JP2001153620A - 膜厚測定装置および膜厚測定方法 - Google Patents

膜厚測定装置および膜厚測定方法

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JP2001153620A
JP2001153620A JP33856399A JP33856399A JP2001153620A JP 2001153620 A JP2001153620 A JP 2001153620A JP 33856399 A JP33856399 A JP 33856399A JP 33856399 A JP33856399 A JP 33856399A JP 2001153620 A JP2001153620 A JP 2001153620A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 所定領域の膜厚分布を測定できるとともに、
所定位置における膜厚を測定できる膜厚測定装置および
膜厚測定方法を提供する。 【解決手段】 光源部2からの光を波長選択手段23に
より白色光または特定波長λfの光に選択後、導光光学
系3により基板W上の測定領域MAに照射する。所定位
置P1からの反射光(白色光)L1を分光した後、第1
受光素子43により受光して所定位置P1の膜厚値を求
める。測定領域MAからの反射光L2(特定波長λf)
を第2受光素子53で受光して測定領域MA内の膜厚分
布を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板、液晶
表示器用基板やプラズマディスプレイパネル(PDP等
のFPD(Flat Panel Display)用
基板、プリント基板などの各種の基板やフィルムなどの
測定対象物に光を照射し、測定対象物からの反射光に基
づいて測定対象物上に形成された薄膜の膜厚を測定する
膜厚測定装置および膜厚測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の膜厚測定装置の一つとして、特開
平3―46502号公報に開示されたものが知られてい
る。この膜厚測定装置は、光源から照射された白色光
を、集光素子、ハーフミラーおよび結像素子によって、
薄膜が形成された基板上の測定領域に照射する。そし
て、測定領域内の所定位置から反射した光を、結像素
子、ハーフミラーおよびピンホールミラーを介して分光
器に入射させる。最後に分光器に入射した光を各波長ご
とに分光し、この分光された光のエネルギーから薄膜の
膜厚を測定する。以下、この膜厚測定装置を分光式膜厚
測定装置と称す。
【0003】上述の分光式膜厚測定装置では、所定位置
における薄膜の膜厚しか測定できず、所定領域における
薄膜の膜厚分布を測定することができない。この問題を
解決するための膜厚測定装置として特開平10―479
26号公報に開示された膜厚測定装置が知られている。
この膜厚測定装置は光源から照射された光の内、互いに
異なる所定の波長の光のみをそれぞれ透過する複数のフ
ィルタを備える。この複数のフィルタを切り替えること
により、薄膜が形成された基板に照射する光の波長を切
り替える。フィルタを透過した光は、基板上方に配置さ
れた凹面鏡で反射して基板全体に照射される。基板から
反射した光は2次元に配列された複数の受光素子からな
る受光手段により一括して受光される。そして、複数の
フィルタの切り替えに応じて受光手段からの信号を取得
し、この信号に基づいて薄膜の膜厚分布を求める。以
下、この膜厚測定装置を波長選択式の膜厚測定装置と称
す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】例えば半導体素子の製
造過程においてCMP(chemical mecha
nical polishing)処理工程後、フォト
レジスト膜形成工程後など各工程による薄膜形成結果を
判断するために複数の工程後に薄膜の膜厚測定が実施さ
れる。そして、各膜厚測定において薄膜の膜厚分布を要
求される場合と、所望位置でのより正確な膜厚測定が要
求される場合とがあり、これらの測定を1台の膜厚測定
装置によって使い分けしたいという要望があった。
【0005】また、上述の波長選択式の膜厚測定装置に
よると、基板に照射する光の波長がフィルタの数に制限
されるため、おおよその膜厚分布を求めることはできる
が、より正確な膜厚測定に対応できないという問題が発
生する。この問題について図9を用いて説明する。図9
は基板から反射した光の各波長に対する分光反射比率を
示し、実線は膜厚が250nmのシリコン窒化膜が形成
された基板におけるプロファイルを示し、一点鎖線は膜
厚が500nmのシリコン窒化膜が形成された基板にお
けるプロファイルを示す。図9の点a1ないし点a4に
示すように実線と一点鎖線とは、波長が430nm,5
00nm,600nm,740nm付近であるときに交
わっている。すなわち、図9の点a1ないし点a4にお
いて膜厚が250nmであるときの分光反射比率と膜厚
が500nmであるときの分光反射比率とが同じ値とな
る。したがって、波長選択式の膜厚測定装置において、
複数のフィルタによって選択する光の波長が、430n
m,500nm,600nm,740nmのいずれかの
ときに膜厚値が250nmであるか、500nmである
かの判断ができないという問題が発生する。この問題を
解決するために、測定すべき薄膜の膜厚範囲(膜厚検査
範囲)を例えば200nmから300nmの範囲内であ
ると初期設定しておいて、上述のように膜厚値が250
nmと500nmの両方と一致するときに、初期設定値
から膜厚値は250nmと判断する方法が考えられる。
【0006】しかしながら、上記の膜厚検査範囲(20
0nmから300nmの範囲内)の初期設定を誤ると間
違った膜厚を求めるという測定ミスが発生する。基板上
に複数の膜種の薄膜が積層された多層膜が形成されてい
る場合においては膜種ごとに膜厚検査範囲を初期設定す
る必要があるので、上述の測定ミスが発生する可能性が
高くなる。
【0007】本発明の第1の目的は、上述のような点に
鑑み、薄膜の膜厚分布を測定できるとともに、所望位置
における薄膜の膜厚をより正確に測定できる膜厚測定装
置を提供することにある。本発明の第2の目的は、上述
のような点に鑑み、所望領域における薄膜の膜厚分布を
正確に測定することができる膜厚測定装置を提供するこ
とにある。本発明の第3の目的は、上述のような点に鑑
み、所望領域における薄膜の膜厚分布を正確に測定する
ことができる膜厚測定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
めに請求項1に係る発明は、基板上に形成された薄膜の
膜厚を測定する膜厚測定装置において、白色光を基板上
の所定位置に照射する光学系と、所定位置から反射した
反射光を所定の波長ごとに分光する分光手段と、分光手
段で分光された光をそれぞれ受光する第1受光手段とを
有し、第1受光手段による検出結果に基づいて所定位置
における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定部と、互いに
波長が異なる複数の光を基板上の所定領域に順次照射す
る照射手段と、2次元に配列された複数の受光素子から
なる第2受光手段と、基板上の所定領域から反射した反
射光を第2受光手段に一括して導く光学系とを有し、第
2受光手段による検出結果に基づいて所定領域における
薄膜の膜厚分布を求める第2膜厚測定部とを備えること
を特徴とする。
【0009】請求項2に係る発明は、基板上に形成され
た薄膜の膜厚を測定する膜厚測定装置において、白色光
を基板上の所定位置に照射する光学系と、所定位置から
反射した反射光を所定の波長ごとに分光する分光手段
と、分光手段で分光された光をそれぞれ受光する第1受
光手段とを有し、第1受光手段による検出結果に基づい
て所定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定部
と、白色光を基板上の所定領域に順次照射する照射手段
と、2次元に配列された複数の受光素子からなる第2受
光手段と、所定領域から反射した反射光を第2受光手段
に向けて一括して導く光学系と、この光学系により導か
れる光から互いに波長が異なる複数の光のみを順次選択
する波長選択手段とを有し、第2受光手段による検出結
果に基づいて所定領域における薄膜の膜厚分布を求める
第2膜厚測定部とを備えることを特徴とする。
【0010】請求項1または請求項2に係る発明による
と、第1膜厚測定部によって所定位置における薄膜の膜
厚が測定されるとともに、第2膜厚測定部によって所定
領域における薄膜の膜厚分布が測定される。
【0011】請求項3に係る発明は、請求項1または請
求項2に記載の膜厚測定装置において、第2膜厚測定部
が第1膜厚測定部により求められた所定位置における薄
膜の膜厚に基づいて所定領域における薄膜の膜厚分布を
求めることを特徴とする。この発明によると第1膜厚測
定部による測定結果に基づいて第2膜厚測定部による測
定が実行される。
【0012】請求項4に係る発明は、請求項3に記載の
膜厚測定装置において所定位置が所定領域内に設定され
ていることを特徴とする。この発明によると、所定位置
の周辺領域における薄膜の膜厚分布が測定される。
【0013】請求項5に係る発明は、請求項3または請
求項4に記載の膜厚測定装置において所定領域は薄膜構
造が同一である領域に設定されていることを特徴とす
る。この発明によると、薄膜構造が同一である領域につ
いて膜厚分布が測定される。
【0014】請求項6に係る発明は、基板上に形成され
た薄膜の膜厚を測定する膜厚測定方法において、白色光
が照射された基板上の所定位置から反射した反射光を分
光した後、分光された光を第1受光手段によりそれぞれ
受光し、この第1受光手段による検出結果に基づいて所
定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定工程
と、互いに波長が異なる複数の光が順次照射された基板
上の所定領域から反射した反射光を第2受光手段で一括
して受光して、この第2受光手段による検出結果および
第1膜厚測定工程で求めた所定位置の膜厚に基づいて所
定領域における薄膜の膜厚分布を求める第2膜厚測定工
程とを含むことを特徴とする。
【0015】請求項7に係る発明は、基板上に形成され
た薄膜の膜厚を測定する膜厚測定方法において、白色光
が照射された基板上の所定位置から反射した反射光を分
光した後、分光された光を第1受光手段によりそれぞれ
受光し、この第1受光手段の検出結果に基づいて所定位
置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定工程と、白
色光が照射された基板上の所定領域から反射した光から
互いに波長が異なる複数の光を順次選択した後に第2受
光手段により一括して受光して、この第2受光手段によ
る検出結果および第1膜厚測定工程で求めた所定位置の
膜厚に基づいて所定領域における薄膜の膜厚分布を求め
る第2膜厚測定工程とを含むことを特徴とする。
【0016】請求項8に係る発明は、上記の第2膜厚測
定工程において、第1膜厚測定工程で求めた膜厚に基づ
いて膜厚検査範囲が設定され、この膜厚検査範囲に基づ
いて所定領域における薄膜の膜厚分布が求められること
を特徴とする。
【0017】請求項9に係る発明は、上記の第2膜厚測
定工程において、前記所定位置の近傍領域が第1膜厚演
算領域に設定され、第1膜厚演算領域における膜厚検査
範囲が第1膜厚測定工程で求めた所定位置の膜厚に基づ
いて設定されることを特徴とする。
【0018】請求項10に係る発明は、上記の第2膜厚
測定工程において、第1膜厚演算領域の近傍領域が第2
膜厚演算領域に設定され、第2膜厚演算領域における膜
厚検査範囲が第1膜厚演算領域の膜厚に基づいて設定さ
れることを特徴とする。
【0019】請求項11に係る発明は、請求項6または
請求項7に記載の膜厚測定方法において、前記所定領域
は薄膜構造が同一である領域に設定されていることを特
徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
について図面を参照しながら説明する。 <第1実施形態>図1はこの発明の膜厚測定装置の第1
実施形態を示す模式図である。膜厚測定装置1は、互い
に異なる複数の波長ごとの光を選択的に発する光源部2
と、測定ステージ7上に水平に載置され、その上側主面
に所定の薄膜が形成された基板W上の矩形の測定領域M
Aより広い領域に光源部2からの光を照射するように導
く導光光学系3と、測定領域MA内の所定位置P1から
反射した光を分光した後、第1受光素子43まで導く第
1受光光学系4と、測定領域MAから反射した光を第2
受光素子53まで導く第2受光光学系5と、制御部6と
を備える。
【0021】測定ステージ7は図1において紙面に直交
する水平面(X−Y平面)内において移動可能に構成さ
れたX−Yステージである。測定ステージ7を図示しな
い駆動機構により水平移動させることによって基板W上
の所望位置に所定位置P1や測定領域MAを設定する。
測定ステージ7を固定し、光源部2、導光光学系3、第
1受光光学系4および第2受光光学系5などを備える光
学ヘッドを測定ステージ7に対して移動させて、基板W
上の所望位置に所定位置P1や測定領域MAを設定して
も良い。
【0022】光源部2は白色光を発するハロゲンランプ
である光源21と、光源21からの光L0を視野絞り2
5の円形の開口25hに向けて集光するレンズ22とを
備える。レンズ22と視野絞り25との間には波長切換
手段23が配置されている。波長切換手段23はその外
周部が光路上に位置するように配置された円盤24を備
える。円盤24の外周部には8つの円形フィルタF1か
らフィルタF8と円形の開口24hが円盤24の円周方
向に沿って等間隔に設けられている。8つのフィルタF
1ないしF8がそれぞれ透過する光L0の波長λ1ない
し波長λ8は、例えば、475nm,500nm,52
5nm,550nm,575nm,600nm,625
nm,650nmが考えられるが、これらに限定され
ず、測定すべき薄膜の膜種や膜構造に応じて任意に設定
すればよい。また、フィルタFの数(透過する光の波長
数)は8つに限定されず、測定すべき薄膜の膜種や膜構
造に応じて適宜に設定すればよい。以下において波長λ
1ないし波長λ8を特定波長λfと総称する。
【0023】円盤24の中心部にはモータ26の回転軸
が接続されている。モータ26を後述するデータ処理部
63からの信号に基づき回転駆動することにより、レン
ズ22と視野絞り25との間に、開口24hを配置する
か、フィルタF1からF8の内のいずれか一つのフィル
タを配置するかを選択的に切り替える。このように切り
替えることによって基板Wの測定領域MAに照射される
光が、開口24hが選択されたときは白色光となり、フ
ィルタF1からフィルタF8の内のいずれか一つのフィ
ルタが選択されたときは特定波長λf(波長λ1ないし
波長λ8)の光となる。
【0024】導光光学系3は、視野絞り25から出射し
た光L0がケラー照明となるように集光するレンズ31
と、レンズ31によって集光された光L0を、基板Wに
向けて反射するハーフミラー32と、この反射された光
L0を、所望の測定領域MA全体に集光させる対物レン
ズ33とを備える。なお、図1において光源部2から照
射され導光光学系3により測定領域MAに照射される光
L0の中心光の光路は点線で示される。
【0025】第1受光光学系4は、測定領域MA内の所
定位置P1から反射して対物レンズ33により平行光と
された光L1をミラー51に形成されたピンホール51
hに結像させるレンズ41を備える。また、ピンホール
51hから出射した光を各波長ごとに分光し、第1受光
素子43に向けて反射する凹面回折格子42を備える。
なお、所定位置P1は視野絞り25およびピンホール5
1hと光学的に共役な位置関係にある。また、図1にお
いて所定位置P1から反射して第1受光光学系4に導か
れ、第1受光素子43で受光される光L1の中心光の光
路は実線で示される。
【0026】第1受光素子43は、反射光L1が分光さ
れる方向ARに沿って1次元に配列された複数の受光素
子からなり、各受光素子が分光された各波長の光を受光
する。そして、制御部6内の分光器測定データ入力部6
1に向けて、各波長の光の光量を示す信号(検出結果)
を送る。分光器測定データ入力部61は受け取った信号
をデジタルデータに変換して、このデジタルデータをデ
ータ処理部63に向けて送る。各波長の光量は、例えば
波長が400nmから800nmの範囲内で1nmごと
に第1受光素子43内の各受光素子により測定されて、
その測定結果が分光器測定データ入力部61を介してデ
ータ処理部63に送られる。以下において凹面回折格子
43、第1受光素子43およびピンホール51hを「分
光器」と総称する場合がある。
【0027】第2受光光学系5は、基板W上の測定領域
MAから反射した光の内、所定位置P1から反射した反
射光L1以外の反射光L2を第2受光素子53に向けて
反射するミラー51を備える。ミラー51で反射された
光L2はレンズ52によって第2受光素子53上の所定
領域に集光される。なお、図1において測定領域MAか
ら反射して第2受光光学系5に導かれ、第2受光素子5
3で受光される光L2の光路は一点鎖線で示される。
【0028】第2受光素子53は、所定領域に集光され
た光を一括して受光するために2次元に配列された複数
の受光素子からなり、撮像カメラ内に設けられている。
第2受光素子53は、各受光素子によって受光した光の
光量を示す信号(検出結果)を制御部6内のカメラ測定
データ入力部62に向けて送る。カメラ測定データ入力
部62はデータ処理部63に向けて受け取った信号を送
る。
【0029】制御部6内に設けられたデータ処理部63
は、CPU、ROM及びRAM等を有する既知のマイク
ロコンピュータ等から構成される。データ処理部63
は、第1受光素子43から送られた各波長ごとの反射光
L1の光量を示す信号および第2受光素子53から送ら
れた反射光L2の光量を示す信号に基づき、基板Wに形
成された薄膜の膜厚およびその分布を算出する。また、
ROM内に記憶された処理プログラムに基づいてモータ
26などを制御する。
【0030】<第1実施形態の動作例>次に上述の第1
実施形態のように構成される膜厚測定装置1の動作の一
例について説明する。まず、図2のフローチャートに示
すように参照情報を測定する。具体的には、ステップS
11で薄膜が形成されていない参照基板W0が、操作者
による手動で、または、図示しない搬送機構を用いて自
動的に測定ステージ7上に載置される。
【0031】次にステップS12で波長切替手段23の
円盤24に形成された開口24hがレンズ22と視野絞
り25の間に配置されるように、データ処理部63から
の信号に基づいてモータ26により円盤24を回転駆動
する。この状態では、光源21から発せられた白色光L
0が導光光学系3により基板W0上の測定領域MAより
広い領域に照射される。測定領域MA内の所定位置P1
から反射した反射光L1は第1受光光学系4により各波
長ごとに分光されて第1受光素子43まで導かれる。
【0032】ステップS13では、第1受光素子43
は、各波長ごとの光量を示す情報、すなわち分光器の参
照情報B(λ)を分光器測定データ入力部61を介して
データ処理部63に送る。データ処理部63は送られた
情報B(λ)をRAM内で記憶する。
【0033】ステップS14では、データ処理部63か
らの信号に基づいて、波長切替手段23のモータ26に
より円盤24を回転駆動して、レンズ22と視野絞り2
5との間に、8つのフィルタF1からF8の内の一つの
フィルタを配置する。この状態では、フィルタを透過し
た特定波長λfの光のみが導光光学系3により参照基板
W0上の測定領域MAより広い領域に照射される。測定
領域MAから反射した光L2は、第2受光光学系5によ
り第2受光素子53の所定領域に照射され受光される。
【0034】ステップS15において、第2受光素子5
3は、特定波長λfの光の光量を示す情報、すなわちカ
メラの参照情報B(i,λf)(iは第2受光素子53
内の受光素子の数(番号)を示す)をカメラ測定データ
入力部62を介してデータ処理部63にそれぞれ送る。
データ処理部63は送られた情報B(i,λf)をRA
M内で記憶する。
【0035】ステップS16では、フィルタF1からフ
ィルタF8までの全てのフィルタについて処理したか否
かが判断される。全てのフィルタについて処理していな
いと判断したときは、ステップS14からステップS1
5を繰り返す。全てのフィルタについて処理したと判断
したときは次のステップS17に移る。
【0036】ステップS17では、測定ステージ7に載
置された参照基板W0の外側に設けられた反射防止面に
測定領域MAが設定されるように測定ステージを図示し
ない駆動手段により水平方向に移動させる。上記の反射
防止面は対物レンズ33の焦点面から上下にずれた位置
に配置され、反射防止加工が施された面である。この状
態では、第1受光素子43および第2受光素子53には
光が入射しない。
【0037】ステップS18では、第1受光素子43の
各受光素子の暗電流の大きさを示す情報、すなわち分光
器の暗情報D(λ)が分光器測定データ入力部61を介
してデータ処理部63に送られる。また、第2受光素子
53の暗電流の大きさを示す情報、すなわちカメラの暗
情報D(i)がカメラ測定データ入力部62を介してデ
ータ処理部63に送られる。データ処理部63に送られ
た暗情報D(λ)および暗情報D(i)はRAM内に記
憶される。
【0038】ステップS18が終了すると参照基板W0
が測定ステージ7上から搬出されるとともに、測定ステ
ージ7が図3に示す膜厚測定動作が可能な位置まで移動
して図2のフローチャートに示す参照情報の測定動作が
完了する。上述のようにデータ処理部63のRAM内に
記憶された分光器の参照情報B(λ)および暗情報D
(λ)、カメラの参照情報B(i,λf)および暗情報
D(i)は、後述の膜厚演算動作(図4)に用いる参照
情報(キャリブレーション情報)として参照される。
【0039】次に図3に示すフローチャートを用いて膜
厚情報の測定動作について説明する。まず、ステップS
21で膜厚を測定すべき基板(測定対象基板)Wの測定
領域MAに形成された薄膜の単層膜、多層膜などの膜構
造と膜種を設定する。具体的には予めデータ処理部63
内のROMに保存された複数の膜構造および膜種を図示
しないモニタなどの表示装置に表示して、この表示され
た情報の中から所望の膜構造および膜種を、操作者がキ
ーボードなどの入力装置を操作することによって選択指
定する。
【0040】ステップS21の操作を終えると指定され
た膜種に応じてモニタに薄膜の光学定数(波長λの関数
である反射率N(λ)、吸収係数K(λ)など)が表示
される。操作者はモニタに表示された光学定数を確認す
る(ステップS22)。
【0041】ステップS23では、後述のステップS3
7(図4)において用いる膜厚演算範囲を設定する。具
体的には、ステップS23で「±10nm」と設定すれ
ば、後述する膜厚値dsから±10nmの範囲内でステ
ップS37が実行される。ステップS24では、操作者
手動で、または、図示しない搬送機構を用いて自動的に
基板Wが測定ステージ7上に載置される。
【0042】ステップS25では、円盤24に形成され
た開口24hがレンズ22と視野絞り25の間に配置さ
れるように、データ処理部63からの信号に基づいてモ
ータ26により円盤24を回転駆動する。この状態では
光源21から発せられた白色光L0が導光光学系3によ
り基板W上の測定領域MAより広い領域に照射される。
測定領域MA内の所定位置P1から反射した反射光L1
は第1受光光学系4により各波長ごとに分光されて第1
受光素子43まで導かれる。
【0043】ステップS26では、第1受光素子43が
各波長毎の光量を示す分光器の測定情報S(λ)を、分
光器測定データ入力部61を介してデータ処理部63に
送る。データ処理部63は送られた測定情報S(λ)を
RAM内に記憶する。
【0044】ステップS27では、データ処理部63か
らの信号に基づいて、波長切替手段23のモータ26に
より円盤24を回転駆動して、レンズ22と視野絞り2
5との間に8つのフィルタF1からフィルタF8の内の
一つのフィルタを配置する。この状態では、フィルタを
透過した特定波長λf(波長λ1ないし波長λ8)の光
のみが導光光学系3により基板W上の測定領域MAより
広い領域に照射される。測定領域MAから反射した光L
2は、第2受光光学系5により第2受光素子53の所定
領域に照射され受光される。
【0045】ステップS28において、第2受光素子5
3は、特定波長λfの光の光量を示すカメラの測定情報
S(i,λf)をカメラ測定データ入力部62を介して
データ処理部63にそれぞれ送る。データ処理部63は
送られた測定情報S(i,λf)をRAM内に記憶す
る。
【0046】ステップS29でフィルタF1からフィル
タF8までの全てのフィルタについて処理したか否かが
判断される。全てのフィルタについて処理していないと
判断したときは、ステップS27からステップS28を
繰り返す。全てのフィルタについて処理したと判断した
ときは図3のフローチャートに示す膜厚情報の測定動作
を完了する。
【0047】次に図4に示すフローチャートを用いて膜
厚値演算動作について説明する。まず、ステップS31
で、第1受光素子43で受光された光L1の分光反射比
率、すなわち分光器データの分光反射比率T(λ)を算
出する。算出方法の一例として、上述のステップS13
(図2)で得られた分光器の参照情報B(λ)およびス
テップS18(図2)で得られた分光器の暗情報D
(λ)、ステップS26(図3)で得られた分光器の測
定情報S(λ)を以下の数1に示す式に代入して分光反
射比率T(λ)を算出する方法がある。
【数1】
【0048】ステップS32では、分光器データによる
膜厚値ds、換言すれば所定位置P1における薄膜の膜
厚値dsを算出する。膜厚値を算出する方法の一つとし
て、まず、ステップS31で算出した分光反射比率T
(λ)から以下の数2に示す式により仮膜厚daを算出
する。なお、この動作例では算出された分光反射比率T
(λ)から図9の実線で示すプロファイルが得られたも
のとする。以下に示す数2から数4の式において、波長
λ1および波長λ2は図9の実線に示すように分光反射
比率T(λ)のおおよその極値を示す波長であり、この
ときの薄膜の屈折率がn1、n2である。また、これら
の波長の間に存在する極値の個数がXである。
【数2】
【0049】仮膜厚daが求まると、この膜厚近傍(d
a−α〜da+α)を膜厚検査範囲とする。「da−
α」および「da+α」の値は、適宜に設定しても良い
し以下の数3および数4の式から算出しても良い。
【数3】
【数4】
【0050】上記の膜厚検査範囲(da−α〜da+
α)において、理論計算により得られた膜厚dに対する
分光反射比率R(d,λ)と実測により得られた分光反
射比率T(λ)とに基づいて正確な膜厚dsを求める。
具体的には以下の数5の式により波長λが400nmか
ら800nmの範囲内における誤差平方和E(d)を膜
厚検査範囲において例えば膜厚2nmずつの計算ステッ
プでそれぞれ算出する。算出された複数のE(d)から
カーブフィット法を用いて所定位置P1の正確な膜厚d
sを算出する。すなわち複数のE(d)に基づいて、横
軸を膜厚検査範囲とし、縦軸を誤差平方和E(d)とし
たグラフを作成する。このグラフから2次曲線近似法を
用いて誤差平方和E(d)の極小値E(ds)を求め、
この極小値E(ds)に対応する膜厚値を所定位置P1
の正確な膜厚dsとする。
【数5】
【0051】ステップS33では、ステップS32で求
めた極小値E(ds)とデータ処理部63内のROMに
予め保存された規定値とを比較する。この比較により極
小値E(ds)が規定値より大きいときに「NG」とデ
ータ処理部63が判定し、測定エラーとして膜厚測定処
理を中断して異常原因を調査する。上記比較により極小
値E(ds)が規定値より小さいときに「OK」とデー
タ処理部63が判定しステップS34に移る。
【0052】ステップS34では、第2受光素子53の
各受光素子によって特定波長λfごとにそれぞれ受光さ
れた光L2についての分光反射比率、すなわちカメラデ
ータの分光反射比率T(i,λf)を算出する。算出方
法の一例として上述のステップS15(図2)で得られ
たカメラの参照情報B(i,λf)およびステップS1
8(図2)で得られたカメラの暗情報D(i)、ステッ
プS28(図3)で得られたカメラの測定情報S(i,
λf)を以下の数6に示す式に代入して分光反射比率T
(i,λf)を算出する方法がある。
【数6】
【0053】ステップS35では、図5に示すように第
2受光素子53内の所定位置P1に対応する受光素子
(i=1)での膜厚値d(i=1)をステップS32で
求めた膜厚値ds(例えば250nm)に設定する。
【0054】ステップS36では、第2受光素子53に
おいて図5に示すように受光素子(i=1)周辺の受光
素子(i=2〜9)を第1膜厚演算領域として設定す
る。後述のステップS39に続く次の処理のときには受
光素子(i=2〜9)の外側に隣接する受光素子(i=
10〜25)を第2膜厚演算領域として設定する。ここ
では、第1膜厚演算領域および第2膜厚演算領域は各受
光素子が隣接する領域に設定されているが隣接している
ことに限定されない。例えば、所定位置P1の近傍領域
に対応する受光素子を第1膜厚演算領域と設定して、第
1膜厚演算領域の近傍領域に対応する受光素子を第2膜
厚演算領域と設定しても良い。
【0055】ステップS37では、ステップS36で設
定された膜厚演算領域における薄膜の膜厚値diを各受
光素子ごとに算出する。例えば第1膜厚演算領域(受光
素子(i=2〜9))が膜厚演算領域のときには、ステ
ップS35で設定された所定位置P1(受光素子(i=
1))の膜厚値ds(250nm)とステップS23で
設定された膜厚演算範囲「±10nm」とから膜厚検査
範囲を「250nm±10nm」と設定する。この膜厚
検査範囲(240nm〜260nm)において、理論計
算により得られた膜厚dに対する分光反射比率R(d,
λf)と実測により得られた分光反射比率T(i,λ
f)とに基づいて正確な膜厚diを算出する。例えば、
以下の数7の式により各受光素子により得られた分光反
射比率T(i,λf)ごとの誤差平方和E(i,d)を
膜厚検査範囲において例えば膜厚2nmずつの計算ステ
ップでそれぞれ算出する。算出された複数のE(i,
d)からカーブフィット法を用いて測定領域MA内の任
意位置の正確な膜厚diを算出する。すなわち複数のE
(i,d)に基づいて、横軸を膜厚検査範囲とし、縦軸
を誤差平方和E(i,d)としたグラフを作成する。こ
のグラフから2次曲線近似法を用いて誤差平方和E
(i,d)の極小値E(di)を求め、この極小値E
(di)に対応する膜厚値を膜厚値diとする。
【数7】
【0056】ステップS37における膜厚演算領域が第
2膜厚演算領域(受光素子(i=10〜25))のとき
は第1膜厚演算領域の内側に隣接する第1膜厚演算領域
(受光素子(i=2〜9))における膜厚値d(i=2
〜9)から膜厚検査範囲を「膜厚値d(i=2〜9)±
10nm」と設定して上述と同様に膜厚値d(i=2
4)を算出する。例えば第2膜厚演算領域内の受光素子
(i=24)に対応する位置の膜厚値d(i=24)を
算出する場合、膜厚検査範囲を受光素子(i=24)の
内側に隣接する第1膜厚演算領域内の受光素子(i=
9)の膜厚値d(i=9)から膜厚検査範囲を「膜厚値
d(i=9)±10nm」と設定し、上述と同様に膜厚
値d(i=24)を算出する。膜厚演算領域の角部に位
置する例えば膜厚値d(i=10)を算出するときには
その対角線上の内側にある膜厚値d(i=2)に基づい
て膜厚検査範囲を設定すれば良い。
【0057】ステップS38では、データ処理部63に
よりステップS37で算出した極小値E(di)とデー
タ処理部63内のROMに予め記憶された規定値とが比
較される。そして、極小値E(di)が規定値以上のと
きには、膜厚値diは測定エラーと判断されて、後に解
析する場合に識別が容易な膜厚値(例えば0(ゼロ))
に置き換えられる。例えば、受光素子(i=9)による
極小値E(d(i=9))が規定値以上と判断される
と、膜厚値d(i=9)は「0」と設定される。この場
合、ステップS37では受光素子(i=9)の外側に隣
接する受光素子(i=24)による膜厚値d(i=2
4)を算出するときに膜厚値d(i=9)に基づく膜厚
検査範囲(0±10nm)は用いずに、受光素子(i=
9)に隣接する受光素子(i=2)または受光素子(i
=8)からの光量データに基づき正確に算出された、す
なわち「0」に置き換えられていない膜厚値d(i=
2)または膜厚値d(i=8)から膜厚検査範囲が設定
される。
【0058】ステップS39では、全ての膜厚演算領域
について膜厚値diが算出されたか否かがデータ処理部
63により判断される。例えば、測定領域MA内、また
は測定領域MAに含まれる所定領域内に対応する第2受
光素子53内の全ての受光素子について膜厚値diが算
出されたか否かが判断される。ステップS39で膜厚値
diが算出されていない膜厚演算領域が残っていると判
断された場合は、ステップS36からステップS38の
処理が繰り返される。全ての膜厚演算領域について膜厚
値diが算出されたと判断された場合は膜厚値の演算処
理動作が完了する。このように完了した後で、測定ステ
ージ7を移動させて、他の測定領域MAについて図3、
図4のフローチャートに示す処理を繰り返しても良い。
【0059】<第1実施形態と従来装置との比較>上述
の動作例により測定領域MA内の任意位置の膜厚値di
が255nmと算出されたと仮定して従来の波長選択式
の膜厚測定装置と比較する。図9には膜厚が255nm
のときのプロファイルが点線で示されている。図9にお
いて一点鎖線(膜厚が500nm)と点線とは点b1な
いし点b4で交わっている。波長切替手段23で切り替
えられる特定波長λfが点b1ないし点b4に対応する
波長であるときに、従来の波長選択式の膜厚測定装置で
は膜厚検査範囲の初期設定を誤ると膜厚値が500nm
であると間違える可能性がある。しかしながら、上述の
第1実施形態によれば、予め算出した正確な膜厚値ds
(250nm)から膜厚検査範囲を240nmから26
0nmの範囲内と設定するので、正確な膜厚値di(2
55nm)を得ることができる。従来の波長選択式の膜
厚測定装置においてフィルタ数を多くして測定領域MA
に照射する光の波長を増やせば上述のように膜厚値を間
違える可能性は低くなるが、上述の第1実施形態の膜厚
測定装置によれば少ないフィルタ数でも正確な膜厚値d
iを得ることができる。
【0060】また、基板W上に薄膜が積層形成された多
層膜の各波長に対する分光反射比率のプロファイルは図
9に示す単層膜のプロファイルよりも極値の個数Xが多
く複雑であり、その結果、正しい膜厚値の近くに多くの
近似値(間違った膜厚値)が存在することとなる。この
ような多層膜の各膜厚値を従来の波長選択式の膜厚測定
装置によって測定すると、膜厚検査範囲を広く初期設定
した際には膜厚検査範囲内に正しい膜厚値と近似値とが
含まれたり、膜厚検査範囲を狭く初期設定した際にはこ
の初期設定を誤ったりして、測定ミスが発生する可能性
が高くなる。しかしながら、上述の第1実施形態の膜厚
測定装置によれば、所定位置P1における多層膜の各膜
厚値dsを正確に測定した後、これらの各膜厚値dsに
基づいて正しい膜厚検査範囲を設定することができて、
少ないフィルタ数でも測定領域MAにおける各薄膜の膜
厚分布を正確に求めることができる。
【0061】<第1実施形態の用途例>上述の第1実施
形態による膜厚測定装置1は、次のような膜厚測定にお
いて特に好適に利用できる。図6に示すように中央滴下
スピンコート法により基板Wの表面にフォトレジスト膜
(薄膜)を形成する際に、スピン処理の初期段階で基板
Wの中央に滴下されたフォトレジスト液が、放射状に角
を形成するように広がる。このようにフォトレジスト液
が広がるために、形成されたフォトレジスト膜に点線で
示すように放射状の膜厚分布が生じるストライエーショ
ンという現象が発生する。このストライエーションに起
因するフォトレジスト膜の膜厚変動が許容範囲であるか
否かを判断する際に膜厚測定装置1は好適に利用でき
る。上記の膜厚変動は比較的緩やかであるので、膜厚測
定装置1により所定位置P1の膜厚値dsを求めた後、
この膜厚値dsに基づいて測定領域MA内のレジスト膜
の膜厚分布を正確に求めることができる。
【0062】また、図7は基板Wの全面に形成されたフ
ォトレジスト膜(薄膜)RFを基板Wの周辺領域におい
て除去した状態を示す。フォトレジスト膜が除去された
境界線部分では、フォトレジスト膜RFが盛り上がる場
合がある。この盛り上がり具合が許容範囲内であるか否
かを判断する際に膜厚測定装置1は好適に利用できる。
膜厚測定装置1により所定位置P1の膜厚値dsを求め
た後、この膜厚値dsに基づいて測定領域MA内の膜厚
分布、すなわち盛り上がり具合を正確に求めることがで
きる。
【0063】<他の動作例>上述の動作例においては、
膜厚演算領域を受光素子(i=1)を中心にして段階的
に広げるように設定するが、この設定方法に限定されな
い。例えば測定領域MA内において膜厚変動の小さいと
予想される領域を膜厚演算領域としても良い。例えば図
8に示すように測定領域MA内において薄膜の積層状態
(単層膜または多層膜の積層数など)や膜種などの薄膜
構造が同一である領域PTにおける膜厚値diは、所定
位置P1の膜厚値dsと大きく異なる可能性は小さいの
で領域PTを膜厚演算領域として膜厚値diを算出して
も良い。この領域PTはその座標位置を初期設定値とし
てデータ処理部63のROM内に記憶させておいても良
いし、画像処理により領域PTの座標位置を特定しても
良い。
【0064】上述の第1実施形態の動作例では、まず所
定位置P1の膜厚値dsを求めて、この膜厚値dsに基
づいて測定領域MA内の膜厚分布を求めているが、この
動作に限定されない。例えば、薄膜が単層膜でその膜厚
変動が緩やかであるときなど膜厚検査範囲の初期設定を
誤る可能性が低い場合には、所定位置P1の膜厚値ds
を算出せずに、初期設定された膜厚検査範囲に基づいて
測定領域MA内の膜厚分布を算出しても良い。そして、
より正確に膜厚値を測定すべき位置については、この位
置を所定位置P1として上述のように膜厚値dsを求め
ても良い。
【0065】<第2実施形態>次にこの発明の第2実施
形態について説明する。第1実施形態において図1に示
すように波長切替手段23は光源部2に設けられる。第
2実施形態では、光源部2に波長切替手段23を設けず
に、第2受光光学系5の光路上に波長切替手段23bを
配置する。より具体的には図1に点線で示すようにレン
ズ52と第2受光素子53との間に波長切替手段23b
を設ける。波長切替手段23bはその配置位置が第1実
施形態の波長切替手段23と異なるだけでその構成は波
長切替手段23同じである。この第2実施形態において
は、測定領域MAには光源部2から白色光が常に照射さ
れる。そして、波長切替手段23bによって、第2受光
素子53が受光する光の波長が特定波長λf(波長λ1
ないし波長λ8)に選択的に切り替えられる。その他の
構成および測定動作については第1実施形態と同様であ
るので詳細な説明は省略する。
【0066】
【発明の効果】以上詳細に説明した如く、請求項1また
は請求項2に係る発明によれば、第1膜厚測定部によっ
て所定位置における薄膜の膜厚が正確に測定できるとと
もに、第2膜厚測定部によって所定領域における薄膜の
膜厚分布が測定できる。
【0067】請求項3に係る発明によれば、第1膜厚測
定部による測定結果に基づいて第2膜厚測定部による測
定が実行されるので、所定領域における膜厚分布をより
正確に測定することができる。
【0068】請求項4に係る発明によれば、正確に膜厚
が測定された所定位置の周辺領域が所定領域とされるの
で、所定領域内の膜厚分布をより正確に求めることがで
きる。
【0069】請求項5に係る発明によれば、薄膜構造が
同一である領域について正確に膜厚分布を測定できる。
【0070】請求項6または請求項7に係る発明によれ
ば、第1膜厚測定工程で求めた膜厚に基づいて所定領域
における膜厚分布が求められるので、膜厚検査範囲の誤
りに起因する測定ミスを防止できて膜厚分布を正確に求
めることができる。
【0071】請求項8に係る発明によれば、膜厚検査範
囲が第1膜厚測定工程で求めた膜厚に基づいて設定され
るので、膜厚検査範囲の誤りに起因する測定ミスを確実
に防止することができる。
【0072】請求項9に係る発明によれば、所定位置の
近傍領域が第1膜厚演算領域に設定され、第1膜厚演算
領域における膜厚検査範囲が第1膜厚測定工程で求めた
所定位置の膜厚に基づいて設定されるので、第1膜厚演
算領域の膜厚分布を正確に求めることができる。
【0073】請求項10に係る発明によれば、第1膜厚
演算領域の近傍領域が第2膜厚演算領域に設定され、第
2膜厚演算領域における膜厚検査範囲が第1膜厚演算領
域の膜厚値に基づいて設定されるので、第2膜厚演算領
域の膜厚分布を正確に求めることができる。
【0074】請求項11に係る発明によれば、薄膜構造
が同一である領域における膜厚分布を正確に求めること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態および第2実施形態の
構成を示す模式図である。
【図2】第1実施形態の参照情報測定動作のフローチャ
ートを示す図である。
【図3】第1実施形態の膜厚情報測定動作のフローチャ
ートを示す図である。
【図4】第1実施形態の膜厚値演算動作のフローチャー
トを示す図である。
【図5】膜厚演算領域を説明するための図である。
【図6】測定対象基板の一例を示す平面図である。
【図7】他の測定対象基板を示す平面図である。
【図8】さらに別の測定対象基板を示す断面図である。
【図9】光の波長に対する各薄膜の分光反射比率のプロ
ファイルを示す図である。
【符号の説明】
1 膜厚測定装置 2 光源部 23、23b 波長切替手段 3 導光光学系 4 第1受光光学系 43 第1受光素子 5 第2受光光学系 6 制御部 7 測定ステージ W,W0 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA30 AA55 BB01 BB03 CC17 CC25 CC31 FF48 FF51 GG02 GG22 GG23 GG24 HH13 JJ02 JJ03 JJ05 JJ09 JJ25 JJ26 LL00 LL04 LL22 LL30 LL42 LL67 PP12 QQ03 QQ17 QQ23 QQ25 QQ26 QQ27 QQ29 QQ41 TT02 4M106 AA01 AA20 BA04 BA20 CA48 CA50 DB02 DB03 DB12 DB13 DB15 DB18 DH12 DH31 DH38 DH39 DH50

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に形成された薄膜の膜厚を測定す
    る膜厚測定装置において、 白色光を基板上の所定位置に照射する光学系と、所定位
    置から反射した反射光を所定の波長ごとに分光する分光
    手段と、分光手段で分光された光をそれぞれ受光する第
    1受光手段とを有し、第1受光手段による検出結果に基
    づいて所定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測
    定部と、 互いに波長が異なる複数の光を基板上の所定領域に順次
    照射する照射手段と、2次元に配列された複数の受光素
    子からなる第2受光手段と、基板上の所定領域から反射
    した反射光を第2受光手段に一括して導く光学系とを有
    し、第2受光手段による検出結果に基づいて所定領域に
    おける薄膜の膜厚分布を求める第2膜厚測定部と、を備
    えることを特徴とする膜厚測定装置。
  2. 【請求項2】 基板上に形成された薄膜の膜厚を測定す
    る膜厚測定装置において、 白色光を基板上の所定位置に照射する光学系と、所定位
    置から反射した反射光を所定の波長ごとに分光する分光
    手段と、分光手段で分光された光をそれぞれ受光する第
    1受光手段とを有し、第1受光手段による検出結果に基
    づいて所定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測
    定部と、 白色光を基板上の所定領域に順次照射する照射手段と、
    2次元に配列された複数の受光素子からなる第2受光手
    段と、所定領域から反射した反射光を第2受光手段に向
    けて一括して導く光学系と、この光学系により導かれる
    光から互いに波長が異なる複数の光のみを順次選択する
    波長選択手段とを有し、第2受光手段による検出結果に
    基づいて所定領域における薄膜の膜厚分布を求める第2
    膜厚測定部と、を備えることを特徴とする膜厚測定装
    置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の膜厚測
    定装置において、 第2膜厚測定部は、第1膜厚測定部により求められた所
    定位置における薄膜の膜厚に基づいて、所定領域におけ
    る薄膜の膜厚を求めることを特徴とする膜厚測定装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の膜厚測定装置におい
    て、所定位置が所定領域内に設定されていることを特徴
    とする膜厚測定装置。
  5. 【請求項5】 請求項3または請求項4に記載の膜厚測
    定装置において、所定領域は薄膜構造が同一である領域
    に設定されていることを特徴とする膜厚測定装置。
  6. 【請求項6】 基板上に形成された薄膜の膜厚を測定す
    る膜厚測定方法において、 白色光が照射された基板上の所定位置から反射した反射
    光を分光した後、分光された光を第1受光手段によりそ
    れぞれ受光し、この第1受光手段による検出結果に基づ
    いて所定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定
    工程と、 互いに波長が異なる複数の光が順次照射された基板上の
    所定領域から反射した反射光を第2受光手段で一括して
    受光して、この第2受光手段による検出結果および第1
    膜厚測定工程で求めた所定位置の膜厚に基づいて所定領
    域における薄膜の膜厚分布を求める第2膜厚測定工程
    と、を含むことを特徴とする膜厚測定方法。
  7. 【請求項7】 基板上に形成された薄膜の膜厚を測定す
    る膜厚測定方法において、 白色光が照射された基板上の所定位置から反射した反射
    光を分光した後、分光された光を第1受光手段によりそ
    れぞれ受光し、この第1受光手段の検出結果に基づいて
    所定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定工程
    と、 白色光が照射された基板上の所定領域から反射した光か
    ら互いに波長が異なる複数の光を順次選択した後に第2
    受光手段により一括して受光して、この第2受光手段に
    よる検出結果および第1膜厚測定工程で求めた所定位置
    の膜厚に基づいて所定領域における薄膜の膜厚分布を求
    める第2膜厚測定工程と、を含むことを特徴とする膜厚
    測定方法。
  8. 【請求項8】 第2膜厚測定工程において、第1膜厚測
    定工程で求めた膜厚に基づいて膜厚検査範囲が設定さ
    れ、この膜厚検査範囲に基づいて所定領域における薄膜
    の膜厚分布が求められることを特徴とする請求項6また
    は請求項7に記載の膜厚測定方法。
  9. 【請求項9】 第2膜厚測定工程において、前記所定位
    置の近傍領域が第1膜厚演算領域に設定され、第1膜厚
    演算領域における膜厚検査範囲が第1膜厚測定工程で求
    めた所定位置の膜厚に基づいて設定されることを特徴と
    する請求項8に記載の膜厚測定方法。
  10. 【請求項10】 第2膜厚測定工程において、第1膜厚
    演算領域の近傍領域が第2膜厚演算領域に設定され、第
    2膜厚演算領域における膜厚検査範囲が第1膜厚演算領
    域の膜厚に基づいて設定されることを特徴とする請求項
    9に記載の膜厚測定方法。
  11. 【請求項11】 請求項6または請求項7に記載の膜厚
    測定方法において、前記所定領域は薄膜構造が同一であ
    る領域に設定されていることを特徴とする膜厚測定方
    法。
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