JP2001159143A - 金属製パイプとｆｒｐ吸引圧送の三重構造による擁壁土止め工法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】強力に固定できる三重構造の擁壁土止め工法を
提供する。 【解決手段】削孔ロッドにより所定の深さまで削孔１を
行い、この削孔内にステンレス製等の金属製パイプ２を
入れた先端にプラスチック製等のパッキングで蓋３を
し、尚削孔ロッドの中心にパイプが固定出来る様固定具
４を取り付ける。削孔ロッドで任意の深さに穴を明け、
削孔ロッドを引き抜き硝子繊維６を巻いて固定した金属
製パイプを挿入し、パイプ固定具によって固定した後、
圧送空気により金属製パイプ先端の蓋を押し出した後金
属製パイプ内に耐触性ＦＲＰ５を圧送し、金属製パイプ
の外側はバキュームにより吸引し、穴の中心に置かれた
金属製製パイプの上側まで充分注入して削孔壁に固定
し、外壁にも擁壁保護の為、硝子繊維と耐触性ＦＲＰで
全体を塗布し、耐触性ＦＲＰの外側は耐候性ＦＲＰ７を
ゲルコーティングする又は成形加工壁９仕上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は金属製パイプと耐触性
ＦＲＰとの三層構造によるグランドアンカーに関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来のｃｃｐアンカーは、注入ロッド
（例えば、直径４０．８ｍｍ）のみで削孔し、これに引
張鋼材を挿入してモルタル等を注入することにより固結
一体化したものが一般的であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来の。グランドアン
カーの引張材として使用されてきたＰＣ鋼より線やＰＣ
鋼棒は、腐蝕し易く、耐久性に問題があった。地中に削
孔して設置されるグランドアンカーは常に腐蝕環境下に
置かれるために、鋼製の引張材では常に腐蝕が心配され
る。そのために特に永久アンカーとして用いる場合に
は、特殊な防錆処置を施すことが原則とされている。

【０００４】また、引張型のアンカーの場合、定着部グ
ラウトに引張力が生じ、グラウトにテンションクラック
が発生して引張材が腐蝕する危険性があった。そこで、
定着部にもコルゲートシース等を装置して、引張材の腐
蝕防止を行っている。これら防錆処置のために削孔径が
過大に必要となる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は前記従来の課
題を解決するために、削孔ロッドにより所定の深さまで
削孔を行い、特に大きな岩盤などに到達すれば岩盤と外
部擁壁間がパイプと耐触性ＦＲＰの三層構造で強力に固
定出来るので略々永久的に大規模地震でもない限り保持
し得る。仮に大規模地震があったとしても擁壁の崩落は
防げるので被害は最小限度に止まる。

【０００６】

【作用】削孔ロッド（例えば直径４０．８ｍｍ）のみで
削孔した場合でも、ボルトにモルタルの場合は錆の発生
とモルタルの浸透では、なかなか細部にまで届かなかっ
た状態が、金属製パイプ構造と共に耐触性ＦＲＰのゲル
により、土の崩れた中にまで浸透し、固化する時に発熱
するので、土中に確り馴染んでグリップする為、摩擦計
数は上昇する、又金属製パイプを耐触性ＦＲＰで内外か
ら保護する為、錆による劣化も防げる。

【０００７】また粘性土層においては削孔の深さを充分
にとり、上下に均一の深さを設定し、上下の削孔を連結
させる縦孔を削孔し、耐触性ＦＲＰ注入液が固化する時
の熱を逃がす為の蒸気排出孔に利用した後縦穴にも耐触
性ＦＲＰを注入し、横穴と連結した後。埋め戻しを行
う。土中において、コの字型アンカーを形成する。

【０００８】

【実施例】図１に示す様に先ずロータリーパーカッショ
ン等の削孔ロッドにより、所定の深さまで、例えば直径
１００ｍｍ等の削孔を行い、削孔の先端側の定着部に相
当するケーシングを引き抜く。

【０００９】削孔の基端側の任意の長さ部分に位置する
所に、例えば４０．０ｍｍ程度の金属製パイプを挿入す
る。金属製パイプの先端には樹脂製の蓋を脱着式に取り
付け、尚樹脂製の蓋の先にパイプ固定具を取り付け削孔
ロッド径の中心に金属製パイプが納まる様に設定する。
金属製パイプの外側には予め硝子繊維を巻いて固定して
おく。

【００１０】この金属製パイプは図２に示す様に金属製
パイプの先端から高圧プランジャーポンプ等で金属製パ
イプの内部に耐触性ＦＲＰ（周辺地盤に注入して地盤を
固結強化する目的と共に金属製パイプの内外から錆止め
も含めて、３層構造にする）などを高圧力（例えば圧力
１００ｋｇｆ／ｃｍ^２）で圧送し金属製パイプの外側は
真空ポンプで吸引し耐触性ＦＲＰが、金属製パイプの内
外に均一に固化する様作業を行う。

【００１１】削孔ロッドが、岩盤に到達出来なかった場
合或いは粘性土層など地盤の弱い場合は図３に示す様に
平行の削孔ロッドで上下に設置したパイプの長さを予め
揃えておき、上部から削孔ロッドを進捗し、平行した上
下のパイプの先端に連結する様に削孔を行い、削孔ロッ
ドを引き抜いた後、金属製パイプを挿入し固定後、耐触
ＦＲＰ注入を行いコの字型に固結し、地盤の脆弱面の補
強と共に周面摩擦力を向上させる。

【００１２】金属製パイプと耐触性ＦＲＰの三層構造に
よるグランドアンカーが完成した後は図４に示す様に擁
壁に露出した金属製パイプは金属製等の板で固定した
後、擁壁全体を耐触性ＦＲＰでハンドレイ加工を行い硝
子製繊維を重ね合わせながら、強固な外壁にし、尚耐触
性ＦＲＰの仕上げに耐候性ＦＲＰをゲルコーテングし又
は成形加工壁を取り付け完了する。

【００１３】

【発明の効果】以上の如く、この発明によれば、金属製
パイプの耐圧性能と、耐触性ＦＲＰの３層構造により、
パイプの腐蝕を防止した上、土壌の細部に浸透した耐触
性ＦＲＰのゲル剤注入により、周辺摩擦力を増大させ、
或いは岩盤に固結し、或いはコの字型の施行方法により
壊滅的な災害を伴う大規模地震は除いて、通常震度５以
下の地震であれば全く損害を被ることはなく、仮例、大
災害を受ける様なことがあっても擁壁下の近隣住民に擁
壁落下の危険を及ぼすことは回避出来る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の施工工程に関わる縦断正面図

【図２】この発明の施工工程を示す縦断正面図

【図３】この発明の施工工程の特長を示す工程の縦断正
面図

【図４】この発明の施工工程の最終仕上げ工程を示す縦
断正面図

【符号の説明】

１．削孔 ２．金属製パイプ ３．パイプの蓋 ４．パイプ固定具 ５．耐触性ＦＲＰ ６．硝子繊維 ７．耐候性ＦＲＰ ８．擁壁固定板 ９．成形加工壁 １０．岩盤

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】削孔ロッドにより、所定の深さまで削孔を
   行い、この削孔内に、外側に硝子繊維を巻いて固定した
   金属製パイプを挿入し、金属製パイプの先端には土除用
   蓋を取り付け、尚パイプが穴の中心に収まる様固定具も
   取り付けておく。パイプが削孔の中心に納まった時、空
   気を圧送し、土除用蓋を取り除いた後パイプ内に耐触性
   ＦＲＰを圧送し、パイプの外側はバキュームにより吸引
   し、削孔内の金属製パイプの内側と外側を耐触性ＦＲＰ
   により充満し、三層構造で固定し、削孔壁との固定と共
   に擁壁全体を耐食性ＦＲＰと耐候性ＦＲＰゲルコーテイ
   ングによる構造及び施行方法。
2. 【請求項２】削孔ロッドにより削孔した際、出来るだけ
   岩盤に到達し固定させる。岩盤が無い時は、上下に平行
   した削孔に直角になる様上から削孔し、上下平行の削孔
   に連結してコの字型に固定してグランドアンカーを確実
   に形成する。