JP2001164647A - 建物のバルコニー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】建物にバルコニーを設けるにあたって、建物と
バルコニーの全体が調和して陰影のある高級感を漂わせ
るとともに、収納物の収納機能をも備えた建物のバルコ
ニーを提供する。 【解決手段】開口部４にバルコニー５が外方に張り出し
て設けられた建物１において、前記バルコニー５の左右
両側部には、中空の柱状部材６、７がそれぞれ立設さ
れ、該柱状部材６、７の内部が収納部になされている。
前記左右の柱状部材６、７のうち、一方の柱状部材７の
収納部にはバルコニー側もしくは室外側から収納物が出
し入れ自在に構成され、他方の柱状部材６の収納部には
室内側から収納物が出し入れ自在に構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、建物のバルコニー
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、２階建ての建物などにおいては、
２階の開口部にバルコニーを当該開口部から外方に張り
出して設け、このバルコニーを住居空間の一部に取り入
れ、物干し場などとして利用するようになされている。

【０００３】そして、このバルコニーは、建物の外壁か
ら当該バルコニーだけが張り出して設けられているのが
一般的である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のようにバルコニーだけを建物の外壁から張り出して
設けたものでは、外観上バルコニーだけが浮き出た形で
目立つため、建物全体の意匠を損なうことにもなりかね
ない。

【０００５】また、限られた室内空間を極力広く有効に
利用できるようにするには、押入れなどの収納部の面積
を小さくした間取りになる傾向があり、このように収納
部が小さいと収納物を部屋の中やバルコニーに置く事に
なり、結局は室内空間を有効に利用できていないのが実
状であった。

【０００６】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
で、建物にバルコニーを設けるにあたって、建物とバル
コニーの全体が調和して陰影のある高級感を漂わせると
ともに、収納物の収納機能をも備えた建物のバルコニー
を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明の建
物のバルコニーは、開口部にバルコニーが外方に張り出
して設けられた建物において、前記バルコニーの左右両
側部には、中空の柱状部材がそれぞれ立設され、該柱状
部材の内部が収納部になされたものである。

【０００８】請求項２に係る発明の建物のバルコニー
は、前記左右の柱状部材のうち、一方の柱状部材の収納
部にはバルコニー側もしくは室外側から収納物が出し入
れ自在に構成され、他方の柱状部材の収納部には室内側
から収納物が出し入れ自在に構成されたものである。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。

【００１０】図１は、本発明の建物のバルコニーの構成
を示している。なお、本実施の形態では、建物として２
階建てのアパートを例に採って説明する。

【００１１】この建物１は、１階中央部正面に設けられ
た共用の玄関２を挟んで左右上下階に計４世帯が住居で
きるように構築されたものである。

【００１２】左右上下階の各住居部３ａ〜３ｄの正面に
はサッシからなる２つの窓（開口部）４がそれぞれ設け
られ、室内への採光や換気を良好にしている。

【００１３】この２階の左右の窓４、４には、バルコニ
ー５がそれら窓４、４から外方に張り出して設けられ、
このバルコニー５に室内から窓４を通じて出入自在にな
されている。これら左右のバルコニー５は、両者とも構
成が同様であり、以下、一方のバルコニー５の構成につ
いて説明し、他方のバルコニー５の説明は省略する。

【００１４】バルコニー５は、前記窓４、４の横幅と略
同じ横幅を有し、その左右両側部には中空の柱状部材
６、７が１階から２階全体にかけて立設された構造にな
されている。

【００１５】上記柱状部材６、７は、図２及び図３に示
すように矩形状の中空体であり、その内部が収納物を収
納可能な収納部６ａ、７ａになされている。

【００１６】そして、例えば図２に示す１階の住居部３
ｃでは、前記一方の柱状部材６は、室内に面する一側面
に開閉自在な扉６１が設けられており、扉６１を通じて
室内側から収納物を出し入れ自在にしている。扉６１は
例えばアコーデオンタイプのものが使用されている。

【００１７】また、他方の柱状部材７には、室外に面す
る内側一側面に開閉自在な扉７１が設けられており、扉
７１を通じて室外側から収納物を出し入れ自在にしてい
る。扉７１は例えば片開きタイプのものが使用されてい
る。

【００１８】この１階の住居部３ｃにおいて、柱状部材
６、７で挟まれた前記バルコニー５の直下の部位は、前
記バルコニー５と略同じ広さのテラス５′が窓４、４に
面して形成されている。

【００１９】上述した柱状部材６、７内の収納部６ａ、
７ａは、１階の住居部３ｃに限らず、図３に示すように
２階の住居部３ｄにも同様にして設けられている。つま
り、２階の住居部３ｄにおいては柱状部材７の収納部７
ａへの収納物の出し入れは室外となるバルコニー５側か
ら行うようになされている。

【００２０】上記柱状部材６、７には、冬などに室内側
に結露が生じないよう適所に断熱材が配設されている。

【００２１】このようにバルコニー５の両側部に柱状部
材６、７を配置することで、バルコニー５に奥行き感を
出すことができるとともに、建物とバルコニー５との全
体が調和して建物全体に陰影のある高級感を漂わせるこ
とができ、意匠性の高いファサードを演出することがで
きる。

【００２２】また、窓４に面し、柱状部材６、７で挟ま
れてなるバルコニー５及びテラス５′は、その空間部が
室内空間に近いたものになっている。

【００２３】さらに、柱状部材６、７に収納物を収納で
きるので、各住居部の室内空間を広く有効に利用するこ
とができる間取りにすることができる。しかも、柱状部
材７の収納部７ａには室外で使用する例えばスキーやゴ
ルフバックなどの収納物を、柱状部材６の収納部６ａに
は室内で使用する収納物をそれぞれ別けて収納できるた
め、室内で使用する収納物が汚れず、綺麗に収納できる
とともに、収納部６ａ、７ａへの収納により室内が煩雑
にならない。

【００２４】さらに、前記バルコニー上下端縁部には化
粧胴差し８が設けられるとともに、柱状部材６、７の２
階部出隅コーナには化粧付け柱９が設けられており、こ
れら化粧胴差し８と化粧付け柱９とにより、さらにバル
コニー周辺部にアクセントを付けることができ、建物の
意匠性をさらに高めることができる。

【００２５】次に、図２に示す各住居部の間取りについ
て簡単に説明する。図２は１階の住居部の間取りを示し
ており、左右の住居部の間取りは左右対称になされてい
る。

【００２６】この住居部３ｃは、前記窓４、４に面して
リビング・ダイニング１０が配置されている。このリビ
ング・ダイニング１０に臨む奥行き方向には左右に和室
１１とキッチン１２が配置され、さらにその奥に玄関ホ
ールを１３を通じて洗面所・浴室１４、トイレ１５が配
置され、洗面所・浴室１４、トイレ１５を挟んで左右に
寝室１６、１７が配置されている。

【００２７】なお、本実施の形態では、２階の住居部に
のみバルコニー５を設けた建物について説明したが、１
階の住居部にも２階と同様なバルコニーを設けることも
可能である。

【００２８】

【発明の効果】以上述べたように、請求項１に係る発明
によれば、バルコニーの左右両側部に中空の柱状部材を
それぞれ立設し、該柱状部材の内部を収納部としたこと
でバルコニーに奥行き感を出すことができるとともに、
建物とバルコニーとの全体が調和して建物全体に陰影の
ある高級感を漂わせることができ、意匠性の高いファサ
ードを演出することができる。また、柱状部材に収納物
を収納できるので、室内が煩雑にならず、各住居部の室
内空間を広く有効に利用することができる。

【００２９】請求項２に係る発明によれば、一方の柱状
部材の収納部をバルコニー側もしくは室外側から出し入
れ自在に構成し、他方の柱状部材の収納部を建物の室内
側から出し入れ自在に構成したことで、一方の柱状部材
の収納部には室外で使用する収納物を、他方の柱状部材
の収納部には室内で使用する収納物をそれぞれ別けて収
納でき、これにより室内で使用する収納物が汚れず、綺
麗に収納できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の建物のバルコニーの構成を示す正面図
である。

【図２】１階における柱状部材の収納部並びに住居部の
間取りを示す図である。

【図３】２階における柱状部材の収納部を示す図であ
る。

【符号の説明】

１ 建物 ３ａ〜３ｄ 住居部 ４ 窓（開口部） ５ バルコニー ５′ テラス ６、７ 柱状部材 ６ａ、７ａ 収納部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 開口部にバルコニーが外方に張り出して
   設けられた建物において、 前記バルコニーの左右両側部には、中空の柱状部材がそ
   れぞれ立設され、該柱状部材の内部が収納部になされた
   ことを特徴とする建物のバルコニー。
2. 【請求項２】 前記左右の柱状部材のうち、一方の柱状
   部材の収納部にはバルコニー側もしくは室外側から収納
   物が出し入れ自在に構成され、他方の柱状部材の収納部
   には室内側から収納物が出し入れ自在に構成されたこと
   を特徴とする請求項１記載の建物のバルコニー。