JP2001157419A - 永久磁石界磁型小型直流モ−タの製造方法 - Google Patents

永久磁石界磁型小型直流モ−タの製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、音響映像機器に使用されるような
始動電圧や始動電流を低く抑えて高精度回転するような
円弧状希土類磁石を使った小型で高出力、低コギングト
ルクの永久磁石界磁型直流モ−タを提供することにあ
る。 【解決手段】 着磁界の関数として残留磁束密度Brと
保磁力Hcとが同時に、次第に大きくなる性質をもち、
仮に未飽和着磁状態でもバランスのよい減磁曲線が得ら
れる希土類−鉄系急冷凝固薄片を利用するもので、例え
ば厚さ1mm未満の円弧状に固めて永久磁石界磁とし、
着磁の際に磁極中心と周方向両端部とでパ−ミアンスが
異なるような磁気回路構成とする、とくに球状または楕
円状断面の軟磁性材料を一対の円弧状希土類磁石の中心
に配置して、その反磁界を利用する。そして円弧状希土
類磁石を着磁する際の反磁界作用で周方向端部を磁極中
心よりも、小さな減磁曲線(残留磁束密度Brと保磁力
Hcb)とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、MD、C
D−ROMの光ピックアップなど音響映像機器に使用さ
れる始動電圧や始動電流を低く抑えて高精度回転するよ
うな円弧状希土類磁石を使った小型で高出力、且つ低コ
ギングトルクの永久磁石界磁型小型直流モ−タに関す
る。
【0002】
【従来の技術】図1(a)、(b)は本発明の対象とな
る永久磁石界磁型小型直流モ−タの要部断面と、それに
使われる円弧状磁石を示す。図において1は一対の円弧
状永久磁石、2は軟磁性フレ−ム、3はブラシ−整流子
並びに電機子軸と軸受を含む電機子、4は一対の円弧状
永久磁石1を軟磁性フレ−ム2に押圧固定するU字型状
のバネである。このような永久磁石界磁型小型直流モ−
タも他の永久磁石型モ−タと同様にモ−タの小型化と高
出力化と高精度回転性能が求められている。
【0003】しかし、一般に永久磁石界磁型小型直流モ
−タは電機子3の直径が小さくなるとモ−タの出力を維
持して小型化することが困難であった。とくにフェライ
ト系磁石では焼結、或いは樹脂を結合剤とした圧縮、射
出、押出成形方式に拘わらず、最大エネルギ−積[B
H]maxの低さから小型化すると永久磁石界磁1と電
機子3との空隙に十分強い静磁界が得られず、モ−タの
出力低下が著しかった。そこで、モ−タを小型化しても
永久磁石界磁1と電機子3との空隙に強い静磁界が得ら
れる、所謂高い[BH]maxを有する円弧状希土類磁
石が求められていた。
【0004】永久磁石界磁型小型直流モ−タを小型化し
て、使用される最大厚さ1mm未満の円弧状希土類磁石
となると磁石の製造方法が限られる。たとえば特開平6
−236807号公報に記載の磁気的に異方性から等方
性に至る多種類の希土類磁石粉末類と熱可塑性樹脂から
成る溶融流動状態の材料を成形型中に送り込み、成形型
中で熱可塑性樹脂の融点以下に冷却しながら押出成形す
る円弧状希土類磁石の製造方法が開示されている。それ
によれば、最大厚さ0.9mm±30μmの薄肉円弧状
希土類磁石を押出成形で製造できる。ところで、フェラ
イト系磁石に比べると電機子3との空隙に強い静磁界が
得られる上記のような円弧状希土類磁石を使用した永久
磁石界磁型小型直流モ−タの問題点の一つにコギングト
ルクの増大がある。これは永久磁石界磁1と対向する電
機子3の外周表面に電機子鉄心ティ−ス31とスロット
32が存在するため、電機子3の回転に伴ってパ−ミア
ンスが変化することによるトルク脈動が発生するからで
ある。とくにコギングトルクは本発明で対象とする小型
高出力で、しかも高精度な回転性能が求められる永久磁
石界磁型小型直流モ−タで問題となる。
【0005】希土類磁石に拘わらず永久磁石界磁型小型
直流モ−タの円弧状磁石の形状によるコギングトルク低
減手段は、当該円弧状磁石の内外周曲率半径を偏心させ
て不等肉厚とするか、または円弧状磁石の周方向両端面
の角を落して不等肉厚とすることで磁極中心から周方向
両端部にかけて一様な材質が一様に磁化されている磁石
のパ−ミアンスを変化させることにより、空隙磁束密度
分布を正弦波状に近づける手段が知られている(例え
ば、田中省吾「小型モ−タにおける永久磁石の応用」、
小型モ−タ技術シンポジウム予稿集、p7、昭58年、
特開平5−168201号公報)。一方、例えば米国特
許第4,710,239号公報のように、10〜50原
子%の希土類元素RE(Ndまたは/およびPr)、1
〜10原子%のB、残部が遷移金属元素TMで、遷移金
属元素の少なくとも60原子%がFeである非晶質希土
類−鉄系急冷凝固薄片を出発原料とし、先ず磁石相RE
2TM14Bの結晶化温度(約600℃)以上、750℃
以下で圧縮することにより、厚さの異なる等方性フル密
度磁石を作成し、更に同様な加熱温度下での熱間塑性加
工によって円弧状磁石に仕上げる。すると熱間塑性加工
の程度に応じて塑性流れと直角方向に磁化容易軸が配列
するためRE2TM14Bは、もとが厚い部分で磁気的に
強い異方性希土類磁石となる。このような異方性の強い
部分と等方性部分とをもった円弧状磁石が開示されてい
る。
【0006】このような異なった磁気性能部分を有する
円弧状希土類磁石を永久磁石界磁型直流モ−タに使用し
て、磁極中心から周方向に減磁曲線自体を変化させるこ
とが可能となり、コギングトルクが低減するように界磁
と電機子鉄心との空隙磁束密度分布変化をなだらかにす
ることも可能になる。以上、円弧状希土類磁石を使用し
た永久磁石界磁型直流モ−タの内外周曲率半径を偏心さ
せて不等肉厚とするか、または円弧状磁石の周方向両端
面の角を落して不等肉厚とすることで磁極中心から周方
向両端部にかけて磁石のパ−ミアンスを変化させ、更に
磁極中心から周方向に磁石の磁気性自体を変化させ、異
なる減磁曲線によってコギングトルクが低減するように
界磁と電機子鉄心との空隙磁束密度分布を制御すること
が考えられる。
【0007】しかしながら、本発明が対象とする小型の
永久磁石界磁型直流モ−タには非晶質希土類−鉄系急冷
凝固薄片を出発原料とした厚さのことなるフル密度磁石
を熱間加工して磁気性能の異なる部分を有する例えば厚
さ1 mm未満の円弧状希土類磁石を工業的規模で製造
することは極めて難しい。また、異方性を強めると固有
保磁力の温度係数が小さくなる。そのため異方性の強め
た磁極中心部分の熱減磁が大きく、永久磁石界磁直流モ
−タの熱減磁に伴うトルク低下が大きくなってしまうな
どの欠点もある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】永久磁石界磁型小型直
流モ−タを小型化して、使用される円弧状希土類磁石の
最大厚さが1mm未満となると磁石の製造方法が限られ
る。たとえば特開平6−236807号公報に記載の磁
気的に異方性から等方性に至る多種類の希土類磁石粉末
類と熱可塑性樹脂から成る溶融流動状態の材料を成形型
中に送り込み、成形型中で熱可塑性樹脂の融点以下に冷
却しながら押出成形する円弧状希土類磁石の製造方法が
開示されている。それによれば、例えば磁気的に等方性
の希土類−鉄系急冷凝固薄片95重量%と12ナイロン
を主とする熱可塑性樹脂との材料で最大厚さ0.9mm
±30μmの薄肉円弧状希土類磁石を押出成形で製造で
きる。しかし、押出成形は熱可塑性樹脂が溶融状態で希
土類−鉄系急冷凝固薄片のキャリアの役割を担わなけれ
ばならない。したがって、希土類−鉄系急冷凝固薄片を
一般に3重量%以下の熱硬化性樹脂とともに圧縮成形す
る希土類磁石に比べると希土類−鉄系急冷凝固薄片の充
填量を少なくせざるを得ず、その分[BH]maxが低
くなり永久磁石界磁1と電機子3との空隙部分の静磁界
が弱まる。磁気的に異方性の磁石粉末を使って高い[B
H]maxの円弧状磁石にすることも考えられるが、本
発明が解決すべき第一の課題は特開平6−236807
号公報記載の「圧縮成形では最大厚さ1mm未満の薄肉
円弧状磁石を±30μm程度の寸法精度で得ることが成
形時の秤量の変動が大きいために困難とされていた」点
を解決することである。しかし、仮にこの課題が解決さ
れても圧縮成形による希土類磁石は樹脂量が少ない分だ
け機械的に脆い。
【0009】したがって、圧縮成形による円弧状希土類
磁石を特開平10−201206号公報や特開平11−
18390号公報記載の「軟磁性フレ−ムの係合部分に
円弧状希土類磁石を撓ませながら嵌合固定する」ことは
できない。すなわち、本発明が解決すべき第二の課題は
圧縮成形による円弧状希土類磁石の機械的性質に見合っ
た軟磁性フレ−ムへの取付け手段となる。更にまた「押
出成形による円弧状希土類磁石よりも、高[BH]ma
xになる」ため、本発明が解決すべき第三の課題はよく
知られた磁石形状によるコギングトルク低減手段ととも
に、磁気的に等方性の希土類−鉄系急冷凝固薄片を円弧
状に固めた永久磁石界磁の磁極中心と周方向両端部との
減磁曲線が異なるような不飽和着磁をすることでコギン
グトルクを低減する永久磁石界磁型小型直流モ−タの製
造方法の提供にある。本発明は、電機子と界磁の空隙
に、フェライト系磁石よりも強い静磁界が得られる磁気
的に等方性の希土類−鉄系急冷凝固薄片を円弧状に固め
た小型で高出力、かつ低コギングトルクの永久磁石界磁
型直流モ−タの製造方法の提供を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、希土類−鉄系
急冷凝固薄片を主成分とする円弧状希土類磁石を軟磁性
フレ−ム内周面に沿わせながら固定し、不飽和着磁する
ことで、磁極中心部分の減磁曲線よりも周方向両端部分
の減磁曲線を小さくした円弧状希土類磁石を、電機子を
介して対向させた永久磁石界磁型小型直流モ−タの製造
方法であり、外周部分の周方向両端面に軟磁性フレ−ム
がバックヨ−クとして作用しない部分を形成し、球状断
面の軟磁性材料を介した状態で不飽和着磁するとコギン
グトルクを更に低減することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は希土類−鉄系急冷凝固薄
片を主成分とする円弧状希土類磁石を軟磁性フレ−ム内
周面に沿わせながら固定し、15〜30kOeの着磁界
の強さで不飽和着磁することにより、磁極中心部分の減
磁曲線よりも周方向両端部分の減磁曲線を小さくした円
弧状希土類磁石を、電機子を介して対向させる永久磁石
界磁型小型直流モ−タの製造方法が基本となる。(減磁
曲線が大、減磁曲線が小の位置関係は図9に示す。)な
お、ここで言う不飽和着磁とは、永久磁石材に最大限の
磁力を着磁してしまう飽和着磁に対し、永久磁石材に最
大限の磁力を着磁しないことを言う。永久磁石材は一度
着磁すると、その磁力は永久的に保持されるので、永久
磁石に最大限の磁力を保持させて効率よく利用するのが
一般的である。不飽和着磁とは、磁力の保持に余裕を持
たせた状態で着磁することを言う。
【0012】ただし、円弧状希土類磁石の外周面を軟磁
性フレ−ム内周面に沿わせながら固定し、当該磁石の外
周部分の周方向両端面に軟磁性フレ−ムがバックヨ−ク
として作用しない部分を形成し、球状または楕円状断面
の軟磁性材料を介した状態で不飽和着磁する。或いはま
た、円弧状希土類磁石の外周面を軟磁性フレ−ム内周面
に沿わせながら固定し、当該磁石の周方向両端面に沿っ
た軟磁性フレ−ムと着磁ヨ−ク先端面とに空隙部分を形
成し、球状または楕円状断面の軟磁性材料を介した状態
で不飽和着磁する。なお、円弧状希土類磁石の外周部分
の周方向両端面を圧縮成形型の曲率面と角度θを50〜
82度の直線面とし、外周部分の周方向両端面に軟磁性
フレ−ムがバックヨ−クとして作用しない部分を形成
し、球状断面の軟磁性材料を介した状態で不飽和着磁す
るとコギングトルクを更に低減することができる。
【0013】さらに、軟磁性フレ−ム内周面に沿わせて
対向固定した一対の円弧状希土類磁石を不飽和着磁した
のち、加熱して、磁極中心よりも周方向両端面の減磁率
を大としてもコギングトルクを更に低減することができ
る。上記、本発明で言う希土類−鉄系急冷凝固薄片と
は、例えばJ.F.Herbest,“Rare Ea
rth−Iron−Boron Materials;
A New Era in Permanent M
agnets”Ann. Rev. Sci. Vol
−16.(1986)に記載されているようにNd:F
e:Bを2:14:1に近い割合で含む溶湯合金を急冷
凝固し、熱処理によって磁気的に等方性のNd2Fe14
B相を析出させたもので、Nd2Fe14B相は単磁区臨
界寸法約300nm以下であれば差し支えない。或い
は、希土類−鉄系急冷凝固薄片が熱処理により例えばα
Fe,Fe3B系などのソフト磁性相とNd2Fe14B,
Sm2Fe173系ハ−ド磁性相とが強い交換結合によっ
て結ばれたナノコンポジット系であっても差し支えな
い。このような希土類−鉄系急冷凝固薄片に特定した理
由は、この希土類磁石は着磁界の関数として残留磁束密
度Brと保磁力Hcとが同時に、次第に大きくなる性質
をもっているからである。したがって、仮に未飽和着磁
状態でもバランスのよい減磁曲線が得られる。たとえ
ば、着磁の際、円弧状希土類磁石の磁極中心と周方向両
端部とでパ−ミアンスが異なるような磁気回路構成と
し、例えば球状或いは楕円状断面の軟磁性材料を介した
状態とすると、円弧状希土類磁石を着磁する際、球状或
いは楕円状断面の軟磁性材料の反磁界作用で周方向端部
は磁極中心よりも小さな減磁曲線(残留磁束密度Brと
保磁力Hcb)となる。このことは、希土類−鉄系急冷
凝固薄片を使った不飽和着磁によって、磁極中心と周方
向両端部とが同一材質であるにも拘わらず、あたかも異
なる磁気性能をもった磁石で一体的な永久磁石界磁を形
成すると言うこともできる。
【0014】ただし、本発明で言う磁気的に等方性の希
土類−鉄系急冷凝固薄片が300nm以下のRE2TM
14B(REはNd,Pr.TMはFe,Co)相からな
る固有保磁力Hci8〜10kOe、残留磁化7.4〜
8.6kGであるか、或いはまた、αFe,Fe3B,
Fe2Bなどの軟磁性相とRE2TM14Bなどの硬磁性相
とを有するナノコンポジット構造の磁気的に等方性の希
土類−鉄系急冷凝固薄片を含むもので、しかも希土類−
鉄系急冷凝固薄片を結合剤とともに圧縮成形した一対の
円弧状希土類磁石の場合には、外周面を軟磁性フレ−ム
内周面に対向して沿わせ、当該磁石の周方向両端部をバ
ネで押圧固定して永久磁石界磁型小型直流モ−タとす
る。すると機械的に脆い圧縮成形による円弧状希土類磁
石でも軟磁性フレ−ムに欠落なく組込むことができる、
また、希土類−鉄系急冷凝固薄片を結合剤とともに押出
成形した一対の円弧状希土類磁石の場合には、若干撓む
性質があるので外周面を軟磁性フレ−ム内周面に対向し
て沿わせ、当該磁石の周方向両端部と軟磁性フレ−ムに
設けた係合突起で嵌合固定して永久磁石界磁型小型直流
モ−タとしても差し支えない。
【0015】一方、希土類−鉄系急冷凝固薄片の合金組
成がNdまたは/およびPrを13〜15原子%、Bを
5〜10原子%、Coを0〜20原子%、残部がFe製
造上不可避な不純物を主成分とした非晶質または/およ
び300nm以下のRE2TM14B(REはNd,P
r.TMはFe,Co)相を有する場合、結晶化温度以
上 750℃以下で圧縮成形した磁気的に等方性、また
は圧縮方向に僅かに異方化した磁気的に、ほぼ等方性の
フル密度円弧状希土類磁石を使用した永久磁石界磁型小
型直流モ−タではフル密度磁石の加熱手段が希土類−鉄
系急冷凝固薄片への直接通電とすることが好ましく、フ
ル密度磁石の周方向外周両端面を除く磁極中心外周面と
軟磁性バックヨ−クとを直接通電により一体化すること
もできる。これらの円弧状希土類磁石も機械的には脆弱
であるから、当該磁石の外周面を軟磁性フレ−ム内周面
に対向して沿わせ、周方向両端部をバネで押圧固定する
ことが好ましい。
【0016】以上のように、本発明は、着磁界の関数と
して残留磁束密度Brと保磁力Hcとが同時に、次第に
大きくなる性質をもち、仮に未飽和着磁状態でもバラン
スのよい減磁曲線が得られる希土類−鉄系急冷凝固薄片
を利用するもので、例えば厚さ1mm未満の円弧状に固
めて永久磁石界磁とし、着磁の際に磁極中心と周方向両
端部とでパ−ミアンスが異なるような磁気回路構成とす
る、更に、球状または楕円状断面の軟磁性材料を一対の
円弧状希土類磁石の中心に配置して、その反磁界を利用
する。そして円弧状希土類磁石を着磁する際の反磁界反
作用で磁極中心を周方向端部よりも大きな減磁曲線(残
留磁束密度Brと保磁力Hcb)とする。このことは、
希土類−鉄系急冷凝固薄片を使った不飽和着磁によっ
て、磁極中心と周方向両端部11とが同一材質であるに
も拘わらず、あたかも異なる磁気性能をもった磁石で一
体的な永久磁石界磁を形成する効果があり、従来から知
られている磁石形状によるコギングトルク低減手段と組
合わせることで、より小型高出力で回転精度の高い永久
磁石界磁型直流モ−タを製造することができる。このよ
うに小型直流モータは、CD,MD等を備えるディスク
フィーダ、光ピックアップ装置を用いるとよい。ところ
で、本件発明は特公昭58−14054号の公報の着磁
方法と一見似ているが、本件発明と特公昭58−140
54号とは大きく異なるので、この相違点をここで主張
しておく。本件発明は、希土類磁石減磁曲線を部分的に
変えるために、球状の断面を有する純鉄を希土類磁石の
間に挟み、更にこの希土類磁石を着磁ヨークによって挟
むため、純鉄から反磁界が発生し、希土類磁石の減磁曲
線を、端部が低く中央部を高くすることができる。この
ような方法を用いることで、希土類磁石の端部を不飽和
着磁し、減磁曲線の波形をコントロールすることが可能
となる。これは、保磁力の高い希土類磁石で可能なこと
であり、保磁力の低い磁石では、本実施例に示す方法を
取ったとしても、中央部も端部も小さな着磁界により着
磁してしまうので、端部の減磁曲線を低くした着磁は行
えない。なお、特公昭58−145054号公報の出願
日である1980年は、フェライト磁石が主流であり、
1993年ころから使われ始めた、希土類磁石のように
保磁力の高い磁石はまだ開発されておりません。特公昭
58−145054号公報の着磁方法は、公報中の第1
図〜第7図(a)で示すような方法で着磁を行い、その
結果磁束密度分布が第1図〜第7図(b)の状態になっ
ている。しかし、このような、永久磁石を二つの着磁ヨ
ークの間に挟んで着磁する方法は、反磁界が発生するよ
うな方法ではないため、希土類磁石のように保持力が高
い磁石を着磁しようとすると本件発明のように反磁界が
発生しないため、本件発明のように、希土類磁石の端部
を不飽和着磁状態にすることはできない。
【0017】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明する。但し、
本発明は実施例に限定されるものではない。
【0018】[結合剤を用いた円弧状希土類−鉄系磁石
M1、M2の製造]希土類−鉄系急冷凝固薄片はMag
nequench International I
n、 Co.製 (商品名: MQP−B)、合金組成
Nd12Fe77Co56、結晶粒子径20〜50nmの磁
気的に等方性のNd2Fe14B相を有する厚さ20〜3
0μmの薄片を用いた。先ずエポキシ樹脂のアセトン溶
液(固形分換算で2.5重量%)と希土類−鉄系急冷凝
固薄片97.5重量%とを湿式混合し、アセトンを蒸発
させ、室温で固体のブロックとした。次に室温で固体の
ブロックを解砕、分級し、粒子径を、それぞれ500、
350、250、212、150μmの顆粒状コンパウ
ンドとし、最後にステアリン酸カルシウム粉末を0.2
〜0.6重量部添加した。
【0019】上記、粒子径を、それぞれ500、35
0、250、212、150μm以下とした顆粒状コン
パウンドを粉末成形機に供して体積秤量し、厚さ1mm
未満の円弧状圧粉体を8ton/cm2で圧縮成形し、
次に、それら円弧状圧粉体を160℃で2分間加熱硬化
して、所謂圧縮成形による外半径3.65mm、内半径
3.55mm、最大厚さ0.90mm、スラスト方向距
離15.5mmの円弧状希土類磁石M1を各30個作成
した。円弧状希土類磁石の最大厚さ0.9mmに対する
変動幅(n=30)と、もとの顆粒状コンパウンドの粒
子径上限とは、下式の関係にある(回帰式の相関係数は
0.988)。
【0020】 A=0.0003P2−0.0718P+24.745 …… (1) 但し、上式中、Aは厚さ変動幅±μm 、Pは顆粒状コ
ンパウンドの粒子径上限μmである。回帰式から明らか
なように、顆粒状コンパウンドの粒子径を250μm以
下とすれば厚さ1mm未満の薄肉円弧状希土類磁石M1
の厚さ変動幅は±30μm以下、密度6.0g/cm3
となる。
【0021】一方、同じ希土類−鉄系急冷凝固薄片95
重量%と12−ナイロン5重量%を260℃で混練した
ペレットを使い、特開平6−236807号公報に開示
されている押出成形で成形ダイス先端温度を12−ナイ
ロンの融点以下の175℃に設定し、 外半径3.65
mm、内半径3.55mm、最大厚さ0.90mm、ス
ラスト方向距離15.5mmの円弧状希土類磁石M2を
製造したところ、最大肉厚0.9mm部分の厚さ変動は
±30μm、密度5.7g/cm3であった。以上、顆
粒状コンパウンドの圧縮成形による薄肉円弧状希土類磁
石M1、押出成形による薄肉円弧状希土類磁石M2を製
造した。
【0022】[結合剤を用いない円弧状希土類−鉄系磁
石M3の製造]希土類−鉄系急冷凝固薄片はMagne
quench International In,C
o.製 (商品名:MQP−C),合金組成Nd14Fe
65Co 156、結晶粒子径20〜50nmの磁気的に等
方性のNd2Fe14B相を有する厚さ20〜30μmの
薄片を用いた。この薄片を計量し、サイアロン製ダイと
一対の電極を兼ねるWC−Co製パンチとで形成した成
形型キャビティに充填した。次いで、WC−Co製パン
チを介してキャビティに充填した希土類−鉄系急冷凝固
薄片を圧力300kgf/cm2で圧縮しながら電流密
度100A/cm2のパルス電流を0.5sec ON
−0.5sec OFFで10回繰返し通電した。然る
後300A/cm2の直流電流を通電した。直流電流に
よる物体の温度上昇速度ΔT/Δt(℃/sec)は電
流密度の二乗と電気抵抗に比例し、物体の比熱と比重に
反比例する関係にあるから、温度上昇速度は、ほぼ電流
密度の値で律則される。
【0023】通電約60sec後には厚さ2 mmのダ
イ温度がNd2Fe14B相の結晶化温度約600℃を越
え、薄片の軟化による塑性変形で圧縮方向の緻密化が始
まったが、緻密化が終了した時点で通電を停止したとき
は通電後約80sec、ダイ温度は710℃であった。
冷却後に熱間圧縮成形した外半径3.65mm、内半径
3.55mm、最大厚さ0.90mm、スラスト方向距
離15.5mmの円弧状希土類磁石M3を取出すと、密
度は7.53〜7.55 g/cm3であった。なお、
このフル密度磁石は全ての厚み精度が、ほぼキャビティ
への薄片充填量に単純に依存する。また、結合剤を含む
磁石のような成形型から離型する際のスプリングバック
がないので内半径や外半径寸法は型形状が、そのまま転
写される。
【0024】[円弧状希土類磁石M1,M2,M3の押
圧許容応力と軟磁性フレ−ムへの固定]上記、希土類−
鉄系急冷凝固薄片を外半径3.65mm、内半径3.5
5mm、最大厚さ0.90mm、スラスト方向距離1
5.5mmの固めた本発明の対象となる円弧状希土類磁
石M1,M2,M3の、好ましい軟磁性フレ−ムへの固
定の方法について以下に説明する。
【0025】図1は、円弧状希土類磁石M1,M2,M
3の押圧許容応力の温度依存性を示す特性図である。但
し、押圧許容応力は図中に示すように磁石の最大厚さ部
分を押圧して磁石M1,M2,M3が破損したときの応
力 kgfである。また、図中M1は圧縮成形した円弧
状希土類磁石、M2は押出成形した円弧状希土類磁石、
M3は熱間圧縮成形した円弧状希土類磁石である。図か
ら明らかなように、M1は、M2に比べると室温の押圧
許容応力が60%未満と低く、しかも撓みなく脆い。し
たがって、 M1は特開平10−201206号公報や
特開平11−18390号公報記載の軟磁性フレ−ムの
係合部分に円弧状希土類磁石を撓ませながら嵌合固定す
ると、割れや欠落が生じるために工業的規模で歩留まり
よく軟磁性フレ−ムに組込むことができない。M1と軟
磁性フレ−ムとの接着は可能だが、特開平10−201
206号公報や特開平11−18390号公報にも記載
されているように、この種の永久磁石界磁型小型直流モ
−タでは接着によって磁石を軟磁性フレ−ムに組込むこ
とは好まれない。しかしながら、図のようにM1の室温
での押圧許容応力は6kgfを越えている。また、M2
と比べれば、概ね120℃の高温下まで押圧に対する許
容応力は、ほぼ一定である。したがって、図1に示した
ように、軟磁性フレ−ム2の内周に沿って配置した一対
の磁石M1の周方向両端部を、例えばU字形状のバネ4
で押圧することで磁石M1を軟磁性フレ−ム2と固定す
る方法が好ましい。なお、軟磁性フレ−ムと磁石の固定
の強さはバネの押圧力に依存する。一般に押圧力0.5
kgf以下で実使用条件に耐え得るから押圧許容応力
と、押圧許容応力の温度依存性から永久磁石界磁型小型
直流モ−タの120℃の最高温度に至る全実使用温度域
で押圧許容応力に対する安全率は10倍以上となる。
【0026】したがって磁石の固定に対する十分な信頼
性を備えている。一方、M2は若干撓む性質があるた
め、撓ませて軟磁性フレ−ムに挿入し、その係合部を利
用して嵌合固定することができる。更に、M3は押圧許
容応力が高いが、M1と同様に機械的には脆弱であるか
ら、M1と同様な軟磁性フレ−ムへの固定方法を採るこ
とが好ましい。
【0027】[軟磁性フレ−ムに組込んだ円弧状希土類
磁石M1の不飽和着磁とモ−タ特性]上記、希土類−鉄
系急冷凝固薄片を外半径3.65 mm、内半径3.5
5 mm、最大厚さ0.90 mm、スラスト方向距離
15.5 mmに固めた本発明の対象となる円弧状希土
類磁石M1を主体に反磁界を利用した不飽和着磁方法と
永久磁石界磁型小型直流モ−タの特性について説明す
る。
【0028】(1) 固有保磁力と着磁性 図3は合金組成NdX[Fe0.8Co0.21-X6の希土
類−鉄系急冷凝固薄片を結合剤とともに、密度6g/c
3に圧縮成形した磁石M1における固有保磁力Hci
と着磁性との関係を示す特性図である。ただし、着磁性
は24kOeまたは60kOeでパルス着磁したΦ5m
m(L/D=1)磁石の[BH]maxの比とした。図
のように、磁気的に等方性の希土類−鉄系急冷凝固薄片
の固有保磁力Hciが8kOeであっても24kOe程
度の着磁界Hmでは不飽和着磁である。また、固有保磁
力Hciが10kOeを越えると着磁性が大きく低下す
る。本発明では、少なくとも磁極中心部分はフル着磁の
90%を越える程度が好ましく、そのためには希土類−
鉄系急冷凝固薄片の固有保磁力Hciが10kOe以下
であることが好ましい。
【0029】熱間圧縮成形磁石M3はNd2Fe14B相
の結晶化温度以上での塑性変形能発現ため、希土類元素
(Nd/Pr)の量をNd2Fe14B化学量論組成よ
り、やや多い13原子%以上としなければならず、熱安
定性確保の目安となるNd2Fe14B相の単磁区臨界寸
法内で固有保磁力Hciを10kOe以下とすることが
困難である。
【0030】熱安定性確保の目安となるNd2Fe14
相の単磁区臨界寸法内で固有保磁力Hci8〜10kO
eが得られる希土類−鉄系急冷凝固薄片はNd2Fe14
B化学量論組成に近い合金組成のもので、希土類元素
(Nd/Pr)の量を12原子%以下とする必要があ
る。これを固めるには樹脂などの結合剤が必要で、その
ような結合剤と共に所定形状に圧縮成形または押出成形
した円弧状希土類磁石M1,M2が着磁性の観点からは
好ましい。なお、圧縮成形の方が、押出成形よりも希土
類−鉄系急冷凝固薄片をより高密度充填できるので、永
久磁石界磁と電機子との空隙に、より強い静磁界を得る
には固有保磁力Hci8〜10kOeの希土類−鉄系急
冷凝固薄片を結合剤とともに圧縮成形した円弧状希土類
磁石M1が、本発明の永久磁石界磁型小型直流モ−タに
は好適である。
【0031】(2) 着磁界の関数としての残留磁束密
度と保磁力 図4は、上記希土類−鉄系急冷凝固薄片を固めた磁石の
残留磁束密度Br、保磁力Hcb(B−H曲線の保磁
力)の着磁界Hm依存性を示す。ただし、着磁界Hm5
0kOeを100%として規格化したものである。一般
に永久磁石界磁型小型直流モ−タの界磁磁石の着磁に使
用される10〜40kOeの範囲でみると、磁気的に等
方性の希土類−鉄系急冷凝固薄片は、図のように固有保
磁力Hciに拘わらず、着磁界の関数として残留磁束密
度Brや保磁力Hcbが次第に大きくなるため不飽和着
磁状態であってもバランスのよい減磁曲線が得られる。
なお、従来から永久磁石界磁型小型直流モ−タに一般的
に用いられてきたフェライト系磁石では低い着磁界Hm
でも急峻に磁化される特性をもつ。したがって、不飽和
着磁状態でバランスのよい安定した減磁曲線を得ること
はできない。
【0032】(3) 反磁界作用による永久磁石界磁の
不飽和着磁 図5(a)、(b)は反磁界を利用した軟磁性フレ−ム
に組込んだ永久磁石界磁の不飽和着磁方法の一例を示す
要部断面構成図であり、図5(c)は通常の着磁方法を
示す要部断面構成図である。ただし、図中1は円弧状希
土類磁石、2は軟磁性フレ−ム、4は円弧状希土類磁石
1を押圧固定するU字形状のバネ、5は一様な球状断面
を有する純鉄である。図5(a)は円弧状希土類磁石1
の外周面を軟磁性フレ−ム2の内周面に沿わせながら固
定し、当該磁石1の外周部分の周方向両端面に軟磁性フ
レ−ム2がバックヨ−クとして作用しない部分を形成
し、球状断面の軟磁性材料5を介した構成である、図5
(b)は、円弧状希土類磁石1の外周面を軟磁性フレ−
ム2の内周面に沿わせながら固定し、当該磁石1の周方
向両端面に沿った軟磁性フレ−ム2の中央部と着磁ヨ−
ク6の先端部とを接し、軟磁性フレーム2の両端部と着
磁ヨークとの間に空隙部分を形成する。更に、磁石1の
間に球状断面の軟磁性材料5を介して、磁石1の端部と
軟磁性材料5との間に空隙を設け、磁石1の中央部と軟
磁性材料5とを接した状態にする。
【0033】着磁界Hmが作用すると図5(a)、
(b)において、球状断面を有する純鉄5も磁化され、
同時に一様な反磁界−NIが発生する。発生した反磁界
−NIは球状断面を有する純鉄5に一様に発生し、その
磁力線は表面磁極から湧き出し、磁束密度線の如く渦を
つくらず、円弧状希土類磁石1の周方向両端部では着磁
界Hmに対して反作用する。なお、U字形状のバネを断
面球状または楕円状の軟磁性材とすれば、円弧状希土類
磁石1の周方向両端部に対して直接同様な反磁界作用が
起こる。したがって、円弧状希土類磁石1を構成する個
々の磁気的に等方性の希土類−鉄系急冷凝固薄片は、着
磁界Hmと反磁界−NIに依存して着磁されることにな
り、図5(c)のような一様な着磁界Hmによる着磁状
態とはHmの水準が同じでも全く異なるもので、本発明
に係る永久磁石界磁型小型直流モ−タの製造方法の骨子
となる。
【0034】(4) 反磁界作用によるコギングトルク
低減 希土類−鉄系急冷凝固薄片を外半径3.65mm、内半
径3.25mm、最大厚さ0.90mm、スラスト方向
距離15.5 mmに圧縮成形し円弧状希土類磁石M1
を軟磁性フレ−ムに組込んで、図5(a)、(b)の着
磁界Hm15〜30kOeの範囲で着磁した。次に、電
機子3を組込んで永久磁石界磁型小型直流モ−タとし、
それらの誘起電圧とコギングトルクを測定した。図6は
誘起電圧とコギングトルクの関係を示す特性図である。
ただし、図中の本発明例は図5(a)の着磁、比較例は
図5(c)の着磁によるものである。図から明らかなよ
うに、本発明例は軟磁性フレ−ムに組込んだ永久磁石界
磁を、反磁界を利用して不飽和着磁する。すると同じ誘
起電圧水準であっても明らかに、コギングトルクが40
%も少ない永久磁石界磁型小型直流モ−タが製造でき
る。
【0035】なお、上記永久磁石界磁型小型直流モ−タ
を分解し、円弧状磁石1を取出し、更に磁極中心部分と
周方向両端部を切出した小片の固有保磁力HciをVS
Mで求めた。すると、比較例で示した図5(c)の円弧
状希土類磁石は部位による大きな差は見られず、Hci
は一様に7.9〜8.2 kOeであった。一方、本発
明例で示した図5(a)の円弧状希土類磁石の磁極中心
部分は何れも比較例と同じ7.9〜8.2 kOeであ
った。しかし、周方向両端部のHciは7.0〜7.5
kOeと磁極中心部とは異なるHci値を示した。この
ことは、本発明例における円弧状希土類磁石が磁極中心
部と周方向両端部で、同じ性能をもつ一様な材質の磁石
でありながら異なった減磁曲線(B−H曲線をもつ磁石
であると言える。そして、磁極中心から周方向端部にか
けて弱い減磁曲線を与えると、磁石の形状が同一であっ
てもコギングトルクが低減することを示唆している。
【0036】(5) 反磁界と磁石形状を組合わせたコ
ギングトルク低減 図7は円弧状希土類磁石1のスラスト方向中央外周部分
(距離12.5mm)の周方向両端面を圧縮成形型の曲
率面から角度θの直線面で軟磁性フレ−ムとの間にバッ
クヨ−クのない空隙部を形成したとき、図1に示した角
度θとコギングトルク、および誘起電圧の関係を示す特
性図である。ただし、磁石の形状は外半径3.65 m
m、内半径3.55mm、最大厚さ0.90mm、スラ
スト方向距離15.5mmで、着磁は図5(a)の構成
で、着磁界Hmに対して反磁界−NIによる反作用を伴
う着磁を施している。なお、ここで使用した永久磁石界
磁型小型直流モ−タにおいて角度θが90度の場合の誘
起電圧Vは0.218 mV/rpm、コギングトルク
Ctは1.15g−cmで、これを基準に規格化した。
【0037】誘起電圧Vは図中に示す回帰式ように角度
θに対して直線的に低下する。しかし、θが90度から
50度になっても誘起電圧Vの低下は5%に過ぎない。
一方のコギングトルクCtは角度θに対して大きく2次
関数的な変化を示し、角度θが65度程度でその変化が
最大となる。この値は何と、基準とした90度に対して
70%近いコギングトルク低下となる。また、82度か
ら50度の範囲であっても角度90度を基準として40
%以上のコギングトルクが低減される。
【0038】以上の効果は、着磁界の関数として残留磁
化Brと保磁力Hcがともに次第に増大し、不飽和着磁
状態であってもバランスよい減磁曲線が得られる磁気的
に等方性の希土類−鉄系急冷凝固薄片を固めた薄肉円弧
状希土類磁石を、反磁界作用を利用して不飽和着磁する
際、周方向両端部に軟磁性フレ−ムによるバックヨ−ク
のない部分があり、あたかも大きく異なる磁気性能をも
った磁石を一体的に永久磁石界磁としたことによる。
【0039】(5) 反磁界と熱減磁を組合わせたコギ
ングトルク低減 図7は円弧状希土類磁石の外周部分(距離12.5 m
m)の周方向両端面を圧縮成形型の曲率面から角度θ6
2度の直線面でソフト磁性フレ−ムとの間にバックヨ−
クのない空隙部を形成し、図5(a)の構成で、コンデ
ンサ容量2000μF、1500〜2400Vで4段階
の不飽和着磁を施した。これを140℃に5分間暴露し
た熱減磁前後のコギングトルク、および誘起電圧の変化
を示す特性図である。ただし、磁石の形状は外半径3.
65mm、内半径3.55mm、最大厚さ0.90m
m、スラスト方向距離15.5mmであり、2000μ
F、2400Vの最大着磁界で熱減磁まえのコギングト
ルク、および誘起電圧を基準に規格化したものである。
なお、ここで使用した永久磁石界磁型小型直流モ−タに
おける基準の誘起電圧Vは0.214mV/rpm、コ
ギングトルクCtは0.46g−cmであった。
【0040】図から明らかなように、本発明に掛かる永
久磁石界磁型小型直流モ−タを熱減磁すると誘起電圧V
の低下は概ね0.5%以下であるにも拘わらず、コギン
グトルクを更に10%近く低下させることができる。こ
れは、軟磁性フレ−ム内周面に沿わせて押圧固定した円
弧状希土類磁石を図5(a)の構成で反磁界を利用して
着磁したのち、加熱による初期減磁を与える。すると、
大きな減磁曲線(残留磁束密度Brと保磁力Hcbが
大)の磁極中心部分の減磁率は小となり、周方向両端面
の小さな減磁曲線の減磁率が大となる。その結果、空隙
磁束密度分布はより正弦波状となり、減磁による誘起電
圧の低下率よりも大きなコギングトルク低下率が得られ
る。
【0041】
【発明の効果】以上のように、本発明は、着磁界の関数
として残留磁束密度Brと保磁力Hcとが同時に、次第
に大きくなる性質をもち、仮に未飽和着磁状態でもバラ
ンスのよい減磁曲線が得られる希土類−鉄系急冷凝固薄
片を利用するもので、例えば厚さ1 mm未満の円弧状
に固めて永久磁石界磁とし、着磁の際に磁極中心と周方
向両端部とでパ−ミアンスが異なるような磁気回路構成
とする、とくに球状または楕円状断面の軟磁性材料を一
対の円弧状希土類磁石の中心に配置する。そして円弧状
希土類磁石を着磁する際の反磁界作用で周方向端部11
を磁極中心よりも、小さな減磁曲線(残留磁束密度Br
と保磁力Hcb)とする。このことは、希土類−鉄系急
冷凝固薄片を使った不飽和着磁によって、磁極中心と周
方向両端部11とが同一材質であるにも拘わらず、あた
かも異なる磁気性能をもった磁石で一体的な永久磁石界
磁を形成する効果があり、従来から知られている磁石形
状によるコギングトルク低減手段と組合わせることで、
より小型高出力で回転精度の高い永久磁石界磁型直流モ
−タを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)本発明例にかかるモ−タの要部断面図 (b)本発明例にかかるモ−タの磁石の斜視外観図
【図2】押圧許容応力の温度依存性を示す特性図
【図3】固有保磁力と着磁性を示す特性図
【図4】着磁界の関数としての残留磁束密度と保磁力の
関係を示す特性図
【図5】(a)、(b)、(c)は反磁界を利用した永
久磁石界磁不飽和着磁の要部断面図
【図6】反磁界によるコギングトルク低減を示す特性図
【図7】反磁界と磁石形状によるコギングトルク低減を
示す特性図
【図8】反磁界と熱減磁を組合わせたコギングトルク低
減を示す図
【図9】減磁曲線の大小関係を示す図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 41/02 H01F 41/02 G H02K 1/17 H02K 1/17 (72)発明者 植西 英史 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 佐々木 雄一朗 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類−鉄系急冷凝固薄片を主成分とす
    る円弧状希土類磁石を軟磁性フレ−ム内周面に沿わせな
    がら固定し、不飽和着磁することで、磁極中心部分の減
    磁曲線よりも周方向両端部分の減磁曲線を小さくした円
    弧状希土類磁石を、電機子を介して対向させた永久磁石
    界磁型小型直流モ−タの製造方法。
  2. 【請求項2】 希土類磁石の周方向端部で、中心部より
    大きい反磁界を発生させ、不飽和着磁を行った請求項1
    記載の永久磁石界磁型小型直流モ−タの製造方法。
  3. 【請求項3】 円弧状希土類磁石の外周面を軟磁性フレ
    −ム内周面に沿わせながら固定し、当該磁石の外周部分
    の周方向両端面に軟磁性フレ−ムがバックヨ−クとして
    作用しない部分を形成し、球状または楕円状断面の軟磁
    性材料を介した状態で不飽和着磁する請求項1記載の永
    久磁石界磁型小型直流モ−タの製造方法。
  4. 【請求項4】 円弧状希土類磁石の外周面を軟磁性フレ
    −ム内周面に沿わせながら固定し、当該磁石の周方向両
    端面に沿った軟磁性フレ−ムと着磁ヨ−ク先端部との間
    に空隙部分を形成し、球状または楕円状断面の軟磁性材
    料を介した状態で不飽和着磁する請求項1記載の永久磁
    石界磁型小型直流モ−タの製造方法。
  5. 【請求項5】 円弧状希土類磁石の外周部分の周方向両
    端面を圧縮成形型の曲率面と角度50〜82度の直線面
    とし、外周部分の周方向両端面に軟磁性フレ−ムがバッ
    クヨ−クとして作用しない部分を形成し、球状または楕
    円状断面の軟磁性材料を介した状態で不飽和着磁する請
    求項3記載の永久磁石界磁型小型直流モ−タの製造方
    法。
  6. 【請求項6】 円弧状希土類磁石への不飽和着磁界の強
    さが15〜30kOeである請求項1記載の永久磁石界
    磁型小型直流モ−タの製造方法。
  7. 【請求項7】 軟磁性フレ−ム内周面に沿わせて対向固
    定した一対の円弧状希土類磁石を、球状または楕円状断
    面の軟磁性材料を介した状態で不飽和着磁したのち、加
    熱して、磁極中心よりも周方向両端面の減磁率を大とす
    る請求項1記載の永久磁石界磁型小型直流モ−タの製造
    方法。
  8. 【請求項8】 希土類−鉄系急冷凝固薄片が300nm
    以下のRE2TM14B(REはNd,Pr.TMはF
    e,Co)相からなる固有保磁力Hci8〜10kO
    e,残留磁化7.4〜8.6kGで、しかも磁気的に等
    方性である特許請求項1項記載の永久磁石界磁型小型直
    流モ−タの製造方法。
  9. 【請求項9】 希土類−鉄系急冷凝固薄片がαFe,F
    3B,Fe2Bなどの軟磁性相とRE2TM14Bなどの
    硬磁性相とを有するナノコンポジット構造の磁気的に等
    方性の希土類−鉄系急冷凝固薄片を含む特許請求項1記
    載の永久磁石界磁型小型直流モ−タの製造方法。
  10. 【請求項10】 希土類−鉄系急冷凝固薄片を結合剤と
    ともに圧縮成形した一対の円弧状希土類磁石の外周面を
    軟磁性フレ−ム内周面に対向して沿わせ、当該磁石の周
    方向両端部をバネで押圧固定する請求項1記載の永久磁
    石界磁型小型直流モ−タの製造方法。
  11. 【請求項11】 周方向両端部を押圧固定するバネが球
    状または楕円状断面の軟磁性材料である請求項1記載の
    永久磁石界磁型小型直流モ−タの製造方法。
  12. 【請求項12】 希土類−鉄系急冷凝固薄片を結合剤と
    ともに押出成形した一対の円弧状希土類磁石の外周面を
    軟磁性フレ−ム内周面に対向して沿わせ、当該磁石の周
    方向両端部と軟磁性フレ−ムに設けた係合突起で嵌合固
    定する請求項1記載の永久磁石界磁型小型直流モ−タの
    製造方法。
  13. 【請求項13】 円弧状希土類磁石がNdまたは/およ
    びPrを13〜15原子%、Bを5〜10原子%、Co
    を0〜20原子%、残部がFeまたは製造上不可避な不
    純物を有する非晶質または/および300nm以下のR
    2TM14B(REはNd,Pr.TMはFe,Co)
    相を有する希土類−鉄系急冷凝固薄片を、結晶化温度以
    上 750℃以下の熱間圧縮成形したフル密度磁石であ
    る特許請求項1記載の永久磁石界磁型小型直流モ−タの
    製造方法。
  14. 【請求項14】 フル密度磁石の加熱手段が希土類−鉄
    系急冷凝固薄片への直接通電である請求項1記載の永久
    磁石界磁型小型直流モ−タの製造方法。
  15. 【請求項15】 フル密度磁石の周方向外周両端面を除
    く磁極中心外周面と軟磁性バックヨ−クとを直接通電に
    より一体化した請求項1の永久磁石界磁型小型直流モ−
    タの製造方法。
  16. 【請求項16】 希土類−鉄系急冷凝固薄片をフル密度
    磁石とした一対の円弧状希土類磁石の外周面を軟磁性フ
    レ−ム内周面に対向して沿わせ、当該磁石の周方向両端
    部をバネで押圧固定する請求項1記載の永久磁石界磁型
    小型直流モ−タの製造方法。
  17. 【請求項17】 永久磁石と、この永久磁石を内周面に
    固定する軟磁性フレームと、この軟磁性フレームの中に
    配設した電機子とを備え、前記磁石は、磁極中心部分の
    減磁曲線よりも周方向端部の減磁曲線を小さくした永久
    磁石界磁型小型直流モータ。
  18. 【請求項18】 永久磁石の周方向両端部分は不飽和着
    磁した状態である請求項17記載の永久磁石界磁型小型
    直流モータ。
  19. 【請求項19】 永久磁石は、希土類−鉄系急冷凝固薄
    片を主成分とする希土類磁石である請求項17記載の永
    久磁石界磁型小型直流モータ。
  20. 【請求項20】 希土類磁石の厚みは一定である請求項
    17記載の永久磁石界磁小型モータ。
  21. 【請求項21】 永久磁石は圧縮成形により得られ、当
    該希土類永久磁石の厚みは1mm未満である請求項17
    記載の永久磁石界磁型小型直流モータ。
  22. 【請求項22】 請求項17記載の永久磁石界磁型小型
    直流モータを備えたディスクフィーダ。
  23. 【請求項23】 請求項17記載の永久磁石界磁小型直
    流モータを備えた請求項17記載のピックアップ装置。
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WO2022255065A1 (ja) * 2021-05-31 2022-12-08 ミネベアミツミ株式会社 永久磁石の製造方法

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