JP2001156454A - 多層セラミック基板およびその製造方法 - Google Patents

多層セラミック基板およびその製造方法

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JP2001156454A
JP2001156454A JP33375599A JP33375599A JP2001156454A JP 2001156454 A JP2001156454 A JP 2001156454A JP 33375599 A JP33375599 A JP 33375599A JP 33375599 A JP33375599 A JP 33375599A JP 2001156454 A JP2001156454 A JP 2001156454A
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ceramic
shrinkage
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green sheet
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Kimihide Sugo
公英 須郷
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Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安定した特性をもって、コンデンサ素子やイ
ンダクタ素子を内蔵する多層セラミック基板を製造でき
るようにする。 【解決手段】 第1のセラミック機能材料を含む複数の
基体用グリーンシート2aと、第1のセラミック機能材
料の焼結温度では焼結しない収縮抑制用セラミック材料
を含む収縮抑制用グリーンシート3a,11aとを備
え、内部に設けられたキャビティ4内に、第1のセラミ
ック機能材料の焼結温度で焼結するが第1のセラミック
機能材料とは異なる誘電体等の第2のセラミック機能材
料をもって構成された生の機能素子5aが収納され、か
つ生の機能素子5aを挟むように収縮抑制用グリーンシ
ート3a,11aが配置されている、生の複合積層体1
aを作製し、これを焼成することによって、多層セラミ
ック基板を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、焼成工程におい
て平面方向の収縮を実質的に生じさせないようにするこ
とができる、いわゆる無収縮プロセスを適用して製造さ
れる、多層セラミック基板およびその製造方法に関する
もので、特に、内部にブロック状の機能素子を内蔵した
構造を有する多層セラミック基板およびその製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】多層セラミック基板をより多機能化、高
密度化、高性能化するためには、このような多層セラミ
ック基板において、たとえばコンデンサ素子やインダク
タ素子のような機能素子を内蔵しながら、高密度に配線
を施すことが有効である。
【0003】上述したような機能素子を内蔵した構造を
得るため、従来、典型的には、次のような方法が採用さ
れている。
【0004】すなわち、いわゆる厚膜法によるもので、
基体用グリーンシートに誘電体ペーストおよび/または
磁性体ペースト等を厚膜形成技術により印刷した後、各
基体用グリーンシートを積層しプレスし、次いで焼成す
ることにより、多層セラミック基板の内部に部分的にコ
ンデンサおよび/またはインダクタ等の機能素子を内蔵
する方法である。
【0005】この方法の場合、基体用グリーンシートは
絶縁体セラミック材料を含み、誘電体ペースト膜は誘電
体セラミック材料を含み、磁性体ペースト膜は磁性体セ
ラミック材料を含んでいる。このように互いに異なるセ
ラミック材料を含むグリーンシートおよびペースト膜
は、焼成工程において、膨張および収縮等に関して互い
に異なる挙動を示すのが一般的であるが、それにも関わ
らず、上述のように、基体用グリーンシートと誘電体ペ
ースト膜および/または磁性体ペースト膜とを互いに接
した状態で同時に焼成することを可能にするため、これ
ら基体用グリーンシート、誘電体ペースト膜および磁性
体ペースト膜には、ガラス成分を含ませることが行なわ
れている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
方法には、次のような問題がある。
【0007】 ペーストの膜厚のばらつきや印刷の位
置ずれが比較的生じやすいため、機能素子がコンデンサ
である場合には容量値、またはインダクタである場合に
はインダクタンス値等の特性のばらつきも比較的大きく
なる傾向がある。
【0008】 焼成工程において、基体用グリーンシ
ートに含まれるガラス成分と誘電体ペースト膜および/
または磁性体ペースト膜に含まれるガラス成分とが相互
に拡散することは避け難い。その結果、焼成後の多層セ
ラミック基板において、基体用グリーンシートに由来す
るセラミック層ならびに誘電体ペースト膜および/また
は磁性体ペースト膜に由来する機能素子の各々がもたら
す特性が安定しないという問題に遭遇する。特に、機能
素子にあっては、誘電体ペースト膜および磁性体ペース
ト膜の厚みが、基体用グリーンシートの厚みに比べて薄
いので、上述したガラス成分の拡散の影響を大きく受け
やすい。
【0009】 プレスや焼成工程で、ペーストの変形
が起こるため、このことも容量等の特性のばらつきの原
因となる。
【0010】 印刷および積層を繰り返すに従って、
印刷部の平面性がより悪くなり、積層数を増やすことが
困難であるため、コンデンサにあっては容量を大きくす
ることが難しい。
【0011】そこで、この発明の目的は、上述したよう
な問題を解決し得る、多層セラミック基板およびその製
造方法を提供しようとすることである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る多層セラ
ミック基板の製造方法では、上述した技術的課題を解決
するため、第1のセラミック機能材料と、この第1のセ
ラミック機能材料の焼結温度で焼結するが第1のセラミ
ック機能材料とは異なる第2のセラミック機能材料と、
第1のセラミック機能材料の焼結温度では焼結しない収
縮抑制用セラミック材料とがそれぞれ用意される。
【0013】そして、第2のセラミック機能材料をもっ
て構成された、生の機能素子が作製される。
【0014】次いで、第1のセラミック機能材料を含
む、複数の基体用グリーンシートと、これら基体用グリ
ーンシートの特定のものに接するように配置され、かつ
収縮抑制用セラミック材料を含む、収縮抑制用グリーン
シートとを備えるとともに、少なくとも基体用グリーン
シートの特定のものには、キャビティが設けられ、この
キャビティ内には、前述の生の機能素子が収納され、か
つこの生の機能素子を挟むように収縮抑制用グリーンシ
ートが配置されている、生の複合積層体が作製される。
【0015】そして、この生の複合積層体が焼成され
る。この焼成工程において、収縮抑制用グリーンシート
によって基体用グリーンシートの主面方向での収縮およ
び生の機能素子の主面方向での収縮が抑制されながら、
基体用グリーンシートに含まれる第1のセラミック機能
材料および生の機能素子に含まれる第2のセラミック機
能材料が焼結される。
【0016】前述したように、生の機能素子を挟むよう
に配置されている少なくとも一方の収縮抑制用グリーン
シートは、生の機能素子を作製する工程において付与さ
れても、生の複合積層体を作製する工程において付与さ
れてもよい。
【0017】また、生の機能素子は、第2のセラミック
機能材料を含む複数の素子用グリーンシートを積層した
構造を有することが好ましい。この場合、生の機能素子
は、収縮抑制用セラミック材料を含む第2の収縮抑制用
グリーンシートをさらに備え、この第2の収縮抑制用グ
リーンシートは、複数の素子用グリーンシートの間の特
定の界面に沿って配置されてもよい。
【0018】また、上述した生の複合積層体を作製する
工程には、種々の実施態様があり得るが、ある典型的な
好ましい実施態様では、複数の基体用グリーンシートを
用意する工程と、少なくとも基体用グリーンシートの特
定のものにキャビティを形成する工程と、このキャビテ
ィ内に生の機能素子を挿入する工程と、複数の基体用グ
リーンシートおよび収縮抑制用グリーンシートを積み重
ねる工程とが実施される。
【0019】また、キャビティは、基体用グリーンシー
トおよび収縮抑制用グリーンシートの双方を貫通するよ
うに形成されてもよい。
【0020】また、この発明に係る製造方法によって製
造された多層セラミック基板において、収縮抑制用グリ
ーンシートから得られる収縮抑制層は、そのまま、多層
セラミック基板の構成要素として残されてもよいが、生
の複合積層体が、その外方に向く少なくとも一方の主面
上に収縮抑制用グリーンシートを形成している場合に
は、焼成工程の後、この主面上の収縮抑制用グリーンシ
ートから得られる収縮抑制層を除去するようにしてもよ
い。
【0021】この発明において、たとえば、第1のセラ
ミック機能材料は、絶縁体であり、第2のセラミック機
能材料は、誘電体または磁性体である。この場合、機能
素子によって、コンデンサ素子またはインダクタ素子を
与えることができる。
【0022】この発明は、また、以上のような製造方法
によって得られた、多層セラミック基板にも向けられ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の一実施形態に
よる製造方法によって製造された多層セラミック基板1
を図解的に示す断面図である。
【0024】多層セラミック基板1は、たとえば絶縁体
セラミック材料のような第1のセラミック機能材料を含
む、複数の基体用セラミック層2を備えている。第1の
セラミック機能材料は、後述する理由から、比較的低温
で焼結可能であることが好ましく、そのため、たとえ
ば、結晶化ガラス、またはガラスとセラミックとの混合
物をもって構成される。一例として、第1のセラミック
機能材料は、BaO−Al2 3 −SiO2 系低温焼結
セラミック材料から構成される。
【0025】多層セラミック基板1は、また、上述の基
体用セラミック層2の特定のものに接するように配置さ
れ、第1のセラミック機能材料の焼結温度では焼結しな
い収縮抑制用セラミック材料を含み、かつ、焼成の結
果、基体用セラミック層2に含まれる材料の一部が浸透
している、収縮抑制層3を備えている。上述した第1の
セラミック機能材料が、たとえば1000℃以下の温度
で焼結され得るものである場合には、収縮抑制用セラミ
ック材料として、たとえばアルミナまたはジルコニアが
用いられる。
【0026】この実施形態では、上述した基体用セラミ
ック層2と収縮抑制層3とは交互に配置されている。な
お、図1においては、各基体用セラミック層2および各
収縮抑制層3は、それぞれ、1つの層として図示されて
いるが、これら基体用セラミック層2および収縮抑制層
3の各々は、複数の層からなる積層構造を有していて、
その積層数に応じて必要な厚みが与えられるようにして
もよい。
【0027】上述した基体用セラミック層2の特定のも
のには、キャビティ4が設けられている。この実施形態
では、キャビティ4は、基体用セラミック層2だけでな
く、特定の収縮抑制層3をも貫通するように設けられて
いる。
【0028】キャビティ4内には、たとえばコンデンサ
素子を構成する機能素子5が収納されている。機能素子
5は、前述の第1のセラミック機能材料の焼結温度で焼
結するが第1のセラミック機能材料とは異なる第2のセ
ラミック機能材料をもって構成される。
【0029】第2のセラミック機能材料としては、機能
素子5がコンデンサ素子を構成する場合には、誘電体セ
ラミック材料が用いられ、一例として、BaTiO3
ホウケイ酸ガラス系低温焼結誘電体セラミック材料が用
いられる。他方、機能素子5がインダクタ素子を構成す
る場合には、第2のセラミック機能材料として、磁性体
セラミック材料が用いられ、一例として、Mn−Zn−
フェライト−ホウケイ酸ガラス系低温焼結磁性体セラミ
ック材料が用いられる。
【0030】機能素子5は、上述した第2のセラミック
機能材料を含む複数の素子用セラミック層6を積層した
構造を有している。
【0031】図示した機能素子5は、積層コンデンサを
構成している。そのため、各素子用セラミック層6を介
して互いに対向するように、複数対の第1および第2の
コンデンサ電極7および8が形成されている。第1のコ
ンデンサ電極7は、第1の素子用ビアホール導体9によ
って、互いに電気的に接続されながら機能素子5の外部
へ導き出される。他方、第2のコンデンサ電極8は、第
2の素子用ビアホール導体10によって、互いに電気的
に接続されながら機能素子5の外部へ導き出される。
【0032】なお、機能素子5がインダクタ素子を構成
する場合には、たとえば、各素子用セラミック層6の主
面に沿ってインダクタ導体が形成され、これらインダク
タ導体が、コイル状に延びるように、ビアホール導体等
によって互いに電気的に接続される。
【0033】この実施形態の特徴的構成として、機能素
子5は、収縮抑制層によって挟まれている。機能素子5
を挟むように配置されている下方の収縮抑制層3(A)
は、前述した複数の収縮抑制層3のうちの1つによって
与えられる。また、機能素子5を挟むように配置されて
いる上方の収縮抑制層11は、機能素子5側の構成要素
として与えられている。
【0034】なお、収縮抑制層11も、第1のセラミッ
ク機能材料の焼結温度では焼結しない収縮抑制用セラミ
ック材料を含むものであるが、この収縮抑制層11に含
まれる収縮抑制用セラミック材料は、前述した収縮抑制
層3に含まれる収縮抑制用セラミック材料と同じであっ
ても、異なっていてもよい。
【0035】多層セラミック基板1は、前述したコンデ
ンサ電極7および8ならびに素子用ビアホール導体9お
よび10以外に、種々の配線導体を備えている。このよ
うな配線導体として、たとえば、外部導体膜12、1
3、14および15、内部導体膜16、17、18およ
び19、ならびにビアホール導体20、21、22、2
3、24および25が図示されている。
【0036】このような多層セラミック基板1を製造す
るため、前述した第1のセラミック機能材料と、第2の
セラミック機能材料と、収縮抑制用セラミック材料とが
それぞれ用意される。
【0037】そして、図2に分解して示すように、焼成
することによって多層セラミック基板1となる生の複合
積層体1aが作製される。
【0038】より詳細には、まず、焼成することによっ
て機能素子5となる生の機能素子5aが作製される。生
の機能素子5aは、たとえば、第2のセラミック機能材
料を含む複数の素子用グリーンシート6aを用意し、こ
れら素子用グリーンシート6aの特定のものに対して、
コンデンサ電極7および8となるべき導電性ペーストを
印刷等により付与し、また、素子用グリーンシート6a
の特定のものに対して素子用ビアホール導体9および1
0のための貫通孔を設けかつ導電性ペーストを印刷等に
より付与し、特定の素子用グリーンシート6a上に収縮
抑制用セラミック材料を含むセラミックスラリーを付与
することによって収縮抑制用グリーンシート11aを形
成し、この収縮抑制用グリーンシート11aが形成され
た素子用グリーンシート6aに素子用ビアホール導体9
のための貫通孔を設けかつ導電性ペーストを印刷等によ
り付与し、次いで、これら素子用グリーンシート6aを
図2に示すように積み重ね、プレスする、各工程を実施
することによって作製することができる。
【0039】他方、第1のセラミック機能材料を含む、
複数の基体用グリーンシート2aが用意される。これら
基体用グリーンシート2aの特定のものの上には、収縮
抑制用セラミック材料を含むスラリーが付与されること
によって、収縮抑制用グリーンシート3aが形成され
る。
【0040】また、上述のように収縮抑制用グリーンシ
ート3aが形成された基体用グリーンシート2aの特定
のものに、キャビティ4となるべき貫通孔が設けられ
る。
【0041】また、基体用グリーンシート2a上または
収縮抑制用グリーンシート3a上に、外部導体膜12〜
15ならびに内部導体膜16〜19を形成するため、導
電性ペーストが印刷等により付与される。
【0042】また、基体用グリーンシート2aおよび必
要に応じて収縮抑制用グリーンシート3aには、ビアホ
ール導体20〜25のための貫通孔が設けられかつ導電
性ペーストが印刷等により付与される。
【0043】そして、上述した複数の基体用グリーンシ
ート2aは、図2に示すように、積み重ねられ、また、
キャビティ4内に生の機能素子5aが挿入され、次い
で、プレスされることによって、図2に示すような生の
複合積層体1aが得られる。このように生の機能素子5
aが内蔵された生の複合積層体1aにおいて、ビアホー
ル導体22はビアホール導体9と接続され、かつビアホ
ール導体23はビアホール導体10と接続された状態と
なっている。
【0044】このようにして作製された生の複合積層体
1aは、次いで焼成される。
【0045】この焼成工程において、基体用グリーンシ
ート2aの主面方向での収縮および生の機能素子5aの
主面方向での収縮は、収縮抑制用グリーンシート3aお
よび11aによって抑制されながら、基体用グリーンシ
ート2aに含まれる第1のセラミック機能材料および生
の機能素子5aに含まれる第2のセラミック機能材料が
それぞれ焼結し、図1に示す基体用セラミック層2およ
び機能素子5が形成される。
【0046】また、収縮抑制用グリーンシート3aおよ
び11aによって、図1に示す収縮抑制層3および11
がもたらされ、これら収縮抑制層3および11において
は、収縮抑制用セラミック材料に、基体用グリーンシー
ト2aおよび/または素子用グリーンシート6aに含ま
れていた材料の一部が浸透する。
【0047】また、上述した焼成工程において注目すべ
きことは、生の機能素子5aを挟むように収縮抑制用グ
リーンシート3aおよび11aが配置されているので、
基体用グリーンシート2aと生の機能素子5aとの間
で、それぞれに含まれるガラス成分が相互に拡散するこ
とが防止されるということである。したがって、得られ
た多層セラミック基板1において、基体用セラミック層
2および機能素子5の各々の特性を安定したものとする
ことができる。
【0048】なお、生の複合積層体1aが、これから複
数の多層セラミック基板1を取り出すためのものである
場合には、上述した焼成工程の前に、生の複合積層体1
aをカットして分割する工程が実施される。
【0049】以上説明した実施形態では、生の機能素子
5aを挟むように配置されている一方の収縮抑制用グリ
ーンシート11aは、生の機能素子5aを作製する工程
において付与され、他方の収縮抑制用グリーンシート3
aは、生の複合積層体1aを作製する工程において付与
されたものである。このような実施形態に代えて、次の
ような実施形態を採用してもよい。
【0050】すなわち、生の機能素子5aを挟むように
配置される両方の収縮抑制用グリーンシートが、生の機
能素子5aを作製する工程において付与されてもよい。
また、これに代えて、これら両方の収縮抑制用グリーン
シートが、生の複合積層体1aを作製する工程において
付与されてもよい。
【0051】前述したように、焼成工程において、生の
機能素子5aの主面方向での収縮は、これを挟むように
位置する収縮抑制用グリーンシート11aおよび3aに
よって抑制されるが、このような収縮抑制作用をより確
実に働かせるようにするため、図3に示すような構造を
有する生の機能素子26が採用されてもよい。
【0052】図3において、図2に示した要素に相当す
る要素には同様の参照符号を付し、重複する説明は省略
する。
【0053】図3を参照して、生の機能素子26は、収
縮抑制用セラミック材料を含む第2の収縮抑制用グリー
ンシート27をさらに備えている。これら第2の収縮抑
制用グリーンシート27は、素子用グリーンシート6a
の間の界面に沿って配置される。
【0054】図4は、この発明のさらに他の実施形態に
よる製造方法を適用して得られた生の複合積層体28を
図解的に示す断面図である。図4において、図2に示す
要素に相当にする要素には同様の参照符号を付し、重複
する説明は省略する。
【0055】図4を参照して、生の複合積層体28が、
図2に示した生の複合積層体1aと異なる点について説
明すると、まず、複数の基体用グリーンシート2aの間
の界面に沿って収縮抑制用グリーンシートが形成されて
いない。その代わりに、生の複合積層体28の外方に向
く各主面上に、収縮抑制用グリーンシート29および3
0が形成されている。
【0056】また、生の複合積層体28において内蔵さ
れる生の機能素子31は、この生の機能素子31を作製
する工程において付与された収縮抑制用グリーンシート
32および33を備えており、これら収縮抑制用グリー
ンシート32および33によって生の機能素子31が挟
まれている。
【0057】このような生の複合積層体28によれば、
これを焼成した後、収縮抑制用グリーンシート29およ
び30から得られる収縮抑制層が除去される。したがっ
て、この生の複合積層体28から得られた多層セラミッ
ク基板においては、収縮抑制用グリーンシート29およ
び30に由来する収縮抑制層が存在しない。
【0058】なお、図4に示した実施形態の変形例とし
て、後で除去される収縮抑制用グリーンシート32およ
び33に加えて、得られた多層セラミック基板において
収縮抑制層として残る収縮抑制用グリーンシートが、複
数の基体用グリーンシート2aの間の界面に沿って形成
されていてもよい。
【0059】以上、この発明を、図示したいくつかの実
施形態に関連して説明したが、この発明の範囲内におい
て、その他、いくつかの変形例が可能である。
【0060】たとえば、図示した多層セラミック基板1
または生の複合積層体1aもしくは28の断面構造は一
例に過ぎず、たとえば、キャビティ4の位置、数、形状
等について、また、外部導体膜、内部導体膜およびビア
ホール導体等の配線導体の位置、数、形状等について、
適宜変更することができる。このキャビティに関して言
えば、たとえば多層セラミック基板の外表面上に開口を
有する凹部として形成されてもよい。
【0061】
【発明の効果】以上のように、この発明に係る多層セラ
ミック基板の製造方法によれば、生の複合積層体におい
ては、複数の基体用グリーンシートの特定のものに接す
るように収縮抑制用グリーンシートが配置され、また、
生の機能素子を挟むように収縮抑制用グリーンシートが
配置されているので、焼成工程において、収縮抑制用グ
リーンシートによって基体用グリーンシートの主面方向
での収縮および生の機能素子の主面方向での収縮が抑制
されるので、配線導体等に関して高い寸法精度を維持す
ることができるばかりでなく、生の機能素子を挟む収縮
抑制用グリーンシートによって、生の機能素子および基
体用グリーンシートの各々に含まれる成分の相互拡散が
抑制されるので、多層セラミック基板に内蔵される機能
素子の特性および多層セラミック基板全体としての特性
をそれぞれ安定させながら、多層セラミック基板を製造
することができる。
【0062】また、この発明に係る製造方法によって得
られた多層セラミック基板によれば、キャビティ内に機
能素子が収納された状態となっているので、多層セラミ
ック基板の使用段階においても、機能素子の特性の安定
化を図ることができる。
【0063】この発明において、基体用グリーンシート
に含まれる第1のセラミック機能材料が絶縁体であり、
生の機能素子に含まれる第2のセラミック機能材料が誘
電体または磁性体であるとき、機能素子によって、コン
デンサ素子またはインダクタ素子を与えることが可能と
なる。
【0064】また、上述の生の機能素子が、第2のセラ
ミック機能材料を含む複数の素子用グリーンシートを積
層した構造を有していると、たとえばコンデンサにおけ
る大容量化等といった高性能化を機能素子において実現
することが容易である。
【0065】また、生の機能素子が、複数の素子用グリ
ーンシートの間の特定の界面に沿って配置される第2の
収縮抑制用グリーンシートを備えていると、焼成工程に
おける生の機能素子の収縮を抑制することを、この第2
の収縮抑制用グリーンシートによってより確実に達成す
ることができる。
【0066】また、この発明において、キャビティが、
基体用グリーンシートおよび収縮抑制用グリーンシート
の双方を貫通するように形成されると、キャビティの積
層方向での寸法を大きくすることができるとともに、収
縮抑制用グリーンシートを基体用グリーンシート上に形
成した後で、キャビティのための貫通孔を形成すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態による製造方法によって
得られた多層セラミック基板1を図解的に示す断面図で
ある。
【図2】図1に示した多層セラミック基盤1を製造する
ために作製される生の複合積層体1aを分解して示す断
面図である。
【図3】この発明の他の実施形態を説明するためのもの
で、図2に示した生の機能素子5aに代えて用いられる
生の機能素子26を図解的に示す断面図である。
【図4】この発明のさらに他の実施形態による製造方法
において作製される生の複合積層体28を図解的に示す
断面図である。
【符号の説明】
1 多層セラミック基板 4 キャビティ 5 機能素子 1a,28 生の複合積層体 2a 基体用グリーンシート 3a,11a,27,29,30,32,33 収縮抑
制用グリーンシート 5a,26,31 生の機能素子 6a 素子用グリーンシート
フロントページの続き Fターム(参考) 4G030 AA10 AA25 AA27 AA32 AA35 AA36 AA37 BA01 BA02 BA09 CA07 GA23 5E346 AA12 AA13 AA15 AA24 AA38 AA60 BB01 CC17 CC21 DD02 DD07 DD13 DD34 EE24 EE29 FF18 FF45 GG03 GG08 GG09 HH11 HH21

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1のセラミック機能材料と、前記第1
    のセラミック機能材料の焼結温度で焼結するが前記第1
    のセラミック機能材料とは異なる第2のセラミック機能
    材料と、前記第1のセラミック機能材料の焼結温度では
    焼結しない収縮抑制用セラミック材料とをそれぞれ用意
    する工程と、 前記第2のセラミック機能材料をもって構成された、生
    の機能素子を作製する工程と、 前記第1のセラミック機能材料を含む、複数の基体用グ
    リーンシートと、前記基体用グリーンシートの特定のも
    のに接するように配置され、かつ前記収縮抑制用セラミ
    ック材料を含む、収縮抑制用グリーンシートとを備える
    とともに、少なくとも前記基体用グリーンシートの特定
    のものには、キャビティが設けられ、前記キャビティ内
    には、前記生の機能素子が収納され、かつ前記生の機能
    素子を挟むように前記収縮抑制用グリーンシートが配置
    されている、生の複合積層体を作製する工程と、 前記生の複合積層体を焼成する工程とを備え、 前記焼成工程において、前記収縮抑制用グリーンシート
    によって前記基体用グリーンシートの主面方向での収縮
    および前記生の機能素子の主面方向での収縮を抑制しな
    がら、前記基体用グリーンシートに含まれる前記第1の
    セラミック機能材料および前記生の機能素子に含まれる
    前記第2のセラミック機能材料を焼結させる、多層セラ
    ミック基板の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記生の機能素子を挟むように配置され
    ている少なくとも一方の前記収縮抑制用グリーンシート
    は、前記生の機能素子を作製する工程において付与され
    る、請求項1に記載の多層セラミック基板の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記生の機能素子を挟むように配置され
    ている少なくとも一方の前記収縮抑制用グリーンシート
    は、前記生の複合積層体を作製する工程において付与さ
    れる、請求項1または2に記載の多層セラミック基板の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 前記生の機能素子は、前記第2のセラミ
    ック機能材料を含む複数の素子用グリーンシートを積層
    した構造を有する、請求項1ないし3のいずれかに記載
    の多層セラミック基板の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記生の機能素子は、前記収縮抑制用セ
    ラミック材料を含む第2の収縮抑制用グリーンシートを
    さらに備え、前記第2の収縮抑制用グリーンシートは、
    複数の前記素子用グリーンシートの間の特定の界面に沿
    って配置される、請求項4に記載の多層セラミック基板
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記生の複合積層体を作製する工程は、
    複数の前記基体用グリーンシートを用意する工程と、少
    なくとも前記基体用グリーンシートの特定のものに前記
    キャビティを形成する工程と、前記キャビティ内に前記
    生の機能素子を挿入する工程と、複数の前記基体用グリ
    ーンシートおよび前記収縮抑制用グリーンシートを積み
    重ねる工程とを備える、請求項1ないし5のいずれかに
    記載の多層セラミック基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記キャビティは、前記基体用グリーン
    シートおよび前記収縮抑制用グリーンシートの双方を貫
    通するように形成される、請求項1ないし6のいずれか
    に記載の多層セラミック基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記生の複合積層体は、その外方に向く
    少なくとも一方の主面上に前記収縮抑制用グリーンシー
    トを形成しており、前記焼成工程の後、前記主面上の前
    記収縮抑制用グリーンシートから得られる収縮抑制層を
    除去する工程をさらに備える、請求項1ないし7のいず
    れかに記載の多層セラミック基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記第1のセラミック機能材料は、絶縁
    体であり、前記第2のセラミック機能材料は、誘電体ま
    たは磁性体である、請求項1ないし8のいずれかに記載
    の多層セラミック基板の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記生の機能素子は、前記焼成工程の
    後、コンデンサ素子またはインダクタ素子を構成する、
    請求項9に記載の多層セラミック基板の製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし10のいずれかに記載
    の製造方法によって得られた、多層セラミック基板。
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