JP2001154456A - 半導電性ロール - Google Patents

半導電性ロール

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JP2001154456A
JP2001154456A JP33940199A JP33940199A JP2001154456A JP 2001154456 A JP2001154456 A JP 2001154456A JP 33940199 A JP33940199 A JP 33940199A JP 33940199 A JP33940199 A JP 33940199A JP 2001154456 A JP2001154456 A JP 2001154456A
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roll
resin
fluorine
toner
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JP33940199A
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English (en)
Inventor
Hirobumi Okuda
博文 奥田
Hiroyasu Kato
宏泰 加藤
Hiroki Sugiura
博樹 杉浦
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Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
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  • Electrostatic Charge, Transfer And Separation In Electrography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロール表面へのトナーの付着や外添剤の付着
を抑制乃至は阻止して、それによる画像劣化の問題の解
消を図り得る半導電性ロールの提供。 【解決手段】 帯電ロールの保護層18を、フッ素変性
アクリレート系樹脂及びフッ素化オレフィン系樹脂と共
に、トナーのバインダ樹脂よりも高いガラス転移温度を
有する非(フッ素変性)アクリレート系樹脂を更に含む
樹脂組成物を用いて、形成せしめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、電子写真方式の複写機やプリン
タにおいて帯電ロール等として好適に用いられる半導電
性ロールに関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、電子写真方式の複写機やプリン
タにおいては、帯電ロールや現像ロール等の半導電性ロ
ールが、像担持体である感光体ドラム上に形成された静
電潜像を現像、可視化して、目的とする画像を得るため
に用いられるトナーに接触する形態において、また、そ
のような感光体ドラムに接して回転するように設けられ
ており、それぞれのロールとしての機能を奏するように
なっている。
【0003】例えば、帯電ロールにあっては、それは、
静電潜像の形成される感光体ドラムに対する帯電方式の
一つであるロール帯電方式において用いられており、感
光体ドラムの表面に、電圧印加した帯電ロールを押し当
てて、接触せしめつつ、それら感光体ドラムと帯電ロー
ルとが相互に回転するようにすることによって、感光体
ドラム表面を帯電せしめるようになっているのであり、
また、現像ロールは、その表面にトナー層を保持せしめ
て、静電潜像の形成された感光体ドラムに接触させて、
相互に回転させることにより、静電潜像の現像を行なう
ようにしたものであり、更に、現像ロールと共に相対回
転して、現像ロール上に形成されるトナー層の厚みを均
一とする一方、そのような現像ロール上のトナーに接触
して、その帯電性を高めるようにしたトナー帯電用ロー
ルも用いられている。
【0004】そして、それら帯電ロールや現像ロール等
にあっては、トナーに接触するように、或いは感光体ド
ラムに接触して回転するように、配されるものであると
ころから、低硬度乃至は柔軟性と共に、トナーや感光体
ドラムの帯電のために、適度な導電性を有していること
が要求され、以て半導電性ロールとして用いられてきて
いるのである。
【0005】一方、近年、かかる複写機やプリンタにお
いて、高速・長寿命化、更には高画質化や省エネルギー
化の要求が高まり、例えば省エネルギー化においては、
低消費電力とするために、低温定着方式が採用され、そ
のために、トナーの軟化点、換言すればトナーを構成す
るバインダ樹脂のガラス転移点の低下が図られており、
非常に付着し易いトナーとなっている。また、高画質化
においては、トナーの粒径を小さくすることが、行なわ
れている。
【0006】しかしながら、そのような高画質化や省エ
ネルギー化を図るためのトナー粒径の微細化やトナーを
構成するバインダ樹脂の低ガラス転移点化の対策は、装
置の中で必然的に熱を持つようになる前述した如き帯電
ロールや現像ロール等の半導電性ロールに対して、トナ
ーの付着が惹起され易い状況となっているのであり、そ
して、そのような半導電性ロールにトナーが付着し、固
着したりすると、それによる画質劣化が問題となるので
ある。即ち、装置への通紙枚数の増大、換言すれば感光
体ドラムにおける静電潜像の現像回数の増大に伴って、
トナーの付着による帯電ロール等の半導電性ロールのロ
ール全体としての抵抗が上昇するようになるのであり、
また、トナーの不均一付着による部分的な抵抗変化が惹
起されるようになり、そして、それらに起因して、画質
の劣化が生じるようになるのである。
【0007】このため、本発明者らのうちの一人は、他
の発明者と共に、先に、特開平10−90972号公報
において、ロール最外層が、フッ素変性アクリレート系
樹脂又は、そのような樹脂と共に、フッ素化オレフィン
系樹脂及び/又は非(フッ素変性)アクリレート系樹脂
を含む樹脂組成物を用いて形成されてなる半導電性ロー
ルを提案し、それによって、ロール表面へのトナーの付
着を防止し、それによる画質劣化の問題の解消を図り得
ることを明らかにした。
【0008】しかして、そのようなロール最外層を特定
の樹脂組成物にて形成してなる半導電性ロールにあって
も、近年における更なる高画質化や省エネルギー化の要
請に応えるべく開発された低軟化点化トナーに対して
は、未だ充分なものとは言い難く、ロール表面からのト
ナーの離型性において更なる改善が望まれているのであ
る。
【0009】また、そのように低軟化点化したトナー
は、トナー粒子同士が凝集しやすくなり、保管性に劣っ
てくるが、トナーに外添される外添剤の量を増やして、
トナー粒子のくっつき易さを防ぐと共に、その流動性を
よくすることにより、保管性が確保される。しかし、そ
のような外添剤の使用量の増大は、トナー凝集を防止
し、保管性を確保する反面、トナーの表面に着いている
外添剤が離脱して、それがロール表面に付着、堆積し
て、ロール性能を低下せしめるという新たな問題を惹起
することとなる。
【0010】勿論、かかる外添剤のロール表面に対する
付着は、そのような外添剤の添加量の多少に関わらず、
トナーの表面から脱落する外添剤によって惹起されるこ
ととなるのであるが、近年においては、トナーに対する
外添剤の添加量は増大する傾向にあるのである。例え
ば、プリンタの現像方式には、現在、装置の簡素化を図
ることが出来る非磁性一成分方式のトナーを採用した方
式が主流となりつつあるのであるが、そのような方式の
トナーにあっては、キャリアであるフェライト等の磁性
粉を使用しないために、装置の簡素化を図り得る利点を
有する反面、トナーの帯電量にバラツキを生じ易くな
り、そのため、かかる帯電量のバラツキを制御すべく多
量の外添剤が添加されているところから、上記した外添
剤のロール表面への付着の問題は、益々大きくなってき
ているのである。
【0011】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景として為されたものであって、その解決課題とすると
ころは、ロール表面へのトナーの付着や外添剤の付着を
抑制乃至は阻止して、それによる画像劣化の問題の解消
を図り得る半導電性ロールを提供することにある。
【0012】
【解決手段】そして、本発明は、そのような課題を解決
するために、像担持体上の静電潜像をトナーにて可視化
して、目的とする画像を得るようにした電子写真方式に
よる画像形成装置において、前記トナーに接触する半導
電性ロールにして、フッ素変性アクリレート系樹脂及び
フッ素化オレフィン系樹脂と共に、前記トナーのバイン
ダ樹脂よりも高いガラス転移温度を有する非(フッ素変
性)アクリレート系樹脂を、更に含む樹脂組成物を用い
て形成された最外層を有していることを特徴とする半導
電性ロールを、その要旨とするものである。
【0013】また、本発明は、像担持体に接して回転す
る半導電性ロールにして、フッ素変性アクリレート系樹
脂及びフッ素化オレフィン系樹脂と共に、前記像担持体
上の静電潜像を可視化するために用いられるトナーのバ
インダ樹脂よりも高いガラス転移温度を有する非(フッ
素変性)アクリレート系樹脂を、更に含む樹脂組成物を
用いて形成された最外層を有していることを特徴とする
半導電性ロールをも、その要旨とするものである。
【0014】このように、本発明に従う半導電性ロール
にあっては、そのロール最外層が、フッ素変性アクリレ
ート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂と非(フッ素変
性)アクリレート系樹脂からなる樹脂組成物にて構成さ
れていることによって、それら三成分のそれぞれによる
ロール特性の向上効果乃至は改善効果が奏され得ること
に加えて、それら三つの樹脂成分のうちの一つである非
(フッ素変性)アクリレート系樹脂として、トナーのバ
インダ樹脂よりも高いガラス転移温度を有するものが用
いられているところから、ロール最外層が改質されて、
トナーや外添剤の物理的乃至は化学的な付着作用が効果
的に低減せしめられ得ることとなるのであり、特に、そ
のようなロール最外層を硬くすることによって、トナー
や外添剤のロール表面への食い込みを阻止して、それら
のロール表面における付着、堆積を効果的に抑制乃至は
阻止し、以て画質劣化を効果的に阻止せしめ得て、製品
耐久性の向上(ロールの長寿命化)を有利に達成せしめ
得るのである。
【0015】なお、かかる本発明に従う半導電性ロール
としては、有利には、帯電ロール又は現像ロールが対象
とされ、また、そのような半導電性ロールの好ましい態
様の一つによれば、前記非(フッ素変性)アクリレート
系樹脂は、前記トナーのバインダ樹脂のガラス転移温度
よりも5℃以上高いガラス転移温度を有しており、特
に、そのような非(フッ素変性)アクリレート系樹脂
は、具体的には、55〜100℃のガラス転移温度を有
していることが望ましい。このようなガラス転移温度を
有する非(フッ素変性)アクリレート系樹脂を用いるこ
とにより、本発明に従うトナーや外添剤の付着防止効果
が、より一層有利に発揮せしめられ得るのである。
【0016】また、本発明にあっては、前記非(フッ素
変性)アクリレート系樹脂として、メチルメタクリレー
トの単独重合体、またはメチルメタクリレートと他のフ
ッ素不含アルキルアクリレート若しくはメタクリレート
との共重合体が好適に用いられ、それら単独重合体又は
共重合体の中から、上記した本発明に従うガラス転移温
度を有するものが選択されることとなる。
【0017】さらに、本発明の他の望ましい態様によれ
ば、半導電性ロールの最外層を与える樹脂組成物は、フ
ッ素変性アクリレート系樹脂の1〜15重量%と、フッ
素化オレフィン系樹脂の15〜85%と、非(フッ素変
性)アクリレート系樹脂の10〜75重量%とから構成
され、これによって、半導電性ロールとして望ましい最
外層が有利に形成されることとなる。
【0018】加えて、本発明に従う半導電性ロールの更
に他の望ましい態様によれば、前記最外層は、0.1〜
10μmの厚さにおいて形成される。特に、本発明に従
うガラス転移温度を有する非(フッ素変性)アクリレー
ト系樹脂を用いることにより、半導電性ロールに形成さ
れるロール最外層の膜自体が脆くなって、その下層とし
て設けられる弾性層等の変形に対して、追従し難くなる
ところから、割れが発生し易くなるのであるが、そのよ
うな最外層の膜厚を0.1〜10μmと薄くすることに
よって、膜自体の可撓性を増大せしめて、割れの発生を
阻止するようにすることが望ましいのである。
【0019】また、本発明に従う半導電性ロールにあっ
ては、好ましくは、軸体の外周面上に導電性の弾性体乃
至は発泡体からなる柔軟性基層が設けられ、且つ該柔軟
性基層の外周面上に抵抗調整層が設けられてなると共
に、更に該抵抗調整層の外周面上に、最外層としての保
護層が設けられてなるロール構造が、有利に採用され、
また別の望ましい態様によれば、そのようなロール構造
において、前記導電性の柔軟性基層と前記抵抗調整層と
の間に、所定の軟化剤移行防止層が設けられ、かかる導
電性の柔軟性基層からのオイル等のブリードを抑制乃至
は阻止するように構成されている。
【0020】
【発明の実施の形態】ところで、本発明に係る半導電性
ロールである帯電ロールの代表的なロール構造の異なる
例が、図1及び図2に、それぞれ、示されている。それ
らの図において、10は、金属製の導電性軸体(芯金)
であり、かかる軸体10の外周面上には、導電性の弾性
体乃至は発泡体からなる柔軟性基層12、軟化剤移行防
止層14、及び抵抗調整層16が、所定厚さで順次積層
形成されており、更に、かかる抵抗調整層16の外周面
上には、最外層としての保護層18が所定厚さで積層形
成されて、目的とする帯電ロールが構成されている。そ
して、ここでは、図1における柔軟性基層12が導電性
弾性体(ソリッド)にて構成されており、また図2にお
ける柔軟性基層12が導電性発泡体にて構成されている
のである。
【0021】より具体的には、そのような柔軟性基層1
2は、公知の導電性弾性体材料若しくは導電性発泡体材
料を用いて形成されており、以て半導電性ロールたる帯
電ロールに本質的に要求される、例えば硬度が30°
(Hs:JIS−A)程度にまで低く調整された低硬度
乃至は柔軟性を実現している。なお、そのような導電性
弾性体を与える弾性体材料としては、通常、従来から公
知のEPDM、SBR、NR、ポリノルボルネンゴム等
のゴム材料が用いられる。また、導電性発泡体を与える
発泡体材料としては、ヘタリ等を防止して、半導電性ロ
ールたる帯電ロールに求められる特性を満たすものであ
れば、その材質は特に限定されず、ゴム発泡体や樹脂発
泡体を与える公知の各種発泡材料の何れもが用いられ
得、例えばエピクロルヒドリンゴム、NBR、ウレタン
ゴム、水素添加NBR、EPDM等の材料が用いられ、
そしてそれらが、アゾジカルボンアミド、4,4−オキ
シビスベンゼンスルフォニルヒドラジド、ジニトロソペ
ンタメチレンテトラミン、NaHCO3 等の公知の発泡
剤を用いて、発泡せしめられる。
【0022】そして、そのような弾性体材料若しくは発
泡体材料に、カーボンブラック、金属粉、第4級アンモ
ニウム塩等の導電剤が配合されて、所定の体積抵抗率の
ものに調整され、また弾性体材料を用いる場合には、特
に、プロセスオイルや液状ポリマー等の軟化剤が多量に
配合されて、低硬度乃至は柔軟性が付与されることとな
る。
【0023】なお、かかる柔軟性基層12が、導電性弾
性体材料にて構成される場合にあっては、その体積抵抗
率は、一般に101 〜104 Ω・cm程度とされ、その
厚みとしては1〜10mm、好ましくは2〜4mm程度
とされる。また、導電性発泡体にて柔軟性基層12を構
成した場合にあっては、その体積抵抗率は、103 〜1
6 Ω・cm程度とされ、そして、その厚みは2〜10
mm程度、好適には3〜6mm程度とされることとな
る。
【0024】また、図1に示される如く、柔軟性基層1
2の上に形成される軟化剤移行防止層14は、従来と同
様な材料を用いて形成され、例えばN−メトキシメチル
化ナイロン等のナイロン系の材料に、カーボンブラック
や金属粉等の導電剤が配合されて、その体積抵抗率が1
1 〜105 Ω・cm、望ましくは103 Ω・cm程度
に調整された材料にて形成されることとなる。なお、そ
のような軟化剤移行防止層14の厚さは、通常、3〜2
0μm程度とされ、好適には4〜10μm程度とされる
こととなる。
【0025】さらに、抵抗調整層16にあっても、それ
は、従来から用いられている材料にて形成されるもので
ある。例えば、NBR、エピクロルヒドリンゴム、アク
リルゴム等に、第4級アンモニウム塩等の導電剤や帯電
防止剤等が配合されて、体積抵抗率が108 〜1011Ω
・cm程度(柔軟性基層12が導電性弾性体にて構成さ
れる場合)、又は105 〜109 Ω・cm程度(柔軟性
基層12が導電性発泡体にて構成される場合)に調整さ
れた材料にて、50〜300μm程度の厚さにおいて形
成されることとなる。そして、このような抵抗調整層1
6にて、半導電性ロールたる帯電ロールの電気抵抗を制
御して、耐電圧性(耐リーク性)を高めることが出来る
のである。
【0026】ところで、図1や図2に示される半導電性
ロールとしての帯電ロールにあっては、そのロールの最
外層として、保護層18が、所定厚さにおいて設けられ
ているのであるが、本発明にあっては、そのような保護
層18を、ベース樹脂の必須の成分として、フッ素変性
アクリレート系樹脂及びフッ素化オレフィン系樹脂を含
むと共に、更に、特定のガラス転移温度を有する非(フ
ッ素変性)アクリレート系樹脂をも含む樹脂組成物を用
いて形成したところに、大きな特徴があり、そのような
特定の樹脂材料の使用によって、トナーや外添剤の付着
による画質劣化の問題がより一層効果的に解消せしめら
れ得ることとなったのである。
【0027】すなわち、先ず、そのような保護層18を
与える、本発明に従う樹脂組成物を構成する一成分たる
フッ素変性アクリレート系樹脂は、優れた汚れ付着防止
機能を発揮して、ロール表面におけるトナーの付着(固
着)を効果的に防止乃至は抑制する作用を果たすもので
あって、具体的には、特開平7−228820号公報に
も明らかにされている如く、ポリマ側鎖として、炭素数
が1〜20のパーフルオロアルキル基若しくは部分フッ
素化アルキル基等のフッ素化有機基を、適当な有機連結
基を介して若しくは介することなく、導入することによ
って、フッ素変性されたアクリレート系樹脂、換言すれ
ばアクリル系樹脂であって、例えばアクリル酸若しくは
メタクリル酸の、パーフルオロアルキルエステル又は部
分フッ素化アルキルエステル或いはそのようなフッ素化
アルキル基を有機連結基で連結せしめた構造のエステル
等からなるフッ素化(メタ)アクリレートと、それ以外
の(メタ)アクリレート、換言すればフッ素変性されて
いない(メタ)アクリレートとを重合させて得られる重
合体であり、そのような重合体には、また、必要に応じ
て、ポリシロキサン基含有(メタ)アクリレートの少量
が共重合せしめられることとなる。このポリシロキサン
基含有(メタ)アクリレートの共重合によって、フッ素
変性アクリレート系樹脂の耐汚性を更に高めることが可
能となる。
【0028】また、本発明に従って、上記のフッ素変性
アクリレート系樹脂と共に用いられるフッ素化オレフィ
ン系樹脂は、かかるフッ素変性アクリレート系樹脂と共
に、主として、その化学的な付着作用低減効果にて、保
護層18の表面にトナーや外添剤が付着しても、その除
去が容易に為され得る特性を付与するものである。
【0029】なお、かかるフッ素変性アクリレート系樹
脂に組み合わされるフッ素化オレフィン系樹脂として
は、フッ素化オレフィンモノマ、例えば、テトラフルオ
ロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピ
レン、フッ化ビニルエーテル等を重合若しくは共重合し
て得られるものであるが、特に、ここでは、ポリフッ化
ビニリデン、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレ
ン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレ
ン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオ
ロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ
化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体等
が、好適に用いられることとなる。
【0030】そして、本発明にあっては、上記のフッ素
変性アクリレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂に
対して、更に、ロール最外層たる保護層18の下に形成
される下層たる抵抗調整層16に対する密着性を高める
べく組み合わされる非(フッ素変性)アクリレート系樹
脂として、トナーのバインダ樹脂よりも高いガラス転移
温度(Tg)を有するものを用いることとしたのであ
り、これによって、ロール表面に対するトナーや外添剤
の付着、堆積が、更に効果的に抑制乃至は阻止され得る
こととなったのである。
【0031】すなわち、電子写真方式による画像形成装
置において、像担持体(感光体ドラム)上の静電潜像を
現像、可視化するために用いられるトナー(現像剤)
は、よく知られているように、顔料や染料を始め、各種
の無機微粒子(磁性粉、酸化物等)等をバインダ樹脂に
て結合して、所定大きさの粒子として形成されてなるも
のであるが、本発明にあっては、そのような画像形成装
置において用いられるトナーを構成するバインダ樹脂の
ガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する非
(フッ素変性)アクリレート系樹脂を用いることとした
のであり、これによって、そのような非(フッ素変性)
アクリレート系樹脂を含む樹脂組成物にて形成されるロ
ール最外層(保護層18)を硬くして、トナーや外添剤
の食い込みを抑制乃至は阻止するようにして、そのよう
なトナーや外添剤の付着、堆積を防止するようにしたも
のであり、このような物理的な付着作用の低減効果によ
って、ロール表面におけるトナーや外添剤の付着による
問題の発生を、より一層効果的に阻止せしめ得たのであ
る。
【0032】特に、そのような特定のガラス転移温度を
有する非(フッ素変性)アクリレート系樹脂の中でも、
本発明にあっては、用いられるトナーを構成するバイン
ダ樹脂のガラス転移温度よりも5℃以上高い、好ましく
は20〜50℃高いガラス転移温度を有している非(フ
ッ素変性)アクリレート系樹脂を用いることが望まし
く、また具体的には、ガラス転移温度が55〜100
℃、好ましくは70〜100℃である非(フッ素変性)
アクリレート系樹脂が、有利に用いられ、これによっ
て、適度な硬度の保護層18が形成され得て、トナーや
外添剤の付着、堆積が有利に阻止され得ることとなる。
【0033】なお、かかる非(フッ素変性)アクリレー
ト系樹脂は、フッ素変性されていないアクリレートを重
合して得られるものであって、通常、アクリル系樹脂と
称されるものである。具体的には、アクリル酸若しくは
メタクリル酸のメチル、エチル、ブチル、オクチル、ド
デシル等のアルキルエステル類;ヒドロキシエチル、ヒ
ドロキシブチル等のヒドロキシアルキルエステル類;グ
リシジルエステル等の、通常の(メタ)アクリレート系
モノマの単独又は共重合体であり、好ましくはメチルメ
タクリレートの単独重合体又はメチルメタクリレートと
他のフッ素不含のアルキルアクリレート若しくはメタク
リレートとの共重合体が、有利に用いられることとな
る。そして、そのような単独重合体や共重合体のガラス
転移温度(Tg)は、よく知られているように、重合体
の配列乃至は構造や分子量によって変化するものである
ところから、同一のモノマ種からなる重合体(樹脂)で
あっても、各種のガラス転移温度を有しており、本発明
にあっては、そのような各種のガラス転移温度を有する
重合体(樹脂)の中から、本発明に合致するガラス転移
温度を有する非(フッ素変性)アクリレート系樹脂が適
宜に選定されることとなる。
【0034】また、本発明において、ロール最外層たる
保護層18を与える樹脂組成物を構成する三成分たるフ
ッ素変性アクリレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹
脂と非(フッ素変性)アクリレート系樹脂とは、それら
三成分の各々の配合効果を充分に発揮せしめる上におい
て、一般に、フッ素変性アクリレート系樹脂としては1
〜15重量%の割合において、また、フッ素化オレフィ
ン系樹脂としては15〜85重量%の割合において、更
に、非(フッ素変性)アクリレート系樹脂としては10
〜75重量%の割合において、組み合わされることが望
ましい(但し、それら三成分の合計が100重量%とな
るように、それぞれの成分の割合が上記の範囲内におい
て適宜に選定されることとなる)。そして、特に望まし
くは、フッ素変性アクリレート系樹脂:5〜15重量
%、フッ素化オレフィン系樹脂:20〜60重量%、非
(フッ素変性)アクリレート系樹脂:30〜70重量%
の割合が、好適に採用されることとなる。
【0035】さらに、かかるフッ素変性アクリレート系
樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂と非(フッ素変性)ア
クリレート系樹脂の三成分からなる樹脂組成物を用いて
形成されるロール最外層としての保護層18の厚さとし
ては、その用途に応じて適宜に決定されることとなる
が、本発明にあっては、そのような樹脂組成物中の非
(フッ素変性)アクリレート系樹脂のガラス転移温度が
比較的高いものであるところから、そのような樹脂組成
物によって形成される保護層18の膜自体の硬さが硬く
なって、脆くなるところから、下層の弾性層たる抵抗調
整層16や柔軟性基層12の変形に対して追従し易くし
て、割れが発生しないようにするために、そのような保
護層18の膜厚を0.1〜10μmと薄くすることが望
ましく、これによって、膜自体の可撓性を増大せしめ
て、割れの発生を阻止するようにすることが望ましいの
である。
【0036】そして、そのような保護層18には、ロー
ルの帯電特性を充分に発揮させるべく、その体積抵抗率
が106 〜1015Ω・cm程度に調整されていることが
望ましい。そして、そのために、上記のフッ素変性アク
リレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂と非(フッ
素変性)アクリレート系樹脂からなる樹脂組成物には、
必要に応じて公知の各種導電剤が配合され、充填される
こととなる。具体的には、カーボンブラック、グラファ
イト、金属粉、導電性酸化チタンの如き導電性金属酸化
物等の電子導電剤や、多価金属塩、第4級アンモニウム
塩等のイオン導電剤が用いられることとなる。
【0037】ところで、それら図1や図2に示される半
導電性ロール(帯電ロール)を作製するに際しては、上
述した各形成材料を用いて、先ず、金型成形等の公知の
成形手法によって、軸体10の外周面上に導電性弾性体
若しくは導電性発泡体にて構成される柔軟性基層12を
形成し、その後、該柔軟性基層12の外周面上に、ディ
ッピング等の公知のコーティング手法により、軟化剤移
行防止層14、抵抗調整層16、更には保護層18を、
それぞれ、所定厚さにおいて順次積層形成するのであ
り、これによって、目的とする半導電性ロールが得られ
るのである。
【0038】そして、そのような構成を有する半導電性
ロール(帯電ロール)にあっては、軸体10上に、柔軟
性基層12、軟化剤移行防止層14、抵抗調整層16、
保護層18が順次設けられた構成により、該柔軟性基層
12にて低硬度乃至は柔軟性と良好な導電性とが付与さ
れることとなり、また、軟化剤移行防止層14にて、柔
軟性基層12からのオイル等の軟化剤のブリード現象
が、より効果的に防止されることとなるのであり、更に
は抵抗調整層16にて、優れた耐電圧性(耐リーク性)
を備えたものとなっているのである。
【0039】しかも、保護層18が、フッ素変性アクリ
レート系樹脂をベース樹脂の一つとして形成されている
ところから、かかるフッ素変性アクリレート系樹脂の有
する汚れの付着防止機能にて、ロール表面に対するトナ
ーの付着・固着の阻止乃至は抑制に大いに寄与している
のであり、またベース樹脂の他の一つの成分として、フ
ッ素化オレフィン系樹脂が用いられていることによっ
て、それの汚れ浸透防止機能にて、各種汚れの拭き取り
性を改善し、以てトナーが表面に付着しても、それが除
去され易くして、ロール表面の清浄化が有利に達成され
得るようになっているのであり、加えて、ベース樹脂の
更に他の一成分として、非(フッ素変性)アクリレート
系樹脂が用いられていることによって、そのような保護
層18の抵抗調整層16に対する密着性が有利に改善せ
しめられ得て、ロールの耐久性が効果的に向上せしめら
れ得ていることに加えて、そのような非(フッ素変性)
アクリレート系樹脂として、用いられるトナーのバイン
ダ樹脂よりも高いガラス転移温度を有するものが選定さ
れているところから、かかる保護層18が硬くなって、
トナーや外添剤のロール表面への食い込みを効果的に阻
止することが出来ることとなり、これによって、そのよ
うなトナーや外添剤の付着、堆積が効果的に阻止され得
て、画像劣化の問題が有利に回避され得ているのであ
る。
【0040】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しな
い限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0041】先ず、図1に示されるロール構成の半導電
性ロールを得るべく、下記の配合に従って、導電性弾性
体からなる柔軟性基層(12)形成材料、軟化剤移行防
止層(14)形成材料、及び抵抗調整層(16)形成材
料を、それぞれ、調製した。また、それら形成材料のう
ち、軟化剤移行防止層形成材料及び抵抗調整層形成材料
については、それぞれ、メチルエチルケトンに溶解し
て、所定粘度のコーティング液とした。
【0042】 柔軟性基層(12)形成材料の配合組成 重量部 ポリノルボルネンゴム 100 酸化亜鉛 5 ステアリン酸 1 ケッチェンブラックEC 70 ナフテン系オイル 400 促進剤TT 1 促進剤TBT 1 促進剤M 1 促進剤TL 0.5 硫 黄 1
【0043】 軟化剤移行防止層(14)形成材料の配合組成 重量部 N−メトキシメチル化ナイロン 70 トリメチロールメトキシメラミン 30 ケッチェンブラックEC 15
【0044】 抵抗調整層(16)形成材料の配合組成 重量部 エピクロルヒドリンゴム 100 加工助剤 1 ハードクレイ 40 鉛 丹 5 促進剤22 1.5 第4級アンモニウム塩 (テトラメチルアンモニウムパークロレート) 0.1
【0045】次いで、上記の各形成材料を用いて、先
ず、金型成形により、芯金(直径:8mm)の外周面上
に、3.5mm厚さの柔軟性基層12(硬度Hs:20
°、体積抵抗率:1×103 Ω・cm)を形成した後、
かかる柔軟性基層12上に、通常のディッピング手法に
より、厚さ:8μmの軟化剤移行防止層14を形成し、
更に厚さ:100μmの抵抗調整層16を形成して、供
試ロールを作製した。
【0046】一方、フッ素変性アクリレート系樹脂(A
成分)、フッ素化オレフィン系樹脂(B成分)、及び各
種のガラス転移温度(Tg)を有する非(フッ素変性)
アクリレート系樹脂(Cn成分)を、下記表1及び表2
に示される割合において、種々組み合わせ、更に、導電
性酸化チタンの70重量部を配合せしめた後、メチルエ
チルケトンに溶解して、保護層(18)形成用の各種コ
ーティング液を調製した。また、用いたCn成分につい
て、ポリマーOH価を有するものにおいては、架橋剤と
してヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロール
プロパンアダクト体を用い、それを、NCO/OHの割
合が下記表1及び表2となるように、添加した。
【0047】なお、上記の保護層(18)形成のための
各種コーティング液の調製に用いたフッ素変性アクリレ
ート系樹脂(A成分)としては、アクリル酸の部分フッ
素化アルキルエステルとメチルメタクリレートとを主成
分とする共重合体を用い、またフッ素化オレフィン系樹
脂(B成分)としては、フッ化ビニリデン−4フッ化エ
チレン共重合体を用い、更に非(フッ素変性)アクリレ
ート系樹脂(Cn成分)としては、下記表3に示される
重合体組成と分子量を有する各種ガラス転移温度(T
g)を有するものを用いた。
【0048】[表 1]
【0049】[表 2]
【0050】[表 3]
【0051】そして、このようにして得られた各種のコ
ーティング液を用いて、前記供試ロールの外周面上に、
換言すれば抵抗調整層16の外表面上に、それぞれ、下
記の表4及び表5に示される如き厚さの保護層18を形
成し、目的とする各種の半導電性ロールを得た。なお、
架橋剤を添加した樹脂組成物のコーティング液を用いて
保護層18を形成した半導電性ロールにあっては、その
ような保護層18の形成の後、160℃×30分の架橋
処理を実施した。
【0052】かくして得られた各種の半導電性ロールに
ついて、その保護層18のみの体積抵抗率、更にはロー
ルとしての電気抵抗を、それぞれ、測定した。なお、保
護層18の体積抵抗率は、社団法人日本ゴム協会制定の
「ゴム及びゴム状類似物の体積抵抗率試験方法」(SR
IS2304)に従って、測定した。ただし、電極とし
ては、20mmφの銀ペースト電極を用い、試験片の厚
さは20〜30μmのものを使用する一方、測定条件
は、印加電圧:10V、印加時間:30秒とした。ま
た、ロールの電気抵抗は、ロール表面に形成した1cm
2 の大きさの銀ペースト電極と芯金間の電気抵抗として
測定し、測定条件は、印加電圧:100V、印加時間:
30秒を採用した。
【0053】また、トナーの付着性については、バイン
ダ樹脂(スチレン−アクリル系)のガラス転移温度が5
0℃である市販のトナーを用い、更に上記で得られたそ
れぞれの半導電性ロールを帯電ロールとして用いて、市
販のレーザービーム・プリンタ〔レーザージェット40
00:ヒューレット・パッカード社製〕に取り付け、2
3℃×53%RHの環境下で、所定の画像を、それぞ
れ、1000枚、連続的にプリントアウトした後、各帯
電ロール上に付着しているトナーをテープ(3M社製、
スコッチ・メンディングテープ)にて除去し、そして、
そのテープに転写された付着トナーの濃度を、X−RI
TE社製の反射濃度計を用いて、測定した。なお、この
反射濃度計を用いた測定においては、その測定の数値が
大なる程、トナー付着濃度が高いことを示している。
【0054】さらに、外添剤の付着性については、上述
の如くして、10000枚の連続的なプリントアウト後
のロール外観を目視判定することにより、評価した。外
添剤(白色粉)が、ロール表面に付着してくると、黒色
ロールが白い粉にまぶされたようになるところから、そ
の程度を、以下の判断基準にて判定した。 ○:黒色外観のまま、またはうっすらと粉が載っている
箇所が部分的に認められるに過ぎないもの △:ロール全面にうっすらと粉が載った状態のもの ×:ロール全面に粉が大量に付着し、灰色を越え、白く
見えるもの
【0055】更にまた、上述のように市販のレーザービ
ームプリンタに帯電ロールとして適用した場合におけ
る、15℃×10%RH環境下での5000枚プリント
アウト(画出し)後及び10000枚プリントアウト
(画出し)後の耐久画像特性及びロール表層における割
れ(表層割れ)について調べ、その画像が良好なものを
○、ロール表層に微細な割れが発生し、その箇所にのみ
画像の乱れが発生したものを△、ロール表層全体に画像
の乱れが発生し実用に供し難いものを×として、評価し
た。
【0056】そして、以上の結果を、下記表4及び表5
に併せて示した。
【0057】[表 4]
【0058】[表 5]
【0059】かかる表4、表5の結果より明らかなよう
に、本発明例1〜6の半導電性ロール(帯電ロール)に
あっては、比較例のロール1〜3とは異なり、保護層1
8を構成する樹脂組成物中の非(フッ素変性)アクリレ
ート系樹脂として、トナーのガラス転移温度(Tg):
50℃よりも高い55℃〜100℃のガラス転移温度
(Tg)を有するメチルメタクリレートの単独重合体、
または共重合体が用いられているところから、トナーの
付着量が更に一層少なくなっており、しかも外添剤の付
着も殆ど認められず、従って耐久画像特性においても優
れていることが認められる。尤も、本発明例に係るロー
ル6の結果から明らかなように、保護層18の厚さが厚
くなると、表層に微細な割れが発生して、画像の乱れを
惹起するようになるところから、その膜厚を厚くし過ぎ
ないようにすることが望ましいことが、理解されるので
ある。また、比較例のロール1〜3にあっては、保護層
18を与える樹脂組成物中の非(フッ素変性)アクリレ
ート系樹脂として、トナーのガラス転移温度(50℃)
よりも低いガラス転移温度を有するポリメチルメタクリ
レートやメチルメタクリレート共重合体が用いられてい
るために、ロール表面にトナーがある程度付着し、また
外添剤の付着が著しいことが認められ、そのために耐久
画像特性において劣っているものと判断されるのであ
る。
【0060】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に従う半導電性ロールにあっては、その最外層が、フッ
素変性アクリレート系樹脂とフッ素化オレフィン系樹脂
と非(フッ素変性)アクリレート系樹脂とからなる樹脂
組成物にて構成されていることによって、それぞれの樹
脂成分に基づくところの汚れ付着防止機能や汚れ浸透防
止機能、最外層の密着性の向上機能等の特性が有利に発
揮せしめられることに加えて、かかる非(フッ素変性)
アクリレート系樹脂として、用いられるトナーのバイン
ダ樹脂よりも高いガラス転移温度を有するものが選定さ
れているところから、ロール表面におけるトナーの付着
防止がより一層効果的に発揮され、またトナーに外添さ
れている外添剤のロール表面への付着も効果的に抑制乃
至は阻止され得て、画像劣化が効果的に阻止せしめられ
得ることとなるのであり、製品の耐久性の向上、換言す
ればロールの長寿命化がより一層有利に実現せしめられ
得ることとなったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う半導電性ロールである帯電ロール
の一例を示す横断面説明図である。
【図2】本発明に従う半導電性ロールである帯電ロール
の異なる例を示す横断面説明図である。
【符号の説明】
10 軸体 12 柔軟性基層 14 軟化剤移行防止層 16 抵抗調整層 18 保護層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 33/14 C08L 33/14 F16C 13/00 F16C 13/00 A G03G 15/08 501 G03G 15/08 501D (72)発明者 杉浦 博樹 愛知県小牧市東三丁目1番地 東海ゴム工 業株式会社内 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC05 2H077 AD06 FA11 FA25 GA03 3J103 AA02 AA15 AA23 AA33 AA51 BA41 FA06 FA07 FA12 FA14 FA18 GA02 GA52 GA57 GA58 HA03 HA04 HA05 HA12 HA18 HA20 HA31 HA43 HA52 HA53 HA54 4J002 BD14X BD15X BD16X BE04X BG04Y BG05Y BG06Y BG07Y BG08W GP00 GQ00 GQ05

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像担持体上の静電潜像をトナーにて可視
    化して、目的とする画像を得るようにした電子写真方式
    による画像形成装置において、前記トナーに接触する半
    導電性ロールにして、フッ素変性アクリレート系樹脂及
    びフッ素化オレフィン系樹脂と共に、前記トナーのバイ
    ンダ樹脂よりも高いガラス転移温度を有する非(フッ素
    変性)アクリレート系樹脂を、更に含む樹脂組成物を用
    いて形成された最外層を有していることを特徴とする半
    導電性ロール。
  2. 【請求項2】 像担持体に接して回転する半導電性ロー
    ルにして、フッ素変性アクリレート系樹脂及びフッ素化
    オレフィン系樹脂と共に、前記像担持体上の静電潜像を
    可視化するために用いられるトナーのバインダ樹脂より
    も高いガラス転移温度を有する非(フッ素変性)アクリ
    レート系樹脂を、更に含む樹脂組成物を用いて形成され
    た最外層を有していることを特徴とする半導電性ロー
    ル。
  3. 【請求項3】 前記半導電性ロールが、帯電ロール又は
    現像ロールである請求項1又は請求項2記載の半導電性
    ロール。
  4. 【請求項4】 前記非(フッ素変性)アクリレート系樹
    脂が、前記トナーのバインダ樹脂のガラス転移温度より
    も5℃以上高いガラス転移温度を有している請求項1乃
    至請求項3の何れかに記載の半導電性ロール。
  5. 【請求項5】 前記非(フッ素変性)アクリレート系樹
    脂が、55〜100℃のガラス転移温度を有している請
    求項1乃至請求項4の何れかに記載の半導電性ロール。
  6. 【請求項6】 前記非(フッ素変性)アクリレート系樹
    脂が、メチルメタクリレートの単独重合体又はメチルメ
    タクリレートと他のフッ素不含アルキルアクリレート若
    しくはメタクリレートとの共重合体である請求項1乃至
    請求項5の何れかに記載の半導電性ロール。
  7. 【請求項7】 前記樹脂組成物が、前記フッ素変性アク
    リレート系樹脂の1〜15重量%と前記フッ素化オレフ
    ィン系樹脂の15〜85重量%と前記非(フッ素変性)
    アクリレート系樹脂の10〜75重量%とから構成され
    ている請求項1乃至請求項6の何れかに記載の半導電性
    ロール。
  8. 【請求項8】 前記最外層が、0.1〜10μmの厚さ
    において形成されている請求項1乃至請求項7の何れか
    に記載の半導電性ロール。
  9. 【請求項9】 前記半導電性ロールが、軸体の外周面上
    に導電性の弾性体乃至は発泡体からなる柔軟性基層が設
    けられ、且つ該柔軟性基層の外周面上に抵抗調整層が設
    けられてなると共に、更に該抵抗調整層の外周面上に、
    前記最外層としての保護層が設けられてなるロール構造
    を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項8の
    何れかに記載の半導電性ロール。
  10. 【請求項10】 前記柔軟性基層と前記抵抗調整層との
    間に、軟化剤移行防止層が設けられている請求項9記載
    の半導電性ロール。
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