JP2001164018A - 多孔性フィルム及びそれを用いた電池用セパレーター - Google Patents

多孔性フィルム及びそれを用いた電池用セパレーター

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JP2001164018A
JP2001164018A JP35153699A JP35153699A JP2001164018A JP 2001164018 A JP2001164018 A JP 2001164018A JP 35153699 A JP35153699 A JP 35153699A JP 35153699 A JP35153699 A JP 35153699A JP 2001164018 A JP2001164018 A JP 2001164018A
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battery
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Kazuhiro Kato
和広 加藤
Yasushi Usami
康 宇佐見
Yasushi Watanabe
恭資 渡辺
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的強度と耐熱破膜性のバランスに優れ、
電池の安全性に寄与する電池用セパレーターとして好適
な多孔性フィルムを提供する。 【手段】 ポリオレフィン樹脂からなり、(a)厚さが
5〜50μm、(b)空孔率が30〜80%、(c)ピ
ン刺し強度が300gf/25μm以上、(d)溶融破
断時に於ける熱収縮応力が35gf以下、であることを
特徴とする多孔性フィルム及びそれを用いた電池用セパ
レーター。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的強度と耐熱
破膜性のバランスに優れ、電池の安全性に寄与する電池
用セパレーターとして好適な多孔性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電池用セパレーター、分離膜など
として使用するための多孔性フィルムの製造方法につい
て種々提案がなされている。例えば、ポリエチレン及び
可塑剤を含有する樹脂組成物から、一旦、フィルムを溶
融押出成形で製造し、延伸後、フィルムに含まれる可塑
剤を有機溶媒で溶解除去する方法(特公平6−2117
7号公報)、ポリエチレン溶液を作成、溶液中の溶媒含
量を調整、延伸後、残留する溶媒を除去する方法(特公
平5−54495号公報)、ポリエチレン、有機液状
体、無機微粉体からなる組成物からフィルムを成形後、
該フィルムから有機液状体および無機微粉体を抽出除去
する方法(特公昭60−23130号公報)等が知られ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の公知の方法で得
られた多孔性フイルムは、強度を要求される用途に於い
ては、延伸倍率を高倍率にすることによって必要な強度
を得ていたが、延伸倍率が大きくなると高温での耐破膜
性が低下する現象が発現した。耐熱破膜性が低下する
と、例えば、非水電解液電池用セパレーターの用途にお
いては、電池内部の温度が上昇した場合に、セパレータ
ーが破膜して内部短絡が生じ、電池の破裂等を引き起こ
す危険がある。かかる問題点に対して、近年、電池の高
性能化及び生産効率の向上を両立させる目的として、安
全性と強度の向上とを同時に両立させるセパレーターが
より求められてきている。即ち、本発明は、優れた耐熱
破膜性を有し、特に電池用セパレーターに好適なポリオ
レフィン樹脂製多孔性フィルムを提供すること、及びそ
の電池用セパレータームを用いた安全性の高い電池を提
供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために多孔性フィルムの高温時の熱的特性に
注目し鋭意検討した結果、多孔性フィルムの溶融破断時
の熱収縮応力が耐熱破膜性と深く関係していること、ま
た、製造原料や製造方法による影響、特にポリオレフィ
ン系樹脂原料での300万の分子量成分率と深く関係し
ていること、などを見いだし、更に、その多孔性フィル
ムの電池用セパレーターとしての諸物性をバランスよく
向上させるべく技術改良を行い、本発明を完成するに至
った。即ち、本発明は、ポリオレフィン樹脂からなり、
(a)厚さが5〜50μm、(b)空孔率が30〜80
%、(c)ピン刺し強度が300gf/25μm以上、
(d)溶融破断時に於ける熱収縮応力が35gf以下、
であることを特徴とする多孔性フィルム及びそれを用い
た電池用セパレーターに存する。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を更に詳細に説明す
る。本発明の多孔性フィルムは以下の性質を有する。 (a)厚さが5〜50μm、好ましくは10〜30μm
である。厚さが5μmより小さいと電池用セパレーター
として使用した場合に極板間距離が近くなり過ぎてしま
い、実質的にセパレーターとしては役に立たない恐れが
ある。また、50μmより大きくなると、電池内部での
占有体積が大きくなりすぎてしまい、十分な電池性能が
得られにくい。 (b)空孔率が30〜80%、好ましくは40〜70%
である。空孔率が30%より小さいと、電池用セパレー
ターとして使用した場合に空孔部分が小さすぎて、十分
な電池性能が得られにくい。また、80%より大きけれ
ば、電池を組む際のハンドリングが難しくなる。
【0006】(c)ピン刺し強度が300gf/25μ
m以上、好ましくは500gf/25μm以上である。
ピン刺し強度が上記未満であると、セパレーターとして
の強度として不十分でありmまた、大量生産時に十分な
生産歩留まりが得らにくい。なお、上限に関しては特に
制約が無く、熱収縮応力とバランスすれば強ければ強い
方が好ましい。 (d)溶融破断時に於ける熱収縮応力が35gf以下、
好ましくは20gf以下である。熱収縮応力が35gf
より大きければ、高温時のフィルムの収縮する力が大き
くなり、電池用セパレーターとして使用した場合、高温
状態ではフィルムが電池内部で破膜しやすく、電池とし
ては安全性に欠ける。なお、熱収縮応力の下限としては
特に規定するものではないが、ポリオレフィンの熱的特
性等から考慮すると1gf以上が好ましい。一般的に、
電池用セパレーターは、膜厚を薄く空孔率を高くするほ
ど、ピン刺強度が減少する。そのため、強度向上のため
延伸倍率を上げて対応するが、この延伸倍率を挙げるの
と引き替えに耐熱破膜性が悪化する。ところが、本発明
の電池用セパレーターでは、強度の向上と耐熱破膜性の
バランスがよく、特に電池の高性能化と安全性をバラン
スよく達成することができる。
【0007】以上のような多孔性フィルムを得る製造方
法は特に限定されないが、一般に、高分子量ポリオレフ
ィン樹脂及び可塑剤を含有する樹脂組成物をフィルム上
に溶融押出成形し、冷却後、該フィルムを延伸し、該延
伸フィルムに含まれる可塑剤を除去した後、熱処理する
方法が採用される。この多孔性フィルムを構成する原料
ポリオレフィンとしては、通常、重量平均分子量30万
以上のポリオレフィン樹脂、例えば、ポリエチレン樹
脂、ポリプロレン樹脂が用いられる。分子量30万未満
では強度が必要な用途の場合、十分な強度を得ることが
困難である。また、分子量分布を表す重量平均分子量/
数平均分子量(Mw/Mn)が通常50以下であり、好
ましくは20以下である。Mw/Mnは多孔性フィルム
の特に機械的強度に影響し、Mw/Mnが50より大き
い場合は、十分なフィルムの機械的強度が得られない恐
れがある。また、平均分子量300万以上の分率が5%
以下、好ましくは4%以下であることが好ましい。分子
量300万以上の分率が5%より大きい場合は耐熱破膜
性に悪影響を及ぼし、電池用のセパレーターとして使用
した場合、電池の安全性が損なわれる。また、分子量3
00万以上の分率は耐熱破膜性の面からは0%が望まし
いが、フィルムの機械的強度を考慮すると、0.1%以
上は含有される方が望ましい。
【0008】更に、上記ポリオレフィンは単独物として
Mw/Mnが一定範囲に入る物に限定されず、ブレンド
後のMw/Mnが記の範囲であれば、複数グレードのポ
リオレフィンのブレンド物も好適に用いることができ
る。一方、可塑剤としては、上記ポリオレフィンとの相
溶性を考慮し、該ポリオレフィンの融点より低い融点及
び該ポリオレフィンの溶融温度より高い沸点を有し、か
つ、ポリオレフィン不溶性の有機溶媒に可溶な物質を単
独あるいは複数用いられ、例えば、ステアリルアルコー
ル、セリルアルコールなどの高級脂肪族アルコール、n
−デカン、n−ドデカンなどのn−アルカン類、パラフ
ィンワックス、流動パラフィン、灯油、などが挙げられ
る。
【0009】ポリオレフィンと可塑剤との使用割合は、
目的とする成形体の多孔構造によるが、通常、ポリエチ
レンが5〜60重量%、好ましくは10〜50重量%
で、可塑剤が95〜40重量%、好ましくは90〜50
重量%の範囲から選ばれる。本発明においては、このよ
うな割合でポリオレフィン及び可塑剤を含む原料組成物
に対し、公知の各種添加剤、例えば、酸化防止剤など
を、5重量%程度までの範囲で添加しても構わない。
【0010】上記のようなポリオレフィンと可塑剤との
原料組成物は、公知の一軸又は二軸の押出機で均一に混
練して溶融押出成形する。押出機としては、押出量、押
出安定性、混練強度の点から二軸の押出機が好適に使用
される。押出成形は、通常140〜300℃の温度で実
施され、Tダイ、インフレーション成形等の公知の方法
で、通常、10μm〜1mmの厚さの原反フィルムを成
形する。なお、この時のフィルム厚みは、後工程での厚
み変化および最終的に得ようとする厚みから勘案して、
任意に設定することができる。得られた原反フィルムに
対し、その機械的強度向上のために一軸又は二軸延伸を
行う。延伸に際してはロール延伸機、テンター等の公知
の任意の延伸装置を用いることができる。一軸延伸に関
しては縦延伸、横延伸のいずれを選択することもでき
る。また、二軸延伸に関しては逐次二軸延伸、同時二軸
延伸のいずれも可能である。この時、最終的に得ようと
するフィルムの厚みから勘案して、複数枚重ねても構わ
ない。
【0011】延伸されたフィルムは、冷却後、可塑剤を
除去して多孔化する。可塑剤の除去方法としては、例え
ば、フィルム中の可塑剤をイソプロパノール、エタノー
ル、ヘキサンなどの有機溶媒、或いは水と有機溶媒の混
合物などで溶解し、溶媒置換により抽出除去する公知の
方法が挙げられる。上記のようにして可塑剤を除去し多
孔化したフィルムに対し、熱寸法安定性を要求される用
途では、その特性を付与するため、熱処理を行っても構
わない。熱処理は、加熱ロールによる接触加熱、オーブ
ン中での空気中加熱等、公知の任意の方法で行うことが
出来る。また、前述の延伸装置を転用することも可能で
ある。熱寸法安定性をより有効にするには、熱処理時の
弛緩率を1%以上、より好ましくは5%以上かけること
が好ましい。熱処理温度は、ポリオレフィンの融点未満
の任意の温度で行うことができる。
【0012】熱処理に際しては、最終的な多孔性フィル
ムの物性を損なわない範囲で、延伸処理を行っても構わ
ない。延伸の方法としては、前述の、縦方向、横方向の
積極的な延伸はもちろん、流れ方向、幅方向を拘束しフ
ィルムの加熱収縮を阻害することで延伸効果を付与す
る、いわゆる消極的延伸も用いることが出来る。最終的
な多孔性フィルムの物性を損なわないため及びフィルム
のハンドリング性を保つ為にには、熱処理時の変形操作
は、消極的延伸も考慮すると、面積倍率で好ましくは
1.0倍以上、より好ましくは1.5倍以上とするのが
適当である。延伸倍率の上限に関しては特に規定はしな
いが、フィルムの生産性を考慮した場合、延伸倍率が大
きすぎると歩留まりが低下する傾向があるので、生産性
と機器設計上の二点から制限される。また、得ようとす
るフィルムの厚みから勘案して、複数枚重ねても熱処理
をしても構わない。
【0013】次に、本発明の多孔性フィルムから構成さ
れる電池用セパレーターとして使用する電池は、特にそ
の電池を限定するものではないが、以下にリチウム電池
を例として記述する。リチウム電池は、一般的には、主
として、上述した多孔性フィルムからなるセパレーター
と、非水系電解液と、リチウム化合物からなる正極(放
電時正極)と、負極により構成される。
【0014】この非水系電解液は、リチウム塩が非水系
溶媒に溶解されて調整される。非水系溶媒としては、プ
ロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチ
ルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメトキシエ
タン、テトラヒドロフラン、γ−ブチルラクトン、プロ
ピオン酸メチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸エ
チル等が単独或いは複数種を組み合わせて用いられる。
リチウム塩としては,LiBF4、LiClO4、LiP
6、LiAsF6、CF3SO3Li、(CF3SO22
NLi等が挙げられる。
【0015】リチウム化合物からなる正極としては、L
iCoO2等の、一般式LixMO2(但し、Mは1種以
上の遷移金属、好ましくはMn、Co、Niの少なくと
も1種を表し、xは0.05≦x≦1.10である)で
表される遷移金属複合酸化物等が使用される。このリチ
ウム複合酸化物と導電剤及び結着剤等からなる混合物を
アルミ箔等よりなる集電体に塗布するる。負極として
は、リチウム金属、リチウム合金の他、リチウムイオン
をドープ・脱ドープすることが可能な炭素材料等が用い
られる。この炭素材料と結着剤等よりなる混合物を銅箔
等よりなる集電体に塗布する。
【0016】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実
施例に限定をされるものではない。なお、実施例におけ
る試験方法は次の通りである。 (a)膜厚 テクロック社製膜厚計にて測定した(単位はμm)。 (b)空孔率 重量法により測定した(単位は%)。空孔率は、フィル
ムの幅方向に5カ所を直径4cmの円形に打抜き、打抜
いたフィルムの中心部の厚さと重量を測定し、下記式に
より計算で求める。 空孔率(%)=(Vρ−W)/(Vρ)×100 (ただし、V:フィルムの体積(5枚分) W:重量(5枚分) ρ:材料の密度 (c)ピン刺し強度 日本農林規格告示1019号に準じて測定(ピン径1m
mφ,先端部0.5R,ピン刺速度300mm/mi
n)した。膜厚が25μmより大きい場合や小さい場合
は、実質の膜厚(μm)で除した後、25倍して、25
μm厚みあたりの数値とする。
【0017】(d)熱収縮応力 機械の流れ方向に長さ200mm、幅20mmのフィル
ムサンプルを切り出す。これらのサンプルの膜厚を中央
部3点測定した後、このサンプルをチャック間150m
mの加温・恒温槽付き引張試験機にセットする。この状
態で、引張試験機のチャートは0gfを示している。次
に、フィルムサンプルを加温し、フィルムが熱によって
収縮する際の応力をチャートに記録する。加温したサン
プルが溶融破断した直前のチャート上の数値を、膜厚で
除した後25倍したものを、溶融破断時の熱収縮応力と
した。これを5回測定し、その平均値をそのフィルムの
熱収縮応力とした。 (e)重量平均分子量 以下の条件でゲルろ過クロマトグラフィーにて分析し
た。 GPC装置:Waters150CV カラム :東ソーGMHXL−HT 温度 :135℃ 溶剤 :トリクロロベンゼン 濃度 :0.05wt%
【0018】(f)電池の導通試験 正極と負極とセパレーターを組み合わせたものを、電池
缶にいれた状態(電解液は入れていない状態)で、テス
ターを使って、正極と負極に直流電圧をかけ、導通が無
いことを確認する。導通が無い場合は合格、導通が有る
場合は不合格とした。 (g)電池の外部短絡試験 導通試験で合格した正極と負極とセパレーターの入った
電池缶の中に電解液を含浸させ、蓋をして電池を完成さ
せる。その後で、充放電を10サイクル繰り返した後
で、満充電させる。その状態で、正極と負極を直結し、
強制的に短絡させる。電池が常温に戻ったら電池を分解
し、セパレーターの状況を確認した。
【0019】実施例1 重量平均分子量132万のポリエチレン27重量部、お
よびパラフィンワックス73重量部の混合物を、50m
mφ二軸押出機を用い押出温度170℃、押出量12k
g/hで押出し、インフレーション法で原反フィルムを
成形した。得られた原反フィルムをロール延伸機で40
℃で2.9倍、テンターにて110℃で4.5倍に延伸
した。このフィルムを60℃のイソプロパノール中に浸
漬して、パラフィンワックスを抽出除去した。得られた
フィルムをロール延伸機を用い、90℃の温度で1.2
倍に延伸後、テンターにて120℃の温度で3.5倍に
延伸を行った。得られた多孔性フィルムの物性を表−1
に示す。
【0020】次に、この多孔性フィルムを使用し電池を
以下のようにして組んだ。正極は、次の物質を混合させ
正極用の混合物を作成し、集電体であるアルミ箔に塗布
後、乾燥させてから、電池のサイズにカットした。 正極混合物の原料 LiCoO2(比表面積0.4m2/g) 85重量部 カーボン(比表面積250m2/g) 10重量部 ポリフッ化ビニリデン 5重量部 N−メチル−2−ピロリドン 40重量部 負極は、次の物質を混合させ負極用の混合物を作成し、
集電体である銅箔に塗布後、乾燥させてから、電池サイ
ズにカットした。 負極混合物の原料 カーボン(比表面積8m2/g) 85重量部 ポリフッ化ビニリデン 15重量部 N−メチル−2−ピロリドン 50重量部 非水系電解液は、次のように作成した。プロピレンカー
ボネートとエチルメチルカーボネートを体積比で1対1
で混合した溶媒に、LiPF6を1mol/L溶解し
た。
【0021】得られた正極と負極の間に、実施例1のセ
パレーターを挟み、電池缶の中に入れた。この時点で、
導通試験を行った。次に、導通試験で問題が無かったの
で、電解液含浸後、蓋を溶接し、電池を完成させた。こ
の電池で外部短絡試験を実施した。同様の方法で、電池
を3個作成した。得られた電池の評価結果を表−2に示
す。外部短絡試験を実施した電池の1個を分解し、セパ
レーターの状態を観察したところ、フィルムが透明にな
って形状を維持し破膜していない状態であった。
【0022】実施例2 重量分子量100万のポリエチレン20重量部と重量平
均分子量50万のポリエチレン10重量部、およびパラ
フィンワックス70重量部の混合物を使用する以外は実
施例1と同様に原反フィルムをで成形した。得られた原
反フィルムをロール延伸機で40℃で2.8倍、テンタ
ーにて110℃で4.5倍に延伸した。このフィルムを
60℃のイソプロパノール中に浸漬して、パラフィンワ
ックスを抽出除去した。得られたフィルムをロール延伸
機を用い、90℃の温度で1.3倍に延伸後、テンター
にて120℃の温度で2.0倍に延伸を行った。得られ
た多孔性フィルムの物性を表−1に示す。次に、得られ
たフィルムを用いること以外は実施例1と同様にして、
電池を作成した。この時点で導通試験を行い、問題が無
かったので、電池を完成させた。この電池に対して外部
短絡試験を実施した。外部短絡試験を実施した電池の1
個を分解し、セパレーターの状態を観察したところ、フ
ィルムが透明になって、形状を維持し、破膜していない
状態であった。
【0023】比較例1 重量分子量230万のポリエチレン13.5重量部と重
量分子量100万のポリエチレン13.5重量部、およ
びパラフィンワックス73重量部の混合物を使用する意
外は実施例1と同様に原反フィルムを成形した。得られ
た原反フィルムをロール延伸機で40℃で2.8倍、テ
ンターにて110℃で4.5倍に延伸した。このフィル
ムを60℃のイソプロパノール中に浸漬して、パラフィ
ンワックスを抽出除去した。得られたフィルムをロール
延伸機を用い、90℃の温度で1.3倍に延伸後、テン
ターにて120℃の温度で3.5倍に延伸を行った。得
られた多孔性フィルムの物性を表−1に示す。得られた
多孔性フィルムの物性を表−1に示す。次に、得られた
フィルムを用いること以外は実施例1と同様にして、電
池を作成した。得られた電池の評価結果を表−2に示
す。外部短絡試験を実施した電池の1個を分解し、セパ
レーターの状態を観察したところ、フィルムが破膜し、
形状が維持できなかった。
【0024】比較例2 重量分子量230万のポリエチレン27重量部、および
パラフィンワックス73重量部の混合物を使用する意外
は実施例1と同様に原反フィルムを成形した。得られた
原反フィルムをロール延伸機で40℃で2.8倍、テン
ターにて110℃で4.5倍に延伸した。このフィルム
を60℃のイソプロパノール中に浸漬して、パラフィン
ワックスを抽出除去した。得られたフィルムをロール延
伸機を用い、90℃の温度で1.3倍に延伸後、テンタ
ーにて120℃の温度で3.5倍に延伸を行った。得ら
れた多孔性フィルムの物性を表−1に示す。得られた多
孔性フィルムの物性を表−1に示す。次に、得られたフ
ィルムを用いること以外は実施例1と同様にして、電池
を作成した。得られた電池の評価結果を表−2に示す。
外部短絡試験を実施した電池の1個を分解し、セパレー
ターの状態を観察したところ、フィルムが破膜し、形状
が維持できなかった。
【0025】比較例3 重量分子量230万のポリエチレン26重量部とパラフ
ィンワックス74重量部の混合物を使用する意外は実施
例1と同様に原反フィルムを成形した。得られた原反フ
ィルムを60℃のイソプロパノール中に浸漬して、パラ
フィンワックスを抽出除去した。得られたフィルムをロ
ール延伸機を用い、125℃の温度で1.0倍に熱処理
を行った。得られた多孔性フィルムの物性を表−1に示
す。次に、得られたフィルムを用いること以外は実施例
1と同様にして、電池を作成した。しかしながら、導通
試験に於いて、3個全てが不合格となった。よって、外
部短絡試験は実施できななかった。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明の多孔性フィルムは、優れた強度
を有すると同時に優れた耐破膜性を有るので、電池用セ
パレーターとして利用され、これを用いることで安全性
の高い高性能電池の供給が可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 恭資 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内 Fターム(参考) 4F074 AA16 AB01 AG01 AG02 CA03 CB03 DA02 DA23 DA24 DA49 5H021 CC00 EE04 HH00 HH01 HH02 HH03 HH07

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン樹脂からなり、(a)厚
    さが5〜50μm、(b)空孔率が30〜80%、
    (c)ピン刺し強度が300gf/25μm以上、
    (d)溶融破断時に於ける熱収縮応力が35gf以下、
    であることを特徴とする多孔性フィルム。
  2. 【請求項2】 ポリオレフィン樹脂の重量平均分子量が
    30〜250万であり、かつ、分子量300万以上の分
    率が5%以下である請求項1の多孔性フィルム。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の多孔性フィルムより構
    成される電池用セパレーター。
  4. 【請求項4】 請求項3の電池用セパレーターを用いて
    なる電池。
JP35153699A 1999-12-10 1999-12-10 多孔性フィルム及びそれを用いた電池用セパレーター Pending JP2001164018A (ja)

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