JP2001155866A - エレクトロルミネセントディスプレイ - Google Patents

エレクトロルミネセントディスプレイ

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JP2001155866A
JP2001155866A JP33258499A JP33258499A JP2001155866A JP 2001155866 A JP2001155866 A JP 2001155866A JP 33258499 A JP33258499 A JP 33258499A JP 33258499 A JP33258499 A JP 33258499A JP 2001155866 A JP2001155866 A JP 2001155866A
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Japan
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optically anisotropic
plate
liquid crystal
anisotropic layer
electroluminescent display
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Withdrawn
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JP33258499A
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English (en)
Inventor
Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
Ken Kawada
憲 河田
Kohei Arakawa
公平 荒川
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K59/00Integrated devices, or assemblies of multiple devices, comprising at least one organic light-emitting element covered by group H10K50/00
    • H10K59/80Constructional details
    • H10K59/8791Arrangements for improving contrast, e.g. preventing reflection of ambient light

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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 背景の映り込みが防止され、厚みが薄いエレ
クトロルミネセントディスプレイを得る。 【解決手段】 光反射電極、発光層、透明電極、そして
λ/4板と直線偏光膜とからなる円偏光板がこの順に積
層されているエレクトロルミネセントディスプレイにお
いて、λ/4板として、光学異方性層Aと光学異方性層
Bとを積層し、光学異方性層AおよびBの一方を液晶性
分子から形成し、他方を液晶性分子から形成するかポリ
マーフイルムを用い、そして、波長480nm、550
nmおよび630nmで測定したレターデーション値/
波長の値がいずれも0.2乃至0.3の範囲内にある広
帯域λ/4板を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、λ/4板および直線偏
光膜からなる円偏光板を発光面側に備えたエレクトロル
ミネセントディスプレイに関する。
【0002】
【従来の技術】平面ディスプレイとして、光反射性の背
面電極、発光層、そして透明電極からなるエレクトロル
ミネセントディスプレイが提案されている。各種ディス
プレイには、背景が映り込むことで画像の視認性が低下
する問題がある。エレクトロルミネセントディスプレイ
は光反射性の背面電極を使用しているため、背景が映り
込みが特に深刻な問題である。そのため、エレクトロル
ミネセントディスプレイでは、屈折率による(低屈折率
層を用いる)通常の反射防止膜ではなく、より強力な反
射防止手段を使用することが提案されている。
【0003】国際特許出願WO96/34514号明細
書には、様々な反射防止手段を設けた有機エレクトロル
ミネセントディスプレイが開示されている。反射防止手
段の一つとして、λ/4板と偏光板(直線偏光膜)とを
積層した円偏光板が記載されている。特開平9−127
885号公報には、光出射面に円偏光手段が設けられて
いる発光素子(主に有機エレクトロルミネセントディス
プレイ)が開示されている。円偏光手段は、具体的には
λ/4板と直線偏光膜とが積層されている。λ/4板と
しては、具体的には二枚のポリマーフイルムを積層して
広い波長領域で(広帯域)λ/4を達成している。な
お、二枚のポリマーフイルムを積層する広帯域λ/4板
については、特開平5−27118号、同5−2711
9号、同10−68816号、同10−90521号の
各公報にも記載がある。特開平11−45058号公報
には、波長補正板(λ/4板)、平面型直線偏光ビーム
スプリッタ(反射偏光板)および偏光板(直線偏光膜)
からなる反射防止手段を備えた表示装置(主に有機エレ
クトロルミネセントディスプレイ)が開示されている。
円偏光板を用いる反射防止手段は、反射防止機能は強力
であるが、発光層が発光した光の半分しか表側に出射さ
れない。平面型直線偏光ビームスプリッタ(反射偏光
板)は、発光した光の全てを表側に出射させる機能を有
する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】円偏光板を反射防止手
段として備えたエレクトロルミネセントディスプレイで
は、円偏光板を構成するλ/4板の性能が非常に重要で
ある。従来のλ/4板は、「λ/4板」と称していて
も、ある特定波長でλ/4を達成しているものが大部分
であった。λ/4を達成できる波長領域が狭いと、充分
な反射防止機能を得ることができない。特開平5−27
118号、同5−27119号、同9−127885
号、同10−68816号、同10−90521号の各
公報に、二枚のポリマーフイルムを積層して広い波長領
域で(広帯域)λ/4を達成できる位相差板が開示され
ている。しかし、二枚のポリマーフイルムを積層する
と、λ/4板が厚くなり、エレクトロルミネセントディ
スプレイの薄型との長所が低下する。本発明の目的は、
背景の映り込みが防止され、厚みが薄いエレクトロルミ
ネセントディスプレイを提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記
(1)〜(6)のエレクトロルミネセントディスプレイ
により達成された。 (1)光反射電極、発光層、透明電極、そしてλ/4板
と直線偏光膜とからなる円偏光板がこの順に積層されて
いるエレクトロルミネセントディスプレイであって、λ
/4板が、光学異方性層Aと光学異方性層Bとからな
り、光学異方性層AおよびBの一方が液晶性分子から形
成された層であり、他方が液晶性分子から形成された層
またはポリマーフイルムであり、そして、波長480n
m、550nmおよび630nmで測定したレターデー
ション値/波長の値がいずれも0.2乃至0.3の範囲
内にある広帯域λ/4板であることを特徴とするエレク
トロルミネセントディスプレイ。 (2)光学異方性層AおよびBの少なくとも一方が、デ
ィスコティック液晶性分子から形成された層である
(1)に記載のエレクトロルミネセントディスプレイ。 (3)光学異方性層AおよびBの少なくとも一方が、棒
状液晶性分子から形成された層である(1)に記載のエ
レクトロルミネセントディスプレイ。 (4)光学異方性層AおよびBの一方が、ディスコティ
ック液晶性分子から形成された層であり、他方が棒状液
晶性分子から形成された層である(1)に記載のエレク
トロルミネセントディスプレイ。 (5)λ/4板の厚さが、500nm乃至20μmであ
る(1)に記載のエレクトロルミネセントディスプレ
イ。 (6)λ/4板と直線偏光膜との間に反射偏光板を有す
る(1)に記載のエレクトロルミネセントディスプレ
イ。
【0006】
【発明の効果】本発明者の研究の結果、λ/4板に二つ
の光学異方性層AおよびBを用い、AおよびBの少なく
とも一方を液晶性分子から形成することにより、エレク
トロルミネセントディスプレイの反射防止手段として適
した円偏光板が得られることが判明した。二つの光学異
方性層AおよびBを用いることで、広帯域λ/4板が得
られる。広帯域λ/4板から円偏光板を製造して反射防
止手段として用いると、エレクトロルミネセントディス
プレイへの背景の映り込みを有効に防止することができ
る。二つの光学異方性層AおよびBの少なくとも一方を
を液晶性分子から形成すると、二枚のポリマーフイルム
を積層する場合よりも薄いλ/4板が得られる。これに
より、エレクトロルミネセントディスプレイへの使用に
適する、軽量で薄型の円偏光板が得られた。また、光学
異方性層を液晶性分子から形成すると、光学的性質を容
易に調節できる。液晶性分子を含む光学異方性層の光学
的向きは、液晶性分子のラビング方向によって容易に調
節できる。よって、従来の技術のようにフイルムをカッ
トしてチップにする必要がない。以上のように本発明に
よれば、背景の映り込みが防止され、厚みが薄いエレク
トロルミネセントディスプレイが得られる。
【0007】
【発明の実施の形態】[光学的性質]円偏光板に使用す
るλ/4板は、広い波長領域でλ/4板として機能す
る。具体的には、波長480nm、550nmおよび6
30nmで測定したレターデーション値(Re)/波長
(λ)の値が、いずれも0.2乃至0.3の範囲内であ
ることを意味する。レターデーション値/波長の値は、
0.21乃至0.29の範囲内であることが好ましく、
0.22乃至0.28の範囲内であることがより好まし
く、0.23乃至0.27の範囲内であることがさらに
好ましく、0.24乃至0.26の範囲内であることが
最も好ましい。レターデーション値(Re)は、光学異
方性層の法線方向から入射した光に対する面内のレター
デーション値を意味する。具体的には、下記式により定
義される値である。 レターデーション値(Re)=(nx−ny)×d 式中、nxおよびnyは光学異方性層の面内の主屈折率
であり、そしてdは光学異方性層の厚み(nm)であ
る。
【0008】二つの光学異方性層AおよびBが積層され
ている広帯域λ/4板は、二種類の態様に分類できる。
第1の態様では、光学異方性層Aの面内の遅相軸と光学
異方性層Bの面内の遅相軸との角度を、75゜乃至10
5゜に設定する。遅相軸間の角度は、80゜乃至100
゜であることが好ましく、85゜乃至95゜であること
がさらに好ましく、87゜乃至93゜であることが最も
好ましい。なお、本明細書において「遅相軸」とは、屈
折率が最大となる方向を意味する。また、遅相軸間の角
度は、同一平面に投影した二つの遅相軸間の角度を意味
する。第1の態様において、光学異方性層AおよびB
が、下記式(1)を満足するレターデーション値を有す
ることが好ましい。 (1)Re550A<Re550B (2)Re480B/Re550B<Re480A/R
e550A 式中、Re480AおよびRe550Aは、それぞれ波
長480nmおよび波長550nmで測定した光学異方
性層Aのレターデーション値であり;そして、Re48
0BおよびRe550Bは、それぞれ波長480nmお
よび波長550nmで測定した光学異方性層Bのレター
デーション値である。
【0009】Re550AおよびRe550Bの値は、
下記式(1a)を満足することが好ましく、下記式(1
b)を満足することがより好ましく、下記式(1c)を
満足することがさらに好ましく、下記式(1d)を満足
することがさらにまた好ましく、下記式(1e)を満足
することが最も好ましい。 (1a)100nm<Re550B−Re550A<1
80nm (1b)120nm<Re550B−Re550A<1
60nm (1c)125nm<Re550B−Re550A<1
50nm (1d)130nm<Re550B−Re550A<1
45nm (1e)135nm<Re550B−Re550A<1
40nm Re480A、Re550A、Re480BおよびRe
550Bの値は、下記式(2a)を満足することが好ま
しく、下記式(2b)を満足することがさらに好まし
い。 (2a)Re450A/Re550A−Re450B/
Re550B>0.08 (2b)Re450A/Re550A−Re450B/
Re550B>0.10
【0010】Re480AおよびRe550Aの値は、
下記式(3a)を満足することが好ましく、下記式(3
b)を満足することがさらに好ましく、下記式(3c)
を満足することが最も好ましい。 (3a)1.30<Re480A/Re550A (3b)1.45<Re480A/Re550A (3c)1.60<Re480A/Re550A Re480BおよびRe550Bの値は、下記式(4
a)を満足することが好ましく、下記式(4b)を満足
することがさらに好ましく、下記式(4c)を満足する
ことが最も好ましい。 (4a)Re480A/Re550A<1.20 (4b)Re480A/Re550A<1.15 (4c)Re480A/Re550A<1.10
【0011】円偏光板に用いる直線偏光膜は、面内に偏
光軸を有する。第1の態様のλ/4板では、偏光軸と光
学異方性層Aの遅相軸との角度を40゜乃至50゜に設
定し、偏光軸と光学異方性層Bの遅相軸との角度も40
゜乃至50゜に設定することが好ましい。偏光軸と光学
異方性層AまたはBの遅相軸との角度は、41゜乃至4
9゜であることが好ましく、42゜乃至48゜であるこ
とがさらに好ましく、43゜乃至47゜であることがさ
らにまた好ましく、44゜乃至46゜であることが最も
好ましい。第1の態様のλ/4板は、さらに透明支持体
を有していてもよい。透明支持体が長尺状の(長手方向
を有する)場合、長手方向と光学異方性層Aの遅相軸と
の角度は、40゜乃至50゜に設定し、長手方向と光学
異方性層Bの遅相軸との角度も40゜乃至50゜に設定
することが好ましい。長手方向と光学異方性層Aまたは
Bの遅相軸との角度は、41゜乃至49゜であることが
好ましく、42゜乃至48゜であることがさらに好まし
く、43゜乃至47゜であることがさらにまた好まし
く、44゜乃至46゜であることが最も好ましい。な
お、長尺状の透明支持体とは、一般にロール状または長
方形のシート状である。ロール状の透明支持体では、長
手方向は巻き取り方向に相当する。長方形の透明支持体
では、長手方向は長方形の長辺の方向に相当する。
【0012】第2の態様では、光学異方性層Aの面内の
遅相軸と光学異方性層Bの面内の遅相軸との角度を、5
0゜乃至70゜に設定する。遅相軸間の角度は、52゜
乃至68゜であることが好ましく、54゜乃至66゜で
あることがさらに好ましく、55゜乃至65゜であるこ
とがさらにまた好ましく、56゜乃至64゜であること
が最も好ましい。第2の態様において、波長550nm
で測定した光学異方性層Aのレターデーション値は、1
50乃至350nmであることが好ましく、210乃至
300nmであることがより好ましく、220乃至29
6nmであることがさらに好ましく、230乃至292
nmであることがさらにまた好ましく、240乃至28
8nmであることがさらにより好ましく、250乃至2
84nmであることが最も好ましい。第2の態様におい
て、波長550nmで測定した光学異方性層Bのレター
デーション値は、60乃至170nmであることが好ま
しく、115乃至150nmであることがより好まし
く、118乃至148nmであることがさらに好まし
く、121乃至146nmであることがさらにまた好ま
しく、122乃至144nmであることがさらにより好
ましく、125乃至142nmであることが最も好まし
い。光学異方性層Aを液晶性分子から形成する場合、光
学異方性層Aににツイスト構造を導入してもよい。ツイ
スト角は3乃至45゜であることが好ましい。
【0013】円偏光板に用いる直線偏光膜は、面内に偏
光軸を有する。第2の態様のλ/4板では、偏光軸と光
学異方性層AおよびBの一方の遅相軸との角度を60゜
乃至80゜に設定し、偏光軸と光学異方性層AおよびB
の他方の遅相軸との角度を10゜乃至30゜に設定する
ことが好ましい。偏光軸と光学異方性層AまたはBの一
方の遅相軸との角度は、64゜乃至79゜であることが
好ましく、68゜乃至78゜であることがさらに好まし
く、72゜乃至77゜であることがさらにまた好まし
く、74゜乃至76゜であることが最も好ましい。偏光
軸と光学異方性層AまたはBの他方の遅相軸との角度
は、11゜乃至26゜であることが好ましく、12゜乃
至22゜であることがさらに好ましく、13゜乃至18
゜であることがさらにまた好ましく、14゜乃至16゜
であることが最も好ましい。第2の態様のλ/4板は、
さらに透明支持体を有していてもよい。透明支持体が長
尺状の(長手方向を有する)場合、長手方向と光学異方
性層AまたはBの一方の遅相軸との角度を60゜乃至8
0゜に設定し、長手方向と光学異方性層AまたはBの他
方の遅相軸との角度を10゜乃至30゜に設定すること
が好ましい。長手方向と光学異方性層AまたはBの一方
の遅相軸との角度は、64゜乃至79゜であることが好
ましく、68゜乃至78゜であることがさらに好まし
く、72゜乃至77゜であることがさらにまた好まし
く、74゜乃至76゜であることが最も好ましい。長手
方向と光学異方性層AまたはBの他方の遅相軸との角度
は、11゜乃至26゜であることが好ましく、12゜乃
至22゜であることがさらに好ましく、13゜乃至18
゜であることがさらにまた好ましく、14゜乃至16゜
であることが最も好ましい。長尺状の透明支持体とその
長手方向については、第1の態様で説明した通りであ
る。
【0014】[円偏光板の構成]図1は、円偏光板に用
いるλ/4板の代表的な態様を示す模式図である。図1
に示すλ/4板は、光学的性質としては前述した第2の
態様に属する。このλ/4板は、ポリマーフイルムから
なる光学異方性層A(A)およびディスコティック液晶
性分子から形成された光学異方性層B(B)を積層した
構成を有する。光学異方性層Aの遅相軸(a)と光学異
方性層Bの遅相軸(b)との同一面内での角度(θ)
は、60゜である。光学異方性層Aは、ポリマーフイル
ムからなる。ポリマーフイルムの延伸方向(または直交
する方向)が、光学異方性層Aの遅相軸(a)に相当す
る。光学異方性層Bは、ディスコティック液晶性分子
(d)を含む。ディスコティック液晶性分子(d)は垂
直に配向している。ディスコティック液晶性分子(d)
の円盤面の方向が、光学異方性層Aの遅相軸(a)に相
当する。
【0015】図2は、円偏光板に用いるλ/4板の別の
代表的な態様を示す模式図である。図2に示すλ/4板
も、光学的性質としては前述した第2の態様に属する。
このλ/4板は、ディスコティック液晶性分子から形成
された光学異方性層A(A)および棒状液晶性分子から
形成された光学異方性層B(B)を積層した構成を有す
る。光学異方性層Aの遅相軸(a)と光学異方性層Bの
遅相軸(b)との同一面内での角度(θ)は、60゜で
ある。光学異方性層Aは、ディスコティック液晶性分子
(d)を含む。ディスコティック液晶性分子(d)は垂
直に配向している。ディスコティック液晶性分子(d)
の円盤面の方向が、光学異方性層Aの遅相軸(a)に相
当する。光学異方性層Bは、棒状液晶性分子(r)を含
む。棒状液晶性分子(r)は水平に配向している。棒状
液晶性分子(r)の長軸方向が、光学異方性層Bの遅相
軸(b)に相当する。
【0016】図3は、円偏光板による反射防止機能を示
す断面模式図である。図3に示す円偏光板は、直線偏光
膜(P)および光学異方性層A(A)と光学異方性層B
(B)とからなるλ/4板(λ/4)からなる。直線偏
光膜(P)側(上側)をエレクトロルミネセントディス
プレイの外側に、λ/4板(λ/4)側をエレクトロル
ミネセントディスプレイの内側に配置する。エレクトロ
ルミネセントディスプレイ外部からの光(1aおよび1
b)のうち、直線偏光膜(P)の偏光軸方向に合致する
直線偏光成分(1b)のみが直線偏光膜(P)を通過す
る。他の成分(1a)は、直線偏光膜(P)に吸収され
る。直線偏光膜(P)を通過した直線偏光(2b)は、
λ/4板(λ/4)を通過することにより円偏光(2
c)に変換される。円偏光(2c)は、エレクトロルミ
ネセントディスプレイの光反射電極(図示せず)に反射
されると、逆回りの円偏光(3c)になる。逆回りの円
偏光(3c)は、λ/4板(λ/4)を通過することに
より直線偏光膜(P)の偏光軸方向とは90゜異なる方
向の直線偏光(3b)に変換される。この直線偏光(3
b)は、直線偏光膜(P)を通過できずに吸収される。
このようにして、エレクトロルミネセントディスプレイ
外部からの光(1aおよび1b)は、すべて直線偏光膜
(P)に吸収され、反射が防止される。
【0017】エレクトロルミネセントディスプレイ内部
からの光、すなわち発光層(図示せず)からの発光は、
二種類の円偏光成分(3cおよび4c)を含んでいる。
一方の円偏光(3c)は、上記のようにλ/4板(λ/
4)を通過することにより直線偏光膜(P)の偏光軸方
向とは90゜異なる方向の直線偏光(3b)に変換され
る。そして、直線偏光(3b)は直線偏光膜(P)を通
過できずに吸収される。他方の円偏光(4c)は、λ/
4板(λ/4)を通過することにより直線偏光膜(P)
の偏光軸方向と合致する直線偏光(4b)に変換され
る。そして、直線偏光(4b)は直線偏光膜(P)を通
過し(4a)、画像として認識される。なお、直線偏光
膜(P)とλ/4板(λ/4)との間に、直線偏光膜
(P)の偏光軸方向とは90゜異なる方向の直線偏光
(3b)を反射する機能を有する反射偏光板を設ける
と、直線偏光(3b)を吸収することなく反射させ、そ
れを光反射電極で再反射させることにより、直線偏光膜
(P)の偏光軸方向と合致する直線偏光(4b)に変換
することができる。すなわち、反射偏光板を用いること
で、発光層が発光した光の全て(3cおよび4c)を外
側に出射させることもできる。
【0018】[ポリマーフイルムからなる光学異方性
層]光学異方性層AおよびBの一方に、ポリマーフイル
ムを用いることができる。ポリマーフイルムは、フイル
ムに光学異方性を付与できるポリマーから形成する。そ
のようなポリマーの例には、ポリオレフィン(例、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ノルボルネン系ポリマ
ー)、ポリビニルアルコール、ポリメタクリル酸エステ
ル、ポリアクリル酸エステルおよびセルロースエステル
が含まれる。また、これらのポリマーの共重合体あるい
はポリマー混合物を用いてもよい。フイルムの光学異方
性は、延伸により得ることが好ましい。延伸は一軸延伸
であることが好ましい。一軸延伸は、2つ以上のロール
の周速差を利用した縦一軸延伸またはポリマーフイルム
の両サイドを掴んで幅方向に延伸するテンター延伸が好
ましい。なお、二枚以上のポリマーフイルムを用いて、
二枚以上のフイルム全体の光学的性質が前記の条件を満
足してもよい。使用するポリマーの固有複屈折が正の場
合には、ポリマーフイルムの面内の屈折率が最大となる
方向は、フイルムの延伸方向に相当する。使用するポリ
マーの固有複屈折が負の場合には、ポリマーフイルムの
面内の屈折率が最大となる方向は、フイルムの延伸方向
に垂直な方向に相当する。ポリマーフイルムは、複屈折
のムラを少なくするためにソルベントキャスト法により
製造することが好ましい。ポリマーフイルムの厚さは、
20乃至500nmであることが好ましく、50乃至2
00nmであることがさらに好ましく、50乃至100
nmであることが最も好ましい。
【0019】[液晶性分子から形成する光学異方性層]
光学異方性層AおよびBの少なくとも一方は、液晶性分
子から形成することが好ましい。光学異方性層Aおよび
Bの双方を、液晶性分子から形成することがさらに好ま
しい。液晶性分子としては、ディスコティック液晶性分
子または棒状液晶性分子が好ましい。光学異方性層Aお
よびBの一方を、ディスコティック液晶性分子から形成
し、他方を棒状液晶性分子から形成することが特に好ま
しい。液晶性分子は、実質的に均一に配向していること
が好ましく、実質的に均一に配向している状態で固定さ
れていることがさらに好ましく、重合反応により液晶性
分子が固定されていることが最も好ましい。
【0020】ディスコティック液晶性分子を用いる場合
は、実質的に垂直に配向させることが好ましい。実質的
に垂直とは、ディスコティック液晶性分子の円盤面と光
学異方性層の面との平均角度(平均傾斜角)が50乃至
90度の範囲内であることを意味する。ディスコティッ
ク液晶性分子を斜め配向させてもよいし、傾斜角が徐々
に変化するように(ハイブリッド配向)させてもよい。
斜め配向またはハイブリッド配向の場合でも、平均傾斜
角は50乃至90度であることが好ましい。ディスコテ
ィック液晶性分子は、様々な文献(C. Destrade et a
l., Mol. Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (19
81) ;日本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶
の化学、第5章、第10章第2節(1994);B. Kohne et
al., Angew. Chem. Soc. Chem. Comm., page 1794 (198
5);J. Zhang et al., J. Am.Chem. Soc., vol. 116, p
age 2655 (1994))に記載されている。ディスコティッ
ク液晶性分子の重合については、特開平8−27284
公報に記載がある。
【0021】ディスコティック液晶性分子を重合により
固定するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤
状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要があ
る。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重
合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこ
で、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入す
る。従って、重合性基を有するディスコティック液晶性
分子は、下記式(I)で表わされる化合物であることが
好ましい。 (I) D(−L−Q)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整
数である。式(I)の円盤状コア(D)の例を以下に示
す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価
の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味
する。
【0022】
【化1】
【0023】
【化2】
【0024】
【化3】
【0025】
【化4】
【0026】
【化5】
【0027】
【化6】
【0028】
【化7】
【0029】式(I)において、二価の連結基(L)
は、アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−
CO−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み
合わせからなる群より選ばれる二価の連結基であること
が好ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、ア
ルケニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−
O−および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少
なくとも二つ組み合わせた基であることがさらに好まし
い。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレ
ン基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群
より選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基
であることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数
は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基
の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。ア
リーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好
ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレ
ン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよ
い。
【0030】二価の連結基(L)の例を以下に示す。左
側が円盤状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)
に結合する。ALはアルキレン基またはアルケニレン基
を意味し、ARはアリーレン基を意味する。 L1:−AL−CO−O−AL− L2:−AL−CO−O−AL−O− L3:−AL−CO−O−AL−O−AL− L4:−AL−CO−O−AL−O−CO− L5:−CO−AR−O−AL− L6:−CO−AR−O−AL−O− L7:−CO−AR−O−AL−O−CO− L8:−CO−NH−AL− L9:−NH−AL−O− L10:−NH−AL−O−CO−
【0031】L11:−O−AL− L12:−O−AL−O− L13:−O−AL−O−CO− L14:−O−AL−O−CO−NH−AL− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−C
O− L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L21:−S−AL− L22:−S−AL−O− L23:−S−AL−O−CO− L24:−S−AL−S−AL− L25:−S−AR−AL−
【0032】式(I)の重合性基(Q)は、重合反応の
種類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示
す。
【0033】
【化8】
【0034】重合性基(Q)は、不飽和重合性基(Q1
〜Q7)またはエポキシ基(Q8)であることが好まし
く、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチ
レン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も
好ましい。式(I)において、nは4乃至12の整数で
ある。具体的な数字は、ディスコティックコア(D)の
種類に応じて決定される。なお、複数のLとQの組み合
わせは、異なっていてもよいが、同一であることが好ま
しい。
【0035】ディスコティック液晶性分子から形成する
光学異方性層にツイスト構造を導入してもよい。ツイス
ト角は3乃至45゜であることが好ましい。光学異方性
層にツイスト構造を導入するため、前記二価の連結基
(L)のAL(アルキレン基またはアルケニレン基)に
不斉炭素原子を導入し、ディスコティック液晶性分子を
螺旋状にねじれ配向させることができる。不斉炭素原子
を含むAL*の例を以下に挙げる。左側が円盤状コア
(D)側であり、右側が重合性基(Q)側である。*印
を付けた炭素原子(C)が不斉炭素原子である。光学活
性は、SとRのいずれでもよい。
【0036】AL*1:−CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 CH2 CH2 − AL*2:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 − AL*3:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 − AL*4:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*5:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
−CH2 − AL*6:−CH2 CH2 CH2 CH2 CH2 −C*H
CH3 − AL*7:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
− AL*8:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 − AL*9:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 − AL*10:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 − AL*11:−CH2 CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
− AL*12:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 − AL*13:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 − AL*14:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 − AL*15:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3
【0037】AL*16:−CH2 −C*HCH3 − AL*17:−C*HCH3 −CH2 − AL*18:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 − AL*19:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 − AL*20:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2 − AL*21:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 CH2 − AL*22:−C*HCH3 −CH2 CH2 CH2 CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*23:−CH2 −C*HCH3 −CH2 CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*24:−CH2 CH2 −C*HCH3 −CH2 CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*25:−CH2 CH2 CH2 −C*HCH3 −CH
2 CH2 CH2 CH2 − AL*26:−C*HCH3 −(CH2 8 − AL*27:−CH2 −C*HCH3 −(CH2 8 − AL*28:−CH2 −C*HCH2CH3 − AL*29:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 − AL*30:−CH2 −C*HCH2CH3 −CH2 CH
2
【0038】AL*31:−CH2 −C*HCH2CH3
−CH2 CH2 CH2 CH2 − AL*32:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 − AL*33:−CH2 −C*H(n−C3 7 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*34:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 − AL*35:−CH2 −C*H(OCOCH3 )−CH2
CH2 CH2 CH2 − AL*36:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 − AL*37:−CH2 −C*HF−CH2 CH2 CH2
2 − AL*38:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 − AL*39:−CH2 −C*HCl−CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*40:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2 − AL*41:−CH2 −C*HOCH3 −CH2 CH2
2 CH2 − AL*42:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 − AL*43:−CH2 −C*HCN−CH2 CH2 CH2
CH2 − AL*44:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 − AL*45:−CH2 −C*HCF3 −CH2 CH2 CH
2 CH2
【0039】ディスコティック液晶性分子の二価の連結
基(L)に不斉炭素原子を導入する代わりに、不斉炭素
原子を含む光学活性を示す化合物(カイラル剤)を光学
異方性層に添加しても、光学異方性層にツイスト構造を
導入できる。不斉炭素原子を含む化合物としては、様々
な天然または合成化合物が使用できる。不斉炭素原子を
含む化合物中には、ディスコティック液晶性分子と同じ
または類似の重合性基を導入してもよい。重合性基を導
入すると、ディスコティック液晶性分子を実質的に垂直
(ホモジニアス)配向させた後に、固定するのと同時
に、同じまたは類似の重合反応により不斉炭素原子を含
む化合物も光学異方性層内で固定することができる。以
下にカイラル剤の例を示す。なお、C−1、C−3およ
びC−4は、左ねじれのカイラル剤、C−2およびC−
5は、右ねじれのカイラル剤である。
【0040】
【化9】
【0041】
【化10】
【0042】
【化11】
【0043】二種類以上のディスコティック液晶性分子
(例えば、二価の連結基に不斉炭素原子を有する分子と
有していない分子)を併用してもよい。
【0044】棒状液晶性分子を用いる場合は、実質的に
水平(ホモジニアス)配向させることが好ましい。実質
的に水平とは、棒状液晶性分子の長軸方向と光学異方性
層の面との平均角度(平均傾斜角)が0乃至40度の範
囲内であることを意味する。棒状液晶性分子を斜め配向
させてもよいし、傾斜角が徐々に変化するように(ハイ
ブリッド配向)させてもよい。斜め配向またはハイブリ
ッド配向の場合でも、平均傾斜角は0乃至40度である
ことが好ましい。棒状液晶性分子としては、アゾメチン
類、アゾキシ類、シアノビフェニル類、シアノフェニル
エステル類、安息香酸エステル類、シクロヘキサンカル
ボン酸フェニルエステル類、シアノフェニルシクロヘキ
サン類、シアノ置換フェニルピリミジン類、アルコキシ
置換フェニルピリミジン類、フェニルジオキサン類、ト
ラン類およびアルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル
類が好ましく用いられる。以上のような低分子液晶性分
子だけではなく、高分子液晶性分子も用いることができ
る。また、上記のディスコティック液晶性分子と同様
に、重合性基(上記Q)を棒状液晶性分子に導入して、
棒状液晶性分子が実質的に水平に配向している状態で、
重合反応により棒状液晶性分子を固定することが特に好
ましい。
【0045】一つの光学異方性層の厚さは、100nm
乃至10μmであることが好ましく、500nm乃至1
0μmであることがさらに好ましく、2乃至8μmであ
ることが最も好ましい。光学異方性層AおよびBの厚さ
の合計、すなわちλ/4板の厚さは、500nm乃至2
0μmであることが好ましく、600nm乃至15μm
であることがさらに好ましい。
【0046】[配向膜]ディスコティック液晶性分子を
実質的に垂直に配向させるためには、配向膜の表面エネ
ルギーを低下させることが重要である。具体的には、ポ
リマーの官能基により配向膜の表面エネルギーを低下さ
せ、これによりディスコティック液晶性分子を立てた状
態にする。配向膜の表面エネルギーを低下させる官能基
としては、フッ素原子および炭化水素基が有効である。
炭素原子数が10以上の炭化水素基が特に好ましい。フ
ッ素原子または炭化水素基を配向膜の表面に存在させる
ために、ポリマーの主鎖よりも側鎖にフッ素原子または
炭化水素基を導入することが好ましい。表面エネルギー
を低下させる官能基としてフッ素原子を用いる場合、配
向膜に用いるポリマーは、フッ素原子を0.05乃至8
0重量%の割合で含むことが好ましく、0.1乃至70
重量%の割合で含むことがより好ましく、0.5乃至6
5重量%の割合で含むことがさらに好ましく、1乃至6
0重量%の割合で含むことが最も好ましい。炭化水素基
は、脂肪族基、芳香族基またはそれらの組み合わせであ
る。脂肪族基は、環状、分岐状あるいは直鎖状のいずれ
でもよい。脂肪族基は、アルキル基(シクロアルキル基
であってもよい)またはアルケニル基(シクロアルケニ
ル基であってもよい)であることが好ましい。脂肪族基
は、ステロイド構造を有していることが好ましい。ステ
ロイド構造とは、シクロペンタノヒドロフェナントレン
環構造またはその環の結合の一部が脂肪族環の範囲(芳
香族環を形成しない範囲)で二重結合となっている環構
造を意味する。芳香族基は、ビフェニル構造またはトラ
ン構造を有していることが好ましい。炭化水素基は、ハ
ロゲン原子のような強い親水性を示さない置換基を有し
ていてもよい。炭化水素基の炭素原子数は、10乃至1
00であることが好ましく、10乃至60であることが
さらに好ましく、10乃至40であることが最も好まし
い。ポリマーの主鎖は、ポリイミド構造、ポリビニルア
ルコール構造またはポリ(メタ)アクリル酸構造を有す
ることが好ましい。
【0047】ポリイミドは、一般にテトラカルボン酸と
ジアミンとの縮合反応により合成する。二種類以上のテ
トラカルボン酸あるいは二種類以上のジアミンを用い
て、コポリマーに相当するポリイミドを合成してもよ
い。フッ素原子または炭化水素基は、テトラカルボン酸
起源の繰り返し単位に存在していても、ジアミン起源の
繰り返し単位に存在していても、両方の繰り返し単位に
存在していてもよい。ポリイミドに炭化水素基を導入す
る場合、ポリイミドの主鎖または側鎖にステロイド構造
を形成することが特に好ましい。ポリイミドは、ポリア
ミック酸の状態で塗布し、塗布後にイミド結合を形成し
てもよい。
【0048】ポリビニルアルコールは、一般にポリ酢酸
ビニルのケン化処理により製造する。そして、ケン化に
より得られるビニルアルコール繰り返し単位の一部に、
フッ素原子を含む基または炭化水素基を結合させる(変
性する)ことにより、配向膜として適した変性ポリビニ
ルアルコールが得られる。変性ポリビニルアルコール
は、フッ素原子または炭化水素基を含む繰り返し単位を
2乃至80モル%の範囲で含むことが好ましく、3乃至
70モル%の範囲で含むことがさらに好ましい。ビニル
アルコール繰り返し単位は、変性ポリビニルアルコール
中に、20乃至95モル%の範囲で含まれていることが
好ましく、25乃至90モル%の範囲で含まれているこ
とがさらに好ましい。酢酸ビニル繰り返し単位は、変性
ポリビニルアルコール中に、0乃至30モル%の範囲で
含まれていることが好ましく、2乃至20モル%の範囲
で含まれていることがさらに好ましい。変性ポリビニル
アルコールの主鎖とフッ素原子を含む基または炭化水素
基とは、直結せずに、−O−、−CO−、−SO2 −、
−NH−、アルキレン基、アリーレン基およびそれらの
組み合わせから選ばれる二価の連結基を介して結合して
いることが好ましい。
【0049】ポリアクリル酸またはポリメタクリル酸の
繰り返し単位の一部に、フッ素原子を含む基または炭化
水素基を結合させる(変性する)ことにより、配向膜に
適した変性ポリ(メタ)アクリル酸が得られる。変性ポ
リ(メタ)アクリル酸は、フッ素原子または炭化水素基
を含む繰り返し単位を2乃至80モル%の範囲で含むこ
とが好ましく、3乃至70モル%の範囲で含むことがさ
らに好ましい。(メタ)アクリル酸繰り返し単位は、変
性(メタ)アクリル酸中に、20乃至98モル%の範囲
で含まれていることが好ましく、30乃至97モル%の
範囲で含まれていることがさらに好ましい。変性ポリ
(メタ)アクリル酸の主鎖とフッ素原子を含む基または
炭化水素基とは、直結せずに、−O−、−CO−、−S
2 −、−NH−、アルキレン基、アリーレン基および
それらの組み合わせから選ばれる二価の連結基を介して
結合していることが好ましい。
【0050】棒状液晶性分子を実質的に水平に配向させ
るためには、上記の配向膜とは逆に、配向膜の表面エネ
ルギーを低下させないことが重要である。具体的には、
配向膜を構成するポリマーに、表面エネルギーを低下さ
せる官能基(フッ素原子および炭素原子数が10以上の
炭化水素基)を導入しないことが好ましい。言い換える
と、通常の棒状液晶性分子の配向膜が使用できる。通常
の棒状液晶性分子の配向膜については、多数の文献(例
えば、松本正一著、液晶ディスプレイ技術、196〜2
01頁、産業図書、1996年)に記載がある。また、
棒状液晶性分子の配向膜は、液晶セル用として多数が市
販されている。本発明においては、液晶セル用として公
知または市販のポリマーを、棒状液晶性分子の水平配向
膜として、そのまま利用できる。なお、配向膜を使用せ
ずに、棒状液晶性分子を実質的に水平に配向させること
も可能である。例えば、ディスコティック液晶性分子か
ら形成した光学異方性層の上に、棒状液晶性分子から形
成した光学異方性層を設ける場合、ディスコティック液
晶性分子から形成した光学異方性層を配向膜として機能
させることができる。また、仮支持体上(後述)に棒状
液晶性分子を塗布する前に、仮支持体あるいは後述する
中間層をラビング処理して配向膜として機能させること
もできる。
【0051】配向膜に用いるポリマーの重合度は、20
0乃至5000であることが好ましく、300乃至30
00であることが好ましい。ポリマーの分子量は、90
00乃至200000であることが好ましく、1300
0乃至130000であることがさらに好ましい。二種
類以上のポリマーを併用してもよい。配向膜の形成にお
いて、ラビング処理を実施することが好ましい。ラビン
グ処理は、上記のポリマーを含む膜の表面を、紙や布で
一定方向に、数回こすることにより実施する。
【0052】[λ/4板の製造]光学異方性層は、液晶
性分子あるいは下記の重合性開始剤や他の添加剤を含む
塗布液を、仮支持体またはそれらの上に設けた配向膜の
上に塗布することで形成できる。仮支持体としては、ガ
ラス板またはポリマーフイルムが好ましく用いられる。
仮支持体と光学異方性層との間または仮支持体と配向膜
との間には、熱可塑性樹脂層を設けて、形成する光学異
方性層が仮支持体から容易に剥離できるようにすること
が好ましい。熱可塑性樹脂は、150℃以下の温度で軟
化もしくは粘着性となることが好ましい。また、熱可塑
性樹脂は、除去が容易であるように、特定の溶媒(例え
ば、アルカリ水溶液)に容易に溶解することが好まし
い。アルカリ水溶液に溶解する熱可塑性樹脂は、感光性
転写材料の技術分野で提案(例えば、特開平5−727
24号、同5−173320号の各公報に記載)されて
いる。それらの熱可塑性樹脂を、λ/4板の製造に転用
できる。熱可塑性樹脂層と光学異方性層との接着性を改
善するため、中間層を設けてもよい。
【0053】塗布液の調製に使用する溶媒としては、有
機溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミ
ド(例、N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシ
ド(例、ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物
(例、ピリジン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサ
ン)、アルキルハライド(例、クロロホルム、ジクロロ
メタン)、エステル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、
ケトン(例、アセトン、メチルエチルケトン)、エーテ
ル(例、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタ
ン)が含まれる。アルキルハライドおよびケトンが好ま
しい。二種類以上の有機溶媒を併用してもよい。塗布液
の塗布は、公知の方法(例、押し出しコーティング法、
ダイレクトグラビアコーティング法、リバースグラビア
コーティング法、ダイコーティング法)により実施でき
る。
【0054】塗布後、配向させた液晶性分子は、配向状
態を維持して固定する。固定化は液晶性分子に導入した
重合性基(P)の重合反応により実施することが好まし
い。重合反応には、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と
光重合開始剤を用いる光重合反応とが含まれる。光重合
反応が好ましい。光重合開始剤の例には、α−カルボニ
ル化合物(米国特許2367661号、同236767
0号の各明細書記載)、アシロインエーテル(米国特許
2448828号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香
族アシロイン化合物(米国特許2722512号明細書
記載)、多核キノン化合物(米国特許3046127
号、同2951758号の各明細書記載)、トリアリー
ルイミダゾールダイマーとp−アミノフェニルケトンと
の組み合わせ(米国特許3549367号明細書記
載)、アクリジンおよびフェナジン化合物(特開昭60
−105667号公報、米国特許4239850号明細
書記載)およびオキサジアゾール化合物(米国特許42
12970号明細書記載)が含まれる。
【0055】光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分
の0.01乃至20重量%であることが好ましく、0.
5乃至5重量%であることがさらに好ましい。液晶性分
子の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ま
しい。照射エネルギーは、20mJ/cm2 乃至50J
/cm2 であることが好ましく、100乃至800mJ
/cm2 であることがさらに好ましい。光重合反応を促
進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。以
上の塗布、配向および硬化の手順を繰り返して、光学異
方性層AおよびBからなるλ/4板を形成できる。λ/
4板は、仮支持体から剥離して使用できる。液晶セル内
にλ/4板を配置する場合、形成したλ/4板を、仮支
持体から液晶セルの一方の基板に転写することができ
る。λ/4板を剥離または転写後、不要となった配向膜
および熱可塑性樹脂層を除去してもよい。液晶性分子を
配向状態のまま重合により固定すれば、液晶性分子は配
向膜がなくても配向状態を維持することができる。
【0056】[直線偏光膜]直線偏光膜には、ヨウ素系
偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系
偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、
一般にポリビニルアルコール系フイルムを用いて製造す
る。偏光膜の偏光軸(透過軸)は、フイルムの延伸方向
に垂直な方向に相当する。
【0057】[反射偏光板]λ/4板と直線偏光膜との
間に反射偏光板を設けると、発光層が発光した光の全て
を外側に出射させることもできる。反射偏光板は、直線
偏光膜の偏光軸方向と合致する直線偏光を透過し、偏光
軸方向とは異なる方向の直線偏光を反射する機能を有す
る。反射偏光板としては、具体的には、一方向において
屈折率の異なる高分子薄膜を交互に積層した複屈折光偏
光子(特表平8−503312号公報記載)やコレステ
リック構造を有する偏光分離膜(特開平11−4481
6号公報記載)を好ましく用いることができる。
【0058】[エレクトロルミネセントディスプレイ]
図4は、エレクトロルミネセントディスプレイの基本構
成を示す断面模式図である。図4に示すエレクトロルミ
ネセントディスプレイは、光反射電極(RE)、発光層
(L)、透明電極(TE)、透明基板(S)、光学異方
性層B(B)、光学異方性層(A)、そして直線偏光膜
(P)が、この順に積層された構造を有する。光学異方
性層B(B)および光学異方性層(A)がλ/4板(λ
/4)を構成し、光学異方性層B(B)〜直線偏光膜
(P)が円偏光板を構成する。光反射電極(RE)は、
一般に金属膜からなる。金属膜の表面は、乱反射しない
ように平面になっている。発光層(L)に用いる発光物
質の種類により、エレクトロルミネセント(EL)ディ
スプレイは、有機ELディスプレイと無機ELディスプ
レイとに分類される。本発明は、有機ELディスプレイ
において特に有効である。透明電極(TE)としては、
一般にITOが用いられる。透明基板(S)は、ガラス
板またはプラスチックフイルムからなる。円偏光板およ
びλ/4板は、前述した本発明に従う光学的性質を有す
る。
【0059】円偏光板を反射防止手段として備えた有機
ELについては、国際特許出願WO96/34514号
明細書、および特開平9−127885号公報、同11
−45058号の各公報に記載がある。無機ELについ
ては、例えば「エレクトロルミネセントディスプレイ
(猪口敏夫、産業図書株式会社(1991)」に記載が
ある。本発明に従う円偏光板は、上記各文献に記載のエ
レクトロルミネセントディスプレイにも、反射防止手段
として利用することができる。
【0060】
【実施例】[実施例1] (光学異方性層Aの形成)ポリカーボネートフイルムを
延伸して、波長550nmにおけるレターデーション値
が274nmである光学異方性層Aを得た。
【0061】(光学異方性層Bの形成)ステロイド変性
ポリアミック酸の希釈液を、バーコーターを用いて光学
異方性層Aの上に1μmの厚さに塗布した。塗布層を、
60℃の温風で2分間乾燥し、その表面をラビング処理
して、下記の変性ポリイミドからなる配向膜を形成し
た。ラビング方向と光学異方性層Aの遅相軸との角度
は、60゜であった。
【0062】
【化12】
【0063】配向膜の上に、下記の組成の塗布液を塗布
し、ディスコティック液晶性分子を垂直配向させた。形
成された層の厚さは、6.2μmであった。次に、紫外
線を照射してディスコティック液晶性分子を重合させ
た。このようにして光学異方性層Bを形成した。波長5
50nmにおける光学異方性層Bのレターデーション値
を測定したところ、137nmであった。このようにし
て、λ/4板を作製した。波長(λ)480nmで測定
したレターデーション値(Re)は118nm(Re/
λ:0.246)、波長(λ)550nmで測定したレ
ターデーション値(Re)は137.50nm(Re/
λ:0.250)、そして、波長(λ)630nmで測
定したレターデーション値(Re)は159nm(Re
/λ:0.252)であった。
【0064】 ──────────────────────────────────── 光学異方性層B塗布液組成 ──────────────────────────────────── 下記のディスコティック液晶性分子(1) 32.6重量% セルロースアセテートブチレート 0.7重量% 下記の変性トリメチロールプロパントリアクリレート 3.2重量% 下記の増感剤 0.4重量% 下記の光重合開始剤 1.1重量% メチルエチルケトン 62.0重量% ────────────────────────────────────
【0065】
【化13】
【0066】
【化14】
【0067】
【化15】
【0068】(円偏光板の作製)直線偏光膜と保護膜か
らなる偏光板を、直線偏光膜の偏光軸と光学異方性層A
の遅相軸とが同一平面で15゜の角度で交差し、かつ直
線偏光膜の偏光軸と光学異方性層Bの遅相軸とが同一平
面内で75゜の角度で交差するように、λ/4板の光学
異方性層A側に積層して、円偏光板を得た。
【0069】(有機ELディスプレイの作製)厚さ1.
1mmの透明ガラス基板上に、ITOからなる透明電極
をスパッタリング法により形成した。透明電極に、スト
ライプ状のエッチング処理を行った。透明電極の上に、
トリフェニルアミン誘導体からなる厚さ30nmの正孔
注入層を形成した。正孔注入層の上に、アルミキレート
錯体を真空マスク蒸着法で付着させ、有機発光層を形成
した。有機発光層の上に、Mg−Ag合金(重量比:M
g/Ag=95/5)を100nmの厚さに多元蒸着し
て、光反射性電極を形成した。透明ガラス基板の反対側
の面に、円偏光板(光学異方性層B側)を接着剤を介し
て貼り合わせた。作製した有機ELディスプレイに通電
して画像を表示させた。画像を正面やや斜め方向から観
察したところ、背景の映り込みが全くなく、コントラス
トが高い画像が確認できた。
【0070】[実施例2]実施例1の円偏光板の作製に
おいて、λ/4板と直線偏光膜との間に反射偏光板(D
BEF、住友3M社製)を挿入して貼り合わせた。反射
偏光板を挿入した円偏光板を用いた以外は、実施例1と
同様にして、有機ELディスプレイを作製した。作製し
た有機ELディスプレイに通電して画像を表示させた。
画像を正面やや斜め方向から観察したところ、背景の映
り込みが全くなく、明るくコントラストが非常に高い画
像が確認できた。
【0071】[実施例3] (光学異方性層Aの形成)ステロイド変性ポリアミック
酸の希釈液を、バーコーターを用いて厚さ1.1mmの
透明ガラス基板の上に塗布した。塗布層を、200℃で
1時間焼成し、その表面をラビング処理して、実施例1
で示した変性ポリイミドからなる配向膜を形成した。実
施例1で用いた光学異方性層Bの塗布液の溶質濃度を高
くして、光学異方性層Aの塗布液を調製した。配向膜の
上に、光学異方性層Aの塗布液を塗布し、ディスコティ
ック液晶性分子を垂直配向させた。次に、紫外線を照射
してディスコティック液晶性分子を重合させた。このよ
うにして光学異方性層Aを形成した。波長550nmに
おける光学異方性層Aのレターデーション値を測定した
ところ、265nmであった。
【0072】(光学異方性層Bの形成)光学異方性層A
の上に、厚さ0.1μmのポリビニルアルコール配向膜
をスピンコート法で形成した。配向膜の表面を、光学異
方性層Aの遅相軸に対して60゜の方向でラビング処理
した。配向膜の上に、下記の棒状液晶性分子91重量
%、実施例1で用いた変性トリメチロールプロパントリ
アクリレート5重量%、実施例1で用いた増感剤1重量
%および実施例1で用いた光重合開始剤3重量%をメチ
レンクロライドに溶解した塗布液を塗布し、115℃に
加熱して棒状液晶性分子を水平配向させた。次に、紫外
線を照射して棒状液晶性分子を重合させた。このように
して光学異方性層Bを形成した。
【0073】
【化16】
【0074】波長550nmにおける光学異方性層Bの
レターデーション値を測定したところ、139nmであ
った。このようにして、λ/4板を作製した。波長
(λ)480nmで測定したレターデーション値(R
e)は119nm(Re/λ:0.248)、波長
(λ)550nmで測定したレターデーション値(R
e)は138nm(Re/λ:0.251)、そして、
波長(λ)630nmで測定したレターデーション値
(Re)は155nm(Re/λ:0.246)であっ
た。
【0075】(円偏光板の作製)直線偏光膜と保護膜か
らなる偏光板を、直線偏光膜の偏光軸と光学異方性層A
の遅相軸とが同一平面で15゜の角度で交差し、かつ直
線偏光膜の偏光軸と光学異方性層Bの遅相軸とが同一平
面内で75゜の角度で交差するように、λ/4板の光学
異方性層Bの上に積層して、円偏光板を得た。
【0076】(有機ELディスプレイの作製)透明ガラ
ス基板の反対側の面に、ITOからなる透明電極をスパ
ッタリング法により形成した。透明電極に、ストライプ
状のエッチング処理を行った。透明電極の上に、トリフ
ェニルアミン誘導体からなる厚さ30nmの正孔注入層
を形成した。正孔注入層の上に、アルミキレート錯体を
真空マスク蒸着法で付着させ、有機発光層を形成した。
有機発光層の上に、Mg−Ag合金(重量比:Mg/A
g=95/5)を100nmの厚さに多元蒸着して、光
反射性電極を形成した。作製した有機ELディスプレイ
に通電して画像を表示させた。画像を正面やや斜め方向
から観察したところ、背景の映り込みが全くなく、コン
トラストが高い画像が確認できた。
【図面の簡単な説明】
【図1】円偏光板に用いるλ/4板の代表的な態様を示
す模式図である。
【図2】円偏光板に用いるλ/4板の別の代表的な態様
を示す模式図である。
【図3】円偏光板による反射防止機能を示す断面模式図
である。
【図4】エレクトロルミネセントディスプレイの基本構
成を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1a、2a、2b、2c エレクトロルミネセントディ
スプレイ外部からの光 3b、3c、4a、4b、4c エレクトロルミネセン
トディスプレイ内部からの光 A 光学異方性層A B 光学異方性層B P 直線偏光膜 RE 光反射電極 S 透明基板 TE 透明電極 a 光学異方性層Aの遅相軸 b 光学異方性層Bの遅相軸 d ディスコティック液晶性分子 r 棒状液晶性分子 λ/4 λ/4板 θ aとbとの同一面内での角度
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒川 公平 神奈川県小田原市扇町2丁目12番1号 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H049 BA02 BA03 BA07 BA42 BB03 BC22 3K007 AB17 BB00 CA01 CA06 CB01 CC01 DA00 DB03 EB00 FA01 FA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光反射電極、発光層、透明電極、そして
    λ/4板と直線偏光膜とからなる円偏光板がこの順に積
    層されているエレクトロルミネセントディスプレイであ
    って、λ/4板が、光学異方性層Aと光学異方性層Bと
    からなり、光学異方性層AおよびBの一方が液晶性分子
    から形成された層であり、他方が液晶性分子から形成さ
    れた層またはポリマーフイルムであり、そして、波長4
    80nm、550nmおよび630nmで測定したレタ
    ーデーション値/波長の値がいずれも0.2乃至0.3
    の範囲内にある広帯域λ/4板であることを特徴とする
    エレクトロルミネセントディスプレイ。
  2. 【請求項2】 光学異方性層AおよびBの少なくとも一
    方が、ディスコティック液晶性分子から形成された層で
    ある請求項1に記載のエレクトロルミネセントディスプ
    レイ。
  3. 【請求項3】 光学異方性層AおよびBの少なくとも一
    方が、棒状液晶性分子から形成された層である請求項1
    に記載のエレクトロルミネセントディスプレイ。
  4. 【請求項4】 光学異方性層AおよびBの一方が、ディ
    スコティック液晶性分子から形成された層であり、他方
    が棒状液晶性分子から形成された層である請求項1に記
    載のエレクトロルミネセントディスプレイ。
  5. 【請求項5】 λ/4板の厚さが、500nm乃至20
    μmである請求項1に記載のエレクトロルミネセントデ
    ィスプレイ。
  6. 【請求項6】 λ/4板と直線偏光膜との間に反射偏光
    板を有する請求項1に記載のエレクトロルミネセントデ
    ィスプレイ。
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