JP2001158115A - インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェットヘッド及びインクジェット式記録装置

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JP2001158115A
JP2001158115A JP2000277558A JP2000277558A JP2001158115A JP 2001158115 A JP2001158115 A JP 2001158115A JP 2000277558 A JP2000277558 A JP 2000277558A JP 2000277558 A JP2000277558 A JP 2000277558A JP 2001158115 A JP2001158115 A JP 2001158115A
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Koji Ikeda
浩二 池田
Koji Matsuo
幸治 松尾
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜の圧電素子を有するアクチュエータを備
え、当該圧電素子の圧電効果によりインクを吐出するイ
ンクジェット式記録装置において、一印字周期内に同一
ノズルから複数のインク滴を吐出し、これらインク滴を
記録紙に着弾する前に合体させ、一つのインク滴として
記録紙に着弾させる。 【解決手段】 アクチュエータに対して、一印字周期内
に初期パルスP1、第1後続パルスP2及び第2後続パ
ルスP3を含む駆動パルス群を供給する。パルス間の時
間間隔t1、t2、t3を、アクチュエータの固有周期
t0に対して、t1≦t2<t3≦t0とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットヘ
ッド及びインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば特開平10−81012号
公報に開示されているように、記録紙に1つのドットを
形成するための一印字周期中に、インクジェットヘッド
の同一のノズルから複数のインク滴を吐出し、これら複
数のインク滴によって1つのドットを形成するインクジ
ェット式記録装置が提案されている。
【0003】この種のインクジェット式記録装置は、イ
ンクを収容する圧力室と圧力室に連通するノズルとが形
成されたヘッド本体と、圧電素子の圧電効果によって上
記ノズルからインク滴を吐出させるように圧力室内のイ
ンクに圧力を付与するアクチュエータと、アクチュエー
タに駆動信号を供給する駆動信号供給手段とを有するイ
ンクジェットヘッドと、このインクジェットヘッドと記
録紙とを相対移動させる相対移動手段とを備えている。
そして、上記相対移動手段によりインクジェットヘッド
と記録紙とが相対移動しているときに、上記駆動信号供
給手段は、一印字周期中に1または2以上の駆動パルス
を含む駆動信号を供給する。アクチュエータは駆動信号
を受けて作動し、ノズルから1または2以上のインク滴
を吐出させる。吐出されたインク滴は記録紙上に着弾
し、インクドットを形成する。この際、複数の駆動パル
スの供給によって吐出された複数のインク滴は、記録紙
上に吐出順に着弾して一つのインクドットを形成する。
このようなインクドットが記録紙上に多数集合すること
により、当該記録紙に所定の画像が形成される。そし
て、一印字周期中に吐出するインク滴の個数を調整する
ことにより、ドットの濃淡や大きさが調整され、いわゆ
る多階調印刷が行われる。
【0004】しかし、高速の印刷を行う場合には、イン
クジェットヘッドと記録紙との相対移動の移動速度が大
きいため、同じノズルから吐出された複数のインク滴は
記録紙上の互いにずれた位置に着弾しやすくなる。その
結果、インクドットが長円になってしまい、印字品質は
低下しやすい。そのため、上記装置では高速印字が困難
であった。
【0005】そこで、例えば米国特許第5,285,2
15号や特公平7−108568号公報に開示されてい
るように、後から吐出するインク滴の吐出速度を最初に
吐出するインク滴の吐出速度よりも速くすることで、同
じノズルから吐出された2つのインク滴同士を記録紙に
着弾する前に合体させ、一つのインク滴にしてから着弾
させるようにすることが提案されている。
【0006】ところで、駆動信号の供給手法に何らの工
夫も施さず、単にインク滴の吐出数に応じた数の駆動パ
ルスを供給するだけでは、複数のインク滴を着弾前に合
体させることはできない。そこで、上記特公平7−10
8568号公報等に開示されている装置では、駆動パル
スの後縁部の傾斜角度を変えることによって、インク滴
の吐出速度の変更を可能にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、後縁部の傾斜
角度の異なる複数の駆動パルスを含むような駆動信号を
アクチュエータに供給することは、駆動信号供給手段の
複雑化やコストアップを招く要因となっていた。そのよ
うな背景から、簡単な波形の駆動信号によって複数のイ
ンク滴を着弾前に合体させるような新たな技術が待ち望
まれていた。
【0008】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、簡単な駆動信号を用
いて、同一ノズルから吐出した複数のインク滴を合体さ
せてから記録媒体に着弾させるインクジェットヘッド及
びインクジェット式記録装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、一の発明では、アクチュエータに供給される駆動パ
ルスの間隔がアクチュエータの固有周期に近いほどイン
クの吐出速度が速くなることに着目し、駆動パルスの間
隔をアクチュエータの固有周期またはほぼ固有周期に等
しい時間に徐々に近づけていくこととした。また、他の
発明では、駆動パルスのパルス幅がアクチュエータの固
有周期の半分の時間に近いほどインクの吐出速度が速く
なることに着目し、パルス幅を固有周期の半分の時間ま
たはほぼ半分の時間に徐々に近づけていくこととした。
【0010】具体的には、本発明に係るインクジェット
ヘッドは、インクを収容する圧力室と該圧力室に連通す
るノズルとが形成されたヘッド本体と、圧電素子を有
し、該圧電素子の圧電効果によって上記圧力室内のイン
クに圧力を付与するアクチュエータと、上記アクチュエ
ータの圧電素子に駆動電圧信号を供給する駆動信号供給
手段とを備え、上記駆動信号供給手段は、所定の一印字
周期内に、複数の駆動パルスをこれら駆動パルス間の時
間間隔を徐々に上記アクチュエータの固有周期に近づけ
るように供給することとしたものである。
【0011】なお、ここでいうアクチュエータの固有周
期とは、音響要素(具体的にはインク)を含む振動系全
体の固有周期をいう。
【0012】このことにより、一印字周期内に、アクチ
ュエータの圧電素子に対し複数の駆動パルスが供給さ
れ、同一ノズルから複数のインク滴が吐出される。ここ
で、複数の駆動パルスの時間間隔は徐々にアクチュエー
タの固有周期に近づくので、ノズルから吐出される複数
のインク滴の吐出速度は、徐々に速くなる。従って、後
から吐出されたインク滴の方が前に吐出されたインク滴
よりも吐出速度が速くなり、後から吐出されたインク滴
は前に吐出されたインク滴に追いつき、両インク滴は記
録媒体に着弾する前に合体する。その結果、複数のイン
ク滴は合体して一つのインク滴になってから記録媒体に
着弾し、記録媒体に良好な単一ドットが形成される。
【0013】本発明に係る他のインクジェットヘッド
は、インクを収容する圧力室と該圧力室に連通するノズ
ルとが形成されたヘッド本体と、圧電素子を有し、該圧
電素子の圧電効果によって上記圧力室内のインクに圧力
を付与するアクチュエータと、上記アクチュエータの圧
電素子に駆動電圧信号を供給する駆動信号供給手段とを
備え、上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内
に、複数の駆動パルスをこれら駆動パルス間の時間間隔
を徐々に上記アクチュエータの固有周期に近づけるよう
に長くしながら供給することとしたものである。
【0014】このことにより、上記と同様に、複数の駆
動パルスの時間間隔が徐々にアクチュエータの固有周期
に近づくので、ノズルから吐出される複数のインク滴の
吐出速度は、徐々に速くなる。従って、複数のインク滴
は合体して一つのインク滴になってから記録媒体に着弾
し、記録媒体に良好な単一ドットが形成される。また、
駆動パルスの時間間隔はアクチュエータの固有周期に近
づくように徐々に長くなるので、徐々に当該固有周期に
近づくように短くなる場合に比べて、駆動パルスの全体
の時間間隔は短くなる。従って、一つの印字周期をより
短くすることができ、より高速の印字が可能となる。
【0015】本発明に係る他のインクジェットヘッド
は、インクを収容する圧力室と該圧力室に連通するノズ
ルとが形成されたヘッド本体と、圧電素子を有し、該圧
電素子の圧電効果によって上記圧力室内のインクに圧力
を付与するアクチュエータと、上記圧力室内を減圧する
側に上記アクチュエータを駆動するための負圧電位と、
該圧力室内を加圧する側に該アクチュエータを駆動する
正圧電位とを含む駆動電圧信号を上記圧電素子に供給す
る駆動信号供給手段とを備え、上記駆動信号供給手段
は、所定の一印字周期内に、所定の負圧電位と正圧電位
との間の基準電位から該負圧電位まで下降する電位降下
波形と、該負圧電位を維持する負圧電位維持波形と、該
負圧電位から上記正圧電位まで上昇する電位上昇波形と
からなる初期駆動パルスと、正圧電位を維持する正圧電
位維持波形と、該正圧電位から負圧電位まで下降する電
位降下波形と、該負圧電位を維持する負圧電位維持波形
と、該負圧電位から正圧電位まで上昇する電位上昇波形
とからなる1または2以上の後続駆動パルスとを、これ
ら駆動パルス間の時間間隔を徐々に上記アクチュエータ
の固有周期に近づけるように長くしながら供給すること
としたものである。
【0016】このことにより、アクチュエータをいった
ん減圧側に駆動してから加圧側に駆動してインクを吐出
するいわゆるプルプッシュ方式のインク吐出が行われ、
一印字周期内に複数のインク滴が吐出される。駆動パル
ス間の時間間隔は徐々にアクチュエータの固有周期に近
づくように長くなるので、複数のインク滴は記録媒体に
着弾する前に合体し、一つのインク滴となって記録媒体
に着弾する。従って、記録媒体上には、良好な単一ドッ
トが形成される。また、高速印字が可能となる。
【0017】上記駆動信号供給手段は、一印字周期内に
少なくとも初期駆動パルス、第1後続駆動パルス及び第
2後続駆動パルスを順に供給するように構成され、上記
初期駆動パルスの電位降下波形の電位降下開始時から電
位上昇波形の電位上昇終了時までの第1時間t1と、上
記第1後続駆動パルスにおける正圧電位維持波形の電位
維持開始時から電位上昇波形の電位上昇終了時までの第
2時間t2と、上記第2後続駆動パルスにおける正圧電
位維持波形の電位維持開始時から電位上昇波形の電位上
昇終了時までの第3時間t3とは、アクチュエータの固
有周期t0に対して、t1≦t2<t3≦t0に設定さ
れていてもよい。
【0018】このことにより、初期駆動パルスによって
吐出された第1インク滴と、第1後続駆動パルスによっ
て吐出された第2インク滴と、第2後続駆動パルスによ
って吐出された第3インク滴とは、記録媒体に着弾する
前に合体し、記録媒体に単一のドットを形成することに
なる。その結果、記録媒体に良好な単一ドットが形成さ
れ、また、高速印字が可能となる。
【0019】上記初期駆動パルスの正圧電位と各後続駆
動パルスの正圧電位とは、それぞれ等しく、初期駆動パ
ルスの負圧電位と各後続駆動パルスの負圧電位とは、そ
れぞれ等しくてもよい。
【0020】このことにより、所定の正圧電位と基準電
位と負圧電位との3段階の電位により、複数の駆動パル
スが形成される。従って、駆動パルスの形成が容易にな
る。
【0021】一印字周期内の初期駆動パルスの電位降下
波形の電位降下開始時から最後の後続駆動パルスの電位
上昇波形の電位上昇終了時までの時間T1は、最小印字
周期T2に対して、T1/T2≦0.5に設定されてい
ることが好ましい。
【0022】このことにより、最後の後続駆動パルスを
供給してから次の印字周期の初期駆動パルスを供給する
までの間に、圧力室内のインクが静定するための十分な
時間が確保される。従って、インクの吐出が安定する。
【0023】ところで、固有周期の比較的長いアクチュ
エータでは、駆動パルスの電位維持波形の波形維持時間
がインクの吐出速度に与える影響は比較的小さい。従っ
て、電位維持波形を短くすることにより、その分電位上
昇波形または電位降下波形を長くすることができる。
【0024】そこで、各駆動パルスのパルス幅は、アク
チュエータの固有周期以下に設定され、各駆動パルスの
電位維持波形の波形維持時間は、アクチュエータの固有
周期の1/4以下に設定されていることが好ましい。
【0025】このことにより、電位上昇波形の立ち上が
り時間または電位降下波形の立ち下がり時間が十分に確
保され、エキストラドットのない安定したインク吐出が
行われる。なお、上記波形維持時間は零でもよい。つま
り、上記波形維持時間は、上記固有周期の0〜1/4倍
であってもよい。
【0026】本発明に係る他のインクジェットヘッド
は、インクを収容する圧力室と該圧力室に連通するノズ
ルとが形成されたヘッド本体と、圧電素子を有し、該圧
電素子の圧電効果によって上記圧力室内のインクに圧力
を付与するアクチュエータと、上記アクチュエータの圧
電素子に駆動電圧信号を供給する駆動信号供給手段とを
備え、上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内
に、所定の基準電位から上記圧力室内を加圧する側に上
記アクチュエータを駆動するための正圧電位まで上昇す
る電位上昇波形と、該正圧電位を維持する正圧電位維持
波形と、該正圧電位から所定の基準電位まで下降する電
位降下波形とからなる3以上の矩形状駆動パルスを、こ
れら駆動パルス間の時間間隔を徐々に上記アクチュエー
タの固有周期に近づけるように長くしながら供給するこ
ととしたものである。
【0027】このことにより、一印字周期内にアクチュ
エータに3以上の矩形状駆動パルスが供給され、ノズル
から3以上のインク滴が徐々に吐出速度が速くなるよう
に吐出される。その結果、これらインク滴は記録媒体に
着弾する前に合体し、1つのインク滴となって記録媒体
に着弾する。従って、記録媒体に良好な単一ドットが形
成され、また、高速印字が可能となる。
【0028】上記駆動信号供給手段は、一印字周期内に
少なくとも第1、第2及び第3の矩形状駆動パルスを順
に供給するように構成され、上記第1駆動パルスの電位
上昇終了時から上記第2駆動パルスの電位上昇終了時ま
での第1時間t1と、上記第2駆動パルスの電位上昇終
了時から上記第3駆動パルスの電位上昇終了時までの第
2時間t2とは、アクチュエータの固有周期t0に対し
て、t1<t2≦t0に設定されていてもよい。
【0029】このことにより、第1駆動パルスによって
吐出された第1インク滴と、第2駆動パルスによって吐
出された第2インク滴と、第3駆動パルスによって吐出
された第3インク滴とは、記録媒体に着弾する前に合体
し、記録媒体に単一のドットを形成することになる。
【0030】上記矩形状駆動パルスの正圧電位及び基準
電位は、それぞれ等しくてもよい。このことにより、駆
動パルスは2つの電位のみで形成されるので、駆動パル
スの形成は容易になる。
【0031】一印字周期内の最初の駆動パルスの電位上
昇開始時と最後の駆動パルスの電位上昇開始時との間の
時間T1が、最小印字周期T2に対して、T1/T2≦
0.5に設定されていることが好ましい。
【0032】このことにより、最後の駆動パルスを供給
してから次の印字周期の最初の駆動パルスを供給するま
での間に、圧力室内のインクが静定するための十分な時
間が確保される。従って、インクの吐出が安定する。
【0033】本発明に係る他のインクジェットヘッド
は、インクを収容する圧力室と該圧力室に連通するノズ
ルとが形成されたヘッド本体と、圧電素子を有し、該圧
電素子の圧電効果によって上記圧力室内のインクに圧力
を付与するアクチュエータと、上記アクチュエータの圧
電素子に駆動電圧信号を供給する駆動信号供給手段とを
備え、上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内に
複数の駆動パルスを供給するように構成され、上記駆動
パルス間の時間間隔は、後から吐出されるインク滴の方
が先に吐出されるインク滴よりも吐出速度が速くなるよ
うに、上記アクチュエータの固有周期よりも若干長い所
定時間に近づくように徐々に長くなっていることとした
ものである。
【0034】複数の駆動パルスが短時間の間に連続して
供給されると、先の駆動パルスによるアクチュエータの
振動またはインクの脈動の影響が残存し、後の駆動パル
スによるアクチュエータの作動に影響を及ぼすことがあ
る。その結果、駆動パルス間の時間間隔をアクチュエー
タの固有周期と一致させるよりも、当該固有周期よりも
若干長い所定時間に一致させた方が、インクの吐出速度
が速くなる場合もある。そこで、そのような場合には、
上記事項のように駆動パルス間の時間間隔を上記固有周
期よりも若干長い所定時間に近づけるように徐々に長く
することにより、インク滴の吐出速度を吐出順に大きく
することができ、それらインク滴を着弾前に合体させる
ことができる。
【0035】本発明に係る他のインクジェットヘッド
は、インクを収容する圧力室と該圧力室に連通するノズ
ルとが形成されたヘッド本体と、圧電素子を有し、該圧
電素子の圧電効果によって上記圧力室内のインクに圧力
を付与するアクチュエータと、上記アクチュエータの圧
電素子に駆動電圧信号を供給する駆動信号供給手段とを
備え、上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内に
複数の駆動パルスを供給するように構成され、上記駆動
パルスは、後から吐出されるインク滴の方が先に吐出さ
れるインク滴よりも吐出速度が速くなるように、パルス
幅が上記アクチュエータの固有周期の半分の時間または
ほぼ半分の時間に徐々に近づくような順序で供給される
こととしたものである。
【0036】このことにより、一印字周期内に、アクチ
ュエータの圧電素子に対し複数の駆動パルスが供給さ
れ、同一ノズルから複数のインク滴が吐出される。ここ
で、駆動パルスのパルス幅は、アクチュエータの固有周
期の半分の時間またはほぼ半分の時間に徐々に近づいて
いくので、ノズルから吐出されるインク滴の吐出速度は
吐出順に徐々に速くなる。従って、後から吐出されたイ
ンク滴は前に吐出されたインク滴に追いつき、インク滴
は記録媒体に着弾する前に合体する。その結果、複数の
インク滴は合体して一つのインク滴になってから記録媒
体に着弾し、記録媒体に良好な単一ドットが形成され
る。
【0037】本発明に係る他のインクジェットヘッド
は、インクを収容する圧力室と該圧力室に連通するノズ
ルとが形成されたヘッド本体と、圧電素子を有し、該圧
電素子の圧電効果によって上記圧力室内のインクに圧力
を付与するアクチュエータと、上記圧力室内を減圧する
側に上記アクチュエータを駆動するための負圧電位と、
該圧力室内を加圧する側に該アクチュエータを駆動する
正圧電位とを含む駆動電圧信号を上記圧電素子に供給す
る駆動信号供給手段とを備え、上記駆動信号供給手段
は、所定の一印字周期内に、所定の負圧電位と正圧電位
との間の基準電位から該負圧電位まで下降する電位降下
波形と、該負圧電位を維持する負圧電位維持波形と、該
負圧電位から上記正圧電位まで上昇する電位上昇波形と
からなる初期駆動パルスと、正圧電位を維持する正圧電
位維持波形と、該正圧電位から負圧電位まで下降する電
位降下波形と、該負圧電位を維持する負圧電位維持波形
と、該負圧電位から正圧電位まで上昇する電位上昇波形
とからなる1または2以上の後続駆動パルスとを供給す
るように構成され、上記駆動パルスは、後から吐出され
るインク滴の方が先に吐出されるインク滴よりも吐出速
度が速くなるように、パルス幅が上記アクチュエータの
固有周期の半分の時間またはほぼ半分の時間に徐々に近
づくような順序で供給されることとしたものである。
【0038】また、本発明に係る他のインクジェットヘ
ッドは、インクを収容する圧力室と該圧力室に連通する
ノズルとが形成されたヘッド本体と、圧電素子を有し、
該圧電素子の圧電効果によって上記圧力室内のインクに
圧力を付与するアクチュエータと、所定の基準電位と、
上記圧力室を減圧する側に上記アクチュエータを駆動す
るための負圧電位とを含む駆動電圧信号を上記圧電素子
に供給する駆動信号供給手段とを備え、上記駆動信号供
給手段は、所定の一印字周期内に、基準電位から負圧電
位にまで下降する電位降下波形と、該負圧電位を維持す
る負圧電位維持波形と、該負圧電位から基準電位にまで
上昇する電位上昇波形とからなる3以上の駆動パルスを
供給するように構成され、上記駆動パルスは、後から吐
出されるインク滴の方が先に吐出されるインク滴よりも
吐出速度が速くなるように、パルス幅が上記アクチュエ
ータの固有周期の半分の時間またはほぼ半分の時間に徐
々に近づくような順序で供給されることとしたものであ
る。
【0039】このことにより、いわゆるプルプッシュ
(引き押し)方式のインク吐出が行われ、一印字周期内
に複数のインク滴が吐出される。駆動パルスのパルス幅
はアクチュエータの固有周期の半分の時間またはほぼ半
分の時間に徐々に近づくので、複数のインク滴は着弾前
に合体し、一つのインク滴となってから記録媒体に着弾
する。
【0040】本発明に係る他のインクジェットヘッド
は、インクを収容する圧力室と該圧力室に連通するノズ
ルとが形成されたヘッド本体と、圧電素子を有し、該圧
電素子の圧電効果によって上記圧力室内のインクに圧力
を付与するアクチュエータと、上記アクチュエータの圧
電素子に駆動電圧信号を供給する駆動信号供給手段とを
備え、上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内
に、所定の基準電位から上記圧力室内を加圧する側に上
記アクチュエータを駆動するための正圧電位にまで上昇
する電位上昇波形と、該正圧電位を維持する正圧電位維
持波形と、該正圧電位から該基準電位にまで下降する電
位降下波形とからなる3以上の矩形状駆動パルスを供給
するように構成され、上記矩形状駆動パルスは、後から
吐出されるインク滴の方が先に吐出されるインク滴より
も吐出速度が速くなるように、パルス幅が上記アクチュ
エータの固有周期の半分の時間またはほぼ半分の時間に
徐々に近づくような順序で供給されることとしたもので
ある。
【0041】このことにより、一印字周期内にアクチュ
エータに3以上の矩形状駆動パルスが供給され、ノズル
から3以上のインク滴が徐々に吐出速度が速くなるよう
に吐出される。その結果、これらインク滴は記録媒体に
着弾する前に合体し、1つのインク滴となって記録媒体
に着弾する。
【0042】上記駆動パルスは、パルス幅が徐々に長く
なるような順序で供給されることが好ましい。
【0043】このことにより、駆動パルスのパルス幅が
固有周期の半分またはほぼ半分の時間に近づくように徐
々に長くなるので、それらに近づくように徐々に短くな
る場合に比べて、駆動パルスのパルス幅の合計の時間は
短くなる。従って、一つの印字周期をより短くすること
ができ、より高速の印字が可能となる。
【0044】上記インクジェットヘッドは、圧電素子の
厚みが0.5μm〜5μmに設定されていてもよい。こ
のように圧電素子が薄膜化されている場合であっても、
複数のインク滴は合体してから記録媒体に着弾し、記録
媒体に良好な単一ドットが形成される。
【0045】本発明に係るインクジェット式記録装置
は、上記インクジェットヘッドと、上記インクジェット
ヘッドのインク吐出時に、該インクジェットヘッドと記
録媒体とを相対移動させる相対移動手段とを備えている
こととしたものである。
【0046】このことにより、同一ノズルから吐出した
複数のインク滴を記録媒体に着弾する前に合体させるこ
とのできる高速かつ高品質の記録装置が得られる。
【0047】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。
【0048】<実施形態1>図1は、実施形態1に係る
インクジェット式記録装置の概略構成を示す。このイン
クジェット式記録装置は、キャリッジ16に支持固定さ
れたインクジェットヘッド1を備えている。キャリッジ
16には、図1では図示を省略するキャリッジモータ2
8(図6参照)が設けられ、このキャリッジモータ28
によりインクジェットヘッド1及びキャリッジ16が主
走査方向(図1及び図2に示すX方向)に延びるキャリ
ッジ軸17にガイドされ、その方向に往復移動するよう
になっている。なお、このキャリッジ16、キャリッジ
軸17及びキャリッジモータ28により、インクジェッ
トヘッド1と記録紙41とを相対移動させる相対移動手
段が構成されている。
【0049】記録紙41は、図1では図示を省略する搬
送モータ26(図6参照)によって回転駆動される2つ
の搬送ローラ42に挟まれていて、この搬送モータ26
及び各搬送ローラ42により、上記主走査方向と垂直な
副走査方向(図1及び図2に示すY方向)に搬送される
ようになっている。
【0050】インクジェットヘッド1は、図2〜図5に
示すように、インクを収容する複数の圧力室4と各圧力
室4にそれぞれ連通する複数のノズル2とが形成された
ヘッド本体40と、各圧力室4内のインクに圧力を付加
して各ノズル2からインク滴をそれぞれ吐出させる複数
のアクチュエータ10とを有している。アクチュエータ
10は、後述の如く、いわゆるたわみ振動型の圧電素子
13を用いたものであって、圧力室4の収縮及び膨張に
伴う圧力室4内の圧力変化によって、ノズル2からイン
ク滴を吐出しかつ圧力室4にインクを充填するようにな
っている。
【0051】圧力室4は、図2に示すように、インクジ
ェットヘッド1の内部に主走査方向Xに延びるように長
溝状に形成されていて、副走査方向に互いに所定間隔を
あけて配設されている。この圧力室4の一端部(図2で
は右側の端部)には、ノズル2がインクジェットヘッド
1の下面において副走査方向Yに互いに所定間隔をあけ
て開口するように設けられている。圧力室4の他端部
(図2では左側の端部)にはインク供給路5の一端部が
それぞれ接続され、この各インク供給路5の他端部は、
副走査方向Yに延びるように設けられたインク供給室3
に接続されている。
【0052】また、インクジェットヘッド1は、図3に
示すように、ノズル2が形成されたノズルプレート6
と、圧力室4及びインク供給路5を区画形成する区画壁
7と、アクチュエータ10とが順に積層されて構成され
ている。このノズルプレート6は厚さ20μmのポリイ
ミド板からなり、区画壁7は厚さ280μmのステンレ
ス製ラミネート板からなっている。
【0053】アクチュエータ10は、図4及び図5に誇
張して示すように、圧力室4に臨設された振動板11
と、振動板11を振動させる薄膜の圧電素子13と、個
別電極14とが順に積層されて構成されている。振動板
11は、厚さ2μmのクロム板からなっていて、個別電
極14と共に圧電素子13に電圧を印加するための共通
電極としての機能をも有している。圧電素子13は、圧
力室4に対応して設けられていて、厚さ3μmのPZT
(ジルコル酸チタン酸鉛)からなる超薄型のものであ
る。個別電極14は厚さ0.1μmの白金板からなって
おり、アクチュエータ10の全体の厚さは約5μmとな
っている。なお、互いに隣接する圧電素子13及び個別
電極14の間には、ポリイミドからなる絶縁板15が設
けられている。
【0054】次に、図6のブロック図を参照しながら、
インクジェット式記録装置の制御回路20を説明する。
制御回路20は、CPUからなる主制御部21と、各種
データ処理のためのルーチン等を記憶したROM22
と、各種データの記憶等を行うRAM23と、搬送モー
タ26及びキャリッジモータ28をそれぞれ駆動制御す
るためのドライバ回路25,27及びモータ制御回路2
4と、印刷データを受信するデータ受信回路29と、駆
動信号発生回路30と、選択回路31とを備えている。
選択回路31には、アクチュエータ10が接続されてい
る。駆動信号発生回路30は、一印字周期内に複数の駆
動パルスを有する駆動信号を発生する。選択回路31
は、インクジェットヘッド1がキャリッジ16と共に主
走査方向Xに移動しているときに、上記駆動信号に含ま
れる1または2以上の駆動パルスをアクチュエータ10
に選択的に入力させる。これら駆動信号発生回路30及
び選択回路31により、アクチュエータ10に所定の駆
動信号を供給する駆動信号供給手段32が構成されてい
る。
【0055】次に、インクジェット式記録装置の動作に
ついて説明する。まず、データ受信回路29が画像デー
タを受信すると、主制御部21がROM22に記憶され
た処理ルーチンに基づいて、モータ制御回路24及びド
ライバ回路25,27を介して搬送モータ26及びキャ
リッジモータ28をそれぞれ制御すると共に、駆動信号
発生回路30に複数の駆動パルスを有する駆動信号を発
生させる。さらに、主制御部21は、上記画像データに
基づいて、選択回路31に選択すべき駆動パルスの情報
を出力する。そして、選択回路31は、上記情報に基づ
いて、複数の駆動パルスのうちから所定の1または2以
上の駆動パルスを選択してアクチュエータ10に供給す
る。これにより、インクジェットヘッド1のノズル2か
ら、一印字周期内に1または2以上のインク滴が吐出可
能になっている。
【0056】次に、一例として、図7及び図8を参照し
ながら、一印字周期内にノズル2から3つのインク滴を
吐出する際の動作を説明する。一印字周期T2内にアク
チュエータ10に供給される駆動信号は、3つの台形波
状パルスP1〜P3、すなわち初期パルスP1と第1後
続パルスP2と第2後続パルスP3とを含んでいる。各
パルスP1〜P3は、アクチュエータ10に引き押し動
作(いわゆるプルプッシュ動作)を行わせることによっ
てインク滴を吐出するための駆動信号である。
【0057】図7に示すように、初期パルスP1は、基
準電位V0から圧力室4内を減圧する側にアクチュエー
タ10を駆動するための最小電位V1にまで下降する電
位降下波形S1と、最小電位V1を維持する最小電位維
持波形S2と、最小電位V1から圧力室4内を加圧する
側にアクチュエータ10を駆動するための最大電位V2
にまで上昇する電位上昇波形S3とから構成されてい
る。第1後続パルスP2は、最大電位V2を維持する最
大電位維持波形S4と、最大電位V2から最小電位V1
にまで下降する電位降下波形S5と、最小電位V1を維
持する最小電位維持波形S6と、最小電位V1から最大
電位V2にまで上昇する電位上昇波形S7とから構成さ
れている。第2後続パルスP3は、最大電位V2を維持
する最大電位維持波形S8と、最大電位V2から最小電
位V1にまで下降する電位降下波形S9と、最小電位V
1を維持する最小電位維持波形S10と、最小電位V1
から最大電位V2にまで上昇する電位上昇波形S11と
から構成されている。第2後続パルスP3の後には、最
大電位V2を維持する最大電位維持波形S12と、最大
電位V2から基準電位V0にまで下降する電位降下波形
S13と、基準電位V0を維持する基準電位維持波形S
14とが続いている。なお、基準電位V0、最小電位V
1及び最大電位V2は、−100V〜100V程度の電
位が好ましく、例えば、最小電位V1、基準電位V0、
最大電位V2を、それぞれ0V、20V、50Vとして
もよい。
【0058】本駆動信号に含まれる駆動パルスは、パル
ス間の時間間隔が徐々にアクチュエータ10の固有周期
に近づくように長くなっている。なお、ここでいう固有
周期は、圧力室4内のインクの影響をも含めた振動系全
体の固有周期であり、例えば米国特許第4,697,1
93号明細書に記載されているヘルムホルツ固有振動周
波数fの逆数で表される。具体的には、初期パルスP1
における電位降下波形S1の電位降下開始時から電位上
昇波形S3の電位上昇終了時までの第1時間t1と、第
1後続パルスP2における最大電位維持波形S4の電位
維持開始時から電位上昇波形S7の電位上昇終了時まで
の第2時間t2と、第2後続パルスP3における最大電
位維持波形S8の電位維持開始時から電位上昇波形S1
1の電位上昇終了時までの第3時間t3とは、アクチュ
エータ10の固有周期t0に対して、t1≦t2<t3
≦t0となるように設定されている。例えば、アクチュ
エータ10の固有周期が8μsの場合に、t1、t2、
t3をそれぞれ5.5μs、7μs、8μsとすること
ができる。
【0059】各パルスP1〜P3のパルス幅は、アクチ
ュエータ10の固有周期以下に設定されている。また、
一般に、固有周期の長い薄膜の圧電素子13では、パル
スの最大電位または最小電位の維持時間(ピークホール
ド時間)がインク滴の吐出速度に与える影響は小さい。
そのため、パルスP1〜P3の電位降下波形の立ち下が
り時間及び電位上昇波形の立ち上がり時間を相対的に長
くするよう、ピークホールド時間を短くすることができ
る。本実施形態では、パルスP1〜P3の各電位維持波
形S2、S4、S6、S8、S10及びS12の電位維
持時間(ピークホールド時間)は、それぞれアクチュエ
ータ10の固有周期の1/4以下に設定されている。
【0060】また、一つの印字周期のインク吐出終了か
ら次の印字周期のインク吐出開始までの間に圧力室4内
及びノズル2内のインクを十分に静定させるために、第
2後続パルスを供給した後の波形S12〜S14は、十
分な長さに設定されている。具体的には、初期パルスP
1の電位降下波形S1の電位降下開始時から第2後続パ
ルスP3の電位上昇波形S11の電位上昇終了時までの
時間T1は、最小印字周期T2の半分以下に設定されて
いる。つまり、T1/T2≦0.5となっており、例え
ば、T1=20.5μs、T2=50μsとしてもよ
い。なお、時間T1は、インクを良好に吐出できる範囲
に設定すればよく、固有周期以上または(T2)/8以
上(つまり1/8≦T1/T2)が特に好ましい。
【0061】このように、本実施形態では、パルス間の
時間間隔t1、t2、t3が徐々にアクチュエータ10
の固有周期に近づくようになっているので、図7(a)
に示すように、初期パルスP1によって吐出される第1
インク滴Q1、第1後続パルスP2によって吐出される
第2インク滴Q2、第2後続パルスP3によって吐出さ
れる第3インク滴Q3は、段階的に速度が速くなるよう
に吐出される。言い換えると、第1インク滴Q1、第2
インク滴Q2、第3インク滴Q3の吐出速度をそれぞれ
v1、v2、v3とすると、v1≦v2<v3となる。
なお、第3インク滴Q3の吐出速度v3は、第1インク
滴Q1と第2インク滴Q2とが合体して第1合体インク
滴Q12となった後に第3インク滴Q3が当該第1合体
インク滴Q12に更に合体するように、第1合体インク
滴Q12の吐出速度v12よりも大きく設定されていて
もよい。あるいは、例えばv1=v2の場合のように、
第3インク滴Q3と第2インク滴Q2とが合体して第2
合体インク滴となった後に当該第2合体インク滴が更に
第1インク滴Q1に合体するように設定されていてもよ
い。これにより、第1、第2及び第3インク滴Q1〜Q
3は、記録紙41に着弾する前に合体し、一つのインク
滴Q123となって記録紙41に着弾して単一のドット
を形成することになる。
【0062】以上のように、本実施形態によれば、パル
スP1〜P3の時間間隔t1〜t3を、徐々にアクチュ
エータ10の固有周期に近づくように変化させることと
したので、複数のインク滴の吐出速度を徐々に増加させ
ることができる。従って、第1〜第3のインク滴Q1〜
Q3を着弾前に合体させることができ、たとえインクジ
ェットヘッド1のキャリッジ速度が速い場合であって
も、記録紙41に良好なインクドットを形成することが
できる。従って、多階調記録を高速に行うことが可能と
なる。
【0063】また、パルスP1〜P3の時間間隔t1〜
t3を徐々に長くしたので、それらがアクチュエータ1
0の固有周期に近づくように徐々に短くなる場合に比べ
て、全体の時間間隔T1=t1+t2+t3を短くする
ことができる。従って、印字速度が向上する。
【0064】また、パルスP1〜P3のピークホールド
時間が短いので、その分だけ電位の立ち下がり時間や立
ち上がり時間を長くすることができ、電位の立ち上がり
時間及び立ち下がり時間を十分に確保することができ
る。従って、エキストラドットのない安定したインク滴
を吐出することができ、良質な印字を得ることができ
る。
【0065】また、一印字周期内の最後のパルスである
第2後続パルスP3から次の印字周期の初期パルスP1
までの時間が長いので、第3インク滴Q3を吐出した後
の圧力室4及びノズル2内のインクの脈動やメニスカス
振動は、次の印字周期の第1インク滴Q1を吐出するま
での間に、十分に低減する。従って、第1インク滴Q1
の吐出時には、圧力室4及びノズル2内のインクは十分
に静定する。そのため、第1インク滴Q1を安定して吐
出することができる。
【0066】なお、アクチュエータ10の振動を抑制し
てインクを更に静定させるために、図9に示すように、
第2後続パルスP3の後の電位降下波形S13の傾斜を
より穏やかにしてもよく、当該電位降下波形S13の後
に次の印字周期の初期パルスの電位降下波形S1を連続
させてもよい。
【0067】<実施形態2>実施形態2は、アクチュエ
ータ10に対して一印字周期内に複数の矩形状パルスを
供給するものである。
【0068】図10に示すように、本実施形態に係る駆
動パルス群は、一印字周期内に第1〜第3の矩形パルス
P1’〜P3’を含んでいる。第1〜第3パルスP1’
〜P3’の波形はそれぞれ異なっていてもよいが、本実
施形態では、第1〜第3パルスP1’〜P3’を同一波
形の矩形パルスで構成することとした。つまり、第1〜
第3パルスP1’〜P3’のパルス高さ及びパルス幅は
それぞれ等しい。基準電位V0及び最大電位V2は、−
100V〜100V程度の電位が好ましく、例えば基準
電位V0を0V、最大電位V2を50Vとすることがで
きる。基準電位V0と最大電位V2をこのように設定す
ることにより、駆動信号発生回路30において予め駆動
信号を生成しておく必要がなくなり、選択回路31を基
準電位V0と最大電位V2との間でON/OFFさせる
だけで駆動パルスを生成することができる。つまり、選
択回路31のスイッチング動作(ON/OFF)のみで
駆動パルスを生成することができる。従って、駆動信号
発生回路30を省略することが可能となり、制御回路2
0の構成を簡単化することができる。
【0069】第1パルスP1’の電位上昇終了時から第
2パルスP2’の電位上昇終了時までの第1時間t1
と、第2パルスP2’の電位上昇終了時から第3パルス
P3’の電位上昇終了時までの第2時間t2とは、アク
チュエータ10の固有周期t0に対して、t1<t2≦
t0に設定されている。従って、実施形態1と同様、第
1〜第3インク滴Q1〜Q3を段階的に吐出速度が速く
なるように吐出することができ、これらインク滴Q1〜
Q3を記録紙41に着弾する前に合体させることができ
る。
【0070】第1パルスP1’の電位上昇開始時と第3
パルスP3’の電位上昇開始時との間の時間T1は、印
字周期T2に対して、T1/T2≦0.5に設定されて
いる。従って、実施形態1と同様、次の第1インク滴Q
1の吐出時には、圧力室4及びノズル2内のインクは十
分に静定しているので、第1インク滴Q1を安定して吐
出することができる。
【0071】更に、本実施形態によれば、駆動パルス群
を矩形状のパルスのみによって構成しているので、駆動
パルス群を容易に形成することができる。矩形状のパル
スは台形波状のパルスよりも容易に形成することができ
るからである。従って、駆動信号の波形を簡単化するこ
とができる。また、上述したように、上記矩形状のパル
スは選択回路31のON/OFF動作のみで形成するこ
とができるので、駆動信号発生回路30を省略すること
が可能となる。
【0072】<実施形態3>ところで、インクの粘度、
圧力室4の容積、アクチュエータ10の剛性、または駆
動パルス間の間隔等によっては、先の駆動パルスによる
アクチュエータ10の振動またはインクのメニスカス振
動などの影響が残存し、後の駆動パルスによるアクチュ
エータ10の作動に影響を及ぼすことがある。本発明者
は、先の駆動パルスの影響が比較的大きい場合には、イ
ンク滴の吐出速度を最大にする駆動パルス間の時間間隔
は、実際には固有周期よりも若干長い時間になることを
見い出した。つまり、インク滴の吐出速度を最大にする
駆動パルス間の時間間隔は、固有周期に等しい時間から
ずれる場合があることを発見した。実施形態3は、その
ような先の駆動パルスの影響を考慮に入れ、実施形態1
に改良を施したものである。
【0073】具体的には、本実施形態では、インク滴の
吐出速度を最大にする時間間隔をtmとした場合に、第
1時間t1、第2時間t2及び第3時間t3を、t1≦
t2<t0<t3≦tmに設定した。
【0074】なお、上記時間間隔tmは、インクの粘度
やアクチュエータ10の剛性等に依存する時間であり、
実験等によって特定することができる。
【0075】<実施形態4>実施形態4は、駆動パルス
のパルス幅を、徐々にアクチュエータ10の固有周期t
0の半分の時間またはほぼ半分の時間に近づけるように
したものである。図11に示すように、本実施形態に係
る駆動信号は、一印字周期内に第1〜第4パルスP11
〜P14と補助パルスP15とを含んでいる。第1〜第
4パルスP11〜P14は、インク滴を吐出させるため
の駆動パルスである。一方、補助パルスP15はインク
滴を吐出させるための駆動パルスではなく、先の印字周
期におけるアクチュエータ10の減衰振動等が後の印字
周期に影響を及ぼさないように、第1〜第4パルスP1
1〜P14によるアクチュエータの残留振動やインクメ
ニスカス振動を抑制するためのものである。
【0076】駆動パルスのパルス幅は、立ち下がり半値
点から立ち上がり半値点までの時間、または立ち下がり
開始点から立ち上がり終了点までの時間によって規定し
てもよいが、ここでは、立ち下がり開始点から立ち上が
り開始点までの時間とした。第1パルスP11のパルス
幅をt11、第2パルスP12のパルス幅をt12、第
3パルスP13のパルス幅をt13、第4パルスP14
のパルス幅をt14、アクチュエータ10の固有周期を
t0、インク滴の吐出速度を最大にするパルス幅をtn
とすると、本実施形態では、0.5×t0<tnであっ
て、t11〜t14はt11<t12<t13<t14
<tnに設定されている。なお、時間tnは、インクの
粘度やアクチュエータ10の剛性等に依存するが、実験
等によって特定することができる時間である。例えば、
アクチュエータの固有周期t0が8μsの場合に、t1
1、t12、t13、t14をそれぞれ3.5μs、4
μs、4.5μs、5.5μsとすることができる。な
お、先の駆動パルスが後の駆動パルスに与える影響を無
視することのできる場合には、インクの吐出速度を最大
にするパルス幅は固有周期の半分の時間(=0.5×t
0)に一致すると考えられるので、t11<t12<t
13<t14<0.5×t0としてもよい。
【0077】アクチュエータ10に対してこのような駆
動信号を供給することにより、第1〜第4インク滴は順
に吐出速度が速くなるように吐出され、記録紙41に着
弾する前に合体し、一つのインク滴となって着弾する。
【0078】なお、駆動パルスは台形波状のパルスに限
定されるものではなく、実施形態2のような矩形状パル
スであってもよい。矩形状パルスは選択回路31のON
/OFF動作によって容易に生成することができるの
で、実施形態2と同様、駆動信号発生回路30を省略す
ることができ、制御回路20の構成を簡単化することが
できる。
【0079】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、アクチ
ュエータに対して複数の駆動パルスを供給し、それらパ
ルス間の時間間隔を徐々にアクチュエータの固有周期ま
たは固有周期よりも若干長い所定時間に近づけるように
したので、複数のインク滴を吐出速度が徐々に速くなる
ように吐出することができる。そのため、複数のインク
滴を記録媒体に着弾する前に合体させ、一つのインク滴
として記録媒体に着弾させることができる。従って、複
数のインク滴により、記録媒体上に良好な単一ドットを
形成することができる。その結果、印字品質や印字速度
の向上を図ることができる。
【0080】その際、駆動パルスの時間間隔を徐々に長
くすることにより、一印字周期の時間を短くすることが
でき、印字の高速化を図ることができる。
【0081】また、アクチュエータに対して複数の駆動
パルスを供給し、それらのパルス幅をアクチュエータの
固有周期の半分の時間またはほぼ半分の時間に徐々に近
づけるようにしたので、複数のインク滴をそれらの吐出
速度が徐々に速くなるように吐出することができる。そ
のため、複数のインク滴を合体させ、一つのインク滴と
して記録媒体に着弾させることができ、印字品質や印字
速度の向上を図ることができる。
【0082】その際、駆動パルスのパルス幅を徐々に長
くすることにより、一印字周期の時間を短くすることが
でき、印字の高速化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態に係るインクジェット式記録装置の概
略構成図である。
【図2】インクジェットヘッドの部分平面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】アクチュエータ近傍の部分断面図である。
【図5】図2のB−B線断面図である。
【図6】制御回路のブロック図である。
【図7】(a)はインク滴の吐出を示す模式図であり、
(b)は実施形態1に係る駆動信号の波形図である。
【図8】実施形態1に係る駆動信号の波形図である。
【図9】駆動信号の変形例の波形図である。
【図10】実施形態2に係る駆動信号の波形図である。
【図11】実施形態4に係る駆動信号の波形図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 2 ノズル 4 圧力室 10 アクチュエータ 11 振動板 13 圧電素子 14 個別電極 32 駆動信号供給手段 40 ヘッド本体 41 記録紙 P1 初期パルス P2 第1後続パルス P3 第2後続パルス

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを収容する圧力室と該圧力室に連
    通するノズルとが形成されたヘッド本体と、 圧電素子を有し、該圧電素子の圧電効果によって上記圧
    力室内のインクに圧力を付与するアクチュエータと、 上記アクチュエータの圧電素子に駆動電圧信号を供給す
    る駆動信号供給手段とを備え、 上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内に、複数
    の駆動パルスをこれら駆動パルス間の時間間隔を徐々に
    上記アクチュエータの固有周期に近づけるように供給す
    るインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 インクを収容する圧力室と該圧力室に連
    通するノズルとが形成されたヘッド本体と、 圧電素子を有し、該圧電素子の圧電効果によって上記圧
    力室内のインクに圧力を付与するアクチュエータと、 上記アクチュエータの圧電素子に駆動電圧信号を供給す
    る駆動信号供給手段とを備え、 上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内に、複数
    の駆動パルスをこれら駆動パルス間の時間間隔を徐々に
    上記アクチュエータの固有周期に近づけるように長くし
    ながら供給するインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 インクを収容する圧力室と該圧力室に連
    通するノズルとが形成されたヘッド本体と、 圧電素子を有し、該圧電素子の圧電効果によって上記圧
    力室内のインクに圧力を付与するアクチュエータと、 上記圧力室内を減圧する側に上記アクチュエータを駆動
    するための負圧電位と、該圧力室内を加圧する側に該ア
    クチュエータを駆動する正圧電位とを含む駆動電圧信号
    を上記圧電素子に供給する駆動信号供給手段とを備え、 上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内に、 所定の負圧電位と正圧電位との間の基準電位から該負圧
    電位にまで下降する電位降下波形と、該負圧電位を維持
    する負圧電位維持波形と、該負圧電位から上記正圧電位
    にまで上昇する電位上昇波形とからなる初期駆動パルス
    と、 正圧電位を維持する正圧電位維持波形と、該正圧電位か
    ら負圧電位にまで下降する電位降下波形と、該負圧電位
    を維持する負圧電位維持波形と、該負圧電位から正圧電
    位にまで上昇する電位上昇波形とからなる1または2以
    上の後続駆動パルスとを、これら駆動パルス間の時間間
    隔を徐々に上記アクチュエータの固有周期に近づけるよ
    うに長くしながら供給するインクジェットヘッド。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載のインクジェットヘッド
    であって、 駆動信号供給手段は、一印字周期内に少なくとも初期駆
    動パルス、第1後続駆動パルス及び第2後続駆動パルス
    を順に供給するように構成され、 上記初期駆動パルスの電位降下波形の電位降下開始時か
    ら電位上昇波形の電位上昇終了時までの第1時間t1
    と、 上記第1後続駆動パルスにおける正圧電位維持波形の電
    位維持開始時から電位上昇波形の電位上昇終了時までの
    第2時間t2と、 上記第2後続駆動パルスにおける正圧電位維持波形の電
    位維持開始時から電位上昇波形の電位上昇終了時までの
    第3時間t3とは、アクチュエータの固有周期t0に対
    して、 t1≦t2<t3≦t0 に設定されているインクジェットヘッド。
  5. 【請求項5】 請求項3または4のいずれか一つに記載
    のインクジェットヘッドであって、 初期駆動パルスの正圧電位と各後続駆動パルスの正圧電
    位とは、それぞれ等しく、 初期駆動パルスの負圧電位と各後続駆動パルスの負圧電
    位とは、それぞれ等しいインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか一つに記載のイ
    ンクジェットヘッドであって、 一印字周期内の初期駆動パルスの電位降下波形の電位降
    下開始時から最後の後続駆動パルスの電位上昇波形の電
    位上昇終了時までの時間T1は、最小印字周期T2に対
    して、 T1/T2≦0.5 に設定されているインクジェットヘッド。
  7. 【請求項7】 請求項3〜6のいずれか一つに記載のイ
    ンクジェットヘッドであって、 各駆動パルスのパルス幅は、アクチュエータの固有周期
    以下に設定され、 各駆動パルスの電位維持波形の波形維持時間は、アクチ
    ュエータの固有周期の1/4以下に設定されているイン
    クジェットヘッド。
  8. 【請求項8】 インクを収容する圧力室と該圧力室に連
    通するノズルとが形成されたヘッド本体と、 圧電素子を有し、該圧電素子の圧電効果によって上記圧
    力室内のインクに圧力を付与するアクチュエータと、 上記アクチュエータの圧電素子に駆動電圧信号を供給す
    る駆動信号供給手段とを備え、 上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内に、所定
    の基準電位から上記圧力室内を加圧する側に上記アクチ
    ュエータを駆動するための正圧電位にまで上昇する電位
    上昇波形と、該正圧電位を維持する正圧電位維持波形
    と、該正圧電位から所定の基準電位にまで下降する電位
    降下波形とからなる3以上の矩形状駆動パルスを、これ
    ら駆動パルス間の時間間隔を徐々に上記アクチュエータ
    の固有周期に近づけるように長くしながら供給するイン
    クジェットヘッド。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載のインクジェットヘッド
    であって、 駆動信号供給手段は、一印字周期内に少なくとも第1、
    第2及び第3の矩形状駆動パルスを順に供給するように
    構成され、 上記第1駆動パルスの電位上昇終了時から上記第2駆動
    パルスの電位上昇終了時までの第1時間t1と、 上記第2駆動パルスの電位上昇終了時から上記第3駆動
    パルスの電位上昇終了時までの第2時間t2とは、アク
    チュエータの固有周期t0に対して、 t1<t2≦t0 に設定されているインクジェットヘッド。
  10. 【請求項10】 請求項8または9のいずれか一つに記
    載のインクジェットヘッドであって、 矩形状駆動パルスの正圧電位及び基準電位は、それぞれ
    等しいインクジェットヘッド。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれか一つに記載
    のインクジェットヘッドであって、 一印字周期内の最初の駆動パルスの電位上昇開始時と最
    後の駆動パルスの電位上昇開始時との間の時間T1が、
    最小印字周期T2に対して、 T1/T2≦0.5 に設定されているインクジェットヘッド。
  12. 【請求項12】 インクを収容する圧力室と該圧力室に
    連通するノズルとが形成されたヘッド本体と、 圧電素子を有し、該圧電素子の圧電効果によって上記圧
    力室内のインクに圧力を付与するアクチュエータと、 上記アクチュエータの圧電素子に駆動電圧信号を供給す
    る駆動信号供給手段とを備え、 上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内に複数の
    駆動パルスを供給するように構成され、 上記駆動パルス間の時間間隔は、後から吐出されるイン
    ク滴の方が先に吐出されるインク滴よりも吐出速度が速
    くなるように、上記アクチュエータの固有周期よりも若
    干長い所定時間に近づくように徐々に長くなっているイ
    ンクジェットヘッド。
  13. 【請求項13】 インクを収容する圧力室と該圧力室に
    連通するノズルとが形成されたヘッド本体と、 圧電素子を有し、該圧電素子の圧電効果によって上記圧
    力室内のインクに圧力を付与するアクチュエータと、 上記アクチュエータの圧電素子に駆動電圧信号を供給す
    る駆動信号供給手段とを備え、 上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内に複数の
    駆動パルスを供給するように構成され、 上記駆動パルスは、後から吐出されるインク滴の方が先
    に吐出されるインク滴よりも吐出速度が速くなるよう
    に、パルス幅が上記アクチュエータの固有周期の半分の
    時間またはほぼ半分の時間に徐々に近づくような順序で
    供給されるインクジェットヘッド。
  14. 【請求項14】 インクを収容する圧力室と該圧力室に
    連通するノズルとが形成されたヘッド本体と、 圧電素子を有し、該圧電素子の圧電効果によって上記圧
    力室内のインクに圧力を付与するアクチュエータと、 上記圧力室内を減圧する側に上記アクチュエータを駆動
    するための負圧電位と、該圧力室内を加圧する側に該ア
    クチュエータを駆動する正圧電位とを含む駆動電圧信号
    を上記圧電素子に供給する駆動信号供給手段とを備え、 上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内に、 所定の負圧電位と正圧電位との間の基準電位から該負圧
    電位にまで下降する電位降下波形と、該負圧電位を維持
    する負圧電位維持波形と、該負圧電位から上記正圧電位
    にまで上昇する電位上昇波形とからなる初期駆動パルス
    と、 正圧電位を維持する正圧電位維持波形と、該正圧電位か
    ら負圧電位にまで下降する電位降下波形と、該負圧電位
    を維持する負圧電位維持波形と、該負圧電位から正圧電
    位にまで上昇する電位上昇波形とからなる1または2以
    上の後続駆動パルスとを供給するように構成され、 上記駆動パルスは、後から吐出されるインク滴の方が先
    に吐出されるインク滴よりも吐出速度が速くなるよう
    に、パルス幅が上記アクチュエータの固有周期の半分の
    時間またはほぼ半分の時間に徐々に近づくような順序で
    供給されるインクジェットヘッド。
  15. 【請求項15】 インクを収容する圧力室と該圧力室に
    連通するノズルとが形成されたヘッド本体と、 圧電素子を有し、該圧電素子の圧電効果によって上記圧
    力室内のインクに圧力を付与するアクチュエータと、 所定の基準電位と、上記圧力室を減圧する側に上記アク
    チュエータを駆動するための負圧電位とを含む駆動電圧
    信号を上記圧電素子に供給する駆動信号供給手段とを備
    え、 上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内に、基準
    電位から負圧電位にまで下降する電位降下波形と、該負
    圧電位を維持する負圧電位維持波形と、該負圧電位から
    基準電位にまで上昇する電位上昇波形とからなる3以上
    の駆動パルスを供給するように構成され、 上記駆動パルスは、後から吐出されるインク滴の方が先
    に吐出されるインク滴よりも吐出速度が速くなるよう
    に、パルス幅が上記アクチュエータの固有周期の半分の
    時間またはほぼ半分の時間に徐々に近づくような順序で
    供給されるインクジェットヘッド。
  16. 【請求項16】 インクを収容する圧力室と該圧力室に
    連通するノズルとが形成されたヘッド本体と、 圧電素子を有し、該圧電素子の圧電効果によって上記圧
    力室内のインクに圧力を付与するアクチュエータと、 上記アクチュエータの圧電素子に駆動電圧信号を供給す
    る駆動信号供給手段とを備え、 上記駆動信号供給手段は、所定の一印字周期内に、所定
    の基準電位から上記圧力室内を加圧する側に上記アクチ
    ュエータを駆動するための正圧電位にまで上昇する電位
    上昇波形と、該正圧電位を維持する正圧電位維持波形
    と、該正圧電位から該基準電位にまで下降する電位降下
    波形とからなる3以上の矩形状駆動パルスを供給するよ
    うに構成され、 上記矩形状駆動パルスは、後から吐出されるインク滴の
    方が先に吐出されるインク滴よりも吐出速度が速くなる
    ように、パルス幅が上記アクチュエータの固有周期の半
    分の時間またはほぼ半分の時間に徐々に近づくような順
    序で供給されるインクジェットヘッド。
  17. 【請求項17】 請求項13〜16のいずれか一つに記
    載のインクジェットヘッドであって、 駆動パルスは、パルス幅が徐々に長くなるような順序で
    供給されるインクジェットヘッド。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれか一つに記載
    のインクジェットヘッドであって、 圧電素子の厚みが0.5μm〜5μmに設定されている
    インクジェットヘッド。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれか一つに記載
    のインクジェットヘッドと、 上記インクジェットヘッドのインク吐出時に、該インク
    ジェットヘッドと記録媒体とを相対移動させる相対移動
    手段とを備えているインクジェット式記録装置。
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