利となる。
すなはち本実施の形態では、オゾン層破壊物質である塩
素を含むCFC系冷媒,HCFC系冷媒や地球温暖化係
数の高いHFC系冷媒を使わずに、冷媒として地球環境
に悪影響のない炭化水素系冷媒を安全に使用できる圧縮
機を得ることができる。また、冷蔵庫用圧縮機として構
成した場合、圧縮機構部が非対称配置のレシプロ式より
外形寸法っを小さくできる分、冷蔵庫機械室への搭載性
も改善される。
【0049】実施の形態7.次に本発明の実施の形態7
について説明する。 本例のブレード一体ピストン型の
ロータリ圧縮機は実施の形態6の様に構成された圧縮機
において密閉容器13内に封入する潤滑油26にプロパ
ン,イソブタン等の炭化水素系冷媒に対して、非相溶性
又は相溶性の小さいフッ素系又はポリアルキレングリコ
ール(PAG)系等の潤滑油が用いられている。
【0050】このように構成されたブレード一体ピスト
ン型のロータリ圧縮機では、潤滑油26に対する可燃性
冷媒であるプロパン,イソブタン等の炭化水素系冷媒の
溶け込み量を小さく抑えられるため、潤滑油26への冷
媒の溶け込み量を見越し余分な冷媒を封入する必要が無
くなり、全体としての冷媒の封入量を減らすことが可能
となり、封入冷媒が室内に漏洩した場合でも爆発限界に
達することがない。
【0051】また、潤滑油26に冷媒が溶け込むことが
無いために、潤滑油26の粘度は常に一定に保たれ摺動
部に供給されるため、摺動部の異常摩耗、焼付き等が起
こり難くなる。
【0052】実施の形態8.次に本発明の実施の形態8
について説明する。 本例のブレード一体ピストン型の
ロータリ圧縮機は実施の形態6の様に構成された圧縮機
において密閉容器13内に封入する潤滑油26にプロパ
ン、イソブタン等の炭化水素系冷媒に対して相溶性を有
するパラフィン系鉱油又はハ−ドアルキルベンゼン(H
AB)系等の潤滑油が用いられている。このように構成
されたブレ−ド一体ピストン型のロ−タリ圧縮機では、
回路中に循環した潤滑油の戻り性が非相溶の潤滑油に比
べて良好なため、潤滑油の粘度を高くすることができる
ので、油による圧縮室のシール効果の向上により、漏れ
損失の抑制により高効率化できる。
【0053】実施の形態9.次に本発明の実施の形態9
について説明する。 図1、図2に示すように、実施の
形態1〜8に記載のブレード一体ピストン型のロータリ
圧縮機を凝縮器38,減圧装置37,蒸発器36等と配
管接続し、冷凍サイクルを構成することにより、前記圧
縮機の特性を生かした冷凍装置や空調装置を得ることが
できる。特に、本圧縮機を使って冷凍サイクルを構成
し、冷蔵庫とした場合、圧縮機の密閉容器13内を吸入
圧力雰囲気とすることにより、逆止弁等を設けることな
しに、高温高圧のガス冷媒の蒸発器への逆流のない高効
率の冷蔵庫が得られ、圧縮機の電動機部a,圧縮機構部
bを弾性支持部材32で支持することにより、低振動・
低騒音の冷蔵庫が得られ、また冷媒として炭化水素系冷
媒を使うことにより、安全を確保すると共に地球環境に
悪影響のない冷蔵庫を得ることができる。さらに、前記
の実施の形態の圧縮機にインバ−タ機能を付加し、冷媒
を炭化水素系冷媒とし、冷蔵庫に使うことにより、対応
するレシプロ型圧縮機に比べて冷蔵庫用の圧縮機として
小型化できる効果もある。
【0054】
【発明の効果】この発明の第1の発明に係わるロータリ
圧縮機は、シリンダ室に吸入口及び吐出口を持つシリン
ダ,シリンダ内で偏心して公転するピストン,ピストン
に一体に設けられ前記シリンダ内を高圧室と低圧室とに
区画するブレード,及び前記ピストンを公転させる駆動
軸を有する圧縮機構部と、前記駆動軸を回転させる電動
機部と、これらを収納する密閉容器とを備えるロータリ
圧縮機において、圧縮機構部及び電動機部を収納する密
閉容器内を吸入圧力雰囲気としたのでシリンダとフレー
ム間の接触面及びシリンダとシリンダヘッド間の接触面
から高温高圧のガス冷媒が蒸発器のある低圧側に逆流す
ることが無くなり回路内に特に逆止弁などを設けなくて
も停止中の冷却器の温度上昇を防ぐことができる。
【0055】密閉容器内を吸入圧力雰囲気として高温高
圧のガス冷媒の蒸発器がある低圧側への逆流を防いで回
路内に特に逆止弁などを設けずに停止中の冷却器の温度
上昇を回避しているものには他にレシプロ式の圧縮機が
あるが、ロ−タリ−式はレシプロ式に比べて圧縮機構の
面で高効率となる。
【0056】また、ブレ−ドをピストンと一体化してい
るので、密閉容器内を吸入圧力としても、ロ−リングピ
ストン型のロ−タリ圧縮機のようにベ−ンスプリングの
押圧力が大きいことによる起動時の問題、すなわち、特
別起動トルクの大きなモ−タが必要となることはなく、
モ−タの効率化に限界が生じることがない。また、ベ−
ンスプリングの押圧力が大きいことによるピストン外周
面に対するベ−ン先端の過酷な摺動による摩耗及びスラ
ッジの発生が防止でき、また、発生したスラッジの冷媒
回路への排出、堆積等が生じない。
【0057】また、ブレ−ドをピストンと一体化し、密
閉容器内を吸入圧力雰囲気としたので、ブレ−ドの摺動
時にブレ−ド側面に作用する荷重が集中するのを避ける
ことができ、ブレ−ド摺動による摺動ロスの増大が防止
でき、信頼性が高く高効率のロータリ圧縮機を得ること
ができる。
【0058】以上のように、この発明の第1の発明に係
わるロータリ圧縮機は、密閉容器内を吸入圧力雰囲気と
し、かつ、ブレ−ドをピストンに一体化したので、ベー
ンをピストンに押付けるためのベーンスプリングが不要
になり、ベーンスプリングの押付力過大によるスムーズ
でない起動あるいは起動トルクを大きくすることによる
モータ効率の低下を回避しつつ、ロータリ式本来の高効
率性を損なうことなく、条件の厳しいベーン先端とピス
トン外周面の摺動部分をなくし、スラッジの発生,回路
内への流出・堆積を抑制でき、また、回路に逆止弁など
を設けることなく停止中の蒸発器側への高圧ガスの漏れ
が回避でき、さらにブレ−ドの摺動ロスも低減できる。
従って、ロ−タリ式本来の高効率を損なうことなく、信
頼性の高いロ−タリ圧縮機を得ることができる。
【0059】この発明の第2の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第1の発明において圧縮機構部及び電動機部を
密閉容器内に弾性支持部材により保持し、前記圧縮機構
部と前記密閉容器内壁との間及び前記電動機部と前記密
閉容器内壁との間に間隙を設けたので、第1の発明の効
果に加えて、圧縮機内部の振動を弾性支持部材により吸
収し外部に伝わりにくくすることより、ロータリ式本来
の高効率性を損なうことなく、低騒音、低振動化が可能
となり、圧縮機から冷蔵庫等の冷凍サイクルを構成する
配管系に伝わる振動が低減できる。 また、電動機部、
圧縮機構部が密閉容器に直付けされている場合、振動の
大きな圧縮機で配管系に伝わる振動により配管が変形,
破損するのを防ぐために、圧縮機への配管を、径を細
く,可動部分の長さを長く構成していたが、外部への振
動が低減されるため、その必要がなくなり圧損による効
率低下,配管が複雑化することによるコストアップ更に
煩雑な配管設計を回避することができる。さらに、密閉
容器内を吐出圧力雰囲気でなく、吸入圧力雰囲気として
いるので、圧縮機構部と電動機構部とを密閉容器に弾性
支持しても密閉容器内での吸入管の取回しの必要がな
く、圧縮機の内部振動による吸入管の変形、破損を避け
るため剛性を低下させることによる圧損の増加の問題が
解消できる。したがって、高効率のロ−タリ圧縮機の特
性を生かして、低騒音、低振動、低コスト及び高効率の
ロータリ圧縮機を得ることができる。
【0060】この発明の第3の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第1の発明または第2の発明において、使用冷
媒をR134a等のHFC系冷媒としたので、第1の発
明または第2の発明の効果に加えて、冷媒が塩素を含ま
ず極圧効果が期待できないが、ベーンとピストンが一体
に形成されているため、従来のロータリ圧縮機をHFC
系冷媒で用いた場合に条件の厳しい摺動となるベーン先
端とピストン外周面の摺動がなくなるので、スラッジの
発生,回路内への流出・堆積を抑制できる。 また、レシ
プロ式ではR12を用いた場合と同等能力に対して体積
流量が増えるR134a等を用いた場合に吸入弁がある
ために生じる吸入圧損も吸入弁がないので小さくてす
む。 これらの効果により、オゾン層破壊につながらな
いHFC系冷媒を用いながら、ロータリ式本来の高効率
性を損なうことなく、高信頼性,長寿命のロータリ圧縮
機を得ることができる。
【0061】この発明の第4の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第3の発明において密閉容器内にHFC系冷媒
と非相溶性または相溶性の小さい潤滑油を封入したの
で、第3の発明の効果に加えて潤滑油に冷媒が溶け込む
ことが無いために、潤滑油は安定した粘度で摺動部に供
給され、摺動部の異常摩耗、焼付き等が起こり難くな
る。したがってロータリ式本来の高効率性を損なうこと
なく、高信頼性,長寿命でオゾン層破壊に寄与しないロ
ータリ圧縮機を得ることができる。
【0062】この発明の第5の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第3の発明において密閉容器内にHFC系冷媒
と相溶性を有する潤滑油を封入したので、第3の発明の
効果に加えて回路中に循環した潤滑油の戻り性が非相溶
の潤滑油に比べて良好なため、圧縮機からの潤滑油流出
量を極端に低いレベルに抑えなくても、圧縮機内で潤滑
油が枯渇することがなく、潤滑油は安定して摺動部に供
給され、摺動部の異常摩耗、焼付き等が起こり難くな
る。低圧シェルでは圧縮後のガスを一旦シェル内に開放
することなく直接回路に排出するが、潤滑油流出量を極
端に低く抑えなくてもよいので圧縮室内の潤滑油による
隙間シ−ル効果を期待することが可能となる。 したが
ってロータリ式本来の高効率性を損なうことなく、高信
頼性,長寿命でオゾン層破壊に寄与しないロータリ圧縮
機を得ることができる。
【0063】この発明の第6の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第1の発明または第2の発明において、使用冷
媒を炭化水素系冷媒とし、密閉容器内が吸入圧力雰囲気
としたので、第1の発明または第2の発明に加えて、吐
出圧力雰囲気となっている圧縮機に比べて、密閉容器内
の空間の分運転中の回路容積中の吐出圧部分が密閉容器
内の空間の分減ること,密閉容器内に溜めた油は吸入圧
力雰囲気中となるので油に溶解する冷媒量が減ることか
ら、冷媒の初期封入量を減らすことが可能となり、封入
冷媒が室内などに漏洩した場合も爆発限界に達しにくい
という点でより安全である。 密閉容器内が同じ吸入圧
力雰囲気でもレシプロ式の圧縮機は圧縮機構部が非対称
なので対称配置のブレード一体ピストン型のロータリ圧
縮機の方が密閉容器内の空間容積が小さく抑えられて、
封入冷媒量削減の観点からさらに有利となる。 また、
レシプロ式ではR134aを用いた場合と同等能力にす
ると体積流量が増える炭化水素冷媒のR600a等を用
いた場合に吸入弁があるために生じる吸入圧損も吸入弁
がないので小さくてすむ。 これらの効果により、オゾ
ン層破壊物質である塩素を含むCFC系冷媒,HCFC
系冷媒や地球温暖化係数の高いHFC系冷媒ではなく、
オゾン層破壊,地球温暖化に寄与しない炭化水素系冷媒
を安全に用いながら、ロータリ式本来の高効率性を損な
うことなく、高信頼性及び長寿命のロータリ圧縮機を得
ることができる。
【0064】この発明の第7の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第6の発明において密閉容器内に炭化水素系冷
媒と非相溶性または相溶性の小さい潤滑油を封入したの
で、第6の発明の効果に加えて潤滑油に冷媒が溶け込む
ことが無いために、潤滑油は安定した粘度で摺動部に供
給され、摺動部の異常磨耗、焼付き等が起こり難くな
る。 したがって、ロータリ式本来の高効率性を損なう
ことなく、高信頼性,長寿命でオゾン層破壊,地球温暖
化等に寄与して地球環境に悪影響を与えることのないロ
ータリ圧縮機を得ることができる。
【0065】この発明の第8の発明に係わるロータリ圧
縮機は、第6の発明において密閉容器内に炭化水素系冷
媒と相溶性を有する潤滑油を封入したので、第6の発明
の効果に加えて、回路中に循環した潤滑油の戻り性が非
相溶の潤滑油に比べて良好なため、圧縮機からの潤滑油
流出量を極端に低いレベルに抑えなくても、圧縮機内で
潤滑油が枯渇することがなく、潤滑油は安定して摺動部
に供給され、摺動部の異常摩耗、焼付き等が起こり難く
なる。 ある程度の潤滑油循環率を許容することにより
圧縮室の潤滑油シ−ル効果を期待することができるの
で、漏れ損失を低減できる。したがってロータリ式本来
の高効率性を損なうことなく、高信頼性,長寿命でオゾ
ン層破壊、地球温暖化等に寄与しないロータリ圧縮機を
得ることができる。
【0066】また、この発明の第9の発明に係わる冷凍
サイクルは、圧縮機,蒸発器,減圧装置および凝縮器を
備えた冷凍サイクルにおいて、前記圧縮機を第1〜第8
の発明のいずれかの発明のロータリ圧縮機としたので、
回路内に特に逆止弁などを設けずに停止中の高圧ガス冷
媒の低圧側への逆流を防ぎ冷却器の温度上昇を回避した
低コスト,高効率の冷凍装置や空調装置、ベーンとピス
トンが一体に形成されているためベ−ンスプリングの押
付力過大によるスムーズでない起動あるいは起動トルク
を大きくすることによるモータ効率の低下を回避した高
効率、高信頼性の冷凍装置や空調装置、過酷な摺動条件
のベーン先端とピストン外周面の摺動がないためスラッ
ジの発生,回路内への流出・堆積を抑制した高信頼性の冷
凍装置や空調装置、電動機部及び圧縮機構部が密閉容器
内に弾性支持されているため電動機部及び圧縮機構部で
生じる振動が外部に伝わり難く圧縮機がより一層低振
動、低騒音となり圧縮機周りの配管を複雑に構成する必
要がなくなり、配管設計が簡素化され圧損による効率低
下も減るので低コスト、高効率、低振動、低騒音の冷凍
装置や空調装置、塩素を含まず極圧効果がないR134
a等のHFC系冷媒を用いても潤滑状況の厳しい摺動部
がないためスラッジの発生,回路内への流出・堆積を抑制
できるので高信頼性,長寿命でオゾン層破壊に寄与しな
い冷凍装置や空調装置、密閉容器内が吸入圧力雰囲気で
ロータリ式本来の高効率性を損なうことなく冷媒の初期
封入量を減らすことが可能なのでより安全に炭化水素系
冷媒を用いたオゾン層破壊、地球温暖化に寄与しない冷
凍装置や空調装置、潤滑油として非相溶油を使う場合
は、潤滑油に冷媒が溶け込むことが無いために潤滑油が
安定した粘度で摺動部に供給され摺動部の異常摩耗、焼
付き等が起こり難くなるので高信頼性、長寿命の冷凍装
置や空調装置、及び潤滑油として相溶油を使う場合は、
回路中に循環した潤滑油の戻り性が良く、圧縮機内で潤
滑油が枯渇することがない高信頼性、長寿命の冷凍装置
や空調装置等のうち、発明の構成に対応する効果を備え
た冷凍装置、空調装置を得ることができる。
【0067】また、この発明の第10の発明に係わる冷
蔵庫は、圧縮機,蒸発器,減圧装置および凝縮器を備え
た冷蔵庫において、前記圧縮機を第1〜第8の発明のい
ずれかの発明のロータリ圧縮機としたので、回路内に特
に逆止弁などを設けずに停止中の高圧ガス冷媒の低圧側
への逆流を防ぎ冷却器の温度上昇を回避した低コスト,
高効率の冷蔵庫,ベーンとピストンが一体に形成されて
いるためベーンスプリングの押付力過大によるスムーズ
でない起動あるいは起動トルクを大きくすることによる
モータ効率の低下を回避した高効率,高信頼性の冷蔵
庫,過酷な摺動条件のベーン先端とピストン外周面の摺
動がないためスラッジの発生,回路内への流出・堆積を抑
制した高信頼性の冷蔵庫,電動機部及び圧縮機構部が密
閉容器内に弾性支持されているため電動機部及び圧縮機
構部で生じる振動が外部に伝わり難く圧縮機がより一層
低振動,低騒音となり圧縮機周りの配管を複雑に構成す
る必要がなくなり、配管設計が簡素化され圧損による効
率低下も減るので低コスト,高効率,低振動,低騒音の冷
蔵庫,塩素を含まず極圧効果がないR134a等のHF
C系冷媒を用いても潤滑状況の厳しい摺動部がないため
スラッジの発生,回路内への流出・堆積を抑制できるので
高信頼性,長寿命でオゾン層破壊に寄与しない冷蔵庫、
密閉容器内が吸入圧力雰囲気でロータリ式本来の高効率
性を損なうことなく冷媒の初期封入量を減らすことが可
能なのでより安全に炭化水素系冷媒を用いたオゾン層破
壊,地球温暖化に寄与しない冷蔵庫、潤滑油として非相
溶油を使う場合は、潤滑油に冷媒が溶け込むことが無い
ために潤滑油が安定した粘度で摺動部に供給され摺動部
の異常摩耗,焼付き等が起こり難くなるので高信頼性、
長寿命の冷蔵庫、及び潤滑油として相溶油を使う場合
は、回路中に循環した潤滑油の戻り性が良く、圧縮機内
で潤滑油が枯渇することがない高信頼性、長寿命の冷凍
装置や空調装置等のうち、発明の構成に対応する効果を
備えた冷蔵庫を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮
機の縦断面図および冷凍サイクル図
【図2】 本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮
機の圧縮機構部の横断面図
【図3】 本発明の実施の形態1におけるロータリ圧縮
機のブレード運動空間を吸入圧力雰囲気の密閉容器内に
開放する場合のガイドに作用する力の関係を示す模式図
【図4】 本発明の実施の形態2におけるロータリ圧縮
機の縦断面図および冷凍サイクル図
【図5】 従来のロータリ圧縮機の縦断面図および冷凍
サイクル図
【図6】 従来のロータリ圧縮機の圧縮機構部の横断面
【図7】 従来のブレード一体のロータリ圧縮機の縦断
面図
【図8】 従来のブレード一体のロータリ圧縮機の圧縮
機構部の横断面図
【図9】 ブレード運動空間を密閉容器内に開放する場
合と、開放しない場合のシリンダヘッド側からの斜視図
【図10】 ブレード運動空間を密閉容器内に開放しな
い場合のガイドに作用する力の関係を示す模式図
【図11】 ブレード運動空間を吐出圧力雰囲気の密閉
容器内に開放する場合のガイドに作用する力の関係を示
す模式図
【図12】 レシプロ式圧縮機の縦断面図
【符号の説明】
a 電動機部、b 圧縮機構部、3 吸入口、4 シリ
ンダ室、5 シリンダ、6 駆動軸、9 低圧室、10
高圧室、13 密閉容器、14 吐出口、15a ピ
ストン、15b ブレ−ド、32 弾性支持部材、36
蒸発器、37減圧装置、38 凝縮器、39 冷凍サ
イクル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 喜英 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 石井 稔 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 谷 真男 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 郡嶋 宗久 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 山本 隆史 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 川口 進 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H029 AA04 AA13 AA21 AB03 BB12 BB21 BB42 CC03 CC05 CC07 CC09

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ室に吸入口及び吐出口を持つシ
    リンダ,前記シリンダ内で偏心して公転するピストン,
    前記ピストンに一体に設けられ、前記シリンダ内を高圧
    室と低圧室とに区画するブレード,及び前記ピストンを
    公転させる駆動軸を有する圧縮機構部と、前記駆動軸を
    回転させる電動機部と、これらを収納する密閉容器とを
    備えるブレード一体ピストン型の圧縮機において、前記
    圧縮機構部及び前記電動機部を収納する前記密閉容器内
    を吸入圧力雰囲気としたことを特徴とするロータリ圧縮
    機。
  2. 【請求項2】 前記圧縮機構部及び前記電動機部を前記
    密閉容器内に弾性支持部材により保持し、前記圧縮機構
    部と前記密閉容器内壁との間及び前記電動機部と前記密
    閉容器内壁との間にそれぞれ間隙を設けたことを特徴と
    する請求項1記載のロータリ圧縮機。
  3. 【請求項3】 使用冷媒をHFC系冷媒としたことを特徴
    とする請求項1または請求項2記載のロータリ圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記密閉容器内にHFC系冷媒と非相溶性,
    又は相溶性の小さい潤滑油を封入したことを特徴とする
    請求項3記載のロータリ圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記密閉容器内にHFC系冷媒と相溶性を
    有する潤滑油を封入したことを特徴とする請求項3記載
    のロータリ圧縮機。
  6. 【請求項6】 使用冷媒を炭化水素系冷媒としたことを
    特徴とする請求項1または請求項2記載のロータリ圧縮
    機。
  7. 【請求項7】 前記密閉容器内に炭化水素系冷媒と非相
    溶性,又は相溶性の小さい潤滑油を封入したことを特徴
    とする請求項6記載のロータリ圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記密閉容器内に炭化水素系冷媒と相溶
    性を有する潤滑油を封入したことを特徴とする請求項6
    記載のロータリ圧縮機。
  9. 【請求項9】 圧縮機,蒸発器,減圧装置及び凝縮器を備
    えた冷凍サイクルにおいて、前記圧縮機を請求項1〜請
    求項8のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機としたこ
    とを特徴とする冷凍サイクル。
  10. 【請求項10】 圧縮機,蒸発器,減圧装置及び凝縮器を
    備えた冷蔵庫において、前記圧縮機を請求項1〜請求項
    8のいずれか1項に記載のロータリ圧縮機としたことを
    特徴とする冷蔵庫。
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