JP2001161824A - カテーテルチューブの製造方法 - Google Patents

カテーテルチューブの製造方法

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JP2001161824A
JP2001161824A JP35200899A JP35200899A JP2001161824A JP 2001161824 A JP2001161824 A JP 2001161824A JP 35200899 A JP35200899 A JP 35200899A JP 35200899 A JP35200899 A JP 35200899A JP 2001161824 A JP2001161824 A JP 2001161824A
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Yoshihisa Kato
善久 加藤
Toshiharu Goto
敏晴 後藤
Hiroyuki Ito
宏幸 伊藤
Masao Shirato
正夫 白土
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高品質のカテーテルチューブを容易かつ安価
に得ることができる新規なカテーテルチューブの製造方
法の提供。 【解決手段】 無着色の熱可塑性樹脂からなるチューブ
体4の外面全体に亘って金属編組6を被覆形成した後、
その外側からガスを吹き付けながらYAGレーザ光を照
射して上記金属編組6をその長さ方向に亘って間欠的に
除去し、その後、このチューブ体4を上記金属編組6が
除去された部分で複数に分割する。これによってチュー
ブ体4に悪影響を及ぼすことなく金属編組6のみを良好
に除去することができるため、高品質なカテーテルチュ
ーブ1を容易に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、病院等の医療機関
で用いられるカテーテルチューブの製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、病院等の医療機関においては患者
の生体内の所定の部位に外部から薬液や造影剤を注入し
たり、生体内の体液等を取り出すためにカテーテルチュ
ーブと称されるチューブ状の医療器具が用いられてい
る。
【0003】一般に、このカテーテルチューブは、血管
や尿道等を利用して生体内に挿入されるようになってい
ることから、特に挿入時において、途中の血管壁や臓器
等を傷つけることなく正確に生体内の所定の箇所まで到
達できるような高い操作性と安全性が要求されている。
【0004】そのため、従来のカテーテルチューブは、
挿入時に血管壁や臓器等を傷つけることなく、かつ曲げ
やすく弾力性に富んたキャップ状のチューブ挿入先端部
と、この挿入先端部を生体内に押し込んで所定の箇所ま
で確実に到達させるために補強されたチューブ状のトル
ク伝達部とから構成されている。
【0005】そして、その製造方法の一例としては、先
ず、金属芯線が挿入された熱可撓性樹脂からなる長さ数
十〜数百mのチューブ体(内層)の外周全体に、耐食性
の金属線からなる金属編組を編組機によって連続的に施
した後、このチューブ体を加熱した金型等に通過させて
その金属編組をチューブ体内に埋め込ませることによっ
てその周囲に補強層を備えたトルク伝達部をその全体に
亘って連続的に形成する。次に、このトルク伝達部の補
強層となる金属編組の一部をその長さ方向に亘って間欠
的に除去して弾力性に富んだ挿入先端部とトルク伝達部
を交互に形成した後、このトルク伝達部の金属編組を覆
い隠すようにそのチューブ体の外周に同じく熱可塑性樹
脂を押し出して外層を一括被覆する。そして、このチュ
ーブ体をトルク伝達部と挿入先端部からなる実際のカテ
ーテルの長さとなるように切断した後、上記金属芯線を
延伸してチューブ体から引き抜いて形成するようにした
ものである。
【0006】また、このようなカテーテルチューブは、
高い操作性と安全性に加え、薬液や造影剤の注入性やス
ムーズな挿入性等も要求されることから、最近では、こ
のチューブ体をポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)等のフッ素樹脂で形成したり、このチューブ内外面
にシリコーン系の塗料をコートすることでさらにチュー
ブの潤滑性(低摩擦抵抗)を向上させたものも開発され
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来のカテ
ーテルチューブの製造方法は、挿入先端部の金属編組を
除去するに際して、電気化学的、化学的、機械的方法に
よって行っているが、これらの除去方法ではいずれも時
間や費用がかかる上に、以下に示すような欠点があっ
た。
【0008】すなわち、化学的除去方法は、酸等の化学
薬品によって金属編組を溶かして除去するものである
が、これら薬品の保管、管理、処理等に関して安全面で
大がかりな処理設備・工程を必要とするといった欠点が
ある。また、機械的除去方法はカッター等によって金属
編組を切断して除去するものであるが、この切断の際に
金属編組をチューブ体側に固定化しておくことが困難で
あり、除去後に残りの金属編組の端末がバラけ、これが
外層被覆時に外部に突き出してしまうおそれがある等と
いった問題がある。
【0009】尚、上記のような製造方法と異なり、金属
編組が組み込まれたトルク伝達部と、金属編組を有しな
い挿入先端部を別々に製作しておき、このトルク伝達部
の先端に挿入先端部を溶融接続や接着剤等により接続し
て製造する方法も提案されているが、このように別部材
を相互に接続する方法では、それらの内径や外径の僅か
な不整合により、接続部に段部が生じてしまったり、さ
らに両者の接続面積が小さくなることによって接続強度
が低くなってしまい、手術中に挿入先端部が分離して生
体内に残ってしまうといったおそれが考えられる。
【0010】そこで、本発明はこのような課題を有効に
解決するために案出されたものであり、その目的は、高
品質のカテーテルチューブを容易かつ安価に得ることが
できる新規なカテーテルチューブの製造方法を提供する
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に第一の発明は請求項1に示すように、無着色の熱可塑
性樹脂からなるチューブ体の外面全体に亘って金属編組
を被覆形成した後、その外側からガスを吹き付けながら
YAGレーザ光(波長1.06μm)を照射して上記金
属編組をその長さ方向に亘って間欠的に除去し、その
後、このチューブ体を上記金属編組が除去された部分で
複数に分割するようにしたものである。
【0012】すなわち、カテーテルチューブのベースと
なるチューブ体として無着色の熱可塑性樹脂を用いると
共に、そのチューブ体上の金属編組の一部を除去するに
際してYAGレーザ光を用いることにより、チューブ体
を形成する熱可塑性樹脂に悪影響を与えることなく金属
編組のみを容易かつ確実に除去することができる。しか
も、このYAGレーザ光による金属編組除去に際してガ
スを吹き付けて行うことにより、残された金属編組の切
断面が滑らかとなるため、従来の機械除去方法のように
金属編組端部がバラけて品質が悪化したり、化学除去方
法のように大掛かりの処理設備を要する等といった不都
合を回避することができる。
【0013】また、第二の発明は、請求項2に示すよう
に、無着色の熱可塑性樹脂からなるチューブ体の外面全
体に亘って金属編組を被覆形成すると共にその上にPT
FEディスパージョンをコーティングしてその金属編組
を固定化した後、その外側からガスを吹き付けながらY
AGレーザ光を照射して上記金属編組をその長さ方向に
亘って間欠的に除去し、その後、このチューブ体を上記
金属編組が除去された部分で複数に分割するようにした
ものである。
【0014】すなわち、第一の発明のようにYAGレー
ザ光によって金属編組を除去する前に、予めPTFEデ
ィスパージョンのコーティングによってその金属編組を
チューブ体側に固定化しておくことで、除去処理した残
りの金属編組がその端部から剥がれる等といった不都合
を未然に回避することができる。
【0015】そして、第三の発明は請求項3に示すよう
に、このPTFEディスパージョンとして濃度10〜5
0wt%のものを用いると共に、このPTFEディスパ
ージョンをコーティングするに際して上記金属編組の一
部がその厚さの40〜70%露出するようにコーティン
グするようにしたものであり、金属編組の固定化の最適
な条件を限定したものである。
【0016】また、第四の発明は、請求項4に示すよう
に、上記熱可塑性樹脂として、ポリテトラフルオロエチ
レン(PTFE),ポリエチレンテトラフルオロエチレ
ン共重合体(ETFE),ポリフルオロアルコキシフッ
素樹脂(PFA),四フッ化エチレン六フッ化プロピレ
ン共重合体(FEP),ポリフッ化ビニリデン(PVD
F)のうち、いずれかのフッ素系樹脂を用いるようにし
たものであり、本発明のカテーテルチューブのベースと
なるチューブ体を構成するに最適な樹脂を限定したもの
である。
【0017】さらに、第五の発明は請求項5に示すよう
に、上記ガスとして酸素に代表される活性ガスを用いる
ようにしたものであり、酸素のような活性ガスを用いれ
ば、レーザー加熱された金属材料が酸素と反応して酸化
物となり、レーザー光の吸収率が増加して除去効果をよ
り向上させることが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明を実施する好適一形
態を添付図面を参照しながら説明する。
【0019】図1は、本発明に係るカテーテルチューブ
1の実施の一形態を示す一部破断側面図、図2(A)は
そのA−A断面図、図2(B)はそのB−B断面図であ
る。
【0020】図示するように、このカテーテルチューブ
1は、補強されたチューブ状のトルク伝達部2の先端部
に、弾力性に富んだ挿入先端部3が連続的に形成された
構造となっている。
【0021】このトルク伝達部2は、図1及び図2
(A)に示すように、熱可塑性樹脂からなるチューブ体
4の外側に金属素線5からなる金属編組6が被覆形成さ
れると共に、その外側にさらに同じく熱可塑性樹脂から
なる被覆層7が被覆形成されたものであり、この金属編
組6によってチューブ体4全体が補強されて潰れや曲げ
抵抗が向上して良好なトルク伝達性が発揮されるように
なっている。
【0022】一方、挿入先端部3は、図1及び図2
(B)に示すように、トルク伝達部2のような金属編組
6を有しない構造となっており、これによって良好な弾
力性及び可撓性が発揮されるようになっている。
【0023】従って、このような構造をした本発明のカ
テーテルチューブ1にあっては、トルク伝達部2の挿入
先端部3がトルク伝達部2より連続してその内径及び外
径が完全に一致した構造となっているため、優れた操作
性及び挿入性を発揮することが可能となる。
【0024】次に、このような構造をした本発明のカテ
ーテルチューブ1の製造方法を説明する。
【0025】先ず、図3に示すように、長さが数十m〜
数百mの金属芯線8上に、着色されていない熱可塑性樹
脂を被覆して連続した1本のチューブ体4を形成した
後、図4に示すように、このチューブ体4の外側全体に
亘って編組機(図示せず)を用いて金属編組6を被覆形
成する。尚、この金属編組6を構成する金属素線5の材
質としては、耐食性を有するものであれば特に規定する
ものではないが、ステンレス系やチタン−ニッケル合金
系やチタン合金系、スズ等の合金系が適している。ま
た、金属芯線8にあっては、その断面形状が円形であれ
ばその径の大きさは特に限定されるものでなく、得られ
るカテーテルチューブの大きさによってそれぞれ異なる
ものである。さらに、チューブ体4や金属編組6の厚さ
も同様である。
【0026】次に、図5に示すようにこのチューブ体4
上の金属編組6上に、さらに濃度10〜50wt%のP
TFEディスパージョンをコーティングしてその金属編
組6をチューブ体4側に固定化させる。このとき、この
PTFEディスパージョンのコーティングに際しては、
その金属編組6が完全に隠れるような厚さに被覆するの
ではなく、図示するようにその金属編組6の表層部、す
なわち、その厚さ方向の40〜70%程度が表面に露出
するような厚さに被覆しておく。
【0027】そして、このようにして表層部が露出した
状態で金属編組6をチューブ体4側に固定化したなら
ば、図6に示すようにこのチューブ体4の外側から所定
量のガスを吹き付けながらYAGレーザー光(波長1.
06μm)を照射してその金属編組6の一部を所定の長
さ、すなわち、挿入先端部3の長さ分だけ間欠的に複数
箇所で除去して図7に示すような状態とする。
【0028】すなわち、このように表層部が露出した状
態で固定化された金属編組6に所定量のガスを吹き付け
ながらYAGレーザー光を照射すると、図6に示すよう
に照射された部分の金属編組6が瞬時に加熱されて溶融
すると同時に、吹き付けられるガスの勢いによってこの
溶融金属が一気に吹き飛ばされる。これによってその照
射部の金属編組6が完全に除去されると共に、その切断
面が滑らかになり、残った金属編組6の端末の素線断面
の寸法変化が防止されることになる。従って、このPT
FEディスパージョンをコーティングするに際してこの
金属編組6の全体が完全に隠れるような厚さにコーティ
ングしてしまうと、ガスを勢い良く吹き付けても溶融金
属が完全に除去されなくなり、その一部或いは殆どがチ
ューブ体4上に残ってしまうといった不都合を招く。
【0029】また、ここでこの金属編組6の露出度を4
0〜70%としたのは、40%以下では固定強度が強す
ぎて溶融金属の除去が困難になると共に、YAGレーザ
ー光によるチューブ体4への熱的影響が大きくなるから
であり、また、これが70%以上では露出度が大きすぎ
て金属編組6がチューブ体4側に十分に固定化されず、
除去処理した残りの金属編組6がその端部から剥がれ易
くなってしまうからである。
【0030】また、この固定化に用いるPTFEディス
パージョンの濃度を10〜50wt%としたのは金属編
組6の露出度を制御しやすくするものであり、濃度が1
0wt%より薄いと充分な固定化と編組露出量を得るの
に多数回のコーティング処理を繰り返す必要が生じるか
らであり、また、濃度が50wt%よりも高いと、金属
編組6が埋まりやすく充分な露出が得られなくなるから
である。
【0031】また、この金属編組6の除去にYAGレー
ザー光を用いるのは、金属編組6にレーザー光を吸収さ
せ、その金属素線5を瞬時に溶融除去できるからであ
る。尚、金属芯線8は上述したようにその断面が円形な
ものであれば、種々の金属導体を用いることができる
が、好ましくはその表面が金又は銀メッキされたものを
用いることが好ましい。すなわち、金や銀はYAGレー
ザー光の波長1.06μmを殆ど反射するため、金属編
組6上に照射した際に樹脂(チューブ体4)を透過して
金属芯線8を構成する母材への悪影響を抑制できるから
である。
【0032】また、さらに、この照射部に吹き付けられ
るガスとして酸素のような活性ガスを用いれば、レーザ
ー加熱された金属材料が酸素と反応して酸化物となり、
レーザー光の吸収率が増加して除去効果をより向上させ
ることも可能である。
【0033】そして、このようにして金属編組6の一部
がその長さ方向に亘って間欠的に除去されたならば、さ
らにこのチューブ体4の外側に熱可塑性樹脂等からなる
被覆層7を押出被覆等によって被覆してチューブ体4全
体を覆った後、金属芯線8を延伸縮径させてチューブ体
4から引き抜き、その後、このチューブ体4を図8に示
すように各金属編組除去部の端部でそれぞれ分割するこ
とで、上述したようにトルク伝達部2の先端部に弾力性
に富んだ挿入先端部3が連続的に形成された本発明のカ
テーテルチューブ1が得られる。
【0034】ここで、上述したチューブ体4及び被覆層
7を構成する熱可塑性樹脂としては、加工性、耐食性、
潤滑性等の特性に優れたフッ素系樹脂、例えば、ポリテ
トラフルオロエチレン(PTFE),ポリエチレンテト
ラフルオロエチレン(ETFE),ポリフルオロアルコ
キシフッ素樹脂(PFA),四フッ化エチレン六フッ化
プロピレン共重合体(FEP),ポリフッ化ビニリデン
(PVDF)等の公知のフッ素系樹脂を用いることがで
き、特に好ましいのはPTFE、ETFE、PFAであ
る。ただし、このようなフッ素系樹脂を用いる場合で
も、チューブ体4に適用する際には着色されているもの
は不適当であり、無着色のものを用いる必要がある。す
なわち、着色されていないフッ素系樹脂はYAGレーザ
ー光である波長1.06μmのレーザー光を透過しやす
いからであり、レーザー光の吸収による樹脂への影響を
少なくするためである。
【0035】そして、上述したような本発明の製造方法
によれば、チューブ体を構成する樹脂に影響を及ぼすこ
となく金属編組のみを良好に除去することができると同
時に、その金属編組が除去された端部から金属編組を構
成する金属素線がバラけたりすることがなくなるため、
高品質なカテーテルチューブを容易に且つ確実に得るこ
とができる。また、本発明方法は、比較的容易に入手す
ることができる市販のYAGレーザー装置を用いること
で容易に行うことができるため、従来のような大掛かり
な設備や手間が不要となり、生産性の向上及び製造コス
トの低減化も同時に達成することができる。
【0036】尚、本実施の形態では、金属編組6のチュ
ーブ体4への固定化方法として、PTFEディスパージ
ョンをコーティングするような方法を採用したが、この
金属編組6の露出度を40〜70%にでき、かつ十分に
固定できるのであれば、従来のような金型による加熱や
あるいは他の方法によっても良く、また、場合によって
はこの固定化工程そのものを省略することも可能であ
る。また、本発明方法はカテーテルチューブに対するも
のであるが、極細同軸ケーブルのシールド線の切断にも
そのまま適用することが可能である。
【0037】
【実施例】以下、本発明方法を実証すべく具体的実施例
を説明する。
【0038】(実施例1)先ず、外径0.6φの銀メッ
キ軟銅線からなる金属芯線上に、無着色の水分散型PT
FEディスパージョンの塗布と焼き付けを繰り返して厚
さ0.03mmのチューブ体(PTFE)を製作した
後、このチューブ体の表面に金属素線であるφ0.03
mmのSUS素線16本(1本持ち)をピッチ2.5m
mで編組処理して金属編組を被覆形成し、さらに、この
金属編組上から水分散型PTFEディスパージョンを塗
布焼き付け処理して全長200mのチューブ体を作成し
た。次に、YAGレーザーマーカー(キーエンス製;M
Y−9500)を用い、このチューブ体をその軸部を中
心として一定間隔(編組除去長300mm,非除去長2
500mmの繰り返し)で酸素ガスを吹き付けながら波
長1.06μmのレーザー光を照射した。
【0039】この結果、照射部の金属編組を簡単かつ完
全に除去することができ、しかも、金属編組の端部でバ
ラけ等の不具合を生ずることはなかった。
【0040】(実施例2)外径0.6φの銀メッキ軟銅
線からなる金属芯線上に、無着色のポリフルオロアルコ
キシフッ素樹脂(PFA)を0.05mmの厚さで押し
出し被覆してチューブ体を作製した後、このチューブ体
の表面にφ0.03mmのSUS素線16本(1本持
ち)をピッチ2.5mmで編組処理して金属編組を被覆
形成して全長200mのチューブ体を作成した。
【0041】そして、実施例1と同様にYAGレーザー
を用い、チューブ体上の金属編組に対してレーザー照射
を行ったところ、実施例1と同様に、照射部の編組を完
全に除去することができ、しかも、編組の端部でほぐれ
などの不具合を生ずることはなかった。
【0042】(比較例1)外径0.6φの銀メッキ軟銅
線からなる金属芯線上に、予め赤色に着色したペルフル
オロアルコキシフッ素樹脂(PAT)を厚さ0.05m
mで押し出し被覆してチューブ体を製作した後、このチ
ューブ体の表面に金属素線となるφ0.03mmのSU
S素線16本(1本持ち)をピッチ2.5mmで編組処
理して金属編組を被覆形成して長さ200mのチューブ
体を作成した。
【0043】そして、実施例1と同様にYAGレーザー
を用い、チューブ体上の金属編組に対してレーザー照射
を行ったところ、照射部の金属編組を完全に除去するこ
とはできたが、同時にチューブ体を構成するPAT樹脂
も溶融してしまい、金属芯線が露出してしまった。
【0044】(実施例3)実施例1と同様な方法で得ら
れたチューブ体上の金属編組に対してレーザー照射時に
酸素ガスを一切吹き付けない状態でレーザー照射を行っ
たところ、照射部の金属編組を完全に溶融除去すること
はできたが、残った金属編組の切断面にだれやタマがで
きてしまった。
【0045】
【発明の効果】以上要するに本発明は、金属編組を間欠
的に除去するに際して無色の熱可塑性樹脂とYAGレー
ザー光を用いると共にガスを吹き付けながらレーザー照
射して行うようにしたことから、樹脂に悪影響を及ぼす
ことなく金属編組のみを確実に除去することができる。
その結果、その金属編組が除去された端部から金属素線
がほぐれたりすることがないため、高品質なカテーテル
チューブを容易に且つ確実に得ることができる。また、
本発明方法は、比較的容易に入手することができる市販
のYAGレーザー装置を用いることで簡単に行うことが
できるため、従来のような大掛かりな設備や処理が不要
となり、生産性の向上及び製造コストの低減化も同時に
達成することができる等といった優れた効果を発揮する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るカテーテルチューブの実施の一形
態を示す一部破断側面図である。
【図2】(A)は図1中A−A線拡大断面図である。
(B)は図1中B−B線拡大断面図である。
【図3】金属芯線上にチューブ体を被覆形成した状態を
示す全体概略図である。
【図4】図3に示すチューブ体の全体に金属編組を被覆
形成した状態を示す全体概略図である。
【図5】図4に示す金属編組をPTFEディスパージョ
ンコーティングによりチューブ体上に固定化した状態を
示す拡大断面図である。
【図6】チューブ体上に固定化された金属編組をレーザ
ー光とガスによって除去する状態を示す概念図である。
【図7】チューブ体上の金属編組の一部を間欠的に除去
した状態を示す全体概略図である。
【図8】図7に示すチューブ体をさらに複数に分割して
カテーテルチューブを得た状態を示す全体概略図であ
る。
【符号の説明】
1 カテーテルチューブ 2 トルク伝達部 3 挿入先端部 4 チューブ体 5 金属素線 6 金属編組 7 被覆層 8 金属芯線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 宏幸 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内 (72)発明者 白土 正夫 茨城県日立市日高町5丁目1番1号 日立 電線株式会社日高工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無着色の熱可塑性樹脂からなるチューブ
    体の外面全体に亘って金属編組を被覆形成した後、その
    外側からガスを吹き付けながらYAGレーザ光(波長
    1.06μm)を照射して上記金属編組をその長さ方向
    に亘って間欠的に除去し、その後、このチューブ体を上
    記金属編組が除去された部分で複数に分割するようにし
    たことを特徴とするカテーテルチューブの製造方法。
  2. 【請求項2】 無着色の熱可塑性樹脂からなるチューブ
    体の外面全体に亘って金属編組を被覆形成すると共にそ
    の上にPTFEディスパージョンをコーティングしてそ
    の金属編組を固定化した後、その外側からガスを吹き付
    けながらYAGレーザ光(波長1.06μm)を照射し
    て上記金属編組をその長さ方向に亘って間欠的に除去
    し、その後、このチューブ体を上記金属編組が除去され
    た部分で複数に分割するようにしたことを特徴とするカ
    テーテルチューブの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記PTFEディスパージョンとして濃
    度10〜50wt%のものを用いると共に、このPTF
    Eディスパージョンをコーティングするに際して上記金
    属編組の一部がその厚さの40〜70%露出するように
    コーティングするようにしたことを特徴とする請求項2
    に記載のカテーテルチューブの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記熱可塑性樹脂として、ポリテトラフ
    ルオロエチレン(PTFE),ポリエチレンテトラフル
    オロエチレン共重合体(ETFE),ポリフルオロアル
    コキシフッ素樹脂(PFA),四フッ化エチレン六フッ
    化プロピレン共重合体(FEP),ポリフッ化ビニリデ
    ン(PVDF)のうち、いずれかのフッ素系樹脂を用い
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のカ
    テーテルチューブの製造方法。
  5. 【請求項5】 上記ガスとして酸素を用いることを特徴
    とする請求項1〜4のいずれかに記載のカテーテルチュ
    ーブの製造方法。
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