JP2001158884A - 脱ろう用助剤 - Google Patents

脱ろう用助剤

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JP2001158884A JP2000282005A JP2000282005A JP2001158884A JP 2001158884 A JP2001158884 A JP 2001158884A JP 2000282005 A JP2000282005 A JP 2000282005A JP 2000282005 A JP2000282005 A JP 2000282005A JP 2001158884 A JP2001158884 A JP 2001158884A
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の脱ろう用助剤に比べ、ろ過速度を著し
く速くすることができ、脱ろう工程の生産性の向上が図
れる脱ろう用助剤を提供する。 【解決手段】 アルキル(メタ)アクリレート系重合体
からなり、該重合体の示差走査熱量計により測定される
結晶化開始温度(Ta)および結晶化終了温度(Tb)
が、それぞれ下記式(1)および(2)を満たし、か
つ、示差走査熱量計により測定される結晶化開始温度
(ta)が20℃〜70℃であり、結晶化終了温度(t
b)が−10℃〜−70℃であるろう含有鉱物油の溶剤
脱ろう用助剤。 ta+5℃ ≧ Ta ≧ ta−30℃ (1) tb+5℃ ≧ Tb ≧ tb−30℃ (2)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶剤脱ろう用の助剤
及び脱ろう方法に関する。さらに詳しくはろうを含有す
る鉱物油から、ろうをろ過除去する際の、ろ過性を向上
させる助剤及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の一般的な脱ろう方法として、ろう
を含有する鉱物油に約50℃で該鉱物油/溶剤(例え
ば:プロパン、MEK−トルエンなど)=1/1〜1/
6の比率で溶解し、その溶液を約−40℃まで冷却し、
析出したろうをフィルターでろ過分離する溶剤脱ろう方
法がある。溶剤脱ろう方法において、通常ろうは約30
℃からろ過分離時の温度(例えば:ブロパン使用時は−
40℃、MEK−トルエン使用時は−20℃など)まで
連続的に析出する。高温から低温まで連続的に析出する
ろうの結晶形状をろ過機のろ布表面を閉塞しにくい立方
状に制御し、ろ過性を向上させるために種々の脱ろう助
剤が用いられている。該脱ろう方法において、脱ろう助
剤は通常該鉱物油の溶剤溶解時に、該鉱物油に対し0.
01〜1重量%添加溶解し使用される。脱ろう助剤とし
ては、例えば塩素化パラフィン、塩素化パラフィンとナ
フタレンの縮合物、エチレン/酢酸ビニル共重合体、フ
マレート/酢酸ビニル共重合体などが知られている。し
かし塩素化パラフィン系の助剤は、塩素を含有するた
め、環境に悪影響を与えるという問題があり、酢酸ビニ
ル系の助剤は、酢酸ビニル部分が徐々に加水分解され、
ろ過性が経日的に悪化、さらに、装置を腐食する等の問
題がある。これらの問題点を改良したものとして、ポリ
(メタ)アクリレートを用いる脱ろう法(特開昭55−
149387号公報、特開昭57−30792号公報、
特開昭61−188491号公報等)が、提案されて
る。しかしながらろ過性は不十分であり、さらなる改良
が望まれている。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、環境に優
しく、高温から低温までろうの結晶とともに連続的に析
出および共結晶し、ろうの結晶形状を効率よく立方状に
制御するために必要な助剤の物性範囲について鋭意検討
した結果、ろ過性の向上に優れた脱ろう助剤を見いだし
本発明に至った。
【0004】すなわち本発明は、アルキル(メタ)アク
リレート系重合体からなり、該重合体の示差走査熱量計
により測定される結晶化開始温度(Ta)および結晶化
終了温度(Tb)が、それぞれ下記式(1)および
(2)を満たし、かつ、示差走査熱量計により測定され
る結晶化開始温度(ta)が20℃〜70℃であり、結
晶化終了温度(tb)が−10℃〜−70℃であるろう
含有鉱物油の溶剤脱ろう用助剤; ta+5℃ ≧ Ta ≧ ta−30℃ (1) tb+5℃ ≧ Tb ≧ tb−30℃ (2) 2種以上のアルキル(メタ)アクリレート系重合体の混
合物からなり、該混合物の示差走査熱量計により測定さ
れる結晶化開始温度(Ta)および結晶化終了温度(T
b)が、それぞれ式(1)および(2)を満たし、か
つ、該重合体の少なくとも一部が式(1)および(2)
を満たさず、かつ、示差走査熱量計により測定される結
晶化開始温度(ta)が20℃〜70℃であり、結晶化
終了温度(tb)が−10℃〜−70℃であるろう含有
鉱物油の溶剤脱ろう用助剤;及び、示差走査熱量計によ
り測定される結晶化開始温度(ta)が20℃〜70℃
であり、結晶化終了温度(tb)が−10℃〜−70℃
であるろう含有鉱物油の溶剤溶液に、該助剤を加え、冷
却して濾過することを特徴とする脱ろう方法である。
【0005】以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明において、結晶化開始温度および結晶化終了温度
は、PERKIN−ELMER社製UNIXDSC7示
差走査熱量計を使用し、含ろう油溶液、又は(メタ)ア
クリレート系重合体、5mgを試料とし、10℃/分の
等温速度で140℃から−80℃まで冷却したときに観
測される結晶化開始温度と結晶化終了温度である。溶解
度パラメーター(以下SP値と略す)はFedors法
[Polym.Eng.Sci.14(2)152,
(1974)]によって算出される値であり、HLB値
はグリフィンのHLB(「新・界面活性剤入門」三洋化
成工業株式会社発行P128)によって算出される値で
ある。
【0006】本発明におけるアルキル(メタ)アクリレ
ート系重合体は、結晶化開始温度(Ta)及び結晶化終
了温度(Tb)が、下記式(1)および(2)を満たす
必要がある。 ta+5℃ ≧ Ta ≧ ta−30℃ (1) tb+5℃ ≧ Tb ≧ tb−30℃ (2) (Ta)および(Tb)の調整は、該重合体の必須構成
成分である、炭素数10〜40のアルキル基を有するア
ルキル(メタ)アクリレート単量体の共重合比の調整に
より行うことができる。上記アルキル(メタ)アクリレ
ート系重合体が、2種以上のアルキル(メタ)アクリレ
ート系重合体の混合物からなる場合は、該重合体の少な
くとも一部が式(1)および(2)を満たさなくても、
混合物全体として式(1)および(2)を満たせばよ
い。ただし、式(1)および(2)を満たさない重合体
であっても下記式(3)及び(4)を満たしていること
が好ましい。 ta+20℃ ≧ Ta ≧ ta−80℃ (3) tb+80℃ ≧ Tb ≧ tb−50℃ (4)
【0007】該重合体は、炭素数10〜40の直鎖、又
は分岐アルキル基を有する(メタ)アクリレート単量体
(例えば、デシルメタクリレート、イソデシルメタクリ
レート、ドデシルメタクリレート、イソドデシルメタク
リレート、トリデシルメタクリレート、イソトリデシル
メタクリレート、テトラデシルメタクリレート、イソテ
トラデシルメタクリレート、ペンタデシルペタメクリレ
ート、イソペンタデシルペタメクリレート、ヘキサデシ
ルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、デシ
ルアクリレート、イソデシルアクリレート、ドデシルア
クリレート、イソドデシルアクリレート、トリデシルア
クリレート、イソトリデシルアクリレート、テトラデシ
ルアクリレート、イソテトラデシルアクリレート、ペン
タデシルアクリレート、イソペンタデシルアクリレー
ト、ヘキサデシルアクリレート、オクタデシルアクリレ
ート)を、必須構成成分として含有する(メタ)アクリ
レート系共重合体である。該重合体中の該単量体の含量
は、通常20重量%〜100重量%であり、析出するろ
うとの共結晶の点から好ましくは、30重量%〜100
重量%である。20重量%未満の場合は、析出するろう
と共結晶せずろ過性が向上しない。
【0008】該重合体のSP値は、通常8.8〜10.
5であり、析出するろう結晶形状の制御の点から、好ま
しくは8.9〜10.0である。該重合体のHLB値
は、通常0.5〜9.6であり、析出するろう結晶形状
の制御の点から、好ましくは0.8〜6.5である。
【0009】さらに、該重合体の重量平均分子量は、通
常3,000〜600,000であるが、析出するろう
結晶形状の制御の点から、好ましくは5,000〜30
0,000である。尚、本重量平均分子量は、ゲルパー
ミュエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン
に換算した重量平均分子量である。
【0010】本発明に於て、該重合体は構成単位とし
て、該単量体以外にラジカル重合性の他の単量体を含有
することができる。この例としては、アルキル(メタ)
アクリレート以外の(メタ)アクリレート(アルキル基
の炭素数が1〜30のヒドロキシアルキル(メタ)アク
リレート、アルコキシ基の炭素数が1〜30、アルキレ
ン基の炭素数が2〜30のアルコキシアルキレングリコ
ール(メタ)アクリレートなど);アルキル(メタ)ア
クリレート以外の、アルキル基の炭素数1〜30の不飽
和モノまたは/およびポリカルボン酸エステル類(ブチ
ルクロトネート、オクチルクロトネート、ドデシルクロ
トネート、ジブチルマレエート、ジオクチルフマレー
ト、ジラウリルマレエート、ジステアリルフマレート、
ジオクチルイタコネート、ジラウリルイタコネートな
ど);ビニル芳香族化合物(スチレン、ビニルトルエン
など);ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニルなど);炭素数が10〜30のアルファオレフィ
ン類(デセン、ドデセンなど);カルボン酸化合物類
(無水マレイン酸、メタアクリル酸、クロトン酸、イタ
コン酸など);アクロレイン;炭素数が4〜30の共役
ジエン(ブタジエン、イソプレン、クロロプレンな
ど);アセチレン;置換アセチレン[アルキル基の炭素
数が1〜30のアルキルアセチレン(プロピン、1−ブ
チン、1−ペンチン、1−ヘキシンなど)、アリール基
の炭素数が6〜30のアリールアセチレン(フェニルア
セチレン、p−メチルフェニルアセチレンなど)];ア
ルキルビニルエーテル[通常、炭素数1〜18の直鎖ま
たは分岐アルキル基を有するアルキルビニルエーテル
(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、プロ
ピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アミルビ
ニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、ヘプチルビニ
ルエーテル、オクチルビニルエーテル、ノニルビニルエ
ーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテ
ル、トリデシルビニルエーテル、テトラデシルビニルエ
ーテル、ペンタデシルビニルエーテル、ヘキサデシルビ
ニルエーテル、オクタデシルビニルエーテルなど];ア
ルキルアリルエーテル[通常、炭素数1〜18の直鎖ま
たは分岐アルキル基を有するアルキルアリルエーテル
(メチルアリルエーテル、エチルアリルエーテル、プロ
ピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、アミルア
リルエーテル、ヘキシルアリルエーテル、ヘプチルアリ
ルエーテル、オクチルアリルエーテル、ノニルアリルエ
ーテル、デシルアリルエーテル、ドデシルアリルエーテ
ル、トリデシルアリルエーテル、テトラデシルアリルエ
ーテル、ペンタデシルアリルエーテル、ヘキサデシルア
リルエーテル、オクタデシルアリルエーテルなど]が挙
げられ、これらのうち1種以上の単量体を含有すること
ができる。
【0011】本発明の脱ろう助剤は、必要に応じて他の
任意成分、例えば、本発明以外のポリ(メタ)アクリレ
ート(例えば特開昭52−44261号公報記載のポリ
(メタ)アクリレート)、アルキル化芳香族化合物(例
えば特公昭45−8650号公報記載の塩素化パラフィ
ン炭化水素とナフタレンとのフリーデルクラフト縮合
物)、フマル酸ジアルキル/ラウリン酸ビニル共重合体
(例えば特公平6−13713号公報)、エチレン/酢
酸ビニル共重合体(例えば特公昭45−8650号公
報)、α−オレフィン/酢酸ビニル共重合体(例えば特
公昭59−50199号公報)などを併用しても良い。
該任意成分の併用比率が、脱ろう助剤の総添加量の30
重量%を越えて使用すると、本発明の脱ろう助剤を10
0重量%使用した場合よりろ過性が悪化する。
【0012】本発明に用いられるろう含有鉱物油は、結
晶化開始温度(ta)が20℃〜70℃であり、結晶化
終了温度(tb)が−10℃〜−70℃である。該ろう
含有鉱物油は、通常原油を常圧蒸留、減圧蒸留、フルフ
ラール溶剤処理、水素化精製などの工程により前処理さ
れたものである。対象となるろうを含有する鉱物油は、
鉱物油の成分であるパラフィン、ナフテン、芳香族成分
のうち、パラフィン成分を比較的多く含むものであり、
性状としては主に100℃の粘度が2〜30mm2
s、15℃の密度が0.86〜0.92g/cm3、流
動点が5〜80℃であるがこれに限定するものではな
い。本発明の脱ろう助剤は溶剤を使用する脱ろう方法に
使用されるが、その溶剤としては主にプロパンやブタン
などの低級炭化水素や、MEK、メチルイソブチルケト
ン、アセトンなどのろうに対する溶解度の小さいケトン
類、あるいはこれらとトルエン、ベンゼンなどのろうに
対する溶解度の大きい芳香族炭化水素との混合物が用い
られるがこれに限定するものではない。脱ろう助剤の添
加量は、対象となる鉱物油に対し通常0.1〜1重量%
の範囲で添加される。対象となる鉱物油と溶剤の混合割
合は、通常1/1〜1/6体積比である。プロパンなど
の低級炭化水素を溶剤として使用する場合の脱ろう方法
は通常次のように行われるがこれに限定されない。ろう
を含有する鉱物油、脱ろう助剤、溶剤は約80℃で均一
溶解後、冷却器で約20℃に冷却しチラーに入る。チラ
ーで一部溶剤を蒸発させ、自己冷却によって約−3℃/
分の冷却速度で約−40℃まで冷却する。析出したろう
はこの温度で0.2〜0.7kg/cm2・G程度の圧
力下でろ過され、溶剤を含むろうと油分に分離される。
溶剤を含む各成分は、ストリッパーで脱溶剤されろうと
脱ろう油となる(幸書房初版第1版発行「新石油精製プ
ロセス」P.370参照)。MEK、メチルイソブチル
ケトン、アセトンなどのろうに対する溶解度の小さいケ
トン類、あるいはこれらとトルエン、ベンゼンなどのろ
うに対する溶解度の大きい芳香族炭化水素との混合物を
溶剤として使用する場合の脱ろう方法は通常次のように
行われるがこれに限定されない。ろうを含有する鉱物
油、脱ろう助剤、溶剤は約80℃で均一溶解後、冷却器
で約−3℃/分の冷却速度で約−20℃まで冷却され
る。析出したろうはこの温度で0.2〜0.7kg/c
2・G程度の差圧で減圧ろ過され、ろうと油分に分離
される。溶剤を含む各成分は、ストリッパーで脱溶剤さ
れろうと脱ろう油となる(幸書房初版第1版発行「新石
油精製プロセス」P.365〜369参照)。これらの
脱ろう方法で得られるろうの代表的性状である融点は通
常5〜80℃、脱ろう油の性状は通常100℃の粘度が
2〜30mm2/s、15℃の密度が0.86〜0.9
2g/cm3、流動点が−10〜−20℃であるがこれ
に限定されない。
【0013】
【実施例】以下に実施例により本発明を詳細に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。
【0014】(アルキル(メタ)アクリレート系重合体
の合成例) 合成例1 撹拌装置、加熱装置、温度計、窒素吹き込み管を備えた
反応器に、トルエンを28g仕込み窒素雰囲気とし85
℃とする。反応器は撹拌しながら(メタ)アクリレート
250g(オクタデシルメタアクリレート:ドデシルメ
タアクリレート=50:50重量比の配合物)と、トル
エン20gに2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバ
レロニトリルを1.5g溶解した溶液を、それぞれ反応
器に2時間かけて等速度で全量を仕込み、仕込み終了か
ら2時間85℃で重合反応を行なった。反応終了後、1
30℃でトルエンをトッピング除去し、示差走査熱量計
による結晶化開始温度(Ta)が8℃、結晶化終了温度
(Tb)が−37℃、SP値が9.0、HLBが1.
7、重量平均分子量が150,000の重合物1を得
た。
【0015】合成例2 (メタ)アクリレートをオクタデシルメタアクリレー
ト:ドデシルメタアクリレート=50:50重量比の配
合物から、オクタデシルメタクリレート:ヘキサデシル
メタクリレート=30:70重量比の配合物とする以外
は、実施例1と同様な方法で重合を行ない、示差走査熱
量計による結晶化開始温度(Ta)が18℃、結晶化終
了温度(Tb)が−8℃、SP値が8.9、HLBが
1.5、重量平均分子量が130,000の重合物2を
得た。
【0016】合成例3 (メタ)アクリレートをオクタデシルメタアクリレー
ト:ドデシルメタアクリレート=50:50重量比の配
合物から、オクタデシルメタアクリレート:ヘキサデシ
ルメタアクリレート:ペンタデシルメタアクリレート:
テトラデシルメタアクリレート=15:35:20:3
0重量比の配合物とする以外は、実施例1と同様な方法
で重合を行ない、示差走査熱量計による結晶化開始温度
(Ta)が−5℃、結晶化終了温度(Tb)が−39
℃、SP値が8.9、HLBが1.5、重量平均分子量
が170,000の重合物3を得た。
【0017】合成例4 (メタ)アクリレートをオクタデシルメタアクリレー
ト:ドデシルメタアクリレート=50:50重量比の配
合物から、ドデシルメタアクリレート100重量部とす
る以外は、実施例1と同様な方法で重合を行ない、示差
走査熱量計による結晶化開始温度(Ta)が−26℃、
結晶化終了温度(Tb)が−50℃、SP値が9.0、
HLBが2.0、重量平均分子量が90,000の重合
物4を得た。
【0018】実施例1 重合物1を、脱ろう助剤1とした。
【0019】実施例2 配合容器に重合物2:重合物3=60:40の重量比で
仕込み、100℃で撹拌混合し、示差走査熱量計による
結晶化開始温度(Ta)が18℃、結晶化終了温度(T
b)が−41℃の脱ろう助剤2を得た。
【0020】実施例3 配合容器に重合物1:重合物2:重合物3=30:3
0:40の重量比で仕込み、100℃で撹拌混合し、示
差走査熱量計による結晶化開始温度(Ta)が18℃、
結晶化終了温度(Tb)が−42℃の脱ろう助剤3を得
た。
【0021】比較例1 重合物2を比較脱ろう助剤1とした。
【0022】比較例2 重合物3を比較脱ろう助剤2とした。
【0023】比較例3 重合物4を比較脱ろう助剤3とした。
【0024】本発明の脱ろう助剤1〜3、比較脱ろう助
剤1〜3について、以下の方法でろ過試験を実施した。
その結果を表1に示した。
【0025】(ろ過試験方法)ろうを含有する鉱物油
[100℃動粘度4.4mm2/s、比重15/4℃、
0.86、(ta)36℃、(tb)−40℃]を25
0g、脱ろう助剤1〜3または比較脱ろう助剤1〜3の
中から選ばれる脱ろう助剤一種を0.15g、並びにn
−ヘキサン1250mlを3Lセパラブルコルベンに仕
込んだ後、その混合物を50℃に加熱し均一混合した。
コルベンに冷却管を取り付け、撹拌しながらコルベン内
を減圧にすることによりヘキサンを還流させ、そのヘキ
サンの蒸発潜熱により−2℃/分の速度で−40℃まで
冷却した。冷却後−40℃で、ろうが析出した混合物を
フィルターに導き、160mmHgの減圧度で減圧ろ過
を行ない、ろ過速度(ml/分)を求めた。
【0026】
【表1】
【0027】表1からわかるように、(ta)が36
℃、(tb)が−40℃のろうを含有する鉱物油に対
し、ta+5℃≧Ta≧ta−30℃、tb+5℃≧T
b≧tb−30℃である本発明の脱ろう助剤は、比較脱
ろう助剤1〜3と比べ、ろ過速度が著しく速くなってい
る。
【0028】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明の脱ろう助剤は、従来の脱ろう助剤に比べ、ろ過速度
を著しく速くすることができ、脱ろう工程の生産性の向
上が図れる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル(メタ)アクリレート系重合体
    からなり、該重合体の示差走査熱量計により測定される
    結晶化開始温度(Ta)および結晶化終了温度(Tb)
    が、それぞれ下記式(1)および(2)を満たし、か
    つ、示差走査熱量計により測定される結晶化開始温度
    (ta)が20℃〜70℃であり、結晶化終了温度(t
    b)が−10℃〜−70℃であるろう含有鉱物油の溶剤
    脱ろう用助剤。 ta+5℃ ≧ Ta ≧ ta−30℃ (1) tb+5℃ ≧ Tb ≧ tb−30℃ (2)
  2. 【請求項2】 2種以上のアルキル(メタ)アクリレー
    ト系重合体の混合物からなり、該混合物の示差走査熱量
    計により測定される結晶化開始温度(Ta)および結晶
    化終了温度(Tb)が、それぞれ下記式(1)および
    (2)を満たし、かつ、該重合体の少なくとも一部が下
    記式(1)および(2)を満たさず、かつ、示差走査熱
    量計により測定される結晶化開始温度(ta)が20℃
    〜70℃であり、結晶化終了温度(tb)が−10℃〜
    −70℃であるろう含有鉱物油の溶剤脱ろう用助剤。 ta+5℃ ≧ Ta ≧ ta−30℃ (1) tb+5℃ ≧ Tb ≧ tb−30℃ (2)
  3. 【請求項3】 該重合体が、炭素数10〜40のアルキ
    ル基を有するアルキル(メタ)アクリレート単量体を必
    須構成成分として含有する(メタ)アクリレート系重合
    体であり、該単量体の含量が20重量%〜100重量%
    である請求項1または2記載の助剤。
  4. 【請求項4】 該重合体の溶解度パラメータ(SP値)
    が8.8〜10.5、HLB値が0.5〜9.6、重量
    平均分子量が3,000〜600,000である請求項
    1〜3のいずれか記載の助剤。
  5. 【請求項5】 示差走査熱量計により測定される結晶化
    開始温度(ta)が20℃〜70℃であり、結晶化終了
    温度(tb)が−10℃〜−70℃であるろう含有鉱物
    油の溶剤溶液に、請求項1〜4のいずれか記載の助剤を
    加え、冷却して濾過することを特徴とする脱ろう方法。
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