JP3723392B2 - 膜厚測定装置および膜厚測定方法 - Google Patents

膜厚測定装置および膜厚測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板、液晶表示器用基板やプラズマディスプレイパネル(PDP等のFPD(Flat Panel Display)用基板、プリント基板などの各種の基板やフィルムなどの測定対象物に光を照射し、測定対象物からの反射光に基づいて測定対象物上に形成された薄膜の膜厚を測定する膜厚測定装置および膜厚測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の膜厚測定装置の一つとして、特開平3―46502号公報に開示されたものが知られている。この膜厚測定装置は、光源から照射された白色光を、集光素子、ハーフミラーおよび結像素子によって、薄膜が形成された基板上の測定領域に照射する。そして、測定領域内の所定位置から反射した光を、結像素子、ハーフミラーおよびピンホールミラーを介して分光器に入射させる。最後に分光器に入射した光を各波長ごとに分光し、この分光された光のエネルギーから薄膜の膜厚を測定する。以下、この膜厚測定装置を分光式膜厚測定装置と称す。
【0003】
上述の分光式膜厚測定装置では、所定位置における薄膜の膜厚しか測定できず、所定領域における薄膜の膜厚分布を測定することができない。この問題を解決するための膜厚測定装置として特開平10―47926号公報に開示された膜厚測定装置が知られている。この膜厚測定装置は光源から照射された光の内、互いに異なる所定の波長の光のみをそれぞれ透過する複数のフィルタを備える。この複数のフィルタを切り替えることにより、薄膜が形成された基板に照射する光の波長を切り替える。フィルタを透過した光は、基板上方に配置された凹面鏡で反射して基板全体に照射される。基板から反射した光は2次元に配列された複数の受光素子からなる受光手段により一括して受光される。そして、複数のフィルタの切り替えに応じて受光手段からの信号を取得し、この信号に基づいて薄膜の膜厚分布を求める。以下、この膜厚測定装置を波長選択式の膜厚測定装置と称す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
例えば半導体素子の製造過程においてCMP(chemical mechanical polishing)処理工程後、フォトレジスト膜形成工程後など各工程による薄膜形成結果を判断するために複数の工程後に薄膜の膜厚測定が実施される。そして、各膜厚測定において薄膜の膜厚分布を要求される場合と、所望位置でのより正確な膜厚測定が要求される場合とがあり、これらの測定を1台の膜厚測定装置によって使い分けしたいという要望があった。
【0005】
また、上述の波長選択式の膜厚測定装置によると、基板に照射する光の波長がフィルタの数に制限されるため、おおよその膜厚分布を求めることはできるが、より正確な膜厚測定に対応できないという問題が発生する。この問題について図9を用いて説明する。図9は基板から反射した光の各波長に対する分光反射比率を示し、実線は膜厚が250nmのシリコン窒化膜が形成された基板におけるプロファイルを示し、一点鎖線は膜厚が500nmのシリコン窒化膜が形成された基板におけるプロファイルを示す。図9の点a1ないし点a4に示すように実線と一点鎖線とは、波長が430nm,500nm,600nm,740nm付近であるときに交わっている。すなわち、図9の点a1ないし点a4において膜厚が250nmであるときの分光反射比率と膜厚が500nmであるときの分光反射比率とが同じ値となる。したがって、波長選択式の膜厚測定装置において、複数のフィルタによって選択する光の波長が、430nm,500nm,600nm,740nmのいずれかのときに膜厚値が250nmであるか、500nmであるかの判断ができないという問題が発生する。この問題を解決するために、測定すべき薄膜の膜厚範囲(膜厚検査範囲)を例えば200nmから300nmの範囲内であると初期設定しておいて、上述のように膜厚値が250nmと500nmの両方と一致するときに、初期設定値から膜厚値は250nmと判断する方法が考えられる。
【0006】
しかしながら、上記の膜厚検査範囲(200nmから300nmの範囲内)の初期設定を誤ると間違った膜厚を求めるという測定ミスが発生する。基板上に複数の膜種の薄膜が積層された多層膜が形成されている場合においては膜種ごとに膜厚検査範囲を初期設定する必要があるので、上述の測定ミスが発生する可能性が高くなる。
【0007】
本発明の第1の目的は、上述のような点に鑑み、薄膜の膜厚分布を測定できるとともに、所望位置における薄膜の膜厚をより正確に測定できる膜厚測定装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上述のような点に鑑み、所望領域における薄膜の膜厚分布を正確に測定することができる膜厚測定装置を提供することにある。
本発明の第3の目的は、上述のような点に鑑み、所望領域における薄膜の膜厚分布を正確に測定することができる膜厚測定方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を解決するために請求項1に係る発明は、基板上に形成された薄膜の膜厚を測定する膜厚測定装置において、白色光を基板上の所定位置に照射する光学系と、所定位置から反射した反射光を所定の波長ごとに分光する分光手段と、分光手段で分光された光をそれぞれ受光する第1受光手段とを有し、第1受光手段による検出結果に基づいて所定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定部と、互いに波長が異なる複数の光を基板上の所定領域に順次照射する照射手段と、2次元に配列された複数の受光素子からなる第2受光手段と、基板上の所定領域から反射した反射光を第2受光手段に一括して導く光学系と、第1膜厚測定部により求められた所定位置における薄膜の膜厚に基づいて膜厚検査範囲を設定する設定手段とを有し、第2の受光手段による検出結果および膜厚検査範囲に基づいて所定領域における薄膜の膜厚分布を求める第2膜厚測定部とを備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る発明は、基板上に形成された薄膜の膜厚を測定する膜厚測定装置において、白色光を基板上の所定位置に照射する光学系と、所定位置から反射した反射光を所定の波長ごとに分光する分光手段と、分光手段で分光された光をそれぞれ受光する第1受光手段とを有し、第1受光手段による検出結果に基づいて所定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定部と、白色光を基板上の所定領域に順次照射する照射手段と、2次元に配列された複数の受光素子からなる第2受光手段と、所定領域から反射した反射光から互いに波長が異なる複数の光を順次選択する波長選択手段と、波長選択手段により選択された光を第2受光手段に向けて導く光学系と、第1膜厚測定部により求められた所定位置における薄膜の膜厚に基づいて膜厚検査範囲を設定する設定手段とを有し、第2受光手段による検出結果および膜厚検査範囲に基づいて所定領域における薄膜の膜厚分布を求める第2膜厚測定部とを備えることを特徴とする。
【0010】
請求項1または請求項2に係る発明によると、第1膜厚測定部によって所定位置における薄膜の膜厚が測定されるとともに、第2膜厚測定部によって所定領域における薄膜の膜厚分布が測定される。
【0011】
また、第1膜厚測定部による測定結果に基づいて第2膜厚測定部による測定が実行される。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に記載の膜厚測定装置において所定位置が所定領域内に設定されていることを特徴とする。この発明によると、所定位置の周辺領域における薄膜の膜厚分布が測定される。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の膜厚測定装置において所定領域は薄膜構造が同一である領域に設定されていることを特徴とする。この発明によると、薄膜構造が同一である領域について膜厚分布が測定される。
【0014】
請求項5に係る発明は、基板上に形成された薄膜の膜厚を測定する膜厚測定方法において、白色光が照射された基板上の所定位置から反射した反射光を分光した後、分光された光を第1受光手段によりそれぞれ受光し、この第1受光手段による検出結果に基づいて所定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定工程と、前記第1膜厚測定工程で求めた前記所定位置における薄膜の膜厚に基づいて膜厚検査範囲を設定する工程と、互いに波長が異なる複数の光が順次照射された基板上の所定領域から反射した反射光を第2受光手段で一括して受光して、この第2受光手段による検出結果および前記膜厚検査範囲に基づいて所定領域における薄膜の膜厚分布を求める第2膜厚測定工程とを含むことを特徴とする。
【0015】
請求項6に係る発明は、基板上に形成された薄膜の膜厚を測定する膜厚測定方法において、白色光が照射された基板上の所定位置から反射した反射光を分光した後、分光された光を第1受光手段によりそれぞれ受光し、この第1受光手段の検出結果に基づいて所定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定工程と、前記第1膜厚測定工程で求めた前記所定位置における薄膜の膜厚に基づいて膜厚検査範囲を設定する工程と、白色光が照射された基板上の所定領域から反射した光から互いに波長が異なる複数の光を順次選択した後に第2受光手段により一括して受光して、この第2受光手段による検出結果および前記膜厚検査範囲に基づいて所定領域における薄膜の膜厚分布を求める第2膜厚測定工程とを含むことを特徴とする。
【0017】
請求項7に係る発明は、請求項5または請求項6に記載の膜厚測定方法において、第2膜厚測定工程において、前記所定位置の近傍領域が第1膜厚演算領域に設定され、第1膜厚演算領域における膜厚検査範囲が第1膜厚測定工程で求めた所定位置の膜厚に基づいて設定されることを特徴とする。
【0018】
請求項8に係る発明は、請求項7記載の膜厚測定方法において、第2膜厚測定工程において、第1膜厚演算領域の近傍領域が第2膜厚演算領域に設定され、第2膜厚演算領域における膜厚検査範囲が第1膜厚演算領域の膜厚に基づいて設定されることを特徴とする。
【0019】
請求項9に係る発明は、請求項5または請求項6に記載の膜厚測定方法において、前記所定領域は薄膜構造が同一である領域に設定されていることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
<第1実施形態>
図1はこの発明の膜厚測定装置の第1実施形態を示す模式図である。膜厚測定装置1は、互いに異なる複数の波長ごとの光を選択的に発する光源部2と、測定ステージ7上に水平に載置され、その上側主面に所定の薄膜が形成された基板W上の矩形の測定領域MAより広い領域に光源部2からの光を照射するように導く導光光学系3と、測定領域MA内の所定位置P1から反射した光を分光した後、第1受光素子43まで導く第1受光光学系4と、測定領域MAから反射した光を第2受光素子53まで導く第2受光光学系5と、制御部6とを備える。
【0021】
測定ステージ7は図1において紙面に直交する水平面(X−Y平面)内において移動可能に構成されたX−Yステージである。測定ステージ7を図示しない駆動機構により水平移動させることによって基板W上の所望位置に所定位置P1や測定領域MAを設定する。測定ステージ7を固定し、光源部2、導光光学系3、第1受光光学系4および第2受光光学系5などを備える光学ヘッドを測定ステージ7に対して移動させて、基板W上の所望位置に所定位置P1や測定領域MAを設定しても良い。
【0022】
光源部2は白色光を発するハロゲンランプである光源21と、光源21からの光L0を視野絞り25の円形の開口25hに向けて集光するレンズ22とを備える。レンズ22と視野絞り25との間には波長切換手段23が配置されている。波長切換手段23はその外周部が光路上に位置するように配置された円盤24を備える。円盤24の外周部には8つの円形フィルタF1からフィルタF8と円形の開口24hが円盤24の円周方向に沿って等間隔に設けられている。8つのフィルタF1ないしF8がそれぞれ透過する光L0の波長λ1ないし波長λ8は、例えば、475nm,500nm,525nm,550nm,575nm,600nm,625nm,650nmが考えられるが、これらに限定されず、測定すべき薄膜の膜種や膜構造に応じて任意に設定すればよい。また、フィルタFの数(透過する光の波長数)は8つに限定されず、測定すべき薄膜の膜種や膜構造に応じて適宜に設定すればよい。以下において波長λ1ないし波長λ8を特定波長λfと総称する。
【0023】
円盤24の中心部にはモータ26の回転軸が接続されている。モータ26を後述するデータ処理部63からの信号に基づき回転駆動することにより、レンズ22と視野絞り25との間に、開口24hを配置するか、フィルタF1からF8の内のいずれか一つのフィルタを配置するかを選択的に切り替える。このように切り替えることによって基板Wの測定領域MAに照射される光が、開口24hが選択されたときは白色光となり、フィルタF1からフィルタF8の内のいずれか一つのフィルタが選択されたときは特定波長λf(波長λ1ないし波長λ8)の光となる。
【0024】
導光光学系3は、視野絞り25から出射した光L0がケラー照明となるように集光するレンズ31と、レンズ31によって集光された光L0を、基板Wに向けて反射するハーフミラー32と、この反射された光L0を、所望の測定領域MA全体に集光させる対物レンズ33とを備える。なお、図1において光源部2から照射され導光光学系3により測定領域MAに照射される光L0の中心光の光路は点線で示される。
【0025】
第1受光光学系4は、測定領域MA内の所定位置P1から反射して対物レンズ33により平行光とされた光L1をミラー51に形成されたピンホール51hに結像させるレンズ41を備える。また、ピンホール51hから出射した光を各波長ごとに分光し、第1受光素子43に向けて反射する凹面回折格子42を備える。なお、所定位置P1は視野絞り25およびピンホール51hと光学的に共役な位置関係にある。また、図1において所定位置P1から反射して第1受光光学系4に導かれ、第1受光素子43で受光される光L1の中心光の光路は実線で示される。
【0026】
第1受光素子43は、反射光L1が分光される方向ARに沿って1次元に配列された複数の受光素子からなり、各受光素子が分光された各波長の光を受光する。そして、制御部6内の分光器測定データ入力部61に向けて、各波長の光の光量を示す信号(検出結果)を送る。分光器測定データ入力部61は受け取った信号をデジタルデータに変換して、このデジタルデータをデータ処理部63に向けて送る。各波長の光量は、例えば波長が400nmから800nmの範囲内で1nmごとに第1受光素子43内の各受光素子により測定されて、その測定結果が分光器測定データ入力部61を介してデータ処理部63に送られる。以下において凹面回折格子43、第1受光素子43およびピンホール51hを「分光器」と総称する場合がある。
【0027】
第2受光光学系5は、基板W上の測定領域MAから反射した光の内、所定位置P1から反射した反射光L1以外の反射光L2を第2受光素子53に向けて反射するミラー51を備える。ミラー51で反射された光L2はレンズ52によって第2受光素子53上の所定領域に集光される。なお、図1において測定領域MAから反射して第2受光光学系5に導かれ、第2受光素子53で受光される光L2の光路は一点鎖線で示される。
【0028】
第2受光素子53は、所定領域に集光された光を一括して受光するために2次元に配列された複数の受光素子からなり、撮像カメラ内に設けられている。第2受光素子53は、各受光素子によって受光した光の光量を示す信号(検出結果)を制御部6内のカメラ測定データ入力部62に向けて送る。カメラ測定データ入力部62はデータ処理部63に向けて受け取った信号を送る。
【0029】
制御部6内に設けられたデータ処理部63は、CPU、ROM及びRAM等を有する既知のマイクロコンピュータ等から構成される。データ処理部63は、第1受光素子43から送られた各波長ごとの反射光L1の光量を示す信号および第2受光素子53から送られた反射光L2の光量を示す信号に基づき、基板Wに形成された薄膜の膜厚およびその分布を算出する。また、ROM内に記憶された処理プログラムに基づいてモータ26などを制御する。
【0030】
<第1実施形態の動作例>
次に上述の第1実施形態のように構成される膜厚測定装置1の動作の一例について説明する。まず、図2のフローチャートに示すように参照情報を測定する。具体的には、ステップS11で薄膜が形成されていない参照基板W0が、操作者による手動で、または、図示しない搬送機構を用いて自動的に測定ステージ7上に載置される。
【0031】
次にステップS12で波長切替手段23の円盤24に形成された開口24hがレンズ22と視野絞り25の間に配置されるように、データ処理部63からの信号に基づいてモータ26により円盤24を回転駆動する。この状態では、光源21から発せられた白色光L0が導光光学系3により基板W0上の測定領域MAより広い領域に照射される。測定領域MA内の所定位置P1から反射した反射光L1は第1受光光学系4により各波長ごとに分光されて第1受光素子43まで導かれる。
【0032】
ステップS13では、第1受光素子43は、各波長ごとの光量を示す情報、すなわち分光器の参照情報B(λ)を分光器測定データ入力部61を介してデータ処理部63に送る。データ処理部63は送られた情報B(λ)をRAM内で記憶する。
【0033】
ステップS14では、データ処理部63からの信号に基づいて、波長切替手段23のモータ26により円盤24を回転駆動して、レンズ22と視野絞り25との間に、8つのフィルタF1からF8の内の一つのフィルタを配置する。この状態では、フィルタを透過した特定波長λfの光のみが導光光学系3により参照基板W0上の測定領域MAより広い領域に照射される。測定領域MAから反射した光L2は、第2受光光学系5により第2受光素子53の所定領域に照射され受光される。
【0034】
ステップS15において、第2受光素子53は、特定波長λfの光の光量を示す情報、すなわちカメラの参照情報B(i,λf)(iは第2受光素子53内の受光素子の数(番号)を示す)をカメラ測定データ入力部62を介してデータ処理部63にそれぞれ送る。データ処理部63は送られた情報B(i,λf)をRAM内で記憶する。
【0035】
ステップS16では、フィルタF1からフィルタF8までの全てのフィルタについて処理したか否かが判断される。全てのフィルタについて処理していないと判断したときは、ステップS14からステップS15を繰り返す。全てのフィルタについて処理したと判断したときは次のステップS17に移る。
【0036】
ステップS17では、測定ステージ7に載置された参照基板W0の外側に設けられた反射防止面に測定領域MAが設定されるように測定ステージを図示しない駆動手段により水平方向に移動させる。上記の反射防止面は対物レンズ33の焦点面から上下にずれた位置に配置され、反射防止加工が施された面である。この状態では、第1受光素子43および第2受光素子53には光が入射しない。
【0037】
ステップS18では、第1受光素子43の各受光素子の暗電流の大きさを示す情報、すなわち分光器の暗情報D(λ)が分光器測定データ入力部61を介してデータ処理部63に送られる。また、第2受光素子53の暗電流の大きさを示す情報、すなわちカメラの暗情報D(i)がカメラ測定データ入力部62を介してデータ処理部63に送られる。データ処理部63に送られた暗情報D(λ)および暗情報D(i)はRAM内に記憶される。
【0038】
ステップS18が終了すると参照基板W0が測定ステージ7上から搬出されるとともに、測定ステージ7が図3に示す膜厚測定動作が可能な位置まで移動して図2のフローチャートに示す参照情報の測定動作が完了する。上述のようにデータ処理部63のRAM内に記憶された分光器の参照情報B(λ)および暗情報D(λ)、カメラの参照情報B(i,λf)および暗情報D(i)は、後述の膜厚演算動作(図4)に用いる参照情報(キャリブレーション情報)として参照される。
【0039】
次に図3に示すフローチャートを用いて膜厚情報の測定動作について説明する。まず、ステップS21で膜厚を測定すべき基板(測定対象基板)Wの測定領域MAに形成された薄膜の単層膜、多層膜などの膜構造と膜種を設定する。具体的には予めデータ処理部63内のROMに保存された複数の膜構造および膜種を図示しないモニタなどの表示装置に表示して、この表示された情報の中から所望の膜構造および膜種を、操作者がキーボードなどの入力装置を操作することによって選択指定する。
【0040】
ステップS21の操作を終えると指定された膜種に応じてモニタに薄膜の光学定数(波長λの関数である反射率N(λ)、吸収係数K(λ)など)が表示される。操作者はモニタに表示された光学定数を確認する(ステップS22)。
【0041】
ステップS23では、後述のステップS37(図4)において用いる膜厚演算範囲を設定する。具体的には、ステップS23で「±10nm」と設定すれば、後述する膜厚値dsから±10nmの範囲内でステップS37が実行される。ステップS24では、操作者手動で、または、図示しない搬送機構を用いて自動的に基板Wが測定ステージ7上に載置される。
【0042】
ステップS25では、円盤24に形成された開口24hがレンズ22と視野絞り25の間に配置されるように、データ処理部63からの信号に基づいてモータ26により円盤24を回転駆動する。この状態では光源21から発せられた白色光L0が導光光学系3により基板W上の測定領域MAより広い領域に照射される。測定領域MA内の所定位置P1から反射した反射光L1は第1受光光学系4により各波長ごとに分光されて第1受光素子43まで導かれる。
【0043】
ステップS26では、第1受光素子43が各波長毎の光量を示す分光器の測定情報S(λ)を、分光器測定データ入力部61を介してデータ処理部63に送る。データ処理部63は送られた測定情報S(λ)をRAM内に記憶する。
【0044】
ステップS27では、データ処理部63からの信号に基づいて、波長切替手段23のモータ26により円盤24を回転駆動して、レンズ22と視野絞り25との間に8つのフィルタF1からフィルタF8の内の一つのフィルタを配置する。この状態では、フィルタを透過した特定波長λf(波長λ1ないし波長λ8)の光のみが導光光学系3により基板W上の測定領域MAより広い領域に照射される。測定領域MAから反射した光L2は、第2受光光学系5により第2受光素子53の所定領域に照射され受光される。
【0045】
ステップS28において、第2受光素子53は、特定波長λfの光の光量を示すカメラの測定情報S(i,λf)をカメラ測定データ入力部62を介してデータ処理部63にそれぞれ送る。データ処理部63は送られた測定情報S(i,λf)をRAM内に記憶する。
【0046】
ステップS29でフィルタF1からフィルタF8までの全てのフィルタについて処理したか否かが判断される。全てのフィルタについて処理していないと判断したときは、ステップS27からステップS28を繰り返す。全てのフィルタについて処理したと判断したときは図3のフローチャートに示す膜厚情報の測定動作を完了する。
【0047】
次に図4に示すフローチャートを用いて膜厚値演算動作について説明する。まず、ステップS31で、第1受光素子43で受光された光L1の分光反射比率、すなわち分光器データの分光反射比率T(λ)を算出する。算出方法の一例として、上述のステップS13(図2)で得られた分光器の参照情報B(λ)およびステップS18(図2)で得られた分光器の暗情報D(λ)、ステップS26(図3)で得られた分光器の測定情報S(λ)を以下の数1に示す式に代入して分光反射比率T(λ)を算出する方法がある。
【数1】
Figure 0003723392
【0048】
ステップS32では、分光器データによる膜厚値ds、換言すれば所定位置P1における薄膜の膜厚値dsを算出する。膜厚値を算出する方法の一つとして、まず、ステップS31で算出した分光反射比率T(λ)から以下の数2に示す式により仮膜厚daを算出する。なお、この動作例では算出された分光反射比率T(λ)から図9の実線で示すプロファイルが得られたものとする。以下に示す数2から数4の式において、波長λ1および波長λ2は図9の実線に示すように分光反射比率T(λ)のおおよその極値を示す波長であり、このときの薄膜の屈折率がn1、n2である。また、これらの波長の間に存在する極値の個数がXである。
【数2】
Figure 0003723392
【0049】
仮膜厚daが求まると、この膜厚近傍(da−α〜da+α)を膜厚検査範囲とする。「da−α」および「da+α」の値は、適宜に設定しても良いし以下の数3および数4の式から算出しても良い。
【数3】
Figure 0003723392
【数4】
Figure 0003723392
【0050】
上記の膜厚検査範囲(da−α〜da+α)において、理論計算により得られた膜厚dに対する分光反射比率R(d,λ)と実測により得られた分光反射比率T(λ)とに基づいて正確な膜厚dsを求める。具体的には以下の数5の式により波長λが400nmから800nmの範囲内における誤差平方和E(d)を膜厚検査範囲において例えば膜厚2nmずつの計算ステップでそれぞれ算出する。算出された複数のE(d)からカーブフィット法を用いて所定位置P1の正確な膜厚dsを算出する。すなわち複数のE(d)に基づいて、横軸を膜厚検査範囲とし、縦軸を誤差平方和E(d)としたグラフを作成する。このグラフから2次曲線近似法を用いて誤差平方和E(d)の極小値E(ds)を求め、この極小値E(ds)に対応する膜厚値を所定位置P1の正確な膜厚dsとする。
【数5】
Figure 0003723392
【0051】
ステップS33では、ステップS32で求めた極小値E(ds)とデータ処理部63内のROMに予め保存された規定値とを比較する。この比較により極小値E(ds)が規定値より大きいときに「NG」とデータ処理部63が判定し、測定エラーとして膜厚測定処理を中断して異常原因を調査する。上記比較により極小値E(ds)が規定値より小さいときに「OK」とデータ処理部63が判定しステップS34に移る。
【0052】
ステップS34では、第2受光素子53の各受光素子によって特定波長λfごとにそれぞれ受光された光L2についての分光反射比率、すなわちカメラデータの分光反射比率T(i,λf)を算出する。算出方法の一例として上述のステップS15(図2)で得られたカメラの参照情報B(i,λf)およびステップS18(図2)で得られたカメラの暗情報D(i)、ステップS28(図3)で得られたカメラの測定情報S(i,λf)を以下の数6に示す式に代入して分光反射比率T(i,λf)を算出する方法がある。
【数6】
Figure 0003723392
【0053】
ステップS35では、図5に示すように第2受光素子53内の所定位置P1に対応する受光素子(i=1)での膜厚値d(i=1)をステップS32で求めた膜厚値ds(例えば250nm)に設定する。
【0054】
ステップS36では、第2受光素子53において図5に示すように受光素子(i=1)周辺の受光素子(i=2〜9)を第1膜厚演算領域として設定する。後述のステップS39に続く次の処理のときには受光素子(i=2〜9)の外側に隣接する受光素子(i=10〜25)を第2膜厚演算領域として設定する。ここでは、第1膜厚演算領域および第2膜厚演算領域は各受光素子が隣接する領域に設定されているが隣接していることに限定されない。例えば、所定位置P1の近傍領域に対応する受光素子を第1膜厚演算領域と設定して、第1膜厚演算領域の近傍領域に対応する受光素子を第2膜厚演算領域と設定しても良い。
【0055】
ステップS37では、ステップS36で設定された膜厚演算領域における薄膜の膜厚値diを各受光素子ごとに算出する。例えば第1膜厚演算領域(受光素子(i=2〜9))が膜厚演算領域のときには、ステップS35で設定された所定位置P1(受光素子(i=1))の膜厚値ds(250nm)とステップS23で設定された膜厚演算範囲「±10nm」とから膜厚検査範囲を「250nm±10nm」と設定する。この膜厚検査範囲(240nm〜260nm)において、理論計算により得られた膜厚dに対する分光反射比率R(d,λf)と実測により得られた分光反射比率T(i,λf)とに基づいて正確な膜厚diを算出する。例えば、以下の数7の式により各受光素子により得られた分光反射比率T(i,λf)ごとの誤差平方和E(i,d)を膜厚検査範囲において例えば膜厚2nmずつの計算ステップでそれぞれ算出する。算出された複数のE(i,d)からカーブフィット法を用いて測定領域MA内の任意位置の正確な膜厚diを算出する。すなわち複数のE(i,d)に基づいて、横軸を膜厚検査範囲とし、縦軸を誤差平方和E(i,d)としたグラフを作成する。このグラフから2次曲線近似法を用いて誤差平方和E(i,d)の極小値E(di)を求め、この極小値E(di)に対応する膜厚値を膜厚値diとする。
【数7】
Figure 0003723392
【0056】
ステップS37における膜厚演算領域が第2膜厚演算領域(受光素子(i=10〜25))のときは第1膜厚演算領域の内側に隣接する第1膜厚演算領域(受光素子(i=2〜9))における膜厚値d(i=2〜9)から膜厚検査範囲を「膜厚値d(i=2〜9)±10nm」と設定して上述と同様に膜厚値d(i=24)を算出する。例えば第2膜厚演算領域内の受光素子(i=24)に対応する位置の膜厚値d(i=24)を算出する場合、膜厚検査範囲を受光素子(i=24)の内側に隣接する第1膜厚演算領域内の受光素子(i=9)の膜厚値d(i=9)から膜厚検査範囲を「膜厚値d(i=9)±10nm」と設定し、上述と同様に膜厚値d(i=24)を算出する。膜厚演算領域の角部に位置する例えば膜厚値d(i=10)を算出するときにはその対角線上の内側にある膜厚値d(i=2)に基づいて膜厚検査範囲を設定すれば良い。
【0057】
ステップS38では、データ処理部63によりステップS37で算出した極小値E(di)とデータ処理部63内のROMに予め記憶された規定値とが比較される。そして、極小値E(di)が規定値以上のときには、膜厚値diは測定エラーと判断されて、後に解析する場合に識別が容易な膜厚値(例えば0(ゼロ))に置き換えられる。例えば、受光素子(i=9)による極小値E(d(i=9))が規定値以上と判断されると、膜厚値d(i=9)は「0」と設定される。この場合、ステップS37では受光素子(i=9)の外側に隣接する受光素子(i=24)による膜厚値d(i=24)を算出するときに膜厚値d(i=9)に基づく膜厚検査範囲(0±10nm)は用いずに、受光素子(i=9)に隣接する受光素子(i=2)または受光素子(i=8)からの光量データに基づき正確に算出された、すなわち「0」に置き換えられていない膜厚値d(i=2)または膜厚値d(i=8)から膜厚検査範囲が設定される。
【0058】
ステップS39では、全ての膜厚演算領域について膜厚値diが算出されたか否かがデータ処理部63により判断される。例えば、測定領域MA内、または測定領域MAに含まれる所定領域内に対応する第2受光素子53内の全ての受光素子について膜厚値diが算出されたか否かが判断される。ステップS39で膜厚値diが算出されていない膜厚演算領域が残っていると判断された場合は、ステップS36からステップS38の処理が繰り返される。全ての膜厚演算領域について膜厚値diが算出されたと判断された場合は膜厚値の演算処理動作が完了する。このように完了した後で、測定ステージ7を移動させて、他の測定領域MAについて図3、図4のフローチャートに示す処理を繰り返しても良い。
【0059】
<第1実施形態と従来装置との比較>
上述の動作例により測定領域MA内の任意位置の膜厚値diが255nmと算出されたと仮定して従来の波長選択式の膜厚測定装置と比較する。図9には膜厚が255nmのときのプロファイルが点線で示されている。図9において一点鎖線(膜厚が500nm)と点線とは点b1ないし点b4で交わっている。波長切替手段23で切り替えられる特定波長λfが点b1ないし点b4に対応する波長であるときに、従来の波長選択式の膜厚測定装置では膜厚検査範囲の初期設定を誤ると膜厚値が500nmであると間違える可能性がある。しかしながら、上述の第1実施形態によれば、予め算出した正確な膜厚値ds(250nm)から膜厚検査範囲を240nmから260nmの範囲内と設定するので、正確な膜厚値di(255nm)を得ることができる。従来の波長選択式の膜厚測定装置においてフィルタ数を多くして測定領域MAに照射する光の波長を増やせば上述のように膜厚値を間違える可能性は低くなるが、上述の第1実施形態の膜厚測定装置によれば少ないフィルタ数でも正確な膜厚値diを得ることができる。
【0060】
また、基板W上に薄膜が積層形成された多層膜の各波長に対する分光反射比率のプロファイルは図9に示す単層膜のプロファイルよりも極値の個数Xが多く複雑であり、その結果、正しい膜厚値の近くに多くの近似値(間違った膜厚値)が存在することとなる。このような多層膜の各膜厚値を従来の波長選択式の膜厚測定装置によって測定すると、膜厚検査範囲を広く初期設定した際には膜厚検査範囲内に正しい膜厚値と近似値とが含まれたり、膜厚検査範囲を狭く初期設定した際にはこの初期設定を誤ったりして、測定ミスが発生する可能性が高くなる。しかしながら、上述の第1実施形態の膜厚測定装置によれば、所定位置P1における多層膜の各膜厚値dsを正確に測定した後、これらの各膜厚値dsに基づいて正しい膜厚検査範囲を設定することができて、少ないフィルタ数でも測定領域MAにおける各薄膜の膜厚分布を正確に求めることができる。
【0061】
<第1実施形態の用途例>
上述の第1実施形態による膜厚測定装置1は、次のような膜厚測定において特に好適に利用できる。図6に示すように中央滴下スピンコート法により基板Wの表面にフォトレジスト膜(薄膜)を形成する際に、スピン処理の初期段階で基板Wの中央に滴下されたフォトレジスト液が、放射状に角を形成するように広がる。このようにフォトレジスト液が広がるために、形成されたフォトレジスト膜に点線で示すように放射状の膜厚分布が生じるストライエーションという現象が発生する。このストライエーションに起因するフォトレジスト膜の膜厚変動が許容範囲であるか否かを判断する際に膜厚測定装置1は好適に利用できる。上記の膜厚変動は比較的緩やかであるので、膜厚測定装置1により所定位置P1の膜厚値dsを求めた後、この膜厚値dsに基づいて測定領域MA内のレジスト膜の膜厚分布を正確に求めることができる。
【0062】
また、図7は基板Wの全面に形成されたフォトレジスト膜(薄膜)RFを基板Wの周辺領域において除去した状態を示す。フォトレジスト膜が除去された境界線部分では、フォトレジスト膜RFが盛り上がる場合がある。この盛り上がり具合が許容範囲内であるか否かを判断する際に膜厚測定装置1は好適に利用できる。膜厚測定装置1により所定位置P1の膜厚値dsを求めた後、この膜厚値dsに基づいて測定領域MA内の膜厚分布、すなわち盛り上がり具合を正確に求めることができる。
【0063】
<他の動作例>
上述の動作例においては、膜厚演算領域を受光素子(i=1)を中心にして段階的に広げるように設定するが、この設定方法に限定されない。例えば測定領域MA内において膜厚変動の小さいと予想される領域を膜厚演算領域としても良い。例えば図8に示すように測定領域MA内において薄膜の積層状態(単層膜または多層膜の積層数など)や膜種などの薄膜構造が同一である領域PTにおける膜厚値diは、所定位置P1の膜厚値dsと大きく異なる可能性は小さいので領域PTを膜厚演算領域として膜厚値diを算出しても良い。この領域PTはその座標位置を初期設定値としてデータ処理部63のROM内に記憶させておいても良いし、画像処理により領域PTの座標位置を特定しても良い。
【0064】
上述の第1実施形態の動作例では、まず所定位置P1の膜厚値dsを求めて、この膜厚値dsに基づいて測定領域MA内の膜厚分布を求めているが、この動作に限定されない。例えば、薄膜が単層膜でその膜厚変動が緩やかであるときなど膜厚検査範囲の初期設定を誤る可能性が低い場合には、所定位置P1の膜厚値dsを算出せずに、初期設定された膜厚検査範囲に基づいて測定領域MA内の膜厚分布を算出しても良い。そして、より正確に膜厚値を測定すべき位置については、この位置を所定位置P1として上述のように膜厚値dsを求めても良い。
【0065】
<第2実施形態>
次にこの発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態において図1に示すように波長切替手段23は光源部2に設けられる。第2実施形態では、光源部2に波長切替手段23を設けずに、第2受光光学系5の光路上に波長切替手段23bを配置する。より具体的には図1に点線で示すようにレンズ52と第2受光素子53との間に波長切替手段23bを設ける。波長切替手段23bはその配置位置が第1実施形態の波長切替手段23と異なるだけでその構成は波長切替手段23同じである。この第2実施形態においては、測定領域MAには光源部2から白色光が常に照射される。そして、波長切替手段23bによって、第2受光素子53が受光する光の波長が特定波長λf(波長λ1ないし波長λ8)に選択的に切り替えられる。その他の構成および測定動作については第1実施形態と同様であるので詳細な説明は省略する。
【0066】
【発明の効果】
以上詳細に説明した如く、請求項1および請求項2に係る発明によれば、第1膜厚測定部によって所定位置における薄膜の膜厚が正確に測定できるとともに、第2膜厚測定部によって所定領域における薄膜の膜厚分布が測定できる。
【0067】
また、第1膜厚測定部による測定結果に基づいて第2測定部による測定が実行されるので、所定領域における膜厚分布をより正確に測定することができる。
【0068】
請求項3に係る発明によれば、正確に膜厚が測定された所定位置の周辺領域が所定領域とされるので、所定領域内の膜厚分布をより正確に求めることができる。
【0069】
請求項4に係る発明は、薄膜構造が同一である領域について正確に膜厚分布を測定できる。
【0070】
請求項5および請求項6に係る発明によれば、第1膜厚測定工程で求めた膜厚に基づいて所定領域における膜厚分布が求められるので、膜厚検査範囲の誤りに起因する測定ミスを防止できて膜厚分布を正確に求めることができる。
【0071】
また、膜厚検査範囲が第1膜厚測定工程で求めた膜厚に基づいて設定されるので、膜厚検査範囲の誤りに起因する測定ミスを確実に防止することができる。
【0072】
請求項7に係る発明によれば、所定位置の近傍領域が第1膜厚演算領域に設定され、第1膜厚演算領域における膜厚検査範囲が第1膜厚測定工程で求めた所定位置の膜厚に基づいて設定されるので、第1膜厚演算領域の膜厚分布を正確に求めることができる。
【0073】
請求項8に係る発明によれば、第1膜厚演算領域の近傍領域が第2膜厚演算領域に設定され、第2膜厚演算領域における膜厚検査範囲が第1膜厚演算領域の膜厚値に基づいて設定されるので、第2膜厚演算領域の膜厚分布を正確に求めることができる。
【0074】
請求項9に係る発明によれば、薄膜構造が同一である領域における膜厚分布を正確に求めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施形態および第2実施形態の構成を示す模式図である。
【図2】第1実施形態の参照情報測定動作のフローチャートを示す図である。
【図3】第1実施形態の膜厚情報測定動作のフローチャートを示す図である。
【図4】第1実施形態の膜厚値演算動作のフローチャートを示す図である。
【図5】膜厚演算領域を説明するための図である。
【図6】測定対象基板の一例を示す平面図である。
【図7】他の測定対象基板を示す平面図である。
【図8】さらに別の測定対象基板を示す断面図である。
【図9】光の波長に対する各薄膜の分光反射比率のプロファイルを示す図である。
【符号の説明】
1 膜厚測定装置
2 光源部
23、23b 波長切替手段
3 導光光学系
4 第1受光光学系
43 第1受光素子
5 第2受光光学系
6 制御部
7 測定ステージ
W,W0 基板

Claims (9)

  1. 基板上に形成された薄膜の膜厚を測定する膜厚測定装置において、
    白色光を基板上の所定位置に照射する光学系と、所定位置から反射した反射光を所定の波長ごとに分光する分光手段と、分光手段で分光された光をそれぞれ受光する第1受光手段とを有し、第1受光手段による検出結果に基づいて所定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定部と、
    互いに波長が異なる複数の光を基板上の所定領域に順次照射する照射手段と、2次元に配列された複数の受光素子からなる第2受光手段と、基板上の所定領域から反射した反射光を第2受光手段に一括して導く光学系と、第1膜厚測定部により求められた所定位置における薄膜の膜厚に基づいて膜厚検査範囲を設定する設定手段とを有し、第2の受光手段による検出結果および膜厚検査範囲に基づいて所定領域における薄膜の膜厚分布を求める第2膜厚測定部と、
    を備えることを特徴とする膜厚測定装置。
  2. 基板上に形成された薄膜の膜厚を測定する膜厚測定装置において、
    白色光を基板上の所定位置に照射する光学系と、所定位置から反射した反射光を所定の波長ごとに分光する分光手段と、分光手段で分光された光をそれぞれ受光する第1受光手段とを有し、第1受光手段による検出結果に基づいて所定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定部と、
    白色光を基板上の所定領域に順次照射する照射手段と、2次元に配列された複数の受光素子からなる第2受光手段と、所定領域から反射した反射光から互いに波長が異なる複数の光を順次選択する波長選択手段と、波長選択手段により選択された光を第2受光手段に向けて導く光学系と、第1膜厚測定部により求められた所定位置における薄膜の膜厚に基づいて膜厚検査範囲を設定する設定手段とを有し、第2受光手段による検出結果および膜厚検査範囲に基づいて所定領域における薄膜の膜厚分布を求める第2膜厚測定部と、
    を備えることを特徴とする膜厚測定装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の膜厚測定装置において、
    所定位置が所定領域内に設定されていることを特徴とする膜厚測定装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の膜厚測定装置において、
    所定領域は薄膜構造が同一である領域に設定されていることを特徴とする膜厚測定装置。
  5. 基板上に形成された薄膜の膜厚を測定する膜厚測定方法において、
    白色光が照射された基板上の所定位置から反射した反射光を分光した後、分光された光を第1受光手段によりそれぞれ受光し、この第1受光手段による検出結果に基づいて所定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定工程と、
    前記第1膜厚測定工程で求めた前記所定位置における薄膜の膜厚に基づいて膜厚検査範囲を設定する工程と、
    互いに波長が異なる複数の光が順次照射された基板上の所定領域から反射した反射光を第2受光手段で一括して受光して、この第2受光手段による検出結果および前記膜厚検査範囲に基づいて所定領域における薄膜の膜厚分布を求める第2膜厚測定工程と、
    を含むことを特徴とする膜厚測定方法。
  6. 基板上に形成された薄膜の膜厚を測定する膜厚測定方法において、
    白色光が照射された基板上の所定位置から反射した反射光を分光した後、分光された光を第1受光手段によりそれぞれ受光し、この第1受光手段検出結果に基づいて所定位置における薄膜の膜厚を求める第1膜厚測定工程と、
    前記第1膜厚測定工程で求めた前記所定位置における薄膜の膜厚に基づいて膜厚検査範囲を設定する工程と、
    白色光が照射された基板上の所定領域から反射した光から互いに波長が異なる複数の光を順次選択した後に第2受光手段により一括して受光して、この第2受光手段による検出結果および前記膜厚検査範囲に基づいて所定領域における薄膜の膜厚分布を求める第2膜厚測定工程と、
    を含むことを特徴とする膜厚測定方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の膜厚測定方法において、
    第2膜厚測定工程において、前記所定位置の近傍領域が第1膜厚演算領域に設定され、第1膜厚演算領域における膜厚検査範囲が第1膜厚測定工程で求めた所定位置の膜厚に基づいて設定されることを特徴とする膜厚測定方法。
  8. 請求項7記載の膜厚測定方法において、
    第2膜厚測定工程において、第1膜厚演算領域の近傍領域が第2膜厚演算領域に設定され、第2膜厚演算領域における膜厚検査範囲が第1膜厚演算領域の膜厚に基づいて設定されることを特徴とする膜厚測定方法。
  9. 請求項5または請求項6に記載の膜厚測定方法において、
    前記所定領域は薄膜構造が同一である領域に設定されていることを特徴とする膜圧測定方法。
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