JP2001163198A - 車両制御装置 - Google Patents

車両制御装置

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JP2001163198A
JP2001163198A JP34622799A JP34622799A JP2001163198A JP 2001163198 A JP2001163198 A JP 2001163198A JP 34622799 A JP34622799 A JP 34622799A JP 34622799 A JP34622799 A JP 34622799A JP 2001163198 A JP2001163198 A JP 2001163198A
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braking force
brake
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Takahiro Shiraki
崇裕 白木
Katsuya Hara
克哉 原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】車両の停止時に駆動源を自動停止,自動始動さ
せる駆動源制御装置を備えた車両制御装置の信頼性の向
上を図る。 【解決手段】エンジンの自動停止条件が満たされると、
ブレーキECUに制動力保持指令が供給される。ブレー
キ装置においては電動モータ154の制御によりパーキ
ングブレーキ150が作動させられる。パーキングブレ
ーキ150が作動させられるのであり、機械式制動力が
加えられる。機械式制動力によって車両が停止状態に保
たれることになるため、車両制御装置の信頼性を向上さ
せることができる。また、その状態が保持装置177に
よって機械的に保持されるため、電動モータ154の作
動を停止しても機械式制動力が加えられるのであり、停
止状態におけるエネルギ消費量の低減を図ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、車両の停止時に駆
動源を自動停止させ、自動始動させる駆動源制御装置を
備えた車両を制御する車両制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】特開平11─270378号公報には、
上述の駆動源制御装置を備えた車両制御装置が記載され
ている。車両の停止時に駆動源が停止させられれば、車
両から排出される排気ガスの量を減らすことができ、環
境の悪化を防止することができる。また、燃料消費量を
減らすことができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題,課題解決手段および効
果】本発明は、車両制御装置の信頼性の向上を図るため
に為されたものである。本発明に係る車両制御装置は、
下記各態様に記載されたものとすることができる。各態
様は、請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付
し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載す
る。これは、あくまで、本発明の理解を容易にするため
であり、本明細書に記載の技術的特徴およびそれらの組
合わせが以下の各項に限定されると解釈されるべきでは
ない。また、1つの項に複数の事項が記載されている場
合、常に、すべての事項を一緒に採用しなければならな
いものではなく、一部の事項のみを取り出して採用する
ことも可能である。 (1)車両の停止時に駆動源停止条件が満たされた場合
に駆動源を自動で停止させ、駆動源始動条件が満たされ
た場合に前記駆動源を自動で再始動させる駆動源制御装
置と、 機械式ブレーキと、その機械式ブレーキを、前記駆
動源制御装置によって駆動源が自動で停止させられる場
合に作動させる機械式ブレーキ作動部とを含む車両制動
装置とを含むことを特徴とする車両制御装置(請求項
1)。本項に記載の車両制御装置においては、駆動源が
自動で停止させられる場合に機械式ブレーキが作動させ
られる。機械式ブレーキの制動力によって車両が停止状
態に保たれる場合には、車両制御装置の信頼性を向上さ
せることができる。また、車両制動装置が機械式ブレー
キと液圧式ブレーキとを含む場合において、機械式ブレ
ーキと液圧式ブレーキとの両方の作動によって車両が停
止状態に保たれる場合には、機械式ブレーキの作動によ
り液圧式ブレーキの液圧制動力を保持する保持装置や液
圧制動力を増加させる増加装置を作動させる必要がなく
なったり、増加装置による増加量が少なくて済むように
なったりする。そのため、保持装置や増加装置の寿命を
長くすることができ(これらの省略が可能になることも
ある)、車両制御装置自体の寿命を長くすることがで
き、信頼性を向上させることができる。なお、駆動源は
車両の停止時の駆動源停止条件が満たされた場合に自動
停止させられるのであるが、車両の停止と同時に、ある
いは停止した後に、あるいは停止の直前に自動停止させ
られる場合がある。また、駆動源は、電動モータを含む
ものであっても、電動モータを含まないでエンジンを含
むものであってもよい。 (2)前記機械式ブレーキ作動部が、前記機械式ブレー
キの制動力を、前記車両の動き出しを防止し得る大きさ
に制御する動き出し防止部を含む(1) 項に記載の車両制
御装置(請求項2)。機械式ブレーキの作動によって車
両の動き出しを良好に防止することができる。 (3)前記機械式ブレーキ作動部が、前記機械式ブレー
キの制動力を、路面勾配,温度等の前記車両の置かれて
いる環境に基づいて車両に加わる移動力に応じた大きさ
に制御する制動力制御部を含む(1) 項または(2) 項に記
載の車両制御装置(請求項3)。機械式ブレーキの制動
力が環境に基づいて車両に加わる移動力に応じた大きさ
に制御されるため、駆動源の停止中に車両を良好に停止
状態に保つことができる。制動力を移動力と同じ大きさ
に制御すれば停止状態に保つことができるが、移動力よ
り大きめの大きさに制御すれば、確実に停止状態に保つ
ことができる。移動力は、路面勾配が大きい場合は小さ
い場合より大きくなり、温度が低い場合は高い場合より
大きくなる。温度が低い場合には作動液の粘性が高くな
るため、車両がオートマチックトランスミッションを備
えた車である場合には、駆動源の駆動トルクが伝達され
易くなり、車両が移動させられ易くなる。また、駆動源
がエンジンである場合には、温度が低い場合にはアイド
ル時の回転数が大きくなるため、クリープ力が大きくな
り、車両が移動させられ易くなる。なお、路面勾配,温
度等は車両の置かれている環境を表す一例に過ぎず、他
に、積載荷重,路面の摩擦係数等も該当する。 (4)前記機械式ブレーキが、車輪と共に回転するブレ
ーキドラムと、そのブレーキドラムの内側に配設され、
車体側部材にブレーキドラムと共に回転することを防止
された状態で保持された一対のシューとを含むドラムブ
レーキであり、前記機械式ブレーキ作動部が、前記一対
のシューを拡開させることにより、シューの外周面を前
記ブレーキドラムの内周面に摩擦係合させるアクチュエ
ータを含む(1) 項ないし(3) 項のいずれか1つに記載の
車両制御装置。アクチュエータにより一対のシューが拡
開させられれば、シューの外周面がブレーキドラムの内
周面に摩擦係合させられる。機械式ブレーキが作動させ
られるのであり、制動力が発生させられる。アクチュエ
ータは、例えば、一対のシューを拡開させる拡開機構
と、その拡開機構に接続され、引っ張られることによっ
て拡開機構を作動させるケーブルと、そのケーブルに引
張力を加える張力付与装置とを含むものとすることがで
きる。張力付与装置は、電動モータを含むものとした
り、流体圧により作動する流体圧駆動装置を含むものと
したりすることができる。本項に記載の機械式ブレーキ
はパーキングブレーキと兼用とすることができる。 (5)前記機械式ブレーキ作動部が、前記ケーブルに加
えられた引張力を機械的に保持する引張力保持部を含む
(4) 項に記載の車両制御装置。引張力保持部によれば、
引っ張られたケーブルが機械的にそのままの状態に保た
れるため、アクチュエータを作動状態に保つことなく、
パーキングブレーキの制動力を保つことができる。引張
力保持部は、〔発明の実施の形態〕においては、ケーブ
ルに連結された操作レバーの車体側部材に対する相対位
置を保持するラチェット歯とラチェット爪とによって構
成される。また、電動モータによる回転をケーブルの引
っ張りに変換する運動変換装置に引張力保持部を兼ねさ
せることができる。例えば、運動変換装置を、ウォーム
とウォ─ムホイールとを含むものとすれば、前者の回転
は後者に伝達されるが、後者の回転は前者には伝達され
ないようにすることができるため、ウォームを電動モー
タの出力軸に接続し、ウォームホイールをケーブルに接
続すれば、ケーブルに加えられた引張力を維持させるこ
とができる。 (6)前記機械式ブレーキ作動部が、前記アクチュエー
タの作動状態を制御することによって前記ケーブルに加
えられる引張力を制御する引張力制御部を含む(4) 項ま
たは(5)項に記載の車両制御装置。アクチュエータの作
動力が常に一定であるようにすることも可能であるが、
制御可能にすれば、パーキングブレーキの制動力を制御
することが可能となる。 (7)車両の停止時に駆動源停止条件が満たされた場合
に駆動源を自動で停止させ、駆動源始動条件が満たされ
た場合に前記駆動源を自動で再始動させる駆動源制御装
置と、(a) 機械式ブレーキと、(b) 車輪と共に回転する
ブレーキ回転体に、車体側部材に回転不能に保持された
摩擦係合部材を液圧により係合させることによって、液
圧制動力を発生させる液圧式ブレーキと、(c) その液
圧式ブレーキの液圧を、運転者によるブレーキ操作が行
われていなくても保持可能な保持装置と、その液圧式
ブレーキの液圧を、運転者によるブレーキ操作状態に対
応する大きさより増圧可能な増圧装置との少なくとも一
方と、(d) 前記駆動源制御装置によって駆動源が自動で
停止させられる場合に、前記保持装置および増圧装置の
少なくとも一方と、機械式ブレーキとの少なくとも一方
を作動させるブレーキ作動制御部とを含む車両制動装置
とを含む車両制御装置。本項に記載の車両制御装置にお
いては、機械式ブレーキと、保持装置および増圧装置の
少なくとも一方とが、選択的に作動させられたり、並行
して作動させられたりする。例えば、いずれか一方が異
常で、他方が正常である場合に、他方が作動させられる
ようにする。この場合には、いずれか一方が異常であっ
ても、車両の動き出しを良好に防止することができる。
また、機械式ブレーキを優先させ、機械式ブレーキによ
って出力可能な制動力が車両を停止状態に保つのに必要
な制動力より大きい場合に、機械式ブレーキが作動させ
られて液圧ブレーキの保持装置や増圧装置が非作動状態
に保たれるようにすることができる。保持装置や増圧装
置を作動させる必要がないのであり、その分、消費エネ
ルギを低減させることができる。さらに、液圧式ブレー
キを優先させ、液圧式ブレーキの制動力(運転者による
ブレーキ操作力に対応する制動力であり、増圧装置が非
作動状態にある場合における制動力)が車両を停止状態
に保つのに必要な制動力より小さい場合に機械式ブレー
キが作動させられるようにすることができる。この場合
には、機械式ブレーキの作動により制動力不足が生じる
ことを回避することができ、車両を確実に停止状態に保
つことが可能となる。また、増圧装置を作動させる必要
がなくなるため消費エネルギの低減を図ることができ
る。この場合、保持装置が作動させられるようにすれ
ば、運転者によるブレーキ操作が解除されても、液圧ブ
レーキの制動力を保持することができる。機械式ブレー
キ優先の場合も液圧式ブレーキが優先の場合も、機械式
ブレーキが作動させられれば、増圧装置を作動させる必
要が殆どなくなり、エネルギ消費量を低減させることが
できる。また、増圧装置の耐久性を向上させることがで
きる。上記保持装置は、ブレーキシリンダの液圧を保持
可能な装置であり、ブレーキシリンダを低圧源から遮断
可能な遮断弁(電磁開閉弁やリニア制御弁)を含むもの
とすることができる。増圧装置は、ブレーキシリンダの
液圧を増圧可能な装置であり、例えば、ブレーキシリン
ダに高圧の作動液を供給可能なポンプ装置と、ブレーキ
シリンダを低圧源から遮断する遮断弁とを含むものとす
ることができる。〔発明の実施の形態〕においては、圧
力制御弁が保持装置に該当し、圧力制御弁とポンプ装置
とが増圧装置に該当する。このように、保持装置と増圧
装置とで共通の構成要素を有する場合がある。本項に記
載の車両制御装置には、(1) 項ないし(6) 項のいずれか
1つに記載の技術的特徴を採用することができる。 (8)前記駆動源制御装置が、前記機械式ブレーキが作
動状態にあり、かつ、運転者によってサービスブレーキ
操作部材の操作が解除された場合には、駆動源を始動し
ない(1) 項ないし(7) 項のいずれか1つに記載の車両制
御装置。駆動源制御装置においては、サービスブレーキ
操作部材の操作が解除された場合に駆動源始動条件が満
たされたとして、駆動源が自動で始動させられるように
されている場合が多いが、本項に記載の駆動源制御装置
においては、サービスブレーキ操作部材の操作が解除さ
れても、駆動源が始動させられることがない。機械式ブ
レーキが作動状態にあれば、サービスブレーキ操作部材
を操作状態に保つ必要はない。むしろ、運転者が車両が
停止状態にある場合にサービスブレーキ操作部材の操作
を解除するために機械式ブレーキを作動させることもあ
るのであり、サービスブレーキ操作部材の操作が解除さ
れたからといって駆動源が始動させられることは望まし
くないのである。なお、機械式ブレーキ操作部材が操作
されることによって機械式ブレーキが作動させられた場
合に限って、本項が適用されるようにすることもでき
る。また、サービスブレーキが液圧式ブレーキに対応
し、パーキングブレーキが機械式ブレーキに対応するも
のとすることができる。 (9)車両の停止時に駆動源停止条件が満たされた場合
に駆動源を自動で停止させ、駆動源始動条件が満たされ
た場合に前記駆動源を自動で再始動させる駆動源制御装
置と、前記駆動源が自動停止させられる場合に、前記車
両に、前記駆動源の自動停止前の少なくとも一時期に車
両に加えられた制動力に応じた大きさの制動力を加える
車両制動装置とを含むことを特徴とする車両制御装置
(請求項4)。駆動源が自動停止させられた場合には、
車両に、自動停止前の少なくとも一時期に加えられた制
動力に応じた大きさの制動力が加えられる。その結果、
車両を良好に停止状態に保つことができ、車両制御装置
の信頼性を向上させることができる。また、過大な制動
力が加えられることを回避することができ、無駄なエネ
ルギが消費されることを回避することができる。車両制
動装置の耐久性を向上させることができ、車両制御装置
の信頼性の向上を図ることができる。車両に加えられる
制動力は、自動停止前の少なくとも一時期に加えられた
制動力に基づいて決定される。その時期は、車両の停止
時,停止前,停止後(駆動源の自動停止前)としたり、
走行速度が設定速度以下である間としたりすること等が
可能である。そして、車両に加えられる制動力はその時
期に加えられた制動力(時期が一定の時間を有する場合
には、その間の最大値,最小値,平均値,中間値等とす
ることができる)に基づいて決定されるのであるが、そ
の制動力と同じ値としても、制動力より多少小さい値と
しても、多少大きい値としてもよい。駆動源の自動停止
前に車両に加えられた制動力は走行状態にある車両を停
止させるのに必要な制動力であり、この制動力以上の制
動力が車両に加えられれば、停止状態にある車両が動き
出すことを良好に回避することができる。また、この制
動力より小さい制動力であっても、車両を停止状態に保
つことができる場合があるのである。駆動源の自動停止
前に車両に加えられる制動力は、運転者によるサービス
ブレーキ操作部材の操作力に応じた大きさの制動力であ
る場合が多いが、前述の増圧装置によって増加させられ
た結果の大きさの制動力である場合もある。それに対し
て、駆動源が自動停止させられた場合に車両に加えられ
る制動力は、サービスブレーキの制動力であっても、パ
ーキングブレーキの制動力であっても、これらの両方で
あってもよい。本項に記載の車両制御装置には、(1) 項
ないし(8) 項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用
することができる。 (10)前記車両制動装置が、前記制動力を、車両の停
止時における制動力に応じた大きさに制御する制動力制
御部を含む(9) 項に記載の車両制御装置(請求項5)。
車両の停止時の制動力に応じた大きさの制動力を加えれ
ば、車両を停止状態に保つことができる。 (11)前記車両制動装置が、前記制動力を、路面勾
配,温度等の前記車両の置かれている環境に基づいて車
両に加わる移動力に応じた大きさに制御する(9) 項また
は(10)項に記載の車両制御装置(請求項6)。移動力と
停止前の制動力との両方に基づけば、車両に加えられる
制動力を適正な大きさに制御するにすることができる。
例えば、移動力と停止前の制動力とのいずれか大きい方
の値を採用したり、小さい方の値を採用したり,中間の
値を採用したりすることができる。また、移動力に停止
前の制動力に応じた値を加えた値としたり、停止前の制
動力に移動力に応じた値を加えた値としたりすることも
できる。 (12)前記車両制動装置が、ブレーキを作動させるブ
レーキシリンダと、高圧の作動液をブレーキシリンダに
供給するポンプ装置と、前記ブレーキシリンダと低圧源
とを接続する液通路の途中の、ポンプ装置の吐出側の接
続位置より低圧源側に設けられ、ブレーキシリンダの液
圧を、供給電流に応じた液圧だけ、前記低圧源の液圧よ
り高い液圧に制御可能な圧力制御弁と、前記供給電流を
制御することによって前記ブレーキシリンダの液圧を制
御する供給電流制御部とを含む液圧制動装置である(9)
項ないし(11)項のいずれか1つに記載の車両制御装置。
圧力制御弁の供給電流を制御すれば、ブレーキシリンダ
の液圧を制御することができ、車輪に加わる液圧制動力
を制御することができる。また、ポンプ装置を作動状態
にするとともに圧力制御弁に電流を供給すれば、ブレー
キシリンダ液圧を、低圧源より供給電流に応じた液圧だ
け高い液圧に制御することができる。低圧源が、ブレー
キ操作部材の操作力に応じた液圧を発生させるマスタシ
リンダである場合には、ブレーキシリンダに、ブレーキ
操作部材の操作状態に応じた液圧(マスタシリンダの液
圧)より高い液圧を発生させることが可能となる。な
お、圧力制御弁の代わりに、供給電流のON/OFF制
御によりブレーキシリンダ液圧を制御する電磁開閉弁と
することもできる。この場合には、電磁開閉弁の開閉制
御により、ブレーキシリンダ液圧が制御される。また、
ON/OFF制御時に供給される電流が、停止前の制動
力に応じた大きさとすれば、ON/OFF制御時に過大
な電流が供給されることが回避され、エネルギ消費量の
低減を図ることができる。 (13)前記車両制動装置が、前記圧力制御弁を冷却す
る冷却装置を含む(12)項に記載の車両制御装置。冷却装
置によれば、圧力制御弁が過熱されることを良好に回避
することができ、圧力制御弁の耐久性を向上させること
ができる。冷却装置は、例えば、圧力制御弁に設けられ
たフィンとすることができる。また、冷却装置を設けな
い場合においても、圧力制御弁(または、圧力制御弁が
含まれる液圧制御ユニット)を、過熱が防止され得る位
置に設置することが望ましい。 (14)車両の停止時に、駆動源停止条件が満たされた
場合に駆動源を自動で停止させ、駆動源始動条件が満た
された場合に前記駆動源を自動で再始動させる駆動源制
御装置と、その駆動源制御装置によって駆動源が自動で
停止させられる場合に車両に制動力を加える車両制動装
置と、その車両制動装置によって車両に実際に加えられ
る制動力に基づいて当該車両制動装置の異常を検出する
異常検出装置とを含むことを特徴とする車両制御装置
(請求項7)。車両制動装置によって実際に加えられる
制動力に基づけば、車両制動装置が異常であるか否かを
検出することができる。例えば、実制動力自体,実制動
力の変化状態に基づけば、液漏れの有無を検出すること
ができる。また、実制動力が目標制動力に対して非常に
小さい場合には異常であるとすることができる。このよ
うに、車両制動装置の異常が検出可能とされるため、車
両制御装置の信頼性を向上させることができる。なお、
本項に記載の車両制御装置には、(1) 項ないし(13)項の
いずれか1つに記載の技術的特徴を採用することができ
る。 (15)当該車両制御装置が、前記異常検出装置によっ
て異常であると検出された場合に、警報装置を作動させ
る(14)項に記載の車両制御装置。警報装置が作動させら
れれば、運転者に車両制動装置が異常であることを知ら
せることができる。 (16)前記駆動源制御装置が、前記異常検出装置によ
って異常であると検出された場合に、前記駆動源の始
動を禁止する駆動源始動禁止部と、前記駆動源の自動
始動時の駆動トルクを抑制する駆動トルク抑制部との少
なくとも一方を含む(14)項または(15)項に記載の車両制
御装置。駆動源の再始動が禁止されれば、安全性を向上
させることができる。駆動源の再始動を禁止する場合と
しては、例えば、駆動源再始動禁止モードが設定される
場合等が該当する。また、駆動トルクが抑制されれば、
車両の発進性を向上させることができる。駆動トルクが
抑制されて0にされる場合もある。駆動源再始動禁止部
と駆動トルク抑制部との両方を含む場合には、異常の程
度に応じて、駆動源の再始動の禁止と駆動トルクの抑制
とのいずれかが選択的に行われるようにすることもでき
る。 (17)前記車両制動装置が、液圧によりブレーキを作
動させるブレーキシリンダと、高圧の作動液をブレーキ
シリンダに供給するポンプ装置と、前記ブレーキシリン
ダと低圧源とを接続する液通路の途中の、前記ポンプ装
置の吐出口の接続位置より低圧源側に設けられ、ブレー
キシリンダの液圧を、供給電流に応じた液圧だけ、前記
低圧源の液圧より高い大きさに制御する圧力制御弁と、
前記供給電流の制御により、前記ブレーキシリンダの液
圧を制御する供給電流制御部とを含む液圧制動装置であ
り、前記異常検出装置が、前記圧力制御弁のブレーキシ
リンダ側の液圧を検出する制御圧検出部を含み、その制
御圧検出部によって検出された液圧に基づいて前記圧力
制御弁が異常であることを検出する(14)項ないし(16)項
のいずれか1つに記載の車両制御装置。圧力制御弁のブ
レーキシリンダ側の液圧に基づけば圧力制御弁とポンプ
装置との少なくとも一方が異常であるか否かを検出する
ことができる。例えば、ブレーキシリンダ側液圧が、適
正な範囲内の大きさでなくなくなったり、目標制動力に
対応する液圧が実現されない場合には、異常であるとす
ることができる。なお、運転者によるブレーキ操作が解
除された場合のブレーキシリンダ側の液圧に基づけば、
さらに、精度よく異常を検出することができる。低圧源
がブレーキ操作部材の操作力に応じた液圧を発生させる
マスタシリンダである場合において、ブレーキシリンダ
側の液圧が設定圧より大きい場合には、圧力制御弁が閉
状態にあるとすることができる。ブレーキ操作が解除さ
れ、圧力制御弁が開状態にあれば、ブレーキシリンダ側
の液圧は低下するはずである。 (18)前記車両制動装置が、前記異常検出装置によっ
て異常であると検出された場合に、前記ポンプ装置から
吐出される作動液の吐出量と吐出圧との少なくとも一方
を大きくするポンプ装置制御装置を含む(17)項に記載の
車両制御装置。ポンプ装置から吐出される作動液の吐出
量と吐出圧との少なくとも一方が大きくされれば、圧力
制御弁が異常であっても、ブレーキシリンダ圧を大きく
することができる。 (19)前記車両制動装置が、機械式ブレーキと、前記
異常検出装置によって圧力制御弁に異常が検出された場
合に、前記機械式ブレーキを作動させる異常時機械式ブ
レーキ作動部とを含む(17)項または(18)項に記載の車両
制御装置。液圧制動装置に異常が生じた場合に機械式ブ
レーキを作動させれば、車両を停止状態に良好に保持す
ることができる。 (20)車両の停止時に、駆動源停止条件が満たされた
場合に駆動源を自動で停止させ、トランスミッションの
シフト操作装置の操作状態が非駆動状態から駆動状態に
切り換えられたことを含む駆動源始動条件が満たされた
場合に前記駆動源を自動で再始動させる駆動源制御装置
と、前記駆動源が停止させられる場合に、車両に加えら
れる制動力がその車両を停止状態に保つのに必要な制動
力より小さい場合に、前記シフト操作装置の操作状態の
駆動状態への切換えを禁止するシフト操作禁止装置とを
含む車両制御装置(請求項8)。シフト操作装置の駆動
状態へのシフト操作が禁止されれば駆動源始動条件が満
たされなくなくなり、駆動源が再始動させられることが
ない。制動力が不足している状態において、駆動源が再
始動させられることがないのであり、車両制御装置の信
頼性を向上させることができる。シフト操作装置には、
操作状態の非駆動状態から駆動状態へのシフト操作を禁
止するシフトロック機構が含まれることが多く、そのシ
フトロック機構により、制動力が不足する場合に駆動状
態へのシフト操作が禁止されるようにするのである。な
お、本項に記載の車両制御装置には、(1) 項ないし(19)
項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することが
できる。 (21)車両の停止時に、駆動源停止条件が満たされた
場合に駆動源を自動で停止させ、駆動源始動条件が満た
された場合に前記駆動源を自動で再始動させる駆動源制
御装置と、前記駆動源が停止させられる場合に、車両に
加えられる制動力がその車両を停止状態に保つのに必要
な制動力より小さい場合に、トランスミッションにおけ
る駆動伝達許容状態への切り換えを禁止する駆動伝達禁
止装置とを含む車両制御装置。トランスミッションにお
いて駆動伝達状態への切り換えが禁止されれば、駆動源
が始動させられても、駆動源の駆動トルクが車輪に伝達
されない。駆動伝達禁止装置は、例えば、シフト操作装
置における操作状態が駆動状態にあることが検出されて
も、それに応じてトランスミッションを駆動伝達状態に
切り換えることを禁止する装置とすることができる。な
お、本項に記載の車両制御装置には、(1) 項ないし(20)
項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採用することが
できる。 (22)車両の停止時に、駆動源停止条件が満たされた
場合に駆動源を自動で停止させ、駆動源始動条件が満た
された場合に前記駆動源を自動で再始動させる駆動源制
御装置と、前記駆動源が停止させられる場合に車両に制
動力を加える車両制動装置と、その車両制動装置により
車両に加えられる制動力がその車両を停止状態に保つの
に不足しているか否かを検出する制動力不足検出装置
と、その制動力不足検出装置によって制動力が不足して
いると検出された場合に、前記車両制動装置と前記駆動
源との少なくとも一方を制御する不足時制御装置とを含
む車両制御装置。例えば、制動力不足が検出された場合
に制動力を増加させれば、車両が動き出すことを防止す
ることができる。また、制動力不足が検出された場合に
駆動源の再始動時における駆動トルクを抑制したり、再
始動が行われないようにしたりすれば、再始動時の発進
性を良好にすることができる。さらに、警報装置を作動
させることもできる。制動力が不足していることを運転
者に知らせれば、ブレーキ操作部材の操作力を大きくす
ること等が可能となり、運転者の操作によって制動力を
増加させることができる。なお、本項に記載の車両制御
装置には、(1) 項ないし(21)項のいずれか1つに記載の
技術的特徴を採用することができる。 (23)エンジンに接続された定圧室と、大気と定圧室
とに選択的に連通させられる変圧室との差圧により作動
するバキュムブースタを含む車両制動装置と、車両の停
止時においてエンジン停止条件が満たされた場合に前記
エンジンを自動で停止させ、エンジン始動条件が満たさ
れた場合に前記エンジンを自動で再始動させるエンジン
制御装置と、前記バキュームブースタの定圧室の圧力を
検出する圧力検出装置と、前記エンジン制御装置により
エンジンが自動で停止させられている間に、前記圧力検
出装置によって検出された圧力が予め定められた設定圧
より大気圧に近くなった場合に、前記車両に加えられる
制動力を増加させる制動力増加装置とを含むことを特徴
とする車両制御装置(請求項9)。エンジンの自動停止
中に、バキュームブースタの定圧室の圧力が設定圧以上
大気圧に近いことが検出された場合には、車両に加えら
れる制動力が増加させられる。本項に記載の車両制御装
置は、エンジンの自動停止中に制動力の制御が行われな
い車両制動装置を備えた車両に適している。例えば、エ
ンジンの自動停止中に、運転者による操作力が一定に保
たれている場合において、定圧室の圧力が大気圧に近く
なり、バキュームブースタの助勢限界に対応するブレー
キ操作力が小さくなった結果、運転者の操作力がブース
タの助勢限界に対応する操作力より大きくなってしまっ
た場合にも、制動力の低下を抑制することができる。エ
ンジンの自動停止中に、万一、バキュームブースタの定
圧室の負圧が弱くなった場合にも車両の動き出しを防止
することができるのであり、車両制御装置の信頼性を向
上させることができる。なお、本項に記載の車両制御装
置には、(1) 項ないし(22)項のいずれか1つに記載の技
術的特徴を採用することができる。 (24)前記制動力増加装置が、前記エンジンを自動始
動させるエンジン自動始動部を含む(23)項に記載の車両
制御装置(請求項10)。エンジンを始動させれば、定
圧室の圧力を真空に近づけることができ、助勢限界に対
応するブレーキ操作力を大きくすることができる。 (25)前記車両制動装置が、ブレーキシリンダと、そ
のブレーキシリンダに前記バキュームブースタの出力に
対応した液圧以上の液圧を発生可能な増圧装置とを含
み、前記制動力増加装置が、前記増圧装置を制御するこ
とによって、ブレーキシリンダの液圧を増圧させる(23)
項または(24)項に記載の車両制御装置(請求項11)。
増圧装置を作動させれば制動力を増加させることがで
き、バキュームブースタの助勢限界に対応するブレーキ
操作力の低下に起因する制動力不足が生じることを回避
することができる。 (26)エンジンに接続された定圧室と、大気と定圧室
とに選択的に連通させられる変圧室との差圧により作動
するバキュムブースタを含む車両制動装置と、前記バキ
ュームブースタの定圧室の圧力を検出する圧力検出装置
と、車両の停止時において前記圧力検出装置によって検
出された定圧室の圧力が設定圧より真空に近いことを含
むエンジン停止条件が満たされた場合に前記エンジンを
自動で停止させ、エンジン始動条件が満たされた場合に
前記エンジンを自動で再始動させるエンジン制御装置と
を含むことを特徴とする車両制御装置(請求項12)。
バキュームブースタの定圧室の圧力が設定圧より大気圧
に近い場合には、エンジン自動停止条件が満たされない
ため、エンジンが自動停止させられることがない。エン
ジンが継続して作動させられるため、定圧室の圧力が大
気圧にさらに近づくことを回避することができる。この
ように、本項に記載の車両制御装置によれば、エンジン
が自動停止させられても、それによって、バキュームブ
ースタの助勢限界に対応するブレーキ操作力の低下を抑
制することができ、車両制御装置の信頼性を向上させる
ことができる。エンジンが継続して作動させられること
によって、定圧室の圧力が真空に近づけば、自動停止条
件が満たされ、エンジンが自動停止させられることにな
る。また、エンジンが自動停止させられ、その後に、定
圧室の圧力が大気圧に近づいた場合に、エンジンを始動
させる場合より、エンジンが自動停止させられないよう
にした方が、定圧室の圧力を早期に回復させることが可
能となる。なお、本項に記載の車両制御装置には、(1)
項ないし(25)項のいずれか1つに記載の技術的特徴を採
用することができる。 (27)前記エンジン制御装置が、前記定圧室の圧力が
設定圧より大気圧に近い場合に、前記エンジンを、前記
定圧室の圧力が真空に近くなるように制御する定圧室圧
力保証部を含む(26)項に記載の車両制御装置(請求項1
3)。例えば、エンジンが希薄燃焼(あるいは超希薄燃
焼)とストイキ燃焼とに切り換え可能である場合には、
ストイキ燃焼が行われる。それによって、希薄燃焼が行
われる場合よりスロットルバルブの開度が小さくされ、
定圧室の圧力を真空に近づけることが可能となる。ま
た、希薄燃焼とストリキ燃焼とに切り換え不能である場
合には、スロットルバルブの開度が小さくされるだけで
も、定圧室の圧力を真空に近づけることができる。 (28)前記定圧室圧力保証部が、前記車両の走行速度
が予め定められた設定速度より小さい場合に、前記エン
ジンを、前記定圧室の圧力が真空に近づくように制御す
るものである(26)項または(27)項に記載に車両制御装置
(請求項14)。車両が停止状態にされ、エンジンが自
動停止させられると、定圧室の圧力が大気圧に近づく可
能性が高い。そこで、停止直前にエンジンが定圧室の圧
力が真空に近づくように制御されれば、停止中に設定圧
より大気圧に近づくことを良好に回避することができ
る。エンジンの停止時に、定圧室の圧力が設定圧より大
気圧に近づくことを未然に防止することが可能となる。 (29)エンジンに接続された定圧室と、大気と定圧室
とに選択的に連通させられる変圧室との差圧により作動
するバキュムブースタを含む車両制動装置と、車両の停
止時において駆動源停止条件が満たされた場合に前記エ
ンジンを自動で停止させ、駆動源始動条件が満たされた
場合に前記エンジンを自動で再始動させる第1エンジン
制御装置と、前記バキュムブースタの定圧室の圧力が予
め定められた設定圧より大気圧に近い場合に、前記エン
ジンを、定圧室の圧力が大気圧に近づくように制御する
第2エンジン制御装置とを含む車両制御装置。エンジン
の自動停止が行われる車両においては、ブースタの定圧
室の圧力が大気圧に近くなり易い。そのため、エンジン
を、ブースタの定圧室の圧力が設定圧より大気圧に近づ
かないように制御することは有効なことであり、第1エ
ンジン制御装置と第2エンジン制御装置との両方を設け
ることは妥当なことである。なお、本項に記載の車両制
御装置には、(1) 項ないし(28)項のいずれか1つに記載
の技術的特徴を採用することができる。
【0004】
【発明の実施の形態】本発明の車両制御装置の一実施形
態について図面に基づいて詳細に説明する。本車両制御
装置が搭載された車両はオートマチック車であり、駆動
源としてのエンジンによって駆動される車である。図1
において、4はエンジンであり、6はトランスミッショ
ンであり、8はブレーキ装置である。エンジン4は、シ
リンダ10,そのシリンダ10内に摺動可能に嵌合され
たピストン12等を含む。ピストン12には、コネクテ
ィングロッドを介してクランクシャフト(出力軸)14
が連結されており、ピストン12の往復運動に伴って出
力軸14が回転させられる。出力軸14にはスタータモ
ータ16が係合させられており、スタータモータ16に
よりエンジン10が始動させられる。
【0005】シリンダ10内のピストン12のコネクテ
ィングロッドとは反対側には燃焼室18が設けられてお
り、燃焼室18には、吸気管20と排気管22とが接続
されている。吸気管20の燃焼室近傍には、燃料を噴射
するインジェクタ24が取り付けられている。また、サ
ージタンク26が設けられ、ブレーキ装置8のバキュー
ムブースタ28(以下、単に、ブースタと略称する)の
定圧室30にバキュームホース32を介して接続されて
いる。吸気管20のサージタンク26より大気側には、
スロットルバルブ34が設けられている。スロットルバ
ルブ34はスロットルアクチュエータ36によって開閉
されるのであり、スロットル開度を大きくすると、燃焼
室18に供給される空気の量が大きくなり、空気の燃料
としてのガソリンに対する比率である空燃比(空気/ガ
ソリン)が大きくなる。本エンジンにおいては、インジ
ェクタ24やスロットルアクチュエータ36の制御によ
り、燃焼状態が、空燃比が大きい希薄燃焼状態と空燃比
がほぼ理論空燃比付近であるストイキ燃焼状態とに制御
可能とされている。
【0006】希薄燃焼が行われる場合にはストイキ燃焼
が行われる場合に比較して、スロットル開度が大きくさ
れる。スロットルバルブ34の開度が大きい状態が継続
させられると、ブースタ28の定圧室30の圧力が大気
圧に近くなる。大気圧に近くなると、ブースタ28が助
勢限界に対応するブレーキ操作力が小さくなり、望まし
くない。また、エンジン4の駆動が停止させられても、
大気圧に近くなる。そのため、本実施形態においては、
後述するように、ブースタ28の定圧室30の圧力が設
定圧より大気圧に近い大きさになると、燃焼状態がスト
イキ燃焼に切り換えられたり、エンジン4の自動停止が
行われないようにされたりする。
【0007】エンジン4の出力軸14に加えられる駆動
トルクは、トランスミッション6を介して図示しないド
ライブシャフトに伝達され、車輪に伝達される。トラン
スミッション6は、複数のクラッチ,ブレーキと、複数
の電磁弁とを含むものであり、これらクラッチ,ブレー
キ等への作動液の供給状態が電磁弁の制御によって制御
されることにより、駆動トルクの伝達状態が制御され
る。エンジン4の出力軸14(トランスミッション6に
おける入力軸)の駆動トルクがトランスミッション6の
出力軸に伝達される伝達状態と、駆動トルクが伝達され
ない非伝達状態とに切り換えられるのであるが、伝達状
態においては、入力軸14の変速比が制御されることに
より伝達される駆動トルクが制御される。トランスミッ
ション6においては、シフト装置42のシフト位置,車
速等に基づいて変速比が決定され、その変速比を実現し
得るように、複数の電磁弁が制御される。シフト装置4
2は、シフト操作部材と、ロック機構44とを含むもの
であり、シフト操作部材の操作により、シフト位置が、
パーキング「P」,ニュートラル「N」,リバース
「R」,ドライブ「D」,ロー「L」,セカンド「2」
のいずれかに切り換えられる。ロック機構44は、ソレ
ノイドの励磁状態により、パーキング「P」,ニュート
ラル「N」(非駆動位置)からリバース「R」,ドライ
ブ「D」,ロー「L」,セカンド「2」(駆動位置)へ
のシフトを許可したり禁止したりする機能を有するもの
である。本実施形態においては、後述するように条件が
満たされた場合に非駆動位置から駆動位置へのシフトが
許可され、それ以外の場合には禁止される。禁止された
場合には非駆動位置にロックされるのである。
【0008】ブレーキ装置8は、図2に示すように、液
圧によって作動させられる液圧ブレーキ装置60と、ケ
ーブルの引張りにより機械的に作動させられる機械式の
パーキングブレーキ装置62とを含む。液圧ブレーキ装
置60は、前述のブースタ28,マスタシリンダ66,
各車輪毎に設けられた液圧ディスクブレーキ68等を含
む。マスタシリンダ66には、ブースタ28を介してブ
レーキ操作部材としてのブレーキペダル70が接続され
ている。ブースタ28は、前記定圧室30と、定圧室3
0と大気とに選択的に連通させられる変圧室71とを有
するものであり、これら定圧室30と変圧室71との間
の圧力差による作動力で、ブレーキペダル70の操作力
が助勢されてマスタシリンダ66に伝達される。定圧室
30の圧力が大気圧に近づくと、変圧室71が大気圧に
達した場合の圧力差が小さくなり、助勢限界に対応する
ブレーキ操作力が小さくなる。マスタシリンダ66は、
2つの加圧室の含むタンデム式のものであり、一方の加
圧室には、左右後輪に設けられた液圧ディスクブレーキ
68のブレーキシリンダ72が接続されており、他方の
加圧室には、図示しない左右前輪の液圧ブレーキのブレ
ーキシリンダが接続されている。以下、後輪側のブレー
キ系統について説明し、前輪側のブレーキ系統について
の説明を省略する。
【0009】マスタシリンダ66と2つのブレーキシリ
ンダ72とは液通路74によって接続されている。液通
路74は途中で分岐させられ、それぞれの先端にブレー
キシリンダ72が設けられているのである。液通路74
の分岐位置よりマスタシリンダ側には圧力制御弁76が
設けられ、分岐位置よりブレーキシリンダ側(分岐通
路)には、それぞれ、保持弁78が設けられている。ブ
レーキシリンダ72とリザーバ80とを接続する液通路
82には減圧弁84が設けられている。また、圧力制御
弁76をバイパスするバイパス通路の途中には、マスタ
シリンダ側からブレーキシリンダ側への作動液の流れを
許容し逆向きの流れを阻止する逆止弁86が設けられ、
保持弁78をバイパスするバイパス通路の途中には、ブ
レーキシリンダ側からマスタシリンダ側への作動液の流
れを許容し、逆向きの流れを阻止する逆止弁88が設け
られている。逆止弁86は、圧力制御弁76が閉状態に
ある場合において、マスタシリンダ66の液圧が高くな
った場合に、マスタシリンダ66からブレーキシリンダ
72への作動液の流れを許容するために設けられたもの
であり、逆止弁88は、保持弁78が閉状態にある場合
において、ブレーキペダル70の操作が緩められた場合
にブレーキシリンダ72の作動液をマスタシリンダ66
に戻すために設けられたものである。
【0010】圧力制御弁76は、図3に示すように、弁
子90と、弁座92と、スプリング94とを含むシーテ
ィング弁を含むものであり、弁子90がスプリング94
の弾性力F1 によって弁座92から離間させられる方向
に付勢される常開弁である(a)。ソレノイド96に電
流が供給されると、(b)に示すように、それに応じた
電磁駆動力F2 が弁子90を弁座92に着座させる方向
に作用する。また、圧力制御弁76の前後の液圧差に応
じた差圧作用力F3 が弁子90を弁座92から離間させ
る方向に作用する。弁子90の弁座92に対する相対位
置が、上述の弾性力F1 ,電磁駆動力F2 ,差圧作用力
F3 の関係によって決まるのであり、それによって、マ
スタシリンダ液圧に対するブレーキシリンダの液圧を制
御することができる。
【0011】前記リサーバ80からはポンプ通路100
が延び出させられ、前記液通路74の圧力制御弁76の
ブレーキシリンダ側に接続されている。ポンプ通路10
0の途中には、ポンプ102,逆止弁104,106,
ダンパ108等が設けられている。ポンプ102と、そ
のポンプ102の吸入側に設けられ逆止弁104との間
には、マスタリザーバ110から延びださせられた作動
液供給通路112とマスタシリンダ66から延び出させ
られた(液通路74から延び出させられた)作動液供給
通路114とが接続されている。作動液供給通路11
2,114の途中には、それぞれ、開閉弁116,11
8が設けられている。ポンプ102はポンプモータ12
0の駆動によって作動させられる。
【0012】ポンプ102が作動状態にされ、かつ、開
閉弁116が閉状態にされ、開閉弁118が開状態にさ
れれば、マスタシリンダ66の作動液がポンプ102に
よって汲み上げられ、加圧されて液通路74の圧力制御
弁76の下流側に供給される。逆止弁104によってマ
スタシリンダ66の作動液がリザーバ80に戻されるこ
となく、ポンプ102によって汲み上げられるのであ
り、マスタシリンダ66の作動液が高圧のままポンプ1
02によって加圧されることになる。その結果、ポンプ
モータ120において消費される電気エネルギを低減さ
せることができる。後述するように、エンジン自動停止
条件が満たされて、エンジン4が自動停止させられた場
合には、開閉弁116が閉状態にされるとともに開閉弁
118が開状態にされる。ポンプ102の作動と圧力制
御弁76への供給電流の制御とによりブレーキシリンダ
72の液圧が制御される。ブレーキシリンダ72の液圧
はマスタシリンダ66の液圧より大きくされる場合もあ
る。ブレーキシリンダ70の液圧に応じた液圧制動力が
車輪に加えられる。本実施形態においては、ポンプ10
2,ポンプモータ120等によって増圧装置122が構
成される。
【0013】パーキングブレーキ装置62は、図4に示
すように、車輪に設けられたパーキングブレーキ150
と、ケーブル152と、そのケーブル152に引張力を
加える電動モータ154とを含むものであり、電動モー
タ154の制御により、ケーブル152に加えられる張
力が制御され、車輪に加えられるパーキングブレーキ1
50による制動力(機械式制動力)が制御される。パー
キングブレーキ装置62には、車体側部材に固定された
保持部材158に対して軸方向に相対移動可能かつ軸線
周りに相対回転可能に操作レバー160が設けられてい
る。操作レバー160の一端部にはグリップ161が設
けられ、他端部にはケーブル152が連結されている。
ケーブル152は、インタミディエイトレバ162,イ
コライザ164等を介してドラムブレーキ150に連結
されており、操作レバー160が軸方向に保持部材15
8に対して引き上げられることによって、ケーブル15
2が引き締められ、ドラムブレーキ150において図示
しない一対のシューが拡開させられ、パーキングブレー
キが作動させられる。本実施形態においては、上述の一
対のシューを拡開させる拡開機構と、その拡開機構に接
続され、引き締められることによって拡開機構を作動さ
せるケーブル152と、そのケーブル152に引張力を
加える張力付与装置としての電動モータ154とによっ
て電動アクチュエータ166が構成されるのである。
【0014】操作レバー160の外周面には、軸方向に
延びたラチェット歯172設けられ、それに対して、保
持部材158には、スライダ174が軸方向に相対移動
可能に設けられている。スライダ174には、ラチェッ
ト歯172に噛合可能なラチェット爪176が取り付け
られており、これらが噛み合わされることにより、操作
レバー160が任意の位置に保持される。これらラチェ
ット歯172とラチェット爪176とによってケーブル
152に加えられた張力を保持する保持装置177が構
成される。スライダ174は、リターンスプリング17
8により図示する原位置に付勢され、この原位置にある
ことが原点センサ180によって検出される。
【0015】電動モータ154は、正・逆両方向に回転
可能なものであり、出力軸には、減速装置を介してプー
リ184が取り付けられている。ケーブル186が、プ
ーリ184,車体側部材に設けられたプーリ185,ス
ライダ174に取り付けられたプーリ186を経て保持
部材158に支持された張力センサ188に係合させら
れている。電動モータ154の作動によりケーブル18
6が引っ張られたり、緩められたりすると、スライダ1
74が保持部材158に対して軸方向に相対移動させら
れ、それによって操作レバー160が軸方向に移動させ
られる。ケーブル152が引っ張られ、パーキングブレ
ーキ150が作動させられる。運転者が操作レバー16
0を操作しなくても、パーキングブレーキ150を作動
させたり、解除したりすることができるのである。
【0016】ケーブル186に加えられる張力は張力セ
ンサ188によって検出される。ケーブル186に加わ
る張力が大きい場合は、パーキングブレーキ150の制
動力が大きくされ、ケーブル186が緩められれば、パ
ーキングブレーキ150の作動力が緩められる。ケーブ
ル186に加えられる張力は、張力センサ188によっ
て検出され、その張力に基づいてパーキングブレーキ1
50による制動力が検出され、車輪に加えられる機械式
制動力が検出される。前述のラチェット歯172とラチ
ェット爪176との噛合いによって、電動モータ154
の作動が停止させられても、操作レバー160はその位
置に保たれるのであり、車輪に加えられる機械式制動力
を保持することができる。運転者の操作により操作レバ
ー160が保持部材158に対して軸方向に引っ張られ
ればパーキングブレーキ150が作動させられる。ま
た、軸線に対して90度回転させれば、ラチェット爪1
76のラチェット歯172に対する噛合いが解除される
ため、運転者の操作により、操作レバー160を軸方向
に相対移動させることができ、パーキングブレーキ15
0の作動を解除することができる。なお、パーキングブ
レーキ150が作動状態にあるか非作動状態にあるか
は、ブレーキスイッチ190によって検出される。
【0017】車両制御装置において、エンジン4はエン
ジンECU200によって制御され、トランスミッショ
ン6はトランスミッションECU202によって制御さ
れ、ブレーキ装置8はブレーキECU204によって制
御される。これらエンジンECU200,トランスミッ
ションECU202,ブレーキECU204は、いずれ
も、CPU,ROM,RAMを含むコンピュータを含む
ものである。エンジンECU200の入力部には、スロ
ットルバルブ34の開度を検出するスロットルセンサ2
10、クランク軸の回転数に基づいて出力軸14の回転
数を検出する回転数センサ212、燃焼室18の圧力を
検出する燃焼圧センサ214、サージタンク26内の圧
力を検出する負圧センサ216、車両の走行速度を検出
する車速センサ218、図示しないアクセルペダルの操
作に伴うアクセル開度を検出するアクセル開度センサ2
20、シフト装置42のシフト位置を検出するシフト位
置センサ222、ブレーキ装置8のブースタ28の定圧
室30の圧力を検出する負圧センサ224、ブレーキペ
ダル70が操作状態にあるか否かを検出するブレーキス
イッチ226、運転席側のドアが開状態にあるか否かを
検出するカーテシランプスイッチ228等が接続され、
出力部には、スタータモータ16,スロットルアクチュ
エータ36,インジェクタ24等が駆動回路を介して接
続されるとともに、警報装置230等が接続されてい
る。
【0018】エンジンECU200の制御により、燃焼
室18における燃焼状態が、燃焼室18の圧力,スロッ
トル開度,サージタンク26内の圧力,出力軸14の回
転数,アクセル開度等に基づいて希薄燃焼状態にされた
りストイキ燃焼状態にされたりする。また、後述するよ
うに、エンジン4の自動停止条件が満たされた場合に
は、インジェクタ24の制御により燃焼室18に燃料が
供給されなくなることによりエンジン4が自動停止させ
られ、自動始動条件が満たされた場合には、スタータモ
ータ16の駆動等によりエンジン4が自動始動させられ
る。警報装置230は、ブレーキ装置8やエンジン4が
異常である場合等に作動させられる。また、車速,シフ
ト位置,ブースタ負圧,ブレーキ操作状態,運転席側の
ドアの開閉状態等に基づいてエンジン4を自動で停止さ
せたり、自動で始動させたりする。
【0019】トランスミッションECU202の入力部
には、前述のシフト位置センサ222,車速センサ21
8等が接続され、出力部には、図示しないトランスミッ
ション6の複数の電磁弁、シフト装置42に含まれるシ
フトロック機構44等が接続される。トランスミッショ
ンECU202によってシフトロック機構44が制御さ
れることによって、非駆動位置から駆動位置へのシフト
操作が禁止されたり許可されたりする。ブレーキECU
204の入力部には、前記ブレーキスイッチ226、パ
ーキングブレーキ装置62に設けられた張力センサ18
8,原点スイッチ180,パーキングブレーキスイッチ
190等の他、マスタシリンダ66の液圧を検出するマ
スタ圧センサ238,圧力制御弁76のブレーキシリン
ダ側の液圧を検出するブレーキシリンダ圧センサ240
(保持弁78が図示する原位置にある場合には、圧力制
御弁76のブレーキシリンダ側の圧力とブレーキシリン
ダ圧とはほぼ等しいため、ブレーキシリンダ圧センサと
称する)、ブレーキペダル70の操作ストロークを検出
する操作量センサ242、各車輪毎に設けられた車高セ
ンサ244,温度センサ246等が接続されている。出
力部には、圧力制御弁76のソレノイド96,保持弁7
8,減圧弁84,開閉弁116,118の各ソレノイド
が接続されるとともに、ポンプモータ120、パーキン
グブレーキ装置62の電動モータ154の駆動回路が接
続されている。ブレーキECU204の制御によって、
車輪に加えられる液圧制動力(ブレーキシリンダ液圧)
や機械式制動力が制御される。なお、温度センサ246
は、外気温度を検出するものであっても、液圧ブレーキ
装置60内の温度(作動液の温度やブレーキ回転体の温
度等)を検出するものであってもよい。
【0020】これらエンジンECU200、トランスミ
ッションECU202、ブレーキECU204の間にお
いては情報の通信が行われる。エンジンECU200に
おいて、エンジン自動停止条件,自動始動条件が満たさ
れるか否かが判定され、自動停止条件が満たされた場合
には、ブレーキECU204に制動力保持指令が出力さ
れ、自動始動条件が満たされた場合には、制動力解除指
令が出力される。また、ブレーキECU204からエン
ジンECU200へは、圧力制御弁76,増圧装置12
2が異常であることを表す異常情報等が出力される。異
常情報が供給されると、エンジンECU200からトラ
ンスミッションECU202へシフトロック指令が出力
される。シフト装置42のシフトロック機構44をシフ
トロック状態に切り換えることを指示する指令が出力さ
れるのであるが、ブレーキ装置異常情報が出力されるよ
うにしてもよい。
【0021】以上のように構成された車両制御装置にお
ける作動について説明する。エンジンECU200にお
いては燃焼室18における燃焼状態が制御される。エン
ジン4の出力軸14の回転数が大きく、負荷が大きい場
合には主としてストイキ燃焼が行われ、スロットルバル
ブ34が絞り気味にされる。回転数が小さく、負荷が小
さい場合には主として希薄燃焼が行われ、スロットルバ
ルブ34が開き気味にされる。スロットル開度が大きく
されるため、サージタンク26の圧力は大気圧に近くな
り、ブースタ28の定圧室30の圧力が大気圧に近くな
る。定圧室30の圧力が大気圧に近くなると、助勢限界
に対応するブレーキ操作力が小さくなり、望ましくな
い。そこで、本実施形態においては、定圧室30の圧力
が設定圧より大気圧側の高さにならないようにエンジン
4の燃焼状態が制御されるようにされている。図5のフ
ローチャートで表されるブースタ負圧対応燃焼制御プロ
グラムが予め定められた設定時間間隔毎に実行される。
【0022】図5のフローチャートのステップ1(以
下、S1と略称する。他のステップについても同様とす
る)において、車両の走行速度が設定速度Vs1以下であ
るか否か、S2において、車両の走行速度が設定速度V
s2以上であるか否かが判定される。設定速度Vs1は車両
が停止状態にあるとみなし得る速度であり、設定速度V
s2は設定速度Vs1より大きく、停止状態ではないが停止
直前の状態にあるとみなし得る速度である。設定速度V
s2以上で走行している場合には、S1における判定がN
O,S2における判定がYESとなり、エンジン制御は
通常の燃焼制御プログラムの実行に従って制御される。
上述のように、燃焼状態が、エンジンの回転数等に基づ
いて制御されるのである。それに対して、設定速度Vs1
より大きく設定速度Vs2以下である場合には、S3にお
いてストイキ燃焼が行われる。車両が停止直前にある状
態においてはエンジン回転数はそれほど大きくないた
め、希薄燃焼が行われることが多いが、本実施形態にお
いてはストイキ燃焼が行われるのである。車両が停止
し、エンジン4が自動停止させられると、定圧室30の
圧力が大気圧に近づく可能性が高くなるが、停止前にス
トイキ燃焼が行われ、圧力を真空に近づけておけば、車
両の停止中にエンジン4が自動停止させられても、ブー
スタ28の定圧室30の圧力が設定圧より大気圧に近づ
くことを回避することができる。このようにすることに
よって、定圧室30の圧力が大気圧に近づくことを未然
に防止することが可能となる。
【0023】車両がほぼ停止状態にある場合には、S1
における判定がYESとなり、S4において、ブースタ
28の定圧室30の圧力が設定圧より真空に近いか否か
が判定される。大気圧に近い場合には、判定がNOとな
り、S5において、ストイキ燃焼が行われる。エンジン
4が作動中にある場合には、ストイキ燃焼が行われるの
であり、自動停止させられている状態においては、自動
始動条件が満たされなくても、始動させられてストイキ
燃焼が行われる。ストイキ燃焼が行われれば、スロット
ル開度が絞り気味にされるため、ブースタ28の定圧室
30の圧力が真空に近づけられる。
【0024】このように、本実施形態においては、ブー
スタ28の定圧室30の圧力が設定圧より大気圧側にあ
る場合には、車両が停止状態にあってもエンジン4は作
動状態のままになる。その結果、エンジン4が一旦自動
停止させられた後に、ブースタ28の定圧室30の圧力
が設定圧より大気圧に近いか否かが検出されて、再始動
させる場合より、早期にブースタ28の定圧室30の圧
力が大気圧に近づいたことを検出することができ、回復
させることが可能となる。また、エンジン4においてス
トイキ燃焼が行われるようにすれば、希薄燃焼が行われ
る場合より定圧室30の圧力を早急に真空に近づけるこ
とができる。液圧ブレーキ装置60においては、ブース
タ28が助勢限界に対応するブレーキ操作力の低下を抑
制することができる。
【0025】なお、希薄燃焼とストイキ燃焼との切り換
えが行われないエンジン4においては、ブースタ28の
定圧室30の圧力が設定圧より大気圧に近い場合には、
スロットルバルブ34が絞られるようにすることもでき
る。スロットル開度が絞られることにより、定圧室30
の圧力が真空に近づけられる。また、車両の停止前にス
トイキ燃焼が行われる場合には、定圧室30の圧力が設
定圧より真空側にあることをエンジン自動停止条件から
外すことも可能である。停止前にストイキ燃焼が行われ
れば、停止中に設定圧より大気圧に近づくことは少ない
からである。
【0026】エンジンECU200においては、エンジ
ン自動停止・始動制御が行われる。エンジン自動停止許
可状態にある場合には、自動停止条件が満たされるか否
か、自動始動条件が満たされるか否かが判定される。運
転者によって図示しない自動停止制御許可スイッチが操
作された状態にあり、かつ、エンジン自動制御禁止モー
ドが設定されていない場合にエンジン自動停止許可状態
にあるとされる。エンジン自動制御禁止モードは、エン
ジン4,エンジンECU200等が異常である場合に設
定される。
【0027】エンジン自動停止条件は、本実施形態にお
いては、車速がほぼ停止状態にあるとみなし得る設定
速度Vs1以下であること、ブレーキペダル70が操作
中であること、アクセルペダルが非操作状態にあるこ
と、シフト位置がパーキング「P」またはニュートラ
ル「N」(非駆動位置)にあること、ブースタ28の
定圧室30の圧力が設定圧より真空に近いこと、エン
ジン4が正常であること,図示しないバッテリが正常
であることのすべてが満たされた場合に、満たされたと
される。エンジン自動始動条件は、シフト位置が、駆
動位置(ドライブ「D」,ロー「L」,セカンド「2」
等)にあり、かつ、ブレーキペダル70が非操作状態
にある場合に満たされたとされる。
【0028】エンジンECU200においては、図6の
フローチャートで表されるエンジン自動停止,始動プロ
グラムが繰り返し実行される。S11において、エンジ
ン自動停止許可スイッチが操作状態にあるか否か、S1
2において、エンジン自動制御禁止モードが設定されて
いるか否かが判定される。自動停止許可スイッチが操作
状態にない場合やエンジン自動制御禁止モードが設定さ
れている場合には、S13以降が実行されることはな
い。自動停止許可スイッチが操作状態にあり、かつ、エ
ンジン自動制御禁止モードが設定されていない場合に
は、S13において自動停止条件が満たされたか否か、
S14において自動始動条件が満たされたか否かが判定
される。自動停止条件が満たされた場合には、S15に
おいて、ブレーキECU204に制動力保持指令が出力
され、S16において、エンジン4の駆動が停止させら
れる。自動始動条件が満たされた場合には、S17にお
いて、エンジン4が再始動させられ、S18において、
ブレーキECU204に制動力解除指令が出力される。
制動力保持指令は、厳密にいえば、車両停止状態保持指
令であり、車両を停止状態に保ち得る大きさの制動力を
加えることを指示する指令であり、制動力を、その時点
の制動力の大きさのまま保持する場合に限定されない。
【0029】また、エンジン4が自動停止状態にある場
合には、図7のフローチャートで表されるエンジン停止
中制御プログラムが繰り返し実行される。S21におい
て、運転席側のドアが閉状態から開状態に切り換えられ
たか否か、S22において、ブレーキECU204から
異常情報が供給されたか否かが検出される。運転席側の
ドアが開状態に切り換えられた場合には、S23におい
て、エンジン4が再始動させられる。エンジン4は、警
告のために始動させられるのである。自動停止条件が満
たされると、エンジン4が自動に停止させられ、後述す
るように、ブレーキ装置8において制動力が加えられる
ことになるが、この状態において、運転者が車両から降
りて車から離れることは望ましくない。イグニッション
スイッチはONのままであり、エンジン4が停止させら
れたにすぎないからである。したがって、運転者に車か
ら離れるのが適当でないことを知らせるために、エンジ
ン4を再始動させるのである。なお、エンジン4を作動
させるのではなく、警報装置230を作動させてもよ
い。
【0030】ブレーキECU204から異常情報が供給
された場合には、S24において、シフトロック指令が
トランスミッションECU202に出力され、S25に
おいて、警報装置230が作動させられる。ブレーキ装
置8(液圧ブレーキ装置60)が異常であることを運転
者に知らせるのである。トランスミッションECU20
2にシフトロック指令が出力されれば、トランスミッシ
ョンECU202は、シフト装置42のシフトロック機
構44を制御することによって、シフトレバーの駆動位
置への切り換えを禁止する。シフト位置が非駆動位置に
ロックされるのであり、その結果、前述の自動始動条件
が満たされなくなり、エンジン4が停止状態に保たれる
ことになる。液圧ブレーキ装置60の異常時にエンジン
4の再始動が禁止されるため、車両制御装置の信頼性を
向上させることができる。
【0031】なお、上記実施形態においては、ブレーキ
装置8の異常時にシフトロック指令が出力されるように
されていたが、ブレーキ装置8において制動力が不足し
ている場合にシフトロック指令が出力されるようにする
ことができる。このようにすれば、エンジン始動時にお
ける発進性を向上させることができ、車両制御装置の信
頼性を向上させることができる。図8に示すハード回路
260において、シフト位置がパーキング「P」,ニュ
ートラル「N」のいずれかにあり、かつ、ブレーキペダ
ル70が操作状態にあり、かつ、マスタシリンダ圧が設
定圧PMS以上であり、かつ、ストロークが設定量SB0以
上である場合には、シフトチェンジ許可信号がトランス
ミッションECU202に出力される。マスタシリンダ
圧が設定圧以上であるか否かストロークが設定量以上で
あるか否かは、エンジンECU200からブレーキEC
U204にこれらの情報を要求する情報要求指令が出力
されると、それに応じて、ブレーキECU204からエ
ンジンECU200に出力されることになる。マスタシ
リンダ圧が設定圧より小さく、ストロークが設定量より
小さい場合には、シフトロック指令(シフトチェンジが
禁止される)が出力されることになり、ブレーキ装置8
において十分な制動力が得られず、制動力が不足してい
る場合には、シフトチェンジが禁止され、エンジン4の
自動始動が禁止される。
【0032】なお、上記実施形態においては、マスタシ
リンダ圧が設定圧PMS以上であり、かつ、ストロークが
設定量SB0以上であることが条件とされていたが、いす
れか一方が満たされれば制動力不足ではないとすること
もできる。また、シフトロック指令がトランスミッショ
ンECU202に出力される場合には、ブレーキECU
204に制動力増加指令が出力されるようにすることも
できる。制動力増加指令によって制動力が増加させられ
た後に、シフトチェンジが許容され、エンジン4が自動
始動させられることになる。さらに、シフトロック指令
出力制御がハード回路260によって実行されていた
が、シフトロック指令出力制御プログラムの実行に従っ
て行われるようにすることができる。
【0033】また、ブレーキ装置8が異常である場合、
制動力が十分でない場合には、トランスミッション6に
おける駆動伝達状態への切り換えが禁止されるようにす
ることもできる。トランスミッション6において電磁弁
の制御により駆動伝達阻止状態から駆動伝達状態へ切り
換えられるのであるが、そのような電磁弁の制御が禁止
されるようにするのである。この場合には、エンジン4
が始動されても、駆動トルクが車輪に伝達されることは
なくなるため、同様の効果を得ることができる。さら
に、実際の制動力が車両を停止状態に保つために必要な
制動力より小さい場合にシフトロック指令が出力される
ようにすることもできる。
【0034】ブレーキECU204においては、エンジ
ンECU200から制動力保持指令が供給されると、液
圧制動力の制御によって車両が停止状態に保たれ、制動
力解除指令が供給されると、液圧制動力が解除される。
図9のエンジン停止時液圧制御プログラムを表すフロー
チャートにおいて、S41において、制動力保持指令が
供給されたか否かが判定され、供給された場合にはS4
2以降が実行され、供給されない場合には実行されるこ
とはない。S42以降は、制動力保持指令が供給された
場合に1回実行される。S42において、マスタシリン
ダ圧が検出される。制動力保持指令が供給された時点の
マスタシリンダ圧が検出されるのであり、換言すれば、
車両の停止時におけるマスタシリンダ圧が検出されるの
である(停止時制動力と称することができる。また、増
圧装置122が非作動状態にある場合にはブレーキシリ
ンダ液圧と同じ大きさになる)。S43において、路面
勾配と温度とに基づいて必要な移動力が求められる。4
輪各々に設けられた車高センサの出力値に基づいて停止
状態にある車両の路面勾配が検出され、その路面勾配と
温度とに基づいて車両に加えられる移動力が算出される
のである。路面勾配が大きい場合は小さい場合より移動
力が大きくされ、温度が低い場合には高い場合より移動
力が大きくされる。温度が低く作動液の粘性が高くなる
と、クリープ力が大きくなるからである。そして、その
移動力と停止時制動力とに基づいて目標制動力が算出さ
れ、その目標制動力に対応する目標ブレーキシリンダ液
圧が算出される。S44において、目標ブレーキシリン
ダ液圧が得られるために必要な圧力制御弁76への供給
電流が算出され、S45において、増圧装置122が作
動させられ、圧力制御弁76のソレノイドには、算出さ
れた大きさの電流が供給される。ブレーキシリンダ液圧
は、マスタシリンダ液圧より大きい目標ブレーキシリン
ダ液圧に制御されることになる。
【0035】S46において、ブレーキシリンダ液圧が
検出され、S47において、前述の目標ブレーキシリン
ダ液圧と実際の液圧との差が設定圧より小さいか否かが
判定される。設定圧より小さい場合には、S48におい
て、圧力制御弁76および増圧装置122が正常である
とされる。この場合の設定圧は、目標ブレーキシリンダ
液圧とマスタシリンダ液圧との差より小さい値とされ、
その都度決定される。ブレーキペダル70が操作されて
いる場合には、圧力制御弁76の作動が異常であっても
(例えば、開状態のままであっても)、ブレーキシリン
ダ液圧はマスタシリンダ液圧に対応する大きさになるか
らであり、圧力制御弁76や増圧装置122が異常であ
るか否かを検出するためには、ブレーキシリンダ液圧が
マスタシリンダ液圧より大きいが制御圧に達していない
ことを検出する必要があるのである。また、ブレーキペ
ダル70が非操作状態にある場合において、圧力制御弁
76が異常であるか否かを検出することもできる。
【0036】S47において、これらの差が設定圧より
大きい場合には、S49以降において、圧力制御弁76
が異常であるか否かが確認される。S49において、カ
ウンタNがカウントアップされ、S50において、カウ
ント値が設定回数N0 以上であるか否かが判定される。
S51において、供給電流量が設定量ΔIだけ増加させ
られ、S52においてブレーキシリンダ液圧が検出さ
れ、S53において、差が設定圧より小さいか否かが判
定される。設定圧より小さければ、前述の場合と同様
に、正常であるとされる。設定圧以上である場合には、
S49〜53が繰り返し実行され、供給電流が設定量ず
つ増加させられるのであるが、設定回数以上増加させて
も、差が設定圧より小さくならない場合には、S54に
おいて、異常であるとされ、S55において異常情報が
エンジンECU200に出力される。また、S56にお
いて、圧力制御弁76への供給電流が0とされ、ポンプ
モータ120の作動が停止させられる。エンジン4が自
動始動させられることがないため、制動力保持制御を行
う必要がないのであり、エネルギの消費量の低減が図ら
れる。
【0037】本実施形態においては、圧力制御弁76へ
の供給電流量が、マスタシリンダ圧と移動力とに基づい
た目標制動力が得られる大きさに決定されるのであり、
常に最大量の電流が供給されるわけではない。そのた
め、供給電流量を低減させることができ、エネルギ消費
量の低減を図ることができる。それによって圧力制御弁
76における発熱を抑制することができ、圧力制御弁7
6の耐久性を向上させ、車両制御装置の信頼性を向上さ
せることができる。また、車両停止時におけるマスタシ
リンダ圧,その停止状態における環境に応じて決まる移
動力に基づいて目標制動力が決定されるため、エンジン
停止状態において、車両の動き出しを防止することがで
き、良好に停止状態に保つことができる。圧力制御弁7
6,圧力制御弁76を含むユニット全体を、エンジン4
の排気口から離れた位置に設置すれば、さらに、圧力制
御弁76の発熱を抑制することができる。また、圧力制
御弁76のソレノイド96の近傍にフィンを設けること
によっても発熱を抑制することができ、耐久性を向上さ
せることができる。
【0038】なお、目標制動力は、マスタシリンダ圧に
対応する制動力(停止時制動力)と移動力とのうちの大
きい方の値としたり、小さい方の値としたり、中間の値
としたりすることができる。また、移動力に停止時制動
力に応じた力を加えた値としたり、停止時制動力に移動
力に応じた力を加えた値としたりすることができる。い
ずれにしても、移動力と停止時制動力との両方に基づい
て決定することは不可欠ではなく、移動力のみに基づい
て決定しても停止時制動力のみに基づいて決定してもよ
い。目標制動力を移動力と同じ値にしたり、移動力より
僅かに大きい値にしたりすることができる。同様に、停
止時制動力と同じ値にしたり、停止時制動力より多少大
きい値または小さい値にしたりすることができる。停止
時制動力と同じ値を目標制動力とにした場合には、その
時点の液圧が保持されることになり、ポンプ102を作
動させる必要がなくなる。さらに、移動力は、路面勾配
と温度とに基づいて決定することは不可欠ではなく、路
面勾配のみに基づいて決定しても温度のみに基づいて決
定しても、例えば、積載荷重,路面の摩擦係数等も考慮
して決定してもよい。さらに、移動力自体を求めること
も不可欠ではなく、例えば、温度が高い場合には目標制
動力を停止時制動力とし、温度が低い場合には停止時制
動力より大きい値を目標制動力とすることもできる。ま
た、ブレーキシリンダの液圧を増加させる場合には、圧
力制御弁76の供給電流を増やすのではなく、供給電流
を一定に保った状態で、ポンプ102から吐出される作
動液の吐出圧や吐出量を増加させることもできる。ポン
プモータ120の制御によりポンプ102の作動状態が
制御される。
【0039】さらに、車両制動装置が、エンジン4が自
動停止させられた場合に液圧制動力の保持または増圧が
行われない場合、すなわち、運転者によるブレーキペダ
ル70の操作力に応じた液圧制動力によって車両が停止
状態に保たれるようにされている装置である場合には、
ブースタ28の定圧室30の圧力が設定圧より大気圧に
近い場合に、増圧装置122の作動によりブレーキシリ
ンダ液圧が増圧させられるようにすることもできる。定
圧室30の圧力が大気圧に近くなったことによって助勢
限界に対応するブレーキ操作力が小さくなり、運転者の
ブレーキ操作力が助勢限界に対応するブレーキ操作力よ
り大きくなっても、制動力の低下を良好に抑制すること
ができる。エンジン4の自動停止時に制動力不足が生じ
ることを回避することができ、車両を停止状態に良好に
保つことができる。
【0040】図10のエンジン始動時液圧解除プログラ
ムを表すフローチャートにおいて、制動力解除指令が供
給されると、S71の判定がYESとなり、S72以降
が実行される。S72以降は制動力解除指令が供給され
た場合に1回実行される。S72において、圧力制御弁
76への供給電流量が読み取られ、S73において、供
給電流の最適減少パターンが算出される。最適減少パタ
ーンは、現在の供給電流、アクセルペダルが操作されて
いるか否か、シフト位置がセカンド「2」に操作されて
いるか否か、路面勾配等に基づいて決定される。S74
において、そのパターンに従って、電流が減少させられ
る。アクセルペダルが操作されている場合には操作され
ていない場合より減少勾配が大きくされる。ブレーキペ
ダル70の操作が解除されただけでなくアクセルペダル
が操作されている場合には、運転者は早急に発進するこ
とを望むからである。また、シフト位置がセカンド
「2」である場合、坂道に停止している場合には、減少
勾配が小さくされる。路面μが小さい場合にはセカンド
「2」に切り換えられる場合がある。車輪に急激に大き
な駆動トルクが加えられると、駆動スリップが大きくな
るおそれがあるからである。登り勾配の坂道に停止して
いる場合には、車両が下がるおそれがあるため、制動力
の減少勾配が小さくされるのである。
【0041】いずれにしても、従来は、圧力制御弁76
のソレノイドに常に最大の電流が供給されるようにされ
ていたため、供給電流減少パターンも最大電流を基準に
決定されていた。それに対して、本実施形態において
は、最適な供給電流からの減少パターンが算出されるた
め、エンジン再始動時における発進性を向上させること
ができる。
【0042】なお、上記実施形態においては、制動力保
持指令が供給された場合には、車輪に液圧制動力が加え
られるようにされていたが、パーキングブレーキ150
を作動させて、機械式制動力が加えられるようにするこ
ともできる。本実施形態においては、図11のフローチ
ャートで表されるパーキングブレーキ制御プログラムが
繰り返し実行される。制動力保持指令が供給された場合
には、S91における判定がYESとなり、S92にお
いて、上述の場合と同様に、路面勾配と温度とに基づい
て移動力が求められ、その移動力に基づいて目標制動力
が求められる。S93において、その目標制動力に対応
するケーブル152の引張力(ケーブル186の引張力
に換算)が得られるように、電動モータ154が制御さ
れる。電動モータ154の正方向の回転により、ケーブ
ル152が引き締められ、パーキングブレーキ150が
作動させられる。張力が、目標制動力に対応する大きさ
(目標引張力)に達すると、電動モータ154の回転が
停止させられる。この状態は、ラチェット爪176とラ
チェット歯172との噛合わせにより保持され、ケーブ
ル152の引張力が保持されるとともに、パーキングブ
レーキ150による制動力が保持される。保持状態にお
いて電動モータ154を作動状態にする必要がないた
め、車両の停止状態において、消費されるエネルギを低
減させることができる。
【0043】この場合には、圧力制御弁76のソレノイ
ド96に電流が供給されることはない。ブレーキペダル
70が操作状態に保たれている場合においては、車輪に
は液圧制動力と機械式制動力との両方が加えられること
になるが、圧力制御弁76に電流が供給されないため、
ブレーキペダル70の操作が解除されれば、車輪にはパ
ーキング制動力のみが加えられることになるが、この状
態において車両が移動させられことはないのであり、パ
ーキングブレーキ150の制動力によって車両の動き出
しが良好に防止される。本実施形態においては、パーキ
ングブレーキ150の制動力によって車両を停止状態に
保つことができる。したがって、圧力制御弁76に電流
を供給したり、増圧装置122を作動させたりする必要
がなくなり、その分、液圧ブレーキ装置60(サービス
ブレーキ装置)の寿命を長くすることができ、車両制御
装置の信頼性を向上させることができる。
【0044】制動力解除指令が供給されると、S94に
おける判定がYESとなり、S94において、制動力解
除パターンが決定され、S95において、そのパターン
に従って電動モータ154が制御される。電動モータ1
54が逆方向に回転させられるのであり、ケーブル15
2が緩められ、パーキング制動力が解除される。この場
合には、ブレーキスイッチ190によって、操作レバー
160が非操作状態まで戻されたこと(非作動状態にあ
ること)を検出することができる。本実施形態において
は、パーキングブレーキ装置62の制御によって、パー
キング制動力が増加あるいは減少させられることにな
る。
【0045】なお、上記実施形態においては、目標制動
力は移動力に基づいて決定されたが、移動力と停止時制
動力とに基づいて決定されるようにしても、停止時制動
力に基づいて決定されるようにしてもよい。また、上記
第1実施形態においては、制動力保持指令が供給された
場合に液圧ブレーキ装置60が制御され、第2実施形態
においては、パーキングブレーキ装置62が制御される
場合について説明したが、液圧ブレーキ装置60とパー
キングブレーキ装置62との両方が制御されるようにし
ても、予め定められた条件が満たされたか否か等に基づ
いて選択的に制御されるようにしてもよい。例えば、目
標制動力がパーキングブレーキ装置62によって出力可
能な最大値より大きい場合には、液圧ブレーキ装置60
とパーキングブレーキ装置62との両方が制御され、最
大値以下の場合には、パーキングブレーキ装置62のみ
が制御されるようにすることができる。
【0046】図12のエンジン停止時制動力制御プログ
ラムを表すフローチャートにおいて、制動力保持指令が
供給された場合には、S111における判定がYESと
なり、S112において、目標制動力が上述の場合と同
様に算出される。そして、S113において目標制動力
* が、パーキングブレーキ150によって出力可能な
最大値FMAX より大きいか否かが判定される。目標制動
力F* が最大値FMAX以下である場合には、判定がNO
となり、目標制動力F* が得られるようにパーキングブ
レーキ装置62が制御される。それに対して、目標制動
力F* が最大値FMAX より大きい場合には、判定がYE
Sとなり、S115において、機械式制動力が最大値F
MAX (目標機械式制動力)となるように、パーキングブ
レーキ装置62が制御され、S116において、液圧制
動力(F* −FMAX )(目標液圧制動力)が得られるよ
うに液圧ブレーキ装置60が制御される。その時点にお
けるブレーキシリンダ液圧が、目標液圧制動力(F*
MAX )に対応する液圧より大きい場合には、圧力制御
弁76への供給電流が、そのブレーキシリンダ液圧を保
持し得る大きさに決定される(例えば、ブレーキペダル
70の操作が解除されても、その液圧を保持し得る大き
さ)。また、ブレーキシリンダ液圧が、目標液圧制動力
(F* −FMAX )に対応する液圧より小さい場合には、
増圧装置122が作動させられ、圧力制御弁76への供
給電流が、ブレーキシリンダ液圧が目標液圧制動力(F
* −FMAX )に対応する大きさとなるように制御され
る。
【0047】いずれにしても、パーキングブレーキと液
圧ブレーキとの両方が作動させられれば、液圧ブレーキ
のみが作動させられる場合に比較して、圧力制御弁76
への供給電流量を小さくしたり、増圧装置122の作動
回数を減らしたりすることができるため、その分、エネ
ルギ消費量を低減させることができる。また、圧力制御
弁76の耐久性を向上させることができ、車両制御装置
の信頼性を向上させることができる。
【0048】また、圧力制御弁76や増圧装置122に
異常が検出された場合に、パーキングブレーキ150を
作動させ、パーキングブレーキ装置62に異常が生じた
場合に、圧力制御弁76および増圧装置122が制御さ
れるようにすることもできる。さらに、制動力保持指令
が出力された場合には、まず、圧力制御弁76に電流が
供給されるようにされているブレーキ装置8において
は、パーキングブレーキ150を作動させた後に、供給
電流を0とすることもできる。図13のフローチャート
において、制動力保持指令が供給され、S121におけ
る判定がYESとなると、S122において、上述の場
合と同様に、目標ブレーキシリンダ液圧が求められ、そ
の目標ブレーキシリンダ液圧が得られる大きさの電流が
圧力制御弁76に供給され、増圧装置122が作動させ
られる。S123において、パーキングブレーキ150
が作動させられたか否かが判定される。パーキングブレ
ーキ150が作動させられたか否かは、張力センサ18
8の出力信号に基づいて検出することができる。パーキ
ングブレーキ150が作動させられた場合には、判定が
YESとなり、S124において、供給電流が0にさ
れ、増圧装置122の作動が停止させられる。パーキン
グブレーキ150が作動させられているため、液圧を保
持する必要がなのであり、運転者がブレーキペダル70
の踏み込みを解除しても、車両は停止状態に保たれるた
め差し支えないのである。本実施形態においては、ブレ
ーキペダル70の操作が解除されても、エンジン4が再
始動させられるわけではないのであり、ブレーキペダル
70の操作が解除されても、エンジンの自動始動条件が
満たされないようにされているエンジンECU200と
組み合わせて採用することによって有効な効果が得られ
る。
【0049】なお、ブレーキペダル70の操作が解除さ
れるとエンジン4の自動始動条件が満たされるエンジン
ECU200においては、操作レバー160が運転者に
よって操作されることによって、パーキングブレーキが
作動させられた場合に、ブレーキペダル70の操作が解
除されてもエンジンの自動始動条件が満たされないよう
にすることもできる。この場合には、ブレーキECU2
04からエンジンECU200にその旨を表す情報を出
力するのである。それによって、エンジンECU200
においては、操作レバー160の操作によってパーキン
グブレーキが解除された場合に、エンジン自動始動条件
が満たされたとすることもできる。
【0050】以上のように、本実施形態においては、エ
ンジンECU200の図5のフローチャートで表される
燃焼制御プログラムを記憶し、実行する部分,図6のフ
ローチャートで表されるエンジン自動停止・始動プログ
ラムを記憶し、実行する部分,負圧センサ224等によ
ってエンジン制御装置が構成される。エンジン制御装置
は駆動源制御装置でもある。エンジン制御装置のうち
の、S5を記憶する部分,実行する部分によって制動力
増加装置が構成され、S5,3を記憶する部分,実行す
る部分等によって定圧室保証部が構成される。制動力増
加装置はエンジン自動始動部でもある。また、エンジン
ECU200のS22,24を記憶する部分,実行する
部分等によりシフト操作禁止装置が構成される。
【0051】さらに、液圧ブレーキ装置60,パーキン
グブレーキ装置62,ブレーキECU204,各センサ
等によって車両制動装置が構成される。パーキングブレ
ーキ装置62の電動アクチュエータ166,ブレーキE
CU204の図11のフローチャートのパーキングブレ
ーキ制御プログラムを記憶する部分,実行する部分等に
より機械式ブレーキ作動部が構成され、このうちの、S
92,93を記憶する部分,実行する部分等により動き
出し防止部が構成される。動き出し防止部は制動力制御
部でもある。また、液圧ブレーキ装置60およびブレー
キECU204のエンジン停止時液圧制御プログラムの
S42〜46を記憶する部分,実行する部分,マスタ圧
センサ238,車高センサ244等により制動力制御部
が構成され、S47〜54を実行する部分およびマスタ
圧センサ238,ブレーキシリンダ圧センサ240等に
よって異常検出装置が構成される。本実施形態において
は、増圧装置122は、ポンプ102およびポンプモー
タ120等を含むものであるが、圧力制御弁76も構成
要素として加えることもできる。
【0052】なお、上記実施形態においては、駆動源が
エンジンである車両に適用された場合について説明した
が、駆動源が電動モータを含む車両にも適用することが
できる。ブースタ28の定圧室30は電動モータによっ
て作動させられる真空タンクに接続されることになる。
また、オートマチック車ではなく、マニュアルトランス
ミッションを備えた車に適用することもできる。さら
に、エンジン4は、燃料が燃焼室18に直接噴射される
直噴式のものに適用することもできる。この場合には、
希薄燃焼より空燃比が大きい超希薄燃焼が行われること
もあるため、ブースタ28の定圧室30の圧力が大気圧
にされ易くなり、エンジン自動停止可能な装置と組み合
わせる場合に本発明を適用することは効果的なことであ
る。
【0053】また、圧力制御弁76の異常を検出するこ
と、シフトレバーの駆動位置への切り換えを禁止するこ
とは、エンジンの自動停止が行われない車両に適用する
ことも可能である。圧力制御弁76の異常が検出された
場合に、シフト位置の駆動位置への切り換えが禁止され
れば、ファーストアイドル時における車両の動き出しを
防止することができる。また、エンジンECU200に
おける実行,ブレーキECU206における各プログラ
ムの実行はそれぞれ別個独立に実行することができる。
さらに、ブレーキ装置8については、液圧ブレーキ装置
60の構造は限定されない。ブレーキシリンダ液圧を、
ブレーキペダル70の操作力に対応する液圧以上に制御
することができないものである場合には、エンジン4の
自動停止中にブレーキペダル70が踏み込まれているこ
とが必要となる。また、車両制動装置は、液圧ブレーキ
装置60ではなく、電動アクチュエータを含む電動ブレ
ーキ装置とすることもできる。各輪毎に設けられた電動
モータの作動によりディスクブレーキが作動させられる
ことになる。パーキングブレーキ装置についても、パー
キングブレーキ操作部材は回動式の操作レバーであって
も、ペダル式のものであってもよい。また、操作部材と
ケーブルとが連結されておらず、ケーブルが操作部材の
操作に応じてアクチュエータ等によって引っ張られる形
式のものであってもよい。さらに、ケーブル152を引
っ張る(パーキングブレーキ150を作動させる)アク
チュエータは、電動モータ154を含む電動アクチュエ
ータに限定されず、流体圧を利用して(圧縮エアあるい
はバキューム)作動させる流体圧アクチュエータとする
こともできる。また、パーキングブレーキ150の制動
力は制御不能なものであってもよい。さらに、パーキン
グブレーキ150の制動力の解除は、運転者の操作レバ
ー160の操作によって行われるものであってもよい。
【0054】さらに、エンジンECU200において、
ブレーキECU206から異常情報が供給された場合に
は、エンジンの再始動時において出力される駆動トルク
が抑制されるようにすることができる。制動力が不足し
ていても、出力される駆動トルクが抑制されれば、発進
性の低下を抑制することができる。また、エンジン自動
停止条件,自動始動条件等は上記実施形態における場合
のそれに限定されず、他の条件とすることもできる。例
えば、シフト位置がドライブ「D」であっても、ブレー
キペダル70が操作された場合には、自動停止条件が満
たされるようにし、ブレーキペダル70の操作が解除さ
れた場合に自動始動条件が満たされるようにすることが
できる。また、アクセルペダルが操作された場合に自動
始動条件が満たされるようにすることもできる。さら
に、ブレーキECU204において行われていた必要な
制動力の算出等はエンジンECU200において行われ
るようにしてもよい等、上述の各プログラムが実行され
るコンピュータは限定しない。以上,本発明の幾つかの
実施形態を詳細に説明したが、これは文字通り例示であ
り、本発明は、前記〔発明が解決しようとする課題,課
題解決手段および効果〕の項に記載の態様を始めとし
て、当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を施した
態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である車両制御装置の全体
を示す概略図である。
【図2】上記車両制御装置に含まれる液圧ブレーキ装置
を示す回路図である。
【図3】上記液圧ブレーキ装置に含まれる圧力制御弁を
表す概念図である。
【図4】上記車両制御装置に含まれるパーキングブレー
キ装置を示す回路図である。
【図5】上記車両制御装置に含まれるエンジンECUの
ROMに格納されたブースタ負圧対応燃焼制御プログラ
ムを表すフローチャートである。
【図6】上記エンジンECUのROMに格納されたエン
ジン自動停止・始動プログラムを表すフローチャートで
ある。
【図7】上記エンジンECUのROMに格納されたエン
ジン停止中制御プログラムを表すフローチャートであ
る。
【図8】上記エンジンECUのROMに格納されたシフ
ト装置制御回路を表す図である。
【図9】上記車両制御装置に含まれるブレーキECUの
ROMに格納されたエンジン停止時液圧制御プログラム
を表すフローチャートである。
【図10】上記ブレーキECUのROMに格納されたエ
ンジン始動時液圧制御プログラムを表すフローチャート
である。
【図11】本発明の別の一実施形態である車両制御装置
に含まれるブレーキECUのROMに格納されたパーキ
ングブレーキ制御プログラムを表すフローチャートであ
る。
【図12】本発明のさらに別の一実施形態である車両制
御装置に含まれるブレーキECUのROMに格納された
エンジン停止時制動力制御プログラムを表すフローチャ
ートである。
【図13】本発明のさらに別の一実施形態である車両制
御装置に含まれるブレーキECUのROMに格納された
エンジン停止時制動力制御プログラムを表すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
4 エンジン 8 ブレーキ装置 24 インジェクタ 28 ブースタ 36 スロットルアクチュエータ 42 シフト装置 44 シフトロック機構 60 液圧ブレーキ装置 62 パーキングブレーキ装置 76 圧力制御弁 122 増圧装置 150 ドラムブレーキ 152 ケーブル 154 電動モータ 166 電動アクチュエータ 188 張力センサ 200 エンジンECU 202 トランスミッションECU 204 ブレーキECU 240 ブレーキシリンダ圧センサ 244 車高センサ 246 温度センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02D 41/02 310 F02D 41/02 310A 41/04 305 41/04 305E 310 310E F16H 61/16 F16H 61/16 // F16H 59:54 59:54 Fターム(参考) 3D041 AA17 AA21 AA65 AA68 AA71 AA80 AB01 AC01 AC15 AC26 AC27 AD02 AD04 AD05 AD10 AD31 AD32 AD41 AD47 AD48 AD51 AE02 AE04 AE38 AE41 AE42 AF00 3D046 BB02 EE02 GG01 GG06 HH02 HH03 HH05 HH07 HH15 HH16 HH19 HH22 HH27 HH51 LL10 LL23 LL29 3G093 AA05 BA04 BA21 BA22 CA02 CB01 DA01 DA03 DA06 DB05 DB08 DB09 DB11 DB12 DB15 DB18 EA01 EA04 EA09 EB03 EB04 EC01 EC04 EC05 FA11 FA12 FB01 FB05 3G301 HA01 HA04 HA15 JA00 JB09 KA04 KA08 KB00 KB01 LA03 LB02 LB04 MA01 NA08 NE00 NE14 NE15 PA07Z PA10Z PA11Z PC01Z PE01Z PF01Z PF03Z PF05Z PF07Z 3J052 AA11 AA14 CB11 FB33 GA15 GA18 GC04 GC64 HA01 KA01 LA01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の停止時に駆動源停止条件が満たされ
    た場合に駆動源を自動で停止させ、駆動源始動条件が満
    たされた場合に前記駆動源を自動で再始動させる駆動源
    制御装置と、 機械式ブレーキと、その機械式ブレーキを、前記駆
    動源制御装置によって駆動源が自動で停止させられる場
    合に作動させる機械式ブレーキ作動部とを含む車両制動
    装置とを含むことを特徴とする車両制御装置。
  2. 【請求項2】前記機械式ブレーキ作動部が、前記機械式
    ブレーキの制動力を、前記車両の動き出しを防止し得る
    大きさに制御する動き出し防止部を含む請求項1に記載
    の車両制御装置。
  3. 【請求項3】前記機械式ブレーキ作動部が、前記機械式
    ブレーキの制動力を、路面勾配,温度等の前記車両の置
    かれている環境に基づいて車両に加わる移動力に応じた
    大きさに制御する制動力制御部を含む請求項1または2
    に記載の車両制御装置。
  4. 【請求項4】車両の停止時に駆動源停止条件が満たされ
    た場合に駆動源を自動で停止させ、駆動源始動条件が満
    たされた場合に前記駆動源を自動で再始動させる駆動源
    制御装置と、 前記駆動源が自動停止させられる場合に、前記車両に、
    前記駆動源の自動停止前の少なくとも一時期に車両に加
    えられた制動力に応じた大きさの制動力を加える車両制
    動装置とを含むことを特徴とする車両制御装置。
  5. 【請求項5】前記車両制動装置が、前記制動力を、車両
    の停止時における制動力に基づいた大きさに制御する制
    動力制御部を含む請求項4に記載の車両制御装置。
  6. 【請求項6】前記車両制動装置が、前記制動力を、路面
    勾配,温度等の前記車両の置かれている環境に基づいて
    車両に加わる移動力に応じた大きさに制御する請求項4
    または5に記載の車両制御装置。
  7. 【請求項7】車両の停止時に、駆動源停止条件が満たさ
    れた場合に駆動源を自動で停止させ、駆動源始動条件が
    満たされた場合に前記駆動源を自動で再始動させる駆動
    源制御装置と、 その駆動源制御装置によって駆動源が自動で停止させら
    れる場合に車両に制動力を加える車両制動装置と、 その車両制動装置によって車両に実際に加えられる制動
    力に基づいて当該車両制動装置の異常を検出する異常検
    出装置とを含むことを特徴とする車両制御装置。
  8. 【請求項8】車両の停止時に、駆動源停止条件が満たさ
    れた場合に駆動源を自動で停止させ、トランスミッショ
    ンのシフト操作装置の操作状態が非駆動状態から駆動状
    態に切り換えられたことを含む駆動源始動条件が満たさ
    れた場合に前記駆動源を自動で再始動させる駆動源制御
    装置と、 前記車両に加えられる制動力がその車両を停止状態に保
    つのに必要な制動力より小さい場合に、前記シフト操作
    装置の操作状態の駆動状態への切換えを禁止するシフト
    操作禁止装置とを含むことを特徴とする車両制御装置。
  9. 【請求項9】エンジンに接続された定圧室と、大気と定
    圧室とに選択的に連通させられる変圧室との差圧により
    作動するバキュムブースタを含む車両制動装置と、 車両の停止時においてエンジン停止条件が満たされた場
    合に前記エンジンを自動で停止させ、エンジン始動条件
    が満たされた場合に前記エンジンを自動で再始動させる
    エンジン制御装置と、 前記バキュームブースタの定圧室の圧力を検出する圧力
    検出装置と、 前記エンジン制御装置によりエンジンが自動で停止させ
    られている間に、前記圧力検出装置によって検出された
    圧力が予め定められた設定圧より大気圧に近くなった場
    合に、前記車両に加えられる制動力を増加させる制動力
    増加装置とを含むことを特徴とする車両制御装置。
  10. 【請求項10】前記制動力増加装置が、前記エンジンを
    自動始動させるエンジン自動始動部を含む請求項9に記
    載の車両制御装置。
  11. 【請求項11】前記車両制動装置が、ブレーキシリンダ
    と、そのブレーキシリンダに前記バキュームブースタの
    出力に応じた液圧以上の液圧を発生可能な増圧装置とを
    含み、 前記制動力増加装置が、前記増圧装置を制御することに
    よって、ブレーキシリンダの液圧を増圧させる請求項9
    または10に記載の車両制御装置。
  12. 【請求項12】エンジンに接続された定圧室と、大気と
    定圧室とに選択的に連通させられる変圧室との差圧によ
    り作動するバキュムブースタを含む車両制動装置と、 前記バキュームブースタの定圧室の圧力を検出する圧力
    検出装置と、 車両の停止時において前記圧力検出装置によって検出さ
    れた定圧室の圧力が設定圧より真空に近いことを含むエ
    ンジン停止条件が満たされた場合に前記エンジンを自動
    で停止させ、エンジン始動条件が満たされた場合に前記
    エンジンを自動で再始動させるエンジン制御装置とを含
    むことを特徴とする車両制御装置。
  13. 【請求項13】前記エンジン制御装置が、前記圧力検出
    装置によって検出された定圧室の圧力が設定圧より大気
    圧に近い場合に、前記エンジンを、前記定圧室の圧力が
    真空に近くなるように制御する定圧室圧力保証部を含む
    請求項12に記載の車両制御装置。
  14. 【請求項14】前記定圧室圧力保証部が、前記車両の走
    行速度が予め定められた設定速度より小さい場合に、前
    記エンジンを、前記定圧室の圧力が真空に近づくように
    制御するものである請求項12または13に記載に車両
    制御装置。
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