JP2001157851A - 石炭粉砕性自動推定方法とその装置 - Google Patents

石炭粉砕性自動推定方法とその装置

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JP2001157851A JP34371199A JP34371199A JP2001157851A JP 2001157851 A JP2001157851 A JP 2001157851A JP 34371199 A JP34371199 A JP 34371199A JP 34371199 A JP34371199 A JP 34371199A JP 2001157851 A JP2001157851 A JP 2001157851A
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隆 園田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 石炭粉砕性(HGI)が等しく水分率が相違
する石炭においても、また経年劣化等によるプロセスデ
ータ変化に伴う正確な自動推定を行う事の出来る石炭粉
砕性推定手段の発明の提供。 【解決手段】 重回帰分析で求めた係数からなる固定定
数方式による自動推定手段と、教師データ付1階層ニュ
ーラルネットワークによる自動推定手段とを組み合わ
せ、特に従来のプロセスデータの内より選択した2以上
のプロセスデータに加えて、ミル入口温度と出口温度を
入力変数とし、これらの入力変数と定数とを組み合わせ
て複数段の演算を行なった第1の推定値と前記入力変数
と適宜学習モード切替信号により学習される学習係数と
を組み合わせて複数段の演算を行なった第2の推定値と
が重み付け係数により加重平均された演算出力を得、該
演算出力信号に応答遅れを加味して得られた一次遅れ要
素の出力を石炭粉砕性推定値とした事を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、石炭粉砕装置にお
ける石炭粉砕性自動推定方法とその装置に係り、特に性
状の異なる複数種の石炭を燃料として使用する石炭焚き
ボイラに付設される石炭粉砕装置における石炭性状の自
動推定方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】石炭粉砕装置において、石炭化度の低い
石炭は粉砕しやすいが、微粉砕しにくい。石炭化が進む
と次第に粉砕し易くなり、さらに進むとまた粉砕しにく
くなる。一般に水分、灰分が多いものは粉砕しにくい。
【0003】図13は本発明が適用される石炭粉砕装置
(以下石炭粉砕装置を形容詞的に証する場合ミルとい
う)の構成図を示す。本装置の構成をその作用に沿って
説明するに、石炭(原炭)は、石炭粉砕装置100上部
から中央に挿設された給炭管1を通って石炭粉砕装置内
底部に設けた回転テーブル2上に落下し、該回転テーブ
ル2の回転による遠心力により外周部へと運ばれる。
【0004】前記回転テーブル2の外周部に設けた複数
のロール3は、加圧装置4のミル加圧装置の油圧13に
よりテーブル2に押しつけられており、このロール3と
回転テーブル2間において石炭の粉砕が行なわれる。微
粉砕された石炭は、一次空気(熱空気)5により上部へ
噴き上げられる。この一次空気5は、石炭の搬送と乾燥
の役割を持っている。噴き上げられた微粉炭は、比較的
粗い粒子は、回転テーブル2上に落下し、再粉砕され、
比較的細かい粒子のみ、石炭粉砕装置100上部に設け
た回転分級器6へと導かれる。ここで、さらに粗い粒子
と細かい粒子が再分級され、比較的細かい粒子である微
粉炭7のみ、分級器6を通過し、バーナ(不図示)に供
給される。
【0005】かかる、石炭性状の固さを表す指標である
石炭の粉砕性(HGI)の試験方法はオフラインではボ
ールミル法とハードグローブ法があるが、ボイラ運転中
のオンラインで計測することが困難であり、僅かに図1
3に示す装置が存在するのみである。
【0006】図14において、操作量調節器102より
の最適操作量u及び石炭粉砕性推定器105よりのパラ
メータθを入力信号として、ミル動特性モデル103で
得られたバーナ入口微粉炭流量推定値χを減算器101
に入力して目標値との偏差を求め、該偏差を操作量調節
器102に投入して最適操作量uを求め、該最適操作量
uに基づいて給炭量、分級器回転数、加圧力の制御を行
なう。
【0007】又ミル動特性モデル103よりの出力値と
して微粉炭流量推定値χともに、ミル差圧予測値y’を
得、該ミル差圧予測値y’を減算器104でミルテーブ
ル差圧計測値yとの偏差信号を石炭粉砕性推定器105
に投入してパラメータθを求めている。
【0008】しかしながら、かかる従来技術において
も、ミル動特性モデルが性状の異なる石炭を変動が大き
いミルの差圧を用いて精度良く推定するには、かなりの
労力を必要とする。この為多炭種石炭焚きボイラにおい
ては、複数台の石炭粉砕装置から微粉砕された石炭(微
粉炭)が燃料としてバーナへ供給される訳であるが、従
来の制御装置にあっては、石炭粉砕性(HGI)による
ミル実容量の変化が把握できないため、石炭粉砕装置の
台数制御は、かなり余裕を見た台数切替えが必要であっ
た。
【0009】従って多炭種石炭焚きボイラにおいても、
石炭の性状、特に石炭の粉砕性がオンラインで計測でき
れば大幅な制御性の向上が期待できる。しかしながら、
かかる従来技術においても、ミル動特性モデルが性状の
異なる石炭を変動が大きいミルの差圧を用いて精度良く
推定するには、かなりの労力を必要とする。この為多炭
種焚きボイラにおいては、複数台の石炭粉砕装置から微
粉砕された石炭(微粉炭)が燃料としてバーナへ供給さ
れる訳であるが、従来の制御装置にあっては、石炭粉砕
性(HGI)によるミル実容量の変化が把握できないた
め、石炭粉砕装置の台数制御は、かなり余裕を見た台数
切替が必要であった。従って多炭種石炭焚きボイラにお
いても、石炭の性状、特に石炭の粉砕性がオンラインで
計測できれば大幅な制御性の向上が期待できる。より具
体的には、石炭の粉砕性がオンラインで推定できれば、
以下の利点が生じる。 1)石炭粉砕装置の最大容量の把握が容易となり、的確
な石炭粉砕装置の台数制御が可能である。 2)石炭粉砕装置からバーナに供給される微粉炭量の予
測も適当なモデルを用いることで可能となる。 3)上記利点を制御装置で活用すれば制御性及び信頼性
の向上が期待できる。 かかる要請に鑑み、本出願人は先に、例えば性状の異な
る複数種の石炭を燃料として使用する石炭焚きボイラに
付設される石炭粉砕装置であっても石炭の粉砕性がオン
ラインで容易に推定できる石炭粉砕性自動推定装置を特
願平10−361298号(以下先願技術1という)に
て提案している。
【0010】即ち、ミルモー夕を流れる電流がミルモー
タ電流、回転分級器の回転数が回転分級器回転数、ミル
加圧装置の油圧がミル加圧装置の油圧、ロールのリフト
がロールリフト、原炭の流量が給炭量であるからして、
石炭粉砕性(HGI)はミルモー夕電流、回転分級器回
転数、ロールリフト、ミル加圧装置油圧等とかなり大き
い相関を有する。そこで前記先願技術1は、石炭粉砕性
(HGI)はミルモー夕電流11、回転分級器回転数1
2、ロールリフト14、ミル加圧装置の油圧13等とか
なり大きい相関を有する為に、これらの変数の内、ミル
モー夕電流11と回転分級器回転数12及び給炭量10
との関係に着目したプロセスデータからオンラインで供
給されている石炭の粉砕性を推定する装置を提案してい
る。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかし、実際には、こ
れらの変数は複雑に関係しあい、石炭粉砕性(HGI)
とは極めて大きい非線型な関係にあり、これらの変数に
より石炭粉砕性(HGI)の予測式を構成する事は容易
ではない。この為、先願技術1では、3つの変数による
2次式の近似の関係式で実現しているが、充分な石炭粉
砕性(HGI)の推定精度が得られていない。
【0012】そこで本発明は、特願平11−01910
7号(以後先願技術2という)にておいて、入出力間の
非線型の関係を表現する有効な手段である階層型ニュー
ラルネットワークの演算回路を用いて前記課題の解決を
図っている。即ち、先願技術2は、性状の異なる複数種
の石炭の粉砕装置より得られる、石炭粉砕性と関係する
プロセスデータより選択した2以上の入力変数と、予め
設定若しくは所定の学習手法等により逐次変化する定数
を入力信号として、階層型ニューラルネットワークに基
づく複数段の隠れ層と最終段に相当する1つの出力層か
らなる演算回路を構成するとともに、前記最終段の出力
層よりの出力に所定定数を乗じて石炭粉砕性推定値を得
ることを特徴とするもので、この場合、前記選択される
2以上の入力変数は、ミルモータ電流、回転分級器(例
えばMRS)の回転数、給炭量、ミル加圧装置の油圧、
ロールリフトの信号、及びミルテーブル差圧より選択さ
れたプロセスデータである。
【0013】しかしながらかかる先願技術2は、前記先
願技術1のプロセスデータに対しミル加圧装置の油圧、
ロールリフトを追加し、階層型ニューラルネットワーク
手法を用いることにより、より高精度に石炭粉砕性(H
GI)を推定するものであるが、かかる先願技術におい
ては、制御装置への組込みに当たり、複数種の入力信号
を切替える手段及びデータベースを必要とし、コスト高
の懸念があった。また、前記先願技術のいずれも経年劣
化等によるプロセスデータ変化に伴う正確な自動推定が
できない。
【0014】本発明はかかる従来技術の欠点に鑑み、石
炭の粉砕性がオンラインで容易に推定できる石炭粉砕性
自動推定装置において前記いずれの先願技術の推定精度
を超える推定方法と装置を提供することを目的とする。
即ち本発明は、石炭粉砕性(HGI)が等しく水分率が
相違する石炭においても充分な石炭粉砕性(HGI)の
推定精度を得る事の出来る石炭粉砕性推定方法と装置を
提供することを目的とする。本発明の他の目的はコスト
高の懸念が生じることなく、また経年劣化等によるプロ
セスデータ変化に伴う正確な自動推定を行う事の出来る
石炭粉砕性推定方法と装置を提供することを目的とす
る。
【0015】
【課題を解決する手段】本発明はかかる課題を解決する
ために、請求項1記載の発明において、性状の異なる複
数種の石炭の粉砕装置より得られる、給炭量、ミルモー
タの電流、回転分級器(例えばMRS)の回転数、ミル
加圧装置の油圧、及びロールリフトの各プロセスデータ
の内より選択した2以上のプロセスデータに加えて、ミ
ル入口温度と出口温度を入力変数とし、これらの入力変
数と予め求めた定数とを組み合わせて複数段の演算を行
ない、該演算手段の出力信号に応答遅れを加味して得ら
れた一次遅れ要素の出力を石炭粉砕性推定値とした事を
特徴とする。
【0016】請求項2記載の発明はかかる発明を効果的
に達成する装置に関する発明で、性状の異なる複数種の
石炭の粉砕装置より得られる、給炭量、ミルモータの電
流、回転分級器(例えばMRS)の回転数、ミル加圧装
置の油圧、及びロールリフトの各プロセスデータの内よ
り選択した複数のプロセスデータに加えて、ミル入口温
度と出口温度とを含む複数の入力変数と、該夫々の入力
変数を直接若しくは変数同士で比を求めた後、これらの
変数と予め定めた定数を乗じる複数の乗算手段と、前記
複数の乗算手段の出力信号と定数を加算する加算手段
と、前記2次演算手段の出力信号に応答遅れを加味する
一次遅れ要素とを具備し、前記一次遅れ要素の出力を石
炭粉砕性推定値としたことを特徴とする。この場合、前
記複数の乗算手段への夫々の乗算係数は後記第1実施形
態に示すように、前記粉砕装置のミル給炭量、ミルモー
タ電流と回転分級器の回転数との比、ミル加圧装置の油
圧信号とロールリフト量の比、及びミル入口温度と出口
温度とからなる乗算用変数であってもよく、又後記実施
形態2に記載のように、前記複数の乗算手段への夫々の
乗算係数が、前記粉砕装置のミル給炭量、ミルモータ電
流と回転分級器の回転数との比、ミル加圧装置の油圧信
号、及びミル入口温度と出口温度とからなる乗算用変数
であるのがよい。
【0017】かかる発明によれば、石炭粉砕性(HG
I)が等しく水分率が相違する炭において、ミル出入口
温度を組み込んだ演算式、特に重回帰分析で求めた係数
からなる定数と出入口温度の乗数等に基づいて水分率が
考慮された推定値を設定することが可能となり、水分率
の影響度を考慮した石炭粉砕性(HGI)の推定が可能
である。
【0018】請求項5記載の発明は、教師データ付1階
層ニューラルネットワークを用いて、高精度な自動推定
を実現しているもので、その特徴とするところは、性状
の異なる複数種の石炭の粉砕装置より得られる、給炭
量、ミルモータの電流、回転分級器(例えばMRS)の
回転数、ミル加圧装置の油圧、及びロールリフトの各プ
ロセスデータの内より選択した2以上のプロセスデータ
に加えて、ミル入口温度と出口温度を入力変数とし、こ
れらの入力変数と適宜学習モード切替信号により学習さ
れる学習係数とを組み合わせて複数段の演算を行ない、
該演算手段の出力信号に応答遅れを加味して得られた一
次遅れ要素の出力を石炭粉砕性推定値とした事を特徴と
する。
【0019】請求項6記載の発明はかかる発明を効果的
に達成する装置に関する発明で、性状の異なる複数種の
石炭の粉砕装置より得られる、給炭量、ミルモータの電
流、回転分級器(例えばMRS)の回転数、ミル加圧装
置の油圧、及びロールリフトの各プロセスデータの内よ
り選択した複数のプロセスデータに加えて、ミル入口温
度と出口温度とを含む複数の入力変数と、該夫々の入力
変数を直接若しくは変数同士で比を求めた後、これらの
変数と適宜学習モード切替信号により学習される学習係
数に基づいて複数段の演算を行う手段と、前記演算手段
の出力信号に応答遅れを加味する一次遅れ要素とを具備
し、前記一次遅れ要素の出力を石炭粉砕性推定値とした
ことを特徴とする。
【0020】かかる発明によれば、学習機能として最も
簡易な教師データ付1階層ニューラルネットワークを用
いることで、定数としての初期値の設定が容易でかつ該
定数は学習モード切替信号により繰り返し学習されるた
めに前記発明のように重回帰分析で求めた係数からなる
定数と出入口温度の乗数等に基づいて水分率が考慮され
た推定値を設定場合に比較して一層高精度の推定精度が
得られる特徴を持っている。
【0021】請求項7記載の発明は、上記第1発明の
重回帰分析で求めた係数からなる固定定数方式による自
動推定手段と、上記第2発明の教師データ付1階層ニ
ューラルネットワークによる自動推定手段とを組み合わ
せたハイブリッド型石炭粉砕性自動推定装置を用いて、
高精度な自動推定を実現している。即ち本発明は、性状
の異なる複数種の石炭の粉砕装置より得られる、給炭
量、ミルモータの電流、回転分級器(例えばMRS)の
回転数、ミル加圧装置の油圧、及びロールリフトの各プ
ロセスデータの内より選択した2以上のプロセスデータ
に加えて、ミル入口温度と出口温度を入力変数とし、こ
れらの入力変数と定数とを組み合わせて複数段の演算を
行なった第1の推定値と、前記入力変数と適宜学習モー
ド切替信号により学習される学習係数とを組み合わせて
複数段の演算を行なった第2の推定値と、前記第1及び
第2の推定値が重み付け係数により加重平均された演算
出力を得、該演算出力信号に応答遅れを加味して得られ
た一次遅れ要素の出力を石炭粉砕性推定値とした事を特
徴とする。
【0022】請求項8記載の発明はかかる発明を効果的
に達成する装置に関する発明で、性状の異なる複数種の
石炭の粉砕装置より得られる、給炭量、ミルモータの電
流、回転分級器(MRS)の回転数、ミル加圧装置の油
圧、及びロールリフトの各プロセスデータの内より選択
した複数のプロセスデータに加えて、ミル入口温度と出
口温度とを含む複数の入力変数と、該これらの入力変数
と定数とを組み合わせて複数段の演算を行なう第1の演
算手段と、前記入力変数と適宜学習モード切替信号によ
り学習される学習係数とを組み合わせて複数段の演算を
行なう第2の演算手段と、前記第1及び第2の演算出力
が重み付け係数により加重平均する加重平均手段と、該
加重平均出力信号に応答遅れを加味して得られた一次遅
れ要素の出力を石炭粉砕性推定値とした事を特徴とす
る。
【0023】かかる発明によれば、前記2つの発明を組
み合わせたハイブリッド型ニューラルネットを構成し、
各々の発明で得た推定結果を加重平均しており、経年劣
化等によるプロセスデータの変動に対しても過去のデー
タを忘却することがないと同時に学習効果も兼ね備えた
システム構成となっており、高い自動推定精度が得られ
る特徴を持っている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
形態を例示的に詳しく説明する。但し、この実施形態に
記載されている構成手段の種類、回路、接続状態、及び
その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、こ
の発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説
明例にすぎない。 [第1実施形態]図1及び図2は、性状の異なる複数種
の石炭を燃料として使用する石炭焚きボイラに付設され
る石炭粉砕性自動推定装置、特に水分率の影響度を考慮
した石炭粉砕性推定値をオンラインで出力するもので、
重回帰分析で求めた係数からなる固定定数方式による本
発明の第1実施形態にかかわる石炭粉砕性自動推定装置
で、図1に示すように、石炭粉砕装置の給炭量10とミ
ルモータ電流11、回転分級器回転数12、ミル加圧装
置の油圧13、ロールリフト14を入力変数a1〜a5
とする点は先願技術1と同様であるが、更にミル入口空
気温度15、ミル出口空気温度16をユニット演算器4
5の入力変数a6〜a7とし、これらの入力変数a1〜
a7に基づいて図2に示すようにユニット演算器45内
で所定の演算を行った後、その出力を入力とする一次遅
れ要素31の出力が石炭粉砕性(HGI)推定値とする
ブロック構成をとる。
【0025】即ち本実施形態は、石炭粉砕性(HGI)
が等しく水分率が相違する炭において、図1に示すよう
に、プロセスデータであるミル給炭量10とミルモータ
電流11と回転分級器回転数12とミル加圧装置油圧1
3とロールリフト14とともに、ミル出入口空気温度1
6、15を組み込んだ重回帰式推定値を用いることによ
り水分率の影響度を考慮した石炭粉砕性推定値をオンラ
インで出力するものである。
【0026】図2は図1のユニット演算器45の具体的
な構成である。ミル給炭量10の入力変数a1は予め重
回帰分析で求めた係数を設定した定数発生器20の出力
信号と乗算器25で乗算する。ミルモータ電流11の入
力変数a2は、回転分級器回転数12の入力変数a3と
除算器17により徐した後、予め重回帰分析で求めた係
数を設定した定数発生器21の出力信号と乗算器26で
乗算する。ミル加圧装置の油圧13の入力変数a4は、
ロールリフト14の入力変数a5と乗算器18により乗
算した後、予め重回帰分析で求めた係数を設定した定数
発生器22の出力信号と乗算器27で乗算する。ミル入
口温度15の入力変数a6及びミル出口温度16の入力
変数a7は各々予め重回帰分析で求めた係数を設定した
定数発生器23、24の出力信号と乗算器28、29で
乗算する。乗算器25、26、27、28、29の出力
信号は、その出力を同じく重回帰分析で求めた係数が設
定されている定数発生器19とともに加算器30に入力
して、該加算器30により加算された信号a8が一次遅
れ要素31の入力信号となる。そして一次遅れ要素31
の出力信号が、石炭粉砕性の推定信号である。
【0027】かかるユニット演算器45について簡単に
まとめてみるに、ミルの経年劣化に対する推定精度の耐
力を考え、除算器17でミルモータ電流11(入力変数
a2)を回転分級器回転数12(入力変数a3)で除算
(a2/a3)し、乗算器18でミル加圧装置の油圧1
3(入力変数a4)とロールリフト14(入力変数a
5)を乗算し、プロセスデータからの入力を実質の入力
信号とする構成とした点は前記先願技術と同様である
が、本発明は、乗算器25〜29で、予め重回帰分析で
求めた係数を設定した定数発生器20〜24と実質入力
である給炭量10(a1)、a2/a3(ミルモータ電
流11/回転分級器回転数12)、a4×a5(ミル加
圧装置の油圧13×ロールリフト14)に加えて、ミル
入口温度15(a6)、ミル出口温度16(a7)を各
々乗算する。その出力を同じく重回帰分析で求めた係数
が設定されている定数発生器19とともに加算器30に
入力し、この加算器30の出力を入力とする一次遅れ要
素31の出力信号が、石炭粉砕性(HGI)の推定値と
なり、これにより石炭粉砕性(HGI)が等しく水分率
が相違する炭においても精度良い推定値が得られるよう
に構成される。
【0028】[第2実施形態]図3及び図4は、水分率
の影響度を考慮した石炭粉砕性推定値をオンラインで出
力する本発明の第2実施形態にかかわる重回帰分析で求
めた係数からなる固定定数方式による石炭粉砕性自動推
定装置で、石炭粉砕装置に供給される給炭量10とミル
モータ電流11、回転分級器回転数12、ミル加圧装置
の油圧13、ミル入口温度15、ミル出口温度16を入
力とし、石炭の粉砕性を出力するように構成され、第1
実施形態とは、ロールリフト14の入力変数a5がない
点が相違している。
【0029】本実施形態を具体的に説明するに、図3は
本発明の第2実施形態にかかわる石炭の粉砕性を推定す
る装置を表した全体制御ブロック図で、石炭粉砕装置の
給炭量10とミルモータ電流11、回転分級器回転数1
2、ミル加圧装置の油圧13とともに、ミル入口温度1
5、ミル出口温度16を入力とする6入力変数b1〜b
6構成とし、これらの6入力変数信号b1〜b6を入力
とするユニット演算器46と、該ユニット演算器46の
出力b7を入力とする一次遅れ要素44の出力が石炭粉
砕性(HGI)推定値とするブロック構成をとる。
【0030】図4は図3のユニット演算器46の具体的
な回路図である。本実施形態は、ミルの経年劣化に対す
る推定精度の耐力を考え、除算器17でミルモータ電流
11(b2)を回転分級器回転数(b3)で除算(b2
/b3)し、プロセスデータからの入力を実質の入力信
号とする構成となっているとともに、水分率の影響度を
考慮するためにミル入口温度15、ミル出口温度16を
も入力変数b5、b6として入力させている。尚、本実
施形態ではミル加圧装置の油圧13の入力変数b4は、
そのまま予め重回帰分析で求めた係数を設定した定数発
生器35の出力信号と乗算器40で乗算する。
【0031】そして乗算器38〜42では、予め重回帰
分析で求めた係数を設定した定数発生器33〜37と実
質入力である給炭量10(b1)、b2/b3(ミルモ
ータ電流/回転分級器回転数)、ミル加圧装置の油圧1
3(b4)に加えて、ミル入口温度15(b5)、ミル
出口温度16(b6)を各々乗算する。その出力を同じ
く重回帰分析で求めた係数が設定されている定数発生器
32とともに加算器43に入力する。この加算器43の
出力を入力とする一次遅れ要素44の出力信号が、石炭
粉砕性(HGI)の推定値となり、これにより石炭粉砕
性(HGI)が等しく水分率が相違する炭においても精
度良い推定値が得られるように構成される。
【0032】[第3実施形態]図5及び図6、図7は本
発明の第3実施形態にかかわる教師データ付1階層ニュ
ーラルネットワークによる石炭粉砕性自動推定装置で、
前記実施形態に教師データ付1階層ニューラルネットワ
ークを組み込んで、高精度な自動推定を実現しているも
ので、石炭粉砕装置に供給される給炭量10とミルモー
タ電流11、回転分級器回転数12、ミル加圧装置の油
圧13、ロールリフト14とともに水分率の影響度を考
慮するためにミル入口温度15とミル出口温度16を入
力変数としている点は前記実施形態と同様であるが、更
に本実施形態は教師データ93、学習モード切替信号9
4を入力変数とし、より高精度な石炭の粉砕性を出力す
るように構成されている。
【0033】以下本装置を具体的に説明する。石炭粉砕
性(HGI)が等しく水分率が相違する炭において、図
5に示すように、石炭粉砕装置の給炭量10とミルモー
タ電流11、回転分級器回転数12、ミル加圧装置の油
圧13、ロールリフト14、ミル入口温度15、ミル出
口温度16、教師データ93、学習モード切替信号94
を入力とする9入力変数c1〜c8、c29構成とし、
これらの9入力信号c1〜c8及びc29を入力とする
ユニット演算器47と、該ユニット演算器47の出力を
入力とする一次遅れ92の出力が石炭粉砕性(HGI)
推定値とするブロック構成をとる。
【0034】図6及び図7は、ユニット演算器47の具
体的な回路図である。先ず図6において、本ユニット演
算器47は学習モード切替スイッチ95を具え、学習モ
ード切替信号94の入力変数c29により教師データc
8選択モードと非選択モードに切り替える事が出来る。
【0035】そして、初期においては学習モード切替信
号94の入力変数c29により教師データc8非選択モ
ードが採用されており、該非選択モードでは、ミルの経
年劣化に対する推定精度の耐力を考え、除算器17でミ
ルモータ電流11(c2)を回転分級器回転数12(c
3)で除算(c2/c3)し、乗算器18でミル加圧装
置の油圧13(c4)とロールリフト14(c5)を乗
算し、ミル入口温度15(c6)、ミル出口温度16
(c7)を各々学習係数c16、c17と乗算する。そ
の出力を同じく重回帰分析で求めた係数を初期値として
持たせた前記新学習後係数c18とともに加算器53に
入力する。
【0036】即ち、乗算器48〜52では、予め重回帰
分析で求めた係数を初期値として持たせた学習後係数c
11、c12、c14、c16、c17と実質入力であ
る給炭量10(c1)、c2/c3(ミルモータ電流/
回転分級器回転数)、c4×c5(ミル加圧装置の油圧
×ロールリフト)、ミル入口温度15(c6)、ミル出
口温度16(c7)を各々乗算する。その出力を前記学
習後係数c18とともに加算器53に入力する。加算器
53の出力信号(c9)は、図5の一次遅れ要素92に
入力され本要素の出力信号が、石炭粉砕性(HGI)の
推定値となり、これにより石炭粉砕性(HGI)が等し
く水分率が相違する炭においても精度良い推定値が得ら
れるように構成される点は第1実施形態とほぼ同様であ
る。
【0037】次に学習モード切替スイッチ95に学習モ
ード切替信号94の入力変数c29が入力されると、教
師データc8選択モードに切り替わり、該モードにおい
ては、評価式の偏微分値を求める為、減算器54にて加
算器53の出力c9と切替スイッチ95によって選択さ
れている教師データc8信号との偏差をとり、その出力
と加算器53の出力c9を乗算器55にて乗算する。一
方加算器53の出力側に位置する減算器57で定数発生
器56と前記出力c9との偏差をとり、その偏差出力と
乗算器55の出力を乗算器58で乗算する。この乗算器
58の出力が評価式の偏微分値(c10)となり、該偏
微分値(c10)が図5の一次遅れ要素92に入力さ
れ、その一次遅れ要素92の出力信号が、石炭粉砕性
(HGI)の推定値となる。
【0038】従って切替スイッチ95は、教師データに
基づいて学習する場合には教師データ93の入力変数
(c8)を選択し、それ以外は加算器53の出力信号c
9を選択するスイッチ要素である。この切替は、学習モ
ード切替信号94の入力信号c29で判別される。
【0039】図7では、図6で求めた評価式の偏微分値
(c10)と定数発生器59に設定した学習率、定数発
生器60に設定したモーメンタム係数、実質入力である
5つの入力信号(c1、c50、c51、c6、c7)
を用い、定数項と各入力に対する学習後係数及び変動量
を求める回路図である。実質入力である5つの入力信号
は、給炭量10(c1)、c50:c2/c3(ミルモ
ータ電流/回転分級器回転数)、c51:c4×c5
(ミル加圧装置の油圧×ロールリフト)、ミル入口温度
15(c6)、ミル出口温度16(c7)を指す。
【0040】即ち、乗算器61では、定数発生器59に
設定した学習率と評価式の偏微分量(c10)を乗算す
る。又乗算器63〜67では、変動量(1時点前)c2
1、c22、c24、c26、c27と定数発生器60
のモーメンタム係数を各々乗算する。この出力と乗算器
68〜72の出力を減算器74〜78で減算したもの
が、新変動量c21、c22、c24、c26、c27
となり、これにより図6で求めた評価式の偏微分値(c
10)と定数発生器59に設定した学習率との乗数に基
づいて常に学習される事になる。
【0041】尚、乗算器68〜72の出力は、実質入力
である5つの信号(c1、c50、c51、c6、c
7) と乗算器61の出力である(偏微分値(c10)と
定数発生器59に設定した学習率)の乗数を各々乗算し
たものである。また、定数項についても同様で乗算器6
2では、変動量(1時点前)c28と定数発生器60の
モーメンタム係数を乗算し、この出力と乗算器61の出
力を減算器73で減算したものが、新変動量c28とな
る。そして上記で求めた新変動量c28、c21、c2
2、c24、c26、c27と、1時点前の学習後係数
c18、c11、c12、c14、c16、c17(初
期値は重回帰分析で求めた係数)とを加算器79〜84
で各々加算したものが新学習後係数(c18、c11、
c12、c14、c16、c17)となる。
【0042】[第4実施形態]図8、図9及び図10
は、本発明の第4実施形態にかかわる石炭の粉砕性を推
定する装置で、石炭粉砕装置に供給される給炭量10と
ミルモータ電流11、回転分級器回転数12、ミル加圧
装置の油圧13、 ミル入口温度15、ミル出口温度1
6、教師データ93、学習モード切替信号94を入力変
数d1〜d7、d29とし、石炭の粉砕性d8を出力す
るように構成されている。第3実施形態とは、ロールリ
フト14がない点が相違しており、この点において、第
2実施形態に対応する実施形態である。尚、図8は本第
4発明の実施形態にかかわる石炭の粉砕性を推定する装
置を表した全体制御ブロック図で、本推定装置は、石炭
粉砕装置の給炭量10とミルモータ電流11、回転分級
器回転数12、ミル加圧装置の油圧13、ミル入口温度
15、ミル出口温度16、教師データ93、学習モード
切替信号94を入力とする8入力構成とし、これらの8
入力信号d1〜d7及びd29を入力とするユニット演
算器97と、該ユニット演算器97の出力を入力とする
一次遅れ96の出力が石炭粉砕性(HGI)推定値とす
るブロック構成をとる。
【0043】図9及び図10は、ユニット演算器97の
具体的な回路図である。図9は、ミルの経年劣化に対す
る推定精度の耐力を考え、除算器17でミルモータ電流
11(d2)を回転分級器回転数(d3)で除算(d2
/d3)し、プロセスデータからの入力を実質の入力信
号とする構成となっている。
【0044】乗算器108〜112では、予め重回帰分
析で求めた係数を初期値として持たせた学習後係数d1
1、d12、d14、c15、c16と実質入力である
給炭量10(d1)、d50:d2/d3(ミルモータ
電流/回転分級器回転数)、ミル加圧装置の油圧13
(d4)、ミル入口温度15(d5)、ミル出口温度1
6(d6)を各々乗算する。その出力を同じく重回帰分
析で求めた係数を初期値として持たせた学習後係数d1
8とともに加算器113に入力する。加算器113の出
力信号(d8)は、図8の一次遅れ要素96に入力さ
れ、その一次遅れ要素96の出力信号が、石炭粉砕性
(HGI)の推定値となる。
【0045】図9では更に、学習切替スイッチ98にお
いて教師データd7を選択する学習モードを示し、評価
式の偏微分値を求める為、減算器114にて加算器11
3の出力d8と切替スイッチ98によって選択されてい
る信号との偏差をとり、その出力とd8を乗算器115
にて乗算する。次に、減算器117で定数発生器116
とd8との偏差をとり、その出力と乗算器115の出力
を乗算器118で乗算する。この乗算器118の出力が
評価式の偏微分値(d10)となる点は前記実施形態と
同様である。
【0046】切替スイッチ98は、教師データに基づい
て学習する場合には教師データ93(d7)を選択し、
それ以外は加算器113の出力信号を選択するスイッチ
要素である。この切替は、学習モード切替信号94の信
号で判別される。
【0047】図10では、図9で求めた評価式の偏微分
値と定数発生器119に設定した学習率、定数発生器1
20に設定したモーメンタム係数、実質入力である5つ
の入力信号(d1、d50、d5、d6、d7)を用
い、定数項と各入力に対する学習後係数及び変動量を求
める回路図である。乗算器121では、定数発生器11
9に設定した学習率と評価式の偏微分量(d10)を乗
算する。乗算器123〜127では、変動量(1時点
前)d21、d22、d24、d25、d26と定数発
生器120のモーメンタム係数を各々乗算する。この出
力と乗算器128〜132の出力を減算器134〜13
8で減算したものが、新変動量d21、d22、d2
4、d25、d26となる。尚、乗算器128〜132
では、実質入力である5つの信号(d1、d50、d
5、d6、d7) と乗算器121の出力を各々乗算し
たものである。また、定数項についても同様で乗算器1
22では、変動量(1時点前)d28と定数発生器12
0のモーメンタム係数を乗算し、この出力と乗算器12
1の出力を減算器133で減算したものが、新変動量d
28となる。学習後係数(1時点前)d18、d11、
d12、d14、d15、d16と上記で求めた新変動
量d28、d21、d22、d24、d25、d26を
加算器139〜144で各々加算したものが新学習後係
数(d18、d11、d12、d14、d15、d1
6)となる。
【0048】[第5実施形態]図11は、本発明の第5
実施形態にかかわるハイブリッド型の石炭粉砕性自動推
定装置で、石炭粉砕装置に供給される給炭量10とミル
モータ電流11、回転分級器回転数12、ミル加圧装置
の油圧13、ロールリフト14、ミル入口温度15、ミ
ル出口温度16、教師データ93、学習モード切替信号
94を入力とし、石炭の粉砕性を出力するように構成さ
れている。
【0049】以下図11に従って本装置を具体的に説明
する。図11は、性状の異なる複数種の石炭を燃料とし
て使用する石炭焚きボイラに付設される石炭粉砕性推定
装置で、石炭粉砕装置の給炭量10とミルモータ電流1
1、回転分級器回転数12、ミル加圧装置の油圧13、
ロールリフト14、ミル入口温度15、ミル出口温度1
6、教師データ93、学習モード切替信号94を入力と
する9入力構成とし、これらの9入力信号c1〜c8及
びc29を入力とするユニット演算器47の出力と、教
師データ93及び学習モード切替信号94を除いた7入
力信号a1〜a7を入力とするユニット演算器45の出
力を加重平均し、その出力を入力とする一次遅れ91の
出力が石炭粉砕性(HGI)推定値とするブロック構成
をとる。
【0050】ユニット演算器45は、重回帰式の石炭粉
砕性(HGI)推定値を求める回路で第1実施形態で説
明した回路(図1)と同一である。また、ユニット演算
器47も、教師データ付1階層ニューラルネットワーク
式(以下ニューラル式と言う)の石炭粉砕性(HGI)
推定値を求める回路で第3実施形態で説明した回路(図
6及び図7)と同一である。
【0051】定数発生器86には乗数“1”を設定し、
重回帰式重み係数85には石炭粉砕性(HGI)推定値
に対する重回帰式とニューラル式の依存度を“0〜1”
の範囲で任意に設定した値(1で重回帰式に100%依
存)を入力する。減算器87では、定数発生器86の出
力と重回帰式重み係数85の出力を減算しニューラル式
の依存度“0〜1”を出力する。その出力に、ニューラ
ル式で求めた石炭粉砕性(HGI)推定値を乗算したも
のが、乗算器89出力である。
【0052】一方乗算器88では重回帰式重み係数85
の出力に重回帰式で求めた石炭粉砕性(HGI)推定値
を乗算して、乗算器88の出力を生成する。加算器90
には乗算器88の出力と乗算器89の出力が加算され
る。従って、この加算器90の出力は、重回帰式の加算
器45の出力a8とニューラル式の加算器47との出力
c8とが重み係数85によって加重平均されることとな
り、この加重平均値を入力とする一次遅れ要素91の出
力信号が、ハイブリッド型ニューラルネットワークで求
めた石炭粉砕性(HGI)推定値となる。
【0053】[第6実施形態]図12は、本発明の第6
実施形態にかかわるハイブリット型の石炭粉砕性自動推
定装置で、石炭粉砕装置に供給される給炭量10とミル
モータ電流11、回転分級器回転数12、ミル加圧装置
の油圧13、ミル入口温度15、ミル出口温度16、教
師データ93、学習モード切替信号94を入力とし、石
炭の粉砕性を出力するように構成されている。
【0054】以下図12に従って本装置を具体的に説明
する。図12は、性状の異なる複数種の石炭を燃料とし
て使用する石炭焚きボイラに付設される石炭粉砕性推定
装置で、石炭粉砕装置の給炭量10とミルモータ電流1
1、回転分級器回転数12、ミル加圧装置の油圧13、
ミル入口温度15、ミル出口温度16、教師データ9
3、学習モード切替信号94を入力とする8入力構成と
し、これらの8入力信号d1〜d7及びd29を入力と
するユニット演算器97の出力と、教師データ93及び
学習モード切替信号94を除いた6入力信号b1〜b6
を入力とするユニット演算器46の出力を加重平均し、
その出力を入力とする一次遅れ要素99の出力が加重平
均された石炭粉砕性(HGI)推定値とするブロック構
成をとる。
【0055】ユニット演算器46は、重回帰式で求めた
係数からなる定数を用いた石炭粉砕性(HGI)推定値
を求める回路で第2実施形態で説明した回路(図4)と
同一である。また、ユニット演算器97は教師データ付
1階層ニューラルネットワーク式(以下ニューラル式と
言う)の石炭粉砕性(HGI)推定値を求める回路で第
4実施形態で説明した回路(図9及び図10)と同一で
ある。
【0056】かかる実施形態において、定数発生器14
6には“1”を設定し、又重回帰式重み係数85には石
炭粉砕性(HGI)推定値に対する重回帰式の推定値と
ニューラル式の推定値の依存度を“0〜1”(“1”で
重回帰式に100%依存する。)で入力する。減算器1
47では、定数発生器146の出力と重回帰式推定値重
み係数85の出力を減算しニューラル式の依存度“0〜
1”を出力する。そのニューラル式の依存度出力に、ニ
ューラル式のユニット演算器97で求めた石炭粉砕性
(HGI)推定値を乗算したものが、乗算器149の出
力である。
【0057】一方、重回帰式重み係数85の出力に重回
帰式で求めた石炭粉砕性(HGI)推定値を乗算したも
のが、乗算器148の出力である。乗算器148の出力
と乗算器149の出力が加算器150の入力となる。従
って、この加算器150の出力は、重回帰式側の加算器
46の出力a7とニューラル式のユニット演算器97と
の出力c8とが重み係数85によって加重平均されるこ
ととなり、この加重平均値を入力とする一次遅れ要素9
9の出力信号が、ハイブリッド型ニューラルネットワー
クで求めた石炭粉砕性(HGI)推定値となる。
【0058】従って前記いずれの実施形態においても
は、性状の異なる複数種の石炭を燃料として使用する石
炭焚きボイラに付設される石炭粉砕装置において、石炭
の粉砕性がオンラインで容易に推定でき、先願技術1、
2の推定精度を超える推定値を得ることができる。
【0059】
【発明の効果】以上記載のごとく本発明によれば、性状
の異なる複数種の炭種であっても石炭の粉砕性がオンラ
インで容易に推定できることから、石炭粉砕装置の最大
容量が自動で把握できるため的確な石炭粉砕装置の台数
制御が可能である。また、石炭粉砕装置からバーナに供
給される微粉炭量の予測も適当なモデルを用いることに
より可能となる。更に上記利点を制御装置で活用すれば
制御性及び信頼性の向上が期待でき、そのコストも最小
限に抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係わる、重回帰分析
で求めた係数からなる固定定数方式による石炭粉砕性自
動推定装置を表した全体制御ブロック図である。
【図2】 第1実施形態及び第5実施形態におけるユニ
ット演算器45の詳細ブロック図である。
【図3】 本発明の第2実施形態に係わる、重回帰分析
で求めた係数からなる固定定数方式による石炭粉砕性自
動推定装置を表した全体制御ブロック図である。
【図4】 第2実施形態及び第6実施形態におけるユニ
ット演算器46の詳細ブロック図である。
【図5】 本発明の第3実施形態に係わる教師データ付
1階層ニューラルネットワークによる石炭粉砕性自動推
定装置を表した全体制御ブロック図である。
【図6】 第3実施形態及び第5実施形態におけるユニ
ット演算器47の詳細ブロック図である。
【図7】 第3実施形態及び第5実施形態におけるユニ
ット演算器47の詳細ブロック図である。
【図8】 本発明の第4実施形態に係わる教師データ付
1階層ニューラルネットワークによる石炭粉砕性自動推
定装置を表した全体制御ブロック図である。
【図9】 第4実施形態及び第6実施形態におけるユニ
ット演算器97の詳細ブロック図である。
【図10】 第4実施形態及び第6実施形態におけるユ
ニット演算器97の詳細ブロック図である。
【図11】 本発明の第5実施形態に係わる、ハイブリ
ッド型の石炭粉砕性自動推定装置を表した全体制御ブロ
ック図である。
【図12】 本発明の第6実施形態に係わるハイブリッ
ド型の石炭粉砕性自動推定装置を表した全体制御ブロッ
ク図である。
【図13】 本発明が適用される石炭粉砕装置の構成図
を表した概念図である。
【図14】 従来技術に係わる石炭粉砕性を推定する装
置を表した概念図である。
【符号の説明】
10 給炭量 11 ミルモータ電流 12 回転分級器回転数 13 ミル加圧装置の油圧 14 ロールリフト 15 ミル入口温度 16 ミル出口温度 17 除算器 19〜24、32〜37、56、59、60、86、1
16、119、120、146定数発生器 18、25〜29、38〜42、48〜52、55、5
8、61〜72、88、89、108〜112、11
5、118、121〜132、148、149乗算器 30、43、53、79〜84、90、113、139
〜144、150加算器 31、44、91、92、96、99 石炭粉砕性推定
値 45〜47、97 ユニット演算器 54、57、73〜78、87、114、117、11
3〜138、147減算器 93 教師データ(HGI分析値) 94 学習モード切替信号 95、98 切替スイッチ 85 重回帰式重み係数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武智 英剛 東京都千代田区丸の内二丁目5番1号 三 菱重工業株式会社内 Fターム(参考) 4D063 EE03 EE12 GA08 GD01 GD11

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 性状の異なる複数種の石炭の粉砕装置
    (以下粉砕装置を形容詞的に用いる場合にミルという)よ
    り得られる、給炭量、ミルモータの電流、回転分級器の
    回転数、ミル加圧装置の油圧、及びロールリフトの各プ
    ロセスデータの内より選択した2以上のプロセスデータ
    に加えて、ミル入口温度と出口温度を入力変数とし、こ
    れらの入力変数と予め求めた定数とを組み合わせて複数
    段の演算を行ない、該演算手段の出力信号に応答遅れを
    加味して得られた一次遅れ要素の出力を石炭粉砕性推定
    値とした事を特徴とする石炭粉砕性自動推定方法。
  2. 【請求項2】 性状の異なる複数種の石炭の粉砕装置よ
    り得られる、給炭量、ミルモータの電流、回転分級器の
    回転数、ミル加圧装置の油圧、及びロールリフトの各プ
    ロセスデータの内より選択した複数のプロセスデータに
    加えて、ミル入口温度と出口温度とを含む複数の入力変
    数と、 該夫々の入力変数を直接若しくは変数同士で比を求めた
    後、これらの変数と予め定めた定数を乗じる複数の乗算
    手段と、 前記複数の乗算手段の出力信号と定数を加算する加算手
    段と、 前記2次演算手段の出力信号に応答遅れを加味する一次
    遅れ要素とを具備し、 前記一次遅れ要素の出力を石炭粉砕性推定値としたこと
    を特徴とする石炭粉砕性自動推定装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の乗算手段への夫々の乗算係数
    が、前記粉砕装置のミル給炭量、ミルモータ電流と回転
    分級器の回転数との比、ミル加圧装置の油圧信号とロー
    ルリフト量の比、及びミル入口温度と出口温度とからな
    る乗算用変数である請求項2記載の石炭粉砕性自動推定
    装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の乗算手段への夫々の乗算係数
    が、前記粉砕装置のミル給炭量、ミルモータ電流と回転
    分級器の回転数との比、ミル加圧装置の油圧信号、及び
    ミル入口温度と出口温度とからなる乗算用変数である請
    求項2記載の石炭粉砕性自動推定装置。
  5. 【請求項5】 性状の異なる複数種の石炭の粉砕装置よ
    り得られる、給炭量、ミルモータの電流、回転分級器の
    回転数、ミル加圧装置の油圧、及びロールリフトの各プ
    ロセスデータの内より選択した2以上のプロセスデータ
    に加えて、ミル入口温度と出口温度を入力変数とし、こ
    れらの入力変数と適宜学習モード切替信号により学習さ
    れる学習係数とを組み合わせて複数段の演算を行ない、
    該演算手段の出力信号に応答遅れを加味して得られた一
    次遅れ要素の出力を石炭粉砕性推定値とした事を特徴と
    する石炭粉砕性自動推定方法。
  6. 【請求項6】 性状の異なる複数種の石炭の粉砕装置よ
    り得られる、給炭量、ミルモータの電流、回転分級器の
    回転数、ミル加圧装置の油圧、及びロールリフトの各プ
    ロセスデータの内より選択した複数のプロセスデータに
    加えて、ミル入口温度と出口温度とを含む複数の入力変
    数と、 該夫々の入力変数を直接若しくは変数同士で比を求めた
    後、これらの変数と適宜学習モード切替信号により学習
    される学習係数に基づいて複数段の演算を行う手段と、 前記演算手段の出力信号に応答遅れを加味する一次遅れ
    要素とを具備し、 前記一次遅れ要素の出力を石炭粉砕性推定値としたこと
    を特徴とする石炭粉砕性自動推定装置。
  7. 【請求項7】 性状の異なる複数種の石炭の粉砕装置よ
    り得られる、給炭量、ミルモータの電流、回転分級器の
    回転数、ミル加圧装置の油圧、及びロールリフトの各プ
    ロセスデータの内より選択した2以上のプロセスデータ
    に加えて、ミル入口温度と出口温度を入力変数とし、 これらの入力変数と定数とを組み合わせて複数段の演算
    を行なった第1の推定値と、 前記入力変数と適宜学習モード切替信号により学習され
    る学習係数とを組み合わせて複数段の演算を行なった第
    2の推定値と、 前記第1及び第2の推定値が重み付け係数により加重平
    均された演算出力を得、該演算出力信号に応答遅れを加
    味して得られた一次遅れ要素の出力を石炭粉砕性推定値
    とした事を特徴とする石炭粉砕性自動推定方法。
  8. 【請求項8】 性状の異なる複数種の石炭の粉砕装置よ
    り得られる、給炭量、ミルモータの電流、回転分級器の
    回転数、ミル加圧装置の油圧、及びロールリフトの各プ
    ロセスデータの内より選択した複数のプロセスデータに
    加えて、ミル入口温度と出口温度とを含む複数の入力変
    数と、 該これらの入力変数と定数とを組み合わせて複数段の演
    算を行なう第1の演算手段と、 前記入力変数と適宜学習モード切替信号により学習され
    る学習係数とを組み合わせて複数段の演算を行なう第2
    の演算手段と、 前記第1及び第2の演算出力が重み付け係数により加重
    平均する加重平均手段と、 該加重平均出力信号に応答遅れを加味して得られた一次
    遅れ要素の出力を石炭粉砕性推定値とした事を特徴とす
    る石炭粉砕性自動推定装置。
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