JP2002100308A - 陰極線管 - Google Patents

陰極線管

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JP2002100308A
JP2002100308A JP2000285844A JP2000285844A JP2002100308A JP 2002100308 A JP2002100308 A JP 2002100308A JP 2000285844 A JP2000285844 A JP 2000285844A JP 2000285844 A JP2000285844 A JP 2000285844A JP 2002100308 A JP2002100308 A JP 2002100308A
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glass panel
film
thickness
glass
face portion
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Toshimasa Kanai
敏正 金井
Tsutomu Imamura
努 今村
Yoshiharu Miwa
義治 三和
Shigeyoshi Ito
茂嘉 伊藤
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Nippon Electric Glass Co Ltd
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Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラスパネルのフェース部の中央と周辺のガ
ラス肉厚差が大きくても、その中央と周辺の透過率差が
小さく、コントラストが高く、しかもフェース部中央と
周辺の表面反射色度のばらつきを抑え、反射色ムラの発
生を防止できる陰極線管を提供する。 【解決手段】 少なくとも2層の着色膜は、ガラスパネ
ルのフェース部のガラス肉厚の厚い部分に対応する部分
の膜厚が薄く、またガラスパネルのフェース部のガラス
肉厚の薄い部分に対応する部分の膜厚が厚く、これによ
ってガラスパネルのフェース部の中央と周辺のガラス肉
厚の違いによる透過率の差が低減されてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、テレビジョン受信機や
パーソナルコンピューター用ディスプレイ等に使用され
る陰極線管に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図4は、一般的な陰極線管の構造を示す
一部破断概略説明図である。この陰極線管は、内面に蛍
光膜10を有するガラスパネル11と、このガラスパネ
ル11の背後を形成する漏斗状のファンネル12及び電
子銃を収納するネック13からなるガラスバルブを外囲
器として有している。またガラスバルブの内面には、蛍
光膜10に対向するようにしてシャドーマスク14が配
設されており、電子銃から出た電子線が、シャドーマス
ク14を通して蛍光膜10に照射されることにより、ガ
ラスパネル11の前面部(以下、フェース部という)に
映像が映し出される。
【0003】このような陰極線管は、内部が高い真空状
態となっており、ガラスバルブには圧縮応力と引張応力
が生じているため、ガラスバルブに機械的衝撃が加えら
れると爆縮を起こす危険性がある。このため、一般にガ
ラスパネルのフェース部の肉厚は、陰極線管として十分
な強度を維持する目的で、周辺領域が中央領域より厚く
なっている。
【0004】そのため通常のガラスパネルは、フェース
部の中央領域に比べて周辺領域のガラス肉厚が厚いた
め、両者間で光透過率に差が生じやすい。この結果、中
央領域に比べて周辺領域の輝度が低くなり、映像の明る
さにムラが生じ、見づらくなる。
【0005】またガラスパネルを構成するガラスの透過
率は、その用途に応じて様々である。ガラスパネルを構
成するガラス自体の透過率が高いほど、フェース部の中
央と周辺の肉厚差に起因する透過率差は小さくなるが、
コントラストは低下する。
【0006】このような背景から、透過率の高いガラス
から作製されたガラスパネルを使用することによって、
その中央領域と周辺領域の透過率差を低減し、さらにフ
ェース部に着色ガラス板を接着剤で貼り付けることによ
って、コントラストを向上することが試みられている。
【0007】ところで近年、ガラスパネルの平坦化が要
求されつつあり、フェース部の外表面の対角軸方向にお
ける曲率半径を10000mm以上にすることが試みら
れている。しかしながら、ガラスパネルのフェース部の
曲率半径が大きくなるほど、爆縮の危険性が高くなるた
め、上記のようにガラスパネルのフェース部の外表面の
対角軸方向における曲率半径を10000mm以上にす
る場合には、フェース部の対角軸方向における周辺の肉
厚(te)と、中央の肉厚(t0)を、1.2≦te/
0≦4.0の式を満足するように設計している。
【0008】しかしながら、このようにガラスパネルの
フェース部の中央と周辺の肉厚差があまり大きくなる
と、透過率の高いガラスからガラスパネルを作製して
も、その中央と周辺の透過率差を十分に低減するのが困
難になる。
【0009】またガラスパネルのフェース部の肉厚が大
きくなるほど、陰極線管が重くなるが、その前面に着色
ガラス板を貼り付けると、陰極線管の重量がさらに大き
くなり、搬送が困難になるという不具合もある。
【0010】さらに着色ガラス板を貼り付ける際に、接
着剤中に気泡が混入したり、脈理が発生し、映像が見づ
らくなることがある。しかも長期間使用している間に接
着剤が劣化して着色ガラス板が剥離する虞れもある。
【0011】このような事情から、本出願人は、特開平
11−283529号において、フェース部のガラス肉
厚の厚い部分の膜厚が薄く、フェース部のガラス肉厚の
薄い部分に対応する部分の膜厚が厚い着色膜がガラスパ
ネル外表面に形成された陰極線管を提案している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】特開平11−2835
29号の陰極線管は、着色膜によってフェース部中央と
周辺のガラス肉厚の違いによる透過率の差を小さくする
ことができ、また高いコントラストが得られるが、ガラ
スパネルのフェース部周辺と中央のガラス肉厚の差が非
常に大きい場合には、着色膜の周辺と中央の膜厚差を大
きくする必要がある。このような膜厚差の大きい着色膜
の外層に反射防止膜を積層すると、着色膜と反射防止膜
との干渉効果により、中央と周辺で表面反射特性が変化
し、表面反射色度の相違による反射色ムラが生じやすい
という問題がある。
【0013】このような表面反射色度の相違を補正する
ためには、着色膜に加えて、誘電体膜を積層し、この誘
電体膜のフェース部中央と周辺の膜厚も変化させれば良
いが、製造条件が複雑になる上、完全に表面反射色度の
ばらつきを抑えることは困難である。
【0014】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、ガラスパネルのフェース部の中央と周辺のガラス
肉厚差が大きくても、その中央と周辺の透過率差が小さ
く、コントラストが高く、しかもフェース部中央と周辺
の表面反射色度のばらつきを抑え、反射色ムラの発生を
防止できる陰極線管を提供することを目的とするもので
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管は、フ
ェース部の中央と周辺の肉厚が異なるガラスパネルを用
いた陰極線管であって、ガラスパネルの外表面には、2
層以上の着色膜を含む多層膜が形成されており、少なく
とも2層の着色膜は、ガラスパネルのフェース部のガラ
ス肉厚の厚い部分に対応する部分の膜厚が薄く、またガ
ラスパネルのフェース部のガラス肉厚の薄い部分に対応
する部分の膜厚が厚く、これによってガラスパネルのフ
ェース部の中央と周辺のガラス肉厚の違いによる透過率
の差が低減されてなることを特徴とする。
【0016】また本発明の陰極線管は、ガラスパネルの
フェース部の外表面の対角軸方向における曲率半径が、
10000mm以上であることを特徴とし、ガラスパネ
ルのフェース部の外表面の対角軸方向における周辺の肉
厚をte、中央の肉厚をt0とするとき、1.2≦te
/t0≦4.0の式を満足することを特徴とし、外表面
に多層膜が形成されたガラスパネルのフェース部周辺の
総合透過率(ガラスパネルと多層膜を組み合わせた際の
透過率)をTe、中央の総合透過率をT0とするとき、
−5%≦Te−T0≦10%の式を満足することを特徴
とし、着色膜がTiNからなる導電性着色膜であること
を特徴とする。
【0017】尚、本発明におけるガラスパネルには、ガ
ラス肉厚が二次元的な分布を有し、フェース部の周囲全
体の肉厚が中央の肉厚に比べて徐々に厚くなったガラス
パネルのみならず、ガラス肉厚が一次元的な分布を有
し、フェース部の長軸側両端部の肉厚が中央部の肉厚に
比べて厚くなった、所謂シリンドリカル型のガラスパネ
ルも含まれる。
【0018】
【作用】本発明の陰極線管においては、ガラスパネルの
外表面に2層以上の着色膜を含む多層膜が形成されてお
り、少なくとも2層の透明着色膜は、ガラスパネルのフ
ェース部のガラス肉厚の厚い部分に対応する部分の膜厚
が薄く、またガラスパネルのフェース部のガラス肉厚の
薄い部分に対応する部分の膜厚が厚くなっているため、
従来、特にフェース部の周辺のみで生じていた輝度の低
下がなくなり、フェース部の中央と周辺の透過率の差が
低減され(小さくなり)、両者の透過率を近似させるこ
とが可能となる上、さらに各々の着色膜のフェース部中
央と周辺の膜厚差を小さくすることができるため、両者
間の表面反射色度の相違を抑えることができ、反射色ム
ラの発生を防止することが可能である。また着色膜によ
ってコントラストも向上する。
【0019】そのためガラスパネルのフェース部の外表
面の対角軸方向における曲率半径を10000mm以上
とした場合に、防爆を考慮してガラスパネルのフェース
部の対角軸方向における周辺の肉厚をte、中央の肉厚
をt0とし、外表面に着色膜が形成されたガラスパネル
のフェース部周辺の総合透過率をTe、中央の総合透過
率をT0とするとき、te/t0が1.2以上となるよう
にしても、−5%≦Te−T0≦10%の式を満足さ
せ、実質的に映像の明るさのムラを抑えることが可能と
なる。ただし、te/t0が4.0より大きくなると、
陰極線管の重量が大きくなりすぎるため好ましくない。
【0020】またガラスパネルのフェース部の中央と周
辺の透過率を近似させるには、ガラスパネルを光透過率
の高いガラスから作製することが望ましいが、光透過率
の高いガラスからガラスパネルを作製すると、フェース
部の裏面反射率が高くなり、映像が二重に見えるという
問題が発生しやすい。このような問題を解消するには、
2層以上の着色膜に加えて、それとは屈折率の異なる誘
電体膜を適宜積層すれば良い。
【0021】ところで陰極線管の発光輝度は、ガラスパ
ネル内面の蛍光膜のストライプ幅の影響も受ける。蛍光
膜は、地磁気によるミスランディングの発生を抑える目
的で、蛍光膜の周辺部のカーボンストライプ幅は中央部
に比べて広く、つまり周辺部の蛍光体ストライプ幅は中
央部に比べて狭くなっているため、フェース部周辺は中
央に比べて発光輝度が低下し、画像周辺が若干暗く見え
る。
【0022】このようなフェース部中央と周辺の輝度差
を考慮すると、Te>T0の式を満足させることが望ま
しい。つまりTe>T0とすることによって、陰極線管
の発光強度の差によって生じるフェース部中央と周辺の
輝度差を補正することができ、表示画像の中央と周辺の
明るさを近似させることができる。また、この場合、ガ
ラスパネルを光透過率の低いガラスから作製すると、表
示画像全体の輝度が低下するため、光透過率の高いガラ
ス、具体的には、肉厚10.16mmで換算した場合の
波長550nmにおける光透過率が70%〜95%のガ
ラスから作製することが好ましい。但し、Te>T0
値が小さすぎると、フェース部中央と周辺の輝度差を十
分に補正することが困難となり、Te>T0の値が大き
すぎると、フェース部周辺の輝度が大きくなりすぎるた
め、1.05≦Te/T0≦1.75となるように規制
することが好ましい。
【0023】本発明の着色膜は、スパッタリング法、ス
ピンコート法、スプレーコート法によって形成できる。
例えば、スパッタリング法で成膜する場合には、ガラス
パネルとターゲットとの間にスパッタ材料の付着量を調
整するための遮蔽板を配置したり、ガラスパネルの移動
速度を調整しながらスパッタリングを行うことによって
フェース部の外表面に着色膜を形成すると、フェース部
のガラス肉厚の厚い部分に対応する部分の膜厚が薄く、
またガラスパネルのフェース部のガラス肉厚の薄い部分
に対応する部分の膜厚が厚い着色膜を得ることが可能と
なる。
【0024】スパッタリング法について、より詳しく説
明すると、例えば図1に示すように、ガラスパネル11
のフェース部11aの中央付近に対応する部分16aの
目開きが大きく、フェース部11aの周辺付近に対応す
る部分16bの目開きが小さいメッシュ状の金属製遮蔽
板16を、ガラスパネル11と共にターゲット15の前
を移動させながらスパッタリングする方法が適用でき
る。
【0025】また他の方法としては、図2に示すよう
に、ガラスパネル11とターゲット15との間に、ガラ
スパネル11のフェース部11aの中央付近に対応する
部分の間隔が広く、フェース部11aの短軸方向の両端
部付近に対応する部分の間隔が狭くなるような形状を有
する一対の金属製遮蔽板17、17を配置し、さらにガ
ラスパネル11のフェース部11aの長軸方向の両端部
付近がターゲット15の前を通る際の移動速度が速く、
逆にフェース部11aの中央付近がターゲット15の前
を通る際の移動速度が遅くなるように、ガラスパネル1
1を移動させながらスパッタリングする方法が適用でき
る。
【0026】またスピンコート法で着色膜を成膜する場
合には、ガラスパネルのフェース部の肉厚の薄い部分の
温度を、肉厚の厚い部分の温度より高くした状態で回転
させながら、その外表面の中心に着色コート液を滴下し
て塗布、乾燥すれば良い。着色コート液の付着量は、ガ
ラスパネルの温度が高い部分ほど多くなるため、ガラス
パネルのフェース部の肉厚の厚い部分から薄い部分に向
かうに従って、形成される着色膜の膜厚は厚くなる。
【0027】さらにスプレーコート法で着色膜を成膜す
る場合には、スプレー塗布装置を用いて、ガラスパネル
のフェース部に着色コート液をスプレー塗布する。この
際、ガラスパネルの長軸方向に(必要に応じて短軸方向
にも)スプレー塗布装置を移動させ、その移動速度を、
フェース部の肉厚の薄い部分で遅く、フェース部の肉厚
の厚い部分で早くすると、ガラスパネルのフェース部の
肉厚の厚い部分から薄い部分に向かうに従って、形成さ
れる着色膜の膜厚は厚くなる。
【0028】このような着色膜の成膜作業は、ガラスパ
ネルをファンネルに封合し、陰極線管を組み立てた後に
パネルのフェース部に対して行うことができるし、勿
論、図1、2に示したようにファンネルを封合する前の
ガラスパネルに対して行うこともできるが、後者の方
が、ガラスパネル単体に対して成膜するため、成膜の設
備が過大とならず、作業性も良いため好ましい。
【0029】本発明における着色膜の材料としては、ガ
ラスパネルの透過率を低下させ、所望の膜厚が得られる
ものであれば、いずれの材料も使用でき、例えばスパッ
タリング法では、TiN、TiO2、Nd23、Ni
O、NbN等が適しており、特にTiNからなる着色膜
は、耐熱性に優れ、比抵抗が小さく、しかも比較的容易
に成膜できるため好適である。またスピンコート法、ス
プレーコート法では、Au、Ag、白金族の元素及びそ
れらの化合物から選ばれる物質を含む着色膜が適してい
る。尚、白金族の元素とは、Ru、Rh、Pd、Os、
Ir、Ptの6元素である。
【0030】また着色膜の厚みは、使用する膜材料やパ
ネルガラスの形態等によって異なるが、フェース部の中
央における膜厚は、50〜10000Åとし、周辺にお
ける膜厚は、1〜5000Åとするのが適当である。
【0031】さらに本発明においては、上記着色膜に加
えて、屈折率の異なる誘電体膜(例えばSiO2、Si3
4、Nb25、SnO2、Al23、AlN、AlO
N、SiONからなる膜)を積層させて3層以上の多層
膜とすることによって、優れた反射防止特性が得られ
る。例えばTiNからなる着色膜の上にSiO2膜を積
層すると、導電性と反射防止性に優れた多層膜が得ら
れ、さらにTiN膜とSiO 2膜との間にSi34膜を
介在させることによって耐熱性を有する多層膜が得ら
れ、これによって多層膜を熱処理した後の反射率の変化
が小さくなる。
【0032】また裏面反射率を低くするためには、着色
膜と誘電体膜を5層以上積層させることが望ましく、例
えば誘電体膜(Si34等)、着色膜(TiN等)、誘
電体膜(Si34等)、着色膜(TiN等)、誘電体膜
(SiO2等)からなる多層膜や、誘電体膜(Si34
等)、着色膜(TiN等)、誘電体膜(Si34等)、
着色膜(TiN等)、誘電体膜(Si34)、誘電体膜
(SiO2等)からなる多層膜や、着色膜(TiN
等)、誘電体膜(Si34等)、着色膜(TiN等)、
誘電体膜(Si34)、誘電体膜(SiO2等)からな
る多層膜が好適である。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
詳細に説明する。
【0034】(実施例)図3は、本発明の陰極線管(2
1インチ)を示す一部破断概略説明図であり、ガラスパ
ネル11、ファンネル12及びネック13が封合された
ガラスバルブ内に、蛍光膜10、シャドウマスク14お
よび電子銃が配置されている。
【0035】この陰極線管のガラスパネル11のフェー
ス部の対角軸方向における中央の肉厚(t0)は10m
m、周辺の肉厚(te)は15mm、フェース部の外表
面の対角軸方向における曲率半径は100000mmで
あり、フェース部の中央のガラス透過率は80.2%、
周辺のガラス透過率は75.2%である。
【0036】このガラスパネル11のフェース部の外表
面には、下からSi34膜(全体の膜厚140Å)、T
iN膜(中央の膜厚55Å、周辺の膜厚30Å)、Si
34膜(全体の膜厚700Å)、TiN膜(中央の膜厚
55Å、周辺の膜厚30Å)、Si34膜(全体の膜厚
120Å)、SiO2膜(全体の膜厚800Å)からな
る6層の多層膜18が形成されている。
【0037】このガラスパネル11の多層膜18は、次
のような方法で作製した。
【0038】まず、マグネトロンスパッタ成膜装置を用
い、着色膜については、図1に示すような金属製のメッ
シュ状遮蔽板を、ガラスパネル11と共にターゲットの
前を移動させながらスパッタリングを行い、ガラスパネ
ル11のフェース部の外表面に中央と周辺で膜厚の異な
る膜を成膜した。またその他の透明誘電体膜について
は、同じマグネトロンスパッタ成膜装置を用い、上記し
た遮蔽板を使用することなく、スパッタリングを行うこ
とによって均一な膜厚を有する膜を成膜した。
【0039】こうして得られた膜付きガラスパネル11
の総合透過率を測定したところ、フェース部の中央の総
合透過率(T0)が40%、周辺の総合透過率(Te)
が48%であり、Te−T0=8%であった。このガラ
スパネル11を用いた陰極線管の映像を観視したとこ
ろ、明るさにムラは認められなかった。
【0040】またこのガラスパネル11を箱型電気炉に
入れ、450℃、60分間の熱処理を行い、550nm
における表面反射率を測定したところ、1.0%と低
く、優れた反射防止性を有しており、表面反射色度にも
変化は認められなかった。
【0041】(比較例)実施例と同じマグネトロンスパ
ッタ成膜装置でスパッタリングを行い、実施例と同じガ
ラスパネルのフェース部の外表面に6層の多層膜を形成
した。この多層膜は、下からSi34膜(全体の膜厚1
40Å)、TiN膜(中央の膜厚55Å、周辺の膜厚1
5Å)、Si34膜(全体の膜厚700Å)、TiN膜
(全体の膜厚50Å)、Si34膜(全体の膜厚120
Å)、SiO2膜(全体の膜厚800Å)の順で積層す
ることによって形成した。
【0042】こうして得られた膜付きガラスパネルの総
合透過率を測定したところ、フェース部中央の総合透過
率(T0)が40%、周辺の総合透過率(Te)が48
%であり、Te−T0=8%であった。このガラスパネ
ルを用いた陰極線管の映像を観視したところ、明るさに
ムラは認められなかった。
【0043】しかしながら、このガラスパネルを箱型電
気炉に入れ、450℃、60分間の熱処理を行い、中央
と周辺の550nmにおける表面反射率を測定したとこ
ろ、中央は0.1%、周辺は1.0%であり、表面反射
色度にも大きな変化が認められ、外観上も中央と周辺で
反射色ムラが生じた。
【0044】尚、上記したガラスパネルの透過率は、分
光光度計により測定した波長380〜780mmの視感
平均透過率を適用し、また表面反射率は、瞬間マルチ反
射率測定器を用いて15°正反射を測定したものであ
る。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明の陰極線管は、フェ
ース部の中央と周辺とで肉厚が異なるガラスパネルを使
用しているが、中央と周辺で膜厚の異なる2層以上の着
色膜が形成されてなるため、フェース部の中央と周辺と
の間の透過率の差が低減する。そのため、フェース部の
中央領域と周辺領域の輝度差が小さくなり、映像の明る
さにムラが生じることはない。またフェース部中央と周
辺での表面反射色度の相違を抑えることができ、さらに
コントラストも向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の陰極線管を作製するのに適したスパッ
タリング法の一例を示す説明図である。
【図2】本発明の陰極線管を作製するのに適したスパッ
タリング法の他の例を示す説明図である。
【図3】本発明の陰極線管を示す一部破断概略説明図で
ある。
【図4】一般的な陰極線管の構造を示す一部破断概略説
明図である。
【符号の説明】
11 ガラスパネル 12 ファンネル 13 ネック 15 ターゲット 16、17 遮蔽板 18 多層膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 茂嘉 滋賀県大津市晴嵐2丁目7番1号 日本電 気硝子株式会社内 Fターム(参考) 5C032 AA02 DD02 DE01 DE03 DF05 DG01 DG02 DG04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェース部の中央と周辺の肉厚が異なる
    ガラスパネルを用いた陰極線管であって、ガラスパネル
    の外表面には、2層以上の着色膜を含む多層膜が形成さ
    れており、少なくとも2層の着色膜は、ガラスパネルの
    フェース部のガラス肉厚の厚い部分に対応する部分の膜
    厚が薄く、またガラスパネルのフェース部のガラス肉厚
    の薄い部分に対応する部分の膜厚が厚く、これによって
    ガラスパネルのフェース部の中央と周辺のガラス肉厚の
    違いによる透過率の差が低減されてなることを特徴とす
    る陰極線管。
  2. 【請求項2】 ガラスパネルのフェース部の外表面の対
    角軸方向における曲率半径が、10000mm以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の陰極線管。
  3. 【請求項3】 ガラスパネルのフェース部の対角軸方向
    における周辺の肉厚をte、中央の肉厚をt0とすると
    き、1.2≦te/t0≦4.0の式を満足することを
    特徴とする請求項1又は2記載の陰極線管。
  4. 【請求項4】 外表面に多層膜が形成されたガラスパネ
    ルのフェース部周辺の総合透過率をTe、中央の総合透
    過率をT0とするとき、−5%≦Te−T0≦10%の式
    を満足することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
    記載の陰極線管。
  5. 【請求項5】 着色膜が、TiNからなる導電性着色膜
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の陰極線管。
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