JP3926207B2 - エッチング量の測定方法および測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体ウエハ、フォトマスク用ガラス基板、液晶表示用ガラス基板、プラズマ表示用ガラス基板、光ディスク用基板などの各種基板(以下、単に「基板」という)のエッチング量を測定する測定方法および測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置や液晶表示装置などの電子部品を製造するための製造プロセスとして、基板に対してエッチング処理を施して基板各部を所定形状に仕上げる工程が含まれている。例えば、基板上に微細配線を形成するために従来よりダマシン法が用いられているが、このダマシン法では基板表面に形成された絶縁膜をエッチング処理して所定位置にエッチング溝を形成するとともに、このエッチング溝内に銅などの配線金属を埋込んだ後、CMP(化学的機械的研磨)法などによって表面を研削して溝外の金属を除去している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このようにして形成された微細配線の電気抵抗は配線の断面積で決まるため、エッチング溝の形状を精度良く管理する必要があり、エッチング処理によりエッチング溝が所望形状に達した時点でエッチング処理を終了させるように制御するのが望まれる。したがって、この要望を満足させるためにはエッチング処理中において基板のエッチング量を正確に測定する必要がある。しかしながら、従来のエッチング技術、特に微細エッチング加工を施すためにドライエッチング技術によりエッチング処理を行っている最中に、基板のエッチング量を正確に測定することができず、高精度なエッチング処理を行うという観点から更なる改良が望まれていた。
【0004】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、エッチング処理中において基板のエッチング量を正確に測定することができるエッチング量の測定方法および測定装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかるエッチング量の測定方法は、上記目的を達成するため、互いにエッチング量が異なる複数の標準基板を準備する第1工程と、前記複数の標準基板のそれぞれについて、複数の波長成分を有する照射光を該標準基板に照射するとともに前記標準基板からの反射光を分光して検出する第2工程と、前記第2工程により検出された複数の検出値から特徴量をそれぞれ求めることでエッチング量と特徴量との相関関係を求める第3工程と、エッチング処理を行う処理容器内に配置された被エッチング基板に対してエッチング処理を施す際に、前記被エッチング基板に前記照射光を前記処理容器の透光窓より照射するとともに、前記被エッチング基板から前記処理容器の透光窓を介した反射光を分光して検出する第4工程と、前記第4工程により検出された検出値から求まる特徴量と前記相関関係とから前記被エッチング基板のエッチング量を求める第5工程とを備え、前記検出値として分光反射率を求めるとともに、所定波長域において前記分光反射率が極小値となるボトム波長を前記特徴量として求めている。
【0006】
このように構成された発明では、被エッチング基板のエッチング量を測定するのに先立って、互いにエッチング量が異なる複数の標準基板を用いてエッチング量と特徴量、すなわち所定波長域において分光反射率が極小値となるボトム波長との相関関係が求められている。そして、エッチング処理を行う処理容器内に配置され、エッチング処理が施されている被エッチング基板に照射光を処理容器の透光窓より照射するとともに該被エッチング基板から処理容器の透光窓を介した反射光を分光して検出した検出値、すなわち分光反射率から特徴量としてボトム波長が求められ、さらにこのボトム波長と相関関係とから被エッチング基板のエッチング量が求められている。このように予め求めた相関関係を利用することで被エッチング基板のエッチング量を正確に求める事が可能となる。
【0007】
ここで、照射光として可視光(又は赤外光のみ)を用いることができる。また、このように例えば可視光を用いた場合には、反射光の一部を所定の観察位置に導くことで照射光が照射される基板表面の光学像、つまりエッチング量を測定すべき領域の光学像を観察することができる。そこで、その光学像を観察しながら、標準基板および/または被エッチング基板を位置決めしてもよく、これによってエッチング量の測定精度を高めることが可能となる。また、複数の標準基板のエッチング量と、該複数のエッチング量のそれぞれに対応するボトム波長との関数式を相関関係として求めたり、複数の標準基板のエッチング量と、該複数のエッチング量のそれぞれに対応するボトム波長とで構成されたテーブルを相関関係として求めてもよい。
【0009】
さらに、この発明にかかるエッチング量の測定装置は、上記目的を達成するため、エッチング処理を行う処理容器内に配置されエッチング処理された基板に複数の波長成分を含む照射光を処理容器の透光窓より照射する第1光学系と、基板から反射され処理容器の透光窓を介した反射光を分光して検出する第2光学系と、第2光学系からの出力値に基づき基板のエッチング量を求める制御手段とを備えている。そして、制御手段は、複数のエッチング量と、各エッチング量を有する基板に照射光を照射した際に第2光学系から出力される出力値の特徴量との相関関係を記憶する記憶部と、エッチング処理中の基板に照射光を照射した際に第2光学系から出力される出力値の特徴量と、記憶部に記憶されている相関関係とから該基板のエッチング量を演算する演算部とを有し、第2光学系から出力される出力値に基づき分光反射率を求めるとともに、所定波長域において分光反射率が極小値となるボトム波長を特徴量として求めている。
【0010】
このように構成された発明では、複数のエッチング量と、各エッチング量を有する基板に照射光を照射した際に第2光学系から出力される出力値に基づき求められた分光反射率の特徴量、すなわち所定波長域において分光反射率が極小値となるボトム波長との相関関係が記憶部に記憶されている。そして、第1光学系によってエッチング処理を行う処理容器内に配置されエッチング処理中の基板に照射光が処理容器の透光窓より照射されるとともに、第2光学系によって該基板から反射され処理容器の透光窓を介した反射光を分光して検出した値が出力され、その出力値を受けた演算部が出力値の特徴量としてのボトム波長と、記憶部に記憶されている相関関係とから該基板のエッチング量を演算する。このように、エッチング量と特徴量としてのボトム波長との相関関係を記憶部に予め記憶しておき、その相関関係を利用することでエッチング処理中に基板のエッチング量を正確に求める事が可能となる。
【0011】
なお、第1光学系については、照射光の基板への入射角が鋭角となるように配置してもよく、また該配置に対応して第2光学系を基板の面法線に対して第1光学系と対称に配置してもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明にかかるエッチング量の測定装置の一実施形態を示す図である。この測定装置は、エッチング処理を行う処理容器1内に配置されたXYステージ2上に水平載置された基板Wに光を照射し、その基板Wからの反射光を分光検出し、その検出値に基づき基板Wのエッチング量を測定する装置である。なお、この処理容器1の天井面には、ガラス等の透明部材からなる透光窓3a,3bが2箇所設けられており、一方の透光窓3aを介して第1光学系4からの照射光L1をXYステージ2上の基板Wに照射するとともに、その基板Wにより反射された反射光L2を他方の透光窓3bを介して第2光学系5に導光可能となっている。
【0013】
この第1光学系4は、同図に示すように、ハロゲンランプなどの白色光源を有して可視光を発生させる光源ユニット41と、光ファイバ42と、ピンホール部材43と、複数枚のレンズを組み合わせてなるレンズユニット44とを備えている。そして、この第1光学系では、光源ユニット41からの可視光が光ファイバ42によってピンホール部材43のピンホールに入射される。また、ピンホール部材43を通過した可視光をレンズユニット44が透光窓3aを介して基板Wの表面に集光させており、この実施形態では可視光(照射光L1)が集光された表面領域(つまり測定領域)が、ピンホールと共役な配置となるように構成されている。なお、この実施形態では、照射光L1の基板Wへの入射角θ1が基板Wの面法線Nに対して鋭角、例えば45゜をなすように第1光学系4は配置されている。
【0014】
一方、第2光学系5は、同図に示すように、複数枚のレンズを組み合わせてなるレンズユニット51と、ピンホール部材52と、分光器53とを備えている。そして、第1光学系4からの照射光L1を受けた表面領域(測定領域)から正反射された光L2が透光窓3bを介してレンズユニット51に入射され、この反射光をレンズユニット51がピンホール部材52に形成されたピンホールに集光する。このように、第2光学系5においても、表面領域とピンホールとが共役な配置となっている。なお、第2光学系5においては、反射光L2の反射角は基板Wの面法線Nに対して鋭角θ2(=θ1)となっており、基板Wの面法線Nに対して第1光学系4と対称に配置されている。
【0015】
また、ピンホールを介して分光器53に入射した光は例えば500nm〜800nmの可視光領域の波長成分に分光され、その分光スペクトルが電気信号として検出される。こうして、検出された電気信号は各分光スペクトルのエネルギーに対応したスペクトル信号として装置全体を制御する制御ユニット6に与えられる。
【0016】
この制御ユニット6は、後述する測定プログラムを実行するCPU61と、該測定プログラム、エッチング量とボトム波長との相関関係を示す関数式などを記憶するメモリ62とを備えており、測定プログラムを実行してエッチング処理中における基板Wのエッチング量を測定する。なお、この詳細については後で詳述する。
【0017】
この制御ユニット6には、撮像ユニット7が電気的に接続されている。この撮像ユニット7は、第2光学系の光路上で、かつレンズユニット51とピンホール部材52との間の所定位置に配置されたハーフミラー54によって反射された光L3を表面領域と共役な位置に配置された撮像部材(図示省略)によって受光し、その表面領域の光学像を示す電気信号を制御ユニット6に出力するように構成されている。そして、制御ユニット6に電気的に接続されたCRTや液晶パネルなどの表示ユニット8上に表面領域(測定領域)の光学像が映し出される。したがって、オペレータは表示ユニット8上に映し出された光学像を見ながら、エッチング量の測定領域を所望位置に位置決めすることができる。なお、制御ユニット6には、上記した分光器53、撮像ユニット7および表示ユニット8以外に、光源ユニット41、キーボードなどの操作ユニット9、測定結果を紙上に出力するプリンタ10、およびXYステージ2を駆動制御するステージ駆動ユニット11などと電気的に接続されている。
【0018】
ところで、上記のように構成されたエッチング量の測定装置を用いて種々の実験を行ったところ、その測定装置により検出される分光反射率はエッチング量の変化に伴い変動し、その分光反射率の特徴量とエッチング量との間に相関関係があることが今回見い出された。すなわち、図1に示す測定装置では、第2光学系5から出力されるスペクトル信号が制御ユニット6に入力されるが、このスペクトル信号を受けた制御ユニット6により分光反射率を演算すると、例えば図2および図3に示すようなグラフが得られる。なお、図2(a)および(b)、図3(a)および(b)は、同一基板Wに対してエッチング処理を施したときに各エッチング量D1,D2,D3,D4(D1<D2<D3<D4)で得られる分光反射率をそれぞれ示している。これらの図から、特定波長域、例えば550nm〜650nmにおいて反射率が極小となる波長(以下「ボトム波長λb」という)はエッチング量Dの増加に伴って低波長側に移動しており、ボトム波長λbとエッチング量Dとの相関関係をグラフにプロットすると、例えば図4に示すように両者の相関関係をほぼ一次関数(同図の1点鎖線)で近似することができる。したがって、かかる相関関係を利用することでエッチング量を精度良く求めることができる。そこで、この実施形態では、図1に示す測定装置を図5および図6に示す動作フローにしたがって動作させてエッチング処理中に基板Wのエッチング量を正確に求めている。
【0019】
図5は図1の測定装置によるエッチング量の測定手順を示すフローチャートである。この測定装置は、上記したようにボトム波長λbとエッチング量Dとの相関関係を利用するものであるが、この相関関係は基板Wの種類によって相違する。そこで、この実施形態では、まず最初のステップS1で、操作ユニット9を介してオペレータが入力する被エッチング基板Wに関する情報に基づき該基板Wの種類を特定し、この基板Wに対応する相関関係(例えば図4に示す相関関係を示す一次関数式)がメモリ62に既に記憶されているか否かを判断する。そして、被エッチング基板Wに対応する相関関係が既に記憶されてる場合にはそのままステップS3に進む一方、記憶されていない場合にはステップS2を実行して被エッチング基板Wに対応する相関関係を算出し、メモリ62に記憶した後、ステップS3に進む。
【0020】
図6は被エッチング基板に対応する相関関係を算出する動作フローを示すフローチャートである。ここでは、被エッチング基板Wと同一構成で、しかもそれぞれのエッチング量D1,D2,…,Dnが既知のn枚の標準基板W1,W2、…,Wnを準備し、予めメモリ62に記憶されている相関関係の算出プログラムにしたがって図1の装置各部を制御し、以下のステップS21〜S28を実行することでこれらn枚の標準基板W1,W2、…,Wnを用いてボトム波長λbとエッチング量Dとの相関関係を求める。
【0021】
まず、カウント値mを初期値「1」に設定する(ステップS21)。そして、標準基板WmをXYステージ2上にロードする(ステップS22)。このとき、この実施形態では、照射光L1として可視光を用いるとともに、反射光L2の一部を撮像ユニット7に導いて標準基板Wmの表面領域の光学像を表示ユニット8に映し出すように構成しているので、その光学像を観察しながらXYステージ2を制御することで標準基板Wmを第1および第2光学系4,5に対して正確に位置決めすることができる。このように光学像を観察しながら基板を位置決めする点については、被エッチング基板の位置決めにおいても全く同様である。
【0022】
このようにして基板Wmの位置決めが完了すると、第1光学系4によりエッチング量Dmの標準基板Wmに向けて可視光L1を照射するとともに、その標準基板Wmにより反射された光L2を第2光学系5により分光検出し、スペクトル信号を制御ユニット6に与える。この制御ユニット6では、CPU61が与えられたスペクトル信号に基づきエッチング量Dmでの分光反射率を求める(ステップS23)とともに、その分光反射率から特定波長域、例えば550nm〜650nmにおいて反射率が極小となるボトム波長λbmを求め、メモリ62に記憶する(ステップS24)。こうして、エッチング量Dmに対するボトム波長λbmが求まると、標準基板WmをXYステージ2からアンロードする(ステップS25)。
【0023】
次のステップS26では、カウント値mが「n」であるか否かを判断することで全ての標準基板W1,W2、…,Wnについて、エッチング量Dmに対するボトム波長λbmが求められたか否かを判断し、ボトム波長λbの導出が完了していない標準基板が存在する間、つまりステップS26で「NO」と判断される間、カウント値mを「1」だけインクリメントし(ステップS27)、上記ステップS22〜S26を繰り返す。こうすることで、エッチング量D1,D2,…,Dnに対するボトム波長λb1,λb2,…,λbnがそれぞれ求まり、メモリ62に記憶されることとなる。
【0024】
一方、ステップS26で「YES」と判断されると、次のステップS28に進んでボトム波長λb1,λb2,…,λbnとエッチング量D1,D2,…,Dnとからボトム波長λbとエッチング量Dとの相関関係を示す一次関数式(図4の1点鎖線を示す関数式)を求め、メモリ62に記憶する(ステップS28)。こうして、被エッチング基板Wに対応する相関関係が得られ、図5のステップS3に進む。
【0025】
このステップS3では、被エッチング基板WをXYステージ2上にロードした後、操作ユニット9を介してオペレータが入力したレシピにしたがったエッチング処理を開始する。そして、エッチング処理を継続して行うことで被エッチング基板Wに対するエッチング量が増大していく。そこで、この実施形態では、本発明の「演算部」として機能するCPU61が一定時間間隔でステップS4〜S7を実行して基板Wのエッチング量Dwを求める。すなわち、ステップS4でエッチング処理中の被エッチング基板Wに向けて第1光学系4により可視光L1を照射するとともに、その基板Wにより反射された光L2を第2光学系5により分光検出し、スペクトル信号を制御ユニット6に与える。この制御ユニット6では、CPU61が与えられたスペクトル信号に基づき基板Wに対応する分光反射率を求める。また、ステップS5で、その分光反射率から特定波長域、例えば550nm〜650nmにおいて反射率が極小となるボトム波長λbwを求める。それに続いて、ステップS6でメモリ62から被エッチング基板Wに対応する相関関係(一次関数式)を読み出すとともに、その関数式にボトム波長λbwを代入することでボトム波長λbwに対応するエッチング量Dwを求める。そして、こうして求まったエッチング量Dwが予めレシピにより設定されているエッチング量の目標値に達しているか否かを判断する(ステップS7)。
【0026】
ここで、エッチング量Dwが目標値に達していない、つまりエッチング量が不十分である間、エッチング処理を継続させるとともに、上記ステップS4〜S7を繰り返して行う。一方、ステップS7でエッチング量Dwが目標値に達して所望のエッチング処理が実行されたと判断すると、制御ユニット6からの停止指令に応じてエッチング処理を終了する(ステップS8)。
【0027】
以上のように、この実施形態によれば、エッチング処理しようとする被エッチング基板Wに対応する相関関係(一次関数式)を求めておき、被エッチング基板Wのエッチング処理中に該基板Wに向けて可視光L1を照射するとともに、その基板Wにより反射された光L2を分光検出することで得られる分光反射率からボトム波長λbwを求め、そのボトム波長λbwと相関関係とに基づきエッチング量Dwを求めるようにしているので、エッチング処理中において基板Wのエッチング量Dwを精度良く測定することができる。また、このようにして求めたエッチング量Dwに基づきエッチング処理の終点を決定しているため、基板Wに対するエッチング処理を過不足なく実行することができ、被エッチング基板Wを精度良くエッチング加工することができる。
【0028】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態ではボトム波長λbとエッチング量Dとの一次関数式を本発明の「相関関係」として求めているが、一次関数式に限定されるものではなく、ボトム波長λb1,λb2,…,λbnとエッチング量D1,D2,…,Dnとの相関関係を示す関数であれば如何なる関数式であってもよいし、またボトム波長λb1,λb2,…,λbnとエッチング量D1,D2,…,Dnとを相互に対応させたデータテーブルを本発明の「相関関係」としてメモリ62に記憶させるようにしてもよい。
【0029】
また、上記実施形態では、第2光学系5からの出力信号から分光反射率を求めた後、その分光反射率から特徴量としてボトム波長λbを求めているが、特徴量はこれに限定されるものではなく、エッチング量と相関性を有する物理量であれば本発明の「特徴量」として採用することができる。また、上記実施形態では出力信号を分光反射率に換算した後で特徴量としてボトム波長λbを求めているが、出力信号から直接的に特徴量を求めるようにしてもよい。
【0030】
さらに、上記実施形態では、照射光L1として可視光を用いているが、複数の波長成分を含む光であればよく、可視光の代わりに例えば赤外光を用いるようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、この発明にかかるエッチング量の測定方法によれば、被エッチング基板のエッチング量を測定するのに先立って、互いにエッチング量が異なる複数の標準基板を用いてエッチング量と特徴量、すなわち所定波長域において分光反射率が極小値となるボトム波長との相関関係を求める一方、被エッチング基板のエッチング量を測定する際にはエッチング処理を行う処理容器内に配置されている該被エッチング基板に照射光を処理容器の透光窓より照射するとともに該被エッチング基板から処理容器の透光窓を介した反射光を分光して検出した検出値、すなわち分光反射率から特徴量としてボトム波長を求め、さらにこのボトム波長と相関関係とから被エッチング基板のエッチング量を求めるように構成しているので、被エッチング基板に対するエッチング処理中において該被エッチング基板のエッチング量を正確に測定することができる。
【0032】
また、この発明にかかるエッチング量の測定装置によれば、複数のエッチング量と、各エッチング量を有する基板に照射光を照射した際に第2光学系から出力される出力値に基づき求められた分光反射率の特徴量、すなわち所定波長域において分光反射率が極小値となるボトム波長との相関関係を記憶部に記憶しておき、エッチング処理を行う処理容器内に配置され、エッチング処理中の基板に照射光を処理容器の透光窓より照射したときに該基板から反射され処理容器の透光窓を介した反射光を分光して検出することで得られる値(つまり第2光学系からの出力値)の特徴量としてのボトム波長と、記憶部に記憶されている相関関係とから該基板のエッチング量を演算するように構成しているので、エッチング処理中において基板のエッチング量を正確に測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にかかるエッチング量の測定装置の一実施形態を示す図である。
【図2】エッチング量の変動に伴う分光反射率の変化の様子を示すグラフである。
【図3】エッチング量の変動に伴う分光反射率の変化の様子を示すグラフである。
【図4】ボトム波長とエッチング量との相関関係を示すグラフである。
【図5】図1の測定装置によるエッチング量の測定手順を示すフローチャートである。
【図6】被エッチング基板に対応する相関関係を算出する動作フローを示すフローチャートである。
【符号の説明】
4…第1光学系
5…第2光学系
6…制御ユニット(制御手段)
41…光源ユニット(第1光学系)
42…光ファイバ(第1光学系)
43…ピンホール部材(第1光学系)
44…レンズユニット(第1光学系)
51…レンズユニット(第2光学系)
52…ピンホール部材(第2光学系)
53…分光器(第2光学系)
61…CPU(演算部)
62…メモリ(記憶部)
D,D1,D2,D3,D4,Dw…エッチング量
L1…照射光
L2…反射光
N…面法線
Wm…標準基板
W…被エッチング基板
θ1…入射角
λb,λbm,λbw…ボトム波長
Claims (8)
- 互いにエッチング量が異なる複数の標準基板を準備する第1工程と、
前記複数の標準基板のそれぞれについて、複数の波長成分を有する照射光を該標準基板に照射するとともに前記標準基板からの反射光を分光して検出する第2工程と、
前記第2工程により検出された複数の検出値から特徴量をそれぞれ求めることでエッチング量と特徴量との相関関係を求める第3工程と、
エッチング処理を行う処理容器内に配置された被エッチング基板に対してエッチング処理を施す際に、前記被エッチング基板に前記照射光を前記処理容器の透光窓より照射するとともに、前記被エッチング基板から前記処理容器の透光窓を介した反射光を分光して検出する第4工程と、
前記第4工程により検出された検出値から求まる特徴量と前記相関関係とから前記被エッチング基板のエッチング量を求める第5工程と
を備え、
前記検出値として分光反射率を求めるとともに、所定波長域において前記分光反射率が極小値となるボトム波長を前記特徴量として求めることを特徴とするエッチング量の測定方法。 - 前記照射光として可視光を用いる請求項1記載のエッチング量の測定方法。
- 前記反射光の一部を所定の観察位置に導いて前記照射光が照射される基板表面の光学像を観察しながら、前記標準基板および/または前記被エッチング基板を位置決めする第6工程をさらに備えた請求項2記載のエッチング量の測定方法。
- 前記第3工程は、前記複数の標準基板のエッチング量と、該複数のエッチング量のそれぞれに対応するボトム波長との関数式を前記相関関係として求める請求項1ないし3のいずれかに記載のエッチング量の測定方法。
- 前記第3工程は、前記複数の標準基板のエッチング量と、該複数のエッチング量のそれぞれに対応するボトム波長とで構成されたテーブルを前記相関関係として求める請求項1ないし3のいずれかに記載のエッチング量の測定方法。
- エッチング処理を行う処理容器内に配置されエッチング処理された基板に複数の波長成分を含む照射光を前記処理容器の透光窓より照射する第1光学系と、
前記基板から反射され前記処理容器の透光窓を介した反射光を分光して検出する第2光学系と、
前記第2光学系からの出力値に基づき基板のエッチング量を求める制御手段とを備え、
前記制御手段は、
複数のエッチング量と、各エッチング量を有する基板に前記照射光を照射した際に前記第2光学系から出力される出力値の特徴量との相関関係を記憶する記憶部と、
エッチング処理中の基板に前記照射光を照射した際に前記第2光学系から出力される出力値の特徴量と、前記記憶部に記憶されている前記相関関係とから該基板のエッチング量を演算する演算部と
を有し、
前記第2光学系から出力される出力値に基づき分光反射率を求めるとともに、所定波長域において前記分光反射率が極小値となるボトム波長を前記特徴量として求めることを特徴とするエッチング量の測定装置。 - 前記第1光学系は、前記照射光の前記基板への入射角が鋭角となるように配置されている請求項6記載のエッチング量の測定装置。
- 前記第2光学系は、前記基板の面法線に対して前記第1光学系と対称に配置されている請求項7記載のエッチング量の測定装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010002304A (ja) * | 2008-06-20 | 2010-01-07 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 基板処理装置 |
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2002
- 2002-05-27 JP JP2002151742A patent/JP3926207B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2010002304A (ja) * | 2008-06-20 | 2010-01-07 | Dainippon Screen Mfg Co Ltd | 基板処理装置 |
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JP2003347380A (ja) | 2003-12-05 |
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