JP2001162362A - 鋳造方法 - Google Patents

鋳造方法

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JP2001162362A
JP2001162362A JP34904099A JP34904099A JP2001162362A JP 2001162362 A JP2001162362 A JP 2001162362A JP 34904099 A JP34904099 A JP 34904099A JP 34904099 A JP34904099 A JP 34904099A JP 2001162362 A JP2001162362 A JP 2001162362A
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mold
temperature
molten metal
casting
cast product
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JP34904099A
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English (en)
Inventor
Akihiko Ogasawara
明彦 小笠原
Masanori Kanayama
昌範 金山
Mitsuaki Ueno
光明 上野
Yuji Ishii
裕士 石井
Toshikazu Kato
俊和 加藤
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鋳型や冷却水と溶湯との交換熱量を一定とする
ことにより、鋳造品を寸法精度よく製造することができ
る鋳造方法を提供する。 【解決手段】制御回路12に設定温度T1、T3、T4
を設定する。この制御回路12は、キャビテイに導入さ
れた溶湯が冷却固化される際、鋳造品の最大肉厚部とな
る部位の溶湯の温度T2を熱電対46bにより常時検知
し、温度T2が設定温度T1に一致したことを判別する
と型開きを行う。取り出された鋳造品が放置冷却される
間、第1鋳型40および第2鋳型42の各キャビテイ面
には、スプレー機構62の液噴出部68の第1噴出口お
よび第2噴出口から噴出される塗布物が塗布される。制
御回路12は、熱電対46a、46cにより両鋳型4
0、42の温度T5、T6を検知しており、温度T5、
T6が設定温度T3、T4に到達したことを判別すると
塗布物の塗布を終了させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋳造方法に関し、
一層詳細には、冷却水や鋳型と溶湯との交換熱量を常に
一定とすることが可能であり、これにより鋳造品を寸法
精度よく製造することができる鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋳造品は、例えば、固定盤に設置された
固定盤側鋳型と、前記固定盤に対して接近または離間自
在な可動盤に設置された可動盤側鋳型とを有する鋳造装
置を使用して以下のように製造される。
【0003】まず、可動盤を固定盤に接近させて固定盤
側鋳型と可動盤側鋳型とを密着させることによりキャビ
テイを形成する。そして、このキャビテイに所定量の溶
融金属(以下、溶湯という)を導入する。次に、キャビ
テイに導入された溶湯を冷却固化する。すなわち、固定
盤側鋳型および可動盤側鋳型に冷却水を導入し、この冷
却水と溶湯とを両鋳型を介して互いに熱交換させる。
【0004】キャビテイへの溶湯の導入が終了すると、
制御回路により溶湯の冷却固化時間の計測が開始され
る。そして、該制御回路に予め設定された所定時間が経
過すると、溶湯の冷却固化工程が終了する。その後、可
動盤を固定盤から離間させることにより型開きを行う。
これにより、溶湯の固化物である鋳造品が得られるに至
る。
【0005】そして、次回の鋳造作業が遂行される前
に、鋳造品の両鋳型からの離型を容易にするため、両鋳
型におけるキャビテイを形成する面(以下、キャビテイ
面という)に離型剤が塗布される。また、場合によって
は、溶湯の鋳型への焼き付きを防止するために、離型剤
とともに焼き付き防止剤が塗布されることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記した従
来技術に係る鋳造方法においては、鋳造品の寸法精度が
確保できず、そのために該鋳造品の生産効率が低いとい
う不具合がある。
【0007】具体的には、まず、鋳造作業を行う時間帯
や季節が異なると、製造された鋳造品同士の寸法がそれ
ぞれ異なるという事態が生じている。すなわち、鋳型か
ら取り出された鋳造品は大気中で放置されることにより
さらに冷却されるが、この放置冷却に伴って該鋳造品が
収縮する。この際の収縮幅は、夏季の昼間時等、気温が
高い時期には大きいが、冬季の夜間時等、気温が低い時
期には小さくなる。
【0008】この理由は、塗布終了時における鋳型の温
度が各回で異なるためであると考えられる。すなわち、
離型剤や焼き付き防止剤等(以下、一括して塗布物とい
う)が塗布されることにより両鋳型が冷却されるが、こ
の塗布による冷却前後において、鋳型の温度差が一定で
はないからである。
【0009】より具体的に説明すれば、塗布物の温度
は、気温が上昇するにつれて上昇し、気温が下降するに
つれて下降する。一方、塗布物のキャビテイ面への塗布
工程は、塗布物の噴出が開始された後、所定時間が経過
すると終了するように制御される。このため、冷却前後
の鋳型の温度差は、気温が高く塗布物の温度が高い方が
小さい。この場合、次回の鋳造作業が行われると、溶湯
と鋳型との交換熱量が小さいため、鋳造品が高温で取り
出される。これに対し、気温が低く塗布物の温度が低い
場合には、鋳造品は前者よりも低温で取り出される。す
なわち、前者の場合、後者に比して放置冷却前後におけ
る鋳造品の温度差がより大きく、したがって、該鋳造品
が大きく収縮する。
【0010】冷却前後の鋳型の温度差の度合いは、塗布
物の量にも依存する。すなわち、塗布工程は上記したよ
うに時間によって制御されている。このため、例えば、
塗布物を噴出する噴出口の一部が閉塞して塗布物の量が
低下している場合であっても、所定時間が経過すること
により塗布工程が終了される。この場合、噴出口が閉塞
していない状態に比して冷却前後の鋳型の温度差が小さ
くなるので、鋳造品が高温で取り出される。その結果、
該鋳造品が大きく収縮する。
【0011】また、鋳造作業を行う時間帯や季節が異な
ると、製造された鋳造品同士の寸法がそれぞれ異なる別
の理由としては、溶湯と冷却水との交換熱量が各回で異
なることが考えられる。すなわち、通常、夏季の昼間時
における冷却水の温度は、冬季の夜間時における冷却水
の温度よりも著しく高く、したがって、溶湯と冷却水と
の単位時間当たりの交換熱量は、夏季の昼間時に比して
冬季の夜間時の方が大きいからである。換言すれば、同
一時間で型開きを行う場合、鋳造品は、冷却水の温度が
高くなる夏季の昼間時には高温で取り出され、一方、冷
却水の温度が低くなる冬季の夜間時には低温で取り出さ
れる。このため、放置冷却の前後の鋳造品の収縮幅は、
前者の方が大きくなる。
【0012】鋳造品の寸法精度を向上させるためには、
塗布物の温度や冷却水温度等を一定にして鋳造作業を行
うようにすればよいことが想起される。しかしながら、
季節や時間帯に関わらず気温を一定にすることは極めて
困難である。
【0013】本発明は上記した問題を解決するためにな
されたもので、鋳型や冷却水と溶湯との交換熱量を常に
一定にすることが可能であり、これにより、鋳造作業を
行う時期や時間帯等に関わらず鋳造品を寸法精度よく製
造することができる鋳造方法を提供することを目的とす
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、鋳造作業が終了して型開きが行われた
後に鋳型のキャビテイ面に対して塗布物を噴出すること
により前記鋳型の冷却を行い、該鋳型の温度と制御手段
に予め設定された設定温度とが一致したことを判別して
前記制御手段により前記離型剤の噴出を停止させること
を特徴とする。なお、塗布物には、少なくとも離型剤が
含まれる。また、さらに焼き付き防止剤等が含まれてい
てもよい。
【0015】鋳型の温度を一定にすることにより、次回
の鋳造作業において溶湯が導入された際における溶湯と
鋳型との交換熱量が一定となる。このため、鋳造作業を
行う時期や時間帯等に関わらず、寸法精度に優れた鋳造
品を製造することができる。また、離型剤や焼き付き防
止剤等が必要量以上に塗布されることがないので、経済
的である。
【0016】この場合、キャビテイに導入された溶湯を
冷却固化して鋳造品とする間に前記鋳造品の最大肉厚部
となる部位の溶湯の温度を常時検知し、前記設定温度と
は別に前記制御手段に予め設定された設定温度と前記溶
湯の温度とが一致したことを判別して前記制御手段によ
り型開きを行わせて鋳造品を取り出すことが好ましい。
これにより、溶湯と冷却水との交換熱量が常に一定とな
る。
【0017】すなわち、本発明に係る鋳造方法によれ
ば、鋳型や冷却水と溶湯との交換熱量が常に一定となる
ので、鋳造品が常に同一温度で取り出される。このた
め、放置冷却前後における鋳造品の温度差が一定となる
ので、該鋳造品の収縮幅が常に一定となる。換言すれ
ば、鋳造品を寸法精度よく得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る鋳造方法につ
き好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細
に説明する。
【0019】本実施の形態に係る鋳造方法のフローチャ
ートを図1に示す。この鋳造方法においては、図2に示
す鋳造装置10が具備する制御回路12が、該制御回路
12に予め設定された設定温度T1と鋳造品の最大肉厚
部となる部位の溶湯(以下、最大肉厚部の溶湯という)
の温度T2とが一致したことを判別した直後に型開きが
行われる。勿論、設定温度T1は溶湯の凝固点以下に設
定され、型開きの際には鋳造品が取り出される。そし
て、鋳造作業が終了した後に、鋳型のキャビテイ面に離
型剤および焼き付き防止剤を含む塗布物が塗布される。
この塗布は、制御回路12が該制御回路12に予め設定
された設定温度T3、T4と各鋳型の温度T5、T6と
が一致したことを判別した直後に終了される。
【0020】すなわち、制御回路12には、該制御回路
12に設定された設定温度T1と冷却固化中の最大肉厚
部の溶湯の温度T2が一致したことを判別した際に型開
きを行い、かつ各鋳型の温度T5、T6が該制御回路1
2に設定された設定温度T3、T4に到達したことを判
別した直後に塗布物の塗布を終了するようにプログラム
が組み込まれた中央処理装置(CPU)が含まれてい
る。
【0021】ここで、鋳造装置10の具体的な構成につ
き、図2を参照して説明する。
【0022】この鋳造装置10の架台14上の左方には
可動盤駆動機構16、右方には固定盤18が配設されて
おり、また、両者の間に可動盤20が介在されている。
この中、可動盤駆動機構16の基盤22と固定盤18は
各々の隅角部において4本のタイバー24a〜24dに
よって互いに連結されており、該タイバー24a〜24
dは可動盤20の各隅角部に形成された貫通孔を通って
いる。
【0023】可動盤20は、可動盤駆動機構16の作用
により固定盤18に対して接近または離間する。すなわ
ち、可動盤駆動機構16は、基盤22と、該基盤22に
配設された油圧シリンダ26と、該油圧シリンダ26の
シリンダロッド28の先端部に棒固定治具30を介して
固定された押圧用棒32と、基盤22と可動盤20とを
互いに連結するとともにその屈曲可動部34a、34b
が連結板36a、36bを介して棒固定治具30に連結
されたリンク状のアーム38a、38bを備え、可動盤
20は、油圧シリンダ26のシリンダロッド28の進退
動作に伴って固定盤18に対して接近または離間する。
【0024】より具体的に説明すれば、油圧シリンダ2
6のシリンダロッド28が前進動作すると、これに伴っ
て押圧用棒32が可動盤20を押圧する。この押圧動作
により、可動盤20が固定盤18側に指向してタイバー
24a〜24dに沿って前進動作する。また、前記シリ
ンダロッド28が前進動作することに追従して、棒固定
治具30を介して該シリンダロッド28に連結された連
結板36a、36bが前進動作することによりアーム3
8a、38bが伸長する。一方、シリンダロッド28が
後退動作した場合、これに追従して連結板36a、36
bが後退動作する。このため、アーム38a、38bが
屈曲可動部34a、34bを中心に屈曲し、その結果、
可動盤20が基盤22側に引き寄せられて固定盤18か
ら離間する。
【0025】上記した固定盤18、可動盤20の各々の
一側面には第1鋳型40、第2鋳型42が設置されてお
り、両鋳型40、42は互いに対向している。そして、
第1鋳型40と固定盤18には、両鋳型40、42が密
着した際に形成されるキャビテイに溶湯を導入するため
の通路44が設けられている。また、この鋳造装置10
においては、鋳造品の肉厚部は第2鋳型42側で形成さ
れる。
【0026】鋳造装置10は、さらに、第1鋳型40に
設けられた検出子としての熱電対46aと、第2鋳型4
2に設けられた熱電対46b、46cと、油加温機構
(図示せず)を備えた油貯留槽48と、第2鋳型42内
へ冷却水を導入するための可撓性送水管50、流路51
および複数本の給水管52とを備える。可撓性送水管5
0は、後述するように、可動盤20が固定盤18に対し
て接近または離間した際に伸縮する。なお、図示しない
が、第1鋳型40にも図示しない給水管が接続されてい
る。
【0027】熱電対46aは、第1鋳型40の外表面に
設置されており、該第1鋳型40の温度T5を検出す
る。一方、熱電対46bの一部は、第2鋳型42におけ
る鋳造品の最大肉厚部が成形される部位の内壁面(キャ
ビテイ面)に面一に露出されている。すなわち、この熱
電対46bにより、最大肉厚部の溶湯の温度T2が検出
される。また、熱電対46cは、第2鋳型42の外表面
に設置されており、該第第2鋳型42の温度T6を検出
する。そして、これら熱電対46a〜46cの出力側
は、リード線54a〜54cを介して制御回路12に電
気的に接続されている。
【0028】油貯留槽48は、第2鋳型42において鋳
造品の最小肉厚部が成形される部位に導入される油を加
温し、一定温度で貯留するためのものである。すなわ
ち、油貯留槽48内に設置された図示しない前記油加温
機構により加温された油は、油用制御バルブ56が介装
された給油管57、可撓性送油管58、および給油管5
7と可撓性送油管58とを接続するジョイント59を介
して第2鋳型42に導入され、該第2鋳型42を加温す
る。可撓性送油管58は、後述するように、可動盤20
が固定盤18に対して接近または離間した際に伸縮す
る。なお、油用制御バルブ56の開度は、リード線54
dを介して該油用制御バルブ56に電気的に接続された
制御回路12により制御される。また、図示しないが、
油貯留槽48と第1鋳型40とは図示しない給油管によ
り接続されており、該給油管にも油用制御バルブ(図示
せず)が介装されている。この油用制御バルブもまた、
図示しないリード線を介して制御回路12に電気的に接
続されている。
【0029】第2鋳型42には、例えば、冷却塔等の図
示しない冷却水供給源から供給された冷却水が可撓性送
水管50および給水管52を介して循環流通される。な
お、可撓性送水管50および流路51の間には、リード
線54eを介して制御回路12に電気的に接続された冷
却水用制御バルブ60が介装されている。同様に、第1
鋳型40内にも、冷却水用制御バルブ(図示せず)が介
装された給水管(図示せず)を介して、前記冷却水供給
源から冷却水が導入される。
【0030】鋳造装置10は、さらに、固定盤18の上
端面に配設されたスプレー機構62を備える。すなわ
ち、このスプレー機構62は、リンク状のアーム部64
と、該アーム部64と固定盤18とを連結する連結治具
66と、アーム部64の先端に固定された液噴出部68
とを備える。この液噴出部68は、塗布工程時に、アー
ム部64が動作することにより第1鋳型40および第2
鋳型42の間に配置される。また、該液噴出部68に
は、第1鋳型40に指向して形成された第1噴出口(図
示せず)と、第2鋳型42に指向して形成された第2噴
出口(図示せず)が形成されている。
【0031】このように構成された鋳造装置10におい
ては、図1にそのフローチャートが示される本実施の形
態に係る鋳造方法は以下のようにして遂行される。
【0032】まず、制御回路12に設定温度T1、T
3、T4を入力設定する(ステップS1)。後述するよ
うに、最大肉厚部の溶湯の温度T2が設定温度T1と等
しくなったことが判別されると型開きが行われ、また、
第1鋳型40の温度T5および第2鋳型42の温度T6
が設定温度T3、T4とそれぞれ等しくなったことが判
別されると塗布物の噴出が終了される。
【0033】ここで、設定温度T1は、溶湯が粘弾性体
から弾性体へと遷移する粘弾性−弾性遷移温度が好まし
い。溶湯が粘弾性体である温度領域で型開きを行うと、
外力が加わって粘弾性体が変形した場合、鋳造品はその
変形形状のままに固化されることになる。また、最大肉
厚部の溶湯が粘弾性−弾性遷移温度領域よりも著しく低
温となるまで冷却して型開きを行うと、鋳造作業に長時
間を要するようになり、鋳造品を効率よく製造すること
ができなくなる。
【0034】また、最大肉厚部の溶湯を温度T2の検出
箇所とするのは、最大肉厚部の溶湯は最小肉厚部の溶湯
に比して降温速度が遅く、したがって、最大肉厚部の溶
湯の温度T2が設定温度T1に到達した場合、全体に亘
って確実に凝固した状態で鋳造品を取り出すことができ
るからである。
【0035】そして、油圧シリンダ26のシリンダロッ
ド28を前進付勢させて押圧用棒32で可動盤20を押
圧することにより該可動盤20を固定盤18側へ指向し
て前進動作させ、最終的に固定盤18に設置された第1
鋳型40と可動盤20に設置された第2鋳型42とを互
いに密着させてキャビテイを形成する。このようにキャ
ビテイが形成された後、制御回路12がリード線54d
を介して発した制御信号により油用制御バルブ56が開
かれて、油貯留槽48から第2鋳型42内へ加温された
油が導入される。同様に、第1鋳型40に接続された図
示しない前記給油管に介装された前記油用制御バルブが
開かれ、これにより第1鋳型40内へも加温された油が
導入される。その結果、第1鋳型40および第2鋳型4
2が加温される。
【0036】なお、可動盤20が前進動作する際には、
可撓性送水管50が伸張し、かつ可撓性送油管58が収
縮する。したがって、可動盤20の前進動作が妨げられ
ることはない。
【0037】第1鋳型40および第2鋳型42が所定の
温度に到達した後、図示しない溶湯供給機構から通路4
4を介してキャビテイに溶湯を導入する(ステップS
2)。上記したように、第1鋳型40および第2鋳型4
2は加温されているので、この時点で溶湯が固化するこ
とはない。そして、キャビテイに所定量の溶湯が導入さ
れると、制御回路12は油用制御バルブ56および図示
しない前記油用制御バルブを閉じ、第1鋳型40および
第2鋳型42への油の導入を停止する。
【0038】次いで、制御回路12は、冷却水用制御バ
ルブ60および前記図示しない冷却水用制御バルブを開
けて両鋳型40、42内に冷却水を導入する。この冷却
水とキャビテイ内の溶湯とが熱交換を行うことにより、
該溶湯が冷却固化される(ステップS3)。
【0039】このような冷却固化が行われている間、制
御回路12は、設定温度T1と熱電対46bにより検知
された最大厚肉部の溶湯の温度T2とを常時比較してお
り(ステップS4)、温度T2が設定温度T1よりも高
い場合には溶湯の冷却固化が続行される。
【0040】温度T2が低下し、設定温度T1と等しく
なったことが判別されると、制御回路12は型開きを行
う(ステップS5)。この場合、制御回路12は、図示
しないリード線を介して油圧シリンダ26に制御信号を
送り、シリンダロッド28を後退付勢する。この後退付
勢に伴ってアーム38a、38bが屈曲可動部34a、
34bを中心に屈曲することにより、可動盤20が可動
盤駆動機構16側に指向して後退動作する。その結果、
第1鋳型40と第2鋳型42とが互いに離脱する。すな
わち、型開きが行われ、鋳造品が露呈されるに至る。な
お、可動盤20が後退動作する際には可撓性送水管50
が伸張し、かつ可撓性送油管58が収縮するので、可動
盤20の後退動作が妨げられることはない。
【0041】取り出された鋳造品は、室温で放置冷却さ
れる(ステップS6)。そして、この放置冷却中に、離
型剤や焼き付き防止剤等を含む塗布物を両鋳型40、4
2のキャビテイ面に塗布する塗布工程が以下のようにし
て行われる。
【0042】まず、スプレー機構62のアーム部64が
作動し、第1鋳型40と第2鋳型42との間に液噴出部
68が配置される。次いで、該液噴出部68に形成され
た第1噴出口および第2噴出口が開き、該第1および第
2噴出口から第1鋳型40および第2鋳型42のキャビ
テイ面に指向して塗布物が噴出される(ステップS
7)。すなわち、キャビテイ面に塗布物が塗布される。
【0043】キャビテイ面に塗布物が塗布されることに
より、両鋳型40、42の温度T5、T6が降下する。
制御回路12は、熱電対46a、46cにより検知され
た温度T5、T6と設定温度T3、T4とを常時比較し
ており(ステップS8)、温度T5、T6が設定温度T
3、T4よりも高い場合には両鋳型40、42のキャビ
テイ面への塗布物の噴出が続行される。
【0044】そして、温度T5、T6がさらに降下し、
設定温度T3、T4と等しくなったことが判別される
と、制御回路12は前記第1噴出口および第2噴出口を
閉じ、塗布物の噴出を停止する(ステップS9)。勿
論、例えば、第1鋳型40の温度T5が設定温度T3と
等しくなり、第2鋳型42の温度T6が設定温度T4よ
りも高い場合には、第1鋳型40に指向する第1噴出口
のみが閉じられ、第2鋳型42に指向する第2噴出口は
閉じられない。
【0045】以後、上記したステップS1〜S9が繰り
返され、寸法精度に優れる鋳造品が連続的に製造され
る。これにより、鋳造品の生産効率が向上するので、該
鋳造品の製造コストを低減することができる。なお、型
締めが再び行われて加温された油が導入された際、両鋳
型40、42は前回の鋳造作業時と同一温度まで昇温さ
れる。上記したように、塗布工程は両鋳型40、42の
温度T5、T6が設定温度T3、T4に到達するまで行
われ、また、油の温度は前記図示しない油加温機構によ
り一定に保たれているからである。
【0046】このように、本実施の形態に係る鋳造方法
においては、最大肉厚部の溶湯の温度T2が制御回路1
2に設定された設定温度T1(粘弾性−弾性遷移温度)
に到達したことが判別されると型開きが行われ、かつ、
塗布工程で両鋳型40、42の温度T5、T6が制御回
路12に設定された設定温度T3、T4に到達したこと
が判別されると両鋳型40、42のキャビテイ面への塗
布物の塗布が終了される。すなわち、鋳型や冷却水と溶
湯との交換熱量が常に一定となる。このため、鋳造品が
常に同一温度で取り出される。したがって、放置冷却前
後における鋳造品の温度差が一定となり、その結果、放
置冷却前後の鋳造品の収縮幅が一定となる。これによ
り、鋳造品を寸法精度よく製造することができる。
【0047】しかも、得られた鋳造品が寸法精度に優れ
るものであるので、後加工が不要となる。すなわち、鋳
造品の製造工程数が少なくなるので、該鋳造品の製造コ
ストを一層低減することができる。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る鋳造
方法によれば、鋳型の温度が制御回路に設定された設定
温度に到達したことが判別された際に該鋳型のキャビテ
イ面への塗布物の塗布が終了される。したがって、鋳型
と溶湯との交換熱量が常に一定となる。また、離型剤や
焼き付き防止剤等を含む前記塗布物が必要量以上塗布さ
れることがないので、経済的である。
【0049】また、本発明に係る鋳造方法によれば、溶
湯の温度が制御回路に設定された設定温度に到達したこ
とが判別された際に型開きが行われる。すなわち、冷却
水と溶湯との交換熱量が常に一定となる。
【0050】このように、鋳型や冷却水と溶湯との交換
熱量が常に一定となることにより、鋳造品を常に同一温
度で取り出すことができる。このため、放置冷却前後に
おける鋳造品の収縮幅が時間帯や季節に関わらず一定と
なるので、鋳造品を寸法精度よく得ることができる。し
たがって、鋳造品の生産効率が向上するとともに後加工
が不要となるので、該鋳造品の製造コストを低減するこ
とができるという効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る鋳造方法のフローチャート
である。
【図2】本実施の形態において使用される鋳造装置の全
体概略構成説明図である。
【符号の説明】
10…鋳造装置 12…制御回
路 16…可動盤駆動機構 18…固定盤 20…可動盤 26…油圧シ
リンダ 28…シリンダロッド 38a、38
b…アーム 40…第1鋳型 42…第2鋳
型 46a、46b、46c…熱電対 48…油貯留
槽 56…油用制御バルブ 60…冷却水
用制御バルブ 62…スプレー機構 68…液噴出
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上野 光明 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 石井 裕士 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内 (72)発明者 加藤 俊和 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダエ ンジニアリング株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳造作業が終了して型開きが行われた後に
    鋳型のキャビテイ面に対して塗布物を噴出することによ
    り前記鋳型の冷却を行い、該鋳型の温度と制御手段に予
    め設定された設定温度とが一致したことを判別して前記
    制御手段により前記離型剤の噴出を停止させることを特
    徴とする鋳造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の鋳造方法において、前記塗
    布物が少なくとも離型剤を含むことを特徴とする鋳造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の鋳造方法におい
    て、キャビテイに導入された溶湯を冷却固化して鋳造品
    とする間に前記鋳造品の最大肉厚部となる部位の溶湯の
    温度を常時検知し、前記設定温度とは別に前記制御手段
    に予め設定された設定温度と前記溶湯の温度とが一致し
    たことを判別して前記制御手段により型開きを行わせて
    鋳造品を取り出すことを特徴とする鋳造方法。
JP34904099A 1999-12-08 1999-12-08 鋳造方法 Pending JP2001162362A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007222890A (ja) * 2006-02-22 2007-09-06 Aisin Seiki Co Ltd 金型の温度制御方法及び金型の温度制御装置

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