JP2001152547A

JP2001152547A - 建物

Info

Publication number: JP2001152547A
Application number: JP33548499A
Authority: JP
Inventors: Tomohiro Sengoku; 智広仙石
Original assignee: Misawa Homes Co Ltd
Current assignee: Misawa Homes Co Ltd
Priority date: 1999-11-26
Filing date: 1999-11-26
Publication date: 2001-06-05

Abstract

(57)【要約】【課題】木質系の材料を主体とした壁式構造であっても
建物内部に大空間を形成することができる建物を提供す
る。【解決手段】木質系の材料を主体として耐力壁を含んだ
壁体により建物の外周を形成する外壁６と、この外壁６
で囲まれた建物空間９の中央で立設している鋼製の柱８
と、外壁及び鋼製の柱の間を接続する鋼製の梁１０とを
備えている。また、木質系の材料を主体として形成した
２階の床部１２の下面を、鋼製の梁に接続する。また、
建物の基礎２は、外壁の平面形状に合わせて形成して外
壁の下端が結合している布基礎２ａと、この布基礎で囲
まれた中央位置に形成されて鋼製の柱の下端が結合して
いる独立基礎２ｂとを備えている。さらに、屋根梁１６
を、複数の鋼製の部材１６ａ、１６ｂを立体的に組み、
これら部材の下部に空間１７を設けた骨組み体として構
成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、壁式構造の長所
を備えた建物に関する。

【０００２】

【背景の技術】木を主体とした建築物の構造方式とし
て、パネル工法のように、壁体や床体など平面的な構造
体のみで建物を構築する壁式構造が知られている。この
壁式構造の建物は、面で荷重を支持する箱形の構造なの
で、頑丈で耐震性に優れ、気密性や断熱性が高い。加え
て、多くの工程を工業化することができるため、工期の
短縮や住宅品質の均一化等を図ることができる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、壁体や床体の
みを使用した壁式構造の建物は、使用される材料の性質
に係わらず構造上の制約が多く、木質系の材料を主体と
する場合には、十分な荷重支持力を確保するため、耐力
壁の減少を極力さける必要があり、建物内部に大空間を
形成することが困難であった。

【０００４】よって、本発明は、上記課題に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、木質系の材料を主体とし
た壁式構造であっても建物内部に大空間を形成すること
ができる建物を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に、本発明の建物は、木質系の材料を主体として耐力壁
を含んだ壁体により建物の外周を形成している外壁と、
この外壁で囲まれた建物空間の中央で立設している鋼製
の柱と、前記外壁及び前記鋼製の柱の間を接続する鋼製
の梁とを備えた建物である。

【０００６】この発明によると、耐力壁を含む外壁で荷
重を支持することから、頑丈で耐震性に優れた建物を得
ることができ、同時に、鋼製の柱、梁材でも荷重を支持
することから、建物内部の耐力壁の存在を避けることが
でき、建物内部の空間を広くすることができる。

【０００７】また、木質系の材料を主体として形成され
て前記鋼製の梁に接続して２階の床部を形成する床体を
備えてもよい。

【０００８】このようにすると、耐力壁を含む外壁と床
体との箱形状の面で荷重を支持することから、さらに耐
震性が向上するとともに、さらに建物内部を大空間に形
成することができる。

【０００９】また、前記鋼製の梁を、前記鋼製の柱の側
面に接続するようにしてもよい。このようにすると、鋼
製の梁の背が変化しても、同じ高さ寸法の鋼製の柱を使
用することができるので、建物の構造が変わっても、建
築資材の共用化を図ることができる。

【００１０】また、前記壁体及び床体を、建築用パネル
により構成してもよい。このようにすると、建物を短期
間で構築することができるとともに、建物の品質の一定
化を図ることができる。

【００１１】また、建物の基礎を、前記外壁の平面形状
に合わせて形成して前記外壁の下端が結合している布基
礎と、この布基礎で囲まれた中央位置に形成されて前記
鋼製の柱の下端が結合している独立基礎とで構成しても
よい。

【００１２】このようにすると、外壁及び鋼製の柱から
の鉛直荷重を確実に地盤に伝えることができるととも
に、シンプルな基礎構造となるので、基礎施工に費やす
労力の低減化と、建物の施工期間の短縮化を図ることが
できる。

【００１３】さらに、屋根梁を、複数の鋼製の部材を立
体的に組み、これら部材の下部に空間を設けた骨組み体
として構成し、この屋根梁の下端が前記外壁に接続する
ようにしてもよい。

【００１４】このようにすると、屋根梁で外壁の水平荷
重を支持することから、さらに耐震性が向上すると同時
に、屋根梁の下方に空間が設けられているので、外壁で
囲まれた建物内部の空間を天井高が高いものとすること
ができる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施形態を図
面に基づいて説明する。

【００１６】図１は、本発明に係る建物の基本構造を示
す分解斜視図である。この図において、符号２は基礎、
符号４は１階の床部、符号６は１階の外壁、符号８は１
階の室内（建物空間）９の略中央位置で立設している鋼
製の柱、符号１０は１階の外壁６と鋼製の柱８間を接続
している鋼製の梁、符号１２は２階の床部、符号１４は
２階の外壁、符号１６は屋根梁である。

【００１７】前記基礎２は、図２にも示すように、地盤
上に平面視矩形状に形成した布基礎２ａと、この布基礎
２ａで囲まれた中央位置の地盤上に形成した独立基礎２
ｂと、この独立基礎２ｂと布基礎２ａとの間において互
いに所定間隔をあけて形成した複数の束基礎２ｃとを備
えている。

【００１８】前記１階の床部４は、図３に示すように、
木質系の材料を主体とした外観矩形板状の建築用パネル
４ａを複数平面的に接続することにより、前記布基礎２
ａと同一平面形状の大きさであり、布基礎２ａ、独立基
礎２ｂ及び束基礎２ｃ上に載置されている。

【００１９】前記１階の外壁６は、木質系の材料を主体
とした外観矩形板状として開口部を設けた建築用パネル
と、鉛直荷重及び水平荷重を支持可能な耐力パネル（耐
力壁）とを構成部材とし、各パネルが平面視略四角形を
なすように互いに接続されている。

【００２０】また、１階の室内９の略中央位置で立設し
ている鋼製の柱８は、図３に示すように、柱下端が独立
基礎２ｂから立ち上がるアンカーボルトを介して固定さ
れている。

【００２１】そして、図３にも示すように、この鋼製の
柱８の上部と、１階の外壁６を構成している耐力パネル
の上部との間に、水平方向に延在する鋼製の梁１０が接
続されている。すなわち、図４に示すように、鋼製の柱
８の上部に柱側梁受け金物１３が取り付けられており、
この柱側梁受け金物１３を介して鋼製の柱８の側部に鋼
製の梁１０の端部がボルト連結で接続されている。

【００２２】一方、２階の床部１２は、１階の外壁６と
同一平面形状の大きさであり、図３に示すように、木質
系の材料を主体とした外観矩形板状の建築用パネル１２
ａを、複数平面的に接続することにより構成されてい
る。そして、２階の床部１２の下面は、鋼製の梁１０の
上部に接合されている。

【００２３】また、２階の外壁１４は、木質系の材料を
主体とした外観矩形板状として開口部を設けた建築用パ
ネルと、鉛直荷重及び水平荷重を支持可能な耐力パネル
（耐力壁）とを構成部材とし、各パネルが平面視略四角
形をなすように互いに接続されている。

【００２４】さらに、屋根梁１６は、四角枠状に組み込
んだ鋼製の枠状部材１６ａと、この枠状部材１６ａのコ
ーナから斜め下方に下がるように組み込んだ鋼製の斜め
部材１６ｂとを備え、これら部材の下部に空間１７を設
けた骨組み体として構成されている。そして、この屋根
梁１６の下端は、２階の外壁１４の上部に接続してい
る。

【００２５】上記構成の建物によると、耐力壁を含む１
階の外壁６と、耐力壁を含む２階の外壁１４と、鋼製の
柱８、鋼製の梁１０とで鉛直荷重及び水平荷重を支持し
ているので、頑丈で耐震性に優れた建物を得ることがで
きる。

【００２６】また、鋼製の柱８が室内９の略中央に存在
しているだけであり、従来のように室内９を複数の空間
に仕切ってしまう耐力壁を形成しなくて済むので、室内
９の空間を広くすることができる。

【００２７】また、２階の床部１２は、下面が鋼製の梁
１０に接続した状態で配置されており、この床部１２
と、耐力壁を含む１階及び２階の外壁６、１４との箱形
状の面で鉛直荷重及び水平荷重を支持することから、さ
らに耐震性を向上させることができる。

【００２８】また、鋼製の梁１０の端部を、柱側梁受け
金物１３を介して鋼製の柱８の上部側面に接続している
ことから、鋼製の梁１０の背が種々変化しても、同じ高
さ寸法の鋼製の柱８を使用することができ、建物内部の
構造が変わっても、共通の鋼製の柱８を使用することが
できる。

【００２９】また、１階の外壁６及び２階の外壁１４に
は建築用パネルが使用されており、１階の床部４、２階
の床部１４も建築用パネルにより構成されているので、
木質系建物の工業化を促進し、施工期間の短縮、建物の
品質の一定化、低コスト化等を実現することができる。

【００３０】また、基礎２を、１階の外壁６を受ける布
基礎２ａと、鋼製の柱８を受ける独立基礎２ｂとを備え
た構成としていることから、鉛直荷重を確実に地盤に伝
えることができるとともに、シンプルな基礎構造となる
ので、基礎施工に費やす労力の低減化と、さらに施工期
間の短縮を図ることができる。

【００３１】さらに、屋根梁１６を、複数の鋼製の部材
１６ａ、１６ｂを立体的に組み、これら部材の下部に空
間１７を設けた骨組み体として構成したことから、２階
の室内の空間を天井高が高いものとすることができる。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐力壁を含む外壁で鉛直荷重及び水平荷重を支持すると
同時に、この外壁で囲まれた建物空間の中央で立設して
いる鋼製の柱と、外壁及び前記鋼製の柱の間を接続する
鋼製の梁でも荷重を支持することから、頑丈で耐震性に
優れた建物を得ることができる。それとともに、木質系
の材料を主体とした壁式構造であっても建物内部に大空
間を形成することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の建物の基本構造を示す分解斜視図であ
る。

【図２】本発明の建物の基礎を示す平面図である。

【図３】本発明の建物において柱と梁の接合構造を示す
図である。

【図４】本発明の建物の内部構造を示す側面図である。

【符号の説明】２基礎２ａ布基礎２ｂ独立基礎４１階の床部４ａ建築用パネル６１階の外壁８鋼製の柱９１階の室内（建物空間）１０鋼製の梁１２２階の床部１２ａ建築用パネル１４２階の外壁１６屋根梁１６ａ枠状部材１６ｂ斜め部材１７空間

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】木質系の材料を主体として耐力壁を含ん
だ壁体により建物の外周を形成している外壁と、この外
壁で囲まれた建物空間の中央で立設している鋼製の柱
と、前記外壁及び前記鋼製の柱の間を接続する鋼製の梁
と、を備えたことを特徴とする建物。
【請求項２】木質系の材料を主体として形成され、前
記鋼製の梁に接続して２階の床部を形成する床体を備え
たことを特徴とする請求項１記載の建物。
【請求項３】前記鋼製の梁は、前記鋼製の柱の側面に
接続していることを特徴とする請求項１又は２記載の建
物。
【請求項４】前記壁体及び床体は、建築用パネルから
なることを特徴とする請求項２又は３記載の建物。
【請求項５】建物の基礎を、前記外壁の平面形状に合
わせて形成されて当該外壁の下端が結合している布基礎
と、この布基礎で囲まれた中央位置に形成されて前記鋼
製の柱の下端が結合している独立基礎とで構成したこと
を特徴とする請求項１乃至４の何れかに記載の建物。
【請求項６】屋根梁を、複数の鋼製の部材を立体的に
組み、これら部材の下部に空間を設けた骨組み体として
構成し、この屋根梁の下端が前記外壁に接続しているこ
とを特徴とする請求項１乃至５の何れかに記載の建物。