JP2017155380A - 皮革の染色方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 多様なデザインパターンを施すことのでき、染色の再現性を向上させることができる皮革の染色方法を提供する。【解決手段】 昇華性染料が塗布された基体の塗布面を、染料保持層が塗布された皮革に対して対向させる第一工程と、基体を加熱することにより昇華性染料を昇華させ、皮革の染色予定面に昇華性染料を付着させる第二工程と、第二工程にて昇華性染料が付着した皮革を加熱して昇華性染料を定着させる第三工程と、を有する。【選択図】 図1

Description

本開示は、皮革の染色方法に関するものである。
従来、皮革を用いて種々の形状に加工された皮革の成形品が知られている。このような皮革から成型品に対して、染料を用いて皮革に染色をすることで皮革の成形品のデザイン性を向上させている。例えば、皮革を染色する方法としては、染料を含む溶液に皮革を浸漬することによって染色する方法(特許文献1参照)、加工者がハンドメイドで皮革の表面に染料を塗布することによって染色する方法等が行われている。
特開平04−316685号公報
しかしながら、従来の染色方法によって染色される皮革は、単色のデザインや単純なデザインのものしかなく、デザイン性に乏しかった。また、複数の皮革に対して同一のデザインパターンにて染色を行う場合に、複数の皮革に対して再現性良く同一のデザインパターンにて染色を行うことが困難であった。
本開示は、上記問題点を鑑み、多様なデザインパターンを施すことのでき、染色の再現性を向上させることができる皮革の染色方法を提供することを技術課題とする。
上記課題を解決するために、本開示は以下のような構成を備えることを特徴とする。
本開示に係る第1態様の皮革の染色方法は、昇華性染料が塗布された基体の塗布面を、染料保持層が塗布された皮革に対して対向させる第一工程と、前記基体を加熱することにより前記昇華性染料を昇華させ、前記皮革の染色予定面に前記昇華性染料を付着させる第二工程と、前記第二工程にて前記昇華性染料が付着した皮革を加熱して前記昇華性染料を定着させる第三工程と、を有することを特徴とする。
本実施形態の染色方法の流れを示したフローチャートである。 本実施形態の染色方法に用いる染色システムを示した概略図である。 着色層が印刷された印刷基体を示す図である。 本実施形態における皮革について説明する図である。 本実施形態の染色システムで用いる真空気相転写機の内部の様子を概略的に示した構成図である。
以下、本実施形態について図面を用いて説明する。図1は本実施形態の染色方法の流れを示したフローチャート、図2は本実施形態の染色方法に用いる染色システムを示した概略図である。
なお、本実施形態においては、皮革を例に挙げて説明する。例えば、加工者は、皮革から所定の領域を切り出し、切り出した皮革を種々の形状に加工することによって、皮革の成形品(皮革製品)を製造する。すなわち、加工者は、製造する成形品(例えば、バッグ、財布、靴等)に応じて、少なくとも1つの皮革から製造する成形品に応じた領域を切り出し、皮革の成形品を製造している。
例えば、染色を行う皮革は、事前に種々の処理が施されている皮革を用いてもよい。また、例えば、染色を行う皮革は、事前に種々の処理が施されていない皮革であってもよい。
もちろん、例えば、皮革の染色が完了した後に、種々の処理を施してもよい。例えば、種々の処理とは、皮革に対して施される処理(例えば、塗装処理(カラーコート処理)、トップコート処理等)である。例えば、塗装処理とは、皮革に塗装層を形成させ、皮革の発色を良好にするために行われる処理である。例えば、トップコート処理とは、塗装処理によって形成された塗装層が剥がれ落ちることを抑制するために、皮革の最表面にコーティング層を形成する処理である。
以下、皮革の染色方法について説明する。例えば、本実施形態においては、塗装処理が施された皮革を染色する場合を例に挙げて説明する。なお、本実施形態においては、皮革の染色が完了した後、トップコート処理が実施される。
例えば、図2に示されるように、染色システムは大別して、パーソナルコンピュータ(電子計算機)30と、印刷基体出力ユニット40と、真空気相転写機20と、加熱装置(オーブン)50と、を備える。もちろん、染色システムとしては、上記構成の少なくともいずれか1つを備える構成であってもよい。例えば、印刷基体出力ユニット40は、インクジェットプリンタ42(出力手段)からなる。例えば、真空気相転写機20は、昇華性染料(昇華性染料)が塗布された印刷基体3を加熱して昇華性染料を皮革10に付着させるために用いられる。例えば、加熱装置50は、昇華性染料が付着された皮革10を加熱し定着させるために用いられる。
例えば、本実施形態の染色方法においては、染料塗布工程、皮革処理工程、第一工程、第二工程、第三工程、が実施される。例えば、皮革処理工程は、染料保持層を皮革に塗布させる工程である。例えば、染料塗布工程は、昇華性染料を基体上に塗布させる工程である。例えば、第一工程は、昇華性染料が塗布された基体の塗布面を、染料保持層が塗布された皮革に対して対向させる工程である。例えば、第二工程は、基体を加熱することにより昇華性染料を昇華させ、皮革の染色予定面に昇華性染料を付着させる工程である。例えば、第三工程は、第二工程にて昇華性染料が付着した皮革を加熱して昇華性染料を定着させる工程である。例えば、本実施形態における染色方法は、第一工程、第二工程、第三工程の順序で行われる。また、例えば、第一工程の前に皮革処理工程が行われる。また、例えば、第一工程の前に染料塗布工程が行われる。なお、染料塗布工程及び皮革処理工程は、第一工程の前に実施されればよく、いずれの工程を先に実施してもよい。
なお、皮革の染色方法としては、第一工程、第二工程、第三工程、が実施されるようにすればよい。すなわち、皮革の染色方法としては、第一工程、第二工程、第三工程が少なくとも実施されればよい。この場合、例えば、染料塗布工程を実施する代わりに、事前に準備された印刷基体3を用いて染色が行われる。また、この場合、例えば、皮革処理工程を実施する代わりに、事前に染料保持層が塗布された皮革を用いて染色が行われる。もちろん、染料塗布工程及び皮革処理工程の少なくともいずれかが染色方法として実施されるようにしてもよい。
以下、染色方法について詳細に説明する。
<染料塗布工程>
染料塗布工程(印刷基体の作製工程)について説明する。なお、本実施形態においては、染料塗布工程は、昇華性染料を基体上に色濃度が変化するように塗布させる場合を例に挙げて説明する。より詳細には、例えば、本実施形態においては、デザインデータの一例として、濃度勾配を有したグラデーション模様のグラフィックデザインの染色を皮革10に行う方法を挙げて説明する。この場合、第二工程は、基体を加熱することにより昇華性染料を昇華させ、皮革の染色予定面に濃度勾配を有した状態にて昇華性染料を付着させる。
例えば、染料付着部によって、昇華性染料を基体に塗布させる。本実施形態においては、染料付着部として、印刷基体出力ユニット40が用いられる。例えば、加工者は、印刷基体出力ユニット40を用いてグラデーション用印刷基体の作製を行う。
例えば、本実施例において、昇華性染料は、少なくとも赤、青、黄、3色の染料が使用される。もちろん、これら以外の色が使用されてもよい。なお、例えば、昇華性染料はインキの溶媒に溶解されていてもよい。例えば、このインキを市販のインクジェットプリンタ用のインクカートリッジ41にそれぞれ入れ、インクジェットプリンタ42にこのカートリッジ41を装着する。例えば、インクジェットプリンタ42は市販のものが使用可能である。なお、例えば、昇華性染料は、昇華時の熱に耐え得る耐熱性を有するものが用いられることが好ましい。一例として、本実施形態では、キノフタロン系昇華性染料またはアントラキノン系昇華性染料が用いられる(例えば、染料の一例については、特開2004−326018号公報、特開2003−185982号公報等を参照されたし)。なお、本実施形態において、染料付着部としては、インクジェットプリンタを使用する場合を例に挙げて説明しているが、これに限定されない。例えば、染料付着部としては、レーザプリンター等の昇華性染料を基体上に塗布(出力)させることのできる出力機器を用いることができる。
次に、例えば、このインクジェットプリンタ42を使用して所望の色(本実施形態においては、濃度勾配を有したグラデーション模様)をプリントさせるために、パーソナルコンピュータ30(以下PCという)を使用して、プリントされる色相及び濃度の調製を行う。例えば、色相の調製は、PC30に用意されているドローソフトやCCM(コンピュータカラーマッチング)等により行うため、所望する色データをPC30内に保存しておくことができ、必要になったときに何度でも同じ色調が得られるようになっている。また、例えば、色の濃淡は、デジタル管理されるため、必要なときに何回でも同じ濃度の色を得ることができる。なお、例えば、濃度勾配は、ドローソフト等に備えられているグラデーション機能により取得することができる。また、例えば、好みに応じたグラデーションを予め設定しておき、PC30内に独自のグラデーションデータ(色データ)として、保存させておくようにしてもよい。なお、例えば、本実施形態においては、所望の色として、濃度勾配を有したグラデーション模様を例に挙げて説明するがこれに限定されない。例えば、所望の色としては、種々のデザイン(例えば、単色のデザイン、画像等)をプリントすることができる。
例えば、昇華性染料を印刷する基体には、紙、金属板(例えば、アルミ、鉄、銅、等)、ガラス、等を用いる構成が挙げられる。以下の説明においては、基体は、紙を例に挙げて説明する。また、本実施形態においては、例えば、基体は、シート状の基体が用いられる。例えば、プリンタ42に基体1を入れ、PC30の操作により、予め設定しておいた色相及び濃度にて印刷を行う。
例えば、図3に示すように、印刷された基体1に着色層2が印刷された印刷基体3が作製される。例えば、グラデーション模様の染色を皮革に行う場合、着色層2は皮革の形状、大きさに合わせて基体1上に所定の濃度勾配になるように連続的に印刷される。
なお、1つの皮革10から複数の皮革の成形品を製造する場合には、着色層2は、基体1上に、複数の皮革の成形品を製造する際に必要となる領域に分けた際の各染色予定領域を合わせた領域よりも大きな領域となる基体1上の所定範囲の全体に着色層2を形成(印刷)する。これは、1つの印刷基体3を用いて複数の皮革の成形品を形成するために、複数の皮革の成形品用の昇華性染料の付着を皮革10へ同時に行うためである。以上のようにして、染料塗布工程が実施され、印刷基体3が作製される。
なお、本実施形態においては、基体1上の所定範囲の全体に着色層2を形成する場合を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、皮革の成形品を製造するために、少なくとも皮革10から切り出される領域に対応する基体1上の所定範囲おいて、着色層2が形成されるようにしてもよい。この場合、例えば、基体1上の一部の第1領域に着色層2が形成されるとともに、基体1上の一部の領域であって、第1領域とは異なる第2領域に着色層2が形成されるようにしてもよい。
<皮革処理工程>
次いで、皮革処理工程について説明する。例えば、皮革処理工程は、染料保持層を皮革に塗布させる工程である。図4は、本実施形態における皮革10について説明する図である。例えば、本実施形態において、皮革10には、染色保持層11、塗装層12、等が形成されている。例えば、皮革10の上面に塗装層12が形成されている。例えば、塗装層12の上面には染料保持層11が形成されている。もちろん、皮革10に形成される層としては、これに限定されない。例えば、皮革10としては、少なくとも染料保持層11が形成されていればよい。
例えば、染料保持層11は、染料を安定して保持することができる。例えば、染料保持層11が皮革10に塗布されていることによって、皮革10に染料を直接付着させた場合に比べて、安定した状態で染料を皮革10に保持することができる。すなわち、例えば、皮革に対して、染料保持層を塗布する工程を行うことによって、皮革に対して良好に染色を行うことができる。
なお、染料保持層11が皮革10に塗布されている状態とは、皮革10に少なくとも染料保持層が設けられている状態であればよい。例えば、染料保持層11が皮革10の最上面に塗布されている状態であってもよい。また、例えば、染料保持層11の上面にさらに異なる層(例えば、トップコート処理によるコーティング層等)が形成されている状態であってもよい。なお、本実施形態においては、染料保持層11が皮革10の最上面に塗布されている状態を例に挙げて説明する。本実施形態において、例えば、皮革10の最上面に染料保持層11が塗布されていることで、昇華した染料が染料保持層11に直接付着するため、染料保持層11が染料を保持しやすくなる。これによって、皮革をより良好に染色することができる。もちろん、皮革の染色処理完了後に、異なる層を形成するようにしてもよい。
例えば、染料保持層11としては、ポリウレタン樹脂、ポリメタアクリル酸エステル樹脂、及びニトロセルロース、の少なくともいずれかが用いられる。例えば、染料保持層として、リウレタン樹脂、ポリメタアクリル酸エステル樹脂、及びニトロセルロース、の少なくともいずれかを用いることによって、皮革の染色をより良好に行うことができる。もちろん、染料保持層としては、ポリウレタン樹脂、ポリメタアクリル酸エステル樹脂、及びニトロセルロース、の少なくともいずれかに限定されない。染料保持層としては、皮革10に染料を直接付着させた場合に比べて、安定した状態で染料を皮革10に保持することができる材料であればよい。
なお、染料保持層11が形成される領域としては、皮革10において、少なくとも染料が付着される領域を含む領域であればよい。もちろん、染料保持層11の形成領域は適宜変更することができる。
例えば、染料保持層11は、種々の方法によって、皮革10に塗布(付着)することができる。なお、種々の方法とは、染料保持層11が、皮革10に付着する構成であればよい。例えば、染料保持層11は、筆、ローラ、又はスプレー等を備えた塗布装置によって、塗布するようにしてもよい。また、例えば、染料保持層11は、加工者によって、筆、ローラ、又はスプレー等を用いて、皮革10に塗布するようにしてもよい。また、例えば、染料保持層10は、インジェクトプリンタによって皮革10に印刷することによって塗布するようにしてもよい。以上のようにして、皮革処理工程が実施され、皮革10に染料保持層が形成される。
なお、本実施形態においては、皮革10に染料保持層11を形成させる場合を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、皮革10に形成されるその他の層が、染料保持層11を兼用する場合であってもよい。この場合、例えば、その他の層(例えば、塗装層12、コーティング層等)が染料保持層11の材料を含んでいる構成であればよい。例えば、トップコート処理において、コーティング層を形成するコーティング剤として染料保持層11の材料が含まれるコーティング剤を用いる場合に、皮革10に形成されるコーティング層が染料保持層11を兼ねることができる。なお、この場合、染色される皮革10としては、トップコート処理が事前に実施されている皮革10が用いられるようにしてもよい。
<第一工程>
次いで、第一工程について説明する。例えば、第一工程として、昇華性染料が塗布された印刷基体3の塗布面を、染料保持層11が塗布された皮革10に対して対向させる。図5は本実施形態の染色システムで用いる真空気相転写機(気相転写機)20の内部の様子を概略的に示した構成図である。
例えば、真空気相転写機20は、真空気相転写機20内を真空にするためのロータリーポンプ17、真空気相転写機20内を大気圧に戻すためのバルブ18を有する。また、真空気相転写機20内には印刷基体3を加熱するための加熱ユニット15を備える。本実施形態では加熱ユニット15としてハロゲンランプを用いている。もちろん、加熱ユニット15としては、ハロゲンランプに限定されない。例えば、加熱ユニット15は、ハロゲンランプの代わりに、紫外線、マイクロ波等の他の波長の電磁波を発生させる構成を使用してもよい。
また、例えば、真空気相転写機20は、基体支持台13、基体押さえ14等を備える。例えば、基体支持台13は、印刷基体3を皮革10に対して非接触で対向させつつ、印刷基体3を固定保持させるためのユニットである。例えば、基体支持台13は、その上部に印刷基体3を載せることのできる大きさで形成された枠形状の部材である。
例えば、本実施形態において、第一工程は、昇華性染料が塗布された印刷基体3の塗布面を、染料保持層11が塗布された皮革10に対して、非接触に対向させる。より詳細には、例えば、本実施形態において、基体支持台13の内側(枠内)には、皮革10が収められる(配置される)。例えば、基体支持台13は、印刷基体3と皮革10とが所定の間隔を持って非接触に対向して配置可能な高さを有している。例えば、基体支持台13の内側に配置される皮革10は、皮革10の染色予定面が印刷基体3に対向するように配置される。例えば、基体押さえ14は、基体支持台13の上部に載せられた印刷基体3を上部から押さえることにより固定保持させるために用いられる。
このように、例えば、昇華性染料が塗布された印刷基体3の塗布面を、染料保持層11が塗布された皮革10に対して、非接触に対向させることによって、昇華性染料を昇華させるために印刷基体3を加熱した際の熱が皮革10に伝導されてしまうことを抑制することができる。これによって、皮革10が熱によって、変色、収縮等をしてしまうことを抑制することができる。また、例えば、昇華性染料が塗布された印刷基体3の塗布面を、染料保持層11が塗布された皮革10に対して、非接触に対向させることによって、印刷基体3と皮革10との間の距離が生じるため、皮革10に対して染料を十分に分散させて付着させることができる。これによって、特に、印刷基体3にグラデーション状の模様が塗布されている場合には、グラデーション状の模様を皮革10に好適に再現することができる。
なお、皮革10を所望するグラデーション模様に非接触にて染色する場合にあたっては、皮革10の染色面側の幾何中心から印刷基体3までの距離は1〜10mmが好ましく、さらに好ましくは1〜5mmである。このように、例えば、革10の染色面と印刷基体3との間が近すぎないことによって、染料の分散が十分に行うことができ、グラデーション状の模様を好適に形成することができる。また、例えば、皮革10の染色面と印刷基体3との間が離れすぎないことによって、皮革10への染色濃度が薄くなってしまうことを抑制し、所望する染色濃度が得られ難くなることを抑制できる。また、例えば、皮革10の染色面と印刷基体3との間が離れすぎないことによって、染料の粒子が互いに集結することを抑制でき、皮革10の染色面において、ムラになって染色されることを抑制することができる。
なお、皮革10の染色において、印刷基体3と皮革10との間の距離を調整すること、印刷基体3に対する皮革10の配置角度を調整すること、等によって、所定の着色層2が形成された1つの印刷基体3から複数の異なるグラデーション模様を染色することが可能となる。例えば、印刷基体3に対する皮革10の配置状態を各々変えることにより皮革10が個別に異なるグラデーション模様にて染色されることとなる。このような方法によって、効率良く皮革の染色を行うことができる。また、1つの印刷基体から様々なデザインパターン(グラデーション模様)を染色することができ、多様な染色することが可能となる。
なお、本実施形態においては、印刷基体3と皮革10とが所定の間隔を持って非接触に対向して配置される場合を例に挙げて説明したがこれに限定されない。例えば、印刷基体3と皮革10とを接触させて対向して配置するようにしてもよい。例えば、接触させた状態にて、染料の昇華を行った場合、デザインデータ(文字、記号、柄等)をぼやけることなく良好に施すことができる。
<第二工程>
例えば、第一工程が完了すると、第二工程が行われる。以下、第二工程について説明する。例えば、第二工程では、印刷基体3を加熱することにより昇華性染料を昇華させ、皮革10の染色予定面に昇華性染料を付着させる。
例えば、皮革10を真空気相転写機20内に入れて昇華性染料の付着を行う場合、ロータリーポンプ17により真空気相転写機20内を所定の真空度にして付着作業を行う。なお、本実施形態では真空気相転写機20内を所定の真空状態にするものとしているが、これに限るものではなく、真空気相転写機20内を常圧下において付着作業を行うことも可能である。
例えば、真空状態後、加熱ユニット15の熱源を使用して上方から印刷基体3を加熱させ、染料を昇華させる。例えば、加熱温度は印刷基体3上で100℃を下回ると基体から染料が昇華し難くなり、また、例えば、250℃を上回ると高温による染料の変質や皮革10の変形が生じ易くなる。従って、加熱温度は100〜250℃の間が良いが、皮革10の材料に合わせてできるだけ高い温度を選ぶようにするとよい。
ここで、昇華に当たって加熱を行う場合の温度をできるだけ高温とするのは、所望の色相及び濃さに発色させるための加熱時間を短くすることができ、生産性を向上することができるからである。
<第三工程>
例えば、第二工程が完了すると、第三工程が行われる。以下、第三工程について説明する。例えば、第三工程では、第二工程にて昇華性染料が付着した皮革10を加熱して昇華性染料を定着させる。
例えば、加工者は、真空気相転写機20内で皮革10に対して染料の付着を行った後、昇華性染料が付着された皮革10を取り出す。皮革10には、昇華した染料が付着しているが、この状態では、取れやすいため、オーブン50に入れ、常圧下にて加熱し染料を定着させる。この工程は皮革10の耐熱温度以下で、できるだけ高温に設定された温度にオーブン50内を加熱し、所望の色相及び濃度を得るために予め定めておいた時間が経過した後にオーブン50内か皮革10を取り出すといった手順で実行される。例えば、加熱時間は30分〜2時間程である。
例えば、本実施形態では、加熱温度は、皮革10が変形せず、十分な発色が可能な温度にて行う。好ましくは、60℃以上200℃以下である。さらに、好ましくは、70℃以上170℃以下である。例えば、昇華性染料が付着した皮革10に、このような定着作業を行うことにより、皮革10に対して所望の色、模様等の染色が行われる。なお、本実施形態では真空気相転写機20とは別に定着作業を行うためのオーブンを用意するものとしたが、これに限定されない。例えば、真空気相転写機20による皮革10に対する染料の付着作業後に、真空気相転写機20内を大気圧に戻しハロゲンランプ等の加熱ユニットを用いて真空気相転写機20内で皮革を加熱し染料を定着させることも可能である。
以上のように、例えば、染料保持層が塗布された皮革10の染色予定面に昇華性染料を付着させ、昇華性染料が付着した皮革10を加熱して昇華性染料を定着させることによって、皮革10の染色を良好に行うことができる。また、例えば、染料保持層が塗布された皮革10の染色予定面に昇華性染料を付着させ、昇華性染料が付着した皮革10を加熱して昇華性染料を定着させることによって、細やかなデザイン、グラデーションデザイン等の多様なデザインパターンにて、皮革10を染色することができ、特にデザイン性を向上させる染色方法として特に優れた効果を発揮する。また、例えば、染料保持層が塗布された皮革10の染色予定面に昇華性染料を付着させ、昇華性染料が付着した皮革10を加熱して昇華性染料を定着させることによって、複数の皮革に対して同一のデザインパターンにて染色を行う際の再現性を向上させることができる。
また、例えば、本実施形態のように、非接触に対向させた状態で、皮革の染色予定面に濃度勾配を有した状態にて昇華性染料を付着させて染色を行うことよって、皮革に対して染料を十分に分散させて付着させることができ、皮革に対してグラデーション状の模様を好適に再現することができる。
なお、本実施形態において、着色層2の形状(印刷形状)は、四角形状としているが、これに限るものではなく、例えば半円形状やその他の形状であってもよい。
なお、本実施形態において、印刷基体3の加熱方法は上方から行っている場合を例に挙げているが、これに限定されない。例えば、印刷基体3の加熱方法は、側面又は下方からの加熱においても同じように染料の昇華をさせることができる。
なお、本実施例においては、第二工程と第三工程とは別々の加熱ユニットよって実施される場合を例に挙げて説明したがこれに限定されない。第二工程と第三工程で共通の加熱ユニットが用いられるようにしてもよい。
なお、本実施形態においては、昇華性染料を用いる構成を例に挙げて説明したがこれに限定されない。染料を用いて染色を行う方法であればよい。この場合、例えば、染料が溶解されたインキをインクジェットプリンタによって皮革の染色予定面に印刷することによって、皮革10に染料を付着させる。その後、染料が付着した皮革を加熱して染料を定着させるようにすればよい。
以下、本実験例及び比較例を示して本開示を具体的に説明するが、本開示は、下記実験例に制限されるものではない。以下の実験例1では、染色を行う皮革に染色保持層を形成し、染色を行った場合における染色の可否を評価した。比較例1では、実験例1と比較するために、染色を行う皮革に染色保持層を形成しなかった場合における染色の可否を評価した。
<実験例1>
この実験例では、厚さの平均が1.5mmの皮革を使用した。濃度勾配を有するグラデーション模様の染色を皮革に行うために、基体(上質PPC用紙)にPCのドローソフトを用いて、濃淡の2種類の同色層からなる着色層を印刷し、印刷基体とした。印刷に使用した昇華性インキはウペポ社製の分散染料(水性)を使用し、色相は濃い黒色(配合比赤:青:黄=450:500:670)と薄い黒色(配合比赤:青:黄=225:250:335)に決定した。着色層の全領域内、上半分程度の領域が濃い黒色、下半分程度が薄い黒色となるように印刷を行った。着色層は、インクジェットプリンタを用いて印刷し、これを印刷基体とした。
染色に用いる皮革には、ローラによって、ユニオンペイント株式会社及びサン・アート株式会社製の染料保持層材料が混合された染料保持層材料を塗布し、染料保持層を形成させた。このとき、染色保持層材料として、ポリウレタン樹脂、ポリメタアクリル酸エステル樹脂、ニトロセルロースをそれぞれ用いた。
このようにして得た印刷基体及び種々の染色保持層が形成された皮革用いて染色を行った。なお、染色保持層の材料が異なる以外は、同様の条件で染色を行った。真空気相転写機20内にて図5に示した染色用治具に印刷基体を取り付けて皮革の染色(付着)を行った。皮革の染色面側と印刷基体との距離は5mmとした。ポンプ17にて真空気相転写機20内の気圧を1KPaまで下げた後、加熱ユニット(本実験例ではハロゲンランプを使用)15にて印刷基体の表面温度を200℃まで加熱させる。図示なき温度センサにより印刷基体の付近の温度を測定し、200℃到達と同時にハロゲンランプの電源を切り、染料を昇華、付着させた。その後、真空気相転写機20内の気圧を常圧に戻した後、染色された皮革の色を定着させるためにオーブン内にて2時間加熱した。なお、このときのオーブンの加熱温度の条件は、80℃とし、昇華性染料を付着させた皮革を加熱し染料の定着を行った。定着後の皮革を目視にて評価し、染色の可否を行った。その結果を表1に示す。なお、十分に染色されていたものを○、殆ど染色できなかったものを×とした。
表1に示すように、ポリウレタン樹脂、ポリメタアクリル酸エステル樹脂、ニトロセルロースを材料とした染料保持層を皮革に形成した場合には、皮革は十分に染色された。
<比較例1>
皮革において、染料保持層を形成しなかったこと以外は、全て実験例1と同様な条件として染色を行った。定着後の皮革を目視にて評価し、染色の可否を行った。その結果を表2に示す。なお、染色の評価は実験例1と同様の評価基準とした。
表2に示すように、皮革に染料保持層を設けない場合には、十分な染色が見られなかった。
1 基体
2 着色層
3 印刷基体
10 皮革
11 染料保持層
15 加熱ユニット
17 ロータリーポンプ
18 バルブ
20 真空気相転写機
30 パーソナルコンピュータ
42 インクジェットプリンタ
50 オーブン

Claims (6)

  1. 昇華性染料が塗布された基体の塗布面を、染料保持層が塗布された皮革に対して対向させる第一工程と、
    前記基体を加熱することにより前記昇華性染料を昇華させ、前記皮革の染色予定面に前記昇華性染料を付着させる第二工程と、
    前記第二工程にて前記昇華性染料が付着した皮革を加熱して前記昇華性染料を定着させる第三工程と、
    を有することを特徴とする皮革の染色方法。
  2. 請求項1の皮革の染色方法において、
    前記第一工程の前に実施される皮革処理工程であって、前記染料保持層を前記皮革に塗布させる皮革処理工程を、有することを特徴とする皮革の染色方法。
  3. 請求項1又は2のいずれかの皮革の染色方法において、
    前記染料保持層は、前記皮革の最上面に塗布されていることを特徴とする皮革の染色方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかの皮革の染色方法において、
    前記染料保持層は、ポリウレタン樹脂、ポリメタアクリル酸エステル樹脂、及びニトロセルロース、の少なくともいずれかであることを特徴とする皮革の染色方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかの皮革の染色方法において、
    前記第一工程は、前記昇華性染料が塗布された前記基体の塗布面を、前記染料保持層が塗布された前記皮革に対して、非接触に対向させることを特徴とする皮革の染色方法。
  6. 請求項5の皮革の染色方法において、
    前記第一工程の前に実施される染料塗布工程であって、前記昇華性染料を前記基体上に塗布させる染料塗布工程を有し、
    前記染料塗布工程は、前記昇華性染料を前記基体上に色濃度が変化するように塗布させ、
    前記第二工程は、前記基体を加熱することにより前記昇華性染料を昇華させ、前記皮革の染色予定面に濃度勾配を有した状態にて前記昇華性染料を付着させることを特徴とする皮革の染色方法。
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