JP2001164789A - 高層ダブルチューブ架構の制振装置 - Google Patents
高層ダブルチューブ架構の制振装置Info
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Abstract
組合わせから成る高層ダブルチューブ架構の振動制御を
行う制振装置を提供する。 【解決手段】 高層ダブルチューブ架構の曲げ剪断変形
が顕著に現れる高さ位置に、同高層ダブルチューブ架構
に囲まれた空所を利用して制振装置が設置されている。
制振装置は、高層ダブルチューブ架構の曲げ変形と直角
な面の両側に発生する上下変形をダンパーの変形に変換
して減衰する。
Description
構と、内周チューブ架構との組合わせから成る高層ダブ
ルチューブ架構の振動制御を行う制振装置の技術分野に
属する。
変形することを前提として減衰性能を発揮するものであ
り、高層建物の場合に卓越する曲げ変形に対しては制振
効果を発揮できない。
振動制御は、建物の頂部にマスダンパーを設置する方法
が一般的に実施されてきた。
振動制御の方法は、高層建物の曲げと剪断を同時に制御
可能である。しかし、建物の耐震安全性を改善するため
には非現実的な大きさのマス重量となるため、専ら強風
時の振動制御による居住性の改善に使用されてきたのが
実情である。即ち、耐震安全性の改善を目的として高層
建物の曲げ剪断振動の制御が可能な制振装置は未だ実現
していないというのが現状である。
周チューブ架構との組合わせから成る高層ダブルチュー
ブ架構の曲げ剪断振動の制御を、従来一般のダンパーを
使用して行う制振装置を提供することである。
断変形が卓越する高層ダブルチューブ架構の変形は、建
物頂部へ行くにしたがい蓄積して平面位置における両端
の上下変形として大きく現れる現象を利用するため、前
記上下の変形をダンパー用の軸変形ないし水平変形に変
換して振動制御を行う構成の制振装置を提供することで
ある。
剪断変形が卓越する高層ダブルチューブ架構の曲げ変形
は、同建物の中層階よりも下方部において発生する場合
があるので、そのような部位にも、前記上下変形をダン
パー用の軸変形ないし水平変形に変換して振動制御を行
う制振装置を提供することである。
めの手段として、請求項1に記載した発明に係る高層ダ
ブルチューブ架構の制振装置は、外周チューブ架構と、
内周チューブ架構との組合わせから成る高層ダブルチュ
ーブ架構の制振装置であって、高層ダブルチューブ架構
の曲げ剪断変形が顕著に現れる高さ位置に、同高層ダブ
ルチューブ架構に囲まれた空所を利用して制振装置が設
置されていること、制振装置は、高層ダブルチューブ架
構の曲げ変形と直角な面の両側に発生する上下変形をダ
ンパーの変形に変換して減衰する構成であることを特徴
とする。
た高層ダブルチューブ架構の制振装置において、高層ダ
ブルチューブ架構の頂部間を結合するハットトラスを設
けると共に、前記ハットトラスにおいて高層ダブルチュ
ーブ架構の両側に発生する上下変形を軸変形に変換する
トラス材にその軸変形を利用して減衰するダンパーが設
置されていることを特徴とする。
た高層ダブルチューブ架構の制振装置において、高層ダ
ブルチューブ架構の頂部間を結合するハットトラスを設
けると共に、前記ハットトラスにおいて高層ダブルチュ
ーブ架構の両側に発生する上下変形を水平な平行運動に
変換する平行リンク機構を形成する上下の水平リンクが
設置され、前記上下の水平リンク間にその相対的な平行
運動を利用して減衰するダンパーを設置した構成である
ことを特徴とする。
た高層ダブルチューブ架構の制振装置において、高層ダ
ブルチューブ架構において曲げ剪断変形が卓越して現れ
る中層階の位置に、両側の内周チューブ架構間を、平行
四辺形リンク機構を形成するように繋ぐ上下の水平リン
クが設置され、該上下の平行リンク間に、上下の平行リ
ンクの相対的な平行運動を利用して減衰するダンパーを
設置した構成であることを特徴とする。
た高層ダブルチューブ架構の制振装置において、高層ダ
ブルチューブ架構において曲げ剪断変形が卓越して現れ
る中層階の位置に、両側の内周チューブ架構間を平行四
辺形リンク機構の対角線方向に繋ぐダンパーを設置して
減衰する構成であることを特徴とする。
層ダブルチューブ架構の制振装置は、図1または図8を
参照できるように、外周チューブ架構1と、内周チュー
ブ架構2との組合わせから成る高層ダブルチューブ架構
の振動制御を、従来一般のダンパーを使用して行う制振
装置として好適に実施される。
げ変形が顕著に現れる高さ位置に、内周チューブ架構2
に囲まれた空所(ボイド)を利用して制振装置が設置さ
れる。前記空所(ボイド)は通常建物のコア部として利
用されるところでもある。制振装置は、高層ダブルチュ
ーブ架構の曲げ変形と直角な面(図8の紙面と平行な
面)の両側に発生する上下変形δを許容し(または前提
として)、その上下変形をダンパー作用のための変形に
変換して減衰する構成であることを特徴とする。
施形態を示している。
の曲げ剪断変形は、架構内では柱の軸変形として現れ、
その変形は架構の頂部へ行くにしたがい蓄積して、平面
位置における両端の上下変形が大きく現れる現象に着目
して、高層ダブルチューブ架構の頂部間を結合するハッ
トトラス3を、例えばアトリウム屋根トラス架構として
設けている。そして、前記ハットトラス3において高層
ダブルチューブ架構の頂部に発生する上下変形(図8の
δを参照)を許容し、その上下変形をトラス材3a(斜
材)の軸変形に変換する構成とし、その軸変形を利用し
て減衰するダンパー4が設置されていることを特徴とす
る。
上下変形をトラス材3aの軸変形に変換する手段とし
て、図1に示したハットトラス3は、その下弦材3bの
両端を前記斜材3aの下端と共に、両側の外周チューブ
架構1、1の外周近傍位置にピン5で接合されている。
して減衰する構成の履歴ダンパーまたは粘性体ダンパー
を使用する。
ブルチューブ架構の頂部に図3及び図4に象徴的に示し
たような曲げ剪断変形に伴う上下変形を生ずると、斜材
3aに卓越した軸変形が発生し、それによってダンパー
4が減衰動作をして振動制御と耐震安全性を改善する目
的が達成されるのである。
形態を示している。
の頂部間を結合するハットトラス3を設ける。前記ハッ
トトラス3には、高層ダブルチューブ架構の頂部に発生
する上下変形を水平な平行運動に変換する平行リンク機
構6がボイド部分に併設されている。即ち、内周チュー
ブ架構2、2の柱の延長部材7、7と上下の水平リンク
8、9とがピンヒンジ10で連結され、平行四辺形を形
成している。前記上下の平行運動する水平リンク8と9
の間に、両者の相対的な平行運動を利用して減衰するダ
ンパーとして、図示例の場合は粘性体壁ダンパー11が
設置されている。粘性体壁ダンパー11における外側の
壁型容器11aは下側の水平リンク9に固定され、内側
の抵抗板11bの上端は上側の水平リンク8に接合され
ている。
ブルチューブ架構の頂部に曲げ剪断変形に伴う上下変形
が発生すると、図3に例示したように、ハットトラス3
のボイド部に併設した平行リンク機構6において、上下
の水平リンク8、9の間に、変換された水平変形を生ず
る。よって、上下の水平リンク8、9間の相対的な水平
変形によって粘性体壁ダンパー11が作動して減衰機能
が発揮される。
形態も、高層ダブルチューブ架構の頂部間を結合するハ
ットトラス3を設けると共に、前記ハットトラス3にお
いて高層ダブルチューブ架構の頂部に発生する上下変形
を水平な平行運動に変換する平行リンク機構6がボイド
部分に併設されている。平行リンク機構6の対角線方向
に2本のダンパー12、12をブレースのように配置
し、それぞれの両端をピン10を共通に使用して連結し
た構成とされている。ダンパー12には、軸変形を利用
して減衰する、例えばオイルダンパーが好適に使用され
る。
ンク機構の変形動作に伴う対角線方向の伸縮変形を利用
してダンパー12の減衰作用が奏されるのである。
示している。
高層ダブルチューブ架構の曲げ変形は、同架構の頂部の
みならず中層階よりも下方部に発生する場合のあること
を考慮して、中層階より下方の変形が卓越して現れる部
分に設置したことを特徴とする。
げ剪断変形が卓越して現れる中層階の位置に、空所(ボ
ルド)を利用して、両側の内周チューブ架構2、2の間
を、平行四辺形リンク機構を形成するように繋ぐ上下の
水平リンク13、13が設置されている。前記上下の平
行リンク13、13の間に、上下の平行リンク13、1
3の相対的な平行運動を利用して減衰動作するダンパー
11を設置した構成である。したがって、図2、図3の
実施例と共通する構成でもある。
体壁ダンパーを好適に使用できる。よって、奏する作用
効果も、上記図2の実施例と類似する。
形態を示す。
中層階よりも下方部において曲げ剪断変形が卓越して発
生する場合のあることを考慮した構成であり、図4の実
施形態と類似する構成である。
げ剪断変形が卓越して現れる中層階の位置に、空所(ボ
イド)を利用して、両側の内周チューブ架構2、2の間
を平行四辺形リンク機構の対角線方向に繋ぐ2本のダン
パー12、12を設置して減衰する構成である。ダンパ
ー12には、やはり軸変形を利用して減衰動作するオイ
ルダンパーを好適に使用できるのである。
地震応答解析をした結果を示す。図中の特性(a)は制
振装置なしの場合で、特性(b)は図1の実施形態の制
振装置に係るもの、特性(c)は図2に示す実施形態の
地震応答解析の結果を示している。従来の応答特性
(a)に比べて、本発明の応答特性(b)、(c)は地
震応答を20から30%低減できることが理解される。
係る高層ダブルチューブ架構の制振装置は、高層ダブル
チューブ架構の曲げ剪断変形の振動制御と耐震安全性の
改善を、既存する従来一般のダンパーを使用して行うこ
とを可能ならしめる。
高層ダブルチューブ架構の曲げ剪断変形が、建物頂部へ
行くにしたがい蓄積して平面位置における両端の上下変
形として大きく現れる現象を利用して、それをダンパー
動作用の軸変形ないし水平変形に変換して振動制御と耐
震安全性を改善する制振装置を提供する。
が卓越する高層ダブルチューブ架構の曲げ変形が、同建
物の中層階よりも下方部に発生する場合のあることを考
慮して、そのような部位の上下変形を、やはりダンパー
動作用の軸変形ないし水平変形に変換して振動制御と耐
震安全性を改善する制振装置を提供する。
図である。
図である。
ある。
図である。
図である。
図である。
の地震応答解析の結果を示す特性図である。
図である。
Claims (5)
- 【請求項1】外周チューブ架構と、内周チューブ架構と
の組合わせから成る高層ダブルチューブ架構の制振装置
であって、 高層ダブルチューブ架構の曲げ剪断変形が顕著に現れる
高さ位置に、同高層ダブルチューブ架構に囲まれた空所
を利用して制振装置が設置されていること、 制振装置は、高層ダブルチューブ架構の曲げ変形と直角
な面の両側に発生する上下変形をダンパーの変形に変換
して減衰する構成であることを特徴とする、高層ダブル
チューブ架構の制振装置。 - 【請求項2】高層ダブルチューブ架構の頂部間を結合す
るハットトラスを設けると共に、前記ハットトラスにお
いて高層ダブルチューブ架構の両側に発生する上下変形
を軸変形に変換するトラス材にその軸変形を利用して減
衰するダンパーが設置されていることを特徴とする、請
求項1に記載した高層ダブルチューブ架構の制振装置。 - 【請求項3】高層ダブルチューブ架構の頂部間を結合す
るハットトラスを設けると共に、前記ハットトラスにお
いて高層ダブルチューブ架構の両側に発生する上下変形
を水平な平行運動に変換する平行リンク機構を形成する
上下の水平リンクが設置され、前記上下の水平リンク間
にその相対的な平行運動を利用して減衰するダンパーを
設置した構成であることを特徴とする、請求項1に記載
した高層ダブルチューブ架構の制振装置。 - 【請求項4】高層ダブルチューブ架構において曲げ剪断
変形が卓越して現れる中層階の位置に、両側の内周チュ
ーブ架構間を、平行四辺形リンク機構を形成するように
繋ぐ上下の水平リンクが設置され、該上下の平行リンク
間に、上下の平行リンクの相対的な平行運動を利用して
減衰するダンパーを設置した構成であることを特徴とす
る、請求項1に記載した高層ダブルチューブ架構の制振
装置。 - 【請求項5】高層ダブルチューブ架構において曲げ剪断
変形が卓越して現れる中層階の位置に、両側の内周チュ
ーブ架構間を平行四辺形リンク機構の対角線方向に繋ぐ
ダンパーを設置して減衰する構成であることを特徴とす
る、請求項1に記載した高層ダブルチューブ架構の制振
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34887899A JP3807175B2 (ja) | 1999-12-08 | 1999-12-08 | 高層ダブルチューブ架構の制振装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=18400005
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JP34887899A Expired - Fee Related JP3807175B2 (ja) | 1999-12-08 | 1999-12-08 | 高層ダブルチューブ架構の制振装置 |
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JP (1) | JP3807175B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014196188A (ja) * | 2013-03-29 | 2014-10-16 | 鹿島建設株式会社 | ラック棚の制震構造 |
JP2020023816A (ja) * | 2018-08-07 | 2020-02-13 | 清水建設株式会社 | マンサード型屋根および屋根構造 |
JP2021139222A (ja) * | 2020-03-09 | 2021-09-16 | 大成建設株式会社 | 建物 |
-
1999
- 1999-12-08 JP JP34887899A patent/JP3807175B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP7291653B2 (ja) | 2020-03-09 | 2023-06-15 | 大成建設株式会社 | 建物 |
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