JP2001156456A - 多層プリント配線板およびその製造方法。 - Google Patents

多層プリント配線板およびその製造方法。

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JP2001156456A JP33553699A JP33553699A JP2001156456A JP 2001156456 A JP2001156456 A JP 2001156456A JP 33553699 A JP33553699 A JP 33553699A JP 33553699 A JP33553699 A JP 33553699A JP 2001156456 A JP2001156456 A JP 2001156456A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】絶縁層内に形成した微小な開口内に誘電体を充
填させて、配線基板内にコンデンサー機能が付与された
多層プリント配線板とその製造方法を提案すること。 【解決手段】絶縁基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁層
とが交互に積層され、その導体回路間が、層間樹脂絶縁
層に形成されたビアホールによって接続されたビルドア
ップ配線層を有する多層プリント配線板において、層間
樹脂絶縁層または絶縁基板に形成された開口内に、少な
くとも高誘電性材料を含んだ誘電体層が形成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、絶縁基板上に導体
回路と層間樹脂絶縁層とが交互に積層されたビルドアッ
プ配線層を有する多層プリント配線板に関し、とくに、
スルーホール用貫通孔またはビアホール形成用開口内
に、誘電体を充填したプリント配線板を提案する。
【0002】
【従来の技術】近年、信号の高周波数化に伴ない、パッ
ケージ基板の材料特性として低誘電率、低誘電正接であ
ることが求められており、そのため、パッケージ基板の
材料は、セラミックから樹脂へとその主流が移りつつあ
る。このような背景の下、樹脂基板を用いたプリント配
線板に関する技術としては、例えば、特公平4-55555号
公報に開示されたものがある。この文献においては、内
層導体回路形成がされたガラスエポキシ基板上にエポキ
シアクリレートを用いて層間樹脂絶縁層を形成し、続い
て、フォトリソグラフィーの手法を用いてビアホール形
成用開口を設け、その表面を粗化処理し、めっきレジス
トを設けた後、めっき処理によって外層導体回路および
ビアホールを形成する方法が提案されている。
【0003】しかしながら、エポキシアクリレートなど
の樹脂からなる層間樹脂絶縁層は、導体である導体回路
との密着性を確保するために、その表面ならびに導体回
路の表面を粗化しなければならない。このため、高周波
数の信号を伝搬させると、表皮効果により、粗化された
導体回路の表面部分のみを伝搬し、その表面の凹凸に起
因して信号にノイズが生じてしまうという問題がある。
この問題は、セラミック基板に比べて低誘電率および低
誘電正接を持つ樹脂基板を使用する場合に、特に顕著で
あった。
【0004】また、樹脂基板は、導体基板やセラミック
基板に比べて放熱性が悪いために蓄熱しやすく、その結
果、導体回路を構成する銅イオンの拡散速度が高くな
り、マイグレーションを引き起こして層間絶縁が破壊さ
れるという問題があった。そこで、上述したような問題
点を解決するために、樹脂などの基板の片面に樹脂をス
ピンコートなどで塗布形成し、その樹脂層上に導体パタ
ーンとの密着性を向上させ得る金属( クロム、ニッケ
ル、チタン等) を設ける技術が特開平7-45948 号公報や
特開平7-94865 号公報において、提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ICを
載置するプリント配線板のサイズをより小さくして、そ
のようなプリント配線板を搭載した携帯電話等の装置全
体の小型化が強く要望されている状況においては、IC
チップ以外の抵抗やコンデンサーなどの電子部品を搭載
するエリアが小さいので、プリント配線板上にそれらの
電子部品を実装することはますます困難になってきてい
る。本発明は、従来技術が抱える上記課題を解決するた
めになされたものであり、その主たる目的は、絶縁層内
に形成した微小な開口内に誘電体を充填させることで、
基板内にコンデンサー機能が付与された多層プリント配
線板を提供することにある。本発明の他の目的は、この
ような多層プリント配線板を有利に製造できる方法を提
案することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】発明者らは、上記目的の
実現に向け鋭意研究した結果、以下のような内容を要旨
構成とする発明に想到した。すなわち、本発明の多層プ
リント配線板は、絶縁基板上に、導体回路と層間樹脂絶
縁層とが交互に積層され、その導体回路間が、層間樹脂
絶縁層に形成されたビアホールによって接続されたビル
ドアップ配線層を有する多層プリント配線板において、
上記層間樹脂絶縁層または絶縁基板に形成された開口内
に、高誘電性材料を含んだ誘電体が充填された誘電体層
が形成されていることを特徴とする。
【0007】上記(1)の多層プリント配線板におい
て、誘電体層は、ビアホールを形成する多数の開口のう
ち、少なくともその一部の開口内に形成されていること
が望ましい。また、上記(1)の多層プリント配線板に
おいて、誘電体層は、絶縁基板に形成された多数の貫通
孔のうち、少なくともその一部の貫通孔内に形成されて
いることが望ましい。
【0008】さらに、上記誘電体層は、チタン酸塩、ペ
ロブスカイト化合物、または少なくともそれらのいずれ
かとエポキシ、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリ
イミド等の有機材料との混合体から形成されることが望
ましい。
【0009】(2)本発明の多層プリント配線板の製造
方法は、絶縁基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁層とが
交互に積層され、その導体回路間がビアホールにて接続
されたビルドアップ配線層を有する多層プリント配線板
の製造に当たって、その製造工程中に、少なくとも下記
〜の工程、すなわち、 上記層間樹脂絶縁層上に導体回路を形成する工程、 その導体回路を被覆する他の層間樹脂絶縁層を形成す
る工程、 前記他の層間樹脂絶縁層の表面から上記導体回路に達
する開口を多数形成し、その開口の少なくとも一部の開
口内に、誘電体層を形成する工程、 上記層間樹脂絶縁層の表面に、上記開口からの誘電体
層の露出部分を被覆する他の導体回路を形成する工程、
を含むことを特徴とする。
【0010】(3) 本発明の多層プリント配線板の製
造方法は、絶縁基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁層と
が交互に積層され、その導体回路間がビアホールにて接
続されたビルドアップ配線層を有する多層プリント配線
板の製造に当たって、その製造工程中に、少なくとも下
記〜の工程、すなわち、 上記絶縁基板に多数のスルーホール用貫通孔を形成す
る工程、 その貫通孔の少なくとも一部の貫通孔内に、誘電体層
を形成する工程、 上記絶縁基板上に、上記スルーホール用貫通孔からの
誘電体層の露出部分を被覆する導体回路を形成する工
程、 その導体回路を被覆する層間樹脂絶縁層を含んだビル
ドアップ配線層を形成する工程、 を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造方
法。
【0011】上記(2)および(3)の製造方法におい
て、上記誘電体層は、チタン酸塩、ペロブスカイト化合
物、または少なくともそれらのいずれかとエポキシ、ポ
リフェニレンエーテル(PPE)、ポリイミド等の有機材
料との混合体から形成されることを特徴とする。また、
上記誘電体層は、スパッタ法、蒸着法、CVD法、印刷
法、ロールコータを用いた方法、スピンコータを用いた
方法、またはカーテンコータを用いた方法のいずれかの
方法で形成されることが望ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の多層プリント配線板は、
ビルドアップ配線層を構成する層間樹脂絶縁層に形成さ
れた多数のビアホール形成用開口あるいは絶縁基板に形
成された多数のスルーホール用貫通孔のうち、少なくと
もその一部の開口あるいは貫通孔内に、コンデンサー機
能を果たすような高誘電性材料を含む誘電体層が形成さ
れていることを特徴とする。すなわち、多数のビアホー
ル形成用開口のうち、その一部の開口には誘電体層が形
成されて下層の導体回路と上層の導体回路とを接続する
コンデンサーとして機能し、残りの開口には導体層が形
成されて通常のビアホールとして機能するように構成さ
れる。このような構成によれば、チップ内の電源の電気
特性を向上させることができる。
【0013】また、上記誘電体層は、層間樹脂絶縁層に
設けたビアホール形成用開口だけでなく、絶縁基板に設
けたスルーホール用貫通孔内に形成することもでき、こ
のような構成によれば、同一層間内での電気的接続を向
上させるとともに電気特性も向上させることができる。
【0014】上記誘電体層は、チタン酸塩、ペロブスカ
イト化合物、または少なくともそれらのいずれかとエポ
キシ、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリイミド等
の有機材料との混合体から形成されることが望ましい。
その理由は、安定した誘電率を得ることができるからで
ある。このような混合体としては、BaTiO3とエポキシ樹
脂、BaTiO3とポリイミド樹脂、BaTiO3とポリフェニレン
エーテル樹脂との組み合わせから選ばれるいずれかが好
ましい。
【0015】本実施形態にかかるパッケージ基板におい
ては、誘電体層は無機材料の一つである、誘電率の高い
チタン酸バリウムから構成されており、誘電体層の厚み
を薄くすることで、コンデンサーとしての容量を多きく
することができる。さらに、この誘電体層は、金属単体
である金属基板上に無機材料を燒結することにより形成
され、燒結物としてのチタン酸バリウムは1種類であ
り、雰囲気制御や燒結制御が比較的容易であり、誘電率
の安定した誘電体層を形成することが出来る。ここで、
誘電体層としては、誘電率の高いチタン酸塩あるいはペ
ロブスカイト系材料を用いることで、コンデンサーの大
容量化を図ることが出来る。また、誘電体層を燒結して
形成すれば、層自体を薄くすることができる。上記チタ
ン酸塩とは、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸
ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ビスマ
ス、チタン酸マグネシウムからなる、チタン酸と金属と
の合金材料を意味しており、ペロブスカイト系材料と
は、少なくとも一般式がMgNbで表される合
金材料全般を意味する。
【0016】上記誘電体層を形成する方法としては、ス
パッタ法、蒸着法、CVD法、印刷法、フィルムラミネ
ート法、ロールコータを用いた方法、スピンコータを用
いた方法、またはカーテンコータを用いた方法があり、
コストの観点からロールコータを用いた方法が最も好ま
しい。このような誘電体層の表面積は、1400μm2
以上、厚みは0.1〜15μmであることが望ましい。
その理由は、大きな容量を得るためであり、厚みに下限
を設けたのは、層間での絶縁破壊を防止するためであ
る。
【0017】以下、本発明の多層プリント配線板を製造
する一方法について説明する。 (1)まず、樹脂基板にドリルまたはレーザによって多
数の微細な貫通孔を形成する。樹脂基板としては、無機
繊維を有する樹脂基板が望ましく、具体的には、ガラス
布エポキシ基板、ガラス布ポリイミド基板、ガラス布ビ
スマレイミド−トリアジン樹脂基板およびガラス布フッ
素樹脂基板から選ばれる少なくとも1種以上がよい。レ
ーザ加工によって貫通孔を形成する場合には、炭酸ガス
レーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザ、UVレーザな
どを用いて行う。特に、炭酸ガスレーザによる穴あけが
好ましく、この場合はデスミア処理を行う。このデスミ
ア処理は、クロム酸、過マンガン酸塩などの水溶液から
なる酸化剤を使用して行うことができ、また、酸素プラ
ズマ、CF4と酸素の混合プラズマやコロナ放電などで処
理してもよい。また、低圧水銀ランプを用いて紫外線を
照射することにより、表面改質することもできる。特に
CF4と酸素の混合プラズマは、樹脂表面に、水酸基やカ
ルボニル基などの親水性基を導入することができ、後の
CVDやPVD処理がしやすいため、有利である。貫通
孔の開口径は、50〜400μmであり、炭酸ガスレー
ザを用いた場合のレーザ照射条件は、パルスエネルギー
が0.5〜100mJ、パルス幅が0.5〜10ms、
パルス間隔が0.5〜10μs、ショット数が3〜10
0である。
【0018】(2)次に、(1)で形成した多数の貫通
孔のうち、所定の貫通孔内に高誘電性材料を含んだ誘電
性ペーストを充填後、乾燥、硬化させることによって誘
電体層を形成する。このような誘電性ペーストの充填
は、所定の貫通孔に対応する部分に開口を設けたマスク
を絶縁基板上に載置し、そのマスクの上から誘電性ペー
ストをスクリーン印刷等の印刷法にて塗布する方法や、
高誘電性材料をスパッタリング法、蒸着法、CVD法等
を用いて貫通孔内に直接的に充填する方法がある。後者
の場合には、適切な手段、たとえばPETフィルムを貼
付けることによって、スルーホール形成用の貫通孔が塞
がれていることが望ましい。ここで、高誘電性材料とし
ては、ペロブスカイト化合物を代表するBaTiO3が最適で
あり、その他にPZT、PLZTあるいはBSTを用いることもで
きる。さらに、二成分系または三成分系のペロブスカイ
ト化合物を用いることもできる。
【0019】さらに、前記高誘電性材料とエポキシ樹
脂、ポリイミド樹脂またはポリフェニレンエーテル樹脂
等との混合物を用いて、誘電層を形成することもでき
る。上記誘電層の形成は、大容量を得るためにはBaTiO3
が好適であり、製造コストの点からは、BaTiO3とエポキ
シ樹脂との混合物が最適である。また、誘電性ペースト
としては、高誘電性材料と熱硬化性樹脂との混合物が望
ましい。
【0020】(3)前記(2)において誘電体層を形成
した後、絶縁基板表面の余分な高誘電性材料をエッチン
グ処理や研磨処理等の適切な方法により除去して、その
表面を平坦化する。このようなエッチング処理として
は、HNO3、KMnO4、クロム酸を用いたエッチング、ある
いはドライエッチングがある。また研磨処理としては、
ベルト研磨紙等による研磨がある。
【0021】(4)ついで、上記(2)で載置したマス
クを除去しあるいは貼付けたPETフィルムを剥がした
後、誘電層表面と、絶縁基板表面と、スルーホール形成
用貫通孔内壁面とに、めっき法、PVD法あるいはCV
D法によって、薄付け導体層を形成して、スルーホール
を形成する。めっき法としては、無電解めっき、好まし
くは無電解銅めっきが良い。PVD法としては、スパッ
タリング、イオンビームスパタリングなどの蒸着法が具
体的に挙げられる。また、CVD法としては、アリルシ
クロペンタジフェニルパラジウム、ジメチルゴールドア
セチルアセテート、スズテトラメチルアクリロニトリ
ル、ジコバルトオクタカルボニルアクリロニトリルなど
の有機金属(MO)を供給材料とするPE-CVD(Plasma Enh
anced CVD)などが具体的に挙げられる。このスパッタリ
ングは、銅スパッタリングが好ましい。
【0022】(5)次に、厚付けのために電解めっき処
理を行う。この電解めっきとしては銅めっきがよい。ま
た、前記(2)において必要に応じて、誘電体層を覆
い、かつスルーホール形成用の貫通孔に対応する部分に
開口を設けたマスクを絶縁基板上に載置し、そのマスク
の上から導電性ペーストをスクリーン印刷等の印刷法に
て塗布することによって、貫通孔内に導電ペーストを充
填し、乾燥、硬化させた後に、この導電ペーストを覆う
導体層を無電解銅めっきおよび電解銅めっきにて形成す
ることもできる。
【0023】(6)前記(5)で形成した電解めっきの
厚付け導体層上にエッチングレジストを形成し、レジス
ト非形成部分をエッチングすることにより、導体回路部
分、誘電体層を覆う導体層、およびスルーホールを覆う
導体層を形成する。そのエッチング液としては、硫酸−
過酸化水素の水溶液、過硫酸アンモニウムや過硫酸ナト
リウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩水溶液、塩化第
二鉄や塩化第二銅の水溶液がよい。
【0024】なお、導体層の形成方法として、以下の工
程を採用することができる。即ち、前記(4)の工程を
終えた基板にめっきレジストを形成し、次いで、レジス
ト非形成部分に電解めっきを施して導体回路および誘電
体層を覆う導体層部分やスルーホールを覆う導体層を形
成し、これらの導体上に、ホウフッ化スズ、ホウフッ化
鉛、ホウフッ化水素酸、ペプトンからなる電解半田めっ
き液を用いて半田めっき膜を形成した後、めっきレジス
トを除去し、そのめっきレジスト下の無電解めっき膜を
エッチング除去して独立パターンを形成し、さらに、半
田めっき膜をホウフッ酸水溶液で溶解除去して導体層を
形成する。
【0025】(7)層間樹脂絶縁層の形成 .前記(6)にて形成したエッチングレジストを剥離
して、独立した導体回路および導体層とした後、その配
線基板の上に層間樹脂絶縁層を形成する。このような層
間樹脂絶縁層としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、
あるいは熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の複合体を用いる
ことができる。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、
ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリフェニ
レンエーテル(PPE)などが使用できる。熱可塑性樹脂
としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフ
ッ素樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ
スルフォン(PSF)、ポリフェニレンスルフィド(PP
S)、熱可塑型ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリエ
ーテルスルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PE
I)、ポリフェニレンスルフォン(PPES)、4フッ化エ
チレン6フッ化プロピレン共重合体(FEP)、4フッ化
エチレンパーフロロアルコキシ共重合体(PFA)、ポリ
エチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルエーテル
ケトン(PEEK)、ポリオレフィン系樹脂などが使用でき
る。熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の複合体としては、エ
ポキシ樹脂−PES、エポキシ樹脂−PSF、エポキシ樹脂−
PPS、エポキシ樹脂−PPESなどが使用できる。
【0026】本発明において、層間樹脂絶縁層として
は、無電解めっき用接着剤を用いることができる。この
無電解めっき用接着剤としては、硬化処理された酸ある
いは酸化剤に可溶性の耐熱性樹脂粒子が、硬化処理によ
って酸あるいは酸化剤に難溶性となる未硬化の耐熱性樹
脂中に分散されてなるものが最適である。この理由は、
酸や酸化剤で処理することにより、耐熱性樹脂粒子が溶
解除去されて、表面に蛸つぼ状のアンカーからなる粗化
面が形成できるからである。
【0027】上記無電解めっき用接着剤において、特に
硬化処理された前記耐熱性樹脂粒子としては、平均粒
径が10μm以下の耐熱性樹脂粉末、平均粒径が2μm
以下の耐熱性樹脂粉末を凝集させた凝集粒子、平均粒
径が2〜10μmの耐熱性粉末樹脂粉末と平均粒径が2μm
以下の耐熱性樹脂粉末との混合物、平均粒径が2〜10
μmの耐熱性樹脂粉末の表面に平均粒径が2μm以下の
耐熱性樹脂粉末または無機粉末のいずれか少なくとも1
種を付着させてなる疑似粒子、平均粒径が0.1〜0.8μ
mの耐熱性粉末樹脂粉末と平均粒径が0.8μmを超え2μ
m未満の耐熱性樹脂粉末との混合物、から選ばれるいず
れか少なくとも1種を用いることが望ましい。これら
は、より複雑なアンカーを形成できるからである。
【0028】また本発明において、層間樹脂絶縁層とし
ては、所定の加熱条件下において軟化するような樹脂フ
ィルム、たとえば、熱硬化性のポリオレフィン系樹脂ま
たはエポキシ系樹脂を主成分とした樹脂フィルムから形
成されることが望ましい。ポリオレフィン系樹脂は、そ
の一つとしてのシクロオレフィン系樹脂を用いることが
できる。このシクロオレフィン系樹脂は、誘電率および
誘電正接が低いので、GHz帯域の高周波信号を用いた場
合でも信号の伝播遅延やエラーが起きにくく、さらに
は、剛性等の機械的特性にも優れるからである。
【0029】シクロオレフィン系樹脂としては、2−ノ
ルボルネン、5−エチリデン−2−ノボルネンまたはこ
れらの誘導体からなる単量体の単独重合または共重合体
であることが望ましい。上記誘導体としては、2−ノル
ボルネンなどのシクロオレフィンに、架橋を形成するた
めのアミノ酸残基あるいはマレイン酸変性したもの等が
結合したものが挙げられる。上記共重合体を合成する場
合の単量体としては、例えば、エチレン、プロピレンな
どがある。その中でも熱硬化性シクロオレフィン系樹脂
であることが望ましい。加熱を行って架橋を形成させる
ことにより、より剛性が高くなり機械的特性が向上する
からである。
【0030】このようなポリオレフィン系樹脂を主成分
とする樹脂フィルムは、温度50〜250℃、圧力9.8×
10〜4.9×10Pa、プレス時間1〜120分間の
条件で加熱プレスして形成することが好ましい実施の形
態である。さらに、上記樹脂フィルムの厚みは、導体回
路の厚みや、ビアホールのアスペクト比、硬化収縮等を
考慮して決められ、加熱プレスによって軟化した樹脂材
料が、ビアホール形成用の開口をほぼ完全に埋めること
ができるような範囲に選択されることが望ましい。
【0031】.上記層間樹脂絶縁層を熱硬化性樹脂、
熱可塑性樹脂、あるいは熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂の
複合体から形成する場合や、無電解めっき接着剤から形
成する場合には、前記(5)の工程の後に、導体回路表
面、誘電体層を覆う導体層およびスルーホールを覆う導
体層の表面に粗化層を形成することが有利である。その
理由は、導体層と層間樹脂絶縁層との密着性が向上する
ため、導体回路側面と樹脂絶縁層との界面や、誘電体を
覆う導体層およびスルーホールを覆う導体層のそれぞれ
の側面と樹脂絶縁層との界面を起点とするクラックの発
生を防止することができるである。特に、誘電体を覆う
導体層表面やスルーホールを覆う導体層表面に粗化層を
設けることによって、それらに電気的に接続されるビア
ホールを設ける場合には、それらの密着性が改善され
る。この粗化層の形成方法は、黒化(酸化)−還元処
理、針状合金めっき、あるいはエッチングして形成する
方法などがある。さらに、粗化後に、導体回路間および
導体層間にそれぞれ樹脂を充填し、乾燥、硬化させた
後、それらの表面を研磨して平滑化してもよい。
【0032】(8)次に、前記(6)で形成した誘電体
層を覆う導体層や、スルーホールを覆う導体層、内層の
導体回路との電気的接続をそれぞれ確保するために、層
間樹脂絶縁層に多数の開口を設ける。すなわち、これら
の開口のうち、その一部は誘電体層形成のための開口で
あり、その他は通常のビアホール形成用の開口である。
前者は、内層導体回路やスルーホールを覆う導体層に接
続されるように、後者は、内層の導体回路や誘電体層を
覆う導体層、スルーホールを覆う導体層とに接続される
ように形成される。
【0033】これらの開口の穿孔は、層間樹脂絶縁層が
感光性樹脂からなる場合は、露光、現像処理にて行い、
熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂からなる場合は、レーザ光
にて行う。このとき、使用されるレーザ光としては、炭
酸ガスレーザ、紫外線レーザ、エキシマレーザなどがあ
る。レーザ光にて穿孔した場合は、デスミア処理を行な
うことが有利である。このデスミア処理は、クロム酸、
過マンガン酸塩などの水溶液からなる酸化剤を使用して
行うことができ、また酸素プラズマ処理、コロナ処理な
どのドライデスミア処理でもよい。
【0034】(9)上記(8)において開口を有する層
間樹脂絶縁層を形成した後、必要に応じてその表面を粗
化する。上述した無電解めっき用接着剤を層間樹脂絶縁
層として使用した場合は、表面を酸化剤で処理して耐熱
性樹脂粒子のみを選択的に除去して粗化する。また、熱
硬化性樹脂や熱可塑性樹脂を使用した場合でも、クロム
酸、過マンガン酸塩などの水溶液から選ばれる酸化剤に
よる表面粗化処理が有効である。なお、酸化剤では粗化
されないフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)
などの樹脂の場合は、プラズマ処理やテトラエッチなど
により表面を粗化する。また、上述した樹脂フィルムを
層間樹脂絶縁層として使用した場合は、粗化層を形成す
る必要はない。
【0035】(10)次に、無電解めっき用の触媒核を
付与する。一般に触媒核は、パラジウム−スズコロイド
であり、この溶液に基板を浸漬、乾燥、加熱処理して樹
脂表面に触媒核を固定する。また、金属核をCVD、ス
パッタ、プラズマにより樹脂表面に打ち込んで触媒核と
することができる。この場合、樹脂表面に金属核が埋め
込まれることになり、この金属核を中心にめっきが析出
して導体回路が形成されるため、粗化しにくい樹脂やフ
ッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン等)のように樹
脂と導体回路との密着が悪い樹脂でも、密着性を確保で
きる。この金属核としては、パラジウム、銀、金、白
金、チタン、銅およびニッケルから選ばれる少なくとも
1種以上がよい。なお、金属核の量は、20μg/cm
以下がよい。この量を超えると金属核を除去しなけ
ればならないからである。
【0036】(11)次に、(3)の処理と同様に、上
記(8)で形成した多数の開口のうち、所定の開口内に
高誘電性材料を含んだ誘電性ペーストを充填後、乾燥、
硬化させることによって誘電体層を形成する。
【0037】(12)前記(11)において誘電体層を
形成した後、上記(3)と同様に、層間樹脂絶縁層表面
の余分な高誘電性材料をエッチング処理や研磨処理等の
適切な方法により除去して、その表面を平坦化する。
【0038】(13)ついで、上記(4)と同様に、誘
電体層表面と、層間樹脂絶縁層表面と、ビアホール形成
用開口内壁面とに、薄付け導体層を形成して、ビアホー
ルを形成する。この薄付け導体層は、スパッタリングま
たは無電解めっきによって形成され、それぞれ銅スパッ
タリングまたは無電解銅めっきが好ましい。無電解めっ
き膜の厚みは0.1〜5μm、より望ましくは0.5〜3μmで
ある。
【0039】(14)そして、薄付け導体層上にめっき
レジストを形成する。めっきレジストは、感光性ドライ
フィルムをラミネートして露光、現像処理して形成され
る。 (15)さらに、電解めっきを行い、導体回路部分を厚
付けすると共に、ビアホール形成用開口をめっき充填す
る。電解めっきは、電解銅めっきが好ましく、その厚み
は5〜30μmがよい。
【0040】(16)そしてさらに、めっきレジストを
剥離した後、そのめっきレジスト下の薄付け導体層をエ
ッチングにて溶解除去し、ビアホールを含む独立した導
体回路を形成する。エッチング液としては、硫酸−過酸
化水素の水溶液、過硫酸アンモニウムや過硫酸ナトリウ
ム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩水溶液、塩化第二鉄
や塩化第二銅の水溶液がよい。
【0041】(17)次に、前記(7)〜(16) の
工程を繰り返して多層化すれば、内層の導体回路と外層
の導体回路とを接続するビアホール形成用開口の一部に
誘電体層が形成されると同時に、ビアホールも形成され
ることになる。これらのビアホールはめっき充填され、
それらの表面はほぼ平坦なはんだパッドとして機能する
導体パッドに形成される。
【0042】(18)次に、こうして得られた配線基板
の外表面に、ソルダーレジスト組成物を塗布し、その塗
膜を乾燥した後、この塗膜に、開口部を描画したフォト
マスクフィルムを載置して露光、現像処理することによ
り、導体層のうちはんだパッド(導体パッド、ビアホー
ルを含む)部分を露出させた開口を形成する。ここで、
露出する開口の開口径は、はんだパッドの径よりも大き
くすることができ、はんだパッドを完全に露出させても
よい。また、逆に前記開口の開口径は、はんだパッドの
径よりも小さくすることができ、はんだパッドの縁周を
ソルダーレジスト層で被覆することができる。この場
合、はんだパッドをソルダーレジスト層で抑えることが
でき、はんだパッドの剥離を防止できる。
【0043】(19)次いで、前記開口部から露出した
前記はんだパッド部上に「ニッケル−金」の金属層を形
成する。ニッケル層は1〜7μmが望ましく、金層は0.01
〜0.06μmがよい。この理由は、ニッケル層は、厚すぎ
ると抵抗値の増大を招き、薄すぎると剥離しやすいから
である。一方金層は、厚すぎるとコスト増になり、薄す
ぎるとはんだ体との密着効果が低下するからである。
【0044】(20)さらに、前記開口部から露出した
前記はんだパッド部上に、はんだ体を供給して、多層プ
リント配線板が製造される。はんだ体の供給方法として
は、はんだ転写法や印刷法を用いることができる。ここ
で、はんだ転写法は、プリプレグにはんだ箔を貼合し、
このはんだ箔を開口部分に相当する箇所のみを残してエ
ッチングすることにより、はんだパターンを形成しては
んだキャリアフィルムとし、このはんだキャリアフィル
ムを、基板のソルダーレジスト開口部分にフラックスを
塗布した後、はんだパターンがパッドに接触するように
積層し、これを加熱して転写する方法である。一方、印
刷法は、パッドに相当する箇所に貫通孔を設けた印刷マ
スク(メタルマスク) を基板に載置し、はんだペースト
を印刷して加熱処理する方法である。
【0045】なお、以上の説明では、導体回路の形成方
法としてセミアディティブ法を採用したが、フルアディ
ティブ法を採用することもできる。このフルアディティ
ブ法では、樹脂絶縁層に形成した多数のビアホール形成
用開口のうちの一部の開口内に、めっき処理あるいはス
パッタ処理にて誘電体層を形成するとともに、ビアホー
ル形成用開口のうち残りの他の開口内に、めっき処理あ
るいはスパッタ処理にて薄付け導体層を形成した後、感
光性ドライフィルムをラミネートするか、または液状の
感光性樹脂を塗布し、露光、現像処理してめっきレジス
トを設け、無電解めっき処理を施して厚付け導体層を形
成して、導体回路を形成する。
【0046】また、上記の製造方法は、ビルドアップ配
線層を有する多層プリント配線板におけるスルーホール
形成用貫通孔あるいはビアホール形成用開口の一部に、
コンデンサー機能を有する誘電体層を形成した例で説明
したが、これはあくまで一例であり、このような実施形
態に限定されるべきものではない。たとえば、硬質基材
の片面または両面に導体回路を有し、その導体回路に達
する貫通孔に導電性物質が充填されてなる片面または両
面回路基板の複数枚を積層し、一括して加熱プレスする
ことによって形成される多層プリント配線板に適用する
ことも可能であり、各回路基板の貫通孔のうち、その一
部の貫通孔に高誘電性材料を含む誘電性ペーストを充填
後、乾燥、硬化させて誘電体層を形成することができ
る。片面回路基板に誘電体層を形成させる場合には、誘
電体層に電気的接触するもう一つの導体層を形成するこ
とが必要である。以下、実施例をもとに詳述する。
【0047】
【実施例】(実施例1) (1)BT(ビズマレイミドトリアジン)樹脂からなる
厚さ0.8mmの絶縁基板1にドリル加工によって、口
径が300μmの多数の貫通孔を形成した。上記貫通孔
2のうち、一部の貫通孔を誘電体層形成用の貫通孔2a
とし、他の貫通孔をスルーホール形成用貫通孔2bとし
た。(図1(a) 参照) (2)ついで、貫通孔2aに対応する開口を有するマス
クを載置して、BaTiO3とエポキシ樹脂からなる誘電性ペ
ースト3をスクリーン印刷によって貫通孔2a内に、充
填し、それらを乾燥、硬化させた後、誘電体層4を形成
した(図1(b)参照)。上記絶縁基板の表面に残った誘
電性ペースト3は、クロム酸などの酸や酸化剤の浸漬の
方法により除去された。
【0048】(3)さらに、銅をターゲットにしたスパ
ッタリングを、気圧 0.6Pa、温度80℃、電力200W、
時間5分間の条件で行って、前記(2)にて形成された
誘電層4の表面と、絶縁基板1の表面と、前記(2)に
て形成された貫通孔2のうち、他の貫通孔2bの内壁面
に銅スパッタ層(図示せず)を形成する。このように形
成された銅スパッタ層の厚さは 0.1μmであった。な
お、スパッタリング装置としては、日本真空技術株式会
社製のSV‐4540を使用した。
【0049】(4)次いで、前記(3)で形成した銅ス
パッタ層上にパラジウム−スズコロイドを付着させ、下
記組成の無電解めっき水溶液で下記条件にて無電解めっ
きを施し、基板全面に 0.7μmの無電解めっき膜6を形
成し、スルーホール7を形成した(図1(c)参照)。
【0050】〔無電解めっき水溶液〕 EDTA 150 g/l 硫酸銅 20 g/l HCHO 30 ml/l NaOH 40 g/l α、α’−ビピリジル 80 mg/l PEG 0.1 g/l 〔無電解めっき条件〕 70℃の液温度で30分
【0051】(5)さらに、下記組成の電解めっき水溶
液で下記条件にて電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電
解銅めっき膜(図示せず)を形成し、スルーホール7の内
壁を厚付けするとともに、内層の導体回路となるべき導
体層を厚付けした。
【0052】 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤(アトテックジャパン製、商品名:カパラシドGL) 1 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 1A/dm 時間 30分 温度 23℃
【0053】(6)次に、銅粒子を含む導電ペースト1
0をスクリーン印刷により、スルーホール7内に充填
し、乾燥、硬化させた。そして、スルーホール7からは
み出した導電ペースト10を、#400 のベルト研磨紙
(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により除
去し、さらにこのベルトサンダー研磨による傷を取り除
くためのバフ研磨を行い、基板表面を平坦化した(図1
(d)参照)。
【0054】(7)前記(6)で平坦化した基板表面
に、常法に従ってパラジウムコロイド触媒を付与してか
ら無電解めっきを施すことにより、厚さ 0.6μmの無電
解銅めっき膜(図示せず)を形成した。
【0055】(8)ついで、以下の条件で電解銅めっき
を施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜14を形成し、導
体回路16となる部分を厚付けし、貫通孔2aに形成さ
れた誘電体層4を覆う導体層18およびスルーホール7
に充填された導電ペースト10を覆う導体層(ふためっ
き層)20となる部分を形成した(図1(e)参照)。
【0056】 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 180g/l 硫酸銅 80g/l 添加剤(アトテックジャパン製、商品名:カパラシドGL) 1 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 1A/dm 時間 30分 温度 23℃
【0057】(9)上記導体回路16、導体層18およ
び導体層20となる部分を形成した基板の両面に、感光
性ドライフィルムを張りつけ、マスクを載置して、100
mJ/cmで露光し、0.8%炭酸水素ナトリウムで現
像処理して、厚さ15μmのエッチングレジスト22を形
成した(図2(a)参照)。
【0058】(10)そして、エッチングレジスト22
の非形成部分のめっき膜を、硫酸と過酸化水素の混合液
を用いるエッチングにて溶解除去し、さらに、めっきレ
ジスト22を5%のKOHで剥離除去して、独立した導体回
路16、誘電体層4を覆う導体層18および導電ぺース
ト5を覆う導体層20(以下、「ふためっき層20」と
いう)を形成した(図2(b)参照)。
【0059】(11)次に、基板の両面に、厚さ50μm
の熱硬化型のポリオレフィン樹脂シート(住友3M製、商
品名:1592)を温度50〜180℃まで昇温しながら、圧力
を9.8×10Paとして加熱プレスして積層し、ポ
リオレフィン系樹脂からなる層間樹脂絶縁層24を設け
た。
【0060】(12)波長10.4μmの炭酸ガスレーザ
を、ポリオレフィン系樹脂からなる樹脂絶縁層24表面
側から照射して、導体回路16、誘電体層4を覆う導体
層18およびふためっき層20に達する直径80μm、深
さ50μmの誘電体層形成用開口26aおよびビアホール
形成用の開口26bを設けた(図2(c)参照)。上記開
口26a,26bを形成する炭酸ガスレーザの照射条件
は、、パルスエネルギーが0.5〜100mJ、パルス
幅が0.5〜10ms、パルス間隔が0.5〜10μ
s、ショット数が3〜100である。さらに、CF4およ
び酸素混合気体のプラズマ処理により、デスミアおよび
ポリオレフィン系樹脂絶縁層表面の改質を行った。この
改質により、表面にはOH基やカルボニル基、COOH
基などの親水性基が確認された。なお、酸素プラズマ処
理条件は、電力800W、真空度66.5Pa、処理時間
20分間である。
【0061】(13)ついで、誘電体層形成用の開口2
6a内に、上記(2)にしたがって、BaTiO3とエポキシ
樹脂からなる誘電性ペースト3を、スクリーン印刷によ
って充填し、乾燥、硬化させた後、誘電体層28を形成
した。上記層間樹脂絶縁層の表面に残った誘電性ペース
トは、クロム酸などの酸や酸化剤の浸漬の方法により除
去された。
【0062】(14)さらに、銅をターゲットにしたス
パッタリングを、真空度0.6Pa、温度80℃、電力200
W、処理時間5分間の条件で行って、前記(13)にて
形成された誘電体層28の表面と、ポリオレフィン系樹
脂からなる樹脂絶縁層24の表面と、ビアホール形成用
開口26bの内壁面に銅スパッタ層30を形成して、ビ
アホール32を形成する(図3(a)参照))。このよう
に形成された銅スパッタ層30の厚さは 0.1μmであっ
た。なお、スパッタリング装置としては、日本真空技術
株式会社製のSV-4540を使用した。
【0063】(15)前記(14)で形成した銅スパッ
タ層30上に、感光性ドライフィルムを張りつけ、フォ
トマスクフィルムを載置して、100mJ/cmで露
光、0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚さ15μmの
めっきレジスト34を設けた(図3(b)参照)。
【0064】(16)さらに、上記(8)の処理にした
がって電解めっきを施して、厚さ15μmの電解めっき膜
36を形成し、上層の導体回路38となるべき導体層を
厚付けし、誘電体層28を覆う導体層40を厚付けする
とともに、ビアホール32をめっき充填した。
【0065】(17)そしてさらに、めっきレジスト3
4を5%のKOHで剥離除去した後、そのめっきレジスト3
4下の銅スパッタ層30および電解銅めっき膜36を硝
酸および硫酸/過酸化水素混合液を用いたエッチングに
て溶解除去し、電解銅めっき膜36と銅スパッタ層30
とからなる上層の導体回路38および誘電体層28を覆
う導体層40を形成する。これによって、内層の導体回
路16と外層の導体回路38とを両電極としたコンデン
サー機能を有する誘電体層28が形成される(図3(c)
参照)。
【0066】(18)さらに、前記(11)〜(17)
の処理を繰り返すことにより、上層の導体回路38やビ
アホール32を覆う層間樹脂絶縁層44と、導体回路3
8よりもさらに上層の導体回路46と、ビアホール32
の真上に位置するビアホール48aと、誘電体層28の
真上に位置するビアホール48bと、導体回路38に接
続されるビアホール48cと、ビアホール32の表面と
導体回路46の表面を両電極とする誘電体層50とを形
成した多層プリント配線板を得た(図4(a)参照)。
【0067】(19)一方、DMDGに溶解させた60重量%
のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬製)
のエポキシ基50%をアクリル化した感光性付与のオリゴ
マー(分子量4000)を46.67g、メチルエチルケトンに
溶解させた80重量%のビスフェノールA型エポキシ樹脂
(油化シェル製、エピコート1001)15.0g、イミダゾー
ル硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)1.6g、感光性モノ
マーである多価アクリルモノマー(日本化薬製、R604
)3g、同じく多価アクリルモノマー(共栄社化学製、
DPE6A )1.5g、分散系消泡剤(サンノプコ社製、S-6
5)0.71gを混合し、さらにこの混合物に対して光開始
剤としてのベンゾフェノン(関東化学製)を2g、光増
感剤としてのミヒラーケトン(関東化学製)を0.2g加
えて、粘度を25℃で 2.0Pa・sに調整したソルダーレ
ジスト組成物を得た。なお、粘度測定は、B型粘度計
(東京計器、 DVL-B型)で 60rpmの場合はローターNo.
4、6rpmの場合はローターNo.3によった。
【0068】(20)前記(19)で得られた多層配線
基板を、垂直に立てた状態でロールコーターの一対の塗
布用ロール間に挟み、ソルダーレジスト組成物を20μm
の厚さで塗布した。 (21)次いで、70℃で20分間、70℃で30分間の乾燥処
理をそれぞれ行った後、1000mJ/cmの紫外線で露
光し、DMTG現像処理した。さらに、80℃で1時間、100℃
で1時間、120℃で1時間、150℃で3時間の条件でそれぞ
れ加熱処理し、ビアホール、ランド、格子状の電源層の
上面の一部が開口した(開口径 200μm)ソルダーレジ
スト層(厚み20μm)52を形成した。
【0069】(22)次に、ソルダーレジスト層52を
形成した基板を、塩化ニッケル30g/l、次亜リン酸ナ
トリウム10g/l、クエン酸ナトリウム10g/lの水溶
液からなるpH=5の無電解ニッケルめっき液に20分間
浸漬して、開口部に厚さ5μmのニッケルめっき層54
を形成した。さらに、その基板を、シアン化金カリウム
2g/l、塩化アンモニウム75g/l、クエン酸ナトリ
ウム50g/l、次亜リン酸ナトリウム10g/lの水溶液
からなる無電解金めっき液に93℃の条件で23秒間浸漬し
て、ニッケルめっき層54上に厚さ0.03μmの金めっき
層56を形成した。
【0070】(23)そして、ソルダーレジスト層52
の開口部に、はんだペーストを印刷し、 200℃でリフロ
ーすることによってはんだバンプ58を形成し、はんだ
バンプを有する多層プリント配線板を製造した(図4
(b)参照)。
【0071】(実施例2) (1)BT(ビズマレイミドトリアジン)樹脂からなる
厚さ0.8mmの基板1にドリル加工によって、口径が
350μmの多数の貫通孔を形成した。上記貫通孔のう
ち、一部の貫通孔を誘電体層形成用の貫通孔2aとし、
他の貫通孔をスルーホール形成用貫通孔2bとした(図
1(a)参照)。
【0072】(2)ついで、貫通孔2aに対応する開口
を有するマスクを載置して、BaTiO3とエポキシ樹脂から
なる誘電性ペースト3をスクリーン印刷によって貫通孔
2a内に、充填し、それらを乾燥、硬化させた後、誘電
体層4を形成した(図1(b)参照)。上記絶縁基板の表面
に残った誘電性ペースト3は、クロム酸などの酸や酸化
剤の浸漬の方法により除去された。
【0073】(3)さらに、銅をターゲットにしたスパ
ッタリングを、気圧 0.6Pa、温度80℃、電力200W、
時間5分間の条件で行って、前記(2)にて形成された
誘電体層4の表面と、絶縁基板1の表面と、前記(2)
にて形成された貫通孔2のうち、他の貫通孔2bの内壁
面に銅スパッタ層を形成する。このように形成された銅
スパッタ層の厚さは 0.1μmであった。なお、スパッタ
リング装置としては、日本真空技術株式会社製のSV-454
0を使用した。
【0074】(4)次いで、前記(3)で形成した銅ス
パッタ層上にパラジウム−スズコロイドを付着させ、下
記組成の無電解めっき水溶液で下記条件にて無電解めっ
きを施し、基板全面に 0.7μmの無電解めっき膜6を形
成し、スルーホール7を形成した。
【0075】〔無電解めっき水溶液〕 EDTA 150 g/l 硫酸銅 20 g/l HCHO 30 ml/l NaOH 40 g/l α、α’−ビピリジル 80 mg/l PEG 0.1 g/l 〔無電解めっき条件〕 70℃の液温度で30分
【0076】(5)さらに、下記組成の電解めっき水溶
液で下記条件にて電解銅めっきを施し、厚さ15μmの電
解銅めっき膜(図示せず)を形成し、スルーホール7の内
壁を厚付けするとともに、内層の導体回路となるべき導
体層を厚付けした((図1(c)参照)。
【0077】 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 180 g/l 硫酸銅 80 g/l 添加剤(アトテックジャパン製、商品名:カパラシドGL) 1 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 1A/dm 時間 30分 温度 室温
【0078】(6)次に、銅粒子を含む導電ペースト1
0をスクリーン印刷により、スルーホール7内に充填
し、乾燥、硬化させた。そして、スルーホール7からは
み出した導電ペースト10を、#400 のベルト研磨紙
(三共理化学製)を用いたベルトサンダー研磨により除
去し、さらにこのベルトサンダー研磨による傷を取り除
くためのバフ研磨を行い、基板表面を平坦化した(図1
(d)参照)。
【0079】(7)前記(6)で平坦化した基板表面
に、常法に従ってパラジウムコロイド触媒を付与してか
ら無電解めっきを施すことにより、厚さ 0.6μmの無電
解銅めっき膜8(図示せず)を形成した。
【0080】(8)ついで、以下の条件で電解銅めっき
を施し、厚さ15μmの電解銅めっき膜14を形成し、導
体回路16となる部分を厚付けし、貫通孔2aに形成さ
れた誘電体層4を覆う導体層18およびスルーホール7
に充填された導電ペースト10を覆うふためっき層20
となる部分を形成した((図1(e)参照)。
【0081】 〔電解めっき水溶液〕 硫酸 180g/l 硫酸銅 80g/l 添加剤(アトテックジャパン製、商品名:カパラシドGL) 1 ml/l 〔電解めっき条件〕 電流密度 1A/dm 時間 30分 温度 23℃
【0082】(9)上記導体回路16、導体層18およ
びふためっき層20となる部分を形成した基板の両面
に、感光性ドライフィルムを張りつけ、マスクを載置し
て、100mJ/cmで露光し、0.8%炭酸水素ナトリウ
ムで現像処理して、厚さ15μmのエッチングレジスト2
2を形成した(図2(a)参照)。
【0083】(10)そして、エッチングレジスト22
の非形成部分のめっき膜を、硫酸と過酸化水素の混合液
を用いるエッチングにて溶解除去し、さらに、めっきレ
ジスト22を5%のKOHで剥離除去して、独立した導体回
路16、誘電体層4を覆う導体層18および導電ぺース
ト5を覆うふためっき層20を形成した(図2(b)参照)。
【0084】(11)次に、前記(10)で形成した配
線基板を酸性脱脂、ソフトエッチングし、塩化パラジウ
ムと有機酸からなる触媒溶液で処理して、Pd触媒を付与
し、活性化を行った後、下記表に示す組成の無電解めっ
き浴にてめっきを施し、導体回路16、誘電体層4を覆
う導体層18およびふためっき層20の表面にCu−Ni−
P合金の厚さ 2.5μmの凹凸層(粗化層)60を形成し
た(図5(a)参照)。
【0085】特に、本実施例では、Cu−Ni−P合金の前
記粗化層60を形成するためのめっき浴は、荏原ユージ
ライト株式会社製、商品名「インタープレートプロセ
ス」を使用した。その処理条件は、70℃、10分とした。
なお、本実施例では、上記粗化層60のめっき浴とし
て、Cu−Niめっき浴を用いることができる。
【0086】(12)前記(11)で粗化層60を形成
した配線基板を水洗(および必要に応じて乾燥)の後、
さらにその配線基板をホウふっ化スズ−チオ尿素液(あ
るいは塩化スズ−チオ尿素液でも可能)からなる無電解
スズめっき浴に50℃で1分間浸漬して、Cu−Ni−P合金
の粗化層60の表面に厚さ0.3μmのSnめっき層を置換
形成した(なお、Snめっき層の図示は省略する)。
【0087】(13)前記(12)の処理を施した配線
基板上に、開口を有する層間樹脂絶縁層を形成する。 下記(a)〜(c)で得た組成物を混合攪拌し無電解
めっき用接着剤を調製した。 (a)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(日本化薬
製、分子量2500)の25%アクリル化物を35重量部(固形
分80%)、感光性モノマー(東亜合成製、アロニックス
M315 )4重量部、消泡剤(サンノプコ製、S-65)0.5
重量部、NMP 3.6重量部を攪拌混合した。 (b)ポリエーテルスルフォン(PES)8重量部、エポキ
シ樹脂粒子(三洋化成製、ポリマーポール)の平均粒径
0.5μmのものを 7.245重量部、を混合した後、さらに
NMP 20重量部を添加し攪拌混合した。 (c)イミダゾール硬化剤(四国化成製、2E4MZ-CN)2
重量部、光開始剤(チバガイギー製、イルガキュア I-
907 )2重量部、光増感剤(日本化薬製、DETX-S) 0.2
重量部、NMP 1.5重量部を攪拌混合した。
【0088】前記で調製した無電解めっき用接着剤
を上記(12)の処理を施した基板に塗布し、乾燥させ
た後、フォトマスクフィルムを載置して、露光、現像処
理し、さらに熱硬化処理することにより、直径60μmの
開口部(誘電体層形成用開口26aおよびビアホール用
開口26b)を有する厚さ20μmの層間樹脂絶縁層63
を形成した(図5(b)参照)。
【0089】ついで、層間樹脂絶縁層63を形成した
基板をクロム酸に20分間浸漬し、その表面に深さ4μ
mの粗化面64を形成した(図5(c)参照)。
【0090】(14)ついで、誘電体層形成用の開口2
6a内に、実施例1の(2)の工程にしたがって、BaTi
O3とエポキシ樹脂からなる誘電性ペースト3を、スクリ
ーン印刷によって充填し、乾燥、硬化させた後、誘電体
層28を形成した(図5(d)参照)。上記層間樹脂絶縁層
の表面に残った誘電性ペーストは、クロム酸などの酸や
酸化剤の浸漬の方法により除去された。なお、研磨によ
って除去することも可能である。
【0091】(15)さらに、前記(13)で粗化面6
4を形成し、前記(14)で誘電体層28を形成した基
板を無電解めっき液に浸漬し、粗化面全体に厚さ 0.6μ
mの無電解銅めっき膜30を形成した(図6(a)参照)。
すなわち、誘電体層28の表面と、層間樹脂絶縁層63
の表面と、ビアホール形成用開口26bの内壁面とを覆
って無電解銅めっき膜30を形成して、ビアホール32
を形成する。
【0092】(16)前記(15)で形成した無電解銅
めっき膜30上に、感光性ドライフィルムを張りつけ、
フォトマスクフィルムを載置して、100mJ/cm
露光、0.8%炭酸ナトリウムで現像処理し、厚さ15μm
のめっきレジスト34を設けた。
【0093】(17) 次に、以下の条件にて、めっき
レジスト非形成部分に電解めっきを施し、厚さ20μmの
電解銅めっき膜36を設けて、外層の導体回路38とな
るべき導体層を厚付けし、誘電体層28を覆う導体層を
厚付けするとともに、ビアホール32をめっき充填した
(図6(b)参照)。
【0094】〔電解めっき水溶液〕 硫酸銅・5水和物 60g/l レベリング剤(アトテック製、HL) 40 ml/l 硫酸 190g/l 光沢剤(アトテック製、UV) 0.5 ml/l 塩素イオン 40 ppm 〔電解めっき条件〕 バブリング : 3.0リットル/分 電流密度 : 0.5A/dm 設定電流値 : 0.18 A めっき時間 : 130分 温度 : 23℃
【0095】(18)めっきレジスト34を剥離除去し
た後、硫酸と過酸化水素の混合液や過硫酸ナトリウム、
過硫酸アンモニウムなどのエッチング液でめっきレジス
ト下の無電解めっき膜30を溶解除去して、無電解めっ
き膜30と電解銅めっき膜36からなる厚さ約20μmの
外層導体回路38および誘電体層28を覆う導体層40
を形成した(図6(c)参照)。これによって、内層の導体
回路16と外層の導体回路38とを両電極としたコンデ
ンサー機能を有する誘電体層28が形成される。
【0096】(19)さらに、上記(11)〜(18)
の処理を繰り返して、上層の導体回路38やビアホール
32を覆う層間樹脂絶縁層66と、導体回路38よりも
さらに上層の導体回路46と、ビアホール32の真上に
位置するビアホール48aと、誘電体層28の真上に位
置するビアホール48bと、導体回路38に接続される
ビアホール48cと、ビアホール32の表面と導体回路
46の表面を両電極とする誘電体層50とを形成したプ
リント配線板を得(図7(a)参照)、さらに、実施例1の
(19)〜(24)の工程にしたがう処理を行って、多
層プリント配線板を製造した(図7(b)参照)。
【0097】(比較例)絶縁性基板に設けた貫通孔およ
び層間樹脂絶縁層に設けた開口に誘電性ペーストを充填
しないことを除いて、実施例1とほぼ同様の工程にした
がう処理を行って、誘電体層を設けない多層プリント配
線板を製造した。
【0098】上記実施例1および2によって製造された
プリント配線板について、電源ノイズ試験を行った結
果、実施例1および2については、ノイズは確認されな
かったが、比較例についてはノイズが確認された。な
お、電源ノイズ試験は、JIS C5202(断続過負
荷試験)に基づいて行われた。
【0099】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の多層プリ
ント配線板によれば、ビルドアップ配線層内の内層導体
回路と外層導体回路との間のビアホール形成用開口の一
部あるいは絶縁基板のスルーホール用貫通孔の一部に、
高誘電性材料を含む誘電体層を形成して、配線層内にコ
ンデンサー機能を付与することができるので、高周波領
域での優れた電源安定性を得ることができ、さらに、チ
ップを含めたプリント配線板の高密度化および高集積化
を図れるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる多層プリント配線板の実施例1
および2による製造工程の一部を示す図である。
【図2】本発明にかかる多層プリント配線板の実施例1
および2による製造工程の一部を示す図である。
【図3】本発明にかかる多層プリント配線板の実施例1
による製造工程の一部を示す図である。
【図4】本発明にかかる多層プリント配線板の実施例1
による製造工程の一部を示す図である。
【図5】本発明にかかる多層プリント配線板の実施例2
による製造工程の一部を示す図である。
【図6】本発明にかかる多層プリント配線板の実施例2
による製造工程の一部を示す図である。
【図7】本発明にかかる多層プリント配線板の実施例2
による製造工程の一部を示す図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板 2 貫通孔 3 誘電性ペースト 4 誘電体層 6 無電解めっき膜 7 スルーホール 8 電解めっき膜 10 導電性ペースト 14 電解めっき膜 16、38 導体回路 18 導体層 20 ふためっき層 22 エッチングレジスト 24 層間樹脂絶縁層 26 開口 28 誘電体層 30 銅スパッタ膜(無電解銅めっき膜) 32 ビアホール 34 めっきレジスト 36 電解めっき膜 38 導体回路 40 導体層 44 層間樹脂絶縁層 46 導体回路 48 ビアホール 50 誘電体層 52 ソルダーレジスト層 54 ニッケルめっき層 56 金めっき層 58 はんだバンプ 60 粗化層 63 層間樹脂絶縁層 64 粗化層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5E001 AB01 AC04 AC09 AC10 AE00 AE01 AE02 AE03 AH00 AH01 AH03 AH05 AH07 AH08 AJ01 AJ02 5E346 AA42 AA43 CC08 CC09 CC10 CC21 DD15 DD16 DD17 DD22 DD23 DD24 EE19 EE38 EE39 FF07 FF09 FF10 FF13 FF24 FF45 GG15 GG17 GG22 GG27 GG28 HH07 HH31

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁
    層とが交互に積層され、その導体回路間が、層間樹脂絶
    縁層に形成されたビアホールによって接続されたビルド
    アップ配線層を有する多層プリント配線板において、 上記層間樹脂絶縁層または絶縁基板に形成された開口
    に、高誘電性材料を含んだ誘電体が充填された誘電体層
    が形成されていることを特徴とする多層プリント配線
    板。
  2. 【請求項2】 上記誘電体層は、ビアホールを形成する
    開口のうち、少なくともその一部の開口に充填されてな
    ることを特徴とする請求項1に記載の多層プリント配線
    板。
  3. 【請求項3】 上記誘電体層は、絶縁基板に形成された
    貫通孔のうち、少なくともその一部の貫通孔内に充填さ
    れてなることを特徴とする請求項1に記載の多層プリン
    ト配線板。
  4. 【請求項4】 上記誘電体層は、チタン酸塩、ペロブス
    カイト化合物、または少なくともそれらのいずれかとエ
    ポキシ、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリイミド
    等の有機材料との混合体から形成されることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の多層プリント配線
    板。
  5. 【請求項5】 絶縁基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁
    層とが交互に積層され、その導体回路間がビアホールに
    て接続されたビルドアップ配線層を有する多層プリント
    配線板の製造に当たって、その製造工程中に、少なくと
    も下記〜の工程、すなわち、 上記層間樹脂絶縁層上に導体回路を形成する工程、 その導体回路を被覆する他の層間樹脂絶縁層を形成す
    る工程、 前記他の層間樹脂絶縁層の表面から上記導体回路に達
    する開口を多数形成し、その開口の少なくとも一部の開
    口内に、高誘電性材料を含む誘電性物質を充填して誘電
    体層を形成する工程、 上記層間樹脂絶縁層の表面に、上記誘電性物質の開口
    からの露出部分を被覆する他の導体回路を形成する工
    程、を含むことを特徴とする多層プリント配線板の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 絶縁基板上に、導体回路と層間樹脂絶縁
    層とが交互に積層され、その導体回路間がビアホールに
    て接続されたビルドアップ配線層を有する多層プリント
    配線板の製造に当たって、その製造工程中に、少なくと
    も下記〜の工程、すなわち、 上記絶縁基板に多数のスルーホール用貫通孔を形成す
    る工程、 その貫通孔の少なくとも一部の貫通孔内に、高誘電性
    材料を含む誘電性物質を充填して誘電体層を形成する工
    程、 上記絶縁基板上に、上記誘電性物質のスルーホール用
    貫通孔からの露出部分を被覆する導体回路を形成する工
    程、 その導体回路を被覆する層間樹脂絶縁層を含んだビル
    ドアップ配線層を形成する工程、を含むことを特徴とす
    る多層プリント配線板の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記誘電体層は、チタン酸塩、ペロブス
    カイト化合物、または少なくともそれらのいずれかとエ
    ポキシ、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリイミド
    等の有機材料との混合体から形成されることを特徴とす
    る請求項5または6に記載の多層プリント配線板の製造
    方法。
  8. 【請求項8】上記誘電体層は、スパッタ法、蒸着法、C
    VD法、印刷法、ロールコータを用いた方法、スピンコ
    ータを用いた方法、またはカーテンコータを用いた方法
    のいずれかの方法で形成されることを特徴とする請求項
    5〜7のいずれかに記載の多層プリント配線板の製造方
    法。
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