JP7311598B2 - 学習モデルの生成方法、コンピュータプログラム、学習モデル、制御装置、及び制御方法 - Google Patents

学習モデルの生成方法、コンピュータプログラム、学習モデル、制御装置、及び制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、学習モデルの生成方法、コンピュータプログラム、学習モデル、制御装置、及び制御方法に関する。
粉体処理プロセスは、貯蔵、供給、輸送、粉砕、分級、混合、乾燥、造粒、複合化、球形化など種々のプロセスの組み合わせにより構成される(例えば、特許文献1を参照)。ユーザが望む品質を持った製品又は中間体を安定的に得るためには、粉体処理装置の操作条件を適切に設定する必要がある。
特開2008-194592号公報
しかしながら、粉体処理プロセスにおいて取り扱う粉体は、粉体の種類、サイズ、形状等に応じて千差万別の性質を示す。このため、粉体処理装置に設定される操作条件は、現場技術者の経験や勘に依存している要素が多いという問題点を有している。
本発明は、現場技術者の経験や勘に依存することなく、粉体処理装置に関する制御パラメータを決定できる学習モデルの生成方法、コンピュータプログラム、学習モデル、制御装置、及び制御方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る学習モデルの生成方法は、コンピュータを用いて、乾燥処理、混合処理、複合化処理、表面処理、及び造粒処理の何れか1つを含む粉体処理を行う粉体処理装置に関して、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データと、前記粉体処理装置から得られる粉体に関する粉体データとを取得し、取得した計測データと粉体データとを教師データに用いて、ユーザが所望する粉体についての目標値が入力された場合、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成する。
本願によれば、現場技術者の経験や勘に依存することなく、粉体処理装置に関する制御パラメータを決定できる。
実施の形態1に係る粉体処理システムの全体構成を示す模式図である。 実施の形態1に係る粉体処理装置の構成を示す模式的断面図である。 実施の形態1に係る制御装置の内部構成を示すブロック図である。 端末装置の内部構成を示すブロック図である。 実施の形態1における学習モデルの構成例を示す模式図である。 制御装置が収集するデータの一例を示す概念図である。 制御装置による学習モデルの生成手順を説明するフローチャートである。 制御装置による制御手順を説明するフローチャートである。 実施の形態2に係る粉体処理装置の構成を示す模式図である。 実施の形態2における学習モデルの構成例を示す模式図である。 実施の形態3に係る粉体処理装置の構成を示す模式図である。 実施の形態3における学習モデルの構成例を示す模式図である。 実施の形態4に係る粉体処理装置の構成を示す模式図である。 実施の形態4における学習モデルの構成例を示す模式図である。 実施の形態5に係る粉体処理装置の構成を示す模式図である。 実施の形態5における学習モデルの構成例を示す模式図である。 学習モデルの再学習手順を説明するフローチャートである。 制御パラメータの調整手順を説明するフローチャートである。 端末装置及び制御装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。 目標値入力画面の一例を示す模式図である。 モニタリング画面の一例を示す模式図である。 端末装置及び制御装置が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。 処理種別選択画面の一例を示す模式図である。 実施の形態10におけるデータの収集例を示す概念図である。 実施の形態10に係る学習モデルの生成手順を説明するフローチャートである。 制御装置による制御手順を説明するフローチャートである。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る粉体処理システム1の全体構成を示す模式図である。実施の形態1に係る粉体処理システム1は、例えば、原料供給機2、熱風発生機3、粉体処理装置4A、サイクロン5、集塵機6、ブロワ7、製品タンク8、集塵タンク9及び制御装置100(図3を参照)を備える。
原料供給機2は、粉体原料を粉体処理装置4Aへ供給するための装置である。原料供給機2が粉体処理装置4Aへ供給する粉体原料は、無機材料、有機材料、又は金属材料の粉体を製造するための原料であり、例えば、粉体塗料、電池材料、磁性材料、トナー材料、染料、樹脂、ワックス、ポリマ、医薬品、触媒、金属粉、シリカ、はんだ、セメント、食品などを含む。
原料供給機2は、原料供給路TP1を介して粉体処理装置4Aに接続されている。原料供給路TP1内には、粉体原料を搬送するためのスクリューフィーダ21(図2を参照)が設けられている。スクリューフィーダ21は、粉体原料が固体の場合であって、粉体原料を一定速度で連続的に投入する場合に好ましい。スクリューフィーダ21に代えて、ダブルダンパーやロータリーバルブ等を用いてもよい。また、熱風発生機3が発生させる熱風を原料供給路TP1に導入し、熱風と共に粉体原料を粉体処理装置4Aに供給してもよい。更に、原料供給機2は、ロードセルなどの重量センサS1(図3を参照)を用いて重量管理を行い、粉体処理装置4Aにおいて連続処理を行う場合であっても、装置内滞留量が一定となるように粉体原料の供給量を調節してもよい。また、原料供給機2は、内蔵タイマ(不図示)の出力と、重量センサS1により計測される粉体原料の供給量とに基づき、単位時間あたりの粉体原料の供給量(すなわち供給速度)を計測してもよい。重量センサS1は、原料供給機2だけでなく、粉体処理装置4A、サイクロン5、及び集塵機6に設けられてもよい。
熱風発生機3は、粉体処理装置4Aに導入する熱風を発生させるための装置であり、加熱ヒータなどの熱源、送風機、及び熱風の温度及び流量を制御する制御装置などを備える。熱風発生機3は、上記の構成に限らず、公知の構成を用いればよい。例えば、粉体処理装置4Aに導入した熱風の一部を回収し、熱風発生機3と粉体処理装置4Aとの間で循環させてもよい。
熱風発生機3は、気体導入路TP2を介して粉体処理装置4Aに接続されている。熱風発生機3が発生させた熱風は、気体導入路TP2を介し、熱媒として粉体処理装置4Aに導入される。熱風発生機3が発生させる熱風の温度は、粉体処理装置4Aで処理される粉体に応じて適宜設定される。例えば、粉体処理装置4Aにおいて粉体を乾燥させるために200℃~600℃程度の熱風を発生させてもよい。
実施の形態1に係る粉体処理装置4Aは乾燥処理を行う装置である。粉体処理装置4Aは、気流乾燥機であり、例えばホソカワミクロン株式会社製のドライマイスタ(登録商標)が用いられる。粉体処理装置4Aは、装置内に供給された粉体原料を粉砕する粉砕機能、及び粉体原料を粉砕して得られる粉体を分級する分級機能を有する。粉体処理装置4Aの内部構成については図2を用いて具体的に詳述する。
粉体処理装置4Aにて処理された粉体は、粉体輸送路TP3を介してサイクロン5に輸送される。本実施の形態では、粉体処理装置4Aからサイクロン5に至る粉体輸送路TP3の中途に粒子径センサS2を設置し、粒子径センサS2により粉体処理装置4Aを通過する粉体の粒子径を常時若しくは定期的なタイミング(例えば5秒間隔)にて計測する。サイクロン5により収集される粉体は製品タンク8に取り出され、製品として回収される。
粒子径センサS2は、例えばレーザ回折・散乱法を用いて粒度分布を測定する装置であり、D10,D50,D90の値を出力する。ここで、D10,D50,D90は、それぞれ粒度分布における累積体積分布の小径側から累積10%、50%、90%に相当する粒子径を表す。累積体積分布とは、粉末の粒子径(μm)と、小径側からの積算頻度(体積%)との関係を表す分布である。D50は、一般には平均粒子径(メジアン径)ともいわれる。D10,D50,D90に代えて、粒子径の頻度分布において出現比率が最も大きい粒子径を表すモード径を用いてもよく、各種算術平均値(個数平均、長さ平均、面積平均、体積平均など)を用いてもよい。
なお、本実施の形態では、粉体輸送路TP3に粒子径センサS2を設置する構成としたが、原料供給機2、サイクロン5から製品タンク8に至る経路、集塵機6から集塵タンク9に至る経路等に設置されてもよい。
サイクロン5には、集塵経路TP4を介して集塵機6が接続されている。集塵機6は、サイクロン5を通過した微粉等を捕集するためのバグフィルタを備える。集塵機6のバグフィルタを通過した気体は、排風路TP5を通じてブロワ7へ流れ、ブロワ7の排出口から排出される。一方、集塵機6のバグフィルタにより捕集された微粉等は集塵タンク9に取り出され、回収される。
集塵機6には、排風路TP5を介してブロワ7が接続されている。このブロワ7を駆動することにより、粉体処理装置4Aからサイクロン5への気体の流れ(すなわち、粉体処理装置4Aから粉体を取り出す気体の流れ)、及びサイクロン5から集塵機6への気体の流れを形成する。本実施の形態では、集塵機6からブロワ7に至る排風路TP5の中途に流量センサS3(図3を参照)を設置し、粉体処理装置4Aから粉体を取り出す際の吐出・吸引流量を常時若しくは定期的なタイミング(例えば5秒間隔)にて計測する。排風路TP5に流量センサS3を設置する構成に代えて、原料供給路TP1、気体導入路TP2、粉体輸送路TP3、集塵経路TP4、ブロワ7の排出口等に流量センサS3を設置してもよい。
制御装置100は、粉体処理装置4Aに関する動作を制御する装置であり、粉体処理システム1を構成する各種装置及び各種センサとの間で必要なデータを授受できるように構成されている。制御装置100は、粉体処理装置4Aに対する制御指令を粉体処理装置4Aへ送信することによって、粉体処理装置4Aの動作を直接的に制御する。また、制御装置100は、粉体処理装置4Aに接続された原料供給機2、熱風発生機3、サイクロン5、集塵機6、及びブロワ7の少なくとも1つに対する制御指令を送信することによって、粉体処理装置4Aの動作を間接的に制御してもよい。
図1の例では、原料供給機2、熱風発生機3、粉体処理装置4A、サイクロン5、集塵機6、及びブロワ7を備える粉体処理システム1について説明したが、粉体処理装置4Aに接続される機器は、上記のものに限定されず、各種機器を組み合わせて粉体処理システム1を構築することが可能である。
図2は実施の形態1に係る粉体処理装置4Aの構成を示す模式的断面図である。粉体処理装置4Aは、その内部において乾燥処理を行う円筒形状のケーシング410を備える。このケーシング410には、原料投入口411、気体導入口412、粉砕ロータ413、ガイドリング414、分級ロータ415、粉体取出口416等が設けられている。
ケーシング410の素材は、従来から粉体処理装置のケーシングに用いられている公知の材料を用いればよい。具体的には、SS400、S25C、S45C、SPHC(Steel Plate Hot Commercial)などの鉄系鋼材、SUS304、SUS316などのステンレス鋼材、FC20、FC40などの鉄鋳物材、SCS13、14などのステンレス鋳物材などの金属、あるいは、セラミックス、ガラスなどを用いればよい。また、内壁面に耐磨耗材を貼り付けるなどすれば、アルミニウム、その他木材や合成樹脂であってもよい。
ケーシング410の内面は、装置の耐久性向上のために、ハードクロムメッキ処理などのメッキ処理、タングステンカーバイド溶射などの耐磨耗溶射材処理、真空下で行う金属蒸着、ダイヤモンド構造の炭素蒸着などの耐磨耗処理が施されていてもよい。また、処理粉体の付着又は固着による気流の乱れ、または、ケーシング410内の閉塞を防ぐために、ケーシング410の内面には、バフ研磨、電解研磨、PTFE(Polytetrafluoroethylene)などのコーティング、ニッケルなどのメッキ処理が施されてもよい。
ケーシング410には、原料供給機2から供給される粉体原料をケーシング410内に投入するための原料投入口411が設けられている。この原料投入口411は、粉砕ロータ413の回転円盤413Aよりも上方の位置に設けられることが好ましい。原料供給機2から供給される粉体原料は、原料供給路TP1内のスクリューフィーダ21によって搬送され、原料投入口411よりケーシング410内に投入される。
ケーシング410には、熱風発生機3による熱風(気体)をケーシング410内に導入するための気体導入口412が設けられている。気体導入口412は、気体導入路TP2を介して熱風発生機3に接続されている。この気体導入口412の位置は特に限定されないが、回転する粉砕ロータ413を介してケーシング410内に気体が導入されるように、粉砕ロータ413よりも下方の位置に設けられることが好ましい。本実施の形態では、粉砕ロータ413の回転方向と交差する方向から気体を導入する構成としたが、粉砕ロータ413の回転方向に沿って気体を導入する構成としてもよい。
気体導入口412から導入された気体は、ケーシング410内部を旋回しつつ循環する気流を形成すると共に、ケーシング410の内部から分級ロータ415を経て、粉体取出口416からサイクロン5及び集塵機6に到達する。ケーシング410内の気流は、サイクロン5及び集塵機6を介して接続されているブロワ7による吸引によって形成されてもよく、気体導入口412側からの吹き込み(加圧)によって形成されてもよい。ケーシング410内に導入される気体の種類は、目的とする処理品に応じて適宜決めればよい。例えば、空気を用いてもよく、酸化防止のために、窒素、アルゴンなどの不活性ガスを用いてもよい。
ここで、粉体処理の処理条件によっては、粉体に軟化現象が生じ、粉体同士が融着して粒子径にばらつきが生じたり、収率が低下したりする場合がある。そこで、ケーシング410内の1又は複数箇所に温度センサS4、湿分センサS5、圧力センサS6(図3を参照)を設け、温度、湿分、圧力等を逐次的に観測してもよい。また、流量センサS3、温度センサS4、湿分センサS5、圧力センサS6を、粉体処理システム1を構成する各装置又は装置間の経路に設けてもよい。通常、温度センサS4は気体導入路TP2、湿分センサS5は粉体輸送路TP3に設けることが多い。また、ケーシング410内に別途設けてもよい。
また、本実施の形態では、ケーシング410内に熱風発生機3からの熱風を導入する構成としたが、図に示していない冷風発生機を用いて、ケーシング410内に-20℃~5℃程度の冷風(冷媒)を導入する構成としてもよい。この場合、結露防止のために、ケーシング410内に導入される気体は除湿された気体であることが好ましい。その他に、熱によって風味がなくなったり、変質し易い食品等を処理する場合には、0~15℃に調節された冷風空気を用いてもよい。
更に、ケーシング410の内部温度を調節するために、ケーシング410の周囲にジャケット部を設けてもよい。ジャケット部は、別に設けたタンクから熱媒または冷媒を循環供給することによって、ケーシング410の内部温度を調節する。
粉砕ロータ413は、回転円盤413Aと、回転円盤413Aの上面周縁部から上向きに突出する複数のハンマ413Bとを備えるロータであり、粉砕モータ413M(図3を参照)の動力によって所望の回転速度にて回転するように構成されている。ここで、粉砕モータ413Mは、粉体処理システム1が備える駆動部の1つである。粉砕モータ413Mの回転速度は、回転速度センサS7(図3を参照)によって常時若しくは定期的なタイミング(例えば5秒間隔)にて計測される。粉砕ロータ413のハンマ413Bは、回転円盤413Aの上面周縁部にて周方向に等間隔に複数配置される。なお、ハンマ413Bの形状、寸法、個数、及び素材は、要求される製品粉体の粒子径や円形度等に応じて適宜設計される。例えば、図2では、棒状のハンマ413Bを示しているが、直方体状のハンマであってもよく、平面視において台形状のハンマであってもよい。また、ハンマ413Bに代えて、刃物状の構造物を用いてもよい。
粉砕ロータ413は、粉砕モータ413Mの動力によって回転し、ケーシング410内に旋回する気流を発生させると共に、ハンマ413Bの作用により、ケーシング410内に導入された粉体原料に衝撃、圧縮、摩砕、剪断等の機械エネルギを与え、粉体原料を粉砕する。粉砕ロータ413は、粉体原料を攪拌する回転体の一例である。
粉砕ロータ413の素材は、従来から粉体処理装置の粉砕ロータに用いられている公知の材料を用いればよい。例えば、SS400、S25C、S45C、SUS304、SUS316、SUS630などを用いることができる。また、ハンマ413Bについては、衝撃力に耐え得るように、超硬合金のチップを付けたり、磨耗性及び強靭性を備えたセラミックスやサーメットなどの金属とセラミックスとの複合物を用いてもよい。
更に、粉砕ロータ413の表面は、装置の耐久性向上のために、ハードクロムメッキなどのメッキ処理、タングステンカーバイド溶射などの耐磨耗溶射材処理、真空下で行う金属蒸着、ダイヤモンド構造の炭素蒸着などの耐磨耗処理、SUS630の焼き入れ硬化処理などが施されていてもよい。また、粉砕ロータ413の表面には、バフ研磨、電解研磨、PTFEなどのコーティング、ニッケルなどのメッキ処理が施されていてもよい。
本実施の形態では、回転円盤413Aの上面周縁部から上向きに突出したハンマ413Bの構成について説明したが、回転円盤413Aの下面周縁部から下向きに突出したハンマを用いてもよい。このように下向きに突出したハンマは、ケーシング410内の粉体原料を直接的に粉砕するものではないが、ケーシング410内に強い旋回気流を形成することができるため、粉体原料同士を衝突させて間接的に粉体原料を粉砕することができる。
また、ケーシング410の内周面であって、ハンマ413Bと対向する位置には粉砕ライナが設けられてもよい。粉砕ライナは、粉砕ロータ413の回転軸方向に沿った中心軸を有する筒状の部材であり、この筒状の部材の内周面には、三角形、波形、くさび形の溝が設けられてもよい。
ガイドリング414は、ケーシング410内に旋回する気流を発生させ、ケーシング410内で処理される粉体を分級ロータ415へ導くための円筒状の部材である。ガイドリング414は、粉砕ロータ413の上方にて粉砕ロータ413と同軸に配され、ケーシング410の内部に固定される。ガイドリング414の固定方法は特に限定されるものではないが、粉体処理装置4Aの動作中はケーシング410内部にて回転することなく固定される必要がある。これは、ケーシング410内部で、処理対象の粉体の流動状態を適切な状態に制御するためである。図2では、内径が上下方向で変化しないガイドリング414を示したが、上側から下側に向かって連続的に内径が大きくなるもの(若しくは小さくなるもの)であってもよい。
粉体原料を粉砕することによって製造される粉体は、ケーシング410の下部から流入する熱風と激しく接触することによって効率的に乾燥される。乾燥粉砕された粉体は、気流によってケーシング410の上部に設けられた分級ロータ415へ導かれる。
分級ロータ415は、放射状に配される複数の分級羽根415Aを備えたロータであり、分級モータ415M(図3を参照)の動力によって所望の回転速度にて回転するように構成されている。ここで、分級モータ415Mは、粉体処理システム1が備える駆動部の1つである。分級モータ415Mの回転速度は、回転速度センサS8(図3を参照)によって常時若しくは定期的なタイミング(例えば5秒間隔)にて計測される。分級ロータ415は、粉砕ロータ413の上方に設けられており、高速回転による遠心力により、ケーシング410内で処理された粉体のうち所定粒子径未満の粉体のみを通過させ、通過させた粉体のみを粉体取出口416へ導く。
分級ロータ415の素材は、従来から粉体処理装置の分級ロータに用いられている公知の材料を用いればよい。例えば、SS400、S25C、S45C、SUS304、SUS316、チタン、チタン合金、アルミ合金などを用いることができる。また、分級ロータ415の表面は、装置の耐久性向上のために、浸炭焼入れなどの熱硬化処理、タングステンカーバイド溶射材処理、ハードクロムメッキなどのメッキ処理、溶射後に熱硬化処理を施すための特殊溶射材処理、真空下で行う金属蒸着、ダイヤモンド構造の炭素蒸着などの耐磨耗処理が施されていてもよい。
また、分級ロータ415への粉体の付着や固着を防止するため、分級ロータ415の表面には、バフ研磨、電解研磨、PTFEなどのコーティング、ニッケルなどのメッキ処理が施されていてもよい。
ここで、分級ロータ415を通過する粉体の粒子径は、分級ロータ415の回転速度等を制御することによって設定することができる。すなわち、分級ロータ415の回転速度を制御することによって、ケーシング410内から所定粒子径未満の粉体を取り出すことができる。一方、分級ロータ415を通過できない粉体は、ケーシング410内を循環し、繰り返し処理される。
分級ロータ415を通過し、粉体取出口416に導かれた粉体は、ブロワ7によって作り出される気体の流れによって外部に取り出され、後段のサイクロン5及び集塵機6へ導かれる。
以下、粉体処理システム1における制御系の構成について説明する。
図3は実施の形態1に係る制御装置100の内部構成を示すブロック図である。制御装置100は、汎用又は専用のコンピュータにより構成されており、制御部101、記憶部102、入力部103、出力部104、通信部105、操作部106、及び表示部107を備える。
制御部101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などを備える。制御部101が備えるROMには、制御装置100が備えるハードウェア各部の動作を制御する制御プログラム等が記憶される。制御部101内のCPUは、ROMに記憶された制御プログラムや後述する記憶部102に記憶された各種コンピュータプログラムを実行し、ハードウェア各部の動作を制御することによって、本発明に係る制御装置としての機能を実現する。制御部101が備えるRAMには、演算の実行中に利用されるデータ等が一時的に記憶される。
制御部101は、CPU、ROM、及びRAMを備える構成としたが、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、量子プロセッサ、揮発性又は不揮発性のメモリ等を備える1又は複数の演算回路又は制御回路であってもよい。また、制御部101は、日時情報を出力するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えていてもよい。
記憶部102は、ハードディスク、フラッシュメモリなどを用いた記憶装置を備える。記憶部102には、制御部101によって実行されるコンピュータプログラム、外部から取得した各種データ、装置内部で生成した各種データ等が記憶される。
記憶部102に記憶されるコンピュータプログラムは、制御対象の装置の動作を制御するための制御プログラムPG1、粉体処理装置4Aにより処理される粉体の粒子径と、粉体処理装置4Aに関する制御パラメータとの関係を学習させるための学習プログラムPG2等を含む。
制御プログラムPG1及び学習プログラムPG2を含むコンピュータプログラムは、コンピュータプログラムを読み取り可能に記録した非一時的な記録媒体M1により提供されてもよい。記録媒体M1は、例えば、CD-ROM、USBメモリ、コンパクトフラッシュ(登録商標)、SD(Secure Digital)カード、マイクロSDカード、などの可搬型メモリである。制御部101は、図に示していない読取装置を用いて、記録媒体M1から各種プログラムを読み取り、読み取った各種プログラムを記憶部102に記憶させる。
本実施の形態では、制御部101が学習プログラムPG2を実行することにより、制御装置100は学習フェーズに移行する。学習フェーズは、例えば制御装置100の導入時に実施される。また、学習フェーズは、操作部106を通じてユーザの指示を受付けた場合、若しくは定期的なタイミングで実施されるものであってもよい。
学習フェーズにおいて、制御部101は、粉体データとして粉体処理装置4Aから得られる粉体の湿分のデータを取得し、粉体処理装置4Aの動作状態を示す計測データとして、粉体処理装置4Aに供給される熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、乾燥処理の処理時間等のデータを取得する。ここで、粉体の湿分は湿分センサS5により計測される。熱媒の温度及び流量は温度センサS4及び流量センサS3により計測される。粉体原料の供給量又は供給速度は、重量センサS1により計測される重量に基づき算出される。粉砕ロータ413の回転速度は回転速度センサS7により計測される。分級ロータ415の回転速度は回転速度センサS8により計測される。乾燥処理の処理時間は、制御部101の内蔵タイマにより計測される。なお、乾燥処理の処理時間は、バッチ処理では粉体処理装置4Aの運転時間に対応し、連続処理ではケーシング410内の粉体の滞留時間に対応する。これらのデータは、事前に収集されていてもよく、学習フェーズへの移行後に収集されてもよい。
制御部101は、収集した粉体データ及び計測データを教師データに用いて、粉体処理装置4Aから得られる粉体の湿分と粉体処理装置4Aに関する制御パラメータとの関係を学習することにより、学習モデル210を生成する。ここで、粉体処理装置4Aに関する制御パラメータは、粉体処理装置4Aに供給する熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、並びに、乾燥処理の処理時間を含む。
学習フェーズにおいて生成された学習モデル210は記憶部102に記憶される。学習モデル210は、その定義情報によって定義される。学習モデル210の定義情報は、例えば、学習モデル210の構造情報、ノード間の重み及びバイアスなどのパラメータを含む。
また、本実施の形態では、制御部101が制御プログラムPG1を実行することにより、制御装置100は運用フェーズに移行する。運用フェーズは、学習モデル210の実行後に実施される。
運用フェーズにおいて、制御装置100は、粉体処理装置4Aを含む装置の動作を制御する。このとき、制御部101は、ユーザが所望する粉体についての目標値を受付ける。実施の形態1において、目標値は粉体の湿分である。制御部101は、受付けた目標値を学習モデル210に入力し、学習モデル210を用いた演算を実行することにより、粉体処理装置4Aに供給する熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、並びに、乾燥処理の処理時間を含む制御パラメータに関する演算結果を取得する。制御部101は、学習モデル210から得られる演算結果に基づき、制御対象の装置の動作を制御する。
入力部103は、各種装置及びセンサを接続するための接続インタフェースを備える。入力部103に接続される装置は、原料供給機2、熱風発生機3、粉体処理装置4A、サイクロン5、集塵機6、及びブロワ7を含む。入力部103が備える接続インタフェースは、有線のインタフェースであってもよく、無線のインタフェースであってもよい。入力部103には、原料供給機2、熱風発生機3、粉体処理装置4A、サイクロン5、集塵機6、及びブロワ7から出力されるデータが入力される。
また、入力部103に接続されるセンサは、重量センサS1、粒子径センサS2、流量センサS3、温度センサS4、湿分センサS5、圧力センサS6、粉砕ロータ413用の回転速度センサS7、及び分級ロータ415用の回転速度センサS8を含む。入力部103には、これらのセンサから出力される計測データが入力される。
なお、入力部103に接続されるセンサは、上記のセンサに限定されるものではなく、含塵濃度を計測する含塵濃度センサ、音圧若しくは周波数を計測する音圧・周波数センサ等を含んでもよい。更に、粉体の組成、物性、形状などを計測するために、BET(Brunauer - Emmett - Teller)値、NIR(Near Infrared)、XRD(X-ray Diffraction)、TG-DTA(Thermogravimetry - Differential Thermal Analysis)、MS(Mass Spectrometry)、SEM(Scanning Electron Microscope)、FE-SEM(Field Emission - SEM)、TEM(Transmission Electron Microscope)などのデータを出力する計測装置が入力部103に接続されてもよい。
また、制御装置100は、入力部103を通じて各種装置及びセンサからデータを取得する構成としたが、これらの装置及びセンサが通信インタフェースを備える場合、後述する通信部105を通じてデータを取得してもよい。
出力部104は、制御対象の装置を接続する接続インタフェースを備える。出力部104に接続される装置は、原料供給機2、熱風発生機3、粉体処理装置4A、サイクロン5、集塵機6、及びブロワ7を含む。出力部104が備える接続インタフェースは、有線のインタフェースであってもよく、無線のインタフェースであってもよい。制御部101は、出力部104を通じて制御指令を出力することにより、制御対象の装置の動作を制御する。例えば、粉砕ロータ413の回転速度を制御する場合、制御部101は、粉砕ロータ413の駆動部である粉砕モータ413Mに対する制御指令を生成し、出力部104を通じて粉体処理装置4Aへ出力することにより、粉砕ロータ413の回転速度を制御する。分級ロータ415の回転速度を制御する場合も同様であり、制御部101は、分級ロータ415の駆動部である分級モータ415Mに対する制御指令を生成し、出力部104を通じて粉体処理装置4Aへ出力することにより、分級ロータ415の回転速度を制御する。また、粉体処理装置4Aが備えるケーシング410からの吐出・吸引流量を制御する場合、制御部101は、ブロワ7に対する制御指令を生成し、出力部104を通じてブロワ7へ出力することにより、ケーシング410からの吐出・吸引流量を制御する。
通信部105は、各種の通信データを送受信する通信インタフェースを備える。通信部105が備える通信インタフェースは、例えば、WiFi(登録商標)やイーサネット(登録商標)で用いられるLAN(Local Area Network)の通信規格に準じた通信インタフェースである。代替的に、Bluetooth(登録商標) 、ZigBee(登録商標)、3G、4G、5G、LTE(Long Term Evolution)等の通信規格に準じた通信インタフェースであってもよい。
通信部105は、例えば、粉体処理システム1のユーザが使用する端末装置500と通信を行う。通信部105は、粉体処理システム1の遠隔操作を受付けるために、端末装置500から送信される操作データ又は設定データを受信してもよい。制御部101は、通信部105を通じて、端末装置500から送信される操作データ又は設定データを受信した場合、受信した操作データ又は設定データに応じた処理を実行する。例えば、ユーザが所望する湿分のデータを受信した場合、制御部101は、学習モデル210を用いた演算を実行し、粉体処理装置4Aに関する制御パラメータを取得する処理を行ってもよい。また、制御部101は、端末装置500に表示させるユーザインタフェース画面の画面データを生成し、生成した画面データを通信部105を通じて端末装置500へ送信してもよい。
操作部106は、キーボードやマウスなどの入力インタフェースを備えており、各種操作及び各種設定を受付ける。制御部101は、操作部106を通じて受付けた各種操作及び各種設定に基づき、適宜の処理を行い、必要に応じて設定情報を記憶部102に記憶させる。なお、本実施の形態では、制御装置100が操作部106を備える構成としたが、操作部106は必須ではなく、外部に接続されたコンピュータ(例えば、端末装置500)を通じて操作を受付ける構成であってもよい。
表示部107は、液晶パネル又は有機EL(Electro-Luminescence)パネル等の表示パネルを備えており、ユーザに対して報知すべき情報を表示する。表示部107は、例えば、通信部105を通じて受信した各種センサS1~S6の計測データを表示してもよく、操作部106を通じて受付けた各種操作及び各種設定に基づく情報を表示してもよい。また、表示部107は、学習モデル210による演算結果を表示してもよい。なお、本実施の形態では、制御装置100が表示部107を備える構成としたが、表示部107は必須ではなく、ユーザに報知すべき情報を外部のコンピュータ(例えば、端末装置500)へ出力し、出力先のコンピュータに情報を表示させてもよい。
本実施の形態では、制御装置100を単一のコンピュータとして説明したが、単一のコンピュータである必要はなく、複数のコンピュータにより構成されてもよく、複数の仮想コンピュータにより構成されてもよい。
図4は端末装置500の内部構成を示すブロック図である。端末装置500は、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末などのコンピュータであり、制御部501、記憶部502、通信部503、操作部504、及び表示部505を備える。
制御部501は、例えば、CPU、ROM、RAMなどを備える。制御部501が備えるROMには、端末装置500が備えるハードウェア各部の動作を制御する制御プログラム等が記憶される。制御部501内のCPUは、ROMに記憶された制御プログラムや後述する記憶部502に記憶された各種コンピュータプログラムを実行し、ハードウェア各部の動作を制御する。また、制御部501は、日時情報を出力するクロック、計測開始指示を与えてから計測終了指示を与えるまでの経過時間を計測するタイマ、数をカウントするカウンタ等の機能を備えてもよい。制御部501が備えるRAMには、演算の実行中に利用されるデータ等が一時的に記憶される。
記憶部502は、ハードディスク、フラッシュメモリなどを用いた記憶装置を備える。記憶部502には、制御部501によって実行されるコンピュータプログラム、外部から取得した各種データ、装置内部で生成した各種データ等が記憶される。記憶部502に記憶されるコンピュータプログラムは、端末装置500から制御装置100にアクセスするためのアプリケーションプログラムを含んでもよい。
通信部503は、各種データを送受信する通信インタフェースを備える。通信部503が備える通信インタフェースは、例えば、WiFi(登録商標)やイーサネット(登録商標)で用いられるLANの通信規格に準じた通信インタフェースである。代替的に、Bluetooth(登録商標) 、ZigBee(登録商標)、3G、4G、5G、LTE等の通信規格に準じた通信インタフェースであってもよい。
通信部503は、例えば、粉体処理システム1の制御装置100と通信を行う。端末装置500が通信部503を通じて受信するデータは、制御装置100のインタフェース画面を表示部505に表示させるための画面データ、粉体処理装置4Aを含む装置の設定状態及び動作状態を示すデータ等を含む。ここで、設定状態を示すデータには、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、乾燥処理の処理時間等に関する設定値が含まれる。また、動作状態を示すデータには、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、乾燥処理の処理時間等の計測データが含まれる。通信部503にて受信したデータは制御部501へ出力される。端末装置500が通信部503を通じて送信するデータは、粉体処理システム1を遠隔操作する際の操作データ又は設定データ等を含む。
操作部504は、キーボードやマウスなどの入力インタフェースを備えており、各種操作及び各種設定を受付ける。制御部501は、操作部504を通じて受付けた各種操作及び各種設定に基づき、適宜の処理を行い、必要に応じて設定情報を記憶部502に記憶させる。
表示部505は、液晶パネル又は有機ELパネル等の表示パネルを備えており、ユーザに対して報知すべき情報を表示する。表示部505は、例えば、通信部503にて受信した画面データに基づき、制御装置100のインタフェース画面を表示する。また、表示部505は、通信部503にて受信した粉体処理装置4Aを含む装置の設定状態及び動作状態を示すデータに基づき、粉体処理装置4Aを含む装置の設定状態及び動作状態を表示してもよい。
以下、制御装置100において用いられる学習モデル210について説明する。
図5は実施の形態1における学習モデル210の構成例を示す模式図である。学習モデル210は、例えば、深層学習を含む機械学習の学習モデルであり、ニューラルネットワークによって構成されている。学習モデル210は、入力層211、中間層212A,212B、及び出力層213を備える。図5の例では、2つの中間層212A,212Bを記載しているが、中間層の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
入力層211、中間層212A,212B、及び出力層213には、1つまたは複数のノードが存在し、各層のノードは、前後の層に存在するノードと一方向に所望の重みおよびバイアスで結合されている。学習モデル210の入力層211には、入力層211が備えるノードの数と同数のデータが入力される。本実施の形態において、入力層211のノードに入力されるデータは、ユーザが所望する粉体についての目標値のデータである。実施の形態1において、粉体についての目標値は、粉体処理装置4Aから得られる粉体の湿分である。学習モデル210の入力層211に入力する目標値のデータは、スカラーに限定する必要はなく、ベクトルデータ、画像データ等の何らかの構造を有するデータであってもよい。
学習モデル210に入力された目標値のデータは、入力層211を構成するノードを通じて、最初の中間層212Aが備えるノードへ出力される。最初の中間層212Aに入力されたデータは、中間層212Aを構成するノードを通じて、次の中間層212Bが備えるノードへ出力される。このとき、ノード間において設定されている重み及びバイアスを含む活性化関数を用いて出力が算出される。以下同様にして、ノード間において設定されている重み及びバイアスを含む活性化関数を用いた演算を実行し、出力層213による演算結果が得られるまで次々と後の層に伝達される。ノード間を結合する重み、バイアス等のパラメータは、所定の学習アルゴリズムによって学習される。各種パラメータを学習する学習アルゴリズムには、例えば深層学習の学習アルゴリズムが用いられる。本実施の形態では、粉体処理装置4Aから得られる粉体に関する粉体データ(湿分データ)と、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、並びに、乾燥処理の処理時間を含む計測データとを教師データとして、所定の学習アルゴリズムによってノード間の重み及びバイアスを含む各種パラメータを学習することができる。
出力層213は、粉体処理装置4Aに対する制御パラメータについての演算結果を出力する。ここで、制御パラメータは、粉体処理装置4Aに供給する熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、並びに、乾燥処理の処理時間を含む。演算結果として、例えば、上述した複数の制御パラメータの組み合わせの良否を示す確率を出力してもよい。具体的には、出力層213を第1ノードから第nノードまでのn個のノードにより構成し、第1ノードから、熱媒の温度がHT1、熱媒の流量HF1、粉体原料の供給量がSA1、粉砕ロータ413の回転速度がCV1、分級ロータ415の回転速度がCC1、ケーシング410内の圧力がCP1、乾燥処理の処理時間がDT1である確率P1を出力し、第2ノードから、熱媒の温度がHT2、熱媒の流量がHF2、粉体原料の供給量がSA2、粉砕ロータ413の回転速度がCV2、分級ロータ415の回転速度がCC2、ケーシング410内の圧力がCP2、乾燥処理の処理時間がDT2である確率P2を出力し、…、第nノードから、熱媒の温度がHTn、熱媒の流量HFn、粉体原料の供給量がSAn、粉砕ロータ413の回転速度がCVn、分級ロータ415の回転速度がCCn、ケーシング410内の圧力がCPn、乾燥処理の処理時間がDTnである確率Pnを出力してもよい。出力層213を構成するノードの数や各ノードに割り当てる演算結果は、上述の例に限定されるものではなく、適宜設計することが可能である。
制御装置100は、粉体処理装置4Aから得られる粉体に関する粉体データ(実施の形態1では、粉体の湿分のデータ)と、粉体処理装置4Aに供給される熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、及び乾燥処理の処理時間を含む計測データとを収集し、これらのデータを教師データに用いて、上述したような学習モデル210を生成する。
図6は制御装置100が収集するデータの一例を示す概念図である。制御装置100の制御部101は、入力部103を通じて、粉体処理装置4Aの動作状態を示す計測データと、粉体処理装置4Aから得られる粉体に関する粉体データとを取得する。具体的には、制御部101は、温度センサS4により計測される熱媒の温度(℃)、流量センサS3により計測される熱媒の流量(m3 /min)、重量センサS1により計測される重量に基づき計算される粉体原料の供給量(kg/h)、回転速度センサS7により計測される粉砕ロータ413の回転速度(rpm)、回転速度センサS8により計測される分級ロータ415の回転速度(rpm)、圧力センサS6により計測されるケーシング410内の圧力(atm)、制御部101の内蔵タイマにより計測される乾燥処理の処理時間(min)等を計測データとして取得する。また、制御部101は、湿分センサS5により計測される粉体の湿分(%)を粉体データとして取得する。制御部101は、取得した計測データ及び粉体データをタイムスタンプと共に記憶部102に記憶させる。なお、図6は、5秒間隔で収集したデータを記憶部102に記憶させた例を示しているが、データを収集する時間間隔は5秒に限らず、任意に設定すればよい。
制御部101は、収集した上記データを教師データに用いて、粉体処理装置4Aから得られる粉体の湿分と、粉体処理装置4Aに関する制御パラメータとの関係を学習し、上述したような学習モデル210を生成する。
以下、学習フェーズにおける制御装置100の動作について説明する。
図7は制御装置100による学習モデル210の生成手順を説明するフローチャートである。制御装置100の制御部101は、粉体処理装置4Aの動作状態を示す計測データと、粉体処理装置4Aから得られる粉体に関する粉体データとを収集する(ステップS101)。ステップS101において収集する計測データは、上述したように、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、及び乾燥処理の処理時間を含む。また、ステップS101において収集する粉体データは、粉体処理装置4Aから得られる粉体の湿分を示すデータを含む。収集した計測データ及び粉体データは、タイムスタンプと共に、記憶部102に記憶される。
計測データ及び粒子径データの収集後、制御部101は、記憶部102に記憶されているデータから、一組の教師データを選択する(ステップS102)。すなわち、制御部101は、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、乾燥処理の処理時間の計測値と、そのときに得られた粉体の湿分の値とを記憶部102から一組だけ選択する。
制御部101は、選択した教師データに含まれる湿分の値を学習モデル210へ入力し(ステップS103)、学習モデル210による演算を実行する(ステップS104)。すなわち、制御部101は、学習モデル210の入力層211を構成するノードに湿分の値を入力し、中間層212A,212Bにおいてノード間の重み及びバイアスを用いた演算を行い、演算結果を出力層213のノードから出力する処理を行う。なお、学習が開始される前の初期段階では、学習モデル210を記述する定義情報には初期値が与えられているものとする。
次いで、制御部101は、ステップS104で得られた演算結果を評価し(ステップS105)、学習が完了したか否かを判断する(ステップS106)。具体的には、制御部101は、ステップS104で得られる演算結果と教師データとに基づく誤差関数(目的関数、損失関数、コスト関数ともいう)を用いて、演算結果を評価することができる。制御部101は、最急降下法などの勾配降下法により誤差関数を最適化(最小化又は最大化)する課程で、誤差関数が閾値以下(又は閾値以上)となった場合、学習が完了したと判断する。なお、過学習の問題を避けるために、交差検定、早期打ち切りなどの手法を取り入れ、適切なタイミングにて学習を終了させてもよい。
学習が完了していないと判断した場合(S106:NO)、制御部101は、学習モデル210のノード間の重み及びバイアスを更新して(ステップS107)、処理をステップS102へ戻し、別の教師データを用いた学習を継続する。制御部101は、学習モデル210の出力層213から入力層211に向かって、ノード間の重み及びバイアスを順次更新する誤差逆伝播法を用いて、各ノード間の重み及びバイアスを更新することができる。
学習が完了したと判断した場合(S106:YES)、制御部101は、学習済みの学習モデル210として記憶部102に記憶させ(ステップS108)、本フローチャートによる処理を終了する。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置100は、学習フェーズにおいて、粉体処理装置4Aの動作状態を示す計測データと、粉体処理装置4Aから得られる粉体に関する粉体データとを収集する。制御装置100は、収集したデータを教師データとして用いることにより、ユーザが所望する粉体についての目標値(実施の形態1では湿分の値)の入力に応じて、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、及び乾燥処理の処理時間を制御する制御パラメータに関する演算結果を出力する学習モデル210を生成できる。
なお、本実施の形態では、制御装置100において学習モデル210を生成する構成としたが、学習モデル210を生成する外部サーバ(不図示)を設け、外部サーバにて学習モデル210を生成してもよい。この場合、制御装置100は、通信等により、外部サーバから学習モデル210を取得し、取得した学習モデル210を記憶部102に記憶させればよい。
次に、運用フェーズにおける制御装置100の動作を説明する。なお、運用フェーズにおいては、学習モデル210は学習済みであるとする。
図8は制御装置100による制御手順を説明するフローチャートである。制御装置100の制御部101は、操作部106を通じて、ユーザが所望する粉体についての目標値(実施の形態1では湿分の値)の入力を受付ける(ステップS121)。
次いで、制御部101は、受付けた目標値のデータを学習モデル210の入力層211へ入力し、学習モデル210による演算を実行する(ステップS122)。このとき、制御部101は、受付けた目標値のデータを入力層211のノードに与える。入力層211のノードに与えられたデータは、隣接する中間層212Aのノードへ出力される。中間層212Aではノード間の重み及びバイアスを含む活性化関数を用いた演算が行われ、演算結果は後段の中間層212Bへ出力される。中間層212Bにおいて、更に、ノード間の重み及びバイアスを含む活性化関数を用いた演算が行われ、演算結果は出力層213の各ノードへ出力される。出力層213の各ノードは、粉体処理装置4Aの制御パラメータに関する演算結果を出力する。具体的には、出力層213の各ノードは、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、及び乾燥処理の処理時間を制御する制御パラメータに関する演算結果を出力する。
次いで、制御部101は、学習モデル210から演算結果を取得し(ステップS123)、制御に用いる制御パラメータを決定する(ステップS124)。学習モデル210の出力層213は、例えば、制御パラメータに関する演算結果として、熱媒の温度がHTi、熱媒の流量がHFi、粉体原料の供給量がSAi、粉砕ロータ413の回転速度がCVi、分級ロータ415の回転速度がCCi、ケーシング410内の圧力がCPi、乾燥処理の処理時間がDTiである確率Pi(i=1~n)を各ノードから出力する。制御部101は、これらの確率Pi(i=1~n)のうち、最も高い確率に対応した熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、乾燥処理の処理時間の組み合わせを特定することにより、制御に用いる制御パラメータを決定する。
次いで、制御部101は、ステップS124において決定した制御パラメータに基づき、制御を実行する(ステップS125)。すなわち、制御部101は、ケーシング410内に導入される熱媒の温度及び流量がそれぞれステップS124で決定した値となるように、熱風発生機3の動作を制御する制御指令を生成し、生成した制御指令を出力部104を通じて熱風発生機3へ出力する。同様に、制御部101は、粉体原料の供給量、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、乾燥処理の処理時間がそれぞれステップS124で決定した値となるように、原料供給機2、粉砕ロータ413、分級ロータ415、ブロワ7、粉体処理装置4Aの動作を制御する制御指令を生成し、生成した制御指令を出力部104を通じて各装置へ出力する。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置100は、ユーザが所望する粉体についての目標値を受付けることにより、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、及び乾燥処理の処理時間を制御する制御パラメータを決定できる。すなわち、本実施の形態では、現場技術者の経験や勘に依存することなく、粉体処理装置4Aに関する制御パラメータを決定できる。制御装置100は、目標値を有する粉体が得られるように、決定した制御パラメータに基づく制御を実行する。
本実施の形態では、ニューラルネットワークによって構成される機械学習の学習モデル210を用いて制御パラメータに関する演算結果を取得する構成について説明したが、学習モデル210は特定の手法を用いて得られるモデルに限定されない。例えば、深層学習によるニューラルネットワークに代えて、パーセプトロン、畳み込みニューラルネットワーク、再帰型ニューラルネットワーク、残差ネットワーク、自己組織化マップ等による学習モデルであってもよい。
また、上記のニューラルネットワークによる学習モデルに代えて、線形回帰、ロジスティック回帰、サポートベクターマシン等を含む回帰分析手法、決定木、回帰木、ランダムフォレスト、勾配ブースティング木等の探索木を用いた手法、単純ベイズ等を含むベイズ推定法、AR(Auto Regressive)、MA(Moving Average)、ARIMA(Auto Regressive Integrated Moving Average)、状態空間モデル等を含む時系列予測手法、K近傍法等を含むクラスタリング手法、ブースティング、バギング等を含むアンサンブル学習を用いた手法、階層型クラスタリング、非階層型クラスタリング、トピックモデル等を含むクラスタリング手法、アソシエーション分析、強調フィルタリング等を含むその他の手法により学習された学習モデルであってもよい。
更に、PLS(Partial Least Squares)回帰、重回帰分析、主成分分析、因子分析、クラスター分析等を含む多変量分析を用いて学習モデルを構築してもよい。
本実施の形態では、粉体処理装置4Aから得られる粉体の粉体データ(湿分のデータ)と、粉体処理装置4Aに導入する熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、及び乾燥処理の処理時間を含む計測データとを教師データに用いて、学習モデル210を生成する構成とした。代替的に、上記粉体データ(湿分のデータ)と、選択した一部の計測データとを教師データに用いて、学習モデル210を生成する構成としてもよい。
また、制御装置100は、計測データとして、ケーシング410内から粉体を取り出す際の吐出・吸引流量若しくは温度、及び、粉体処理装置4Aの駆動電力若しくは駆動電流の少なくとも1つを更に含む教師データを用いて、学習モデル210を生成してもよい。
更に、制御装置100は、粉体データとして、単位時間あたりの収量(すなわち処理能力)を更に含む教師データを用いて、学習モデル210を生成してもよい。この場合、制御装置100は、粉体処理装置4Aから得られる粉体の湿分及び単位時間あたりの収量を含む粉体データと上述の計測データとを教師データに用いて、ユーザが所望する粉体の湿分及び単位時間あたりの収量が入力された場合、粉体処理装置4Aに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル210を生成すればよい。
更に、制御装置100は、原料データを更に含む教師データに用いて、学習モデル210を生成してもよい。教師データに用いる原料データは、粉体原料の湿分、温度、かさ密度(若しくは真密度)、及び粒子径の少なくとも1つを含む。制御装置100は、取得した粉体データ、原料データ、及び計測データを教師データとし、粉体データ及び原料データの入力に応じて、粉体処理装置4Aに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル210を生成すればよい。
更に、制御装置100は、製品データ、排ガスデータ、及び環境データの少なくとも1つを更に含む教師データを用いて、学習モデル210を生成してもよい。教師データに用いる製品データは、製品粉体の温度、かさ密度(若しくは真密度)、及び粒子径の少なくとも1つを含む。排ガスデータは、ブロワ7を通じて排出される気体の流量及び湿分の少なくとも1つを含む。環境データは、粉体処理を実行する環境の温度及び湿度の少なくとも1つを含む。制御装置100は、取得した粉体データ、製品データ、排ガスデータ、環境データ、計測データを教師データとし、粉体データと、製品データ、排ガスデータ、環境データの少なくとも1つとの入力に応じて、粉体処理装置4Aに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル210を生成すればよい。
また、本実施の形態では、ケーシング410内に熱風を導入して粉体を乾燥させる直接加熱式の粉体処理装置4Aについて説明したが、粉体処理装置4Aは、間接加熱媒体乾燥機、媒体攪拌型気流乾燥機、攪拌型凍結乾燥機などの乾燥機であってもよい。間接加熱媒体乾燥機として、例えば、ホソカワミクロン株式会社製のソリッドエアー(登録商標)、トーラスディスク、及びミクロン サーモプロセッサ(登録商標)を用いることができる。また、媒体攪拌型気流乾燥機として、例えば、ホソカワミクロン株式会社製のゼルビス(登録商標)を用いることができる。攪拌型凍結乾燥機として、ホソカワミクロン株式会社製のアクティブフリーズドライヤ(登録商標)を用いることができる。これらの乾燥機は、処理対象の粉体原料を攪拌するための回転体として、パドル、スクリュー、ロータ等を備えているので、学習モデル210を用いた演算で求める制御パラメータのうち、粉砕ロータ413の回転速度及び分級ロータ415の回転速度に代えて、上記回転体の回転速度を用いればよい。
(実施の形態2)
実施の形態2では、混合処理についての適用例を説明する。実施の形態2に係る粉体処理システム1は、乾燥処理を行う粉体処理装置4Aに代えて、混合処理を行う粉体処理装置4Bを備える。
図9は実施の形態2に係る粉体処理装置4Bの構成を示す模式図である。粉体処理装置4Bは、その内部において混合処理を行う逆円錐型のケーシング420を備える。このケーシング420には、原料投入口421A,421B、スイングアーム422、スクリュー423、粉体取出口424等が設けられている。
原料投入口421A,421Bはケーシング420の上部に設けられている。原料投入口421A,421Bには、それぞれ異なる種類の粉体原料を供給する原料供給機2が接続される。原料供給機2から供給される異なる種類の粉体原料は、原料供給路TP1内のスクリューフィーダ21によって搬送され、原料投入口421A,421Bよりケーシング420内に投入される。
ケーシング420の内部に設けられているスクリュー423は、スクリューモータ423Mの駆動により、ケーシング420の内周面に沿う長軸の回りに回転(自転)するように構成されている。スクリュー423の上端はスイングアーム422の一端に連結されている。このスイングアーム422は、スイングモータ422Mの駆動により、スイングアーム422の他端を中心として水平面内で回転するように構成されている。スクリュー423は、スイングアーム422の回転に伴い、ケーシング420の内周面に沿って回転(公転)するように構成されている。
スクリュー423が自転することによって、スクリュー423の近傍の粉体原料は攪拌されながら上昇運動し、スクリュー423から離れた部分では重力により下降運動する。同時に、スイングアーム422が回転し、スクリュー423がケーシング420の内周面に沿って公転することにより、ケーシング420内の粉体原料全体は大きく移動する。このように、粉体処理装置4Bは、スクリュー423を自転させつつ公転させることによって、ケーシング420内に投入された粉体原料を攪拌する。このとき、偏析現象がほとんど発生することなく、速やかに複数種の粉体原料を混合させることができる。
スクリュー423の作用によって混合された粉体は、ケーシング420の下部に設けられた粉体取出口424を通じて、粉体処理装置4Bの外部へ取り出される。
なお、粉体処理装置4Bは、ケーシング420の内部温度を調節するためにジャケット部を備えていてもよい。ジャケット部は、別に設けたタンクから供給される流体(熱媒又は冷媒)によって、ケーシング420の内部温度を調節する。
実施の形態2に係る制御装置100は、入力部103を通じて、粉体処理装置4Bの動作状態を示す計測データと、粉体処理装置4Bから得られる粉体に関する粉体データとを取得する。制御装置100が取得する計測データは、粉体処理装置4Bに供給する粉体原料の供給量(又は供給速度)、粉体原料を攪拌するためのスクリュー423の回転速度、粉体処理装置4Bに供給する流体(熱媒又は冷媒)の供給量(又は供給速度)、並びに混合処理の処理時間を含む。粉体データは、粉体処理装置4Bから得られる粉体の混合度のデータである。混合度は、2種類以上の粉体の混ざり具合を表す指標値であり、例えば、色差計、吸光度計、NIR、PH計、画像解析、クロマトグラフィ等を用いて計測することが可能である。
制御装置100は、取得した計測データと粉体データとを教師データに用いて、学習モデル220(図10を参照)を生成する。学習モデル220の生成手順は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
学習モデル220は、ユーザが所望する粉体についての目標値(混合度)が入力された場合、粉体処理装置4Bに対する制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成される。ここで、粉体処理装置4Bに対する制御パラメータは、粉体原料の供給量(又は供給速度)、スクリュー423の回転速度、粉体処理装置4Bに供給する流体の供給量(又は供給速度)、及び混合処理の処理時間を含む。
図10は実施の形態2における学習モデル220の構成例を示す模式図である。学習モデル220は、実施の形態1において説明した学習モデル210と同様に、それぞれが1又は複数のノードを備えた入力層221、中間層222A,222B、及び出力層223を備える。中間層の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
学習モデル220は、ユーザが所望する粉体についての目標値(実施の形態2では混合度)の入力に対して、粉体処理装置4Bに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成される。
制御装置100は、学習モデル220を用いた演算を行う場合、ユーザが所望する目標値(混合度)を学習モデル220に入力する。学習モデル220に入力された目標値のデータは、入力層221を構成するノードを通じて、最初の中間層222Aが備えるノードへ出力される。最初の中間層222Aに入力されたデータは、中間層222Aを構成するノードを通じて、次の中間層222Bが備えるノードへ出力される。このとき、ノード間において設定されている重み及びバイアスを含む活性化関数を用いて出力が算出される。以下同様にして、ノード間において設定されている重み及びバイアスを含む活性化関数を用いた演算を実行し、出力層223による演算結果が得られるまで次々と後の層に伝達される。
出力層223は、粉体処理装置4Bに対する制御パラメータについての演算結果を出力する。演算結果として、例えば、上述した複数の制御パラメータの組み合わせの良否を示す確率を出力してもよい。具体的には、出力層223を第1ノードから第nノードまでのn個のノードにより構成し、第1ノードから、粉体原料の供給量がSA1、スクリュー423の回転速度がSV1、流体の供給量がFA1、混合処理の処理時間がMT1である確率P1を出力し、…、第nノードから、粉体原料の供給量がSAn、スクリュー423の回転速度がSVn、流体の供給量がFAn、混合処理の処理時間がMTnである確率Pnを出力してもよい。出力層223を構成するノードの数や各ノードに割り当てる演算結果は、上述の例に限定されるものではなく、適宜設計することが可能である。
制御装置100の制御部101は、出力層223から出力される確率のうち、確率が最も高い組み合わせ(本実施の形態では、粉体原料の供給量、スクリュー423の回転速度、粉体処理装置4Bに供給する流体の供給量、及び混合処理の処理時間の組み合わせ)を特定することにより、制御に用いる制御パラメータを決定する。制御部101は、決定した制御パラメータに基づき、原料供給機2、スクリューモータ423M、熱媒又は冷媒の供給源、粉体処理装置4Bの動作を制御する制御指令を生成し、出力部104を通じて各装置へ出力する。
以上のように、実施の形態2では、混合処理を行う粉体処理装置4Bに関して、ユーザが所望する粉体についての目標値(混合度)の入力に応じて、粉体原料の供給量(又は供給速度)、スクリュー423の回転速度、粉体処理装置4Bに供給する流体の供給量(又は供給速度)、及び混合処理の処理時間を制御するための制御パラメータに関する演算結果を出力する学習モデル220を生成する。また、学習モデル220を用いることにより、粉体原料の供給量(又は供給速度)、スクリュー423の回転速度、粉体処理装置4Bに供給する流体の供給量(又は供給速度)、及び混合処理の処理時間を制御するための制御パラメータに関する演算結果が得られる。制御装置100は、所望の混合度を有する粉体が得られるように、学習モデル220の演算結果に基づき、粉体処理システム1の動作を制御することができる。
本実施の形態では、粉体処理装置4Bから得られる粉体の粉体データ(混合度のデータ)と、粉体処理装置4Bに供給する粉体原料の供給量(又は供給速度)、粉体原料を攪拌するためのスクリュー423の回転速度、粉体処理装置4Bに供給する流体の供給量(又は供給速度)、並びに混合処理の処理時間を含む計測データとを教師データに用いて、学習モデル220を生成する構成とした。代替的に、上記粉体データ(湿分のデータ)と、選択した一部の計測データとを教師データに用いて、学習モデル220を生成する構成としてもよい。
また、制御装置100は、計測データとして、ケーシング420内の湿度、及び、粉体処理装置4Bの駆動電力若しくは駆動電流の少なくとも1つを更に含む教師データを用いて、学習モデル220を生成してもよい。
更に、制御装置100は、粉体データとして、粉体処理装置4Bから得られる粉体の濃度、及び湿分を更に含む教師データを用いて、学習モデル220を生成してもよい。この場合、制御装置100は、粉体処理装置4Bから得られる粉体の混合度、濃度及び湿分を含む粉体データと上述の計測データとを教師データに用いて、ユーザが所望する粉体の混合度、濃度、及び湿分が入力された場合、粉体処理装置4Bに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル220を生成すればよい。
更に、制御装置100は、原料データを更に含む教師データに用いて、学習モデル220を生成してもよい。教師データに用いる原料データは、粉体原料の混合比率、混合度、粒子径、かさ密度(若しくは真密度)、及び流動性の少なくとも1つを含む。制御装置100は、取得した粉体データ、原料データ、及び計測データを教師データとし、粉体データ及び原料データの入力に応じて、粉体処理装置4Bに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル220を生成すればよい。
更に、制御装置100は、製品データ、及び環境データの少なくとも1つを更に含む教師データを用いて、学習モデル220を生成してもよい。教師データに用いる製品データは、製品粉体の温度、及びかさ密度(若しくは真密度)の少なくとも1つを含む。環境データは、粉体処理を実行する環境の温度及び湿度の少なくとも1つを含む。制御装置100は、取得した粉体データ、製品データ、環境データ、計測データを教師データとし、粉体データと、製品データ、環境データの少なくとも1つとの入力に応じて、粉体処理装置4Bに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル220を生成すればよい。
本実施の形態では、粉体処理装置4Bを、回転体(スクリュー423)の回転により粉体を混合する混合機とした。このような混合機として、例えば、ホソカワミクロン株式会社製のナウタミキサ(登録商標)、バイトミックス、サイクロミックス(登録商標)を用いることができる。
また、回転体の回転により粉体を混合する混合機に代えて、風力混合により混合する混合機を用いてもよい。この場合、回転体の回転速度に代えて、ケーシング420内に導入する流体の流量(流速)を学習モデル220により決定する制御パラメータとすればよい。
(実施の形態3)
実施の形態3では、複合化処理についての適用例を説明する。実施の形態3に係る粉体処理システム1は、乾燥処理を行う粉体処理装置4Aに代えて、複合化処理を行う粉体処理装置4Cを備える。
図11は実施の形態3に係る粉体処理装置4Cの構成を示す模式図である。粉体処理装置4Cは、その内部において複合化処理を行う水平円筒状のケーシング430を備える。このケーシング430には、原料投入口431、パドル432、粉体取出口433等が設けられている。
原料投入口431はケーシング430の上部に設けられている。原料投入口431には、処理対象の粉体原料を供給する原料供給機2が接続される。原料供給機2から供給される異なる種類の粉体原料は、原料供給路TP1内のスクリューフィーダ21によって搬送され、原料投入口431よりケーシング430内に投入される。なお、粉体原料は予め混合されたものを用いてもよく、粉体処理装置4Cに別々に供給してもよい。
ケーシング430の内部に設けられているパドル432は、パドルモータ432Mの駆動により、例えば周速40m/s以上の速度で回転するように構成されている。パドル432の形状及び配列は、衝撃力・圧縮力・剪断力が個々の粉体粒子に均一に作用するように設計されている。粉体処理装置4Cは、パドルモータ432Mを駆動し、パドル432を回転させることによって、ケーシング430内に投入された粉体原料に衝撃力・圧縮力・剪断力を作用させ、微粒子(子粒子)をそれより大きなサイズの粒子(母粒子)上に分散、固定化する複合化処理を行う。
パドル432の作用によって複合化された粉体は、ケーシング430の下部に設けられた粉体取出口433を通じて、粉体処理装置4Cの外部へ取り出される。
粉体処理装置4Cは、ケーシング430の内部温度を調節するためにジャケット部を備えていてもよい。ジャケット部は、別に設けたタンクから供給される流体(熱媒又は冷媒)によって、ケーシング430の内部温度を調節する。
実施の形態3に係る制御装置100は、入力部103を通じて、粉体処理装置4Cの動作状態を示す計測データと、粉体処理装置4Cから得られる粉体に関する粉体データとを取得する。制御装置100が取得する計測データは、粉体処理装置4Cに供給する粉体原料の供給量(又は供給速度)、パドル432の回転速度、粉体処理装置4Cの負荷動力、並びに複合化処理の処理時間を含む。粉体データは、粉体処理装置4Cから得られる粉体の複合化度のデータである。複合化度は、複数種の粉体が一体化した度合いを表す指標であり、BET、NIR、XRD、TG-DTA、MS、SEM、FE-SEM、及びTEM等を用いて計測することが可能である。複合化度は、数値により表される指標であってもよく、イメージ(画像データ)により表される指標であってもよい。
制御装置100は、取得した計測データと粉体データとを教師データに用いて、学習モデル230(図12を参照)を生成する。学習モデル230の生成手順は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
学習モデル230は、ユーザが所望する粉体についての目標値(複合化度)が入力された場合、粉体処理装置4Cに対する制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成される。ここで、粉体処理装置4Cに対する制御パラメータは、粉体原料の供給量(又は供給速度)、パドル432の回転速度、粉体処理装置4Cの負荷動力、及び複合化処理の処理時間を含む。
図12は実施の形態3における学習モデル230の構成例を示す模式図である。学習モデル230は、実施の形態1において説明した学習モデル210と同様に、それぞれが1又は複数のノードを備えた入力層231、中間層232A,232B、及び出力層233を備える。中間層の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
学習モデル230は、ユーザが所望する粉体についての目標値(実施の形態3では複合化度)の入力に対して、粉体処理装置4Cに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成される。
制御装置100は、学習モデル230を用いた演算を行う場合、ユーザが所望する目標値(複合化度)を学習モデル230に入力する。学習モデル230に入力された目標値のデータは、入力層231を構成するノードを通じて、最初の中間層232Aが備えるノードへ出力される。最初の中間層232Aに入力されたデータは、中間層232Aを構成するノードを通じて、次の中間層232Bが備えるノードへ出力される。このとき、ノード間において設定されている重み及びバイアスを含む活性化関数を用いて出力が算出される。以下同様にして、ノード間において設定されている重み及びバイアスを含む活性化関数を用いた演算を実行し、出力層233による演算結果が得られるまで次々と後の層に伝達される。
出力層233は、粉体処理装置4Cに対する制御パラメータについての演算結果を出力する。演算結果として、例えば、上述した複数の制御パラメータの組み合わせの良否を示す確率を出力してもよい。具体的には、出力層233を第1ノードから第nノードまでのn個のノードにより構成し、第1ノードから、粉体原料の供給量がSA1、パドル432の回転速度がPV1、負荷動力がLP1、複合化処理の処理時間がCT1である確率P1を出力し、…、第nノードから、粉体原料の供給量がSAn、パドル432の回転速度がPVn、負荷動力がLPn、複合化処理の処理時間がCTnである確率Pnを出力してもよい。出力層233を構成するノードの数や各ノードに割り当てる演算結果は、上述の例に限定されるものではなく、適宜設計することが可能である。
制御装置100の制御部101は、出力層233から出力される確率のうち、確率が最も高い組み合わせ(本実施の形態では、粉体原料の供給量、パドル432の回転速度、負荷動力、及び複合化処理の処理時間の組み合わせ)を特定することにより、制御に用いる制御パラメータを決定する。制御部101は、決定した制御パラメータに基づき、原料供給機2、パドルモータ432M、粉体処理装置4Cの動作を制御する制御指令を生成し、出力部104を通じて各装置へ出力する。
以上のように、実施の形態3では、複合化処理を行う粉体処理装置4Cに関して、ユーザが所望する粉体についての目標値(複合化度)の入力に応じて、粉体原料の供給量、パドル432の回転速度、負荷動力、及び混合処理の処理時間を制御するための制御パラメータに関する演算結果を出力する学習モデル230を生成する。また、学習モデル230を用いることにより、粉体原料の供給量、パドル432の回転速度、及び複合化処理の処理時間を制御するための制御パラメータに関する演算結果が得られる。制御装置100は、所望の複合化度を有する粉体が得られるように、学習モデル230の演算結果に基づき、粉体処理システム1の動作を制御することができる。
本実施の形態では、粉体処理装置4Cから得られる粉体の粉体データ(複合化度のデータ)と、粉体処理装置4Cに供給する粉体原料の供給量(又は供給速度)、粉体原料を攪拌するためのパドル432の回転速度、並びに複合化処理の処理時間を含む計測データとを教師データに用いて、学習モデル230を生成する構成とした。代替的に、上記粉体データ(複合化度のデータ)と、選択した一部の計測データとを教師データに用いて、学習モデル230を生成する構成としてもよい。
また、制御装置100は、計測データとして、ケーシング430内の湿度及び圧力、ケーシング430内に導入する冷媒の温度及び流量、粉体処理装置4Cの駆動電力若しくは駆動電流の少なくとも1つを更に含む教師データを用いて、学習モデル230を生成してもよい。
更に、制御装置100は、粉体データとして、粉体処理装置4Cから得られる粉体の導電率、熱伝導度、及び透過率を更に含む教師データを用いて、学習モデル230を生成してもよい。この場合、制御装置100は、粉体処理装置4Cから得られる粉体の複合化度、導電率、熱伝導度、及び透過率を含む粉体データと上述の計測データとを教師データに用いて、ユーザが所望する粉体の複合化度、導電率、熱伝導度、及び透過率が入力された場合、粉体処理装置4Cに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル230を生成すればよい。
更に、制御装置100は、原料データを更に含む教師データに用いて、学習モデル230を生成してもよい。教師データに用いる原料データは、粉体原料の混合比率、かさ密度(若しくは真密度)、BET、NIR、XRD、TG-DTA、MS、SEM、FE-SEM、及びTEM等から得られるデータの少なくとも1つを含む。制御装置100は、取得した粉体データ、原料データ、及び計測データを教師データとし、粉体データ及び原料データの入力に応じて、粉体処理装置4Cに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル230を生成すればよい。
更に、制御装置100は、製品データ、及び環境データの少なくとも1つを更に含む教師データを用いて、学習モデル230を生成してもよい。教師データに用いる製品データは、製品粉体のかさ密度(若しくは真密度)及び粒子径の少なくとも1つを含む。環境データは、粉体処理を実行する環境の温度及び湿度の少なくとも1つを含む。制御装置100は、取得した粉体データ、製品データ、環境データ、計測データを教師データとし、粉体データと、製品データ及び環境データの少なくとも1つとの入力に応じて、粉体処理装置4Cに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル230を生成すればよい。
本実施の形態では、粉体処理装置4Cを、パドル432の回転により粉体を複合化する複合化処理装置とした。このような複合化処理装置として、例えば、ホソカワミクロン株式会社製のノビルタ(登録商標)、ナノキュラ(登録商標)、メカノフュージョン(登録商標)を用いることができる。
なお、本実施の形態では、粉体処理装置4Cを用いて複合化を行ったが、目標値を混合度として混合処理を行ってもよく、単一原料に対し、目標値を円形度として球形化などの表面処理を行ってもよい。
(実施の形態4)
実施の形態4では、表面処理についての適用例を説明する。実施の形態4に係る粉体処理システム1は、乾燥処理を行う粉体処理装置4Aに代えて、表面処理を行う粉体処理装置4Dを備える。
図13は実施の形態4に係る粉体処理装置4Dの構成を示す模式図である。粉体処理装置4Dは、その内部において表面処理を行う円筒形状のケーシング440を備える。このケーシング440には、原料投入口441、気体導入口442、粉砕ロータ443、分級ロータ444、粉体取出口445、微粉取出口446等が設けられている。
原料投入口441は粉砕ロータ443よりも上側に設けられている。原料投入口441には粉体原料を供給する原料供給機2が接続される。原料供給機2から供給される粉体原料は、原料供給路TP1内のスクリューフィーダ21によって搬送され、原料投入口441よりケーシング440内に投入される。
ケーシング440には、気体導入口442が設けられている。この気体導入口442の位置は特に限定されないが、回転する粉砕ロータ443を介してケーシング440内に気体が導入されるように、粉砕ロータ443よりも下方の位置に設けられることが好ましい。
粉砕ロータ443は、回転円盤443Aと、回転円盤443Aの上面周縁部から上向きに突出する複数のハンマ443Bとを備えるロータであり、粉砕モータ413M(図3を参照)の動力によって所望の回転速度にて回転するように構成されている。ここで、粉砕モータ413Mは、粉体処理システム1が備える駆動部の1つである。粉砕モータ413Mの回転速度は、回転速度センサS7(図3を参照)によって常時若しくは定期的なタイミング(例えば5秒間隔)にて計測される。
粉砕ロータ443は、粉砕モータ413Mの動力によって回転し、ケーシング440内に旋回する気流を発生させると共に、ハンマ443Bの作用により、ケーシング440内に導入された粉体原料に衝撃、圧縮、摩砕、剪断等の機械エネルギを与え、粉体原料に表面処理を施す。粉砕ロータ443は、粉体原料を攪拌する回転体の一例である。粉体原料に表面処理を施して製造される粉体は、ケーシング440の下部から流入する気流によって、ケーシング440の上部に設けられた分級ロータ444へ導かれる。
分級ロータ444は、放射状に配される複数の分級羽根444Aを備えたロータであり、分級モータ415M(図3を参照)の動力によって所望の回転速度にて回転するように構成されている。ここで、分級モータ415Mは、粉体処理システム1が備える駆動部の1つである。分級モータ415Mの回転速度は、回転速度センサS8(図3を参照)によって常時若しくは定期的なタイミング(例えば5秒間隔)にて計測される。分級ロータ444は、粉砕ロータ443の上方に設けられており、高速回転による遠心力により、ケーシング440内で処理された粉体のうち所定粒子径未満の粉体のみを通過させ、通過させた粉体のみを微粉取出口446へ導く。一方、分級ロータ444を追加しなかった粉体は、粉体取出口445へ導かれ、製品粉体として粉体処理装置4Dの外部へ取り出される。
なお、粉体処理装置4Dは、ケーシング440の内部温度を調節するためにジャケット部を備えていてもよい。ジャケット部は、別に設けたタンクから供給される流体(熱媒又は冷媒)によって、ケーシング440の内部温度を調節する。
実施の形態4に係る制御装置100は、入力部103を通じて、粉体処理装置4Dの動作状態を示す計測データと、粉体処理装置4Dから得られる粉体に関する粉体データとを取得する。制御装置100が取得する計測データは、粉体処理装置4Dに供給する粉体原料の供給量(又は供給速度)、粉砕ロータ443の回転速度、分級ロータ444の回転速度、表面処理の処理時間、及び粉体処理装置4Dの負荷動力を含む。粉体データは、粉体処理装置4Dから得られる粉体の円形度のデータである。円形度は、粉体処理装置4Dより得られる粉体(粒子)の形状を表す指標であり、例えば粒子形状分析装置や画像解析によって計測される。
制御装置100は、取得した計測データと粉体データとを教師データに用いて、学習モデル240(図14を参照)を生成する。学習モデル240の生成手順は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
学習モデル240は、ユーザが所望する粉体についての目標値(混合度)が入力された場合、粉体処理装置4Dに対する制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成される。ここで、粉体処理装置4Dに対する制御パラメータは、粉体原料の供給量(又は供給速度)、粉砕ロータ443の回転速度、分級ロータ444の回転速度、表面処理の処理時間、及び粉体処理装置4Dの負荷動力を含む。
図14は実施の形態4における学習モデル240の構成例を示す模式図である。学習モデル240は、実施の形態1において説明した学習モデル210と同様に、それぞれが1又は複数のノードを備えた入力層241、中間層242A,242B、及び出力層243を備える。中間層の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
学習モデル240は、ユーザが所望する粉体についての目標値(実施の形態4では円形度)の入力に対して、粉体処理装置4Dに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成される。
制御装置100は、学習モデル240を用いた演算を行う場合、ユーザが所望する目標値(円形度)を学習モデル240に入力する。学習モデル240に入力された目標値のデータは、入力層241を構成するノードを通じて、最初の中間層242Aが備えるノードへ出力される。最初の中間層242Aに入力されたデータは、中間層242Aを構成するノードを通じて、次の中間層242Bが備えるノードへ出力される。このとき、ノード間において設定されている重み及びバイアスを含む活性化関数を用いて出力が算出される。以下同様にして、ノード間において設定されている重み及びバイアスを含む活性化関数を用いた演算を実行し、出力層243による演算結果が得られるまで次々と後の層に伝達される。
出力層243は、粉体処理装置4Dに対する制御パラメータについての演算結果を出力する。演算結果として、例えば、上述した複数の制御パラメータの組み合わせの良否を示す確率を出力してもよい。具体的には、出力層243を第1ノードから第nノードまでのn個のノードにより構成し、第1ノードから、粉体原料の供給量がSA1、粉砕ロータ443の回転速度がCV1、分級ロータ444の回転速度がCC1、負荷動力がLP1、表面処理の処理時間ST1である確率P1を出力し、…、第nノードから、粉体原料の供給量がSAn、粉砕ロータ443の回転速度がCVn、分級ロータ444の回転速度がCCn、負荷動力がLPn、表面処理の処理時間STnである確率Pnを出力してもよい。出力層243を構成するノードの数や各ノードに割り当てる演算結果は、上述の例に限定されるものではなく、適宜設計することが可能である。
制御装置100の制御部101は、出力層243から出力される確率のうち、確率が最も高い組み合わせ(本実施の形態では、粉体原料の供給量、粉砕ロータ443の回転速度、分級ロータ444の回転速度、負荷動力、及び表面処理の処理時間の組み合わせ)を特定することにより、制御に用いる制御パラメータを決定する。制御部101は、決定した制御パラメータに基づき、原料供給機2、粉砕モータ413M、及び粉体処理装置4Dの動作を制御する制御指令を生成し、出力部104を通じて各装置へ出力する。
以上のように、実施の形態4では、表面処理を行う粉体処理装置4Dに関して、ユーザが所望する粉体についての目標値(円形度)の入力に応じて、粉体原料の供給量(又は供給速度)、粉砕ロータ443の回転速度、分級ロータ444の回転速度、粉体処理装置4Dの負荷動力、及び表面処理の処理時間を制御するための制御パラメータに関する演算結果を出力する学習モデル240を生成する。また、学習モデル240を用いることにより、粉体原料の供給量(又は供給速度)、粉砕ロータ443の回転速度、分級ロータ444の回転速度、粉体処理装置4Dの負荷動力、及び表面処理の処理時間を制御するための制御パラメータに関する演算結果が得られる。制御装置100は、所望の円形度を有する粉体が得られるように、学習モデル240の演算結果に基づき、粉体処理システム1の動作を制御することができる。
本実施の形態では、粉体処理装置4Dから得られる粉体の粉体データ(円形度のデータ)と、粉体処理装置4Dに供給する粉体原料の供給量(又は供給速度)、粉砕ロータ443の回転速度、分級ロータ444の回転速度、粉体処理装置4Dの負荷動力、及び表面処理の処理時間を含む計測データとを教師データに用いて、学習モデル240を生成する構成とした。代替的に、上記粉体データ(円形度のデータ)と、選択した一部の計測データとを教師データに用いて、学習モデル240を生成する構成としてもよい。
また、制御装置100は、計測データとして、粉体処理装置4Dの駆動電力又は駆動電流、ケーシング440内に導入する流体(気体又は液体)の流量、流速又は温度、ケーシング440内の温度、粉体処理装置4Dに供給する冷媒(又は熱媒)の流量又は温度の少なくとも1つを更に含む教師データを用いて、学習モデル240を生成してもよい。
更に、制御装置100は、粉体データとして、粉体処理装置4Dから得られる粉体の流動性、及びかさ密度(若しくは真密度)を更に含む教師データを用いて、学習モデル240を生成してもよい。流動性及びかさ密度は公知のパウダテスタを用いて計測される。制御装置100は、粉体処理装置4Dから得られる粉体の流動性、及びかさ密度(若しくは真密度)を含む粉体データと上述の計測データとを教師データに用いて、ユーザが所望する粉体の円形度、流動性、及びかさ密度(若しくは真密度)が入力された場合、粉体処理装置4Dに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル240を生成すればよい。更に、上記の流動性、及びかさ密度に加え、BET値、粉体の温度、粒子径の何れか1つを含む計測データを用いてもよい。
更に、制御装置100は、原料データを更に含む教師データに用いて、学習モデル240を生成してもよい。教師データに用いる原料データは、粉体原料のBET値、粒子径、円形度、かさ密度、及び流動性の少なくとも1つを含む。制御装置100は、取得した粉体データ、原料データ、及び計測データを教師データとし、粉体データ及び原料データの入力に応じて、粉体処理装置4Dに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル240を生成すればよい。
更に、制御装置100は、製品データ、及び環境データの少なくとも1つを更に含む教師データを用いて、学習モデル240を生成してもよい。教師データに用いる製品データは、製品粉体の湿分を含んでもよい。環境データは、粉体処理を実行する環境の温度及び湿度の少なくとも1つを含む。制御装置100は、取得した粉体データ、製品データ、環境データ、計測データを教師データとし、粉体データと、製品データ、環境データの少なくとも1つとの入力に応じて、粉体処理装置4Dに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル240を生成すればよい。
本実施の形態では、粉体処理装置4Dを、粉砕ロータ443及び分級ロータ444の回転により表面処理を行う表面処理装置とした。このような表面処理装置として、例えば、ホソカワミクロン株式会社製のファカルティ(登録商標)を用いることができる。
また、本実施の形態では、ブロワ7を用いて、粉体処理装置4Dから粉体を取り出す気体の流れを形成する構成としたが、ブロワ7に代えてポンプを用いてもよい。
更に、本実施の形態では、粉体処理装置4Dに気体を導入する構成としたが、気体を導入する構成に代えて、液体を導入する構成としてもよい。
(実施の形態5)
実施の形態5では、造粒処理についての適用例を説明する。実施の形態5に係る粉体処理システム1は、乾燥処理を行う粉体処理装置4Aに代えて、造粒処理を行う粉体処理装置4Eを備える。
図15は実施の形態5に係る粉体処理装置4Eの構成を示す模式図である。粉体処理装置4Eは、その内部において造粒処理を行う円筒形状のケーシング450を備える。このケーシング450には、原料投入口451、添加剤投入口452、ロータ453、フレキシブルウォール454、粉体取出口455等が設けられている。
原料投入口451はケーシング450の上部に設けられている。原料投入口451には、処理対象の粉体原料を供給する原料供給機2が接続される。原料供給機2から供給される粉体原料は、原料供給路TP1内のスクリューフィーダ21によって搬送され、原料投入口451よりケーシング450内に投入される。
添加剤投入口452は原料投入口451と対向するようにケーシング450の上部に設けられている。添加剤投入口452を通じてケーシング450内に投入される添加剤は、水、油などの液体である。添加剤投入口452は、添加剤を噴霧するためのノズル(不図示)を備える。粉体処理装置4Eは、添加剤投入口452から液滴を噴霧することにより、ケーシング450内を均質に加湿する。加湿が進み、造粒が始まる水分以上になった粉体は、噴霧した液滴を包み込むように凝集成長を繰り返し、多孔状の造粒粒子へと成長する。
ケーシング450の内部の設けられているロータ453は、ロータモータ453Mの駆動により上下方向の軸の回りに回転するように構成されている。ロータ453は、ナイフブレード453Aを備えており、粉体原料に旋回、回転、重力による圧密の3種類の動きを与えることで、均質な混合、加湿、造粒を行う。
また、ケーシング450の内周面にはフレキシブルウォール454が設けられている。フレキシブルウォール454の外周面は、ローラ454Aが多数付設されたローラゲージ454Bによって囲まれている。フレキシブルウォール454は、ローラゲージ454Bが上下運動することによって変形し、加湿によって内壁に付着した凝集物を剥離する機能を有する。
ケーシング450内で製造された粉体(造粒粒子)は、ケーシング450の下部に設けられた粉体取出口455を通じて、粉体処理装置4Eの外部へ取り出される。
実施の形態5に係る制御装置100は、入力部103を通じて、粉体処理装置4Eの動作状態を示す計測データと、粉体処理装置4Eから得られる粉体に関する粉体データとを取得する。制御装置100が取得する計測データは、粉体処理装置4Eに供給する粉体原料の供給量(又は供給速度)、ロータ453の回転速度、ケーシング450内の圧力、並びにケーシング450内に投入する添加剤の投入量を含む。粉体データは、粉体処理装置4Eから得られる粉体の粒子径及び形状のデータである。粉体の形状は、粒子形状分析装置又は画像解析によって得られるデータである。
制御装置100は、取得した計測データと粉体データとを教師データに用いて、学習モデル250(図16を参照)を生成する。学習モデル250の生成手順は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
学習モデル250は、ユーザが所望する粉体についての目標値(粒子径及び形状)が入力された場合、粉体処理装置4Eに対する制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成される。ここで、粉体処理装置4Eに対する制御パラメータは、粉体原料の供給量(又は供給速度)、ロータ453の回転速度、処理室内の圧力、及び添加剤の投入量を含む。
図16は実施の形態5における学習モデル250の構成例を示す模式図である。学習モデル250は、実施の形態1において説明した学習モデル210と同様に、それぞれが1又は複数のノードを備えた入力層251、中間層252A,252B、及び出力層253を備える。中間層の数は2つに限定されず、3つ以上であってもよい。
学習モデル250は、ユーザが所望する粉体についての目標値(実施の形態5では粒子径及び形状)の入力に対して、粉体処理装置4Eに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成される。
制御装置100は、学習モデル250を用いた演算を行う場合、ユーザが所望する目標値(粒子径及び形状)を学習モデル250に入力する。学習モデル250に入力された目標値のデータは、入力層251を構成するノードを通じて、最初の中間層252Aが備えるノードへ出力される。最初の中間層252Aに入力されたデータは、中間層252Aを構成するノードを通じて、次の中間層252Bが備えるノードへ出力される。このとき、ノード間において設定されている重み及びバイアスを含む活性化関数を用いて出力が算出される。以下同様にして、ノード間において設定されている重み及びバイアスを含む活性化関数を用いた演算を実行し、出力層253による演算結果が得られるまで次々と後の層に伝達される。
出力層253は、粉体処理装置4Eに対する制御パラメータについての演算結果を出力する。演算結果として、例えば、上述した複数の制御パラメータの組み合わせの良否を示す確率を出力してもよい。具体的には、出力層253を第1ノードから第nノードまでのn個のノードにより構成し、第1ノードから、粉体原料の供給量がSA1、ロータ453の回転速度がRV1、ケーシング450内の圧力がCP1、添加剤の投入量がAA1である確率P1を出力し、…、第nノードから、粉体原料の供給量がSAn、ロータ453の回転速度がRVn、ケーシング450内の圧力がCPn、添加剤の投入量がAAnである確率Pnである確率Pnを出力してもよい。出力層253を構成するノードの数や各ノードに割り当てる演算結果は、上述の例に限定されるものではなく、適宜設計することが可能である。
制御装置100の制御部101は、出力層253から出力される確率のうち、確率が最も高い組み合わせ(本実施の形態では、粉体原料の供給量、ロータ453の回転速度、ケーシング450内の圧力、及び添加剤の投入量の組み合わせ)を特定することにより、制御に用いる制御パラメータを決定する。制御部101は、決定した制御パラメータに基づき、原料供給機2、ロータモータ453M、ノズル等の動作を制御する制御指令を生成し、出力部104を通じて各装置へ出力する。
以上のように、実施の形態5では、造粒処理を行う粉体処理装置4Eに関して、ユーザが所望する粉体についての目標値(粒子径及び形状)の入力に応じて、粉体原料の供給量、ロータ453の回転速度、ケーシング450内の圧力、及び添加剤の投入量を制御するための制御パラメータに関する演算結果を出力する学習モデル250を生成する。また、学習モデル250を用いることにより、粉体原料の供給量、ロータ453の回転速度、ケーシング450内の圧力、及び添加剤の投入量を制御するための制御パラメータに関する演算結果が得られる。制御装置100は、所望の粒子径及び形状を有する粉体が得られるように、学習モデル250の演算結果に基づき、粉体処理システム1の動作を制御することができる。
本実施の形態では、粉体処理装置4Eから得られる粉体の粉体データ(粒子径及び形状のデータ)と、粉体処理装置4Eに供給する粉体原料の供給量(又は供給速度)、粉体原料を攪拌するためのロータ453の回転速度、ケーシング450内の圧力、及びケーシング450内に投入する添加剤の投入量を含む計測データとを教師データに用いて、学習モデル250を生成する構成とした。代替的に、上記粉体データ(粒子径及び形状のデータ)と、選択した一部の計測データとを教師データに用いて、学習モデル250を生成する構成としてもよい。
また、制御装置100は、計測データとして、ケーシング450内の湿度、粉体処理装置4Eの駆動電力若しくは駆動電流の少なくとも1つを更に含む教師データを用いて、学習モデル250を生成してもよい。
更に、制御装置100は、粉体データとして、粉体処理装置4Eから得られる粉体の流動性、かさ密度、硬度、吸水量若しくは吸油量を更に含む教師データを用いて、学習モデル250を生成してもよい。この場合、制御装置100は、粉体処理装置4Eから得られる粉体の流動性、かさ密度、硬度、吸水量若しくは吸油量を含む粉体データと上述の計測データとを教師データに用いて、ユーザが所望する粉体の流動性、かさ密度、硬度、吸水量若しくは吸油量が入力された場合、粉体処理装置4Eに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル250を生成すればよい。
更に、制御装置100は、原料データを更に含む教師データに用いて、学習モデル250を生成してもよい。教師データに用いる原料データは、粉体原料のBET値、粒子径、流動性、かさ密度の少なくとも1つを含む。制御装置100は、取得した粉体データ、原料データ、及び計測データを教師データとし、粉体データ及び原料データの入力に応じて、粉体処理装置4Eに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル250を生成すればよい。
更に、制御装置100は、製品データ、及び環境データの少なくとも1つを更に含む教師データを用いて、学習モデル250を生成してもよい。教師データに用いる製品データは、製品粉体の湿分を含む。環境データは、粉体処理を実行する環境の温度及び湿度の少なくとも1つを含む。制御装置100は、取得した粉体データ、製品データ、環境データ、計測データを教師データとし、粉体データと、製品データ及び環境データの少なくとも1つとの入力に応じて、粉体処理装置4Eに対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデル250を生成すればよい。
本実施の形態では、粉体処理装置4Eを、添加剤の投入と、ロータ453の回転とにより造粒する造粒処理装置とした。このような造粒処理装置として、例えば、ホソカワミクロン株式会社製のフレキソミックスを用いることができる。また、同様の処理を行う流動層式の造粒処理装置にも適用可能である。このような造粒処理装置として、ホソカワミクロン株式会社製のアグロマスタ(登録商標)を用いることができる。
(実施の形態6)
実施の形態6では、実施の形態1で説明した学習モデル210の再学習手順について説明する。
なお、粉体処理システム1の全体構成、及び粉体処理システム1における各装置の構成については実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
図17は学習モデル210の再学習手順を説明するフローチャートである。実施の形態1において説明したように、運用フェーズにおいて、制御装置100の制御部101は、ユーザが所望する粉体についての目標値(湿分)の入力を受付け、受付けた湿分のデータを学習モデル210へ入力することにより、制御パラメータに関する演算結果を取得する。制御部101は、学習モデル210から取得した演算結果に基づき、粉体処理システム1を構成する各装置の動作を制御する。制御部101は、運用フェーズにおいて、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、及び乾燥処理の処理時間を含む計測データと、粉体処理装置4Aから得られる粉体の粉体データ(湿分のデータ)とを収集してもよい。収集した計測データ及び粉体データは、タイムスタンプと共に、記憶部102に記憶される。
制御部101は、運用フェーズ開始後の適宜のタイミングにて、粉体データが示す実測値と、ユーザによって入力された目標値とを比較する(ステップS601)。制御部101は、比較結果に基づき、再学習を実行するか否かを判断する(ステップS602)。
実測値が目標値に近い場合(例えば、両者の差が10%未満である場合)、制御部101は、再学習を実行しないと判断し(S602:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。
一方、実測値が目標値に近くない場合(例えば、両者の差が10%以上である場合)、制御部101は、再学習を実行すると判断する(S602:YES)。
再学習を実行すると判断した場合、制御部101は、運用開始後に収集したデータを記憶部102から読み出し(ステップS603)、教師データを選択する(ステップS604)。なお、ステップS603以降の再学習手順は、粉体処理システム1が稼働していないタイミングにて実行すればよい。
制御部101は、選択した教師データに含まれる湿分のデータを学習モデル210へ入力し(ステップS605)、学習モデル210による演算を実行する(ステップS606)。すなわち、制御部101は、学習モデル210の入力層211を構成するノードに湿分のデータを入力し、中間層212A,212Bにおいてノード間の重み及びバイアスを用いた演算を行い、演算結果を出力層213のノードから出力する処理を行う。
次いで、制御部101は、ステップS606の演算により得られる演算結果を評価し(ステップS607)、学習が完了したか否かを判断する(ステップS608)。具体的には、制御部101は、ステップS606で得られる演算結果と教師データとに基づく誤差関数(目的関数、損失関数、コスト関数ともいう)を用いて、演算結果を評価することができる。
学習が完了していないと判断した場合(S608:NO)、制御部101は、学習モデル210のノード間の重み及びバイアスを更新して(ステップS609)、処理をステップS604へ戻し、別の教師データを用いた学習を継続する。制御部101は、学習モデル210の出力層213から入力層211に向かって、ノード間の重み及びバイアスを順次更新する誤差逆伝播法を用いて、各ノード間の重み及びバイアスを更新することができる。
学習が完了したと判断した場合(S608:YES)、制御部101は、学習済みの学習モデル210として記憶部102に記憶させ(ステップS610)、本フローチャートによる処理を終了する。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置100は、学習モデル210の再学習を必要に応じて実行するので、運用フェーズの開始後においても、粉体処理システム1による粉体処理の精度を高めることができる。
なお、実施の形態6では、学習モデル210の再学習手順について説明したが、実施の形態2~5において説明した学習モデル220~250についても、同様の手順にて再学習することが可能である。
(実施の形態7)
実施の形態7では、粉体処理装置4Aにおける制御パラメータの調整手順について説明する。
なお、粉体処理システム1の全体構成、及び粉体処理システム1における各装置の構成については実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
図18は制御パラメータの調整手順を説明するフローチャートである。実施の形態1において説明したように、運用フェーズにおいて、制御装置100の制御部101は、ユーザが所望する粉体についての目標値(湿分)の入力を受付け、受付けた目標値のデータを学習モデル210へ入力することにより、制御パラメータに関する演算結果を取得する。制御部101は、学習モデル210から取得した演算結果に基づき、粉体処理システム1を構成する各装置の動作を制御する。制御部101は、運用フェーズにおいて、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、及び乾燥処理の処理時間を含む計測データと、粉体処理装置4Aから得られる粉体の粉体データ(湿分のデータ)とを収集してもよい。収集した計測データ及び粉体データは、タイムスタンプと共に、記憶部102に記憶される。
制御部101は、運用フェーズ開始後の適宜のタイミングにて、粉体データが示す実測値と、ユーザによって入力された目標値とを比較する(ステップS701)。制御部101は、比較結果に基づき、制御パラメータを調整するか否かを判断する(ステップS702)。
実測値が目標値に近い場合(例えば、両者の差が10%未満である場合)、制御部101は、制御パラメータを調整しないと判断し(S702:NO)、本フローチャートによる処理を終了する。
一方、実測値が目標値に近くない場合(例えば、両者の差が10%以上である場合)、制御部101は、制御パラメータを調整すると判断する(S702:YES)。
制御パラメータを調整すると判断した場合、制御部101は、ステップS702の比較結果に応じて制御パラメータを調整し(ステップS703)、調整後の制御パラメータに基づき粉体処理装置4Aを含む装置の動作を制御する(ステップS704)。例えば、湿分の実測値が目標値より低い(高い)場合、制御部101は、熱媒の温度が高く(低く)なるように熱風発生機3の動作を制御してもよい。また、制御部101は、粉砕ロータ413の回転速度が高く(低く)なるように、粉砕モータ413Mの動作を制御してもよい。更に、制御部101は、分級ロータ415の回転速度が高く(低く)なるように分級モータ415Mの動作を制御してもよい。更に、制御部101は、ケーシング410内の圧力が低く(高く)なるように、ブロワ7の動作を制御してもよい。更に、制御部101は、粉体原料の供給量(又は供給速度)が低く(高く)なるように、原料供給機2の動作を制御してもよい。更に、制御部101は、乾燥処理の処理時間が長く(短く)なるように、粉体処理装置4Aの動作を制御してもよい。
以上のように、本実施の形態では、粉体処理システム1の稼働中に実測値と目標値との間に一定以上の乖離が生じた場合、その乖離が小さくなるように制御パラメータを調整することができる。
実施の形態7では、粉体処理装置4Aに対する適用例を説明したが、粉体処理装置4B~4Eについて同様の手法を適用できることは勿論のことである。
(実施の形態8)
実施の形態8では、端末装置500から粉体処理システム1の動作を制御する構成について説明する。
なお、粉体処理システム1の全体構成、及び粉体処理システム1における各装置の構成については実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
図19は端末装置500及び制御装置100が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。端末装置500の制御部501は、通信部503を通じて、制御装置100にアクセスする(ステップS801)。
制御装置100の制御部101は、粉体処理装置4Aが稼働していないときに端末装置500からアクセスを受付けた場合、例えば、ユーザが所望する粉体の目標値を受付ける目標値入力画面の画面データを生成し(ステップS802)、生成した画面データを通信部105より端末装置500へ送信する(ステップS803)。なお、粉体処理装置4Aが稼働しているときに端末装置500からアクセスを受付けた場合、制御部101は、以下で説明するステップS803以降の処理を実行すればよい。
端末装置500の制御部501は、制御装置100から送信される目標値入力画面の画面データを通信部503より受信する(ステップS804)。制御部501は、受信した画面データに基づき目標値入力画面を表示部505に表示し(ステップS805)、ユーザが所望する粉体についての目標値の入力を受付ける(ステップS806)。ステップS806で受付ける目標値は例えば粉体の湿分である。
図20は目標値入力画面の一例を示す模式図である。図20に一例として示す目標値入力画面は、「目標値1」の項目において「湿分」が設定され、その下の項目において、湿分に対する目標値が設定された状態を示している。この目標値入力画面において、例えばユーザが所望する粉体の単位時間あたりの収量のデータを受け付けてもよい。更に、学習モデル210に与える原料データ、製品データ、排ガスデータ、環境データ等を受け付けてもよい。制御部501は、ステップS806において受付けた目標値のデータを制御装置100へ送信する(ステップS807)。
制御装置100の制御部101は、端末装置500から送信される目標値のデータを通信部105より受信する(ステップS808)。制御部101は、受信した目標値のデータを学習モデル210に入力し、学習モデル210による演算を実行する(ステップS809)。次いで、制御部101は、学習モデル210から演算結果を取得し(ステップS810)、演算結果に基づき制御パラメータを決定する(ステップS811)。制御部101は、決定した制御パラメータに基づき、粉体処理装置4Aを含む粉体処理システム1の動作を制御する(ステップS812)。
粉体処理システム1の稼働中、制御部101は、粉体処理装置4Aから得られる粉体の湿分、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量(又は供給速度)、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング143内の圧力、粉体処理装置4Aにおける処理時間等についての計測データを入力部103より随時取得する。制御部101は、適宜のタイミングにて、上記計測データの少なくとも1つと、粉体処理システム1の全体図とを含むモニタリング画面の画面データを生成する(ステップS813)。制御部101は、生成した画面データを通信部105より端末装置500へ送信する(ステップS814)。
端末装置500の制御部501は、制御装置100から送信される画面データを通信部503より受信する(ステップS815)。制御部501は、受信した画面データに基づき、モニタリング画面を表示部505に表示する(ステップS816)。
図21はモニタリング画面の一例を示す模式図である。図21に示した例は、粉体処理装置4Aから得られる計測データと、粉体処理システム1の全体図とを含むモニタリング画面を表示部505に表示した状態を示している。計測データに代えて、若しくは、粒子径の計測データと共に、ユーザにより入力された目標値、学習モデル210の演算結果に基づき設定された制御値などをモニタリング画面に表示してもよい。
以上のように、本実施の形態では、端末装置500を用いて粉体処理システム1を遠隔操作できると共に、粉体処理システム1の稼働状況を端末装置500にて監視することができる。
実施の形態8では、粉体処理装置4Aに対する適用例を説明したが、粉体処理装置4B~4Eについて同様の手法を適用できることは勿論のことである。
(実施の形態9)
実施の形態9では、端末装置500において粉体処理の種別を選択する構成について説明する。
なお、粉体処理システム1の全体構成、及び粉体処理システム1における各装置の構成については実施の形態1と同様であるが、制御装置100の記憶部102には、実施の形態1~5において説明した学習モデル210~250が記憶されており、制御装置100は、学習モデル210~250を用いた演算結果に基づき、粉体処理装置4A~4Eの動作を制御するものとする。
図22は端末装置500及び制御装置100が実行する処理の手順を説明するフローチャートである。端末装置500の制御部501は、通信部503を通じて、制御装置100にアクセスする(ステップS901)。
制御装置100の制御部101は、粉体処理装置4Aが稼働していないときに端末装置500からアクセスを受付けた場合、粉体処理の種別を選択するための処理種別選択画面の画面データを生成し(ステップS902)、生成した画面データを通信部105より端末装置500へ送信する(ステップS903)。なお、粉体処理装置4Aが稼働しているときに端末装置500からアクセスを受付けた場合、制御部101は、図19に示すフローチャートのステップS803以降の処理を実行すればよい。
端末装置500の制御部501は、制御装置100から送信される処理種別選択画面の画面データを通信部503より受信する(ステップS904)。制御部501は、受信した画面データに基づき処理種別選択画面を表示部505に表示し(ステップS905)、種別選択を受付ける(ステップS906)。図23は処理種別選択画面の一例を示す模式図である。この処理種別選択画面は、ユーザインタフェースのコンポーネントとして配置されるラジオボタンにより、乾燥処理、混合処理、複合化処理、表面処理、及び造粒処理の中から、ユーザが希望する粉体処理の種別選択を受付けるように構成されている。制御部501は、種別選択を受付けた場合、選択結果を通信部503より制御装置100へ送信する(ステップS907)。
制御装置100の制御部101は、端末装置500から送信される選択結果を通信部503より受信する(ステップS908)。選択結果を受信した後、制御部101は、図19に示すフローチャートのステップS802以降の処理を実行する。すなわち、制御部101は、ユーザにより選択された粉体処理の種別に応じて、目標値の入力を受付ける処理、受付けた目標値を対応する学習モデル210(又は学習モデル220~250)に入力し、演算結果を取得する処理、取得した演算結果に基づき粉体処理システム1の動作を制御する処理等を実行すればよい。
以上のように、実施の形態9では、ユーザにより選択された粉体処理の種別に応じて、学習モデル210~250の何れかを選択し、選択した学習モデル210(又は学習モデル220~250)の演算結果を利用して、粉体処理システム1の動作を制御することができる。
(実施の形態10)
実施の形態10では、粉体原料の種別に応じて学習モデル210を生成する構成について説明する。
なお、粉体処理システム1の全体構成、及び粉体処理システム1における各装置の構成については実施の形態1と同様であるため、その説明を省略することとする。
実施の形態10に係る制御装置100は、粉体原料の種別毎に、粉体処理装置4Aの動作状態を示す計測データと、粉体処理装置4Aから得られる粉体の粉体データとを収集する。図24は実施の形態10におけるデータの収集例を示す概念図である。制御装置100の制御部101は、入力部103を通じて、粉体処理装置4Aの動作状態を示す計測データと、粉体処理装置4Aから得られる粉体に関する粉体データとを取得する。制御部101が取得する計測データ及び粉体データは実施の形態1と同様である。制御部101は、取得した計測データ及び粉体データをタイムスタンプや粉体原料の種別に関する情報と共に記憶部102に記憶させる。ここで、粉体原料の種別に関する情報とは、粉体原料の種別名を示す文字情報であってもよく、粉体原料の種別を特定できる任意の識別子であってもよい。粉体原料の種別に関する情報は、データの収集前若しくはデータの収集後に操作部106を通じて受付ければよい。
制御部101は、収集した上記データを教師データに用いて、粉体処理装置4Aから得られる粉体の湿分と、粉体処理装置4Aに関する制御パラメータとの関係を学習し、上述したような学習モデル210を生成する。図24の例は、水酸化マグネシウム、コバルト酸リチウム、リン酸カルシウムといった粉体原料の種別毎にデータを収集し、記憶部102に記憶させた状態を示している。
制御部101は、粉体原料の種別毎に収集したデータを教師データに用いて、学習モデル210を生成する。
図25は実施の形態10に係る学習モデル210の生成手順を説明するフローチャートである。制御装置100の制御部101は、学習モデル210の生成に先立ち、粉体原料の種別に関する情報を受付ける(ステップS1001)。制御部101は、例えば、粉体原料の種別をユーザに問い合わせる画面を表示部107に表示させ、表示させた画面を通じて、粉体原料の種別に関する情報を受付けることができる。また、制御部101は、粉体原料の種別に関する問い合わせを通信部105より端末装置500へ送信し、端末装置500からの返信を受信することにより、粉体原料の種別に関する情報を受付けてもよい。
次いで、制御部101は、ステップS1001で受付けた種別に関連付けて記憶されているデータを記憶部102から読込む(ステップS1002)。制御部101は、読込んだデータから、教師データに用いるデータを選択する(ステップS1003)。すなわち、制御部101は、読込んだデータから、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、乾燥処理の処理時間の計測値と、そのときに得られた粉体の湿分の値とを一組だけ選択する。
次いで、制御部101は、選択した教師データに含まれる湿分のデータを学習モデル210へ入力し(ステップS1004)、学習モデル210による演算を実行する(ステップS1005)。すなわち、制御部101は、学習モデル210の入力層211を構成するノードに湿分の値を入力し、中間層212A,212Bにおいてノード間の重み及びバイアスを用いた演算を行い、演算結果を出力層213のノードから出力する処理を行う。なお、学習が開始される前の初期段階では、学習モデル210を記述する定義情報には初期値が与えられているものとする。
次いで、制御部101は、ステップS1005で得られた演算結果を評価し(ステップS1006)、学習が完了したか否かを判断する(ステップS1007)。具体的には、制御部101は、ステップS1005で得られた演算結果と教師データとに基づく誤差関数(目的関数、損失関数、コスト関数ともいう)を用いて、演算結果を評価することができる。制御部101は、最急降下法などの勾配降下法により誤差関数を最適化(最小化又は最大化)する過程で、誤差関数が閾値以下(又は閾値以上)となった場合、学習が完了したと判断する。なお、過学習の問題を避けるために、交差検定、早期打ち切りなどの手法を取り入れ、適切なタイミングにて学習を終了させてもよい。
学習が完了していないと判断した場合(S1007:NO)、制御部101は、学習モデル210のノード間の重み及びバイアスを更新して(ステップS1008)、処理をステップS1003へ戻し、別の教師データを用いた学習を継続する。制御部101は、学習モデル210の出力層213から入力層211に向かって、ノード間の重み及びバイアスを順次更新する誤差逆伝播法を用いて、各ノード間の重み及びバイアスを更新することができる。
学習が完了したと判断した場合(S1007:YES)、制御部101は、粉体原料の種別に関する情報に関連付けて、学習済みの学習モデル210を記憶部102に記憶させ(ステップS1009)、本フローチャートによる処理を終了する。
以上のように、実施の形態10に係る制御装置100は、粉体原料の種別に応じた学習モデル210を生成できる。実施の形態10における学習モデル210は、実施の形態1と同様であるが、学習モデル210に代えて、実施の形態2~5において説明した学習モデル220~250を粉体原料の種別毎に生成してもよい。
なお、本実施の形態では、制御装置100において学習モデル210を生成する構成としたが、学習モデル210を生成する外部サーバ(不図示)を設け、外部サーバにて学習モデル210を生成してもよい。この場合、制御装置100は、通信等により、外部サーバから学習モデル210を取得し、取得した学習モデル210を記憶部102に記憶させればよい。
図26は制御装置100による制御手順を説明するフローチャートである。制御装置100の制御部101は、操作部106を通じて、粉体原料の種別に関する情報、及びユーザが所望する粉体の目標値(湿分)を受付ける(ステップS1221)。
次いで、制御部101は、受付けた粉体原料の種別に応じた学習モデル210を記憶部102から読み込む(ステップS1222)。制御部101は、受付けた湿分のデータをステップS1222で読み込んだ学習モデル210の入力層211へ入力し、学習モデル210による演算を実行する(ステップS1223)。このとき、制御部101は、受付けた湿分のデータを入力層211のノードに与え、中間層212A,212Bによる演算を実行する。学習モデル210の出力層213は、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、及び乾燥処理の処理時間を制御する制御パラメータに関する演算結果を出力する。
次いで、制御部101は、学習モデル210から演算結果を取得し(ステップS1224)、制御に用いる制御パラメータを決定する(ステップS1225)。制御部101は、演算結果として出力される確率に基づき、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、乾燥処理の処理時間の組み合わせを決定すればよい。
次いで、制御部101は、ステップS1225において決定した制御パラメータに基づき、制御を実行する(ステップS1226)。すなわち、制御部101は、ケーシング410内に導入される熱媒の温度及び流量がそれぞれステップS1225で決定した値となるように、熱風発生機3の動作を制御する制御指令を生成し、生成した制御指令を出力部104を通じて熱風発生機3へ出力する。同様に、制御部101は、粉体原料の供給量、粉砕ロータ413の回転速度、分級ロータ415の回転速度、ケーシング410内の圧力、乾燥処理の処理時間がそれぞれステップS1225で決定した値となるように、原料供給機2、粉砕ロータ413、分級ロータ415、ブロワ7、粉体処理装置4Aの動作を制御する制御指令を生成し、生成した制御指令を出力部104を通じて各装置へ出力する。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置100は、粉体原料の種別に応じた学習モデル210を用いて、制御パラメータを決定することができる。制御装置100は、所望の粒子径を有する粉体が得られるように、決定した制御パラメータに基づく制御を実行することができる。
なお、本実施の形態では、粉体原料の種別毎に生成した学習モデル210を用いて、制御パラメータを決定する構成としたが、実施の形態2~5において説明した学習モデル220~250を粉体原料の種別毎に生成し、生成した学習モデル220~250を用いて、制御パラメータを決定する構成としてもよい。
以上のように、本実施の形態に係る制御装置100は、粉体原料の種別に応じた学習モデル210を用いて、制御パラメータを決定することができる。制御装置100は、所望の湿分を有する粉体が得られるように、決定した制御パラメータに基づく制御を実行することができる。
今回開示された実施形態は、全ての点において例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、実施の形態1~5では、粉体処理システム1がそれぞれ粉体処理装置4A~4Eを1つずつ含む構成としたが、粉体処理システム1は、複数の粉体処理装置4A~4Eを組み合わせて構築されるものであってもよい。
1…粉体処理システム、2…原料供給機、3…熱風発生機、4A~4E…粉体処理装置、5…サイクロン、6…集塵機、7…ブロワ、8…製品タンク、9…集塵タンク、410…ケーシング、411…原料投入口、412…気体導入口、413…粉砕ロータ、414…ガイドリング、415…分級ロータ、416…粉体取出口、S1…重量センサ、S2…粒子径センサ、S3…流量センサ、S4…温度センサ、S5…湿分センサ、S6…圧力センサ、S7…回転速度センサ、S8…回転速度センサ、100…制御装置、101…制御部、102…記憶部、103…入力部、104…出力部、105…通信部、106…操作部、107…表示部、413M…粉砕モータ、415M…分級モータ、500…端末装置、501…制御部、502…記憶部、503…通信部、504…操作部、505…表示部

Claims (37)

  1. コンピュータ
    乾燥処理を行う粉体処理装置に関して、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データと、前記粉体処理装置から得られる粉体について計測された湿分を含む粉体データとを複数組取得し、
    取得した複数組の計測データと粉体データとを教師データに用いて、ユーザが所望する粉体についての目標値として湿分が入力された場合、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成する
    学習モデルの生成方法。
  2. 前記目標値は、ユーザが所望する粉体の単位時間あたりの収量を更に含み、
    前記乾燥処理により得られる粉体について計測された単位時間あたりの収量を含む粉体データを教師データに用いて、前記学習モデルを生成する
    請求項に記載の学習モデルの生成方法。
  3. 前記計測データは、熱媒の温度及び流量、粉体原料の供給量又は供給速度、前記粉体原料を攪拌するための回転体の回転速度、前記粉体原料を処理する処理室内の圧力、並びに、前記乾燥処理の処理時間を含み、
    前記目標値が入力された場合、前記熱媒の温度及び流量、前記粉体原料の供給量又は供給速度、前記回転体の回転速度、前記処理室内の圧力、並びに、前記乾燥処理の処理時間を含む制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成する
    請求項又は請求項に記載の学習モデルの生成方法。
  4. 前記計測データは、前記粉体を分級するための回転体の回転速度を更に含み、
    前記目標値が入力された場合、前記粉体を分級するための回転体の回転速度を更に含む制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成する
    請求項に記載の学習モデルの生成方法。
  5. コンピュータが、
    混合処理を行う粉体処理装置に関して、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データと、前記粉体処理装置から得られる粉体の混合度を含む粉体データとを複数組取得し、
    取得した複数組の計測データと粉体データとを教師データに用いて、ユーザが所望する粉体についての目標値として混合度が入力された場合、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成す
    習モデルの生成方法。
  6. 前記目標値は、ユーザが所望する粉体の濃度又は湿分を更に含み、
    前記混合処理により得られる粉体について計測された濃度又は湿分を含む粉体データを教師データに用いて、前記学習モデルを生成する
    請求項に記載の学習モデルの生成方法。
  7. 前記計測データは、粉体原料の供給量又は供給速度、前記粉体原料を攪拌するための回転体の回転速度、前記粉体処理装置に供給する流体の供給量又は供給速度、並びに、前記混合処理の処理時間を含み、
    前記目標値が入力された場合、前記粉体原料の供給量又は供給速度、前記回転体の回転速度、前記流体の供給量又は供給速度、並びに、前記混合処理の処理時間を含む制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成する
    請求項5又は請求項6に記載の学習モデルの生成方法。
  8. 前記コンピュータが、
    複合化処理を行う粉体処理装置に関して、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データと、前記粉体処理装置から得られる粉体について計測された複合化度を含む粉体データとを複数組取得し、
    取得した複数組の計測データと粉体データとを教師データに用いて、ユーザが所望する粉体についての目標値として複合化度が入力された場合、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成する
    請求項1から請求項7の何れか1つに記載の学習モデルの生成方法。
  9. 前記目標値は、ユーザが所望する粉体の導電率、熱伝導率又は透過率を更に含み、
    前記複合化処理により得られる粉体について計測された導電率、熱伝導率又は透過率を含む粉体データを教師データに用いて、前記学習モデルを生成する
    請求項に記載の学習モデルの生成方法。
  10. 前記計測データは、粉体原料の供給量又は供給速度、前記粉体原料を攪拌するための回転体の回転速度、前記複合化処理の処理時間、並びに、前記粉体処理装置の負荷動力を含み、
    前記目標値が入力された場合、前記粉体原料の供給量又は供給速度、前記回転体の回転速度、前記複合化処理の処理時間、並びに、前記粉体処理装置の負荷動力を含む制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデルを生成する
    請求項又は請求項に記載の学習モデルの生成方法。
  11. 前記コンピュータが、
    表面処理を行う粉体処理装置に関して、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データと、前記粉体処理装置から得られる粉体について計測された円形度を含む粉体データとを複数組取得し、
    取得した複数組の計測データと粉体データとを教師データに用いて、ユーザが所望する粉体についての目標値として円形度が入力された場合、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成する
    請求項1から請求項10の何れか1つに記載の学習モデルの生成方法。
  12. 前記目標値は、ユーザが所望する粉体の密度又は流動性を更に含み、
    前記表面処理により得られる粉体について計測された密度又は流動性を含む粉体データを教師データに用いて、前記学習モデルを生成する
    請求項11に記載の学習モデルの生成方法。
  13. 前記計測データは、粉体原料の供給量又は供給速度、前記粉体原料を攪拌するための回転体の回転速度、前記粉体を分級するための回転体の回転速度、前記表面処理の処理時間、並びに、前記粉体処理装置の負荷動力を含み、
    前記目標値が入力された場合、前記粉体原料の供給量又は供給速度、攪拌用及び分級用の前記回転体の回転速度、前記表面処理の処理時間、並びに、前記粉体処理装置の負荷動力を含む制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデルを生成する
    請求項11又は請求項12に記載の学習モデルの生成方法。
  14. 前記粉体処理装置を含む系内に流れる流体は、気体又は液体である
    請求項11から請求項13の何れか1つに記載の学習モデルの生成方法。
  15. 前記コンピュータが、
    造粒処理を行う粉体処理装置に関して、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データと、前記粉体処理装置から得られる粉体について計測された粒子径及び形状を含む粉体データとを複数組取得し、
    取得した複数組の計測データと粉体データとを教師データに用いて、ユーザが所望する粉体についての目標値として粒子径及び形状が入力された場合、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成する
    請求項1から請求項14の何れか1つに記載の学習モデルの生成方法。
  16. 前記目標値は、ユーザが所望する粉体の密度、流動性、硬度、吸水量、又は吸油量を更に含み、
    前記造粒処理により得られる粉体について計測された密度、流動性、硬度、吸水量、又は吸油量を含む粉体データを教師データに用いて、前記学習モデルを生成する
    請求項15に記載の学習モデルの生成方法。
  17. 前記計測データは、粉体原料の供給量又は供給速度、前記粉体原料を攪拌するための回転体の回転速度、前記粉体原料を処理する処理室内の圧力、並びに、前記処理室に投入する添加剤の投入量を含み、
    前記目標値が入力された場合、前記粉体原料の供給量又は供給速度、前記回転体の回転速度、前記処理室内の圧力、並びに、前記処理室に投入する添加剤の投入量を含む制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデルを生成する
    請求項15又は請求項16に記載の学習モデルの生成方法。
  18. 前記計測データは、前記粉体処理装置の駆動電力若しくは駆動電流、前記粉体処理装置に供給する冷媒の流量若しくは温度、前記粉体処理装置の処理室から粉体を取り出す際の吐出・吸引流量若しくは温度、及び、前記処理室内の温度、湿度若しくは圧力の少なくとも1つを更に含み、
    前記目標値が入力された場合、前記粉体処理装置の駆動電力若しくは駆動電流、前記冷媒の流量若しくは温度、前記吐出・吸引流量若しくは温度、又は、前記処理室内の温度、湿度若しくは圧力の少なくとも1つを更に含む制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成する
    請求項1から請求項17の何れか1つに記載の学習モデルの生成方法。
  19. 前記教師データは、粉体処理に用いた粉体原料の原料データを更に含み、
    前記原料データを更に含む教師データを用いて、前記目標値と、前記粉体処理装置に供給する粉体原料の原料データとが入力された場合、前記制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成する
    請求項1から請求項18の何れか1つに記載の学習モデルの生成方法。
  20. 前記原料データは、前記粉体原料の湿分、温度、密度、粒子径、円形度、混合度、流動性、BET(Brunauer - Emmett - Teller)値、NIR(Near Infrared)、XRD(X-ray Diffraction)、TG-DTA(Thermogravimetry - Differential Thermal Analysis)、MS(Mass Spectrometry)、SEM(Scanning Electron Microscope)、FE-SEM(Field Emission - SEM)、及びTEM(Transmission Electron Microscope)のデータの少なくとも1つを含む
    請求項19に記載の学習モデルの生成方法。
  21. 前記教師データは、粉体処理を実行する際の環境データを更に含み、
    前記環境データを更に含む教師データを用いて、前記目標値と、前記粉体処理を実行する際の環境データとが入力された場合、前記制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成する
    請求項1から請求項20の何れか1つに記載の学習モデルの生成方法。
  22. 教師データに用いる計測データと粉体データとを再取得し、
    再取得した前記計測データと前記粉体データとを教師データに用いて、前記学習モデルを再学習する
    請求項1から請求項21の何れか1つに記載の学習モデルの生成方法。
  23. コンピュータに、
    乾燥処理を行う粉体処理装置に関して、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データと、前記粉体処理装置から得られる粉体について計測された湿分を含む粉体データとを複数組取得し、
    取得した複数組の計測データと粉体データとを教師データに用いて、ユーザが所望する粉体についての目標値として湿分が入力された場合、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成する
    処理を実行させるためのコンピュータプログラム。
  24. コンピュータに、
    混合処理を行う粉体処理装置に関して、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データと、前記粉体処理装置から得られる粉体の混合度を含む粉体データとを複数組取得し、
    取得した複数組の計測データと粉体データとを教師データに用いて、ユーザが所望する粉体についての目標値として混合度が入力された場合、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するよう構成された学習モデルを生成する
    処理を実行させるためのコンピュータプログラム。
  25. ユーザが所望する粉体についての目標値として前記粉体の湿分が入力される入力層、
    乾燥処理を行う粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力する出力層、及び
    前記粉体処理装置から得られる粉体について計測された湿分を含む粉体データと、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データとを複数組含む教師データ用いて、前記入力層に入力される湿分と、前記出力層が出力する演算結果との関係を学習してある中間層
    を備え、
    前記入力層にユーザが所望する粉体についての目標値として湿分が入力された場合、前記中間層にて演算し、前記制御パラメータについての演算結果を出力するようコンピュータを機能させる
    学習モデル。
  26. ユーザが所望する粉体についての目標値として前記粉体の混合度が入力される入力層、
    混合処理を行う粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力する出力層、及び
    前記粉体処理装置から得られる粉体の混合度を含む粉体データと、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データとを複数組含む教師データを用いて、前記入力層に入力される混合度と、前記出力層が出力する演算結果との関係を学習してある中間層
    を備え、
    前記入力層にユーザが所望する粉体についての目標値として混合度が入力された場合、前記中間層にて演算し、前記制御パラメータについての演算結果を出力するようコンピュータを機能させる
    学習モデル。
  27. ユーザが所望する粉体についての目標値として前記粉体の湿分を受付ける受付部と、
    乾燥処理を行う粉体処理装置から得られる粉体について計測された湿分を含む粉体データと、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データとを複数組含む教師データ用いて学習してあり、湿分を入力した場合、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデルと、
    前記受付部にて受付けた湿分を前記学習モデルへ入力し、前記学習モデルによる演算を実行する演算処理部と、
    前記学習モデルによる演算結果に基づき、前記粉体処理装置に関する動作を制御する制御部と
    を備える制御装置。
  28. ユーザが所望する粉体についての目標値として前記粉体の混合度を受付ける受付部と、
    混合処理を行う粉体処理装置から得られる粉体の混合度を含む粉体データと、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データとを複数組含む教師データを用いて学習してあり、混合度を入力した場合、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデルと、
    前記受付部にて受付けた混合度を前記学習モデルへ入力し、前記学習モデルによる演算を実行する演算処理部と、
    前記学習モデルによる演算結果に基づき、前記粉体処理装置に関する動作を制御する制御部と
    を備える制御装置。
  29. 前記粉体処理装置が実行する粉体処理の種別毎に前記学習モデルを備え、
    前記受付部は、粉体処理の種別に対する選択を受付け、
    前記演算処理部は、前記受付部により受付けた粉体処理の種別に対応した学習モデルを選択し、選択した学習モデルへ前記目標値を入力することによって前記学習モデルによる演算を実行する
    請求項27又は請求項28に記載の制御装置。
  30. 粉体原料の種別毎に前記学習モデルを備え、
    前記受付部は、粉体原料の種別に対する選択を受付け、
    前記演算処理部は、前記受付部により受付けた粉体原料の種別に対応した学習モデルを選択し、選択した学習モデルへ前記目標値を入力することによって前記学習モデルによる演算を実行する
    請求項27又は請求項28に記載の制御装置。
  31. 前記学習モデルの演算結果に基づき動作が制御されている粉体処理装置から、粉体の湿分又は混合度の実測値を含む粉体データを取得し、取得した粉体データに含まれる実測値と前記粉体について受付けた湿分又は混合度についての目標値との比較結果に応じて、前記実測値が前記目標値に近づくように、前記制御パラメータを調整する調整部を備え、
    前記制御部は、調整後の制御パラメータに基づき、前記粉体処理装置に関する動作を制御する
    請求項27から請求項30の何れか1つに記載の制御装置。
  32. 前記目標値、前記粉体データ、前記計測データ、前記粉体処理装置の運転履歴、及び前記粉体処理装置を含む装置構成図の少なくとも1つを表示するための画面データを生成する生成部と、
    生成した画面データを出力する出力部と
    を備える請求項27から請求項31の何れか1つに記載の制御装置。
  33. 前記制御部は、前記粉体処理装置、並びに、前記粉体処理装置に接続される原料供給機、熱風発生機、サイクロン、集塵機、ブロワ、及びポンプの少なくとも1つの動作を制御する
    請求項27から請求項32の何れか1つに記載の制御装置。
  34. コンピュータが、
    ユーザが所望する粉体についての目標値として前記粉体の湿分を受付け、
    受付けた湿分を、乾燥処理を行う粉体処理装置から得られる粉体について計測された湿分を含む粉体データと、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データとを複数組含む教師データ用いて学習してあり、湿分の入力に応じて、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデルへ入力し、
    前記学習モデルによる演算を実行し、
    前記学習モデルによる演算結果に基づき、前記粉体処理装置に関する動作を制御する
    制御方法。
  35. コンピュータが、
    ユーザが所望する粉体についての目標値として前記粉体の混合度を受付け、
    受付けた混合度を、混合処理を行う粉体処理装置から得られる粉体の混合度を含む粉体データと、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データとを複数組含む教師データを用いて学習してあり、混合度の入力に応じて、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデルへ入力し、
    前記学習モデルによる演算を実行し、
    前記学習モデルによる演算結果に基づき、前記粉体処理装置に関する動作を制御する
    制御方法。
  36. コンピュータに、
    ユーザが所望する粉体についての目標値として前記粉体の湿分を受付け、
    受付けた湿分を、乾燥処理を行う粉体処理装置から得られる粉体について計測された湿分を含む粉体データと、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データとを複数組含む教師データ用いて学習してあり、湿分の入力に応じて、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデルへ入力し、
    前記学習モデルによる演算を実行し、
    前記学習モデルによる演算結果に基づき、前記粉体処理装置に関する動作を制御する
    処理を実行させるためのコンピュータプログラム。
  37. コンピュータに、
    ユーザが所望する粉体についての目標値として前記粉体の混合度を受付け、
    受付けた混合度を、混合処理を行う粉体処理装置から得られる粉体の混合度を含む粉体データと、前記粉体処理装置の動作状態を示す計測データとを複数組含む教師データを用いて学習してあり、混合度の入力に応じて、前記粉体処理装置に対する制御パラメータについての演算結果を出力するように構成された学習モデルへ入力し、
    前記学習モデルによる演算を実行し、
    前記学習モデルによる演算結果に基づき、前記粉体処理装置に関する動作を制御する
    処理を実行させるためのコンピュータプログラム。
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