JP2001152365A - 亜鉛系めっき鋼管および柱 - Google Patents

亜鉛系めっき鋼管および柱

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JP2001152365A
JP2001152365A JP34009499A JP34009499A JP2001152365A JP 2001152365 A JP2001152365 A JP 2001152365A JP 34009499 A JP34009499 A JP 34009499A JP 34009499 A JP34009499 A JP 34009499A JP 2001152365 A JP2001152365 A JP 2001152365A
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resin
hot
pole
galvanized steel
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Fuminori Mukohara
文典 向原
Shigeru Unno
茂 海野
Susumu Mizukami
進 水上
Tadanori Kodera
惟敬 小寺
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JFE Steel Corp
JFE Steel Pipe Co Ltd
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Kawasaki Steel Corp
Kawatetsu Steel Pipe Co Ltd
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C28/00Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 白錆発生を効果的に抑制することが可能で、
耐汚染性に優れ、さらには耐候性と塗膜密着性に優れた
亜鉛系めっき鋼管および道路の照明柱、標識柱、電柱な
どとして用いられる柱の提供。 【解決手段】 鋼管の外面側の亜鉛系めっき層上に、ア
クリルシリコン樹脂、より好ましくはさらにシリカを含
有する樹脂層を有する亜鉛系めっき鋼管、および、該亜
鉛系めっき鋼管から成る柱。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜鉛系めっき鋼管
に関し、特には、ディーゼルエンジンを搭載した自動車
などからの排気ガスによる汚れや錆の発生を極めて効果
的に抑制することが可能な道路の照明柱、標識柱、電柱
などの柱として好適に用いられる亜鉛系めっき鋼管に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融亜鉛めっき鋼管が、亜鉛めっ
き層の犠牲防食作用によって、地鉄の腐食を長期間抑制
できるため、広く使用されている。また、道路の照明
柱、標識柱、電柱などの鋼管としては、先端になるにし
たがって管径が縮小された流線形状の形状が美しいテー
パー鋼管が用いられている。
【0003】しかしながら、溶融亜鉛めっき鋼管(テー
パー鋼管)は、屋外で使用されると1年以内の短期間
で、溶融亜鉛めっき表面に白錆(Zn含有錆)が発生し、
耐食性が低下して灰色に変色し、初期の溶融亜鉛めっき
特有の銀白色の美麗な光沢が失われる。また、交通量の
多い所では、ディーゼルエンジンを搭載した自動車から
の排気ガスにより、黒色の汚れが付着し、所謂耐汚染性
が劣り、著しく景観を損ねている。
【0004】錆発生の問題を解決するために、特開平3
−115473号公報には、クロム酸系顔料または鉛酸カルシ
ウム系顔料を含有する水系のアクリル樹脂、酢酸ビニル
樹脂およびエポキシ変性ポリエステル樹脂群から選ばれ
る1種以上の樹脂を、溶融亜鉛めっき上に塗装すること
が開示されている。また、特開昭57−53571 号公報に
は、リン酸基を導入した水系アクリル樹脂を、溶融亜鉛
めっき上に塗装することが開示されている。
【0005】しかしながら、これら水系の樹脂は、成膜
時に水が皮膜中に残留し、この残留した水によって溶融
亜鉛めっきに白錆が発生し易い欠点がある。また、特公
昭58−8910号公報には、溶融亜鉛めっき表面に溶剤系の
フェノキシ樹脂溶液を塗布することが開示されている。
しかしながら、溶剤系のフェノキシ樹脂は、成膜時に塗
膜中に水が残留することは抑制されるが、エピクロルヒ
ドリンとビスフェノールAを主成分として合成されるフ
ェノキシ樹脂には、樹脂の製造過程で塩素が残留し、塗
膜下の溶融亜鉛めっきに白錆が生成し易い欠点がある。
【0006】また、特公昭54− 36928号公報には、リン
酸金属塩とキレート化剤を含むポリビニルブチラール樹
脂を、溶融亜鉛めっき上に塗装することが開示されてい
る。この場合、溶融亜鉛めっきの短期間での白錆の発生
は抑制されるが、道路用の各種柱として用いた場合、デ
ィーゼルエンジンを搭載した自動車からの排気ガスによ
り黒色汚れが付着する、すなわち耐汚染性が劣る欠点が
ある。
【0007】さらに、特開平10−176279号公報には、溶
融亜鉛めっき上にクロメート皮膜を形成して、溶融亜鉛
めっきの白錆の発生を抑制することが開示されている。
しかしながら、クロメート皮膜によって溶融亜鉛めっき
の色調が変化すること、道路用の各種柱として用いた場
合、ディーゼルエンジンを搭載した自動車からの排気ガ
スにより黒色汚れが付着する欠点がある。
【0008】一方、耐汚染性を改善するために、特開平
10−168382号公報に、熱可塑性アクリル樹脂とアルキル
シリケートとアルキレンオキサイド鎖を含有するアルコ
キシシラン化合物で構成される塗料組成物が、特開平6
−145453号公報にアルコキシシリル基含有アクリル共重
合体、テトラアルキルシリケートおよび硬化触媒からな
る親水性硬化性組成物が、国際公開番号WO 94/06870 に
有機塗料組成物中にオルガノシリケートを含有する塗料
組成物が開示されている。
【0009】上記した各種の塗料を溶融亜鉛めっきの上
に塗布した場合、耐汚染性は優れているが、耐食性が劣
り、耐食性を向上するためには、樹脂の膜厚を 100μm
以上と極めて厚くしなければならず不経済である。他
方、溶融亜鉛めっきに化成処理を施し、中塗り後、アク
リルシリコン樹脂の上塗り塗装を行うことが、特開昭63
− 28622号公報、特公平1− 32774号公報、特公平2−
54748号公報、特開平8−281865号公報、特開平8− 7
3811号公報、特開平10−100312号公報に開示されている
が、化成処理と着色塗装が施されているため、美麗な溶
融亜鉛めっき表面の外観が外から見えない欠点がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、白錆発生を
効果的に抑制することが可能で、耐食性に優れ、耐汚染
性に優れ、さらには耐候性と塗膜密着性に優れた亜鉛系
めっき鋼管および該亜鉛系めっき鋼管から成る道路用の
照明柱、標識柱、電柱などとして用いられる柱を提供す
ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
従来技術の問題点を解決するために、鋭意検討した結
果、亜鉛系めっき層上にアクリルシリコン樹脂を含有す
る樹脂層を形成することによって、耐汚染性、耐食性を
著しく向上せしめることが可能であることを見出し本発
明に至った。
【0012】すなわち、第1の発明は、鋼管の外面側の
亜鉛系めっき層上に、アクリルシリコン樹脂を含有する
樹脂層を有することを特徴とする亜鉛系めっき鋼管であ
る。さらに、本発明者らは、鋼管の外面側の亜鉛系めっ
き層上に、シリカとアクリルシリコン樹脂を含有する樹
脂層を形成することによって、耐汚染性、耐食性を著し
く向上せしめると共に、耐候性を大幅に向上せしめるこ
とが可能であることを見出し本発明に至った。
【0013】すなわち、第2の発明は、鋼管の外面側の
亜鉛系めっき層上に、シリカとアクリルシリコン樹脂を
含有する樹脂層を有することを特徴とする亜鉛系めっき
鋼管である。前記した第1の発明、第2の発明において
は、前記したアクリルシリコン樹脂が、下記一般式(1)
で示される基を含有するアルコキシシリル基含有アクリ
ル共重合体であることが好ましい(第1の発明の第1の
好適態様、第2の発明の第1の好適態様)。
【0014】
【化1】
【0015】また、前記した第2の発明、第2の発明の
第1の好適態様においては、前記樹脂層のシリカ(Si
O2)の含有量が、アクリルシリコン樹脂:100 質量部に
対して2〜25質量部であることが好ましい(第2の発明
の第2の好適態様、第3の好適態様)。また、前記した
第1の発明、第1の発明の第1の好適態様、第2の発
明、第2の発明の第1の好適態様〜第3の好適態様にお
いては、前記した樹脂層の膜厚が5〜50μm であること
が好ましい(第1の発明の第2の好適態様、第3の好適
態様、第2の発明の第4の好適態様〜第7の好適態
様)。
【0016】さらに、前記した第1の発明、第1の発明
の第1の好適態様〜第3の好適態様、第2の発明、第2
の発明の第1の好適態様〜第7の好適態様においては、
前記した亜鉛系めっきが溶融亜鉛めっきであることが好
ましい(第1の発明の第4の好適態様〜第7の好適態
様、第2の発明の第8の好適態様〜第15の好適態様)。
第3の発明は、前記した第1の発明、第1の発明の第1
の好適態様〜第7の好適態様、第2の発明、第2の発明
の第1の好適態様〜第15の好適態様いずれかに記載の亜
鉛系めっき鋼管から成ることを特徴とする柱である。
【0017】さらに、第3の発明のより好適な態様は、
前記した第1の発明、第1の発明の第1の好適態様〜第
7の好適態様、第2の発明、第2の発明の第1の好適態
様〜第15の好適態様いずれかに記載の亜鉛系めっき鋼管
から成ることを特徴とする照明柱もしくは標識柱もしく
は電柱として用いられる柱である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。前記したように、第1の発明は、鋼管の外面側の
亜鉛系めっき層上に、アクリルシリコン樹脂を含有する
樹脂層を有する亜鉛系めっき鋼管である。また、第2の
発明は、鋼管の外面側の亜鉛系めっき層上に、シリカと
アクリルシリコン樹脂を含有する樹脂層を有する亜鉛系
めっき鋼管である。
【0019】本発明においては、鋼管の表面の亜鉛系め
っき層が、亜鉛の犠牲防食作用で地鉄の腐食を抑制する
と共に、アクリルシリコン樹脂のO、OH基と亜鉛めっき
層表面のO、OH基とが水素結合を形成し、極めて塗膜密
着性が向上する。母材である鋼管への亜鉛系めっき層の
形成は、鋼管を酸洗後、鋼管表面をフラックス処理し、
溶融亜鉛めっき浴中へ浸漬することによって行うことが
できる。
【0020】亜鉛系めっき層の亜鉛の付着量は、 300〜
700g/m2 であることが好ましい。亜鉛系めっき層の亜鉛
の付着量が300g/m2 未満の場合、亜鉛系めっきの犠牲防
食作用の持続期間が短くなり、700g/m2 を超える場合、
亜鉛および溶融亜鉛めっきでめっきを施した場合の浴中
のアルミニウムが、地鉄と過度に合金化物を形成して、
亜鉛系めっき層が脆くなる問題がある。
【0021】本発明においては、耐食性向上効果、塗膜
密着性向上効果、めっき付着量の確保などの面から、亜
鉛系めっき層としては溶融めっきで形成することが好ま
しいが、電気めっきで形成してもよい。溶融亜鉛めっき
鋼管は、鋼管を脱脂後、塩酸などで酸洗し、塩化アンモ
ニウムや塩化亜鉛などでフラックス処理を行った後、溶
融亜鉛めっき浴中で溶融亜鉛めっきを施して製造され
る。
【0022】この溶融亜鉛めっきの際には、通常、溶融
亜鉛の流動性を改善してめっき外観を改善するために、
塩化亜鉛が添加されるが、この塩化亜鉛がめっき層中に
取り込まれて塩素が残留すると錆発生が著しい。すなわ
ち、溶融亜鉛めっき浴中に塩化亜鉛を添加した場合に
は、溶融亜鉛めっきに白錆が短期間で発生し易い問題が
あった。
【0023】本発明においては、亜鉛系めっき層の形成
を塩化亜鉛を添加した溶融亜鉛めっき浴を用いて行う場
合、鋼管の外面側の亜鉛系めっき層上にアクリルシリコ
ン樹脂とさらにシリカを含有する樹脂層を有する亜鉛系
めっき鋼管とすることが好ましい。なお、亜鉛系めっき
層の形成を塩化亜鉛を添加しない溶融亜鉛めっき浴を用
いて行う場合も、鋼管の外面側の亜鉛系めっき層上にア
クリルシリコン樹脂とさらにシリカを含有する樹脂層を
有する亜鉛系めっき鋼管とすることがより好ましい。
【0024】これは、シリカのOH基がアクリルシリコン
樹脂のO、OH基および亜鉛めっき層表面のO、OH基と水
素結合し、さらに塗膜密着性が向上するためである。本
発明における亜鉛系めっき層は、純亜鉛めっき層、 Zn-
Alめっき層、 Zn-Niめっき層、 Zn-Feめっき層、 Zn-Co
めっき層などのZnを主成分として含有するめっき層であ
る。
【0025】亜鉛系めっき層上への、アクリルシリコン
樹脂を含有する樹脂層の形成、またはシリカとアクリル
シリコン樹脂を含有する樹脂層の形成は、アクリルシリ
コン樹脂を含有する塗料、または例えばオルガノシリカ
ゾルとアクリルシリコン樹脂を含有する塗料を塗布し硬
化することによって行うことができる。塗布法として
は、亜鉛系めっき鋼管に塗料をハケ、ローラーで塗布す
る方法、エアスプレー塗装機を用いて塗布する方法、あ
るいは、塗料中に、亜鉛系めっき鋼管を浸漬する浸漬法
を用いることができる。
【0026】なお、上記した塗布法の内、塗膜外観およ
び作業性の面からエアスプレー塗装が好ましい。塗料の
塗布は、溶融亜鉛めっきなど亜鉛系めっきを施しためっ
き面上に、雰囲気温度5〜40℃、相対湿度(RH) 90%以
下の条件下で行うことが好ましい。塗膜の硬化は、室温
で数日間放置することで行えるが、適宜加熱手段を用い
て硬化を行うことができ、例えば、100 ℃以下の条件下
で加熱乾燥して、硬化反応を促進してもよい。
【0027】樹脂層の膜厚(乾燥後の膜厚)は5〜50μ
mが好ましい。膜厚が5μm未満の場合、十分に亜鉛系
めっき層の表面を覆うことができず、亜鉛系めっきの白
錆が短期間で生じ易くなり、膜厚が50μmを超える場
合、亜鉛系めっき鋼管の白錆発生の防止効果が実用上飽
和し、経済的でない。以下、本発明に係るアクリルシリ
コン樹脂および塗料について述べる。
【0028】〔アクリルシリコン樹脂:〕本発明で用い
るアクリルシリコン樹脂は、下記一般式(1) で示される
アルコキシシリル基を有するアクリル系樹脂とテトラア
ルキルシリケートからなる主剤に、ジブチルスズジラウ
レート、ジオクチルスズラウレートなどの硬化触媒を混
合し、シロキサン結合を形成、架橋して得られる。
【0029】
【化2】
【0030】(アルコキシシリル基を有するアクリル系
樹脂:)アルコキシシリル基を有するアクリル系樹脂
は、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、
メタクリル酸エステル、アクリルアミド、メタクリルア
ミドもしくはこれらの誘導体などのアクリル系モノマー
とアルコキシシリル基含有モノマーとの共重合によって
得ることができる。
【0031】上記した共重合は溶液重合によって行うこ
とが好ましく、溶液重合に用いられる重合溶剤は、キシ
レンやトルエンなどの炭化水素類、メチルイソブチルケ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類、酢酸エチ
ル、酢酸メチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類のよ
うな非反応性の溶剤が好ましい。アクリル系モノマーと
しては特に制限を受けるものではなく、例えば、アクリ
ル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル、アクリルアミド、メタクリルアミド、アク
リル酸ヒドロキシアルキルエステル、N-メチロールアク
リルアミドおよびこれらの誘導体から選ばれる1種また
は2種以上を用いることができる。
【0032】また、アルコキシシリル基含有モノマーと
しては特に制限を受けるものではなく、例えば、下記一
般式(2) で示される化合物を用いることができ、より具
体的には下記化学式(3) 〜(7) で示される化合物から選
ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0033】
【化3】
【0034】
【化4】
【0035】
【化5】
【0036】
【化6】
【0037】
【化7】
【0038】
【化8】
【0039】(アクリルシリコン樹脂:)前記したよう
に、本発明で用いるアクリルシリコン樹脂は、前記した
一般式(1) で示されるアルコキシシリル基を有するアク
リル系樹脂とテトラアルキルシリケートからなる主剤
に、硬化触媒を混合して得られる。テトラアルキルシリ
ケートのアルコキシシリル基を有するアクリル系樹脂へ
の添加量は、アルコキシシリル基を有するアクリル系樹
脂100 質量部に対して、10〜50質量部の範囲が好まし
い。
【0040】なお、テトラアルキルシリケートとしては
特に制限を受けるものではなく、例えば、テトラメチル
シリケートまたはテトラエチルシリケートまたはその両
者を用いることができる。本発明においては、亜鉛系め
っき層との密着性を改善するために、残留塩素を含むエ
ポキシ系以外のメルカプト系やアミン系などのシランカ
ップリング剤をアクリルシリコン樹脂に添加してもよ
い。
【0041】この場合、シランカップリング剤を、アル
コキシシリル基を有するアクリル系樹脂100 質量部に対
して、1〜10質量部の範囲で添加することが好ましい。 〔塗料:〕本発明における塗料は、アクリルシリコン樹
脂、またはさらにシリカを含有し、さらに必要に応じて
各種添加剤を含有する。
【0042】また、本発明における塗料においてアクリ
ルシリコン樹脂と共に用いられるシリカは、メタノー
ル、イソプロパノール、エチレングリコール、n−ブタ
ノール、イソブチルアルコールなどのアルコール系有機
溶媒やキシレン、メチルイソブチルケトン、ジメチルア
セトアミド、メチルエチルケトンなどの非アルコール系
有機溶媒に、平均粒径が10〜20nmのコロイダルシリカを
安定に分散させたオルガノシリカゾルを用いることがで
きる。
【0043】また、前記有機溶媒中に分散させた気相シ
リカ(平均粒径:10〜20nm)を用いてもよい。シリカの
アクリルシリコン樹脂への添加量は、アクリルシリコン
樹脂:100 質量部に対してSiO2として2〜25質量部であ
ることが好ましい。添加量が2質量部未満の場合、亜鉛
系めっきの白錆発生の抑制効果が少なく、また、耐候性
が低下し、25質量部を超える場合、皮膜が硬く脆くな
り、成膜時にクラックが入り、亜鉛系めっきに白錆が発
生し易くなる。
【0044】アクリルシリコン樹脂を含有する塗料の調
製は、メチルイソブチルケトンやメチルエチルケトンな
どの極性有機溶媒中で重合したアルコキシシリル基を有
するアクリル系樹脂およびテトラアルキルシリケートか
らなる主剤に硬化触媒を添加する方法を用いることが好
ましい。アクリルシリコン樹脂とシリカを含有する塗料
の調製は、前記したアクリルシリコン樹脂を含有する塗
料にさらに極性有機溶媒中に分散させたシリカを添加す
る方法、シリカを極性の有機溶媒で希釈した後に、アル
コキシシリル基を有するアクリル系樹脂およびテトラア
ルキルシリケートからなる主剤および硬化触媒を添加す
る方法などを用いることが好ましい。
【0045】これは、シリカを極性有機溶媒で分散希釈
することで、シリカ同士の凝集を防止できるためであ
る。本発明においては、塗料中に脂肪酸ポリアミド系な
どのシリカの沈降防止剤を添加し、シリカの沈降を防止
してもよい。なお、本発明に係るアクリルシリコン樹脂
塗料は、前記した塗料の調製において溶媒(溶剤)を用
いるため、特に溶剤を添加する必要はないが、必要に応
じてさらに溶剤を添加して用いてもよい。
【0046】本発明に使用されるテーパー鋼管などの鋼
管は、円筒形状、角型形状のいずれの形状のものを用い
てもよい。本発明の亜鉛系めっき鋼管からなる柱を照明
柱、標識柱、電柱に用いると、特に耐食性、耐汚染性に
優れ、塗膜密着性、耐候性をも有する照明柱、標識柱、
電柱となる。
【0047】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明する。表1に、本実施例において用いた各種モ
ノマー、薬剤、触媒を示す。 (実施例1〜16)板厚 6.8 mm の熱延鋼板をテーパー鋼
管に成形加工した後、脱脂、塩酸酸洗、塩化アンモニウ
ムでのフラックス処理を行った。
【0048】次に、処理後の鋼管を、 450℃に保持した
溶融亜鉛めっき浴中に浸漬し、溶融亜鉛めっきを行い、
室温まで冷却し、亜鉛めっき付着量が鋼管外面、内面そ
れぞれの片面当たり 550g/m2の溶融亜鉛めっき鋼管を製
造した。次に、得られた溶融亜鉛めっき鋼管の外面側の
溶融亜鉛めっき層上に、表2に示すアクリルシリコン樹
脂塗料をエアスプレー塗装機で樹脂膜厚(乾燥後の膜
厚)が5〜50μm となるように塗装し、1週間室温で保
持し、照明柱を作製した。
【0049】(比較例1)前記した実施例1〜16と同様
の方法で製造した溶融亜鉛めっき鋼管の外面側の溶融亜
鉛めっき層上に、水系アクリル樹脂塗料をエアスプレー
塗装機で樹脂膜厚(乾燥後の膜厚)が10μm となるよう
に塗装し、1週間室温で保持し、照明柱を作製した。
【0050】製造条件を、表3に示す。 (比較例2)実施例1〜16と同様の方法で製造した溶融
亜鉛めっき鋼管の外面側の溶融亜鉛めっき層上に、溶剤
系ウレタン樹脂塗料をエアスプレー塗装機で樹脂膜厚
(乾燥後の膜厚)が15μm となるように塗装し、1週間
室温で保持し、照明柱を作製した。
【0051】製造条件を、表3に示す。 (比較例3)実施例1〜16と同様の方法で製造した溶融
亜鉛めっき鋼管を、70℃に加熱した重クロム酸ナトリウ
ムの水溶液中に浸漬し、引き上げ後、鋼管自身の保有熱
で乾燥し、照明柱を作製した。
【0052】製造条件を、表3に示す。 (比較例4)実施例1〜16と同様の方法で製造した溶融
亜鉛めっき鋼管を、70℃に加熱した無水クロム酸の水溶
液中に浸漬し、引き上げ後、鋼管自身の保有熱で乾燥
し、照明柱を作製した。
【0053】製造条件を、表3に示す。次に、前記した
実施例1〜16、比較例1〜4で得られた照明柱の試験材
について、下記試験法に基づき耐食性、耐汚染性、耐候
性、塗膜密着性を評価した。 〔耐食性:〕1サイクルの試験条件が下記内容の複合サ
イクル試験(JASO M610) を行い、33サイクル後の溶融亜
鉛めっき表面の白錆発生面積率を調べ耐食性を評価し
た。
【0054】 1サイクル=塩水噴霧2時間+乾燥4時間+湿潤2時間 〔耐汚染性:〕建設省・土木研究所規格による耐汚染性
試験(水/カーボン汚れ促進試験)カーボンブラック
5.0質量%を脱イオン水に分散後、分散液をエアスプレ
ーで試験片に塗布し、60℃で1時間乾燥後、流水下でガ
ーゼで汚れを拭き取り、3時間乾燥後、L値(明度)を
測定した。
【0055】(耐汚染性の評価方法) 明度差(試験後の明度−試験前の明度):△Lが−7以
上であれば、屋外環境に用いられる土木構造物の被覆材
料について、汚れが付着しにくい、あるいは、付着した
汚れ物質を容易に落とすことができる防汚材料と評価し
た。 〔耐候性:〕サンシャインカーボンアーク灯の光を 120
分照射中に18分散水するサンシャインウエザーメータ試
験を行い、2500時間後の光沢度の試験前の光沢度に対す
る保持率で耐候性を評価した。
【0056】〔塗膜密着性:〕塗膜に1mm角の切れ目を
入れ、 100個のマスを、テープで剥離後、溶融亜鉛めっ
き上の残存塗膜を評価する碁盤目テープ法(JIS K 540
0)で塗膜密着性を評価した。表4に、得られた評価結
果を示す。
【0057】表4に示されるように、本発明の亜鉛系め
っき鋼管は、優れた耐食性および塗膜密着性を有するば
かりでなく、優れた耐汚染性および耐候性を有するため
景観性に優れ、照明柱、標識柱、電柱などの道路用の柱
として優れた性能を有していることが分かった。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】
【表5】
【0063】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の亜鉛系めっ
き鋼管は、優れた耐食性および塗膜密着性を有するばか
りでなく、優れた耐汚染性および耐候性を有するため景
観性に優れ、照明柱、標識柱、電柱などの道路用の柱と
して極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 海野 茂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 水上 進 千葉県千葉市中央区新浜町1番地 川鉄鋼 管株式会社内 (72)発明者 小寺 惟敬 千葉県千葉市中央区新浜町1番地 川鉄鋼 管株式会社内 Fターム(参考) 4J038 CG031 CG141 CG171 CH121 CJ181 CL001 DL031 GA15 HA446 KA06 MA07 NA03 NA05 NA12 PB05 PC02 4K044 AA02 AB03 BA10 BA14 BA21 BB03 BB11 BC02 CA11 CA18 CA22 CA53 CA62

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼管の外面側の亜鉛系めっき層上に、ア
    クリルシリコン樹脂を含有する樹脂層を有することを特
    徴とする亜鉛系めっき鋼管。
  2. 【請求項2】 鋼管の外面側の亜鉛系めっき層上に、シ
    リカとアクリルシリコン樹脂を含有する樹脂層を有する
    ことを特徴とする亜鉛系めっき鋼管。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の亜鉛系めっき鋼
    管から成ることを特徴とする柱。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006126521A1 (ja) * 2005-05-25 2006-11-30 Daikin Industries, Ltd. 防汚塗膜の構造
KR100931242B1 (ko) * 2002-12-27 2009-12-10 주식회사 포스코 가공성 및 내오염성이 향상된 브라운관용 쉬링키지 밴드강판의 제조방법

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