JP3760626B2 - 帯電ロール - Google Patents

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【0001】
【技術分野】
本発明は、電子写真現像方式を利用した複写機やレーザービームプリンター等に用いられる帯電ロールに関するものである。
【0002】
【背景技術】
従来より、電子写真現像方式を利用した複写機やプリンター等においては、帯電部材として、コロトロンワイヤ、導電性ブラシ、帯電ロール等が知られているが、その中で、コロトロンワイヤは、部材周辺でオゾンを発生せしめ、その移動によって感光体ドラムを帯電させており、また導電性ブラシでは、ブラシ間での放電により発生するオゾンと感光体ドラムへの直接の電荷注入により、帯電を行なっており、更に帯電ロールは、感光体ドラムとの密着部での電荷注入によって帯電を行なうようになっている。
【0003】
そして、そのような帯電ロールを用いた、静電潜像の形成される感光体ドラムに対する帯電方式の一つであるロール帯電方式にあっては、具体的には、感光体ドラムの表面に電圧印加した帯電ロールを押し当てて、接触せしめつつ、それら感光体ドラムと帯電ロールとが相互に回転するようにして、それらの接触部(密着部)を通じて電荷を注入せしめることによって、感光体ドラム表面を帯電するようになっているのであり、他の方法に比べて、放電量が最も少なく、従ってオゾンの発生量も少ないという特徴が認められている。
【0004】
また、そのような帯電ロールにあっては、導電体たる所定の軸体(芯金)の外周面上に、多量の軟化剤を含有せしめて低硬度化を図ったソリッド構造のゴム弾性体層やゴム発泡体層等からなる低硬度の導電性基層(ベース層)が、所定の厚さで設けられていると共に、かかる導電性基層の外周面上に、抵抗調整層が設けられ、更に必要に応じて、それら導電性基層と抵抗調整層との間に電極層乃至は軟化剤移行防止層が、また抵抗調整層の外周面上に保護層が、それぞれ、積層形成されて、構成されてなる構造が、一般に採用されている。
【0005】
ところで、上記のような帯電ロールを用いた帯電システムにあっては、図1に示されるように、導電性の軸体2の周りに所定厚さのロール本体部4を設けてなる帯電ロール6を、感光体ドラム8に接触せしめて、かかる感光体ドラム8の回転駆動にて連れ回りさせ、それら帯電ロール6と感光体ドラム8との密着部での電荷注入によって、感光体ドラム8の表面を帯電させるに際して、それら帯電ロール6と感光体ドラム8との密着部では、帯電ロール6−感光体ドラム8相互の曲率によって形成される回転方向両側(図において、左右方向)の隙間において、即ち、かかる密着部の回転方向両側において、僅かながらも放電が生じ、そこに放電領域が形成されて、オゾンが発生すると共に、そのような放電によるエッチング作用にて、感光体ドラム8に損傷を与え、その耐久性を低下させるという問題を内在している。特に、近年における複写機やプリンターの高速化の進行に伴い、そのような装置に用いられている各部材の耐久性の向上が求められている状況下において、上記のような帯電に際しての感光体ドラムの摩耗の問題の解決は、強く要望されているところである。
【0006】
このため、帯電ロールと感光体ドラムとの密着部の両側に生じる放電領域を制御(減少)せしめて、放電によるエッチング作用を低減せしめるべく、帯電ロールの低硬度特性を維持しつつ、ロール本体部を構成する材料自体の体積抵抗を高めて、帯電ロール全体としてのロール抵抗を、例えば1×109 Ω程度に高めた帯電ロールが提案されるに至っているが、そのような帯電ロールのロール抵抗アップ品にあっては、図2に示される如く、その密着部両側の放電領域の減少を図り得るものの、同時に帯電ロールから感光体ドラムへの電荷の注入量も、ロール抵抗の上昇に伴って減少することとなるのであり、それによって、感光体ドラムの帯電量が低減して、画像形成に悪影響をもたらすようになる。
【0007】
【解決課題】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その課題とするところは、従来の帯電ロールと同様な、低硬度特性やロール抵抗を維持しつつ、感光体ドラムとの密着部における回転方向両側に生じる放電領域を制御せしめて、かかる放電領域での放電量を減少させ、以て放電によるエッチング作用を低減し、また、オゾンの発生量も効果的に低減せしめ得る帯電ロールを提供することにある。
【0008】
【解決手段】
そして、本発明にあっては、かくの如き技術的課題を解決するために、感光体ドラムに接して回転し、密着部での電荷の注入によって、該感光体ドラム表面を帯電せしめる帯電ロールにおいて、その外周面の全面に亘って、所定の高抵抗材料からなる最外層を、その厚さ:x(μm)が次式:
x≧0.1
x≧(15.917−logy)/3.75
x≦(24.885−logy)/8.0769
1.5×10 12 ≦y≦1.5×10 18
[但し、yは高抵抗材料の体積抵抗(Ω・cm)を示す]を満足する薄層において、形成せしめ、前記密着部の回転方向両側に生じる放電領域が減少するようにしたことを特徴とする帯電ロールを、その要旨とするものである。
【0009】
このように、本発明にあっては、単純に帯電ロールの抵抗を高めるものではなく、帯電ロールの最外層を高抵抗材料にて形成して、高抵抗の層と為すと共に、その厚さを特定範囲内において極めて薄くしたところに、大きな特徴を有するものであって、これにより、従来の帯電ロールと同様な低硬度特性やロール抵抗を維持し、以て、感光体ドラムとの密着部における優れた電荷注入特性を保持しつつ、かかる密着部の回転方向両側に生じる放電領域が減少するように制御して、そこで発生せしめられる放電量が効果的に抑制され得るようにしたものであり、またこれによって、オゾンの発生量も低減され、そのような発生するオゾン自体による周辺への悪影響も、効果的に低減せしめ得たのである。
【0010】
なお、かかる本発明に従う帯電ロールによれば、高抵抗層としての最外層を構成する高抵抗材料は、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、及びウレタン樹脂からなる群より選ばれることとなる。
【0011】
また、本発明に従う帯電ロールは、有利には、導電性軸体の外周面上に導電性の弾性体乃至は発泡体からなる低硬度基層が設けられ、且つ該低硬度基層の外側に、抵抗調整層及び保護層が順次積層形成されると共に、更に、該保護層の外周面上に、その全面に亘って、前記最外層が形成されてなるロール構造とされており、更に、そのようなロール構造において、低硬度基層と抵抗調整層との間に、電極層乃至は軟化剤移行防止層が設けられてなる構造も、有利に採用されることとなる。
【0012】
そして、このような本発明に従う帯電ロールは、一般に、その軸体とロール外表面との間の抵抗値として示されるロール抵抗が、1×104 〜1×107 Ωとなるように構成されており、それによって、感光体ドラムに対する電荷注入量を確保し、以て感光体ドラムが効果的に帯電せしめられ得るようになっているのである。
【0013】
【発明の実施の形態】
ところで、本発明に従う帯電ロールの代表的なロール構造の一例が、図3の(a)及び(b)に示されている。そこにおいて、帯電ロール10は、金属製の導電性軸体(芯金)12と、その周りに所定厚さで形成されたロール本体部たる弾性体層14とから、構成されている。そして、弾性体層14は、図3(b)から明らかなように、軸体12の外周面上に所定厚さで形成された低硬度の導電性ゴム弾性体(ソリッド構造)からなる導電性基層(ベースゴム層)16と、この導電性基層16の外側に、それぞれ所定厚さで順次積層形成された、電極層(軟化剤移行防止層)18、抵抗調整層20及び保護層22と、更に、保護層22の外周面上に薄層において形成された、最外層としての高抵抗体層24とから構成されている。
【0014】
具体的には、かかる帯電ロール10において、先ず、軸体12には、SUS材質からなるものの他、SUM22又はSUM24L等の鉄材質のものに無電解ニッケルめっきを3〜20μm程度の厚さで施したもの等が用いられ、一般に、その外径が5〜12mmφ程度の丸棒状のものが用いられることとなる。
【0015】
そして、そのような軸体12の外周面上には、低硬度の導電性基層16が、公知の導電性ゴム弾性体材料を用いて形成されているのであり、以て帯電ロール10に本質的に要求される、一般に、硬度が5°〜30°(HS :JIS−A)程度に調整された、低硬度乃至は柔軟性の特性を実現している。なお、そのような導電性ゴム弾性体を与える材料としては、通常、従来から公知のEPDM、SBR、NR、ポリノルボルネンゴム等のゴム材料の単独若しくはそれらの組合せが用いられ、目的とする導電性基層16が、軸体12の周りに、低硬度のベースゴム層として、従来と同様にして一体的に形成せしめられるのである。また、かかる導電性基層16を軸体12上に一体的に形成するために、必要に応じて、接着剤が用いられ得ることは、従来と同様である。
【0016】
なお、導電性基層16としては、上述の如きソリッド構造の導電性ゴム弾性体材料にて構成される層の他、また、公知のように、導電性ゴム発泡体材料を用いて構成してなる層を採用することも可能であり、更に、そのような導電性ゴム発泡体を与える材料としては、ヘタリ等を防止して、帯電ロールに求められる特性を満たすものであれば、その材質は特に限定されず、公知の各種ゴム発泡材料の何れもが用いられ得、例えばNBR、水素添加NBR、ウレタンゴム、EPDM等の材料が用いられる。そして、それらゴム材料が、アゾジカルボンアミド、4,4′−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、NaHCO3 等の公知の発泡剤を用いて、発泡せしめられて、目的とするゴム発泡体からなるベースゴム層が形成されるのである。
【0017】
また、上記した導電性基層16を構成するゴム弾性体材料やゴム発泡体材料には、カーボンブラック、金属粉、導電性金属酸化物等の適当な導電剤が配合されて、所定の体積抵抗の導電性ベースゴム層として調製され、更に、ゴム弾性体材料を用いてソリッド構造の導電性基層16を形成する場合には、特にプロセスオイルや液状ポリマー等の軟化剤が多量に配合されて、低硬度乃至は柔軟性が実現されることとなる。
【0018】
さらに、かくの如き導電性基層16において、それが導電性のゴム弾性体材料にて構成される場合にあっては、その体積抵抗は、一般に、1×101 〜1×106 Ω・cm程度とされ、その厚みとしては、1〜10mm、好ましくは2〜4mm程度とされる。また、導電性ゴム発泡体にて導電性基層16を構成した場合にあっては、その体積抵抗は、1×103 〜1×106 Ω・cm程度とされる。そして、その厚みは2〜10mm程度、好適には3〜6mm程度とされることとなるのである。
【0019】
そして、かかる導電性基層16の外周面上に形成される電極層18は、導電性基層16の抵抗値のバラツキの解消を図ると共に、そのような導電性基層16に多量に含有せしめられる軟化剤が該導電性基層16からブリードするのを抑制する、軟化剤移行防止層としての機能をも果たすものであり、更には、導電性基層16と抵抗調整層20との接着性を良くするためのものでもある。なお、かかる電極層18は、導電性基層16が上述せるように導電性ゴム発泡体にて構成される場合にあっては、省略されることもある。また、そのような電極層18は、従来と同様な材料を用いて形成され、例えば、N−メトキシメチル化ナイロン等のナイロン系の材料に、カーボンブラックや金属粉、導電性金属酸化物等の導電剤が配合されて、その体積抵抗が1×101 〜1×105 Ω・cm程度に調整された材料にて、形成されることとなる。更に、そのような電極層18の厚さは、通常、3〜20μm程度とされ、好適には4〜10μm程度とされる。
【0020】
また、図示の帯電ロール10にあっては、前述の如き導電性基層16の外側には、上記した電極層18を介して、抵抗調整層20が形成され、それによって帯電ロール10の全体としての電気抵抗を制御して、耐電圧性(耐リーク性)を高め得るようになっているのである。なお、この抵抗調整層20は、NBR、エピクロルヒドリンゴム(例えばECO)、アクリルゴム等の、従来から公知の各種のゴム材料を用いて形成され得るものであって、また、そのような抵抗調整層20には、更に、カーボンブラックや金属粉末、導電性金属酸化物、第4級アンモニウム塩等の導電剤が含有せしめられて、所定の導電性、例えば1×105 〜1×1011Ω・cm程度の体積抵抗が付与されているのである。
【0021】
なお、かかる抵抗調整層20の厚みとしては、帯電ロールとしての使用上乃至は製造上の特性から、一般には、50〜800μm程度とされることとなる。尤も、実際の加工工程やロール硬度等を考慮した場合において、100μmよりも薄い厚さでは、帯電ロールとしての安定した抵抗値分布や耐電圧性を得ることが難しく、また700μmを越える厚さとなると、充分な加硫状態まで加硫するのに要する時間が長くなり、下層の低硬度基層16の熱劣化の発生の限界を越える恐れも生じるところから、望ましくは、抵抗調整層20の厚みは、100〜700μmとされることとなる。
【0022】
また、そのような抵抗調整層20の上には、従来と同様にして、保護層22が形成される。この保護層22は、例えば、N−メトキシメチル化ナイロン等のナイロン系材料や、フッ素変性アクリレート系樹脂を含む樹脂組成物材料等に、カーボンブラックや導電性金属酸化物等の所定の導電剤が配合されて、その体積抵抗が1×108 〜1×1013Ω・cmとなるようにして、形成されることとなる。なお、このような保護層22の厚さは、通常、3〜20μm程度とされるのである。
【0023】
そして、本発明にあっては、かくの如き保護層22の上に、更に、所定の高抵抗材料からなる高抵抗体層24を薄層の最外層として形成することによって、弾性体層14を軸体12の周りに構成せしめ、以て目的とする帯電ロール10を完成せしめるものである。なお、かかる高抵抗体層24を与える高抵抗材料としては、従来から公知の各種のものが適宜に選択され得るものであるが、一般に、体積抵抗が1×1010Ω・cm以上の樹脂材料が好適に用いられ、例えばメラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、PMMAの如きアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、エーテル系やエステル系のウレタン樹脂等の中から、適宜に選択されることとなる。
【0024】
そして、かかる最外層としての高抵抗体層24は、その厚さをx(μm)としたとき、次のつの式:
x≧0.1
x≧(15.917−logy)/3.75
x≦(24.885−logy)/8.0769
1.5×10 12 ≦y≦1.5×10 18
[但し、yは高抵抗材料の体積抵抗(Ω・cm)を示す]を同時に満足するように設けられている必要があり、これによって、感光体ドラムに対する有効な帯電特性を確保しつつ、感光体ドラムとの密着部の両側に生じる放電領域が減少するように、効果的に制御し得ることとなったのである。
【0025】
すなわち、上述のつの式を同時に満足するように、高抵抗体層24の厚さ:x(μm)を制御することによって、かかる高抵抗体層24は、2μmよりも薄い薄層において形成されることとなるのであり、これによって、帯電ロールとしての有効な低硬度特性と共に、そのロール抵抗を1×104 〜1×107 Ωの範囲、特に1×105 〜1×106 Ωの範囲に容易に調整し得るのである。
【0026】
従って、図4に示される如く、感光体ドラム8に対する帯電ロール10密着部での電荷注入による感光体ドラム8の帯電特性を阻害することがないようにして、それら感光体ドラム8と帯電ロール10との密着部の両側、即ち、それらの回転方向における両側に生じる放電領域を減少せしめ、以て該放電領域における放電を低減させることによって、かかる放電に基づくところのエッチング作用を低減して、感光体ドラム8の損耗を効果的に抑制乃至は阻止し得たのであり、また、そのような放電の減少にて、オゾンの発生量も低減され、そのようなオゾンによる装置周辺の環境の悪化の問題等も、効果的に回避乃至は解消し得ることとなったのである。
【0027】
特に、かかる本発明に従う高抵抗体層24は、所定の高抵抗材料を用いて形成されることとなるため、そのような材料に抵抗調整のための添加剤を加える必要が全くなく、材料単体で使用することが出来るところから、そのような層に添加せしめられる添加剤乃至は充填剤による弊害も受けることがない、等という特徴も有しているのである。
【0028】
なお、この高抵抗体層24に関して、その厚さ(x)が0.1μmよりも薄くなると、一様な厚さにおける安定した層形成が困難となることに加えて、目的とする放電領域の有効な制御が困難となる。本発明の目的を有利に達成する上において、かかる高抵抗体層24の厚さ(x)は、好ましくは、0.2μm以上とされることとなる。また、高抵抗体層24の厚さ(x)が、(15.917−logy)/3.75よりも小さい場合にあっては、帯電ロールと感光体ドラムとの密着部両側の放電領域の制御が充分に行なわれ得ない等の問題がある。更に、かかる厚み(x)が(24.885−logy)/8.0769よりも大となると、感光体ドラムに対する注入電荷量が減少して、画像が劣化する等の問題を生じる。
【0029】
また、かかる高抵抗体層24は、ここでは、保護層22の外周面上に、その全面に亘って形成されているが、そのような本発明に従う最外層としての高抵抗体層24は、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、公知の各種構造の帯電ロールに対して、その最外層として形成され得るものであり、例えば保護層22を設けない帯電ロールにあっては、抵抗調整層20の外周面上に、直接に、本発明に従う高抵抗体層24が形成されることとなる。
【0030】
ところで、このような図3に示される本発明に従う帯電ロール10を作製するに際しては、上述した各形成材料を用いて、先ず、金型成形等の公知の成形手法によって、導電性軸体12の外周面上に、導電性ゴム弾性体や導電性ゴム発泡体等にて低硬度の導電性基層16を形成し、次いで、その得られた導電性基層16の外周面上に、電極層18、抵抗調整層20及び保護層22を順次積層形成せしめ、更に、その上に、最外層としての高抵抗体層24を、所定の薄層において、全周に亘って形成することにより、目的とする帯電ロール10が完成されるのである。
【0031】
具体的には、例えば、導電性の軸体12の周りに形成した導電性基層16の外周面上に、ディッピング等の公知のコーティング手法により、電極層18、抵抗調整層20、更には保護層22を、それぞれ、所定厚さにおいて順次積層形成することからなる方式、若しくは、導電性発泡体層形成材料及び抵抗調整層形成材料を予め押出成形等にてチューブ状に積層形成して、その得られたチューブ状積層成形物から、金型成形等の公知の成形手法によって、軸体12の外周面上に、導電性ゴム発泡体層(16)と抵抗調整層20とを形成して、その後、その抵抗調整層20の外周面上に、ディッピング等の公知のコーティング手法により、保護層22を所定の厚さにおいて形成することからなる方式等が採用されて、目的とする帯電ロール10を得るためのロール素材が形成される。次いで、このロール素材に対して、前記高抵抗材料を所定の溶媒(例えば、アセトン、MEK、THF等)に溶解せしめてなるコーティング液を用いて、ディッピング、スプレーコート等の公知のコーティング手法によって、高抵抗体層24が所定厚さにおいて、最外層として、形成され、以て目的とする帯電ロール10が形成されるのである。
【0032】
【実施例】
以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解されるべきである。
【0033】
実施例 1
先ず、図3に示される如きロール構成の帯電ロール10を得るべく、下記の配合組成に従って、導電性基層(16)形成材料、電極層(18)形成材料、抵抗調整層(20)形成材料、更には保護層(22)形成材料を、それぞれ、調製した。また、電極層形成材料、抵抗調整層形成材料、及び保護層形成材料については、それらをメチルエチルケトン(MEK)にそれぞれ溶解して、所定粘度のコーティング液とした。
【0034】
導電性基層(16)形成材料の配合組成
ポリノルボルネンゴム 100(重量部)
酸化亜鉛 5
ステアリン酸 1
ケッチェンブラック 70
ナフテン系オイル 400
加硫促進剤TT 1
加硫促進剤TBT 1
加硫促進剤M 1
加硫促進剤TL 0.5
硫 黄 1
【0035】
電極層(18)形成材料の配合組成
N−メトキシメチル化ナイロン 70(重量部)
トリメチロールメトキシメラミン 30
ケッチェンブラック 15
【0036】
抵抗調整層(20)形成材料の配合組成
エピクロルヒドリンゴム 100(重量部)
加工助剤 1
クレー 40
鉛丹 5
加硫促進剤22 1.5
トリメチルオクタデシルアンモニウムパークロレート
(第4級アンモニウム塩) 0.1
【0037】
保護層(22)形成材料の配合組成
N−メトキシメチル化ナイロン 100(重量部)
導電性酸化チタン 70
クエン酸 1
【0038】
そして、上記の各形成材料を用いて、先ず、金型成形により、SUM22材質の丸棒の表面に5μmの厚さの無電解ニッケルめっきを施してなる軸体(直径:8mm)の外周面上に、体積抵抗が1×103 Ω・cmで、硬度(JIS−A)が20°の低硬度の導電性基層16を、従来と同様にして、3mmの厚さで加硫成形した後、通常のディッピング手法により、厚さが6μm、体積抵抗が1×103 Ω・cmの電極層18を形成し、次いで、厚さが180μm、体積抵抗が1×107 Ω・cmの抵抗調整層20を、通常のディッピング手法により形成し、そして、160℃×45分の加硫を行なった後、更にディッピング手法に従って、厚さが10μm、体積抵抗が1×109 Ω・cmの保護層22を形成することにより、ロール素材を得た。
【0039】
次いで、このようにして得られたロール素材に対して、その外周面(保護層22)上に、高抵抗材料として、体積抵抗が1.5×1012Ω・cmのメラミン樹脂を用いて、そのメチルエチルケトン(MEK)溶液にディッピングする手法に従って、高抵抗体層24を、各種の厚さにおいて、最外層として形成して、目的とする帯電ロール10を作製した。なお、最外層としての高抵抗体層24の厚み(x)は、ディッピング溶液たるMEK溶液中の固形分(メラミン樹脂)比率にて制御し、目的とする厚さ(x)を実現した。
【0040】
かくして得られた、高抵抗体層24の厚さ(x)の異なる帯電ロール10について、その軸体12とロール外表面との間のロール抵抗値を測定し、その測定値が1.0×105 〜1.0×106 Ωの範囲内にあるものを○、1.0×106 Ωよりも大なる場合には×として、評価し、その結果を、下記表1に示した。
【0041】
また、かかる各種の帯電ロール10を用い、市販のレーザービーム・プリンター(株式会社リコー製、NX−500)に取り付け、23℃×53%RHの環境下で、所定の画像を、それぞれ、A4紙に10000枚連続的にプリントアウトした後、各感光体ドラム8の摩耗量(μm)を測定して、その摩耗量が7μm未満の場合には○、7μm以上、10μm未満の場合には△、更に、10μm以上の場合には×として、評価し、その結果を、下記表1に併せ示した。
【0042】
さらに、上記で得られた各帯電ロール10についての画像評価を、上記と同様なレーザービーム・プリンターを用いて行ない、10℃×15%RHの条件下において、画出ししたときの初期の画像評価を行ない、良好な画像の場合には○、実用的に許容される範囲内の画像には△、そして実用上許容出来ない画像には×として、評価し、その結果を、下記表1に併せ示した。
【0043】
【表1】
Figure 0003760626
【0044】
かかる表1の結果から明らかなように、本発明に従う前記三つの式を満足する厚さ(x)を有する高抵抗体層24を設けた帯電ロール10にあっては、感光体ドラム8の摩耗が少なく、また画像も良好であったのに対して、それら三つの式を満足しない場合にあっては、放電による摩耗が著しいものであったり、或いは低温・低湿度下での画出し評価において、画像が劣るものとなることが、認められる。
【0045】
実施例 2
高抵抗材料として、体積抵抗が1.5×1014Ω・cmのエポキシ樹脂を用い、実施例1と同様にして、各種の厚さ(x)の高抵抗体層24を設けてなる各種の帯電ロール10を作製した。そして、その得られた各種の帯電ロール10について、そのロール抵抗、摩耗量及び画像について、実施例1と同様にして評価し、その結果を、下記表2に示した。
【0046】
【表2】
Figure 0003760626
【0047】
かかる表2の結果から明らかなように、本発明に従う厚さ(x)を有する薄層の高抵抗体層24を設けた帯電ロール10にあっては、何れも、そのロール抵抗が望ましい範囲にあり、また放電によるエッチング量(摩耗量)も少なく、且つ画像の良好なものであった。
【0048】
実施例 3
高抵抗材料として、体積抵抗が1.5×1015Ω・cmのアクリル樹脂を用い、実施例1と同様にして、高抵抗体層24の厚さ(x)が異なる、各種の帯電ロール10を作製した。そして、その得られた各種の帯電ロール10について、そのロール抵抗、摩耗量及び画像の評価を、実施例1と同様にして行ない、その結果を、下記表3に併せ示した。
【0049】
【表3】
Figure 0003760626
【0050】
かかる表3の結果から明らかなように、本発明に従う厚さ(x)を有する薄層の高抵抗体層24を設けた帯電ロール10は、何れも、そのロール抵抗が望ましい範囲にあり、また放電によるエッチング量(摩耗量)も少なく、且つ画像の良好なものであった。
【0051】
実施例 4
高抵抗材料として、体積抵抗が1.5×1018Ω・cmのフッ素樹脂(四フッ化エチレン樹脂)を用い、実施例1と同様にして、高抵抗体層24の厚さ(x)の異なる各種の帯電ロール10を作製した。なお、ディッピング溶媒としては、アセトンを用いた。次いで、この得られた各種の帯電ロール10について、そのロール抵抗、摩耗量及び画像の評価を、実施例1と同様にして行ない、その結果を、下記表4に併せ示した。
【0052】
【表4】
Figure 0003760626
【0053】
かかる表4の結果から明らかなように、本発明に従う厚さ(x)を有する薄層の高抵抗体層24を設けた帯電ロール10にあっては、何れも、そのロール抵抗が望ましい範囲にあり、また放電によるエッチング量(摩耗量)も少なく、且つ画像の良好なものであった。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に従う帯電ロールにあっては、高抵抗材料からなる最外層が極めて薄い層厚さにおいて形成されていることによって、帯電ロールの低硬度特性や感光体ドラムに対する良好な帯電特性を確保しつつ、感光体ドラムとの密着部両側の放電領域を効果的に縮小せしめ得て、かかる放電領域における放電を減少させることによって、そのような放電によるエッチング作用を低減し、感光体ドラムの損傷を効果的に抑制乃至は阻止し得たのであり、加えて発生するオゾン量も、効果的に低減せしめ得て、周囲に対する悪影響も、効果的に回避し得ることとなったのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロール軸に直角な方向における従来の帯電ロールと感光体ドラムとの接触状態を示す説明図である。
【図2】従来の帯電ロールにおける抵抗アップ品についての帯電ロールと感光体ドラムとの密着部の状況を示す拡大説明図である。
【図3】本発明に従う帯電ロールの一例を示す説明図であって、(a)は、帯電ロールの全体図を示し、(b)は、そのような帯電ロールの構成を示す横断面説明図である。
【図4】本発明に従う帯電ロールの感光体ドラムとの密着部の状況を示す拡大説明図である。
【符号の説明】
2、12 軸体
4 ロール本体部
6、10 帯電ロール
8 感光体ドラム
14 弾性体層
16 導電性基層
18 電極層
20 抵抗調整層
22 保護層
24 高抵抗体層

Claims (5)

  1. 感光体ドラムに接して回転し、密着部での電荷の注入によって、該感光体ドラム表面を帯電せしめる帯電ロールにおいて、その外周面の全面に亘って、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂及びウレタン樹脂からなる群より選ばれた高抵抗材料からなる最外層を、その厚さ:x(μm)が次式:
    x≧0.1
    x≧(15.917−logy)/3.75
    x≦(24.885−logy)/8.0769
    1.5×10 12 ≦y≦1.5×10 18
    [但し、yは高抵抗材料の体積抵抗(Ω・cm)を示す]を満足する薄層において、形成せしめ、前記密着部の回転方向両側に生じる放電領域が減少するようにしたことを特徴とする帯電ロール。
  2. 前記高抵抗材料からなる最外層が、0.2μm以上の厚さにおいて形成される請求項1記載の帯電ロール。
  3. 導電性軸体の外周面上に導電性の弾性体乃至は発泡体からなる低硬度基層が設けられ、且つ該低硬度基層の外側に、抵抗調整層及び保護層が順次積層形成されると共に、更に、該保護層の外周面上に、その全面に亘って、前記最外層が形成されてなるロール構造とされている請求項1又は請求項2記載の帯電ロール。
  4. 前記低硬度基層と前記抵抗調整層との間に、電極層乃至は軟化剤移行防止層が設けられている請求項3記載の帯電ロール。
  5. ロール抵抗が1×104 〜1×107 Ωとされている請求項1乃至請求項4の何れかに記載の帯電ロール。
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