JP2001164024A - 成形用ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法 - Google Patents

成形用ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法

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JP2001164024A JP35188499A JP35188499A JP2001164024A JP 2001164024 A JP2001164024 A JP 2001164024A JP 35188499 A JP35188499 A JP 35188499A JP 35188499 A JP35188499 A JP 35188499A JP 2001164024 A JP2001164024 A JP 2001164024A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】低発泡倍率ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を製
造する際、密閉容器内で発泡剤を含浸させる熱処理工程
において樹脂粒子同士の融着を起こさず良好な発泡粒子
を得ることができ、機械的強度に優れた成型体を得る。 【解決手段】ポリプロピレン系樹脂発泡粒子を、物理発
泡剤を使用し樹脂粒子と分散剤および分散媒を密閉容器
から低圧域に放出して製造するに当たって、酸化アルミ
ニウムおよびアルミノ珪酸塩から選択される分散剤の少
なくとも1種と、ある種の分散強化剤とを併用し、従来
の分散剤である無機物質を除去するための洗浄工程を必
要とせず、成型性が良好で成型時に融着不良などを起こ
すことなく機械的強度に優れた低発泡倍率のポリプロピ
レン系樹脂発泡成型体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成型用ポリプロピレ
ン系樹脂発泡粒子の製造方法に関する。さらに詳しく
は、本発明は空気のごとき物理発泡剤を含有するポリプ
ロピレン系樹脂粒子を水性媒体および分散剤と共に、該
樹脂粒子の軟化点以上の温度で、密閉容器から低圧域に
放出して低発泡倍率のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を
製造する方法であって、発泡剤含浸工程の熱処理中に樹
脂粒子同士の融着を十分に抑制するとともに、型内成型
における成型性に優れた見かけ密度100g/L〜50
0g/Lの低発泡倍率のポリプロピレン系樹脂発泡粒子
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年プラスチック材料の統合の動きなど
から、特にポリプロピレン系樹脂はその機械強度、耐熱
性、加工性、価格のバランスに優れていること及び易焼
却性、易リサイクル性等の優れた性質を有することから
利用分野を拡大しつつある。同様に、無架橋ポリプロピ
レン系樹脂型内発泡体は、上記ポリプロピレン系樹脂の
優れた性質を失うことなく、更に、緩衝性、断熱性等の
特性を付加できるため、包装材料、建築材料、断熱材料
等として広く利用されている。
【0003】さらに最近では、無架橋ポリプロピレン系
樹脂型内発泡体の優れた性質に着目して、従来無発泡の
インジェクション成型品で実施されてきた構造体用途に
省資源化、軽量化を目的として低発泡倍率の無架橋ポリ
プロピレン系樹脂型内発泡体が所望されてきている。
【0004】ところで、低発泡倍率の無架橋ポリプロピ
レン系樹脂型内発泡体を得るには、これまでもいくつか
の改良がなされてきており、たとえば、高発泡倍率の発
泡粒子を型内において発泡粒子を必要以上に機械的に圧
縮して成型する低発泡倍率の無架橋ポリプロピレン系樹
脂発泡成型体を得る方法がある。この方法においては、
見かけ上所望の発泡倍率の成型品を得ることは可能であ
ったが必要以上の圧縮が施されたことにより発泡粒子が
扁平化し、その結果として機械物性の等方性を出すこと
ができないといった問題があった。また成型品の厚みに
よって該当する厚み箇所の発泡倍率が異なるなどの不具
合を生じる問題点もあった。
【0005】上記、問題を解消するためには成型する成
型品に則した発泡倍率の発泡粒子を用いて成型すること
が望ましいと考えられてきたが、目的とする成型品の発
泡倍率に則した発泡倍率を有する発泡粒子を得るには発
泡剤及び分散剤の選定に課題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に無架橋ポリプロ
ピレン系樹脂発泡粒子の生産に用いられる有機系物理発
泡剤である例えば、ブタンやフロンガスは法規制その他
を考慮しなければ高発泡倍率の無架橋ポリプロピレン系
樹脂発泡粒子の製造には好適な発泡剤であるが、低発泡
倍率の製造においては発泡粒子を製造する工程における
ガス量の制御など使用には困難なものであり、低発泡倍
率の無架橋ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の生産におい
ては、窒素、空気、二酸化炭素(炭酸ガス)、または水
を主成分とする無機系物理発泡剤が好適なものである。
【0007】しかし、発泡剤として空気を主成分とする
無機系ガスを使用する際には困難な問題があった。すな
わち、型内成型によって低発泡倍率の無架橋ポリプロピ
レン系樹脂発泡体を得るためには発泡粒子の示差走査熱
量測定によって得られるDSC曲線における発泡粒子基
材樹脂の融解熱に由来する吸熱曲線ピークよりも高温側
に認められる吸熱曲線ピーク(以下、単に高温吸熱曲線
ピークという)の熱量の管理を十分に行うことが不可欠
であるが、発泡粒子の適切な成形温度を維持しようと努
めた場合発泡粒子に認められる高温吸熱曲線ピークの熱
量は発泡粒子が低発泡のものであるほど低くする必要性
がある。
【0008】しかしながら、無架橋ポリプロピレン系樹
脂発泡粒子を生産する際、高温吸熱曲線ピークの熱量を
低くしようとすればするほど、一般に樹脂の粘度は低下
する傾向に有り、良好な発泡粒子を得るためには発泡剤
を樹脂粒子に含浸させる熱処理中の樹脂粒子の分散に注
意を払う必要がある。
【0009】すなわち、発泡剤、分散媒、分散剤、およ
びポリプロピレン系樹脂の相互の適性が合致していない
場合、低温では分散の効果が確認できていても、発泡剤
を含浸させる高温の熱処理を行った場合、低粘度化した
樹脂粒子間の融着または容器への付着を抑制することが
できず、投入した樹脂粒子の数個ないし数百個が互いに
融着して大小の塊が形成されたり、また場合によっては
投入した樹脂粒子のほとんどが融着して大きな塊が形成
されたりする現象がみられた。
【0010】このような現象に対処する方法として一般
的に広く用いられてきている手段の一つは、分散剤とし
てリン酸三カルシウムを主成分とする無機物粉末、例え
ば、商品名スーパータイト10(日本化学工業(株)
製)などを使用することであった。スーパータイト10
は空気を発泡剤とした場合に、低粘度化した樹脂粒子間
の融着、または容器への付着を抑制する効果に優れてお
り、投入時の樹脂粒子の形態を維持した発泡粒子を得る
ことができるという点においては好適なものである。し
かしながら、リン酸三カルシウムを主成分とする無機物
は樹脂粒子の表面に多量のリン酸三カルシウムを主成分
とする無機物が付着し、時には粒子を覆ってしまうこと
が認められる。
【0011】樹脂粒子の表面にこのような無機物が存在
することは発泡粒子を生産するうえでは樹脂粒子同士の
融着を抑制する点から好ましいことではあるが、無機物
が樹脂粒子表面に必要以上に存在した場合には、得られ
た発泡粒子の表面に多量の無機物が付着する結果とな
り、型内成型する際に融着不良などの問題などを引き起
こす原因となるなど望ましいものではない。
【0012】一般に、必要以上の無機物が発泡粒子に付
着した場合には、型内成形する工程に先立って付着した
分散剤として使用された無機物を取り除くための洗浄等
の工程が設けられる。例えば、上記のリン酸三カルシウ
ムを主成分とする無機物の場合、付着した分散剤を除去
するために希塩酸などの薬品により水より圧倒的に比重
の軽い発泡粒子を洗浄するなどの工程を必要とし、洗浄
工程の追加によるコストアップや廃液処理など、環境
面、コストの面から好ましいものでなく改善が望まれる
ものであった。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、空気を主成分
とする物理発泡剤を使用して、ポリプロピレン系樹脂粒
子と分散剤および水性分散媒との混合物を密閉容器から
低圧域に放出して、低発泡倍率でありかつ発泡粒子の示
差走査熱量測定によるDSC曲線における高温吸熱曲線
ピークの熱量が2J/g〜15J/gである成型用ポリ
プロピレン系樹脂発泡粒子を製造するに際して、樹脂粒
子の融着による一体化を伴わずかつ型内成型に先だって
分散剤を取り除くための薬品使用による洗浄等の工程を
必要としないで融着不良等を伴わず良好な発泡成型体を
得ることができる発泡粒子を製造する方法に関して、多
角的な面から種々検討を行い、ある種の分散剤と分散強
化剤とを併用することにより、目的とする発泡粒子が得
られることが見出され、これに基づき本発明を完成した
ものである。
【0014】すなわち、本発明は、物理発泡剤を含浸さ
せたポリプロピレン系樹脂粒子を水性媒体と分散剤とと
もに、該樹脂粒子の軟化点以上の温度で、密閉容器から
低圧域に放出して、見かけ密度が100g/L〜500
g/Lでありかつ発泡粒子の示差走査熱量測定によるD
SC曲線における高温吸熱曲線ピークの熱量が2J/g
〜15J/gである低発泡倍率のポリプロピレン系樹脂
発泡粒子を製造するに当たり、該分散剤として酸化アル
ミニウムおよびアルミノ珪酸塩から選ばれる少なくとも
一種と特定の分散強化剤とを併用することを特徴とする
成型用ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法に関す
るものである。
【0015】
【発明の実施の形態】通常、分散剤には数μmから数十
μmのコロイド状無機物が使用される。この場合分散剤
として要求される条件は、分散媒に難溶性を有すること
であり、更に分散剤同士の凝集が起こり難い性質を有す
ることである。
【0016】分散剤は水性媒体中ではコロイド粒子とし
て分散し表面電荷を有しており、互いに正または負の同
じ電荷を有している。一方、コロイド粒子には互いの質
量による引力で互いに凝集しようとする力が作用してい
るが、同一電荷の場合、反発により離れようとする力が
作用する。その結果、エネルギーの谷を形成することに
より粒子間に一定の距離を示すことにより分散剤として
の機能を有するといわれている。
【0017】ところが分散剤としての機能を発揮し得る
一定の距離を有しながら分散効果を維持するには、分散
媒の種類、pH等の環境的因子が深く関与する。例えば
水系分散媒の場合pHの変化にともない分散剤の表面電
荷量が変化することが知られている。pHが変化し表面
電荷量が0になるpHの値を一般的に等電点などと表現
されるがコロイド粒子はこの等電点に至る過程で前記エ
ネルギーの谷のバランスを崩し、同一電荷の反発力を失
いコロイド粒子の凝集が起こる。
【0018】発泡剤を含浸させたポリプロピレン系樹脂
粒子と水性媒体と分散剤との混合物を、該樹脂粒子の軟
化点以上の温度で、低圧域に放出して、ポリプロピレン
系樹脂発泡粒子を得る方法では、分散剤として用いられ
る無機物のコロイド粒子の分散作用が、樹脂粒子同士の
融着を防止する作用を示している。
【0019】ところが、発泡剤を含浸させたポリプロピ
レン系樹脂粒子と水性媒体と分散剤との混合物を、該樹
脂粒子の軟化点以上の温度で低圧域に放出して、見かけ
密度が100g/L〜500g/Lであり、かつ発泡粒
子の示差走査熱量測定によるDSC曲線における高温吸
熱曲線ピークの熱量が2J/g〜15J/gである低発
泡倍率のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得る場合に
は、低発泡倍率の発泡粒子であるが故に高発泡倍率の発
泡粒子より、発泡粒子1個当たりの分散剤の付着量が同
じであったとしても発泡粒子表面における樹脂部の露出
割合が相対的に小さくなり、型内成型を実施する際に発
泡粒子間の融着不良などの問題を引き起こす原因とな
る。この問題は、単純には分散剤の使用量を少なくすれ
ば回避することは可能であるが、一方、密閉容器内では
樹脂粒子同士が相互に融着するために成型に供し得る発
泡粒子を製造することが困難となるという別の問題が生
じる。
【0020】この問題についてさらに検討を加えた結
果、発泡剤を含浸させる密閉容器内におけるポリプロピ
レン系樹脂粒子と水性媒体および分散剤との分散系にお
いて、樹脂粒子の温度が軟化点以上の温度であってかつ
分散剤の添加量が少量であっても、水性媒体中にある種
の分散強化剤が存在すると密閉容器内で樹脂粒子同士の
融着が起こり難く、得られた発泡粒子は型内成型する際
に融着不良などの問題が発生しないことが判明し、分散
剤とある種の分散強化剤とを組み合わせて使用すること
により、高温吸収曲線ピークの熱量が2J/g〜15J
/gで、見かけ密度が100g/L〜500g/Lであ
る低発泡倍率のポリプロピレン系樹脂発泡粒子を得る場
合であっても、密閉容器中の熱処理工程において粒子同
士の融着を起こすことなく、発泡粒子表面に付着してい
る無機物質すなわち分散剤の量を、成型に支障のない発
泡粒子100g当たり0.5g以下に制御できるのであ
る。
【0021】本発明のポリプロピレン系樹脂発泡粒子の
基材樹脂は、架橋ポリプロピレン系樹脂であっても無架
橋ポリプロピレン系樹脂であってもよいが、好ましくは
無架橋プロピレン系樹脂でありプロピレン単独重合体ま
たはプロピレン系ランダム共重合体いずれも使用され
る。プロピレン系ランダム共重合体は、プロピレン成分
を60モル%以上含有するプロピレンと他のコモノマー
との共重合体である。プロピレンと共重合される他のコ
モノマーが、エチレン、1−ブテン、1−ペテン、1−
ヘキセン等のプロピレン以外のα−オレフィン等が挙げ
られる。上記プロピレン系ランダム共重合体は、プロピ
レン−エチレンランダム共重合体、プロピレン−ブテン
ランダム共重合体等の2元共重合体であっても、プロピ
レン−エチレン−ブテンランダム共重合体等の3元共重
合体であっても良い。共重合体中におけるプロピレン以
外のコモノマー成分の割合は、0.05〜15重量%、
特に0.1〜10重量%が好ましい。
【0022】本発明の方法において、発泡粒子の基材樹
脂の融点は特に問題ではないが、発泡粒子を成型する際
の生産性や設備コスト等を考慮すると、プロピレン系ラ
ンダム共重合体の融点は165℃以下であることが好ま
しく、特に135〜155℃であることが好ましい。更
に、発泡粒子の基材樹脂であるプロピレン系ランダム共
重合体は、発泡成型体の耐熱性及び発泡粒子製造時の発
泡効率を考慮すると、メルトフローレイト(MFR)が
0.5〜12g/10分のものが好ましく、特に4〜1
0g/10分のものが好ましい。尚、メルトフローレイ
ト(MFR)はJIS K7210の試験条件14で測
定された値である。
【0023】本発明の方法において使用される水性分散
媒は、一般には水が使用されるが、水に限らず使用され
る樹脂粒子を溶解しない溶媒であれば使用することがで
きる。水以外の分散媒としては、例えばエチレングリコ
ール、グリセリン、メタノール、エタノール等が挙げら
れるが、通常は水を用いることが好ましい。
【0024】また本発明において使用される分散剤とし
ては、酸化アルミニウムおよびアルミノ珪酸塩から選ば
れる鉱物系無機物質の少なくとも一種の微粒無機粉末で
ある。アルミノ珪酸塩としては、平均粒子径50μm以
下のシリカ−アルミナを主成分とする微粒無機物粉末が
挙げられ、例えば、カオリン、タルク、クレー等の天然
または合成粘土鉱物が挙げられる。アルミノ珪酸塩とし
てはSi4+の一部がFe 3+のような金属イオンにより、
あるいはAl3+の一部がFe2+やMg2+のような金属イ
オンにより同型イオン置換されているものでも構わない
が、その量は全金属イオンの20重量%以下が好まし
い。同型イオン置換の割合が高くなると本発明の効果が
十分に発揮されない可能性がある。また、本発明の目的
である分散剤性能を損なわない範囲であれば、酸化チタ
ン、塩基性炭酸マグネシウム、塩基性炭酸亜鉛、炭酸カ
ルシウム、酸化鉄等の他の分散剤を少量、通常、分散剤
の全使用量に対して30%以下の範囲で併用することが
できる。
【0025】更に本発明においては、分散剤の分散力を
強化する分散強化剤が添加される。このような分散強化
剤は40℃の水100ccに対して少なくとも1mg以
上溶解し得る無機化合物であって、該化合物の陰イオン
または陽イオンの少なくとも一方が2価または3価であ
る無機物質である。このような無機物質としては、たと
えば、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグ
ネシウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム、硫酸
アルミニウム、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄等が例示され
る。
【0026】通常、樹脂粒子100重量部当たりに対
し、分散剤は0.001〜5重量部程度が使用され、分
散強化剤は0.0001〜1重量部程度が使用される。
【0027】本発明の発泡粒子の製造方法において、上
記の分散強化剤の作用は、必ずしも明らかではないが、
分散強化剤を水性媒体に添加すると分散系へ電荷が付与
され、あるいは分散系の電荷が一層高まり、それによっ
て分散剤同士の電気的反発が高まるとともに分散剤とポ
リプロピレン系樹脂粒子との間の電気的反発力が高ま
り、その結果、樹脂粒子表面に接着しない距離をおいて
樹脂粒子の周りを覆う分散剤が増加し樹脂粒子同士が互
いに電気的に強く反発しあって密閉容器内で樹脂粒子同
士が融着することを防止しているものと推察される。し
たがって、本発明の発泡粒子の製造方法は、分散系にお
ける水性媒体のpHが分散剤の電荷が無くなる等電点お
よびその付近のときに最も効果的である。
【0028】本発明により得られる見かけ密度が100
g/L〜500g/Lであり、かつ発泡粒子の示差走査
熱量測定によるDSC曲線における高温吸熱曲線ピーク
の熱量が2J/g〜15J/gである低発泡倍率のポリ
プロピレン系樹脂発泡粒子表面に付着している分散剤
は、発泡粒子100g当たり0.5g以下となる。発泡
粒子表面に付着している分散剤が該発泡粒子100g当
たり0.5gを超える場合には、成型に際して融着不良
を起こす原因となり好ましくない。分散剤の付着量が多
い発泡粒子を用いてあえて成型する際には飽和蒸気圧を
高くしなければならず、成型品に密度のムラや不均一な
溶融又は減溶等の不具合を生じ易くなり好ましくない。
【0029】本発明において、成型用ポリプロピレン系
樹脂発泡粒子の表面に付着している分散剤の定量は次の
通り行われる。すなわち、成型用ポリプロピレン系樹脂
発泡粒子を60℃のオーブンで24時間乾燥させ、つい
でオーブンから取り出した発泡粒子を直ちに気温23
℃、相対湿度50%に設定された室内に72時間放置す
る。次に同じ条件に設定された室内において発泡粒子1
00gを小数点3桁まで正確に重量を測定(小数点3桁
目を四捨五入)して発泡粒子の重量(F)gを求める。
次に上記の測定に使用された発泡粒子の全量を5Lの1
N塩酸水溶液に浸漬して洗浄した後、5Lイオン交換水
に浸漬して塩酸溶液を洗い落とし、ついで5Lの1N水
酸化ナトリウム水溶液に浸漬して洗浄した後、5Lのイ
オン交換水に浸漬して水酸化ナトリウムを洗浄する。こ
の作業を2回繰り返した後、発泡粒子全量を60℃のオ
ーブンで24時間乾燥した後、ついでオーブンから取り
出し直ちに23℃、相対湿度50%に設定された室内に
72時間放置する。続いて同じ条件に設定された室内
で、上記と同様に発泡粒子の重量(S)gを求める。重
量(F)と重量(S)との差を発泡粒子に表面に付着し
ている分散剤の量とし、これを発泡粒子100g当たり
の付着量に換算して表した。
【0030】本発明の発泡粒子の製造方法において、発
泡剤は、窒素、酸素、空気、二酸化炭素、水といったい
わゆる無機系物理発泡剤を主体とするものが使用され
る。発泡粒子の密度の安定性、環境負荷やコストなどを
考慮すると、窒素や空気が好ましい。また発泡剤として
使用される水は樹脂粒子を容器中に分散させるために分
散媒として使用される水をそのまま利用すればよい。
【0031】しかしながら、本発明の方法を阻害しない
範囲内において他の発泡剤を少量併用することは可能で
ある。併用可能な発泡剤としては、プロパン、ブタン、
ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素類、シクロブタ
ン、シクロヘキサン等の環式脂肪族炭化水素類、クロロ
フルオロメタン、トリフロロメタン、1,2−ジフロロ
エタン、1,2,2,2−テトラフロロエタン、メチル
クロライド、エチルクロライド、メチレンクロライド等
のハロゲン化炭化水素などの有機系物理発泡剤が例示さ
れる。これらは二種以上を混合して使用しても良い。
【0032】発泡剤の使用量は、目的とする発泡粒子の
発泡倍率に応じ、また基材樹脂の種類、発泡剤の種類等
を考慮して決定されるが、通常、基材樹脂100重量部
当たり、多くとも10重量部程度である。
【0033】なお、本発明の樹脂粒子中には、所望に応
じて各種添加剤を含有させることができる。このような
添加剤としては、たとえば、酸化防止剤、紫外線防止
剤、帯電防止剤、難燃剤、金属不活性剤、顔料、染料、
核剤、あるいは気泡調整剤等を挙げることができる。気
泡調整剤としては、たとえばホウ酸亜鉛、タルク、炭酸
カルシウム、ホウ砂、水酸化アルミニウムなどの無機粉
体が例示される。これらの添加剤は、合計で樹脂100
重量部当たり20重量部以下、特に5重量部以下で使用
されるのが好ましい。またこれらの添加剤は例えば、押
出機により押出したストランドを切断して樹脂粒子を製
造する際に、押出機内で溶融した樹脂に添加、混練する
ことによって樹脂粒子中に含有させることができる。
【0034】本発明の発泡粒子の製造法において、物理
発泡剤の容器内への充填量は、使用する発泡剤の種類と
発泡温度と目的とする発泡粒子の見かけ密度に応じて適
宜選択されるが、例えば発泡剤として窒素を使用し、分
散媒として水を使用した場合を例にとると、発泡開始直
前の安定した状態にある容器内の圧力、すなわち容器内
空間部の圧力(ゲージ圧)が、0.6〜1.4MPa、
好ましくは0.62〜1.1MPaとなるように選定さ
れる。その容器内空間部の圧力は次のことを基準にして
選定されることが好ましい。
【0035】すなわち、目的とする発泡粒子の見かけ密
度を定めたならば、放出部の径の大きな管内温度を相対
的に低く維持する場合には、前記容器内の空間部の圧力
は前記の範囲内で高い方の圧力が採用されることが望ま
しい。放出部の径の大きな管内温度を相対的に高く維持
する場合には前記容器内の空間部の圧力は前記範囲内で
低い方の圧力が採用されることが望ましい傾向にある。
また放出部の径の大きな管内温度をある一定の温度に維
持するならば、目的とする発泡粒子の見かけ密度が小さ
いほど前記容器内の空間部の圧力は高い方の圧力が採用
されることが望ましく、目的とする発泡粒子の見かけ密
度が大きいほど空間部の圧力は低い方の圧力が採用され
ることが望ましい傾向にある。
【0036】本発明の方法は、見かけ密度100g/L
〜500g/Lであって発泡粒子の示差走査熱量測定に
よるDSC曲線における高温吸熱曲線ピークの熱量が2
J/g〜15J/gである低発泡粒子を効率よく製造す
る方法であるが、高温吸熱曲線ピークの熱量が2J/g
未満の場合は発泡成型体の圧縮強度、エネルギー吸収量
などが低下する。また15J/gを超える場合は、発泡
粒子を成型するに先立ち発泡粒子内の空気圧を高める工
程が必要になったり、成型サイクルが長くなったりする
虞れがあり好ましくない。
【0037】高温吸熱曲線ピークの熱量は、発泡粒子2
〜4mgを、示差走査熱量計によって室温から220℃
まで10℃/分で昇温した時に得られる図1に示すDS
C曲線に認められる基材樹脂の融解熱に由来する固有の
吸熱曲線ピークaが現れる温度よりも高温側に現れる吸
熱曲線ピークbの熱量で、この高温吸熱曲線ピークbの
面積に相当するものであり、例えば次のようにして求め
ることができる。
【0038】まずDSC曲線上の80℃に相当する点α
と、発泡粒子の融解終了温度TEに相当するDSC曲線
上の点βとを結ぶ直線(α−β)を引く。次に上記の固
有の吸熱曲線ピークaと高温吸熱曲線ピークbとの間の
谷部に当たるDSC曲線上の点γからグラフの縦軸と平
行な直線を引き、前記直線(α−β)と交わる点をδと
する。高温吸熱曲線ピークbの面積は、DSC曲線の高
温吸熱曲線ピークb部分の曲線と、線分(δ−β)と、
線分(γ−δ)とによって囲まれる部分(図1において
斜線を付した部分)の面積であり、これが高温吸熱曲線
ピークの熱量に相当する。
【0039】尚、この高温吸熱曲線ピークbは、上記の
ようにして測定した第1回目のDSC曲線には認められ
るが、第1回目のDSC曲線を得た後、220℃から1
0℃/分で一旦40℃付近まで降温し、再び10℃/分
で220℃まで昇温した時に得られる第2回目のDSC
曲線には認められず、図2に示されるような基材樹脂の
融解時の吸熱に相当する固有の吸熱曲線ピークaのみが
認められる。
【0040】本発明の方法により、目的とする低発泡倍
率のポリプロピレン系樹脂発泡粒子は、分散剤と分散強
化剤とを併用して発泡剤を選択すれば、高温吸熱曲線ピ
ークの制御を行うことにより製造することができる。高
温吸熱曲線ピークの制御は主に発泡温度と発泡剤の量で
変化するから、目的の高温吸熱曲線ピークを得るには予
備実験を行なって条件を設定する必要がある。
【0041】通常、適切な発泡温度を確認するには、発
泡粒子のDSC曲線における高温吸熱曲線ピークの熱量
が2J/g〜15J/gとなる条件で発泡粒子を製造す
ればよい。DSC曲線における高温吸熱曲線ピークを有
する発泡粒子は、密閉容器内で分散媒に分散させて加熱
する際に、樹脂粒子の融解終了温度(Te)以上に昇温
することなく、樹脂粒子の融点(Tm)−15℃以上、
融解終了温度(Te)未満の範囲内の任意の温度(T
a)で止めてその温(Ta)で十分な時間、好ましくは
10〜60分程度保持し、その後、融点(Tm)−5℃
から融解終了温度(Te)+5℃の範囲の任意の温度
(Tb)に調節し、その温度で止め、必要により当該温
度でさらに十分な時間、好ましくは10〜60分程度、
保持してから樹脂粒子を容器内から放出して発泡させる
方法により得ることができる。
【0042】また発泡粒子における上記高温吸熱曲線ピ
ークの熱量の大小は、主として、発泡粒子を製造する際
の樹脂粒子に対する上記温度Taと該温度における保持
時間および上記温度Tbと該温度における保持時間なら
びに昇温速度に依存する。発泡粒子の上記高温吸熱曲線
ピークの熱量は、温度TaまたはTbが上記温度範囲内
において低い程、保持時間が長い程、大きくなる傾向を
示す。通常、昇温速度は0.5〜5℃/分が採用され
る。これらの点を考慮して予備実験を繰り返すことによ
り、所望の高温吸熱曲線ピーク熱量を示す発泡粒子の製
造条件は容易に知ることができる。
【0043】尚、以上で説明した温度範囲は、発泡剤と
して無機ガス系物理発泡剤を使用した場合の適切な温度
範囲である。従って、有機系物理発泡剤が併用された場
合には、その種類や使用量に応じてその適切な温度範囲
は上記温度範囲よりもそれぞれ低温側にシフトすること
になる。
【0044】また上記融点(Tm)とは、樹脂粒子2〜
4mgを試料として用いて前述の如き発泡粒子のDSC
曲線を得るのと同様の方法で樹脂粒子に対して示差走査
熱量測定を行い、これによって得られた2回目のDSC
曲線(その一例を図2に示す。)に認められる基材樹脂
固有の吸熱曲線ピークaの頂点の温度であり、融解終了
温度(Te)とは、該固有の吸熱曲線ピークaの裾が高
温側でベースライン(α−β)の位置に戻ったときの温
度を言う。
【0045】本発明の方法で得られた発泡粒子の嵩密度
(d)は約5gの発泡粒子を23℃の水100cm3
収容されたメスシリンダー内の水に水没させたときの目
盛りから、発泡粒子の体積(Y)(cm3)を算出し、
これをリットル単位に換算してこれを発泡粒子の見掛け
体積(L)とする。また発泡粒子中に占める基材樹脂の
体積は、上記体積(Y)(cm3)を発泡粒子の見かけ
発泡倍率(倍)で除してその値をリットル単位に換算す
ることで求められる。発泡粒子の見かけ発泡倍率は、基
材樹脂密度(A)(0.9g/L)を発泡粒子の見かけ
密度(g/L)で除すことにより求められる。また発泡
粒子の見掛け密度(g/L)は上記発泡粒子重量(S)
(g)を体積(Y)(cm3)で除すことにより求めら
れる。
【0046】尚、上記した方法によって得られたポリプ
ロピレン系樹脂発泡粒子は、大気圧下で熟成した後、加
圧空気下で加圧処理して内圧を付与し、その後、水蒸気
や熱風を用いて加熱することによって、より高発泡倍率
の発泡粒子とすることが可能である。
【0047】発泡成型体は、加熱及び冷却が可能であっ
てかつ開閉し密閉できる型内に充填し、水蒸気圧0.1
5〜0.59MPa(G)のスチームを供給して型内で発
泡粒子同士を加熱して膨張させて融着させ、次いで冷却
して型内から取り出すバッチ式成型法を採用して製造す
ることができる。また、発泡成型体は発泡粒子を、必要
に応じて気泡内圧を高めてから、通路内の上下に沿って
連続的に移動するベルト間に連続的に供給し、水蒸気加
熱領域を通過する際に発泡粒子同士を膨張融着させ、そ
の後冷却領域を通過させて冷却し、次いで得られた成型
体を通路内から取り出し、適宜の長さに順次切断する連
続式成型法(例えば特開平9−104026号、特開平
9−104027号及び特開平10−180888号等
に記載される成型方法)により製造することもできる。
尚、発泡粒子の気泡内圧を高める場合には、密閉容器に
発泡粒子を入れ、該容器内に加圧空気を供給した状態で
適当な時間放置して発泡粒子内に加圧空気を浸透させれ
ばよい。上記手法で製造される成形体の密度は目的によ
って任意に選定できるが、本発明における発泡粒子から
選られる成型体の範囲としては50g/L〜600g/
Lの密度を有する成型体を得ることが好ましく、更に好
ましくは60g/L〜320g/Lの密度を有する成型
体を得ることが好ましい。
【0048】以上のようにして製造される発泡成型体
は、ASTM−D2856−70の手順Cに基づく連続
気泡率が40%以下であることが好ましく、30%以下
であることがより好ましく、25%以下であることが最
も好ましい。連続気泡率が小さい成型体ほど、機械的強
度に優れる。
【0049】
【実施例】以下に本発明について実施例および比較例を
挙げ説明する。
【0050】実施例1〜8、比較例1〜3 酸化防止剤0.12重量部、ステアリン酸カルシウム
(滑剤)0.05重量部及びエルカ酸アミド(滑剤)
0.05重量部、耐候性付与剤0.2重量部を含むエチ
レンープロピレンランダムコポリマー(エチレン成分含
有量2.4重量%、融点146℃、MFR=10g/1
0分)に、気泡調整剤0.05重量部を添加して押出機
内で溶融混練した後、押出機からストランド状に押出
し、発泡粒子の直径と長さの比が略1.0になるように
ストランドを切断して、平均重量2mg/粒子の樹脂粒
子を得た。
【0051】次いで400リットルのオートクレーブ
に、上記樹脂粒子100重量部、水2220重量部、界
面活性剤(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム)
0.05重量部と表1および表2に記載する分散剤、分
散強化剤を仕込み(なお、比較例1〜4は分散剤強化剤
を添加しなっかた)、攪拌しながら表1および表2に示
す発泡温度よりも5℃低い温度まで昇温してからその温
度で15分間保持した。保持開始直後に容器内に表1及
び表2に示す発泡剤を供給して15分間保持した後の容
器内圧力が表1および表2に示す容器内圧力よりも0.
098MPa(G)だけ低い圧力となるように調整し
た。次いで、発泡温度まで昇温して同温度で15分間保
持した。この保持開始直後に容器内に窒素ガスを供給
し、15分間保持した後容器内圧力が表1および表2に
示す容器内圧力に達するように調整した。発泡温度で1
5分保持後に、オートクレーブの一端を開放して発泡粒
子を得た。尚、樹脂粒子をオートクレーブから放出する
間の容器内圧力が、容器内圧力に保たれるように、オー
トクレーブ内に窒素ガスを供給しながら放出を行った。
得られた発泡粒子を水洗し遠心分離機にかけたのち、2
4時間大気圧下に放置して養生した後、発泡粒子の高温
吸熱曲線ピーク熱量、発泡分散性、分散剤の表面付着量
等を測定して、その結果を表1および表2に示した。
【0052】次いで、この発泡粒子に加圧処理を施さず
に、250mm×200mm×50mmの成型空間を持
つ金型内に、金型を完全に閉鎖せずに僅かな隙間(約1
mm)を開けた状態で充填し、次いでスチーム排気を行
った後完全に型締めし、表1および表2に示す飽和蒸気
圧力によって成型した。成型後金型内の発泡圧が0.0
59MPa(G)となるまで水冷した後成型体を型から
取り出し、60℃で24時間養生した後、室温まで冷却
して成型体を得た。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】尚、表1および表2に示す発泡粒子ならび
に成型体の性状は、以下のようにして評価した。
【0056】・発泡分散性 製造した発泡粒子から無作為に100個の発泡体を取り
出す。ここで言う発泡体とは、発泡粒子間に融着のない
発泡粒子の場合にはそれぞれが1個の発泡体を意味し、
複数個の発泡粒子が数珠繋ぎ状に融着していたり、複数
個の発泡粒子がランダムに融着していたり、あるいは発
泡粒子間で糸を引くような状態で繊維状樹脂を介して複
数個の発泡粒子が連結していたりするいわゆる発泡粒子
間が融着したもの(以下、粒子間融着物という)である
場合には、この粒子間融着物1つが1個の発泡体を意味
する。このような発泡体100個を検査し「発泡分散
性」を次の基準により評価した。
【0057】A・・100個の発泡体中に粒子間融着物
が1つも含まれないか、2つの発泡粒子が融着した粒子
間融着物が2個以内であり、かつ3つ以上の発泡粒子が
融着した粒子間融着物が存在しない場合であり発泡分散
性は優れている。
【0058】B・・100個の発泡体中に2つの発泡粒
子が融着した粒子間融着物が3個〜20個、又は/及び
3つ以上の発泡粒子が融着した粒子間融着物が1〜5個
存在し、かつ4つ以上の発泡粒子が融着した粒子間融着
物が存在しない場合であり発泡分散性は良好である。
【0059】C・・100個の発泡体中に存在する粒子
間融着物が26個〜50個、又は/及び4〜6つの発泡
粒子が融着した粒子間融着物が存在する場合であり発泡
分散性は許容できる範囲内である。
【0060】D・・100個の発泡体中に存在する粒子
間融着物が51個〜75個、又は/及び7つ以上の発泡
粒子が融着した粒子間融着物が存在する場合であり発泡
分散性は不良である。
【0061】E・・大きな粒子間融着物が容器内から放
出されないで容器内に残った場合である。
【0062】・成形融着性 250mm×200mm×50mmの金型で成型した成
型品を、カッターナイフで成型品の厚み方向に約10m
mの切り込みを入れた後、手で切り込み部から成型品を
破断するテストにより、以下の基準で「成型融着性」を
評価した。
【0063】○・・・成型品の破断面の観察で発泡粒子
の80%以上が材料破壊している場合。
【0064】△・・・成型品の破断面の観察で発泡粒子
の30%以上80%未満が材料破壊している場合。
【0065】×・・・成型品の破断面の観察で発泡粒子
の30%未満が材料破壊している場合。
【0066】
【発明の効果】本発明は、物理発泡剤を使用して低発泡
倍率のポリプロピレン系発泡粒子を製造する際の発泡剤
を含浸させる熱処理工程において樹脂粒子同士の融着を
起こすことなく良好な発泡粒子を得ることができる製造
方法であって、通常行われる発泡粒子に付着した分散剤
を除去するために希塩酸などの薬品を使用して、水より
圧倒的に比重の軽い発泡粒子を洗浄するなどの工程を必
要とせず、成型融着性に優れた発泡粒子を得ることがで
きるもので、洗浄に伴う廃液処理が不要でありコストの
大幅な削減ができ安価に製品を得ることができ、しかも
環境面をも考慮した優れた方法である。特に本発明の方
法によれば、発泡剤として空気のような無機系物理発泡
剤を使用するのにもかかわらず、従来の同融点の無架橋
プロピレン系樹脂発泡粒子に比べ、構造欠陥が少なく融
着が強固であり、粒子間の空隙が極めて少ないかまたは
空隙のない外観良好な発泡成型体を得ることができるこ
とから、発泡による軽量化を達成した構造用途の成型体
の提供を可能とし、また成型の均一性から成型サイクル
も短くすることができるため生産性の向上を図ることが
できる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成型用ポリプロピレン系樹脂発泡粒子
の、第1回目のDSC曲線のチャートの一例を示す図で
ある。
【図2】ポリプロピレン系樹脂粒子の第2回目のDSC
曲線のチャートの一例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荻山 和也 栃木県鹿沼市さつき町10番地3 株式会社 ジェイエスピー鹿沼研究所内 (72)発明者 所 寿男 栃木県宇都宮市砥上町282−1 ブランシ ュール砥上 103号室 Fターム(参考) 4F074 AA24 AC14 AC15 AC20 AC30 AC32 BA31 BA32 BA33 CA21 CA22 CA25 CA39 CC04X CC04Y CC25X CC26Y DA02 DA24 DA32 DA33 DA59 4J002 BB121 BB141 BB151 DD077 DE146 DG047 DJ006 DJ036 FD206 FD207

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発泡剤として物理発泡剤を使用してポリ
    プロピレン系樹脂粒子を水性媒体および分散剤ととも
    に、該樹脂粒子の軟化点以上の温度で、密閉容器から低
    圧域に放出して見かけ密度が100g/L〜500g/
    Lでありかつ発泡粒子の示差走査熱量測定によるDSC
    曲線における基材樹脂の融解熱に由来する吸熱曲線ピー
    クよりも高温側の吸熱曲線ピークの熱量が2J/g〜1
    5J/gである低発泡倍率のポリプロピレン系樹脂発泡
    粒子を製造するに当たり、分散剤として酸化アルミニウ
    ムおよびアルミノ珪酸塩から選ばれる鉱物系無機物質の
    少なくとも一種と分散強化剤とを併用することを特徴と
    する成型用ポリプロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】 物理発泡剤が空気を主成分として含有す
    る無機系発泡剤である請求項1記載の成型用ポリプロピ
    レン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 分散剤が平均粒子径50μm以下のシリ
    カ−アルミナを主成分とするアルミノ珪酸塩からなる鉱
    物系無機物質から選ばれる少なくとも1種である請求項
    1または2記載の成型用ポリプロピレン系樹脂発泡粒子
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 分散強化剤は40℃の水100ccに対
    して少なくとも1mg以上溶解し得る無機化合物であっ
    て陰イオンまたは陽イオンの少なくとも一方が2価また
    は3価である無機物質である請求項1記載の成型用ポリ
    プロピレン系樹脂発泡粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 見かけ密度が100g/L〜500g/
    Lでありかつ発泡粒子の示差走査熱量測定によるDSC
    曲線における基材樹脂の融解熱に由来する吸熱曲線ピー
    クよりも高温側の吸熱曲線ピークの熱量が2J/g〜1
    5J/gであるポリプロピレン系樹脂発泡粒子に付着し
    ている分散剤が前記発泡粒子100g当たり0.5g以
    下であることを特徴とする成型用ポリプロピレン系樹脂
    発泡粒子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2002100929A1 (fr) * 2001-06-11 2002-12-19 Jsp Corporation Methode de production de particules de mousse en resine de type polypropylene
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