JP2001160365A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JP2001160365A
JP2001160365A JP2000286564A JP2000286564A JP2001160365A JP 2001160365 A JP2001160365 A JP 2001160365A JP 2000286564 A JP2000286564 A JP 2000286564A JP 2000286564 A JP2000286564 A JP 2000286564A JP 2001160365 A JP2001160365 A JP 2001160365A
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glass
glass panel
film
thickness
face portion
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JP2000286564A
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Toshimasa Kanai
敏正 金井
Tsutomu Imamura
努 今村
Yoshiharu Miwa
義治 三和
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Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスパネルのフェース部の中央と周辺のガ
ラス肉厚の差が大きくても、その中央と周辺の透過率差
が小さく、コントラストが高い陰極線管を提供する。 【解決手段】 この着色膜は、ガラスパネルのフェース
部のガラス肉厚の厚い部分に対応する部分の膜厚が薄
く、またガラスパネルのフェース部のガラス肉厚の薄い
部分に対応する部分の膜厚が厚く、これによってガラス
パネルのフェース部の中央と周辺のガラス肉厚の違いに
よる透過率の差が低減されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビジョン受信機や
パーソナルコンピューター用ディスプレイ等に使用され
る陰極線管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、一般的な陰極線管の構造を示す
一部破断概略説明図である。この陰極線管は、内面に蛍
光膜10を有するガラスパネル11と、このガラスパネ
ル11の背後を形成する漏斗状のファンネル12及び電
子銃を収納するネック13からなるガラスバルブを外囲
器として有している。またガラスバルブの内面には、蛍
光膜10に対向するようにしてシャドーマスク14が配
設されており、電子銃から出た電子線が、シャドーマス
ク14を通して蛍光膜10に照射されることにより、ガ
ラスパネル11の前面部(以下、フェース部という)に
映像が映し出される。
【0003】このような陰極線管は、内部が高い真空状
態となっており、ガラスバルブには圧縮応力と引張応力
が生じているため、ガラスバルブに機械的衝撃が加えら
れると爆縮を起こす危険性がある。このため、一般にガ
ラスパネルのフェース部の肉厚は、陰極線管として十分
な強度を維持する目的で、周辺領域が中央領域より厚く
なっている。
【0004】そのため通常のガラスパネルは、フェース
部の中央領域と周辺領域との間で光透過率に差が生じや
すい。この結果、中央領域に比べて周辺領域の輝度が低
くなり、映像の明るさにムラが生じ、見づらくなる。
【0005】またガラスパネルを構成するガラスの透過
率は、その用途に応じて様々である。ガラスパネルを構
成するガラス自体の透過率が高いほど、フェース部の中
央と周辺の肉厚差に起因する透過率差は小さくなるが、
コントラストは低下する。
【0006】このような背景から、透過率の高いガラス
から作製されたガラスパネルを使用することによって、
その中央領域と周辺領域の透過率差を低減し、さらにフ
ェース部に着色ガラス板を接着剤で貼り付けることによ
って、コントラストを向上することが試みられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで近年、ガラス
パネルの平坦化が要求されつつあり、フェース部の外表
面の対角軸方向における曲率半径を10000mm以上
にすることが試みられている。しかしながら、ガラスパ
ネルのフェース部の曲率半径が大きくなるほど、爆縮の
危険性が高くなるため、上記のようにガラスパネルのフ
ェース部の外表面の対角軸方向における曲率半径を10
000mm以上にする場合には、フェース部の対角軸方
向における周辺のガラス肉厚(te)と、中央のガラス
肉厚(t0)を、1.2≦te/t0≦4.0の式を満足
するように設計している。
【0008】しかしながら、このようにガラスパネルの
フェース部の中央と周辺のガラス肉厚の差があまり大き
くなると、透過率の高いガラスからガラスパネルを作製
しても、その中央と周辺の透過率差を十分に低減するの
が困難になる。
【0009】またガラスパネルのフェース部の肉厚が大
きくなるほど、陰極線管が重くなるが、その前面に着色
ガラス板を貼り付けると、陰極線管の重量がさらに大き
くなり、搬送が困難になるという不具合もある。
【0010】さらに着色ガラス板を貼り付ける際に、接
着剤中に気泡が混入したり、脈理が発生し、映像が見づ
らくなることがある。しかも長期間使用している間に接
着剤が劣化して着色ガラス板が剥離する虞れもある。
【0011】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、ガラスパネルのフェース部の中央と周辺のガラス
肉厚の差が大きくても、その中央と周辺の透過率差が小
さく、しかもコントラストの高い陰極線管を提供するこ
とを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管は、フ
ェース部の中央と周辺の肉厚が異なるガラスパネルを用
いた陰極線管であって、ガラスパネルの外表面には、ス
パッタリング法によって着色膜が形成されており、この
着色膜は、ガラスパネルのフェース部のガラス肉厚の厚
い部分に対応する部分の膜厚が薄く、またガラスパネル
のフェース部のガラス肉厚の薄い部分に対応する部分の
膜厚が厚く、これによってガラスパネルのフェース部の
中央と周辺のガラス肉厚の違いによる透過率の差が低減
されてなることを特徴とする。
【0013】また本発明の陰極線管は、ガラスパネルの
フェース部の外表面の対角軸方向における曲率半径が、
10000mm以上であることを特徴とし、ガラスパネ
ルのフェース部の外表面の対角軸方向における周辺のガ
ラス肉厚をte、中央のガラス肉厚をt0とするとき、
1.2≦te/t0≦4.0の式を満足することを特徴
とし、外表面に着色膜が形成されたガラスパネルのフェ
ース部周辺の総合透過率(ガラスパネルと着色膜を組み
合わせた際の透過率)をTe、中央の総合透過率をT0
とするとき、−5%≦Te−T0≦10%の式を満足す
ることを特徴とし、着色膜がTiNからなる導電性着色
膜であることを特徴とする。
【0014】尚、本発明におけるガラスパネルには、ガ
ラス肉厚が二次元的な分布を有し、フェース部の周囲全
体のガラス肉厚が中央のガラス肉厚に比べて徐々に厚く
なったガラスパネルのみならず、ガラス肉厚が一次元的
な分布を有し、フェース部の長軸側両端部のガラス肉厚
が中央のガラス肉厚に比べて厚くなった、所謂シリンド
リカル型のガラスパネルも含まれる。
【0015】
【作用】本発明の陰極線管において、スパッタリング法
によってガラスパネルの外表面に形成される透明の着色
膜は、ガラスパネルのフェース部のガラス肉厚の厚い部
分に対応する部分の膜厚が薄く、またガラスパネルのフ
ェース部のガラス肉厚の薄い部分に対応する部分の膜厚
が厚くなっているため、従来、特にフェース部の周辺の
みで生じていた輝度の低下がなくなり、フェース部の中
央と周辺の総合透過率の差が低減され(小さくなり)、
両者の透過率を近似させることが可能となる。また着色
膜によってコントラストも向上する。
【0016】そのためガラスパネルのフェース部の外表
面の対角軸方向における曲率半径を10000mm以上
とした場合に、防爆を考慮してガラスパネルのフェース
部の対角軸方向における周辺のガラス肉厚をte、中央
のガラス肉厚をt0とし、外表面に着色膜が形成された
ガラスパネルのフェース部周辺の総合透過率をTe、中
央の総合透過率をT0とするとき、te/t0が1.2以
上となるようにしても、−5%≦Te−T0≦10%の
式を満足させ、実質的に映像の明るさのムラを抑えるこ
とが可能となる。ただし、te/t0が4.0より大き
くなると、陰極線管の重量が大きくなりすぎるため好ま
しくない。
【0017】ガラスパネルのフェース部の中央と周辺の
透過率を近似させるには、ガラスパネルを光透過率の高
いガラスから作製することが望ましい。
【0018】しかしながら、光透過率の高いガラスから
ガラスパネルを作製すると、フェース部の裏面反射率が
高くなり、映像が二重に見えるという問題が発生しやす
い。このような問題を防止するという意味では、光透過
率の低いガラスパネルを使用することが望ましい。
【0019】本発明では、着色膜によってフェース部の
中央と周辺の透過率差を近似させているため、例え光透
過率の低いガラスパネルを使用してもフェース部の中央
と周辺の輝度差を低減することができる。
【0020】ところで陰極線管の発光輝度は、ガラスパ
ネル内面の蛍光膜のストライプ幅の影響も受ける。蛍光
膜は、地磁気によるミスランディングの発生を抑える目
的で、蛍光膜の周辺部のカーボンストライプ幅は中央部
に比べて広く、つまり周辺部の蛍光体ストライプ幅は中
央部に比べて狭くなっているため、フェース部周辺は中
央に比べて発光輝度が低下し、画像周辺が若干暗く見え
る。
【0021】このようなフェース部中央と周辺の輝度差
を考慮すると、Te>T0の式を満足させることが望ま
しい。つまりTe>T0とすることによって、陰極線管
の発光強度の差によって生じるフェース部中央と周辺の
輝度差を補正することができ、表示画像の中央と周辺の
明るさを近似させることができる。また、この場合、ガ
ラスパネルを光透過率の低いガラスから作製すると、表
示画像全体の輝度が低下するため、光透過率の高いガラ
ス、具体的には、肉厚10.16mmで換算した場合の
波長550nmにおける光透過率が70%〜95%のガ
ラスから作製することが好ましい。但し、Te>T0
値が小さすぎると、フェース部中央と周辺の輝度差を十
分に補正することが困難となり、Te>T0の値が大き
すぎると、フェース部周辺の輝度が大きくなりすぎるた
め、1.05≦Te/T0≦1.75となるように規制
することが好ましい。
【0022】本発明の着色膜は、スパッタリング法によ
って形成されるが、ガラスパネルとターゲットとの間に
スパッタ材料の付着量を調整するための遮蔽板を配置し
たり、ガラスパネルの移動速度を調整しながらスパッタ
リングを行うことによってフェース部の外表面に着色膜
を形成すると、フェース部のガラス肉厚の厚い部分に対
応する部分の膜厚が薄く、またガラスパネルのフェース
部のガラス肉厚の薄い部分に対応する部分の膜厚が厚い
着色膜を得ることが可能となる。
【0023】上記スパッタリング法をより詳しく説明す
ると、例えば図1に示すように、ガラスパネル11のフ
ェース部11aの中央付近に対応する部分16aの目開
きが大きく、フェース部11aの周辺付近に対応する部
分16bの目開きが小さいメッシュ状の金属製遮蔽板1
6を、ガラスパネル11と共にターゲット15の前を移
動させながらスパッタリングする方法が適用できる。
【0024】また他の方法としては、図2に示すよう
に、ガラスパネル11とターゲット15との間に、ガラ
スパネル11のフェース部11aの中央付近に対応する
部分の間隔が広く、フェース部11aの短軸方向の両端
部付近に対応する部分の間隔が狭くなるような形状を有
する一対の金属製遮蔽板17、17を配置し、さらにガ
ラスパネル11のフェース部11aの長軸方向の両端部
付近がターゲット15の前を通る際の移動速度が速く、
逆にフェース部11aの中央付近がターゲット15の前
を通る際の移動速度が遅くなるように、ガラスパネル1
1を移動させながらスパッタリングする方法が適用でき
る。
【0025】このようにスパッタリング法を採用するこ
とで、安価で、作業性良く、ガラスパネルのフェース部
の外表面に所望の膜厚を有する着色膜を形成することが
可能となる。
【0026】この着色膜の成膜作業は、ファンネルとガ
ラスパネルとを封合し、陰極線管を組み立てた後にパネ
ルのフェース部に対して行うことができるし、勿論、図
1、2に示したようにファンネルとガラスパネルとを封
合する前に、ガラスパネルに対して行うこともできる
が、後者の方が、ガラスパネル単体に対して成膜するた
め、成膜の設備が過大とならず、作業性も良いため好ま
しい。
【0027】本発明における着色膜の材料としては、ガ
ラスパネルの透過率を低下させ、スパッタリング法によ
って所望の膜厚が得られるものであれば、いずれの材料
も使用でき、例えばTiN、TiO2、Nd23、Ni
O、NbN等が適している。特にTiNからなる着色膜
は、耐熱性に優れ、比抵抗が小さく、しかも比較的容易
に成膜できるため好適である。
【0028】また着色膜の厚みは、使用する膜材料やパ
ネルガラスの形態等によって異なるが、フェース部の中
央における膜厚は、50〜10000Åとし、周辺にお
ける膜厚は、1〜5000Åとするのが適当である。
【0029】さらに本発明においては、上記着色膜に加
えて、屈折率の異なる誘電体膜(例えばSiO2、Si3
4、Nb25、SnO2、Al23、AlN、AlO
N、SiONからなる膜)を積層させて2層以上の多層
膜とすることによって、反射防止性能等を付与すること
も可能である。例えばTiNからなる着色膜の上にSi
2膜を積層すると、導電性と反射防止性に優れた多層
膜が得られ、さらにTiN膜とSiO2膜との間にSi3
4膜を介在させることによって耐熱性を有する多層膜
が得られ、これによって多層膜を熱処理した後の反射率
の変化が小さくなる。
【0030】また上記した着色膜と誘電体膜を積層させ
た5層以上の多層膜とすると、光透過率の高いガラスか
らガラスパネルを作製しても、表面反射率を著しく低下
させ、さらに裏面反射率の上昇を抑え、映像が二重に見
えるのを防止できる。
【0031】さらに2層以上の着色膜を含む導電性反射
防止膜の場合、少なくとも2層の着色膜のフェース部中
央と周辺における膜厚を変化させると、表面反射色度の
ばらつきを抑えることができるという利点がある。つま
り、膜厚を変化させた着色膜が1層だけでは、フェース
部中央と周辺における膜厚の差が非常に大きくなり、着
色膜と反射防止膜との干渉効果により、中央と周辺で表
面反射特性が変化し、表面反射色度の相違による反射色
ムラが生じやすいが、着色膜を2層以上使用すると、各
着色膜の中央と周辺の膜厚の差を小さくすることがで
き、中央と周辺での表面反射色度の相違を抑えることが
できる。因みに、表面反射色度の相違を補正するために
は、誘電体膜のフェース部中央と周辺の膜厚を変化させ
れば良いが、製造条件が複雑になる上、完全に表面反射
色度のばらつきを抑えることは困難である。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
詳細に説明する。
【0033】(実施例1)図3は、本発明の陰極線管
(21インチ)を示す一部破断概略説明図であり、ガラ
スパネル11、ファンネル12及びネック13が封合さ
れたガラスバルブ内に、蛍光膜10、シャドウマスク1
4および電子銃が配置されている。
【0034】この陰極線管のガラスパネル11のフェー
ス部の対角軸方向における中央のガラス肉厚(t0)は
10mm、周辺のガラス肉厚(te)は15mm、フェ
ース部の外表面の対角軸方向における曲率半径は100
000mmであり、フェース部の中央のガラス透過率は
57.5%、周辺のガラス透過率は45.5%である。
【0035】このガラスパネル11のフェース部の外表
面には、導電性を有するTiNからなる着色膜18が形
成されている。この着色膜18の中央の膜厚は、80Å
であり、また周辺の膜厚は、30Åである。さらにこの
着色膜18の上には、Si34膜19とSiO2膜20
が積層され、これによって反射防止性能と耐熱性能を付
与している。尚、Si34膜19とSiO2膜20は、
全体に亘って均一な膜厚を有しており、その膜厚は、各
々30Åと1000Åである。
【0036】このガラスパネル11の着色膜18、Si
34膜19及びSiO2膜20は、次のような方法で作
製した。
【0037】まず、マグネトロンスパッタ成膜装置を用
い、図1に示すような金属製のメッシュ状遮蔽板を、ガ
ラスパネル11と共にターゲットの前を移動させながら
スパッタリングを行い、ガラスパネル11のフェース部
の外表面にTiNからなる着色膜18を成膜した。次い
で同じマグネトロンスパッタ成膜装置を用い、上記した
遮蔽板を使用することなく、スパッタリングを行うこと
によって、TiN膜18の上に、Si34膜19とSi
2膜20を順に成膜した。
【0038】こうして得られた膜付きガラスパネル11
の総合透過率を測定したところ、フェース部の中央の総
合透過率(T0)と周辺の総合透過率(Te)のいずれ
もが40%であり、Te−T0=0%であった。このガ
ラスパネル11を用いた陰極線管の映像を観視したとこ
ろ、明るさにムラは認められなかった。
【0039】またこのガラスパネル11を箱型電気炉に
入れ、450℃、60分間の熱処理を行い、550nm
における表面反射率を測定したところ、1.0%と低
く、優れた反射防止性を有していた。
【0040】(実施例2)フェース部の対角軸方向にお
ける中央のガラス肉厚(t0)が10mm、周辺のガラ
ス肉厚(te)が15mm、フェース部の外表面の対角
軸方向における曲率半径が100000mmであり、フ
ェース部の中央のガラス透過率が80.2%、周辺のガ
ラス透過率が75.2%のガラスパネルの外表面に6層
膜が形成された陰極線管を作製した。
【0041】この6層膜は、実施例1と同じマグネトロ
ンスパッタ成膜装置でスパッタリングを行い、下からS
34膜(全体の膜厚140Å)、TiN膜(中央の膜
厚55Å、周辺の膜厚30Å)、Si34膜(全体の膜
厚700Å)、TiN膜(中央の膜厚50Å、周辺の膜
厚30Å)、Si34膜(全体の膜厚120Å)、Si
2膜(全体の膜厚800Å)の順で積層することによ
って形成した。
【0042】こうして得られた膜付きガラスパネルの総
合透過率を測定したところ、フェース部中央の総合透過
率(T0)が40%、周辺の総合透過率(Te)が48
%であり、Te−T0=8%であった。このガラスパネ
ルを用いた陰極線管の映像を観視したところ、明るさに
ムラは認められなかった。
【0043】またこのガラスパネルを箱型電気炉に入
れ、450℃、60分間の熱処理を行い、中央と周辺の
550nmにおける表面反射率を測定したところ、いず
れも0.1%と極めて低く、非常に優れた反射防止性を
有していた。
【0044】(比較例1)実施例1と同じマグネトロン
スパッタ成膜装置で、遮蔽板を用いることなくスパッタ
リングを行い、実施例1と同じガラスパネルのフェース
の外表面に全体に亘って80Åの均一な膜厚を有するT
iNの着色膜を成膜した。その後、実施例1と同様にS
34膜と、SiO2膜を順に成膜することによって、
フェース部の外表面に3層膜が形成されたガラスパネル
を作製した。
【0045】このガラスパネルを箱型電気炉に入れ、4
50℃、60分間の熱処理を行い、550nmにおける
表面反射率を測定したところ、1.0%と低かった。
【0046】しかしながら、この膜付きガラスパネルの
総合透過率を測定したところ、フェース部の中央の総合
透過率(T0)は40%であったが、周辺の総合透過率
(Te)は32%であり、Te−T0=−8%であっ
た。このガラスパネルを用いて陰極線管を作製し、その
映像を観視したところ、明るさにムラがあった。
【0047】(比較例2)実施例1と同じマグネトロン
スパッタ成膜装置でスパッタリングを行い、実施例2と
同じガラスパネルのフェース部の外表面に6層膜を形成
した。この6層膜は、下からSi34膜(全体の膜厚1
40Å)、TiN膜(中央の膜厚55Å、周辺の膜厚1
5Å)、Si34膜(全体の膜厚700Å)、TiN膜
(全体の膜厚50Å)、Si34膜(全体の膜厚120
Å)、SiO2膜(全体の膜厚800Å)の順で積層す
ることによって形成した。
【0048】こうして得られた膜付きガラスパネルの総
合透過率を測定したところ、フェース部中央の総合透過
率(T0)が40%、周辺の総合透過率(Te)が48
%であり、Te−T0=8%であった。このガラスパネ
ルを用いた陰極線管の映像を観視したところ、明るさに
ムラは認められなかった。
【0049】しかしながら、このガラスパネルを箱型電
気炉に入れ、450℃、60分間の熱処理を行い、中央
と周辺の550nmにおける表面反射率を測定したとこ
ろ、中央は0.1%、周辺は1.0%であり、反射色度
にも大きな変化が認められ、外観上も中央と周辺で反射
色ムラが生じた。
【0050】尚、上記したガラスパネルの透過率は、分
光光度計により測定した波長380〜780mmの視感
平均透過率を適用し、また表面反射率は、瞬間マルチ反
射率測定器を用いて15°正反射を測定したものであ
る。
【0051】
【発明の効果】以上のように本発明の陰極線管は、フェ
ース部の中央と周辺とでガラス肉厚が異なるガラスパネ
ルを使用しているが、着色膜によってフェース部の中央
と周辺との間の透過率の差が低減する。そのため、フェ
ース部の中央領域と周辺領域の輝度差が小さくなり、映
像の明るさにムラが生じることはない。また着色膜によ
ってコントラストも向上する。
【0052】さらに本発明の陰極線管は、ガラスパネル
の外表面に着色膜を形成してなるため、着色ガラス板を
使用する場合に比べると、重量の増加が格段に小さく、
長期間に亘って良好な映像面を保つことができ、しかも
着色膜がスパッタリング法で成膜されるため、安価で、
作業性良く、所望の膜厚を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の陰極線管を作製するのに適したスパッ
タリング法の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の陰極線管を作製するのに適したスパッ
タリング法の他の例を示す説明図である。
【図3】本発明の陰極線管を示す一部破断概略説明図で
ある。
【図4】一般的な陰極線管の構造を示す一部破断概略説
明図である。
【符号の説明】
11 ガラスパネル 12 ファンネル 13 ネック 15 ターゲット 16、17 遮蔽板 18 着色膜 19 Si34膜 20 SiO2

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェース部の中央と周辺の肉厚が異なる
    ガラスパネルを用いた陰極線管であって、ガラスパネル
    の外表面には、スパッタリング法によって着色膜が形成
    されており、この着色膜は、ガラスパネルのフェース部
    のガラス肉厚の厚い部分に対応する部分の膜厚が薄く、
    またガラスパネルのフェース部のガラス肉厚の薄い部分
    に対応する部分の膜厚が厚く、これによってガラスパネ
    ルのフェース部の中央と周辺のガラス肉厚の違いによる
    透過率の差が低減されてなることを特徴とする陰極線
    管。
  2. 【請求項2】 ガラスパネルのフェース部の外表面の対
    角軸方向における曲率半径が、10000mm以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の陰極線管。
  3. 【請求項3】 ガラスパネルのフェース部の対角軸方向
    における周辺のガラス肉厚をte、中央のガラス肉厚を
    0とするとき、1.2≦te/t0≦4.0の式を満足
    することを特徴とする請求項1又は2記載の陰極線管。
  4. 【請求項4】 外表面に着色膜が形成されたガラスパネ
    ルのフェース部周辺の総合透過率をTe、中央の総合透
    過率をT0とするとき、−5%≦Te−T0≦10%の式
    を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の陰極線管。
  5. 【請求項5】 着色膜が、TiNからなる導電性着色膜
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の陰極線管。
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