JP2001159746A - プラスチックレンズ染色方法及び染色レンズ - Google Patents

プラスチックレンズ染色方法及び染色レンズ

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JP2001159746A JP34436599A JP34436599A JP2001159746A JP 2001159746 A JP2001159746 A JP 2001159746A JP 34436599 A JP34436599 A JP 34436599A JP 34436599 A JP34436599 A JP 34436599A JP 2001159746 A JP2001159746 A JP 2001159746A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 種々のグラデーション状の染色が得られると
ともに、出来上がりにむらのないグラデーション状の染
色が効率よく容易に得られるプラスチックレンズの染色
方法、及びその方法を用いて得られる染色レンズを提供
する。 【解決手段】 昇華性色素を溶解又は微粒子分散させた
染色用用材を電子計算機にて設定した色データに基づい
て基体上に色濃度が変化するように塗布するステップ
と、染色用用材が塗布された基体の塗布面をプラスチッ
クレンズと非接触に対向させて配置するステップと、基
体を加熱することにより昇華性色素を昇華させ、昇華性
色素をプラスチックレンズに接触させることにより、プ
ラスチックレンズ表面に濃度勾配を有する染色を行なう
ステップと、を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、染色レンズ及びそ
の製造方法に関し、さらに詳しくは種々のグラデーショ
ンが得られる染色レンズ及びその染色方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、眼鏡用のレンズに対して染色を
行う方法として、浸漬染色方法(以下「浸染法」とい
う)が多く用いられている。この浸染法は、分散染料の
赤、青、黄の三原色を混合して水中に分散させた染色液
を調合し、この染色液を90℃程度に加熱し、その中に
プラスチックレンズを浸漬して染色を行うものである。
【0003】また、この浸染法に代わる方法として、気
相法による染色方法が提案されている。この気相法は固
形昇華性染料を加熱して昇華させ、同じく加熱状態にあ
るプラスチックレンズを染色するというものである。こ
れらの染色方法を用いてレンズに濃度勾配を有するグラ
デーション状の染色を行なうには、前者の浸染法ではレ
ンズの浸漬の時間を部分的に変えていくことでレンズ表
面に付着する染料の濃度勾配ができるようにしている。
また、後者の気相法では蒸着源とレンズとの間に遮断板
を設置し、蒸発した染料を部分的に遮断しながら徐々に
遮断板を動かすことによってグラデーションを形成する
方法がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記に
記した浸染法では、グラデーションの濃度調節が難し
く、同じ条件で染色を行なっても出来上がりが不揃いに
なり易い。また、遮断版を用いた気相法での蒸着方法も
制御が難しく、レンズにグラデーションの染色を行なう
には効率が悪い。さらに、グラデーションにも濃淡の付
け方によって種々のグラデーションが考えられるが、現
状の染色方法ではこれら種々のグラデーションを満足い
くように染色することは困難であった。
【0005】本発明は種々のグラデーション状の染色が
得られるとともに、出来上がりにむらのないグラデーシ
ョン状の染色が効率よく容易に得られるプラスチックレ
ンズの染色方法、及びその方法を用いて得られる染色レ
ンズを提供することを技術課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は以下のような構成を備えることを特徴とす
る。
【0007】(1) 昇華性色素を溶解又は微粒子分散
させた染色用用材を電子計算機にて設定した色データに
基づいて基体上に色濃度が変化するように塗布するステ
ップと、前記染色用用材が塗布された前記基体の塗布面
をプラスチックレンズと非接触に対向させて配置するス
テップと、前記基体を加熱することにより昇華性色素を
昇華させ、該昇華性色素を前記プラスチックレンズに接
触させることにより、前記プラスチックレンズ表面に濃
度勾配を有する染色を行なうステップと、を有すること
を特徴とする。
【0008】(2) (1)のプラスチックレンズの染
色方法において、前記基体はプリンタにより前記染色用
用材が塗布されることを特徴とする。
【0009】(3) (2)のレンズの染色方法におい
て、前記基体はインクジェット方式を用いて印刷を行な
う印刷手段により染色用用材を塗布されることを特徴と
する。
【0010】(4) (1)のプラスチックレンズの染
色方法は、実際のプラスチックレンズ側に予定する染色
後の濃度勾配に対して、前記基体上に塗布する色データ
の濃度勾配は異なることを特徴とする。
【0011】(5) (4)のプラスチックレンズの染
色方法において、前記プラスチックレンズ側に略直線的
な変化の濃度勾配を予定する場合には、前記基体上の印
刷領域の過半域が同一色濃度にて印刷され、前記印刷領
域の残りの領域が前記色濃度と異なる色濃度にて印刷さ
れることを特徴とする。
【0012】(6) (1)のプラスチックレンズの染
色方法において、前記プラスチックレンズの染色面側の
幾何中心と昇華用基体との距離は5〜30mmの範囲で
あることを特徴とする。
【0013】(7) (1)〜(6)のプラスチックレ
ンズの染色方法において、前記基体から昇華性色素を昇
華させている間は、周囲の雰囲気が略真空雰囲気である
ことを特徴とする。
【0014】(8) (1)〜(7)のプラスチックレ
ンズの染色方法において、前記プラスチックレンズに昇
華性色素を接触し染色させた後、加熱により前記昇華性
色素を前記プラスチックレンズに定着させることを特徴
とする。
【0015】(9) (1)〜(8)のプラスチックレ
ンズの染色方法を用いて染色されることにより得られる
眼内レンズであることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参考にしつつ説明する。図5は染色方法の流れを示し
たフローチャート、図6は使用する染色用治具等を示し
た概略図である。
【0017】本発明の実施の形態では、紙に印刷(塗
布)した染料を真空蒸着にてプラスチックレンズに蒸着
させる気層法による染色を行なう。初めにグラデーショ
ン用印刷基体の作製を行なう。昇華性染料として、ウペ
ポ(株)の分散染料インキ赤、青、黄、黒色(水性)の
計4色を使用した。このインキを市販のインクジェット
プリンタ用のインクカートリッジにそれぞれ入れ、イン
クジェットプリンタにこのカートリッジを装着する。イ
ンクジェットプリンタは市販のものを使用する。
【0018】次に、このインクジェットプリンタを使用
して、濃度勾配を持たせた所望の色(ここではグラデー
ション模様)を印刷するために、市販されているパーソ
ナルコンピュータ(以下PCという)を使用して、プリ
ントする際の色相、彩度、明度等(以後、色データとす
る)の調製を行なう。色データの調製はPCのドローソ
フト、CCMソフト(コンピュータ・カラー・マッチン
グ用ソフト)等により行う。濃度勾配はドローソフト等
に備えられているグラデーション機能により得ることが
できる。また、好みに応じたグラデーションを予め設定
しておき、PC内に独自のグラデーションデータ(色デ
ータ)として保存しておくことも考えられる。このよう
にPC内に色データとして保存させておくことで、必要
になったときに何度でも同じ色データが得られる。
【0019】図1はインクジェットプリンタによって染
料が印刷された印刷基体1を示す図である。プリンタに
市販の白紙3(上質PPC用紙)を入れ、PCを操作して
色データを調製して印刷を行う。プリンタから出力され
た白紙3には図1に示すように着色層2が印刷され、プ
ラスチックレンズを染色するための印刷基体1が得られ
る。このように、染料を紙に印刷しこれを染色用の基体
とするため、浸染法で使用する液体の染料に比べ取り扱
いが大変容易になるとともに、染色後の廃液等の処理問
題もなくなる。また、従来の気相法で使用する固形染料
と比べても昇華させるための分量や、染色濃度(色濃
度)等の調節などが容易にできる。
【0020】また、グラデーション状の染色を行う場
合、着色層2の印刷形状や色相等の色データは所望する
グラデーションの種類に応じて若干異なってくる。例え
ば、プラスチックレンズに濃度勾配が直線的なグラデー
ション状の染色を行なう場合、着色層2の印刷形状はレ
ンズ形状に合せた完全な円形の印刷ではなく、図1のよ
うに円形の一部が切り取られたような略半円形状にて印
刷されるのが好ましい。このようなプラスチックレンズ
に染色されるグラデーションと、白紙3に印刷される着
色層2の印刷形状との関係は実施例にて説明する。
【0021】図2は真空蒸着機20の内部に置かれ、印
刷基体1を用いてプラスチックレンズを染色するための
染色用治具の機構を示した概略断面図である。
【0022】11は円筒形の形状をしたレンズ支持台で
ある。レンズ支持台11の上部には載置台12が取り付
けられ、図のように載置台12の内壁に設けられている
載置部12aにプラスチックレンズ10が凸面を下にし
て載せられる。プラスチックレンズ10の材質は、ポリ
カーボネート系樹脂(例えば、ジエチレングリコールビ
スアリルカーボネート重合体(CR−39))、ポリウ
レタン系樹脂、アリル系樹脂(例えば、アリルジグリコ
ールカーボネート及びその共重合体、ジアリルフタレー
ト及びその共重合体)、フマル酸系樹脂(例えば、ベン
ジルフマレート共重合体)、スチレン系樹脂、ポリメチ
ルアクリレート系樹脂、繊維系樹脂(例えば、セルロー
スプロピオネート)等が用いられている。
【0023】13は印刷基体1を載せるための円筒の形
状を有する基体支持台であり、その内筒にレンズ支持台
11が収まるように置かれる。14は基体押さえであ
り、基体支持台13の上部に載せられた印刷基体1を基
体押さえ14と基体支持台13とで挟み込むことによ
り、印刷基体1が動かないようにしっかりと固定保持す
る。15は真空蒸着機20内に設けられたハロゲンラン
プであり、このハロゲンランプ15を点灯させることで
印刷基体1の表面を加熱し、着色層2の染料を昇華させ
る。ここでは印刷基体1の表面を加熱させればよいの
で、ハロゲンランプに限ること無くヒーターを使用して
もよい。
【0024】また、気層法にてプラスチックレンズ10
を染色するにあたっては、印刷基体1とプラスチックレ
ンズ10との間が極端に狭いと染料の分散が十分に行わ
れず、レンズ表面の染色がむらとなって蒸着する傾向が
ある。従って、プラスチックレンズ10の染色面側の幾
何中心から印刷基体1までの距離は最低5mm程度離し
ておくことが好ましい。
【0025】また、反対にプラスチックレンズ10の染
色面と印刷基体1との間が離れすぎると、プラスチック
レンズ10への染色濃度が薄くなってしまい、所望する
染色濃度が得られ難くなる。また、気層中で染料の粒子
が均一に分散されず、反対に互いに集結するため、プラ
スチックレンズ10の染色面にてむらになって蒸着する
傾向がある。このような点から、プラスチックレンズ1
0の染色面側の幾何中心から印刷基体1までの距離は5
〜30mmが好ましく、さらに好ましくは5〜20mm
である。
【0026】このような染色用治具を真空蒸着機20の
中に入れ、プラスチックレンズ10の染色を行なう。ポ
ンプ21にて真空蒸着機20内を真空状態とする。真空
状態は133Pa(1mmHg)〜6.66KPa(5
0mmHg)程度とすればよい。また、133Paを下
回っても差し支えないが、高性能排気装置を必要とす
る。さらに、装置内の気圧が高ければ高い程、染料を昇
華させるのに必要な温度が高くなるため、圧力の上限は
6.66KPaまでが望ましい。さらに望ましくは1.
33〜4KPaである。
【0027】真空状態後、ハロゲンランプ15の熱源を
使用して上方から印刷基体1を加熱させ、染料を昇華さ
せる。加熱温度は印刷基体1上で100℃を下回ると基
体から染料が昇華し難くなり、また、200℃を上回る
と高温による染料の変質やレンズの変形が生じ易くな
る。従って加熱温度は100〜200℃の間が良いが、
レンズの材料に合せてできるだけ高い温度を選ぶように
するとよい。
【0028】ここで、昇華に当たって加熱を行う場合の
温度をできるだけ高温とするのは、所望の色相及び濃さ
に発色させるための加熱時間を短くすることができ、生
産性を向上することができるからである。
【0029】真空蒸着機20内で蒸着を行なった後、染
色されたプラスチックレンズ10を取り出してオーブン
に入れ、常圧下にて加熱し染料を定着させる。この工程
はプラスチックレンズ10の耐熱温度以下で、できるだ
け高温に設定された温度にオーブン内を加熱し、所望の
色相及び濃度を得るために予め定めておいた時間が経過
した後にオーブン内からプラスチックレンズ10を取り
出すといった手順で実行される。実際の加熱温度は50
〜150℃、加熱時間は30分〜1時間程である。
【0030】また、プラスチックレンズ10にグラデー
ション状の染色を行なう場合、その階調はレンズの着色
領域から無着色領域に至るまで、直線的な濃度勾配にな
るように染色を行なうのが一般的である。しかしなが
ら、グラデーションが直線的な濃度勾配となるような着
色層が印刷された印刷基体1を用いてプラスチックレン
ズ10に染色を行った場合、実際の気相法による染色に
おいては印刷基体1とプラスチックレンズ10との間に
所定の距離をもたせて染色を行なうため、染料が昇華中
に分散してしまうことにより、プラスチックレンズ10
に蒸着した染料の濃度勾配は直線的にならない。
【0031】このように、印刷基体1に印刷されたグラ
デーションと実際のプラスチックレンズ10に染色した
グラデーションとでは異なった濃度勾配が得られるた
め、事前にその相関性を把握しておく必要がある。
【0032】以下に、本実施の形態を用いた場合におけ
るグラデーションの染色の実施例を挙げ、印刷基体上の
着色層の形状、色相における実際のレンズ上でのグラデ
ーション染色状態との対応を図3、図4を用いて以下に
説明する。
【0033】<実施例1>実施例で使用されるプラスチ
ックレンズの基材はCR−39を使用した。PCの操作
により、インクジェットプリンタ(エプソンMJ-520C)
を使用して予め設定しておいた色相及び濃度にて白紙4
0に図3(a)に示すような着色層41を印刷し、印刷
基体50aとした。印刷に使用したインキは昇華性染料
(ウペポ(株)の分散染料インキ赤、青、黄、黒色(水
性))を使用した。また、着色層41はグラデーション
の濃度勾配がほぼ直線となるような色データにて印刷さ
れている。
【0034】印刷した色(R、G、B)はPC内のドロ
ーソフトによってR=0、G=255、B=255とし
た。ここでは色の配合を(R、G、B)=(0、25
5、255)としているが、これに限るものではなく、
色の配合は好みに応じて適宜選択すればよい。
【0035】このようにして得た印刷基体50aを真空
蒸着機20内にて図2に示した染色用治具に取り付けて
染色を行う。プラスチックレンズの染色面側の幾何中心
と印刷基体50aとの距離は15mmとした。ポンプ2
1にて真空蒸着機20内の気圧を1.33KPaまで下
げた後、ハロゲンランプ15にて印刷基体50aの表面
温度を200℃まで加熱させる。図示なき温度センサに
より印刷基体50aの付近の温度を測定し、200℃到
達と同時にハロゲンランプの電源を切り、染料を昇華、
蒸着させた。その後、真空蒸着機20内の気圧を常圧に
戻した後、染色されたプラスチックレンズ10の色を定
着させるためにオーブン内にて135℃、30分程おい
た。定着後、外観不良、色むら、色抜け等がなく目的の
色と一致しているかという観点で目視観察を行ったが、
いずれも問題はなく、きれいなグラデーション状の染色
レンズが得られた。
【0036】<実施例2>実施例1と同じ手法にて印刷
基体50bを製作した。ただし、白紙40上に印刷され
る着色層42は、図3(b)に示すように単色の濃度勾
配を有さない半円状の形状とし、PCのドローソフトに
おいて明度255、色相180、彩度255となる色デ
ータにて印刷されたものである。
【0037】得られた印刷基体50bを使用して実施例
1と同じ染色用治具を用いてプラスチックレンズ10に
染色を行った。プラスチックレンズ10は実施例1と同
様の材料を使用し、染色条件も実施例1と同じ条件とし
た。染色後、外観不良、色むら、色抜け等がなく目的の
色と一致しているかという観点で目視観察を行ったが、
いずれも問題はなく、きれいなグラデーション状の染色
レンズが得られた。
【0038】<実施例3>実施例1と同じ手法にて印刷
基体50cを製作した。ただし、白紙40上に印刷され
る着色層43は、図3(c)に示すように着色層43全
域の2/3程度(着色層43a)が単色の濃度勾配を有
さない色データ(明度255、色相180、彩度25
5)であり、残りの1/3程度(着色層43b)が着色
層43aと同色、同濃度から始まり、濃度勾配がほぼ直
線的に減少するようなグラデーションとする色データに
基づいて略半円状に印刷されたものである。
【0039】得られた印刷基体50cを使用して実施例
1と同じ染色用治具を用いてプラスチックレンズ10に
染色を行った。プラスチックレンズ10は実施例1と同
様の材料を使用し、染色条件も実施例1と同じ条件とし
た。染色後、外観不良、色むら、色抜け等がなく目的の
色と一致しているかという観点で目視観察を行ったが、
いずれも問題はなく、きれいなグラデーション状の染色
レンズが得られた。
【0040】<実施例4>実施例1と同じ手法にて印刷
基体50dを製作した。ただし、白紙40上に印刷され
る着色層44は、図3(d)に示すように着色層44全
域の2/3程度の領域(着色層44a)が、明度25
5、色相180、彩度255の色データに基づいて印刷
され、残りの1/3程度の領域(着色層44b)が、着
色層44aに印刷された昇華性染料の色濃度に比べ、約
半分の濃さとなる色データにて印刷を行った。
【0041】得られた印刷基体50dを使用して実施例
1と同じ染色用治具を用いてプラスチックレンズ10に
染色を行った。プラスチックレンズ10は実施例1と同
様の材料を使用し、染色条件も実施例1と同じ条件とし
た。染色後、外観不良、色むら、色抜け等がなく目的の
色と一致しているかという観点で目視観察を行ったが、
いずれも問題はなく、きれいなグラデーション状の染色
レンズが得られた。
【0042】また、実施例1〜実施例4(印刷基体50
a〜印刷基体50d)にて染色されたプラスチックレン
ズ10の透過率をそれぞれ測定した。測定方法は最も濃
く染色されている側から5mmステップ毎に分光光度計
(旭分光MODEL304)にて測定した。
【0043】その結果を図4のパターン別透過率勾配の
グラフに示す。横軸は測定位置、縦軸は透過率を示す。
グラフ中のa〜dはそれぞれ印刷基体50a〜50dに
て染色されたレンズの結果をプロットしたものである。
図4に示すように、どの印刷基体50a〜50dを用い
ても、プラスチックレンズ14にはグラデーション状の
染色がなされるが、例えば印刷基体50aでは濃い部分
が少なく、さらに急激に薄くなっていくようなグラデー
ションパターンが、また、印刷基体50c、50dは濃
度勾配が一定のグラデーションパターンが、さらに印刷
基体50bは濃い部分が多くあり、その後急激に薄くな
るようなグラデーションパターンがそれぞれ得られ易
い。
【0044】従来の染色方法では、このような細かな染
色を行うことは非常に難しかったが、この染色方法では
このように予め色データ等の条件を設定してPC内に保
存しておき、必要なときに色データを呼び出し、印刷基
体を製作すれば、所望するグラデーションパターンを簡
単に得ることができる。また、本実施例では着色層の形
状(印刷形状)を略円形状または略半円形状としている
が、これに限るものではなく、例えば四角状やその他の
形状であってもよい。
【0045】以上のように、上記実施例では水性インキ
を使用したが、油性インキを使用しても同じような効果
が得られる。油性インキの場合、インクカートリッジの
ヘッド部分が乾燥して詰まりやすいため、ピエゾ方式に
よるインクジェットで印刷を行うのが好ましい。
【0046】また、印刷基体の加熱方法は上側から行っ
ているがこれに限るものではなく、板側、横からの加熱
においても同じように染料の昇華をさせることができ
る。
【0047】さらに、染料を印刷するものは白紙を使用
しているがこれに限るものではなく、プリンタ等に使用
することが可能であるとともに、昇華時の温度に耐えう
る材質のものであれば使用することが可能である。
【0048】さらにまた、本実施の形態で使用されたデ
ータ出力装置はインクジェット方式のプリンタであった
がこれに限るものではなく、昇華型のプリンタやインク
カートリッジに換えてトナーカートリッジを用いたレー
ザプリンタ、さらにはプロッター等のPCからのデータ
を出力する出力装置を使用することができる。
【0049】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、濃度の
調製が容易で常に安定した色相のプラスチックレンズの
染色を行うと共に、作業環境を損なわずに快適に染色作
業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】白紙に昇華性色素を印刷した印刷基体の模式図
である。
【図2】実施例で使用する染色用治具の該略図である。
【図3】実施例で使用する印刷基体を示した図である。
【図4】実施例1〜4にて染色を行ったプラスチックレ
ンズの透過率勾配を示すグラフである。
【図5】印刷基体の作成から染色完了までの流れを示す
フローチャートである。
【図6】本実施形態に使用される装置全体を示す図であ
る。
【符号の説明】
1 印刷基体 2 着色層 3 白紙 10 レンズ 11 レンズ支持台 12 載置台 13 基体支持台 14 基体押さえ 15 ハロゲンランプ 20 真空蒸着機

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 昇華性色素を溶解又は微粒子分散させた
    染色用用材を電子計算機にて設定した色データに基づい
    て基体上に色濃度が変化するように塗布するステップ
    と、前記染色用用材が塗布された前記基体の塗布面をプ
    ラスチックレンズと非接触に対向させて配置するステッ
    プと、前記基体を加熱することにより昇華性色素を昇華
    させ、該昇華性色素を前記プラスチックレンズに接触さ
    せることにより、前記プラスチックレンズ表面に濃度勾
    配を有する染色を行なうステップと、を有することを特
    徴とするプラスチックレンズの染色方法。
  2. 【請求項2】 請求項1のプラスチックレンズの染色方
    法において、前記基体はプリンタにより前記染色用用材
    が塗布されることを特徴とするプラスチックレンズの染
    色方法。
  3. 【請求項3】 請求項2のレンズの染色方法において、
    前記基体はインクジェット方式を用いて印刷を行なう印
    刷手段により染色用用材を塗布されることを特徴とする
    プラスチックレンズの染色方法。
  4. 【請求項4】 請求項1のプラスチックレンズの染色方
    法は、実際のプラスチックレンズ側に予定する染色後の
    濃度勾配に対して、前記基体上に塗布する色データの濃
    度勾配は異なることを特徴とするプラスチックレンズの
    染色方法。
  5. 【請求項5】 請求項4のプラスチックレンズの染色方
    法において、前記プラスチックレンズ側に略直線的な変
    化の濃度勾配を予定する場合には、前記基体上の印刷領
    域の過半域が同一色濃度にて印刷され、前記印刷領域の
    残りの領域が前記色濃度と異なる色濃度にて印刷される
    ことを特徴とするプラスチックレンズの染色方法。
  6. 【請求項6】 請求項1のプラスチックレンズの染色方
    法において、前記プラスチックレンズの染色面側の幾何
    中心と昇華用基体との距離は5〜30mmの範囲である
    ことを特徴とするレンズの染色方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のプラスチックレンズの染
    色方法において、前記基体から昇華性色素を昇華させて
    いる間は、周囲の雰囲気が略真空雰囲気であることを特
    徴とするプラスチックレンズの染色方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のプラスチックレンズの染
    色方法において、前記プラスチックレンズに昇華性色素
    を接触し染色させた後、加熱により前記昇華性色素を前
    記プラスチックレンズに定着させることを特徴とするプ
    ラスチックレンズの染色方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のプラスチックレンズの染
    色方法を用いて染色されることにより得られることを特
    徴とする染色レンズ。
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