JP2001158473A - 包装装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 包装形態での嵩が小さく、荷扱い
において扱い姿勢が形態によっておのずと決まる保管輸
送効率の高い包装装置を得る。 【解決手段】 六面体をした物品２に対する包装
装置について、物品２の強度的に安定した対向する二面
を包装状態における天面３と底面４とに設定し、その底
面４側は、上部の開放した底部７と周側部８とからなる
剛性紙材による下箱９に収め、天面３側には、下部の開
放した上部１０と周側部１１とからなり、下箱９内に収
め込み得る大きさに構成した剛性紙材による上箱１２を
被冠し、物品２の周側部については保護部材で被覆し、
下箱９と上箱１２とを結束材１９を周回させて結束す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、六面体をした物品
に対する包装装置に関するものであり、特に六面体のケ
ーシングに着脱可能な突出構造を有する換気装置の包装
に適した包装装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般的に六面体をした物品は、緩衝材を
介して六面体の段ボール箱に収められて包装されてい
る。比較的嵩も質量も大きい物品については、物品に応
じた大きな段ボール箱に収めることもできないため、別
な包装仕様が採られている。例えば、六面体のケーシン
グ１の複数の面にダクト接続口５が突出した突出構造を
有する換気装置２の包装においては、これまで図１７及
び図１８に示すような包装装置により包装されてきた。
この包装装置は、図１７に示すように換気装置２の下部
側を収める上部の開放した底部と周側部とからなるＪI
Ｓ・Ｃ式箱と称される段ボール箱３０と、換気装置２の
上部側に被冠させる下部の開放した上部と周側部とから
なるＪIＳ・Ｃ式箱と称される段ボール箱３１と、換気
装置２の周側を覆う一対一組のコ状の段ボールホルダー
３２とにより構成されている。換気装置２の質量に応じ
下部側の段ボール箱３０の底面には換気装置２の下面を
受ける緩衝材３３が設けられ、また、換気装置２の下面
にも緩衝材３４がテープ止めされて装着されることもあ
る。上下の段ボール箱３０，３１とその間に装着された
段ボールホルダー３２で包まれた換気装置２は、上下の
段ボール箱３０，３１を周回するＰＰバンド等の結束材
３５により結束され、略六面体の包装形態にされる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の包装装
置において、突出構造を持つ物品に対するものでは突出
構造を内包する容積の包装形態となり、包装形態が大形
になるうえ、荷扱いの際に天地逆に取扱われたり、圧縮
荷重に対してはさほど強化していない側面を下にして取
扱われたりし、物品の損傷を招くことがあった。そのた
め、天地の表示をはっきりと示す表示印刷等を施さねば
ならず、包装コストを押し上げる要因ともなっている。
また、包装資材として保管するにも輸送するにも嵩張
り、保管効率、荷積み効率もあまり良くないといった問
題点もある。そして、包装の簡素化が推進されている中
で、廃却量も多く扱い難いといった問題も内在してい
る。

【０００４】本発明は、係る従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、その課題とするところは、
包装の簡素化の観点に立ち、包装形態での嵩が小さく、
荷扱いにおいて扱い姿勢が形態によっておのずと決まる
保管輸送効率の高い包装装置を得ることであり、その包
装装置の廃却性や緩衝保護機能の向上を推進することで
ある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に請求項1の発明は、六面体をした物品に対する包装装
置について、その物品の強度的に安定した対向する二面
を包装状態における天面と底面とに設定し、その底面側
は、上部の開放した底部と周側部とからなる剛性紙材に
よる下箱に収め、天面側には、下部の開放した上部と周
側部とからなり、下箱内に収め込み得る大きさに構成し
た剛性紙材による上箱を被冠し、物品の周側部について
は保護部材で被覆し、下箱と上箱とを結束材を周回させ
て結束する手段を採用する。

【０００６】前記課題を達成するために請求項２の発明
は、請求項１に係る前記手段における下箱内に、物品の
下部周側面にその全周にわたって当接し、物品の下箱内
での動きを拘束する剛性紙材よりなる緩衝ホルダーを設
ける手段を採用する。

【０００７】前記課題を達成するために請求項３の発明
は、請求項２に係る前記手段における緩衝ホルダーに、
下箱の底面に重なり物品の荷重を受ける受け面を設ける
手段を採用する。

【０００８】前記課題を達成するために請求項４の発明
は、請求項３に係る前記手段における緩衝ホルダーの受
け面上に、物品の底面を下箱の底部から浮かせて保持す
る保持部材を設ける手段を採用する。

【０００９】前記課題を達成するために請求項５の発明
は、請求項１又は請求項３のいずれかに係る前記手段に
おける緩衝ホルダーに、物品の下部周側面に当接し、物
品の下箱内での動きを拘束する保持部を折曲げにより一
体に形成する手段を採用する。

【００１０】前記課題を達成するために請求項６の発明
は、請求項２〜請求項５までのいずれかに係る前記手段
における緩衝ホルダーの物品の下部周側面に当接する部
分を、重畳構造にする手段を採用する。

【００１１】前記課題を達成するために請求項７の発明
は、請求項６に係る前記手段における緩衝ホルダーを段
ボール紙で構成し、物品の下部周側面に当接する部分
を、コルゲート構造の目の方向を互いに直角に交差させ
た重畳構造とする手段を採用する。

【００１２】

【発明の実施の形態】実施の形態１．図１〜図８によっ
て示す本実施の形態は、図１，図２に示すように六面体
のケーシング１に着脱可能な突出構造を有する換気装置
２（以降物品とも称す）に対する包装装置に関するもの
である。被包装物としての物品２は、強度的に安定した
対向する二面を包装状態における天面３と底面４とに設
定される。換気装置２においては、側面に突出した突出
構造であるテーパー状のダクト接続口５を取外し、そこ
に開口する通風口６にテーパーの向きを反対にして挿入
して突出部の無い六面体の構成を採る。そして、通風口
６の無い下面と上面をそれぞれ底面４と天面３に設定す
る。前面と背面を底面と天面に設定することもできる
が、前面等に端子ボックス等が配設されている場合はこ
れらの面を底面と天面に設定することは避けた方がよ
い。

【００１３】包装装置は、物品２の底面４側を収める上
部の開放した底部７と周側部８とからなる段ボール紙等
の剛性紙材によるＪIＳ・Ｃ式箱とも称される下箱９
と、物品２の天面３側を被冠する下部の開放した上部１
０と周側部１１とからなる段ボール紙等の剛性紙材によ
るＪIＳ・Ｃ式箱とも称される上箱１２と、下箱９内に
おいて物品２の下部周側面にその全周にわたって当接
し、物品２の下箱９内での動きを拘束する段ボール紙等
の剛性紙材よりなる緩衝ホルダー１３とを主体として構
成されている。下箱９は、図８に示すように上箱１２を
その中に収め込み得る大きさに構成され、包装資材とし
て保管したり輸送したりする場合には、下箱９内に上箱
１２を収めた効率の高い状態で扱うことができる。緩衝
ホルダー１３は物品２の投影平面より大きく構成された
下箱９を、物品２の投影平面と略同じ大きさに構成され
た上箱１２に相応させ、物品２の下箱９内での動きを拘
束するものであり、物品２の質量に応じて種々の形態が
採られる。

【００１４】比較的質量の大きい換気装置２では、図
３、図４、図５に示すように下箱９の内底面に重なり物
品２の荷重を受ける受け面１４を両端部に設け、この受
け面１４上に、物品２の底面４の四隅を下箱９の内底面
から浮かせて保持する段ボール紙の積層材等による保持
部材１５を設けた構成のものが採用される。また、横方
向の動きの拘束性についても、質量の大きな物品２に対
しては、緩衝ホルダー１３の物品２の下部周側面に当接
する部分を、二重や三重の重畳構造１６にすることによ
り高め、物品２に対する緩衝保護機能の向上が図られ
る。段ボール紙による場合、コルゲート構造の目の方向
（図において矢印で示す方向）を互いに直角に交差させ
た重畳構造１６とすることにより、横方向のいずれの方
向についての荷重に対しても優れた強度の緩衝ホルダー
１３を得ることができる。

【００１５】緩衝ホルダー１３の立上り部１７の高さは
下箱９の周側部８の高さと略等しくなっていて、下箱９
に収めた緩衝ホルダー１３は、中央に角形の開放部を持
つ蓋のような形態となる。物品２は、緩衝ホルダー１３
を組入れた下箱９に、緩衝ホルダー１３の角形の開放部
に底部側を挿入するように収められる。物品２の底面４
の四隅は保持部材１５により受承され、受け面１４が物
品２の荷重を担い緩衝ホルダー１３の形状も安定化させ
ることになる。ダクト接続口５を二つ重ねて通風口６に
挿入した面及び通風口６の開放した面については、図７
に示すような保護部材としての段ボールシート１８をあ
てがい、塵埃の侵入が防止されるが、物品２全体をポリ
袋等の保護部材で包み塵埃の付着を防止する方法も有効
である。そのうえで上箱１２を物品２の天面３側に被冠
し、下箱９と上箱１２とをＰＰバンド等の結束材１９を
周回させて結束することによって包装が完了する（図
１，図２参照）。

【００１６】包装形態は、図１及び図２に示すように天
地の平面積が異なる非六面体となり、天地の表記等を印
刷表示しなくても、天地逆の荷扱いがなされたり、強度
的に弱い周側部が天地として荷扱いされるようなことは
起こらない。また、物品２の側面は視認できる包装形態
であるため、全てが覆われている包装形態より返って荷
扱いは慎重になり、荷扱いに伴う物品２の損傷等も防止
できる。即ち、この包装装置は、天地の表示をはっきり
と示す表示印刷等を施す必要がなく、構成も簡素である
ため包装コストの低減が達成でき、嵩張らず保管や輸送
に際しての効率も高く、廃却に際しても量も少なく扱い
易いといった特徴を備えたものである。

【００１７】実施の形態２．図９〜図１３によって示す
本実施の形態は、実施の形態１で示した包装装置の緩衝
ホルダー１３に工夫を講じたものであり、緩衝ホルダー
１３以外の構成は実施の形態１のものと同じである。従
って、実施の形態１のものと同じ部分については実施の
形態１のものと同じ符号を用い、それらについての説明
は省略する。

【００１８】本実施の形態は、下箱９に収める緩衝ホル
ダー１３の受け面１４上に、物品２の下箱９内での動き
を拘束する保持部２０を折曲げにより一体に形成したも
のである。保持部２０は図１１に展開形状を示すよう
に、曲げ罫線２１で画成された水平面となる支保面２２
と垂直面となる当り面２３の両側に切込み２４を付けた
構成で、曲げ罫線２１で折り曲げ図９，図１０に示すよ
うな角筒形に組立てられる。このような構成を採用する
ことにより、一枚の段ボールシートから保持部２０を備
えた緩衝ホルダー１３を得ることができ、部品点数を削
減することができる。質量の大きい物品２に対しては図
１２，図１３に示すように保持部２０内に段ボール紙の
積層材２５を挿通させればよい。これ以外の機能は実施
の形態１のものと同じである。

【００１９】実施の形態３．図１４〜図１６によって示
す本実施の形態は、実施の形態１で示した包装装置の緩
衝ホルダー１３に工夫を講じたものであり、緩衝ホルダ
ー１３以外の構成は実施の形態１のものと同じである。
従って、実施の形態１のものと同じ部分については実施
の形態１のものと同じ符号を用い、それらについての説
明は省略する。

【００２０】本実施の形態は、下箱９に収める緩衝ホル
ダー１３を下箱９の内底面と略等しい平面積の段ボール
紙のシート２６の両端部に、物品２の底部を収容するコ
状の保持部２７を向かい合わせて固着した構成としたも
のである。保持部２７は図１６に示すように中央を角形
に打ち抜いた段ボールシートを中央で二つ折りにしてコ
状に構成される。この二つの保持部２７で画成されるシ
ート２６上に物品２の底部が載置され、下箱９内で横方
向の動きが拘束される。この緩衝ホルダー１３の構成を
採用することにより、包装装置の構成を一層簡素化する
ことができる。これ以外の機能は実施の形態１のものと
同じである。

【００２１】

【発明の効果】請求項1の発明によれば、包装形態での
嵩が小さく、荷扱いにおいて扱い姿勢が形態によってお
のずと決まる保管輸送効率の高い包装装置が得られる。

【００２２】請求項２の発明によれば、請求項１に係る
前記効果とともに緩衝保護機能が向上する。

【００２３】請求項３の発明によれば、請求項２に係る
前記効果とともに包装状態における緩衝ホルダーの形状
の安定性が得られ、緩衝保護機能がより向上する。

【００２４】請求項４の発明によれば、請求項３に係る
前記効果とともに落下等に対する緩衝保護機能が向上す
る。

【００２５】請求項５の発明によれば、請求項１又は請
求項３のいずれかに係る前記効果とともに少ない部品数
で落下等に対する緩衝保護機能が向上する。

【００２６】請求項６の発明によれば、請求項２〜請求
項５までのいずれかに係る前記効果とともに物品の下部
側の拘束性がまし、横方向の荷重に対する緩衝保護機能
が向上する。

【００２７】請求項７の発明によれば、請求項６に係る
前記効果とともに廃却性もよく強度の優れた包装装置が
得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 実施の形態1の包装装置を包装形態で示す断
面図である。

【図２】 実施の形態1の包装装置を包装形態で示す側
面図である。

【図３】 実施の形態1の包装装置の緩衝ホルダーを示
す斜視図である。

【図４】 実施の形態1の包装装置の緩衝ホルダーを示
す斜視図である。

【図５】 実施の形態1の包装装置の緩衝ホルダーを示
す展開図である。

【図６】 実施の形態1の包装装置の緩衝ホルダーの重
畳構造に係る部材を示す平面図である。

【図７】 実施の形態1の包装装置の段ボールシートを
示す斜視図である。

【図８】 実施の形態1の包装装置の保管輸送時の形態
を示す斜視図である。

【図９】 実施の形態２の包装装置を包装形態で示す断
面図である。

【図１０】 実施の形態２の包装装置の緩衝ホルダーを
示す斜視図である。

【図１１】 実施の形態２の包装装置の緩衝ホルダーを
示す展開図である。

【図１２】 実施の形態２の他の包装装置を示す断面図
である。

【図１３】 実施の形態２の包装装置の緩衝ホルダーに
使う積層材の斜視図である。

【図１４】 実施の形態３の包装装置を包装形態で示す
断面図である。

【図１５】 実施の形態３の包装装置の緩衝ホルダーを
示す斜視図である。

【図１６】 実施の形態３の包装装置の緩衝ホルダーの
保持部を構成する部材を示す斜視図である。

【図１７】 従来の包装装置を示す分解斜視図である。

【図１８】 従来の包装装置を包装形態で示す断面図で
ある。

【符号の説明】

２ 物品（換気装置）、 ３ 天面、 ４ 底面、 ７
底部、 ８ 周側部、 ９ 下箱、 １０ 上部、
１１ 周側部、 １２ 上箱、 １３ 緩衝ホルダー、
１４ 受け面、 １５ 保持部材、 １６ 重畳構
造、 １８ 段ボールシート、 １９ 結束材、 ２０
保持部、 ２７ 保持部。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 六面体をした物品に対する包装装置であ
   って、その物品の強度的に安定した対向する二面を包装
   状態における天面と底面とに設定し、その底面側は、上
   部の開放した底部と周側部とからなる剛性紙材による下
   箱に収め、前記天面側には、下部の開放した上部と周側
   部とからなり、前記下箱内に収め込み得る大きさに構成
   した剛性紙材による上箱を被冠し、前記物品の周側部に
   ついては保護部材で被覆し、前記下箱と上箱とを結束材
   を周回させて結束した包装装置。
2. 【請求項２】 請求項１に記載の包装装置であって、下
   箱内に、物品の下部周側面にその全周にわたって当接
   し、同物品の下箱内での動きを拘束する剛性紙材よりな
   る緩衝ホルダーを設けた包装装置。
3. 【請求項３】 請求項２に記載の包装装置であって、緩
   衝ホルダーに下箱の底面に重なり物品の荷重を受ける受
   け面を設けた包装装置。
4. 【請求項４】 請求項３に記載の包装装置であって、緩
   衝ホルダーの受け面上に、物品の底面を下箱の底部から
   浮かせて保持する保持部材を設けた包装装置。
5. 【請求項５】 請求項１又は請求項３のいずれかに記載
   の包装装置であって、緩衝ホルダーに、物品の下部周側
   面に当接し、同物品の下箱内での動きを拘束する保持部
   を折曲げにより一体に形成した包装装置。
6. 【請求項６】 請求項２〜請求項５までのいずれかに記
   載の包装装置であって、緩衝ホルダーの物品の下部周側
   面に当接する部分を重畳構造にした包装装置。
7. 【請求項７】 請求項６に記載の包装装置であって、緩
   衝ホルダーを段ボール紙で構成し、物品の下部周側面に
   当接する部分を、コルゲート構造の目の方向を直角に交
   差させた重畳構造とした包装装置。