JP2001162927A - インクジェット用被記録材及びインクジェット用被記録材の製造方法 - Google Patents

インクジェット用被記録材及びインクジェット用被記録材の製造方法

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JP2001162927A
JP2001162927A JP35360599A JP35360599A JP2001162927A JP 2001162927 A JP2001162927 A JP 2001162927A JP 35360599 A JP35360599 A JP 35360599A JP 35360599 A JP35360599 A JP 35360599A JP 2001162927 A JP2001162927 A JP 2001162927A
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meth
acrylamide
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English (en)
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Hidemasa Mori
英正 毛利
Hirosuke Okura
宏祐 大蔵
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Taiho Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Taiho Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カラー印字における色濃度が大き
く、さらに耐湿性、又は耐湿性及び耐光性に優れたイン
クジェット用被記録材及びインクジェット用被記録材の
製造方法を提供すること。 【解決手段】 粉体及びカチオン性ポリ(メタ)ア
クリルアミド、又は粉体、カチオン性ポリ(メタ)アクリ
ルアミド及び硝酸アルミニウムを含有するインク受理層
と、前記インク受理層を支持する支持体とを有すること
を特徴とするインクジェット用被記録材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、インクジェット
用被記録材及びインクジェット用被記録材の製造方法に
関し、さらに詳しくは、カラー印字における色濃度が大
きく、耐湿性及び耐光性に優れたインクジェット用被記
録材及びインクジェット用被記録材の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタに用いられるイ
ンクジェット用被記録材としては、被記録基材の一方又
は両方の面に、カチオン性ポリマーを含有する処理剤を
塗布してインク受理層を形成して成る被記録材が一般的
に用いられていた。
【0003】前記カチオン性ポリマーを含有する処理剤
を塗布した被記録材は、例えば水性インク中の水分を速
やかに吸収して、水性インク中の染料の滲みを防止する
ことにより、インク成分を前記処理剤上に定着させて画
像を記録する機能を有する。
【0004】しかしながら、前記処理剤によってインク
受理層を形成したインクジェット用被記録材において
は、前記インク受理層における処理剤は、水に溶解し易
い。よって、前記インク受理層上にインク成分を定着さ
せて画像を記録した後に、前記画像と水とが接触する
と、前記インク受理層上に記録された画像が滲んでしま
うという問題があった。
【0005】前記カチオンポリマーを含有する処理剤に
より形成されたインク受理層を備えるインクジェット用
被記録材における前記問題点を解決した被記録材とし
て、多孔性物質を含有するインク受理層が前記被記録基
材上に形成されて成る被記録材が提案された(特開昭60
-245588号公報、特公平7-2430号公報、特開平3-275378
号公報)。
【0006】このような、多孔性物質を含有するインク
受理層を備える被記録材は、特定の細孔を有する多孔性
物質における細孔内に、インク中の水分及び溶媒を吸収
することができ、インク中の染料の滲みを防止すること
により、画像の品質、例えば色濃度、発色性等を向上さ
せることができるとされている。
【0007】しかし、前記の多孔性物質を含有するイン
ク受理層が前記被記録基材上に形成された被記録材にイ
ンクジェットプリンターでカラー印字を行うと、印字さ
れた前記被記録材を印字直後に巻き取ったり、積み重ね
たりして印字された部分が空気に触れないようにした場
合と、印字してそのまま空気に曝しておいた場合とで、
ドットの広がり状態が異なることにより、印字により被
記録材上に形成された画像の発色に差が生じるという問
題が発生した。
【0008】なお、前記の印字された被記録材を室内に
放置したところ、湿度の差によってドットの広がりに差
が生じるという現象が確認されたことから、前記の問題
は、被記録材の耐湿性に原因があると推定された。
【0009】また、多孔性物質を含有するインク受理層
は、非常にインクの吸収速度が大きく、ドットの滲みが
小さいので、色濃度(OD値)が低くなるという問題が
発生した。
【0010】さらに、前記画像の光に対する耐性が十分
でなく、前記の印字された被記録材に光が照射される
と、前記画像が経時的に変色していくという問題が発生
した。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、前記の問
題を解決することを目的とする。すなわち、この発明
は、カラー印字における色濃度が大きく、また耐光性及
び耐湿性に優れたインクジェット用被記録材及びインク
ジェット用被記録材の製造方法を提供することを目的と
する。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
のこの発明は、粉体、バインダー及びカチオン性ポリ
(メタ)アクリルアミドを含有するインク受理層と、前
記インク受理層を支持する支持体とを有することを特徴
とするインクジェット用被記録材であり、また、前記イ
ンクジェット用被記録材の好適な態様においては、前記
インク受理層中におけるカチオン性ポリ(メタ)アクリ
ルアミドは、その濃度が、前記インク受理層における前
記支持体との接触面から前記インク受理層における前記
接触面とは反対側の面に向けて漸次高く調整されてな
り、このようなインクジェット用被記録材は、以下の
(1)及び(2)に示される条件を満たす上塗り塗工液及び下
塗り塗工液を調製し、下塗り塗工液を支持体に塗布した
後に、前記塗布した下塗り塗工液が乾燥又は半乾燥状態
になることにより形成された層の上に、前記上塗り塗工
液を少なくとも1回塗工することにより前記支持体にイ
ンク受理層を形成することを特徴とするインクジェット
用被記録材の製造方法である。 (1)前記上塗り塗工液中に含まれるカチオン性ポリ(メ
タ)アクリルアミドの濃度が、前記下塗り塗工液中に含
まれるカチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドの濃度
(0%を含む。)よりも大きくなるように、かつ、上塗
り塗工液中のカチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドの
量と下塗り塗工液中のカチオン性ポリ(メタ)アクリル
アミドの量との合計量が、インク受理層中に必要なカチ
オン性ポリ(メタ)アクリルアミドの量となるように調
製されていること。 (2)前記上塗り塗工液及び前記下塗り塗工液のいずれか
一方又は両方に、粉体とバインダーとが含有されている
こと。
【0013】前記インクジェット用被記録材の他の好適
な態様においては、前記インク受理層中におけるカチオ
ン性ポリ(メタ)アクリルアミドは、その濃度が、前記
インク受理層における前記支持体との接触面から前記イ
ンク受理層における前記接触面とは反対側の面に向けて
実質的に一定に調整されてなり、このようなインクジェ
ット用被記録材は、支持体の表面に、粉体、バインダー
及びカチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドを含有する
塗工液を、1回塗工することにより製造されることがで
き、また、この発明の好適な態様であるインクジェット
用被記録材は、そのインク受理層に、さらに硝酸アルミ
ニウムを含有して成り、この発明の好適な態様であるイ
ンクジェット用被記録材は、前記粉体がアルミナ及び/
又はシリカである。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明のインクジェット用被記
録材は、粉体、バインダー及びカチオン性ポリ(メタ)
アクリルアミドを含有するインク受理層と、前記インク
受理層を支持する支持体とを有する。
【0015】前記支持体としては、具体的には、紙類、
布帛類、プラスチックフィルム、発泡シート、ガラス
板、セラミックス板、洋皮紙、及び金属シート等を挙げ
ることができる。
【0016】前記紙類としては、上質紙、手漉き紙、和
紙、及び印刷用紙等を挙げることができる。
【0017】前記布帛類としては、織布及び不織布等を
挙げることができる。
【0018】プラスチックフィルムとしては、ポリエチ
レンテレフタレートフィルム等を挙げることができる。
【0019】発泡シートとしては、発泡ポリエチレンテ
レフタレートシート、発泡ポリエチレンシート、及び発
泡ポリプロピレンシート等を挙げることができる。
【0020】金属シートとしては、ステンレス箔、ステ
ンレス薄板、アルミ箔、アルミ薄板、鉄箔、及び普通鋼
薄板等の金属シート等を挙げることができる。
【0021】前記各種の材質により形成されることので
きる前記支持体の形態としては特に限定されず、例えば
フィルム、シート、平板、湾曲体、凹凸体、編織体、発
泡体等を挙げることができる。
【0022】前記支持体としては、他に、紙類、布帛
類、プラスチックフィルム、発泡シート、ガラス板、セ
ラミックス板、洋皮紙、及び金属シート等から選択され
た2以上の支持体を貼り合わせて成る複合材から成る支
持体を挙げることができる。
【0023】もっとも、この発明においては、多くの好
適な支持体はフィルム乃至シートである。
【0024】前記支持体上に形成されるインク受理層
は、カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドと、粉体
と、硝酸アルミニウムとをバインダー中に分散して成
る。
【0025】前記カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミ
ドは、たとえば、次式(化1)で示される構造式を有す
る。
【0026】
【化1】 ここで、前記式(化1)中のRは水素原子又はメチル基
であり、R1はアルキレン基であり、R2及びR3は水素
原子又はアルキル基である。R1の炭素数は、好ましく
は1〜3であり、さらに好ましくは1〜2である。R2
及びR3がアルキル基であるときのその炭素数は、好ま
しくは1〜3であり、さらに好ましくは1〜2である。
なお、R2とR3とは、同一の基であっても、異なった基
であってもよい。
【0027】特にこの発明で用いるカチオン性ポリ(メ
タ)アクリルアミドは、次式(化2)で示される構造を
有することが好ましい。
【0028】
【化2】 但し、式中のRは前記と同様の意味を示す。
【0029】前記カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミ
ドの分子量としては、50,000以上であることが好
ましく、特に好ましくは100,000〜5,000,
000である。このカチオン性ポリ(メタ)アクリルア
ミドの分子量が前記範囲内にあると、後述の塗工液中に
おけるカチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドの濃度を
3%程度にまで高めることが可能になると言う利点があ
る。
【0030】前記カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミ
ドがインク受理層に含有されていると、そのようなイン
ク受理層を有するインクジェット用被記録材にインクジ
ェットプリンターで印字された画像の湿度に基づく変色
が抑制されることができ(耐湿性の向上)、また前記画
像の色濃度(OD値)が向上する。
【0031】インク受理層中における前記カチオン性ポ
リ(メタ)アクリルアミドの含有量としては0.01〜
4.2g/m2、好ましくは0.14〜2.8g/m2
ある。カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドの含有量
が前記範囲内にあると、前記画像の湿度に基づく変色を
さらに効果的に抑制することができ、また前記画像のO
D値をさらに向上させることができる点で好ましい。
【0032】インク受理層に含有される前記粉体として
は、たとえば、アルミナ、及びシリカ等の無機粉体、並
びに有機ポリマー等の有機粉体を挙げることができる。
前記粉体としては、特にアルミナ及びシリカが好適であ
る。
【0033】前記アルミナとしては、例えば、無水アル
ミニウム酸化物、及び含水アルミニウム酸化物等を挙げ
ることができる。前記無水アルミニウム酸化物として
は、例えばα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミ
ナ、δ−アルミナ、θ−アルミナ、χ−アルミナ等を挙
げることができる。一方、含水アルミニウム酸化物とし
ては、例えばベーマイト、ギブサイト、バイヤライト、
ノルストランダイト、ダイアスポア、トーダイト、アル
ミナゲル等のアルミナ水和物(「水酸化アルミニウム」
と称することもできる。)等を挙げることができる。
【0034】なお、本発明においては、特に断らない限
り、「アルミナ」は、「無水アルミナ」と「アルミナ水
和物」とを包含する。
【0035】前記アルミナのうちでは、例えば気相法に
より製造されるアルミナ、すなわち酸水素反応の際に発
生する水の存在の下で、前記酸水素反応に特徴的な温度
において、気体状の金属塩化物を加水分解することによ
り得られるアルミナが好ましい。前記アルミナとして
は、具体的には、δ−アルミナ等を挙げることができ
る。
【0036】前記アルミナの形態としては、例えば、所
定の粒子径を有する粉体等を挙げることができる。前記
形態を有するアルミナにおいては、好ましい平均一次粒
子径は5〜100nmの範囲であり、特に好ましい平均
一次粒子径は5〜50nmの範囲である。前記形態を有
するアルミナの平均一次粒径が前記範囲内にあると、イ
ンク受理層中でのアルミナの分散が殊に良好になる。
尚、この平均一次粒子径は、例えば、電子顕微鏡を用い
て測定される平均粒径である。
【0037】尚、インク受理層は、前記アルミナのうち
の1種のみを含有していてもよく、また、2種以上を含
有していてもよい。
【0038】好適なシリカとしては、アエロジル13
0、アエロジル200、アエロジル200V、アエロジ
ル200CF、アエロジル300、アエロジル300C
F(いずれも日本アエロジル製)等を挙げることがで
き、特にアエロジル200、アエロジル200V、アエ
ロジル200CFが好適である。このような好適なシリ
カは、BET法による比表面積が175〜225であ
り、一次粒子の平均粒径が12であり、見かけ比重が3
0〜100である。
【0039】インク受理層中に含有される粉体の含有量
は、通常70〜95重量%、好ましくは80〜90重量
%である。粉体の含有量が前記範囲内にあると、インク
ジェット用被記録材に印字をしたときに、インクの吸収
速度が大きいと言う利点がある。
【0040】このインク受理層は硝酸アルミニウムを含
有させてもよい。この硝酸アルミニウムとしては特に制
限がなく、たとえば硝酸アルミニウム九水塩等の通常の
製品を使用することができる。硝酸アルミニウムのイン
ク受理層における含有量は、通常0.5〜5重量%、好
ましくは1〜4重量%である。
【0041】前記硝酸アルミニウムがインク受理層に含
有されていると、そのようなインク受理層を有するイン
クジェット用被記録材にインクジェットプリンターで印
字された画像の色濃度(OD値)、耐湿性及び耐光性が
共に更に向上する。
【0042】前記バインダとしては、例えば、澱粉及び
その変性物、ポリビニルアルコール及びその変性物、水
溶性ポリアミド、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロ
キシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
並びにポリビニルピロリドン等の有機高分子物質を挙げ
ることができる。
【0043】更に、インク受理層には、このインク受理
層と支持体との間の接着を改善する接着補助剤として、
SBRラテックス及びNBRラテックスの少なくとも1
種を含有していてもよい。
【0044】前記有機高分子物質のうちでは、ポリビニ
ルアルコール及びその変性物、並びに水可溶性ポリアミ
ドが好ましく、特にポリビニルアルコール変性物の一種
であるポリビニルアセタールと、ポリビニルアルコール
との組み合わせが好ましい。
【0045】前記ポリビニルアセタールのうちでは、特
に分子量が10×104〜20×104であり、アセター
ル化度が0.3〜10mol%であるポリビニルアセター
ルが好ましい。前記ポリビニルアセタールの分子量及び
アセタール化度が前記の範囲内であれば、このインク受
理層を形成するのに使用される塗工液がゲル化すること
も無いので、前記塗工液を支持体に塗工することにより
良質なインク受理層を容易に形成することができる。そ
して、前記インク受理層は十分な厚みと耐水性とを有し
ているから、インクジェットプリンタのインクによって
インク受理層に形成された画像は鮮明であり、しかも水
で流れることが無い。
【0046】前記ポリビニルアルコールのうちでは、鹸
化度が65〜90mol%であるポリビニルアルコールが
好ましい。ポリビニルアルコールの鹸化度が前記範囲で
あれば、このような鹸化度を有するポリビニルアルコー
ルを含有するインク受理層は、耐水性及びインク吸収速
度の何れの点においても良好である。
【0047】この発明において興味のあることは、通常
の場合、インク受理層中におけるカチオン性ポリ(メ
タ)アクリルアミドが、インク受理層の表面から支持体
の接着面に至るまで実質的に同じ濃度で存在するのであ
るが、後述するような製造法によると、インク受理層の
表面から支持体の接着面に至るにつれてカチオン性ポリ
(メタ)アクリルアミドの濃度が低下するようにカチオ
ン性ポリ(メタ)アクリルアミドの濃度分布を有するイ
ンク受理層を備えたインクジェット用被記録材が得られ
る。
【0048】このように、インク受理層の表面から支持
体へのインク受理層の接触面へとカチオン性ポリ(メ
タ)アクリルアミドの濃度が傾斜していると、このよう
なインク受理層を有するインクジェット用被記録材は、
その表面に形成された画像のOD値と耐湿性とを共に向
上させることができる。
【0049】インク受理層が支持体に接触する表面近傍
のカチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドの濃度が、イ
ンク受理層の支持体に接触する表面とは反対側の表面近
傍におけるカチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドの濃
度の1/2以下に調整されているのが、好ましい。イン
ク受理層における支持体近傍でのカチオン性ポリ(メ
タ)アクリルアミドの濃度が、インク受理層における支
持体とは反対側の表面近傍でのカチオン性ポリアクリル
アミドの濃度の1/2に成るようにカチオン性ポリ(メ
タ)アクリルアミドの濃度が傾斜していると、インク受
理層表面におけるインク染料の定着量が大きくなること
により、OD値が増大すると言う利点がある。
【0050】また、カチオン性ポリ(メタ)アクリルア
ミドの濃度がインク受理層における表面近傍から支持体
に向かって低下するように傾斜している場合に、このカ
チオン性ポリ(メタ)アクリルアミドのインク受理層表
面近傍での濃度は、通常0.5〜2重量%であるのが好
ましい。
【0051】2.インクジェット用被記録材の製造 この発明のインクジェット用被記録材は、支持体上に、
カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミド、粉体及びバイ
ンダー、更に必要に応じて添加される硝酸アルミニウム
を水及び/又はアルコール系溶媒に分散乃至溶解してな
る塗工液を塗布することにより製造される。
【0052】前記アルコール系溶媒としては、例えば、
低級脂肪族アルコール、グリコール類、及び前記低級脂
肪族アルコールと他の溶媒との混合液であるアルコール
系混合溶媒等を挙げることができる。
【0053】前記低級脂肪族アルコールとしては、例え
ばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピ
ルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチル
アルコール、及びtert−ブチルアルコール等を挙げ
ることができる。好ましい低級脂肪族アルコールは、炭
素数が1〜4のアルキルアルコールである。
【0054】前記グリコール類としては、例えばエチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレング
リコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレン
グリコール、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタ
ンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタン
ジオール、及び2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
等を挙げることができる。
【0055】前記アルコール系混合溶媒としては、例え
ば水、蟻酸、及び酢酸からなる群より選択される少なく
とも1種の溶媒と前記低級脂肪族アルコールとの混合溶
媒等を挙げることができ、具体的には、例えばメタノー
ル/水系混合溶媒、エタノール/水系混合溶媒、及びプ
ロピルアルコール/水系混合溶媒等を挙げることができ
る。
【0056】この塗工液における前記カチオン性ポリ
(メタ)アクリルアミドの濃度は、通常0.01〜3重
量%、好ましくは0.05〜2重量%である。カチオン
性ポリ(メタ)アクリルアミドの塗工液における濃度が
前記範囲内にあると、支持体に塗工液を塗付してインク
受理層を形成する操作が容易になり、またこの塗工液を
支持体に塗布することによって得られるインクジェット
用被記録材のOD値の増大、及び耐湿性の向上が図れる
という利点がある。
【0057】塗工液における前記粉体の濃度は、通常1
0〜60重量%、好ましくは15〜50重量%である。
前記粉体の塗工液における濃度が前記範囲内にあると、
インク受理層の安定形成が可能になり、またこの塗工液
を支持体に塗布することによって得られるインクジェッ
ト用被記録材のインク吸収性、インク定着性、及び耐水
性の向上が図れると言う利点がある。
【0058】塗工液における前記バインダーの濃度は、
通常3〜20重量%、好ましくは5〜15重量%であ
る。前記バインダーの塗工液における濃度が前記範囲内
にあると、インク受理層の安定形成が可能になり、また
この塗工液を支持体に塗布することによって得られるイ
ンクジェット用被記録材のインク吸収性、インク定着
性、及び耐水性の向上が図れると言う利点がある。
【0059】前記塗工液における硝酸アルミニウムの濃
度は、通常0.15〜2.5重量%、好ましくは0.3
〜1.5重量%である。前記硝酸アルミニウムの塗工液
における濃度が前記範囲内にあると、またこの塗工液を
支持体に塗布することによって得られるインクジェット
用被記録材の耐光性の向上が図れると言う利点がある。
【0060】塗工液における前記カチオン性ポリ(メ
タ)アクリルアミド、粉体、バインダー及び硝酸アルミ
ニウムの濃度が前記範囲内であると、前記利点の他に、
塗工液を支持体上に塗布したときに得られるインク受理
層における前記カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミ
ド、粉体、バインダー及び硝酸アルミニウムの含有量を
前述した好適な範囲内に調製することが容易になる利点
がある。
【0061】なお、粉体としてアルミナを使用する場合
には、アルミナは、分散性が良くないので、予め分散剤
と共に水系分散媒に分散させてアルミナ分散液として塗
工液にするのが好ましい。
【0062】前記分散剤として、硝酸アルミニウム特に
硝酸アルミニウム九水塩を使用するのが好ましい。した
がって、画像の色濃度(OD値)、耐湿性及び耐光性向
上させる目的で添加される硝酸アルミニウムを、同時に
アルミナの分散剤として使用することができる。また、
硝酸アルミニウムの他に、硝酸マグネシウム、硝酸カル
シウム、硝酸ニッケル、及び硝酸亜鉛等の金属硝酸塩を
併用することができる。
【0063】前記アルミナを分散させる水系分散媒とし
ては、例えば、水、メタノール、エタノール、ノルマル
プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、アセト
ン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、及びグリコール
類からなる群より選択される少なくとも1種の水系溶
媒、並びに前記水系溶媒の中から選択される2種以上を
混合した水系混合溶媒等を挙げることができる。
【0064】前記水系混合溶媒としては、例えば、水と
イソプロピルアルコールとの混合溶媒、水とメタノール
及び/又はエタノールとの混合溶媒、及び、水とエチレ
ングリコールとイソプロピルアルコールとの混合溶媒等
を挙げることができる。
【0065】前記アルミナ分散液におけるアルミナの配
合量は、通常、多くても60重量%であり、好ましくは
15〜50重量%である。
【0066】前記アルミナ分散液におけるアルミナの配
合量が上記範囲内にあると、アルミナをより効果的に分
散させることができる。また、前記アルミナ分散液にお
けるアルミナの配合量が多くても60重量%であると、
例えば、アルミナ分散液中においてアルミナ同士の粒子
間距離が短くなること等に起因する増粘及びゲル化等を
より効果的に抑制することができる。さらに、前記アル
ミナ分散液におけるアルミナの配合量が多くとも60重
量%、特に15〜50重量%であると、取り扱い性に優
れた塗工液を調製するのに好適な粘度を有するアルミナ
分散液、例えば50〜1000cpsの粘度を有するア
ルミナ分散液を容易に調節することができる点で好まし
い。
【0067】前記アルミナ分散液における、分散剤とし
て用いる硝酸アルミニウムの配合量は、前記アルミナ分
散液中におけるアルミナ100重量部に対して通常0.
1〜10重量部の範囲であり、好ましくは0.5〜5重
量部の範囲である。前記硝酸アルミニウムの添加量がア
ルミナ100重量部に対して0.1重量部よりも少ない
場合には、十分な減粘効果及び耐候性が得られないこと
があり、本発明の効果が達成されないことがある。一
方、前記硝酸アルミニウムの添加量がアルミナ100重
量部に対して10重量部を超えると、塗工液がゲル化す
ることがある。
【0068】また、分散剤として硝酸アルミニウム九水
塩の他に、前記金属硝酸塩を併用する場合には、前記金
属硝酸塩の前記硝酸アルミニウムに対する割合は、硝酸
アルミニウム100重量部に対して10重量部以下、好
ましくは0.1〜10重量部であることが、安定なアル
ミナ分散液を得るという観点から好ましい。
【0069】アルミナ分散液は、アルミナと分散剤と水
系分散媒とを混合することにより製造することができ
る。アルミナと分散剤と水系分散媒とを混合する際に
は、サンドミル、スタティックミキサ、及び高圧分散機
等の分散装置を使用すれば、水系分散媒中にアルミナを
均一に分散させることができる。
【0070】本発明においては、前記アルミナ分散液の
pHを、弱酸性の範囲、具体的にはpH2〜pH6の範
囲に調整することにより、さらに効果的にアルミナを分
散させることができる。
【0071】前記アルミナ分散液には、例えば前記アル
ミナ分散液のpHを前記範囲に調整する目的で、更に、
無機酸、有機酸、及び含窒素カルボン酸のうち1種以上
を配合することができる。
【0072】塗工液における前記アルミナ分散液の配合
量は、塗工液中のアルミナの含有量が、前記範囲内にな
るように適宜に決定可能である。
【0073】本発明における塗工液の調製方法には、特
に制限は無い。前記塗工液の調製方法としては、例え
ば、粉体、バインダ及びカチイオン性ポリ(メタ)アク
リルアミドを混合し、前記水系分散媒に溶解又は分散さ
せる方法、前記バインダを水又は前記アルコール系溶媒
に溶解又は分散させたバインダ液に、前記粉体及びカチ
オン性ポリ(メタ)アクリルアミドを溶解又は分散させ
る方法、粉体としてアルミナを使用する場合には、前記
アルミナ分散液と、前記バインダ液とを予め調製し、前
記アルミナ分散液又は前記バインダ液にカチオン性ポリ
(メタ)アクリルアミドを溶解又は分散させた後、両液
を混合する方法、及び予め調製したアルミナ分散液に前
記バインダ及びカチイオン性ポリ(メタ)アクリルアミ
ドを溶解又は分散させる方法等を挙げることができる。
【0074】硝酸アルミニウムの混合方法としては、前
記アルミナ分散液に硝酸アルミニウムを添加する方法の
他に、前記バインダー液に硝酸アルミニウムを添加する
方法、他の原料に硝酸アルミニウムを混合した後に、前
記水性分散媒及び/又は前記バインダの溶媒に溶解又は
分散させる方法、他の原料を前記水性分散媒及び/又は
前記バインダの溶媒に溶解又は分散させた後に、硝酸ア
ルミニウムを添加する方法等を挙げることができる。
【0075】前記各種の方法で塗工液を調製するときに
は、前記各方法における何れかの段階においてサンドミ
ル、スタティックミキサ、及び高圧分散機等の分散装置
を用いることにより、塗工液におけるアルミナの分散を
より均一にすることができる。
【0076】本発明に係る塗工液には、粉体、バインダ
ー、カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミド及び硝酸ア
ルミニウムの他に、レベリング剤を添加することができ
る。
【0077】前記レベリング剤としては、水溶性変性シ
リコーンオイル、及び/又は水溶性フッ素系界面活性剤
等を挙げることができる。
【0078】前記水溶性変性シリコーンオイルとして、
例えばアルコール変性シリコーンオイル、及びエーテル
変性シリコーンオイル等の変性シリコーンオイル等を挙
げることができる。
【0079】前記水溶性フッ素系界面活性剤として、パ
ーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキ
ルカルボン酸塩、及びパーフルオロアルキルベタイン等
を挙げることができる。
【0080】本発明の塗工液には、前記レベリング剤の
外に、本発明の目的を阻害しない範囲で、例えば、pH
調整助剤、粘度調整剤、消泡剤、脱泡剤、分散安定剤、
増白剤、離型剤等を配合することができる。
【0081】前記インク受理層は、前記塗工液を前記支
持体に塗工することにより形成される。
【0082】前記塗工液を前記支持体に塗工する方法と
しては、例えば、ブレードコータ、リバースコータ、ダ
イコータ、コンマコータ、及びエアナイフ等の何れかを
用いた塗工方法を挙げることができる。
【0083】前記塗工液は、前記支持体上に直接塗工し
てもよく、又、前記支持体の表面を例えばプライマで処
理してから、前記支持体の表面に塗工してもよい。
【0084】前記インク受理層の厚さは、特に制限がな
く、通常、10〜60μmの厚さに形成され、実用上好
ましくは20〜50μmの厚さに形成される。
【0085】以上の方法により前記支持体表面に前記塗
工液を塗工することにより形成されたインク受理層を有
するインクジェット用被記録材は、従来のインクジェッ
ト用被記録材に比べて、インクジェットプリンターで印
字した際に形成される画像の湿度に起因する変色の度合
いが小さく、また前記画像のOD値が大きいという特徴
を有する。
【0086】前記の方法においては、均一な塗工液を支
持体上に均一に塗工することができるので、前記支持体
表面に前記塗工液を1回塗工することにより形成された
インク受理層においては、その中のカチオン性ポリ(メ
タ)アクリルアミドの濃度は、前記インク受理層中のど
の部分においても実質的に一定である。つまり、前記イ
ンク受理層中におけるカチオン性ポリ(メタ)アクリル
アミドの濃度は、前記インク受理層の前記支持体との接
触面から、前記インク受理層における前記接触面の対面
に向かう方向において実質的に変化しない(このような
インク受理層を、以下「一定濃度のインク受理層」とい
う)。
【0087】一方、インク受理層中におけるカチオン性
ポリ(メタ)アクリルアミドの濃度が、インク受理層の
支持体との接触面からインク受理層における前記接触面
とは反対側の面に向けて漸次高くなるインク受理層(以
下、「濃度勾配を有するインク受理層」という)は以下
のようにして形成することができる。
【0088】先ず、以下の条件を満たす下塗り塗工液と
上塗り塗工液とを用意する。
【0089】(1)前記上塗り塗工液中に含まれるカチオ
ン性ポリ(メタ)アクリルアミドの濃度が、前記下塗り
塗工液中に含まれるカチオン性ポリ(メタ)アクリルア
ミドの濃度(0%を含む。)よりも大きくなるように、
かつ、上塗り塗工液中のカチオン性ポリ(メタ)アクリ
ルアミドの量と下塗り塗工液中のカチオン性ポリ(メ
タ)アクリルアミドの量との合計量が、インク受理層中
に必要なカチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドの量と
なるように調製されていること。
【0090】(2)前記上塗り塗工液及び前記下塗り塗工
液のいずれか一方又は両方に、粉体とバインダーとが含
有されていること。
【0091】ここで、上塗り塗工液及び下塗り塗工液に
含有され得る粉体、バインダー及びカチオン性ポリ(メ
タ)アクリルアミドそれぞれについては、既に記載され
たとおりである。上塗り塗工液及び下塗り塗工液のいず
れか一方又は両方に含有される粉体及びバインダーの含
有量については、下塗り塗工液の塗工及び上塗り塗工液
の塗工を行って得られるインク受理層中の粉体及びバイ
ンダーの含有量が既に記載した通りの値になるように、
適宜に決定される。
【0092】次いで、下塗り塗工液を支持体に塗布した
後に、前記塗布した下塗り塗工液が乾燥又は半乾燥状態
になることにより形成された層(以下、「予備インク受
理層」という。)の上に、前記上塗り塗工液を少なくと
も1回塗工する。なお、下塗り塗工液及び上塗り塗工液
のいずれか一方又は両方は、硝酸アルミニウム及び/又
はレベリング剤を含有していても良い。
【0093】濃度勾配を有するインク受理層の具体的な
作成方法としては、(1)粉体、及びバインダーを含有
し、カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドを含有しな
い下塗り塗工液を支持体に塗布した後に、塗布した下塗
り塗工液が乾燥又は半乾燥状態になることにより形成さ
れた層の上に、バインダー及びカチオン性ポリ(メタ)
アクリルアミドを含有し、粉体を含有し、又は含有しな
い上塗り塗工液を少なくとも1回塗工する方法、(2)粉
体、バインダー、上塗り塗工液中のカチオン性ポリ(メ
タ)アクリルアミドの濃度よりも低い濃度で含有される
カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドを含有する下塗
り塗工液を支持体に塗布した後に、塗布した下塗り塗工
液が乾燥又は半乾燥状態になることにより形成された層
の上に、バインダー及びカチオン性ポリ(メタ)アクリ
ルアミドを含有し、粉体を含有し、又は含有しない上塗
り塗工液を少なくとも1回塗工する方法、(3)粉体及び
バインダーを含有し、カチオン性ポリ(メタ)アクリル
アミドを含有しない下塗り塗工液を支持体に塗布した後
に、塗布した下塗り塗工液が乾燥又は半乾燥状態になる
ことにより形成された層の上に、カチオン性ポリ(メ
タ)アクリルアミドを含有、粉体及びバインダーを含有
しない水溶液である上塗り塗工液を少なくとも1回塗工
する方法、等を挙げることができる。
【0094】このような塗工方法によると、下塗り塗工
液が乾燥状態又は半乾燥状態に成ると、乾燥状態又は半
乾燥状態である下塗り塗工層は、含有されている粉体に
よりポーラスな状態に成っていると考えられるから、下
塗り塗工層上に上塗り塗工液を塗工すると、上塗り塗工
液中の溶媒が下塗り塗工層に染み込んでいき、上塗り塗
工層においてはカチオン性ポリ(メタ)アクリルアミド
が濃縮された状態に成る。その結果、基材の表面近くに
おけるカチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドの濃度よ
りもインク受理層の表面近くにおけるカチオン性ポリ
(メタ)アクリルアミドの濃度が高く成るというカチオ
ン性ポリ(メタ)アクリルアミドの濃度勾配が実現され
る。
【0095】なお、インク受理層中におけるカチオン性
ポリ(メタ)アクリルアミドの濃度が、インク受理層の
支持体との接触面からインク受理層における前記接触面
とは反対側の面に向けて漸次高くなるインク受理層の調
製方法としては、上記の方法に制限されることはない。
つまり、どのような方法で調製されたインク受理層であ
っても、前記カチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドの
濃度が、前記接触面から前記接触面とは反対側の面に向
けて漸次高くなっているインク受理層を有するインクジ
ェット用被記録材であれば、その表面に形成された画像
のOD値と耐光性とを共に向上させることができる。
【0096】
【実施例】(実施例1)東レ(株)製のフィルム(商品
名:ルミラーE−42、白PET、厚み100μm)を
支持体として使用し、この支持体に、下記の組成を有す
る下塗り塗工液Aを乾燥膜厚が35μmとなるように塗
布した。塗布した下塗り塗工液Aが乾燥した後、その乾
燥して形成された層の上にさらに、下記の組成を有する
上塗り塗工液Bを、乾燥重量が1g/m2となるように
塗布した。これを乾燥させて、支持体上にインク受理層
を形成させた。以上により、インク受理層表面における
カチオン性ポリアクリルアミドの濃度が基材近くにおけ
るカチオン性ポリアクリルアミドの濃度よりも大きなイ
ンク受理層を有するインクジェット用被記録材を得た。
【0097】このインクジェット用被記録材に対して、
以下の印字評価試験を行った。
【0098】 下塗り塗工液A: σ−Al23(日本アエロジル(株)製、「Al23・C」) の35重量%水分散液 64重量% PVA変性物(積水化学工業(株)製、「エスレックKX−1」、 固形分8%) 35重量% 変性シリコーン(東レ・ダウ(株)製、「SH−3771」) 1重量% 上塗り塗工液B: カチオン性ポリアクリルアミド(「サンブロックC−011P」) 0.25重量% 硝酸アルミニウム九水塩 5.00重量% 水 94.75重量% (実施例2)東レ(株)製のフィルム(商品名:ルミラ
ーE−42、白PET、厚み100μm)を支持体とし
て使用し、この支持体に、下記の組成を有する下塗り塗
工液Cを乾燥膜厚が30μmとなるように塗布した。塗
布した下塗り塗工液Cが乾燥した後、その乾燥して形成
された層の上にさらに、下記の組成を有する上塗り塗工
液Dを、乾燥重量が0.5g/m2となるように塗布し
た。これを乾燥させて、支持体上にインク受理層を形成
させた。以上により、インク受理層表面におけるカチオ
ン性ポリアクリルアミドの濃度が基材近くにおけるカチ
オン性ポリアクリルアミドの濃度よりも大きなインク受
理層を有するインクジェット用被記録材を得た。
【0099】このインクジェット用被記録材に対して、
以下の印字評価試験を行った。
【0100】 下塗り塗工液C: σ−Al23(日本アエロジル(株)製、「Al23・C」)33重量% とSiO2(日本アエロジル(株)製、「アエロジル200」)2重量% とを含有する水分散液 62重量% PVA((株)クラレ製、「PVA220」)の10%水溶液 35重量% カチオン性ポリアクリルアミド(「サンブロック700」)の 50重量%水溶液 1.5重量% フッ素系界面活性剤(旭硝子(株)製、 「メガファックF−179」) 1.5重量% 上塗り塗工液D: 硝酸アルミニウム九水塩 3.5重量% 変性シリコーン(東レダウ(株)製、「SF8427」) 0.01重量 % 水 96.49重量% (実施例3)東レ(株)製のフィルム(商品名:ルミラ
ーE−42、白PET、厚み100μm)を支持体とし
て使用し、この支持体に、下記の組成を有する下塗り塗
工液Eを乾燥膜厚が25μmとなるように塗布した。塗
布した下塗り塗工液Eが乾燥した後、その乾燥して形成
された層の上にさらに、下記の組成を有する上塗り塗工
液Fを、乾燥重量が1.5g/m2となるように塗布し
た。これを乾燥させて、支持体上にインク受理層を形成
させた。以上により、インク受理層表面におけるカチオ
ン性ポリアクリルアミドの濃度が基材近くにおけるカチ
オン性ポリアクリルアミドの濃度よりも大きなインク受
理層を有するインクジェット用被記録材を得た。
【0101】このインクジェット用被記録材に対して、
以下の印字評価試験を行った。
【0102】 下塗り塗工液E: 擬ベーマイト 64重量% PVA((株)クラレ製、「PVA120」)の10%水溶液 33重量% 硝酸アルミニウム九水塩 2.99重量% 変性シリコーン(東レダウ(株)製、SF8429) 0.01重量% 上塗り塗工液F: カチオン性ポリアクリルアミド(「サンブロックC−011P」)の 50重量%水溶液 0.3重量% フッ素系界面活性剤(旭硝子(株)製、 「メガファックF−179」) 0.01重量% 水 99.699重量% (実施例4)東レ(株)のフィルム(商品名:ルミラー
E−42、白PET、厚み100μm)を支持体として
使用し、この支持体に、前記下塗り塗工液Cを乾燥膜厚
が30μmとなるように塗布した。これを乾燥させて、
支持体上にインク受理層を形成させた。以上により、イ
ンク受理層表面におけるカチオン性ポリアクリルアミド
の濃度が基材近くにおけるカチオン性ポリアクリルアミ
ドの濃度よりも大きなインク受理層を有するインクジェ
ット用被記録材を得た。
【0103】このインクジェット用被記録材に対して、
以下の印字評価試験を行った。
【0104】(実施例5)東レ(株)のフィルム(商品
名:ルミラーE−42、白PET、厚み100μm)を
支持体として使用し、この支持体に、下記の組成を有す
る塗工液Fを乾燥膜厚が40μmとなるように塗布し
た。これを乾燥させて、支持体上にインク受理層を形成
させた。以上により、インク受理層表面におけるカチオ
ン性ポリアクリルアミドの濃度が基材近くにおけるカチ
オン性ポリアクリルアミドの濃度よりも大きなインク受
理層を有するインクジェット用被記録材を得た。
【0105】このインクジェット用被記録材に対して、
以下の印字評価試験を行った。
【0106】 塗工液F: 日本アエロジル(株)製「COK84」(SiO2:Al23C=5:1) の35重量%水溶液 64重量% PVA変性物(積水化学工業(株)製、「エスレックKX−1」、 固形分8%) 33重量% カチオン性ポリアクリルアミド(「サンブロック700」)の 50重量%水溶液 2重量% フッ素系界面活性剤(旭硝子(株)製、 「メガファックF−179」) 1重量% (比較例1)東レ(株)のフィルム(商品名:ルミラー
E−42、白PET、厚み100μm)を支持体として
使用し、この支持体に、下記の組成を有する下塗り塗工
液Aを乾燥膜厚が35μmとなるように塗布した。これ
を乾燥させて、支持体上にインク受理層を形成させた。
以上により、カチオン性ポリアクリルアミドの濃度に勾
配のないインク受理層を有するインクジェット用被記録
材を得た。
【0107】このインクジェット用被記録材に対して、
以下の印字評価試験を行った。
【0108】(比較例2)東レ(株)のフィルム(商品
名:ルミラーE−42、白PET、厚み100μm)を
支持体として使用し、この支持体に、下記の組成を有す
る下塗り塗工液Eを乾燥膜厚が25μmとなるように塗
布した。これを乾燥させて、支持体上にインク受理層を
形成させた。以上により、カチオン性ポリアクリルアミ
ドの濃度に勾配のないインク受理層を有するインクジェ
ット用被記録材を得た。
【0109】このインクジェット用被記録材に対して、
以下の印字評価試験を行った。
【0110】<印字評価試験>エプソン(株)製のプリ
ンター(型式PM−750C)を使用し、印字モードを
「推奨、専用光沢フィルムモード」に設定して、インク
ジェット用被記録材のインク受理層上にY(イエロ
ー)、M(マゼンダ)、C(シアン)及びBk(ブラッ
ク)を、一辺が20mmである正方形に印字した。印字
された各色の印字物に対してOD値、耐光性及び耐湿性
を以下の方法により評価した。
【0111】・OD値評価 印字された直後におけるY、M、C及びBkの印字物の
OD値をODメーター(マクベス社製、シリーズ120
0)により測定した。結果を表1に示す。
【0112】・耐光性評価 スガ試験機(株)製の耐候性試験機(キセノン2.5k
w定格空冷式キセノンア−クランプ搭載)を用いて、2
54mmでの照射照度が320W・m2となるように、
300〜700nmの赤外線カットフィルターを通し
て、前記Y、M、C及びBkの印字面それぞれにキセノ
ンランプによる光照射をした。照射時間は24時間及び
48時間である。
【0113】結果を表2に示す。
【0114】・耐湿性評価 Y、M、C及びBkの印字物を、低温恒温恒湿器ハイフ
レックスFX422P中で、温度40℃、湿度85%の
条件下で保存し、24時間及び48時間保存後のOD値
を上記「OD値評価」と同様の方法により測定した。結
果を表3に示す。
【0115】また、上記OD値評価、耐光性評価及び耐
湿性評価に基づく、実施例及び比較例で作成したインク
ジェット用被記録材の性能に対する総合評価を表4に示
す。
【0116】
【表1】
【0117】
【表2】
【0118】
【表3】
【0119】
【表4】
【0120】
【発明の効果】この発明によると、色濃度及び耐湿性に
優れたインクジェット用被記録剤、並びに、色濃度、耐
湿性及び耐光性に優れたインクジェット用被記録剤を提
供することができ、また前記のインクジェット用被記録
剤を製造する方法を提供することができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉体、バインダー及びカチオン性ポリ
    (メタ)アクリルアミドを含有するインク受理層と、前
    記インク受理層を支持する支持体とを有することを特徴
    とするインクジェット用被記録材。
  2. 【請求項2】 前記インク受理層中におけるカチオン性
    ポリ(メタ)アクリルアミドは、その濃度が、前記イン
    ク受理層の前記支持体との接触面から前記インク受理層
    における前記接触面とは反対側の面に向けて漸次高く調
    整されてなる、請求項1に記載のインクジェット用被記
    録材。
  3. 【請求項3】 以下の(1)及び(2)に示される条件を満た
    す上塗り塗工液及び下塗り塗工液を調製し、下塗り塗工
    液を支持体に塗布した後に、前記塗布した下塗り塗工液
    が乾燥又は半乾燥状態になることにより形成された層の
    上に、前記上塗り塗工液を少なくとも1回塗工すること
    により前記支持体にインク受理層を形成することを特徴
    とするインクジェット用被記録材の製造方法。 (1)前記上塗り塗工液中に含まれるカチオン性ポリ(メ
    タ)アクリルアミドの濃度が、前記下塗り塗工液中に含
    まれるカチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドの濃度
    (0%を含む。)よりも大きくなるように、かつ、上塗
    り塗工液中のカチオン性ポリ(メタ)アクリルアミドの
    量と下塗り塗工液中のカチオン性ポリ(メタ)アクリル
    アミドの量との合計量が、インク受理層中に必要なカチ
    オン性ポリ(メタ)アクリルアミドの量となるように調
    製されていること。 (2)前記上塗り塗工液及び前記下塗り塗工液のいずれか
    一方又は両方に、粉体とバインダーとが含有されている
    こと。
  4. 【請求項4】 前記インク受理層内においては、カチオ
    ン性ポリ(メタ)アクリルアミドは、その濃度が、前記
    インク受理層の前記支持体との接触面から前記インク受
    理層における前記接触面とは反対側の面に向けて実質的
    に一定に調整されてなる、請求項1に記載のインクジェ
    ット用被記録材。
  5. 【請求項5】 粉体、バインダー及びカチオン性ポリ
    (メタ)アクリルアミドを含有する塗工液を支持体に1
    回塗工することにより、前記支持体にインク受理層を形
    成することを特徴とするインクジェット用被記録材の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 前記粉体がアルミナ及び/又はシリカで
    ある前記請求項1、2及び4のいずれか1項に記載のイ
    ンクジェット用被記録材。
  7. 【請求項7】 前記インク受理層は、硝酸アルミニウム
    を更に含有する、請求項1、2、4及び6のいずれか1
    項に記載のインクジェット用被記録材。
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