JP2001164141A - 顔料組成物 - Google Patents

顔料組成物

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JP2001164141A
JP2001164141A JP35140299A JP35140299A JP2001164141A JP 2001164141 A JP2001164141 A JP 2001164141A JP 35140299 A JP35140299 A JP 35140299A JP 35140299 A JP35140299 A JP 35140299A JP 2001164141 A JP2001164141 A JP 2001164141A
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pigment
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quinacridone
dimer
phosphoric acid
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Seiji Funakura
省二 船倉
Keisuke Tanemura
圭祐 種村
Hideki Okabe
英樹 岡部
Fukue Go
富久恵 郷
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】塗料、プラスチック、印刷インキ、ゴム、レザ
ー、捺染、カラートナー、カラーフィルター、ジェット
インキ、熱転写インキなどの色材用に着色力が高く、耐
熱性に優れた微細な有機顔料組成物を提供することにあ
る。 また、環境保護的・経済的な製法での有機顔料組
成物を提供することにある。 【解決手段】有機顔料100重量部に対し、キナクリド
ン2量体を0.5〜10重量部含有する顔料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微細な有機顔料に
関する。さらに詳細には、塗料、プラスチック、印刷イ
ンキ、ゴム、レザー、捺染、カラートナー、カラーフィ
ルター、ジェットインキ、熱転写インキなどの色材用に
適性の優れた微細な有機顔料を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、微細な有機顔料は、たとえば「色
材協会誌」第71巻7号458頁〜464頁(1998
年発行)記載の、ソルトミリング法、酸溶解法、ラテン
ト顔料技術法等で製造することができる。また、特開平
9−165528号公報に開示されているように、粗大
粗顔料を粉砕装置により機械的に粉砕した後、この微細
であるが高度に凝集した粉砕粗顔料を溶剤処理するか又
は湿式摩砕し製造することができる。また、特開平11
−130974号公報に開示されているように、塩基と
水と非プロトン系有機溶剤で粗顔料を溶解した後、酸で
有機顔料を析出する方法により製造することができる。
【0003】しかしながら、上記のような製造方法で得
られた有機顔料は、最近要求されている高着色力で、耐
熱性等の種々の良好な耐性を得ることに問題があった。
【0004】また、高着色力を達成する目的でより微細
化するためには、ソルトミリング法ではより多量の塩化
ナトリウムやエチレングリコールを使用することとな
り、これが廃水中に流出し、更に摩砕エネルギーをより
使用するために、環境保護的・経済的に問題である。
また酸溶解法でもより多量の酸を使用することとなり、
これが廃水中に流出するために、環境保護的・経済的に
問題である。また、湿式摩砕法でも摩砕エネルギーをよ
り使用するために、経済的に問題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、塗料、プラスチック、印刷インキ、ゴム、
レザー、捺染、カラートナー、カラーフィルター、ジェ
ットインキ、熱転写インキなどの公知慣用の色材用に着
色力が高く、耐熱性に優れた微細な有機顔料組成物を提
供することにある。また、環境保護的・経済的な製法で
の有機顔料組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、こうした
実状に鑑み、従来技術の欠点を解決すべく鋭意研究した
結果、本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は上記課題を解決するため
に、次の発明を提供する。 (1) 有機顔料100重量部に対し、キナクリドン2
量体を0.5〜10重量部含有する顔料組成物。
【0008】(2) キナクリドン2量体が、下記、順
に一般式(I)及び/又は一般式(II)及び/又は一般
式(III)及び/又は一般式(IV)及び/又は一般式
(V)で表わされる化合物である(1)記載の顔料組成
物。
【0009】
【化6】
【0010】
【化7】
【0011】
【化8】
【0012】
【化9】
【0013】
【化10】
【0014】(上記一般式(I)から(V)中、いずれの式中
においても、X又はYは、各々独立的に、水素、ハロゲ
ン又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基又はアル
コキシ基を表わし、m及びnは各々独立的に0〜2の整
数を表わす。)
【0015】(3) 有機顔料がキナクリドン系化合物
顔料である(1)又は(2)記載の顔料組成物。
【0016】(4) 有機顔料が2,9−ジメチルキナ
クリドン顔料である(1)、(2)又は(3)記載の顔
料組成物。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、塗料、プラスチック、
印刷インキ、ゴム、レザー、捺染、カラートナー、カラ
ーフィルター、ジェットインキ、熱転写インキなどの公
知慣用の色材用の有機顔料として使用できる有機顔料組
成物に関する。
【0018】本発明は、キナクリドン2量体からなる有
機顔料用添加剤に関し、また本発明の顔料組成物は、有
機顔料100重量部に対して、キナクリドン2量体を
0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重量部含有する
ことを特徴とする。
【0019】本発明で使用するキナクリドン2量体は、
置換基を有していてもいなくとも良いキナクリドン2分
子が2量化した骨格を有した物質を意味する。このキナ
クリドン2量体は、その芳香環上に置換基を有していて
もいなくともよい。ここで典型的な置換基としては、例
えばハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基等が挙げ
られる。
【0020】この様なキナクリドン2量体としては、具
体的には、例えば、上記、一般式(I)、一般式(I
I)、一般式(III)、一般式(IV)、一般式(V)で表
わされる各化合物が挙げられる。
【0021】これらキナクリドン2量体は、元素分析、
質量分析(MS)、赤外線吸収スペクトル(IR)、核
磁気共鳴(プロトンNMR、炭素13NMR)等によ
り、容易に同定することが出来る。
【0022】本発明のキナクリドン2量体は、例えば粗
製キナクリドンのポリリン酸又は酸性ポリリン酸アルキ
ルエステル溶媒溶液とした後、この溶液のリン酸濃度を
低下させスラリー化し、熱時濾過して濾液のみを得て、
この濾液のリン酸系溶媒の濃度をさらに低下させること
により、キナクリドン2量体を析出させて得ることがで
きる。
【0023】この際に用いる粗製キナクリドンは、例え
ば特公昭56−45434号公報に記載の2,5−ジア
リールアミノテレフタル酸、クロロベンゼン、ジクロロ
ベンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼンの如き
不活性有機溶剤中で、硫酸、トルエン、無水金属ハロゲ
ン化合物又はアリールカルボン酸ハロゲン化物により縮
合環化させる方法、又は、特公昭36−13833号公
報に記載の2,5−ジ(アリールアミノ)−3,6−ジ
ヒドロテレフタル酸を分子内脱アルコール反応させて、
6,13−ジヒドロキナクリドンとした後、酸化させる
方法、或いはまた、2,5−ジアリールアミノテレフタ
ル酸類を、ポリリン酸又は酸性ポリリン酸アルキルエス
テルで縮合環化させる方法等よって得ることが出来る。
こうして得られた粗製キナクリドンは、濾過、乾燥して
も、そのままスラリー等のままでも、以下のキナクリド
ン2量体を製造するのに用いることが出来る。
【0024】次に、リン酸濃度110〜125重量%の
ポリリン酸又は酸性ポリリン酸アルキルエステル200
〜1000部(重量部、以下同じ)を用い、上記粗製キ
ナクリドン100重量部を、100〜180℃好ましく
は110〜150℃の温度で、2〜12時間好ましくは
2.5〜7時間撹拌しながら、溶解させる。
【0025】次いで、141〜170℃としたこの溶解
液に、50.0〜95.0重量%のリン酸系溶媒をさら
に滴下して、系内のリン酸濃度を90.0〜95.0重
量%まで希釈した後、50〜120℃で濾過分離する。
ここで得られたキナクリドン2量体が溶解した濾液を、
リン酸濃度50%以下にさらに希釈して、溶解していた
キナクリドン2量体を析出させた後、濾過分離すること
により、濾残としてキナクリドン2量体を得ることがで
きる。
【0026】上記2,5−ジアリールアミノテレフタル
酸類は、芳香環に置換基を有したものものも、有してい
ないものも使用できるが、例えば下記一般式で表わされ
る化合物が好ましい。
【0027】
【化11】
【0028】(式中、X又はYは、各々独立的に、水
素、ハロゲン又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル
基又はアルコキシ基を表わし、m及びnは各々独立的に
0〜2の整数を表わす。)
【0029】2,5−ジアリールアミノテレフタル酸類
は、例えば置換基を有していても有していなくとも良い
サクシニルコハク酸ジアルキルに、置換基を有していて
も有していなくとも良いアニリン類とを反応させ、酸化
及び加水分解を行ことで得られる。
【0030】2,5−ジアリールアミノテレフタル酸類
は、より具体的には、例えば、コハク酸ジメチル又はコ
ハク酸ジエチルを縮合閉環してサクシニルコハク酸ジメ
チル又はサクシニルコハク酸ジエチルを得た後、これ
に、アニリン、フルオロアニリン、クロロアニリン、ブ
ロモアニロン、トルイジン、エチルアニリン、n−プロ
ピルアニリン、イソプロピルアニリン、n−ブチルアニ
リン、イソブチルアニリン、sec−ブチルアニリン、
tert−ブチルアニリン、アニシジン、エトキシアニ
リン、プロピロキシアニリン、イソプロピロキシアニリ
ン、n−ブトキシアニリン、イソブトキシアニリン、s
ec−ブトキシアニリン、tert−ブトキシアニリン
の如き置換アニリンを縮合反応させた後、酸化及び加水
分解を行う既知の方法によって得られる。
【0031】上記ポリリン酸は、例えば、リン酸濃度1
00%以下のリン酸と無水リン酸を混合すること、又は
100%以下のリン酸を濃縮すること等によって製造す
ることができる。
【0032】本発明で使用する酸性ポリリン酸アルキル
エステルは、無水リン酸とジアルキルエーテルとから調
製されるものであって、例えば、酸性ポリリン酸メチル
エステル、酸性ポリリン酸エチルエステル、酸性ポリリ
ン酸n−プロピルエステル、酸性ポリリン酸イソプロピ
ルエステル、酸性ポリリン酸n−ブチルエステル、酸性
ポリリン酸イソブチルエステル、酸性ポリリン酸sec
−ブチルエステル、酸性ポリリン酸tert−ブチルエ
ステル、酸性ポリリン酸n−アミルエステル、酸性ポリ
リン酸イソアミルエステル、酸性ポリリン酸tert−
アミルエステル等が挙げられる。
【0033】また、本発明で使用するキナクリドン2量
体は、特公昭56−45434号公報に記載の2,5−
ジアリールアミノテレフタル酸、クロロベンゼン、ジク
ロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ニトロベンゼンの
如き不活性有機溶剤中で、硫酸、トルエン、無水金属ハ
ロゲン化合物又はアリールカルボン酸ハロゲン化物によ
り環化反応させた後、濾過、乾燥させることによっても
得られる粗製キナクリドン又は、特公昭36−1383
3号公報に記載の2,5−ジ(アリールアミノ)−3,
6−ジヒドロテレフタル酸を分子内脱アルコール反応さ
せて、6,13−ジヒドロキナクリドンとした後、酸化
させた後、濾過、乾燥させることによっても得られる粗
製キナクリドンを、リン酸濃度110〜125重量%の
ポリリン酸又は酸性ポリリン酸アルキルエステル等の縮
合剤2〜10部を用い、100〜180℃、好ましくは
110〜150℃の温度で、2.5〜7時間撹拌しなが
ら、溶解させる。次いで、この溶解液を141〜170
℃の温度で50.0〜95.0重量%のリン酸水溶液を
滴下して、系内のリン酸濃度を90.0〜95.0重量
%まで希釈した後、50〜120℃で濾過分離される濾
液をリン酸濃度50%以下に希釈した後、濾過分離され
る濾残として得ることができる。
【0034】このようにして得たキナクリドン2量体
は、リン酸又は水を含んだウェットケーキである。これ
をそのまま使用することが望ましいが、ウェットケーキ
をアルカリ洗浄してリン酸を除いたウェットケーキ、又
はこれを乾燥し水分を除いた固体としても使用可能であ
る。
【0035】本発明の顔料組成物は、有機顔料と上記キ
ナクリドン2量体を配合により得ることも出来るが、上
記キナクリドン2量体0.5〜10重量部、好ましくは
1〜5顔料部を、粗顔料及び/又は粉砕粗顔料100重
量部に対し混合し、水及び/又は有機溶剤と混合して懸
濁物とし、常圧反応容器又は加圧反応容器を用いて20
〜200℃の範囲、好ましくは80〜200℃の範囲
で、0〜20時間、好ましくは5〜20時間保温しなが
ら撹拌し、顔料懸濁物は、ヌッチェ、フィルタープレス
等の濾過機によって顔料組成物を濾別する。次に、中
性、酸性、又はアルカリ性の湯、又は水で洗浄すること
が好ましい。
【0036】また、本発明の顔料組成物は、上記キナク
リドン2量体0.5〜10重量部、好ましくは1〜5重
量部を、粗有機顔料100重量部に対し混合し、特開平
9−165528号公報に開示されているように、粉砕
装置により機械的に粉砕した後、この微細であるが高度
に凝集した粉砕粗有機顔料を溶剤処理するか又は湿式摩
砕し製造することもできる。また、特開平11−130
974号公報に開示されているように、塩基と水と非プ
ロトン系有機溶剤で溶解した後、酸で有機顔料を析出す
る方法により製造することもできる。また、ソルトミリ
ング法により製造することも好ましい。
【0037】上記有機顔料の具体例を挙げると次の通り
である。キナクリドン系化合物顔料としては、例えば.
I.Pigment Violet 19、同42、
C.I.Pigment Red 122、同202、
同206、同207、同209、C.I.Pigmen
t Orange 48、同49等の顔料が挙げられ
る。
【0038】フタロシアニン系化合物顔料としては、例
えばC.I.Pigment Blue 15、同1
5:1、同15:2、同15:3、同15:4、同1
5:6、同16、C.I.Pigment Green
7、同36等の顔料が挙げられる。
【0039】スレン系化合物顔料としては、例えばC.
I.Pigment Blue 60、C.I.Pig
ment Yellow 24、同108、同193、
同199、同202、C.I.Pigment Red
168、同177、C.I.Pigment Ora
nge 40等の顔料が挙げられる。
【0040】ペリレン系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Violet 29、C.
I.Pigment Red 123、同149、同1
78、同179、C.I.Pigment Black
31、同32、C.I.Pigment Orang
e 43等の顔料が挙げられる。
【0041】フタロン系化合物顔料としては、例えば、
C.I.Pigment Yellow 138等の顔
料が挙げられる。
【0042】ジオキサジン系化合物顔料としては、C.
I.Pigment Violet23、同37等の顔
料が挙げられる。
【0043】イソインドリノン系化合物顔料としては、
例えばC.I.Pigment Yellow 10
9、同110、同173、C.I.Pigment O
range 61等の顔料が挙げられる。
【0044】メチン・アゾメチン系化合物顔料として
は、例えばC.I.PigmentYellow 13
9、同185、C.I.Pigment Orange
66、同69、C.I.Pigment Red 2
60、C.I.Pigment Brown 38等の
顔料が挙げられる。
【0045】ジケトピロロピロール系化合物顔料として
は、例えばC.I.PigmentRed 254、同
255、同264、同270、同271、C.I.Pi
gment Orange 71、同73等の顔料が挙
げられる。
【0046】アゾレーキ系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Red48:1、同48:
2、同48:3、同48:4、同48:5、同49:
1、同49:2、同49:3、同50:1、同51:
1、同52:1、同52:2、同53:1、同57:
1、同58:2、同58:4、同60:1、同63:
1、同63:2、同64:1、同200、同211、同
238、同239、同240、同243、同245、同
247、C.I.Pigment Yellow 6
1、同62:1、同104、同133、同168、同1
69、同183、同190、同191、C.I.Pig
ment Orange 17、同17:1、同19、
同46等の顔料が挙げられる。
【0047】不溶性アゾ系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Yellow 1、同3、
同12、同13、同14、同17、同55、同73、同
74、同81、同83、同97、同130、同151、
同152、同154、同156、同165、同166、
同167、同170、同171、同172、同174、
同175、同176、同180、同181、同188、
C.I.Pigment Orange 16、同3
6、同60、C.I.Pigment Red5、同2
2、同31、同112、同146、同150、同17
1、同175、同176、同183、同185、同20
8、同213、C.I.PigmentViolet
43、同44、C.I.Pigment Blue 2
5、同26等の顔料が挙げられる。
【0048】縮合アゾ系化合物顔料としては、例えば
C.I.Pigment Yellow 93、同9
4、同95、同128、同166、C.I.Pigme
ntOrange 31C.I.Pigment Re
d 144、同166、同214、同220、同22
1、同242、同248、同262、C.I.Pigm
ent Brown 41、同42等の顔料が挙げられ
る。
【0049】本発明においてこれら有機顔料は、2種以
上を併用することもできる。尚、本発明の組成物を調製
するための有機顔料としては、キナクリドン系化合物顔
料が着色力と耐熱性の向上の点で優れるので好ましい。
最も好ましいキナクリドン系化合物顔料は、2,9−ジ
メチルキナクリドン顔料である。
【0050】粗有機顔料及び/又は粉砕粗有機顔料の懸
濁物を製造するために用いる有機溶剤としては、例え
ば、メチルアルコール、エチルアルコール、n―プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、n―ブチルア
ルコール、イソブチルアルコール、sec―ブチルアル
コール、tert―ブチルアルコールの如き炭素原子数
1〜4の低級アルコール;ベンゼン、トルエン、o―キ
シレン、m―キシレン、p―キシレンの如きメチル基で
置換されていても良い芳香族炭化水素;ジメチルホルム
アミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられるが、これ
らの中でも低級アルコールが好ましく、取り扱いの面、
顔料化後の懸濁液からの除去の面からイソプロピルアル
コール及びイソブチルアルコールが特に好ましい。
【0051】当該懸濁物中の粗顔料及び/又は粉砕粗顔
料の割合は、40重量%以下が好ましく、5〜20重量
%の範囲が特に好ましい。
【0052】当該懸濁物中に、顔料誘導体及び又は、ス
テベライトロジンナトリウム、ウッドロジンナトリウム
の如きロジンナトリウム;花王社製の「ファーミン」、
「エマルゲン」、「デモール」等のカチオン性、ノニオ
ン性又はアニオン性界面活性剤等を添加することもでき
る。これらの添加物を使用する場合の使用割合は、粗顔
料又は粉砕粗顔料100重量部に対して通常0.1〜1
5重量%、このましくは、0.5〜10重量%である。
【0053】上記顔料誘導体としては、フタロシアニン
誘導体やキナクリドン誘導体が挙げられ、例えばフタロ
シアニンのフタルイミドメチル誘導体、フタロシアニン
のスルホン酸誘導体、フタロシアニンのN−(ジアルキ
ルアミノ)メチル誘導体、フタロシアニンのN−(ジア
ルキルアミノアルキル)スルホン酸アミド誘導体、キナ
クリドンのフタルイミドメチル誘導体、キナクリドンの
スルホン酸誘導体、キナクリドンのN−(ジアルキルア
ミノ)メチル誘導体、キナクリドンのN−(ジアルキル
アミノアルキル)スルホン酸アミド誘導体等がある。こ
れらの添加は、フロッキュレーションの低減、顔料の分
散安定性の向上、インキ及び塗料等の粘度特性を向上に
も寄与する。
【0054】濾別、洗浄後の乾燥としては、例えば、乾
燥機に設置した加熱源による80〜120℃の加熱等に
より、顔料組成物の脱水及び/又は脱溶剤をする回分式
あるいは連続式の乾燥等が挙げられ、乾燥機としては一
般に箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライアー等
がある。また、乾燥後の粉砕としては、箱型乾燥機、バ
ンド乾燥機を用いた乾燥の場合のように顔料が塊状等の
となった際に顔料を粉末化するために通常行うものであ
り、例えば、乳鉢、ハンマーミル、ディスクミル、ピン
ミル、ジェットミル等による粉砕等が挙げられる。ま
た、得られた粉末を篩い又は気流分級機等により、粗粒
を除くことが好ましい。
【0055】また、攪拌後の顔料懸濁物または、濾過分
離後のウェットケーキを、ワニス又は樹脂等でフラッシ
ングし、塗料、プラスチック、印刷インキ、ゴム、レザ
ー、捺染、カラートナー、カラーフィルター、ジェット
インキ、熱転写インキなどに使用することも可能であ
る。
【0056】本発明の顔料組成物は、高い着色力を有
し、また耐熱性も良好な微細な顔料組成物で、塗料、プ
ラスチック、印刷インク、ゴム、レザー、捺染、電子ト
ナー、カラーフィルター、ジェットインキ、熱転写イン
キなどの着色に適する。
【0057】
【実施例】以下、実施例、参考例及び比較例を用いて、
本発明を更に詳細に説明する。以下の例において、
「部」及び「%」は、特に断りのない限り、全て重量基
準である。
【0058】(実施例1)2,5−ジアニリノテレフタ
ル酸100部とリン酸濃度119.5%のポリリン酸2
80部とを、125℃の温度で3時間撹拌することによ
り、2,5−ジアニリノテレフタル酸を縮合環化させ
た。系内のリン酸濃度は、環化縮合により生じた水によ
って115.6%に低下した。次いで、反応系の温度を
141〜170℃の範囲に調整しながら、系内のリン酸
濃度の希釈速度が0.3重量%/分と成るように、5
2.0%リン酸水溶液を徐々に滴下して、系内のリン酸
濃度を92.0%まで低下させてスラリー化した。
【0059】次に、このリン酸濃度92.0%のスラリ
ーを90℃で濾過した後、残渣を52.0%リン酸水溶
液を用いて洗浄し、濾液に水を加えて、系内のリン酸濃
度を50%とし、無置換キナクリドン2量体を沈殿させ
た。 このスラリーを濾過し、濾残を48%水酸化ナト
リウム水溶液に投入しpHを12とし、濾過して60℃
の湯を用いて洗浄し、乾燥させて無置換キナクリドン2
量体0.3部を得た。精密質量分析を行った結果、質量
数622.16であり、これから求められる組成式はC
402244であった。
【0060】(実施例2)2,5−ジ(p−トルイジ
ノ)テレフタル酸100部と、リン酸濃度118.5%
のポリリン酸270部とを、130℃の温度で3時間撹
拌することにより、2,5−ジ(p−トルイジノ)テレ
フタル酸を縮合環化させた。系内のリン酸濃度は、環化
縮合により生じた水によって、115.6%に低下し
た。次いで、反応系の温度を141〜170℃の範囲に
調整しながら、系内のリン酸濃度の希釈速度が0.3重
量%/分と成るように、85%リン酸水溶液を徐々に滴
下して、系内のリン酸濃度を104%まで低下させた
後、更に、同一の希釈速度と成るように、52.0%リ
ン酸水溶液を滴下して、系内のリン酸濃度を91.0%
まで低下させてスラリー化した。
【0061】次に、このリン酸濃度91.0%のスラリ
ーを90℃で濾過した後、残渣を52.0%リン酸水溶
液を用いて洗浄し、濾液に水を加えて、系内のリン酸濃
度を20%とし、2,9−ジメチルキナクリドン2量体
を沈殿させた。 このスラリーを濾過し、ウェットケー
キ状のジメチルキナクリドン2量体1.9部を得た。こ
のウェットケーキを48%水酸化ナトリウム水溶液に投
入しpHを12とし、濾過して60℃の湯を用いて洗浄
し、乾燥させて2,9−ジメチルキナクリドン2量体
0.3部を得た。これよりウェットケーキ中の2,9−
ジメチルキナクリドン2量体は15.8%であった。
【0062】(実施例3)2,5−ジ(p−クロロアニ
リノ)テレフタル酸100部と、リン酸濃度117.0
%のポリリン酸600部とを、125℃の温度で3時間
撹拌することにより、2,5−ジ(p−クロロアニリ
ノ)テレフタル酸を縮合環化させた。系内のリン酸濃度
は、環化縮合により生じた水によって、113.9%に
低下した。次いで、反応系の温度を141〜170℃の
範囲に調整しながら、系内のリン酸濃度の希釈速度が
0.3重量%/分と成るように、95%リン酸水溶液を
徐々に滴下して、系内のリン酸濃度を105%まで低下
させ、更に、同一の希釈速度と成るように、52.0%
リン酸水溶液を滴下して系内のリン酸濃度を92.0%
まで低下させてスラリー化した。
【0063】次に、このリン酸濃度92.0%のスラリ
ーを90℃で濾過した後、残渣を52.0%リン酸水溶
液を用いて洗浄し、濾液に水を加えて、系内のリン酸濃
度を30%とし、2,9−ジクロロキナクリドン2量体
を沈殿させた。 このスラリーを濾過し、濾残を48%
水酸化ナトリウム水溶液に投入しpHを12とし、濾過
して60℃の湯を用いて洗浄し、ウェットケーキ状の
2,9−ジクロロキナクリドン2量体1.0部を得た。
このウェットケーキを乾燥させて2,9−ジクロロキナ
クリドン2量体0.2部を得た。これよりウェットケー
キ中の2,9−ジクロロキナクリドン2量体は20%で
あった。
【0064】(実施例4)2,5−ジ(m−クロロアニ
リノ)テレフタル酸100部、ニトロベンゼン500
部、ピリジン5部及び塩化ベンゾイル120部を195
〜200℃で3時間撹拌した。反応終了後、反応混合物
を常温まで冷却した後、反応混合物を濾過した。残渣を
メタノールを用いて洗浄した後、乾燥させて粗製3,1
0−ジクロロキナクリドン91部を得た。
【0065】このようにして得た粗製3,10−ジクロ
ロキナクリドン91部と、リン酸濃度119.5%のポ
リリン酸300部とを、125℃の温度で撹拌すること
により、粗製3,10−ジクロロキナクリドンを溶解し
た。次いで、溶液の温度を141〜170℃の範囲に調
整しながら、系内のリン酸濃度の希釈速度が0.3重量
%/分と成るように、52.0%リン酸水溶液を徐々に
滴下して、系内のリン酸濃度を92.0%まで低下させ
てスラリー化した。
【0066】次に、このリン酸濃度92.0%のスラリ
ーを90℃で濾過した後、残渣を52.0%リン酸水溶
液を用いて洗浄し、濾液に水を加えて、系内のリン酸濃
度を50%とし、3,10−ジクロロキナクリドン2量
体を沈殿させた。 このスラリーを濾過し、濾残を48
%水酸化ナトリウム水溶液に投入しpHを12とし、濾
過して60℃の湯を用いて洗浄し、乾燥させて3,10
−ジクロロキナクリドン2量体0.2部を得た。
【0067】(実施例5)実施例1で得られた無置換キ
ナクリドン2量体8部と2,9−ジメチルキナクリドン
粗顔料100部を水770部とイソブチルアルコール3
30部と混合し、pHを8に調整した。この懸濁物を1
24℃で5時間加圧化で攪拌し、その後、水200部を
加えた後、イソブチルアルコールを共沸留去させて、懸
濁物を水性とした後濾過した。濾取した残渣を60℃の
湯で洗浄し、乾燥させ、乳鉢を用いて粉砕して、C.
I.Pigment Red 122を含む顔料組成物
107部を得た。同顔料を自動比表面積測定装置(マイ
クロ・データ株式会社製マイクロソープ4232II型)
で測定したところ、比表面積は80m2/gであった。
【0068】(実施例6)実施例2で得られた含有量1
5.8%の2,9−ジメチルキナクリドン2量体ウェッ
トケーキ40部と2,9−ジメチルキナクリドン粗顔料
100部を水1100部と混合し、pHを7に調整し
た。この懸濁物を135℃で7時間加圧化で攪拌し、そ
の後濾過した。濾取した残渣を60℃の湯で洗浄し、乾
燥させ、乳鉢を用いて粉砕してC.I.Pigment
Red 122を含む顔料組成物106部を得た。同
顔料を実施例1の自動比表面積測定装置で測定したとこ
ろ、比表面積は105m2/gであった。
【0069】(実施例7)実施例1で得られた無置換キ
ナクリドン2量体1部と無置換キナクリドン粗顔料10
0部を水220部とジメチルホルムアミド880部と混
合し、pHを8に調整した。この懸濁物を130℃で1
0時間加圧化で攪拌し、その後、懸濁物を濾過した。濾
取した残渣を60℃の湯で洗浄し、乾燥させ、乳鉢を用
いて粉砕してC.I.Pigment Violet
19を含む顔料組成物101部を得た。同顔料を自動比
表面積測定装置(マイクロ・データ株式会社製マイクロ
ソープ4232II型)で測定したところ、比表面積は4
0m2/gであった。
【0070】(実施例8)実施例3で得られた含有量2
0%の2,9−ジクロロキナクリドン2量体ウェットケ
ーキ5部、銅フタロシアニン粗顔料(大日本インキ化学
工業株式会社製FASTOGEN Blue AC)1
00部、塩化ナトリウム700部、及びジエチレングリ
コール85部をニーダーにより、80℃で6時間粉砕し
て顔料混合物を得た。得られた顔料混合物を水1000
部に分散させて、80℃で1時間攪拌した後、濾過、乾
燥、粉砕し、C.I.Pigment Blue 1
5:3を含む顔料組成物101部を得た。同顔料を実施
例1の自動比表面積測定装置で測定したところ、比表面
積は95m2/gであった。
【0071】(実施例9)カルバゾールジオキサジンバ
イオレット粗大粗顔料(住友化学工業社製の「スミトン
ファストバイオレットRL―4Rベース」))を、縦方
向の軸線を有する円筒形の粉砕容器と、この軸線に沿っ
て配置された回転軸、及びこの回転軸に固定され、それ
ぞれが粉砕容器の側壁に向かって外向きに対称に延びた
一対の腕を2個以上有する撹拌機とからなり、粉砕媒体
として鋼球が充填された特開昭58−29861号公報
に記載のアトライターミル装置を用いて乾式粉砕してジ
オキサジンバイオレット粉砕粗顔料を得た。
【0072】上記粉砕粗顔料100部と実施例4の3,
10−ジクロロキナクリドン2量体3部を水333部と
イソブチルアルコール167部と混合し、pHを8に調
整した。この懸濁物を90℃で5時間還流化で攪拌し、
その後水200部を加えた後、イソブチルアルコールを
共沸留去させて、懸濁物を水性とした後濾過した。濾取
した残渣を60℃の湯で洗浄し、乾燥させ、乳鉢を用い
て粉砕してC.I.Pigment Violet 2
3を含む顔料組成物103部を得た。同顔料を実施例1
の自動比表面積測定装置で測定したところ、比表面積は
105m2/gであった。
【0073】(実施例10)実施例1で得られた無置換
キナクリドン2量体0.6部とC.I.Pigment
Yellow 110のイソインドリノン粗顔料10
0部と10%の水を含有するジメチルスルホキシド10
00部と水酸化ナトリウム30部をフラスコに秤取り、
窒素雰囲気下、35℃で3時間撹拌して、イソインドリ
ノン粗顔料が溶解して赤橙色の溶液となったことを確認
した。次に、この溶液の温度を15℃にして、撹拌下で
30℃の20%塩酸14部を2分間で投入した。中和熱
による発熱で温度は26℃に上昇した。この温度で充分
に均質なスラリー状を保つようにして30分間撹拌を行
った。その後、1000部の水を撹拌下に投入してスラ
リー濃度を下げ、濾過した後、濾取した残渣を60℃の
湯を用いて洗浄した後、乾燥させ、乳鉢を用いて粉砕し
てC.I.Pigment Yellow 110を含
む顔料組成物100部を得た。同顔料を実施例1の自動
比表面積測定装置で測定したところ、比表面積は40m
2/gであった。
【0074】(比較例1)実施例5の無置換キナクリド
ン2量体を添加しないで実験を行った。その結果C.
I.Pigment Red 122顔料100部を得
た。同顔料を実施例1の自動比表面積測定装置で測定し
たところ、比表面積は50m2/gであった。
【0075】(比較例2)実施例6の2,9−ジメチル
キナクリドン2量体ウェットケーキを添加しないで実験
を行った。その結果C.I.Pigment Red
122顔料100部を得た。同顔料を実施例1の自動比
表面積測定装置で測定したところ、比表面積は60m2
/gであった。
【0076】(比較例3)実施例7の無置換キナクリド
ン2量体を添加しないで実験を行った。その結果C.
I.Pigment Violet 19顔料100部
を得た。同顔料を実施例1の自動比表面積測定装置で測
定したところ、比表面積は20m2/gであった。
【0077】(比較例4)実施例8の2,9−ジクロロ
キナクリドン2量体ウェットケーキを添加しないで実験
を行った。その結果C.I.Pigment Blue
15:3顔料100部を得た。同顔料を実施例1の自
動比表面積測定装置で測定したところ、比表面積は75
2/gであった。
【0078】(比較例5)実施例9の3,10−ジクロ
ロキナクリドン2量体を添加しないで実験を行った。そ
の結果C.I.Pigment Violet 23顔
料100部を得た。同顔料を実施例1の自動比表面積測
定装置で測定したところ、比表面積は90m2/gであ
った。
【0079】(比較例6)実施例10の無置換キナクリ
ドン2量体0.6部から15部に変えて実験を行った。
その結果C.I.Pigment Yellow 11
0を含む顔料組成物120部を得た。同顔料を実施例1
の自動比表面積測定装置で測定したところ、比表面積は
2m2/gであった。
【0080】<メラミンアルキッド焼付塗料の調製> (色エナメルの調製)各実施例及び各比較例で得たいず
れかのキナクリドン系化合物を上記方法で顔料化した顔
料または顔料組成物2.0g、アルキッド樹脂(大日本
インキ化学工業株式会社製の「ベッコゾールJ−524
−IM−60」)16.0g、キシレン75%及びn−
ブタノール25%から成る混合溶剤10.0g及びガラ
スビーズ(3mmφ)80gを容量100mlのガラス瓶
に入れ、ペイントコンディショナーで1時間分散させた
後、アルキッド樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製
の「ベッコゾールJ−524−IM−60」)30.2
g及びメラミン(大日本インキ化学工業株式会社製の
「スーパーベッカミンL−117−60」)19.8g
を追加し、ペイントコンディショナーで更に10分間分
散させて色エナメルを得た。
【0081】(白エナメルの調製)チタン白(石原産業
株式会社社製の「タイペークR−930」)24.0
g、アルキッド樹脂24.0g(大日本インキ化学工業
株式会社製の「ベッコゾールJ−524−IM−6
0」)、キシレン75%及びn−ブタノール25%から
成る混合溶剤4.8g及びガラスビーズ(3mmφ)8
0.0gを容量500mlのガラス瓶に入れ、ペイント
コンディショナーで1時間分散させた後、アルキッド樹
脂(大日本インキ化学工業株式会社製の「ベッコゾール
J−524−IM−60」)11.8g及びメラミン
(大日本インキ化学工業株式会社製の「スーパーベッカ
ミンL−117−60」)15.4gを追加し、ペイン
トコンディショナーで更に10分間混合して、白エナメ
ルを得た。次に、上記で作製した色エナメル1.5部と
白エナメル1部を混合して白希釈エナメルを作製した。
【0082】《塗料の試験方法》 <塗料の着色力の評価> 評価方法:白希釈エナメルをアート紙上にアプリケータ
を用いてウェット膜厚が150μmと成るように塗布し
た後、130℃で20分間焼き付けた。試験片を分光光
度計(米国データカラーインターナショナル社製 スペ
クトラフラッシュSF500)で測色し、比較例の顔料
または顔料組成物を用いた塗膜に対する実施例の顔料組
成物の塗膜の着色力を評価し、その結果を表1にまとめ
て示した。
【0083】
【表1】表 1
【0084】表1に示した結果から、各実施例5〜10
で得たキナクリドン2量体を0.5〜10重量部含有す
る顔料組成物は、メラミンアルキッド焼付塗料に用いた
場合、高い着色力を有していることが明かである。これ
に対し、各比較例1〜6で得た顔料または顔料組成物は
着色力が劣った。
【0085】《ポリオレフィン試験方法》 (試験片の調製)各実施例及び比較例で得たいずれかの
顔料組成物または顔料0.05部、ポリプロピレン(三
菱化学株式会社製ノーブレンMA−4)100部、ステ
アリン酸アルミニウム0.13部、酸化チタン(石原産
業株式会社製、タイペークRー680)0.32部をド
ライブレンドした後、射出成型機(日精樹脂工業株式会
社製PS・E型)を用いて射出成型した。200℃、2
80℃の温度を使用し、いずれの場合も滞留時間は10
分間で行った。
【0086】<ポリオレフィンの着色力の評価> 評価方法:200℃で成型されたチップを分光光度計
(米国データカラーインターナショナル社製 スペクト
ラフラッシュSF500)で測色し、比較例の顔料また
は顔料組成物を用いたチップに対する実施例の顔料組成
物のチップの着色力を評価し、その結果を表2にまとめ
て示した。
【0087】
【表2】表 2
【0088】<ポリオレフィンの耐熱性の評価> 評価方法:上記成型チップを分光光度計(米国データカ
ラーインターナショナル社製 スペクトラフラッシュS
F500)で測色し、200℃で成型されたチップと2
80℃で成型したチップとの色差(△E*)を測定し評
価した。その結果を表3にまとめて示した。
【0089】
【表3】表 3
【0090】表2及び3に示した結果から、各実施例5
〜10で得たキナクリドン2量体を0.5〜10重量部
含有する顔料組成物は、ポリオレフィンに用いた場合、
高い着色力と良好な耐熱性をを有していることが明かで
ある。これに対し、各比較例1〜6で得た顔料または顔
料組成物は着色力と耐熱性が劣った。
【0091】
【発明の効果】本発明の顔料組成物は、有機顔料100
重量部に対し、キナクリドン2量体を0.5〜10重量
部含有するものであり、環境保護的・経済的に製造で
き、高い着色力を有し、また耐熱性も良好な微細な顔料
組成物である。また、本発明の顔料組成物は、塗料、プ
ラスチック、印刷インク、ゴム、レザー、捺染、電子ト
ナー、カラーフィルター、ジェットインキ、熱転写イン
キ用などの着色用として有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機顔料100重量部に対し、キナクリ
    ドン2量体を0.5〜10重量部含有する顔料組成物。
  2. 【請求項2】 キナクリドン2量体が一般式(I) 【化1】 (式中、X又はYは、各々独立的に、水素、ハロゲン又
    は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基又はアルコキ
    シ基を表わし、m及びnは各々独立的に0〜2の整数を
    表わす。)及び/又は一般式(II) 【化2】 (式中、X又はYは、各々独立的に、水素、ハロゲン又
    は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基又はアルコキ
    シ基を表わし、m及びnは各々独立的に0〜2の整数を
    表わす。)及び/又は一般式(III) 【化3】 (式中、X又はYは、各々独立的に、水素、ハロゲン又
    は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基又はアルコキ
    シ基を表わし、m及びnは各々独立的に0〜2の整数を
    表わす。)及び/又は一般式(IV) 【化4】 (式中、X又はYは、各々独立的に、水素、ハロゲン又
    は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基又はアルコキ
    シ基を表わし、m及びnは各々独立的に0〜2の整数を
    表わす。)及び/又は一般式(V) 【化5】 (式中、X又はYは、各々独立的に、水素、ハロゲン又
    は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基又はアルコキ
    シ基を表わし、m及びnは各々独立的に0〜2の整数を
    表わす。)で表わされる化合物である請求項1記載の顔
    料組成物。
  3. 【請求項3】 有機顔料がキナクリドン系化合物顔料で
    ある請求項1又は2記載の顔料組成物
  4. 【請求項4】 有機顔料が2,9−ジメチルキナクリド
    ン顔料である請求項1、2又は3記載の顔料組成物
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001220520A (ja) * 2000-02-09 2001-08-14 Toyo Ink Mfg Co Ltd カラーフィルタ用顔料およびその製造方法、それを用いたカラーフィルタ用着色組成物ならびにカラーフィルタ
JP2012184310A (ja) * 2011-03-04 2012-09-27 Hiroshima Univ 高分子化合物、高分子有機半導体材料及び有機半導体デバイス
US8293380B2 (en) 2004-12-27 2012-10-23 Sumitomo Chemical Company, Limited Polymer compound and polymer light emitting device using the same

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