JP2001151826A - 薬液透過抑制剤、該抑制剤を含んでなる薬液透過抑制性含フッ素樹脂組成物 - Google Patents

薬液透過抑制剤、該抑制剤を含んでなる薬液透過抑制性含フッ素樹脂組成物

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JP2001151826A JP33845599A JP33845599A JP2001151826A JP 2001151826 A JP2001151826 A JP 2001151826A JP 33845599 A JP33845599 A JP 33845599A JP 33845599 A JP33845599 A JP 33845599A JP 2001151826 A JP2001151826 A JP 2001151826A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含フッ素樹脂の耐熱性、耐薬品性に加え、薬
液透過を抑制することができ、特に汚染を嫌う半導体装
置の製造用の各種部品、配管、容器として好適に使用で
きる成形品を提供する。 【解決手段】 非晶質含フッ素ポリマーからなる溶融加
工可能な結晶性含フッ素樹脂用の薬液透過抑制剤および
該薬液透過抑制剤を含む樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は溶融加工可能な結晶
性含フッ素樹脂の薬液透過性を抑制する薬液透過抑制剤
ならびに該薬液透過抑制剤を含む薬液透過抑制性含フッ
素樹脂組成物およびそれから得られる成形品に関するも
のである。本発明の成形品は、薬液の透過が抑制される
ことから高度なクリーン化を要求する半導体製造装置分
野の各種製品、部材、容器に好適である。
【0002】
【従来の技術】溶融加工可能な結晶性含フッ素樹脂は耐
熱性、耐薬品性などに優れており、各種の分野で成形材
料として広く使用されている。特に結晶性のテトラフル
オロエチレン(TFE)−パーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)(PAVE)共重合体(PFA)はその優
れた化学的、熱的安定性と成形性の点から、不純物の混
入を嫌う半導体製造の分野で、シート、チューブ、継
手、容器、キャリヤー、ベローズなどの材料として使用
されている。
【0003】前記半導体製造プロセスにおいて、とりわ
け薬液供給設備においては、酸・アルカリ、有機溶媒な
ど危険性の高い薬品を供給しており万一これらの薬品が
外に漏れた場合、長時間にわたって製造ラインが停止す
るにとどまらず、漏洩した薬液により、クリーンルーム
内を著しく化学汚染することになり、その浄化には多大
な時間を要し、その間生産停止を余儀なくされることか
ら半導体工場として莫大な損害を被ることになる。
【0004】そこで、特に酸、アルカリ系薬液の配管に
使用されているPFAチューブは、薬液透過による外部
流出を防止するためPFAチューブの外側に透明ポリ塩
化ビニル(PVC)製プロテクタ管を設け二重配管とし
ている。また、継手やバルブ部分には、透明PVC製の
分岐ボックスやバルブボックスを設けている。これら分
岐ボックスやバルブボックスには漏液センサを設け、ボ
ックス内の継手やバルブからの液漏れ、配管からの液漏
れを検知するようにしている。また、PFAは他の樹脂
に比べ比較的薬液が透過しやすく、大量の漏れはなくと
も微量の漏れは常に生じている。そこで、プロテクタ管
内をエアーや窒素でパージし、二重配管の間のガスやミ
ストを除去している。安定といわれるPFAにも経年劣
化が起こるためチューブや継手などからの薬液透過が多
い場合、それら部材を交換する頻度も高くなる。
【0005】ところが、上述する方法を施すことは、デ
バイスメーカーにとって設備費用の増大やメンテナンス
費の増加を招いており半導体製造コストを引き上げる原
因となっている。
【0006】このようにPFAの薬液の透過問題の解決
は、もはや構造面やメンテナンス面からは限界となって
おり、材質面からの改善がいくつか考えられる。
【0007】たとえば、薬液透過により優れるフッ素樹
脂を使用するという手段があり、フッ素樹脂の中では透
過性にもっとも優れるポリクロロトリフルオロエチレン
を選択することが考えられるが、この樹脂は耐ストレス
クラック性や成形性、耐熱性などに劣るという難点があ
る。
【0008】さらに、PFAの結晶化度を増加させると
いう方法もある。一般的に結晶性高分子の薬液の透過
は、非晶部で起こるので、結晶化度を上げることが有利
である。PFAにおいては、PAVE組成を減らすこと
により結晶化度を上げることが可能であるが、この場
合、加工性やクラック性が悪化するなどの欠点が生じ
る。
【0009】また、特開平10−259216号公報で
は、水酸基などの反応性基をもつフルオロビニルエーテ
ルを第三成分としてPFAを変性させることで薬液透過
性を改良することが開示されている。しかし、この方法
では、変性モノマーの末端が−CH2OHという反応性
基であるために耐薬品性がかえって低下してしまう。さ
らには、薬液透過性を室温で発煙硫酸中に4週間浸漬し
た後の重量増加によってのみ評価しており、実際に薬液
の透過量についての記述はない。
【0010】一方、特開平11−116706号公報で
は、PFAやテトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロ
プロピレン共重合体(FEP)などのフッ素樹脂成形体
に融点以上の温度で、不活性ガス雰囲気下、電離性放射
線を照射することで高分子間の架橋を起こし、ガスバリ
ア性を高める方法が開示されている。しかしながら、こ
のような処理を行なうためには専用の設備が必要であ
り、経済的ではない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のPFAに比べて薬液透過を抑制する成形品を与え、さ
らにはデバイスメーカーのコストアップを低減すること
ができる薬液透過抑制性含フッ素樹脂組成物を提供する
ことである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記の目的
を達成するため、常識では薬液透過を増大させると思わ
れる非晶質含フッ素ポリマーに着目し、研究を重ねたと
ころ、意外にも非晶質含フッ素ポリマーが優れた薬液透
過抑制剤となることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0013】すなわち本発明の溶融加工可能な結晶性含
フッ素樹脂用の薬液透過抑制剤は、非晶質含フッ素ポリ
マー、好ましくは25℃以下のガラス転移温度を有する
非晶質含フッ素ポリマーからなるものである。
【0014】かかる非晶質含フッ素ポリマーとしては結
晶性含フッ素樹脂と相溶性のよいものを選択して用いる
ことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】薬液透過抑制剤として用いる非晶
質含フッ素ポリマーとしては、非晶質のテトラフルオロ
エチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共
重合体が好ましい。
【0016】また本発明の薬液透過抑制剤としては、非
晶質含フッ素ポリマー鎖セグメント(A)およびテトラ
フルオロエチレン(TFE)繰返し単位80〜100モ
ル%と式(I): CF2=CF−Rf 1 (I) [式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキル基である)]で示される繰返
し単位0〜20モル%からなる結晶性含フッ素ポリマー
鎖セグメント(B)とからなる含フッ素多元セグメント
化ポリマーを含むものも使用できる。
【0017】この場合、結晶性含フッ素ポリマー鎖セグ
メント(B)は、TFE繰返し単位のみからなるポリマ
ー鎖セグメントでもよく、またTFE繰返し単位と式
(I)で示される1種または2種以上の繰返し単位とか
らなりトータルで式(I)で示される繰返し単位を20
モル%以下含むポリマー鎖セグメントであってもよい。
【0018】これらの非晶質含フッ素ポリマーまたは含
フッ素多元セグメント化ポリマーに、さらにフッ素化処
理を施すことにより、熱安定性を改善することも可能で
ある。
【0019】本発明で用いる結晶性含フッ素樹脂は、溶
融加工可能な樹脂である。したがって、ポリテトラフル
オロエチレン(PTFE)は含まれない。具体例として
は、たとえばPFA(PAVE含有量1〜10重量
%)、PVdF、クロロトリフルオロエチレン系重合体
(PCTFE)などがあげられる。これらのうち特に用
途面からより低薬液透過を要求されている結晶性PFA
に本発明の薬液透過抑制剤は好適に適用できる。
【0020】結晶性のPFAを結晶性含フッ素樹脂とし
て用いる場合、薬液透過抑制剤は非晶質のテトラフルオ
ロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)
共重合体、またはテトラフルオロエチレン(TFE)繰
返し単位80〜100モル%と前記式(I)で示される
繰返し単位0〜20モル%からなる結晶性含フッ素ポリ
マー鎖セグメント(B)とからなる含フッ素多元セグメ
ント化ポリマーを含むものも使用できる。この場合、結
晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント(B)がTFE繰返
し単位のみからなるポリマー鎖セグメントでもよく、ま
たTFE繰返し単位と式(I)で示される1種または2
種以上の繰返し単位とからなり、トータルで式(I)で
示される繰返し単位を20モル%以下含むポリマー鎖セ
グメントであることが好ましい。
【0021】またビニリデンフルオライド系重合体(P
VdF)の薬液透過を抑制する場合には、非晶質含フッ
素ポリマーとして、たとえばビニリデンフルオライド−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ビニリデンフルオ
ライド−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエ
チレン共重合体、ビニリデンフルオライド−クロロトリ
フルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド−
クロロトリフルオロエチレン−テトラフルオロエチレン
共重合体などの水素原子含有含フッ素エラストマーなど
があげられる。これら非晶質含フッ素ポリマーをセグメ
ントに有する含フッ素多元セグメント化ポリマーを含む
ものも用いることができる。
【0022】またクロロトリフルオロエチレン系重合体
(PCTFE)の場合には、非晶質含フッ素ポリマーと
してはたとえばビニリデンフルオライド−クロロトリフ
ルオロエチレン共重合体、ビニリデンフルオライド−ク
ロロトリフルオロエチレン−テトラフルオロエチレン共
重合体などがあげられる。またこれら非晶質含フッ素ポ
リマーをセグメントに有する含フッ素多元セグメント化
ポリマーを含むものも用いることができる。
【0023】本発明はまた、これらの薬液透過抑制剤を
溶融加工可能な結晶性含フッ素樹脂に配合してなる薬液
透過抑制性含フッ素樹脂組成物に関する。
【0024】薬液透過抑制剤は結晶性含フッ素樹脂10
0部(重量部、以下同様)に対して0.1〜50部配合
することができる。
【0025】溶融加工可能な結晶性含フッ素樹脂として
は、結晶性のPFA(PAVE含有量が15重量%以
下)、特に高融点を維持する点からTFE/PAVEが
重量比で90/10〜99/1、モル比では96.0/
4.0〜99.6/0.4であるPFAが好ましい。
【0026】本発明はさらに、前記薬液透過抑制性含フ
ッ素樹脂を溶融成形して得られる成形品、たとえばチュ
ーブ、容器などに関する。得られる成形品の後述する薬
液透過試験における硝酸透過量が1.5×10-6g・c
m/cm2以下、好ましくは1.2×10-6g・cm/
cm2以下であることが好ましい。
【0027】本発明の薬液透過抑制剤の最大の特徴は非
晶質含フッ素ポリマーまたは非晶質含フッ素ポリマー鎖
セグメントをもつ含フッ素多元セグメント化ポリマーを
用いる点にある。
【0028】本発明において「非晶質」とは、示差走査
型熱量計(DSC)で測定した場合融解ピーク温度(昇
温時、Tm)および結晶化ピーク温度(降温時、Tc)
の両方を有さず、ガラス転移温度(Tg)を有すること
をいう。換言すれば、実質的に結晶化した領域を有しな
いことをいう。一方、「結晶性」とはTmおよびTcを
有することをいう。
【0029】また、含フッ素多元セグメント化ポリマー
における「非晶質」セグメント(A)および「結晶性」
セグメント(B)は、それぞれのセグメントと同一の繰
返し単位をもつポリマーが前記の「非晶質」および「結
晶性」の定義を満たすものをいう。
【0030】本発明で用いる非晶質含フッ素ポリマーお
よび含フッ素多元セグメント化ポリマーの中の非晶質含
フッ素ポリマー鎖セグメント(A)はガラス転移温度
(Tg)を有する。Tgが室温(25℃)以下の非晶質
ポリマーをエラストマーといい、Tgが25℃を超える
ものを樹脂という。Tgが25℃以下のエラストマーを
使用するときは薬液透過抑制効果が大きいという点で好
ましく、用いる結晶性含フッ素樹脂との相溶性に応じて
選択することができる。しかし、本発明で用いる非晶質
含フッ素ポリマーまたは非晶質含フッ素ポリマー鎖セグ
メント(A)はTgが25℃以下のエラストマーでも2
5℃を超える樹脂でもよい。
【0031】本発明の薬液透過抑制剤には、セグメント
化されていない非晶質含フッ素ポリマーからなるもの
と、前記含フッ素多元セグメント化ポリマーからなるも
のがあるが、まずセグメント化されていない非晶質含フ
ッ素ポリマーからなるものについて説明する。
【0032】セグメント化されていない非晶質含フッ素
ポリマーとしてはTgが25℃以下の含フッ素エラスト
マーとTgが25℃を超える非晶質含フッ素ポリマー樹
脂がある。
【0033】含フッ素エラストマーとしては、たとえば
テトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニ
ルエーテル)共重合体などのパーフルオロエラストマ
ー;ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレ
ン共重合体、ビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロ
プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ビニリ
デンフルオライド−クロロトリフルオロエチレン共重合
体、ビニリデンフルオライド−クロロトリフルオロエチ
レン−テトラフルオロエチレン共重合体などの水素原子
含有含フッ素エラストマーなどがあげられる。
【0034】これらのうち、PFAの薬液透過抑制剤と
してはTFE−PAVE共重合体がPFAとの相溶性の
点から好ましい。TFE−PAVE共重合体に用いるパ
ーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)と
しては、パーフルオロ(メチルビニルエーテル)、パー
フルオロ(エチルビニルエーテル)、パーフルオロ(プ
ロピルビニルエーテル)あるいはこれらの混合物などが
あげられる、PAVEの含有量はTFE−PAVE共重
合体がTm、Tcを有さなくなる量である10〜50モ
ル%、好ましくは20〜50モル%である。なお、非晶
質と結晶性との境界が10〜20モル%の範囲内にある
が、非晶質であれば薬液透過抑制剤として使用できる。
【0035】含フッ素エラストマーはフッ素ゴムの製造
法として公知の重合法で製造できる(特公昭58−47
28号公報、特開昭62−12734号公報)。
【0036】たとえば実質的に無酸素下で、水媒体中
で、ヨウ素化合物、好ましくはジヨウ素化合物の存在下
に、前記含フッ素モノマーを加圧下で撹拌しながらラジ
カル開始剤の存在下乳化重合を行なう方法があげられ
る。
【0037】用いるジヨウ素化合物の代表例としては、
たとえば1,3−ジヨードパーフルオロプロパン、1,
4−ジヨードパーフルオロブタン、1,3−ジヨード−
2−クロロパーフルオロプロパン、1,5−ジヨード−
2,4−ジクロロパーフルオロペンタン、1,6−ジヨ
ードパーフルオロヘキサン、1,8−ジヨードパーフル
オロオクタン、1,12−ジヨードパーフルオロドデカ
ンおよび1,16−ジヨードパーフルオロヘキサデカ
ン、ジヨードメタン、1,2−ジヨードエタンである。
これらの化合物は単独で使用してもよく、相互に組み合
わせて使用することもできる。なかでも、1,4−ジヨ
ードパーフルオロブタンが好ましい。ジヨウ素化合物の
量は、含フッ素モノマー全重量に対して0.01〜1重
量%である。
【0038】また、本発明において含フッ素エラストマ
ーには、ヨウ素を含む単量体を共重合することも可能で
ある。ヨウ素を含む単量体としては、パーフルオロビニ
ルエーテル化合物がその共重合性から好適である。たと
えば、特公平5−63482号公報や特開昭62−12
734号公報に開示されているパーフルオロ(6,6ジ
ヒドロ−6−ヨード−3−オキサ−1−ヘキセン)や、
パーフルオロ(5−ヨード−3−オキサ−1−ペンテ
ン)などが好適である。
【0039】重合温度は、使用する開始剤の性質及びモ
ノマーによって約10〜100℃の範囲で変えることが
できる。しかし40℃未満では、過硫酸塩単独では重合
速度が小さい。また、亜硫酸塩等を添加したレドックス
系を使用しても、重合速度が小さく、その上、還元剤の
金属イオンがポリマー中に残り、半導体製造用の用途な
どでは好ましくない。
【0040】使用するラジカル重合開始剤は、従来から
フッ素系エラストマーの重合に使用されているものと同
じものであってよい。これらの開始剤には有機および無
機の過酸化物ならびにアゾ化合物がある。典型的な開始
剤として過硫酸塩類、過酸化カーボネート類、過酸化エ
ステル類などがあり、好ましい開始剤として過硫酸アン
モニウム(APS)があげられる。APSは単独で使用
してもよく、またサルファイト類、亜硫酸塩類のような
還元剤と組み合わせて使用することもできる。しかしク
リーン度を要求される場合は、金属イオン源となる還元
剤はできる限り使用しない方が好ましい。
【0041】乳化重合に使用される乳化剤としては、広
範囲なものが使用可能であるが、重合中に乳化剤分子へ
の連鎖移動反応が起こるのを抑制する観点から、フルオ
ロカーボン鎖または、フルオロポリエーテル鎖を有する
カルボン酸の塩類が望ましい。乳化剤の使用量は、添加
された水の約0.05〜2重量%が望ましく、特に0.
2〜1.5重量%が望ましい。
【0042】重合圧力は、広い範囲で変化させることが
できる。一般には、0.5〜5MPaGの範囲である。
重合圧力は、高い程重合速度は大きくなるため、生産性
の向上の観点から、0.7MPaG以上であることが望
ましい。
【0043】かくして得られる含フッ素エラストマーの
数平均分子量は5,000〜750,000、さらに2
0,000〜400,000、特に50,000〜40
0,000とするのが、結晶性含フッ素樹脂との混合が
良好である点から好ましい。
【0044】Tgが25℃を超える非晶質含フッ素ポリ
マー樹脂としては主鎖に環状構造を有する非晶質含フッ
素ポリマーがあげられ、たとえばテトラフルオロエチレ
ン−フルオロジオキソール共重合体(特公昭63−18
964号公報参照、たとえばテトラフルオロエチレン−
フルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール共
重合体など);少なくとも2個以上の重合性二重結合を
有する含フッ素モノマーを環化重合して得られる主鎖に
含フッ素脂肪属環構造を有する非晶質含フッ素ポリマー
(たとえばパーフルオロアリルビニルエーテル、パーフ
ルオロブテニルビニルエーテルなどのパーフルオロモノ
マーの環化重合物;またはこれらのパーフルオロモノマ
ーとテトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチ
レン、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)などの
ラジカル重合性モノマーとの共重合体)などがあげられ
る。これらのうち耐熱性、耐薬品性の点からテトラフル
オロエチレン−パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,
3−ジオキソール共重合体やパーフルオロアリルビニル
エーテル重合体などのパーフルオロ非晶質ポリマーが好
ましい。
【0045】つぎに含フッ素多元セグメント化ポリマー
について説明する。
【0046】本発明で薬液透過抑制剤として使用する含
フッ素多元セグメント化ポリマーは、非晶質含フッ素ポ
リマー鎖セグメント(A)と結晶性含フッ素ポリマー鎖
セグメント(B)とからなる。
【0047】非晶質含フッ素ポリマー鎖セグメント
(A)には、前記非晶質含フッ素ポリマーと同じく、エ
ラストマー性のものと樹脂性のものとがある。
【0048】エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメ
ント(A)はTgが25℃以下のセグメントであり、た
とえば前記含フッ素エラストマーとして列挙した共重合
体があげられ、また前述のヨウ素移動重合法で製造でき
る。ヨウ素移動重合法で製造した場合、このセグメント
の末端部分はヨウ素原子を含むパーハロ型となってお
り、結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント(B)をブロ
ック共重合する際の開始点として利用できる。
【0049】エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメ
ント(A)の数平均分子量としては、5,000〜75
0,000、さらに20,000〜400,000、特
に50,000〜400,000とするのが好ましい。
【0050】エラストマー性含フッ素ポリマー鎖セグメ
ント(A)として特に好ましいセグメントとしては、テ
トラフルオロエチレン(TFE)繰返し単位とパーフル
オロ(アルキルビニルエーテル)(PAVE)繰返し単
位とからなるエラストマー性TFE−PAVEセグメン
トである。この場合、PAVE繰返し単位の含有量はセ
グメントがTg25℃以下でTmとTcをもたない量、
すなわち10〜50モル%、好ましくは20〜50モル
%である。なお、非晶質と結晶性との境界が10〜20
モル%の範囲内にあるが、非晶質の範囲のものを用い
る。
【0051】本発明で用いる含フッ素多元セグメント化
ポリマーの結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント(B)
は、マトリックスである結晶性含フッ素樹脂に混合した
場合、非晶質セグメント(A)がパーティクルとしてマ
トリックス樹脂から脱落しないように、アンカーの働き
をする。したがって、結晶性セグメント(B)は結晶性
含フッ素樹脂と相溶性のよいものが選ばれる。具体的に
は、テトラフルオロエチレン(TFE)繰返し単位と式
(I): CF2=CF−Rf 1 (I) [式中、Rf 1はCF3またはORf 2(Rf 2は炭素数1〜
5のパーフルオロアルキル基)である]で示される繰返
し単位からなる1種または2種以上からなり、式(I)
の繰返し単位を20モル%以下、好ましくは0〜10モ
ル%、さらに好ましくは0〜4モル%含むものである。
20モル%を超えて式(I)の単位を含むときは非晶質
となり、アンカー効果が不充分となり好ましくない。な
お、非晶質と結晶性の境界が10〜20モル%の範囲内
にあるが、結晶性のものを用いる。なお、式(I)を2
種以上用いる場合の繰り返し単位量はトータルで考える
ものとする。
【0052】式(I)で示されるモノマーの具体例とし
ては、たとえばヘキサフルオロプロピレン(HFP)、
パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)(PAV
E)、があげられ、PAVEとしてはパーフルオロ(メ
チルビニルエーテル)(PMVE)、パーフルオロ(エ
チルビニルエーテル)(PEVE)、パーフルオロ(プ
ロピルビニルエーテル)(PPVE)あるいはこれらの
混合物などがあげられ、特にPFAとの相溶性が良好な
点からPPVEが好ましい。
【0053】結晶性セグメント(B)として特に好まし
いものとしては、TFE繰返し単位のみからなるPTF
Eセグメントまたは結晶性PFAセグメントである。
【0054】結晶性セグメント(B)の非晶質セグメン
ト(A)へのブロック共重合は、非晶質セグメント
(A)の乳化重合に引き続き、単量体を結晶性セグメン
ト(B)用に変えることにより行なうことができる。結
晶性セグメント(B)の数平均分子量は、1,000〜
1,200,000、好ましくは3,000〜400,
000、特に好ましくは10,000〜400,000
と広い幅で調整できる。
【0055】かくして得られる含フッ素多元セグメント
化ポリマーは、非晶質セグメント(A)の両側に結晶性
セグメント(B)が結合したポリマー分子(B−A−
B)、非晶質セグメント(A)の片側に結晶性セグメン
ト(B)が結合したポリマー分子(A−B)を主体とす
るものである。
【0056】本発明において含フッ素多元セグメント化
ポリマー中の非晶質セグメント(A)と結晶性セグメン
ト(B)との割合は、前記分子量の範囲内で選定すれば
よいが、たとえば重量比でA/Bが10/90〜99/
1、特に25/75〜95/5であるのが好ましい。ま
た、含フッ素多元セグメント化ポリマーの分子量は、結
晶性含フッ素樹脂との混合が良好となる分子量であれば
よい。
【0057】特に好ましいセグメント化ポリマーとして
は、たとえばつぎのセグメントの組み合わせがあげられ
る。
【0058】(1)非晶質セグメント(A)が、数平均
分子量50,000〜400,000のTFE−PMV
E(80/20〜50/50。モル比) 結晶性セグメント(B)が、数平均分子量10,000
〜400,000のTFE−PPVE(100/0〜8
0/20。モル比) セグメント化ポリマーの構成:B−A−B このセグメント化ポリマーはアンカー効果を有し、PF
Aの物性を低下させない点で優れている。
【0059】また、本発明の薬液透過抑制剤は、耐熱性
を向上させる目的でフッ素ガス処理を施すことが好まし
い。
【0060】フッ素ガス処理は、フッ素ガスを薬液透過
抑制剤に接触させることにより行なう。しかし、フッ素
との反応は非常に発熱性であるから、フッ素を窒素のよ
うな不活性ガスで希釈することが好適である。フッ素ガ
ス/不活性ガス混合物中のフッ素量は1〜100重量
%、好ましくは10〜25重量%である。処理温度は1
50〜250℃、好ましくは200〜250℃であり、
フッ素ガス処理時間は3〜16時間、好ましくは4〜1
2時間である。フッ素ガス処理のガス圧は1〜10気圧
の範囲であるが、好ましくは大気圧が使用される。反応
器を大気圧で用いる場合、フッ素ガス/不活性ガス混合
物を反応器中へ連続的に通過させればよい。その結果、
薬液透過抑制剤中の不安定な末端は−CF3末端に転化
され、熱的に安定となる。またヨウ素移動重合法で得ら
れた含フッ素エラストマーおよび含フッ素多元セグメン
ト化ポリマーに結合するヨウ素を検出限界以下まで除去
することができる。
【0061】本発明はまた、前記薬液透過抑制剤を溶融
加工可能な結晶性含フッ素樹脂に配合してなる結晶性含
フッ素樹脂組成物に関する。
【0062】溶融加工可能な結晶性含フッ素樹脂として
は前記のとおり、DSCで融解ピーク温度(Tm)およ
び結晶化ピーク温度(Tc)を有する含フッ素樹脂であ
る。具体的には結晶性のPFA系共重合体、PVdF系
重合体、PCTFE系重合体などがあげられる。特にP
FAに薬液透過抑制効果が顕著に生ずる、溶融加工可能
な結晶性PFAとしては、PAVE含有量が10重量%
(4モル%)以下1重量%(0.37モル%)以上のも
のが、耐熱性、耐薬品性の点から好ましい。10重量%
よりも多いと融点(Tm)が低くなっていき耐熱性に劣
り、一方、1重量%よりも少ないと溶融加工性のない、
いわゆる変性PTFEとなる。好ましい溶融加工可能な
結晶性PFAとしてはメルトフローレート(372℃±
1℃、荷重5kg)が0.5〜500g/10分、特に
0.5〜50g/10分のものである。また、PAVE
としては前記のごとくPMVE、PEVE、PPVE、
パーフルオロ(イソブチルビニルエーテル)などがあげ
られ、特にPPVEが機械的性質に優れる点から好まし
い。
【0063】薬液透過抑制剤の配合量は、結晶性含フッ
素樹脂100部に対して0.1〜50部配合することが
できる。本発明において薬液透過抑制剤の配合量が50
部を超えると得られる結晶性含フッ素樹脂組成物の硬度
や機械的性質が悪化していく。したがって、上限は50
部、特に20部、さらに10部とするのが好ましい。ま
た、下限は0.1部、好ましくは0.25部である。
【0064】なお、含フッ素多元セグメント化ポリマー
を用いる場合の結晶性セグメント(B)の影響は、結晶
性セグメント(B)の量が50部を超えると結晶性含フ
ッ素樹脂組成物の結晶性が高くなり、また得られる成形
品の引張強度や曲げ寿命が低下する傾向がある。
【0065】成形品の薬液透過の抑制を主目的とする本
発明の樹脂組成物には、基本的に半導体製造の分野の用
途では他の添加剤を配合しない方がよいが、半導体製造
以外の用途では補強や帯電性の低下などの目的でカーボ
ンブラック、酸化チタン、ガラス繊維などを配合しても
よい。
【0066】本発明の薬液透過抑制性含フッ素樹脂組成
物の調製は、薬液透過抑制剤と結晶性含フッ素樹脂とを
溶融混練してペレット化する方法、薬液透過抑制剤のペ
レットまたは粉末と結晶性含フッ素樹脂のペレットまた
は粉末をドライブレンドする方法、結晶性含フッ素樹脂
の水性分散液と薬液透過抑制剤の粉末または水性分散液
を混合後乾燥する湿式ブレンド法などの公知の方法のほ
か、薬液透過抑制剤の微粒子を結晶性含フッ素樹脂の重
合系に共存させておいて重合を開始して薬液透過抑制剤
を含む薬液透過抑制性含フッ素樹脂を得ることもでき
る。これらのうち均一な組成物が経済的に得られること
から、薬液透過抑制剤と結晶性含フッ素樹脂とを溶融混
練する方法、また湿式ブレンド法が好ましい。
【0067】本発明の薬液透過抑制剤は非晶質であるに
もかかわらず結晶性含フッ素樹脂への分散性に優れてい
る。特に含フッ素多元セグメント化ポリマーはその結晶
性セグメントがさらに親和性(相溶性)を向上させるの
で、より一層均一な組成物を与える。薬液透過抑制剤を
水性分散液の形で使用する場合は0.05〜1μmの平
均粒径の微粒子が好ましく、粉末の形で使用する場合は
数ミクロン〜数十ミクロンの平均粒径のものが好まし
い。
【0068】また、本発明の薬液透過抑制性含フッ素樹
脂組成物は、特に半導体製造の分野で用いられる場合、
前記のフッ素化処理を施して不安定な末端基を安定化さ
せ、溶出するフッ素イオン量を低減させることが好まし
い。
【0069】本発明の薬液透過抑制性含フッ素樹脂組成
物は溶融加工が可能であり、溶融押出成形、射出成形、
加熱圧縮成形、トランスファー成形、ブロー成形などの
各種溶融成形法が適用できる。
【0070】かくして本発明は前記薬液透過抑制性含フ
ッ素樹脂組成物を溶融成形して得られる成形品に関す
る。本発明の成形品は後述する薬液透過試験において硝
酸透過量が1.5×10-6g・cm/cm2以下、好ま
しくは1.2×10-6g・cm/cm2以下のものであ
る。
【0071】また、薬液透過抑制剤として含フッ素多元
セグメント化ポリマーを用いる場合、結晶性セグメント
がアンカー作用を果たすので、薬液透過抑制剤の脱落が
少なく、汚染の原因となるパーティクルの発生を抑制で
きる。
【0072】本発明の成形品は成形法などにより各種の
形状をとることができる。たとえばチューブ状、フィル
ム状、シート状、板状のほか容器や各種目的に応じた部
品の形状に成形することができる。
【0073】このような本発明の成形品は、含フッ素樹
脂の耐熱性、耐薬品性に加え、薬液透過を抑制すること
ができるので、特に汚染を嫌う半導体装置の製造用の各
種部品、配管、容器として好適に使用できる。
【0074】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づいて説明する
が、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではな
い。
【0075】なお、実施例および比較例において各種の
物性を測定しているが、それらの測定法は以下のとおり
である。
【0076】(PAVE含量)19F−NMR法によりP
AVE含量を算出する。
【0077】(融解ピーク温度Tmおよび結晶化ピーク
温度Tc)示差走査熱量計(DSC。セイコー電子
(株)製のRDC220)により、試料を3mg用いて
測定する。まず200℃から350℃まで10℃/分で
昇温し、350℃に1分間保持したのち200℃まで1
0℃/分で降温し、このとき得られる結晶化曲線から結
晶化ピーク温度(Tc)を求める。さらに200℃まで
降温したのち200℃で1分間保持し、再度10℃/分
で350℃まで昇温し、このとき得られる融解曲線から
融解ピーク温度(Tm)を求める。
【0078】(ガラス転移温度Tg)前記示差走査型熱
量計を用い、試料10mgを−70℃から110℃まで
20℃/分で昇温し、つぎに−70℃まで20℃/分で
降温する。再度、20℃/分で110℃まで昇温し、こ
のとき得られる曲線からガラス転移温度を求める。
【0079】(薬液透過試験)このサンプルシート1を
図1に示す2個のガラス容器2aおよび2b(いずれも
容量200ml)の中央にフッ素ゴム製のO−リング3
を用いて挟み込む。シートの片側の容器2aに60重量
%濃度の硝酸を、他方の容器2bに純水をそれぞれ20
0mlずつ入れて、25℃の恒温槽内に置く(サンプル
シート1の接液面は70mmφとする)。この状態で放
置し、40日後に純水側の容器2bのサンプリング口4
から1mlほどサンプリングを行ない、その純水中に含
まれる硝酸イオン濃度(Yppm)をイオンクロマトグ
ラフ(横河電機(株)社製、IC7000−E)を用い
て定量する。硝酸透過量(Xg・cm/cm2)は、次
の式を用いて算出する。 X=Y×200×0.02×10-6/(3.5×3.5
×3.14)
【0080】(ムーニー粘度:ML1+10)(株)上島製
作所製のムーニー粘度計を用い、JIS K 6300
に従って測定する。
【0081】(熱重量分析)示差走査型熱量計(セイコ
ー電子(株)製のRDC220)により、試料10mg
を用い、空気を200ml流しながら20℃から600
℃まで10℃/分で昇温したときの重量減を測定する。
【0082】合成例1(非晶質含フッ素ポリマーの合
成) 内容積174リットルのグラスライニング製オートクレ
ーブに、純水80リットルおよび乳化剤としてC37
CF(CF3)CF2OCF(CF3)COONH4800
g、pH調整剤としてリン酸水素二ナトリウム・12水
塩7.2gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換した
のち、120rpmで攪拌しながら50℃に昇温し、テ
トラフルオロエチレン(TFE)とパーフルオロ(メチ
ルビニルエーテル)(PMVE)の混合ガス(TFE/
PMVE=32/68モル比)を内圧が0.784MP
aGになるように仕込んだ。ついで過硫酸アンモニウム
(APS)の49.6mg/mlの濃度の水溶液300
mlを窒素圧で圧入して反応を開始した。
【0083】重合の進行により内圧が0.686MPa
Gまで降下した時点で、ジヨウ素化合物I(CF24
を72.64gとC715COONH4の10重量%水溶
液240.6gの混合物を窒素圧にて圧入した。ついで
圧力が0.784MPaGになるように、TFEを自圧
にて378g、PMVE384g(TFE/PMVE=
62/38モル比)をプランジャーポンプにて圧入し
た。以後、反応の進行にともない同様にTFE、PMV
Eを圧入し、0.686〜0.784MPaGのあいだ
で昇圧降圧を繰り返した。
【0084】重合反応の開始から10時間後、TFEお
よびPMVEの合計仕込み量が、15232gになった
時点でオートクレーブを冷却し、未反応モノマーを放出
して固形分濃度17.0重量%の水性分散体を得た。
【0085】この水性分散体の一部を取り、凍結させ凝
析を行ない、解凍後、凝析物を水洗、真空乾燥してエラ
ストマー性の重合体を得た。この重合体のムーニー粘度
ML 1+10(100℃)は56であった。
【0086】19F−NMR分析の結果、この重合体のモ
ノマー単位組成はTFE/PMVE=62/38モル%
であり、DSC分析により測定したTgは2℃であっ
た。
【0087】合成例2(含フッ素多元セグメント化ポリ
マーの合成) 内容積4リットルのグラスライニング製オートクレーブ
に、合成例1で得られた水性分散体885g、純水55
1g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(PP
VE)46.7gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置
換したのち、系内の温度を80℃に保った。400rp
mで撹拌を行ないながらテトラフルオロエチレン(TF
E)を内圧が0.784MPaGとなるよう圧入した。
【0088】ついで過硫酸アンモニウム(APS)1
3.2mgを水5mlにとかした溶液を窒素を用いて圧
入して反応を開始した。
【0089】重合反応の進行にともなって圧力が低下す
るので、0.686MPaGまで低下した時点でTFE
で0.784MPaGまで再加圧し、0.686〜0.
784MPaGの間で降圧昇圧を繰り返した。
【0090】重合開始よりTFEが154g消費された
時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応モ
ノマーを放出し、半透明の水性分散体1780gを得
た。
【0091】得られた水性分散体中の固形分濃度は1
8.8重量%であった。
【0092】ポリマーの得量の増加により計算された重
合体全体に対する結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント
(B)の比率、すなわち、{(後重合で得られたポリマ
ー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合で得ら
れたポリマー得量)×100は55重量%であった。
【0093】得られた水性分散体を凍結凝析し、析出し
たポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体を得た。
【0094】得られた含フッ素多元セグメント化ポリマ
ー中の結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント(B)の組
成は19F−NMR分析により、TFE/PPVE=9
9.0/1.0モル%であった。また、DSC分析によ
り、含フッ素多元セグメント化ポリマーのTmおよびT
cはそれぞれ311.4℃および298.2℃であっ
た。
【0095】合成例3(含フッ素多元セグメント化ポリ
マーの合成) 内容積6リットルのグラスライニング製オートクレーブ
に、合成例1で得られた水性分散体2000g、純水9
90gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したの
ち、系内の温度を80℃に保った。600rpmで撹拌
を行ないながらテトラフルオロエチレン(TFE)とパ
ーフルオロ(メチルビニルエーテル)(PMVE)の混
合ガス(86/14モル比)を内圧が0.196MPa
Gとなるよう圧入した。
【0096】ついで過硫酸アンモニウム(APS)1
0.0mgを水5mlにとかした溶液を窒素を用いて圧
入して反応を開始した。
【0097】重合反応の進行にともなって圧力が低下す
るので、0.147MPaGまで低下した時点でTFE
/PMVE混合ガス(96.7/3.3モル比)で0.
196MPaGまで再加圧し、0.147〜0.196
MPaGの間で降圧昇圧を繰り返した。
【0098】重合開始よりTFE/PMVE混合ガスが
240g消費された時点で供給を止め、オートクレーブ
を冷却し、未反応モノマーを放出し、半透明の水性分散
体3598gを得た。
【0099】得られた水性分散体中の固形分濃度は1
6.3重量%であった。
【0100】ポリマーの得量の増加により計算された重
合体全体に対する結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント
(B)の比率、すなわち、{(後重合で得られたポリマ
ー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合で得ら
れたポリマー得量)×100は42.2重量%であっ
た。
【0101】得られた水性分散体を凍結凝析し、析出し
たポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体を得た。
【0102】得られた含フッ素多元セグメント化ポリマ
ー中の結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント(B)の組
成は19F−NMR分析により、TFE/PMVE=9
6.7/3.3モル%と計算された。また、DSC分析
により、含フッ素多元セグメント化ポリマーのTmおよ
びTcはそれぞれ286.7℃および264.3℃であ
った。
【0103】合成例4(含フッ素多元セグメント化ポリ
マーの合成) 内容積3リットルのステンレス製オートクレーブに、合
成例1で得られたディスパージョン665.5gと純水
414gを仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換したの
ち、系内の温度を80℃に保った。400rpmで撹拌
を行ないながらテトラフルオロエチレン(TFE)を内
圧が0.588MPaGとなるよう圧入した。
【0104】ついで過硫酸アンモニウム(APS)10
mgを水2mlにとかした溶液を窒素を用いて圧入して
反応を開始した。
【0105】重合反応の進行にともなって圧力が低下す
るので、0.490MPaGまで低下した時点でTFE
で5.88MPaGまで再加圧し、0.490〜0.5
88MPaGの間で降圧昇圧を繰り返した。
【0106】重合開始よりTFEが約110g消費され
た時点で供給を止め、オートクレーブを冷却し、未反応
モノマーを放出し、半透明の水性分散体1327gを得
た。
【0107】得られた水性分散体中の固形分濃度は1
7.1重量%であった。
【0108】ポリマーの得量の増加により計算された重
合体全体に対する結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメント
(B)の比率、すなわち、{(後重合で得られたポリマ
ー得量)−(仕込んだポリマー量)}÷(後重合で得ら
れたポリマー得量)×100は50.2重量%であっ
た。
【0109】得られた水性分散体を凍結凝析し、析出し
たポリマーを洗浄、乾燥し、白色固体を得た。
【0110】DSC分析により、含フッ素多元セグメン
ト化ポリマーのTmおよびTcはそれぞれ326.2℃
および300.0℃であった。
【0111】実施例1 合成例1で製造した含フッ素エラストマーからなる薬液
透過抑制剤1部を溶融加工可能な結晶性PFA(PPV
E含有量5.0重量%、MFR1.85g/10分)1
00部に溶融混練して組成物を調製した。溶融混練は、
東洋精機(株)製のローラーミキサーR−60H型(ミ
キサー容量約60ml)に各成分を投入し、350℃に
て回転数15rpmで10分間溶融混練して行なった。
【0112】得られた溶融混練物について前記の方法で
Tm、Tc、350℃での溶融圧縮成形により0.2m
mのシートを作製し、前記の方法で薬液透過試験を行な
った。結果を表1に示す。
【0113】比較例1 薬液透過抑制剤を配合しないほかは実施例1と同様にし
てTm、Tc、薬液透過量を調べた。結果を表1に示
す。
【0114】実施例2 合成例2で得た含フッ素多元セグメント化ポリマーを薬
液透過抑制剤として配合したほかは実施例1と同様にし
てTm、Tc、薬液透過量を調べた。結果を表1に示
す。
【0115】実施例3 合成例3で得た含フッ素多元セグメント化ポリマーを薬
液透過抑制剤として配合したほかは実施例1と同様にし
てTm、Tc、薬液透過量を調べた。結果を表1に示
す。
【0116】実施例4 合成例4で得た含フッ素多元セグメント化ポリマーを薬
液透過抑制剤として配合したほかは実施例1と同様にし
てTm、Tc、薬液透過量を調べた。結果を表1に示
す。
【0117】
【表1】
【0118】実施例5 50リットルの容器にイオン交換水20リットル、溶融
加工可能な結晶性PFA(PPVE含量5.0重量%、
MFR1.85g/10分)10kgおよび合成例1で
製造した含フッ素エラストマーの水性分散液(ポリマー
含有量250g)を入れ、撹拌下に硝酸を加えて凝集
し、洗浄後、150℃で12時間乾燥した。得られた乾
燥粉末に前記結晶性PFAを加えて、PFA100部に
対し含フッ素エラストマー1部となるように調整し、ヘ
ンシェルミキサーを用いて混合した。
【0119】この組成物をスクリュー押出機(池貝
(株)製のPCM46)により360℃にて溶融押出し
して樹脂組成物のペレットを得た。
【0120】この樹脂組成物のペレットを用いつぎの条
件で外径10.0mm、肉厚1.0mmのチューブを押
出成形した。 押出成形機:田辺プラスチックス機械(株)製 シリンダー内径:30mm ダイ内径:20mm マンドレル外径:13mm スクリュー回転数:10rpm サイジングダイ内径:10.0mm 引取り速度:0.4〜0.5m/分
【0121】得られたチューブについて、図2に示すつ
ぎの方法で薬液透過量を調べた。
【0122】30cmに切断したチューブ5の片末端を
熱により溶封し、チューブ5内に25mlの35%塩酸
を入れ、もう一方のチューブ末端も溶封する。塩酸の入
ったチューブ5をガラス管6に挿入し、フッ素ゴム製の
パッキン7を用いて固定する。ついで、サンプリング口
8から純水を140ml仕込み、25℃の恒温槽内に置
く。このとき、パッキン7間のチューブが純水に接液し
ており、接液部分の長さは18.5cmであった。この
状態で放置し、40日後にサンプリング口8から1ml
ほどサンプリングを行ない、その純水中に含まれる塩酸
イオン濃度をイオンクロマトグラフを用いて定量し、塩
酸透過量を算出した。
【0123】その結果、塩酸透過量は、1.40×10
-6g・cm/cm2であった。
【0124】比較例2 薬液透過抑制剤を配合しないほかは実施例5と同様に成
形したチューブについて薬液透過量を調べた。
【0125】その結果、塩酸透過量は2.28×10-6
g・cm/cm2であった。
【0126】実施例6 専用トレイに合成例1で得た含フッ素エラストマーを箱
型反応オーブンに入れて密閉し、窒素ガスで充分に置換
したのちフッ素ガスと窒素ガスの混合ガス(フッ素ガス
濃度20重量%)を0.6リットル/分の流速で5時間
通した。オーブン内は大気圧とし、230℃に保った。
【0127】反応終了後、加熱を中止するとともに窒素
ガスに切替え、約2時間にわたってフッ素ガスを充分に
除いた。
【0128】得られたフッ素ガス処理物について示差熱
分析による熱重量減少を測定したところ、フッ素ガス処
理前では重量が1%減少する温度が334℃であったの
に対し、フッ素ガス処理後は431℃と熱的に安定とな
った。
【0129】また、元素分析によるフッ素ガス処理後の
ヨウ素含量は、検出限界(10ppm)以下であった。
【0130】実施例7 実施例1で得た樹脂組成物を用いた以外は実施例6と同
様の手順でフッ素ガス処理を行ない、熱重量分析を行な
った。
【0131】フッ素ガス処理前では重量が1%減少する
温度が467℃であったのに対し、処理後では475℃
と熱的に安定となった。
【0132】また元素分析によるフッ素ガス処理後のヨ
ウ素含量は、検出限界(10ppm)以下であった。
【0133】
【発明の効果】以上の結果から明らかなように本発明に
おける薬液透過抑制性含フッ素樹脂の成形品の薬液透過
量は、薬液透過抑制剤を添加していない結晶性樹脂に比
べて約40%以上抑制することができるので、半導体製
造プロセスの用途に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の成形品の薬液透過性を調べるために使
用した試験装置の概略側面図である。
【図2】本発明のチューブ状成形品の薬液透過性を調べ
るために使用した試験装置の概略斜視図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08J 5/18 C08J 5/18 (72)発明者 青山 高久 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 大谷 克秀 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 (72)発明者 清水 哲男 大阪府摂津市西一津屋1番1号 ダイキン 工業株式会社淀川製作所内 Fターム(参考) 4F071 AA06 AA07 AA26 AA27 AA30 AA81 AA86 AA88 AF09 AF09Y AG01 AH05 AH12 BA01 BB03 BB05 BB06 BB09 BC04 BC05 4H006 AA03 AB48 EA03 GP01 4J026 HA09 HA19 HB09 HB19 HD09 HE01 HE02 4J100 AC26P AC27Q AE39Q CA04 CA31 DA00 HA21 HB03 HE01 JA43

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非晶質含フッ素ポリマーからなる溶融加
    工可能な結晶性含フッ素樹脂用の薬液透過抑制剤。
  2. 【請求項2】 前記非晶質含フッ素ポリマーのガラス転
    移温度が25℃以下である請求項1に記載の薬液透過抑
    制剤。
  3. 【請求項3】 前記非晶質含フッ素ポリマーが、非晶質
    のテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビ
    ニルエーテル)共重合体である請求項2に記載の薬液透
    過抑制剤。
  4. 【請求項4】 非晶質含フッ素ポリマー鎖セグメント
    (A)およびテトラフルオロエチレン繰返し単位80〜
    100モル%と式(I): CF2=CF−Rf1 (I) [式中、Rf1はCF3またはORf2(Rf2は炭素数1
    〜5のパーフルオロアルキル基)である]で示される繰
    返し単位0〜20モル%からなる結晶性含フツ素ポリマ
    ー鎖セグメント(B)とからなる含フッ素多元セグメン
    ト化ポリマーを含む結晶性含フツ素樹脂用の薬液透過抑
    制剤。
  5. 【請求項5】 前記結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメン
    ト(B)がテトラフルオロエチレン繰返し単位のみから
    なる請求項4に記載の薬液透過抑制剤。
  6. 【請求項6】 前記結晶性含フッ素ポリマー鎖セグメン
    ト(B)が、テトラフルオロエチレン繰返し単位とパー
    フルオロ(アルキルビニルエーテル)繰返し単位とから
    なり、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)繰返し
    単位を4モル%以下含む結晶性のセグメントである請求
    項4に記載の薬液透過抑制剤。
  7. 【請求項7】 フッ素化処理されてなる請求項1〜6の
    いずれかに記載の薬液透過抑制剤。
  8. 【請求項8】 溶融加工可能な結晶性含フッ素樹脂と請
    求項1〜7のいずれかに記載の薬液透過抑制剤とからな
    る薬液透過抑制性含フッ素樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 結晶性含フッ素樹脂100重量部に対し
    薬液透過抑制剤を0.1〜50重量部含んでなる請求項
    8に記載の薬液透過抑制性含フッ素樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 前記結晶性含フッ素樹脂が、結晶性テ
    トラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニル
    エーテル)共重合体である請求項8または9に記載の結
    晶性含フッ素樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 前記結晶性のテトラフルオロエチレン
    −パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体
    が、テトラフルオロエチレン繰返し単位90〜99重量
    %とパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)繰返し単
    位10〜1重量%からなる結晶性共重合体である請求項
    10に記載の結晶性含フッ素樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 前記結晶性含フッ素樹脂が結晶性のテ
    トラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニル
    エーテル)共重合体であり、前記薬液透過抑制剤が非晶
    質のテトラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキル
    ビニルエーテル)共重合体である請求項8〜11のいず
    れかに記載の薬液透過抑制性含フッ素樹脂組成物。
  13. 【請求項13】前記結晶性含フッ素樹脂が結晶性のテト
    ラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニルエ
    ーテル)共重合体であり、前記薬液透過抑制剤が非晶質
    含フッ素ポリマー鎖セグメント(A)およびテトラフル
    オロエチレン繰返し単位80〜100モル%と式(I) CF2=CF−Rf1 (I) [式中、Rf1はCF3またはORf2(Rf2は炭素数1
    〜5のパーフルオロアルキル基)である]で示される繰
    返し単位0〜20モル%からなる結晶性含フッ素ポリマ
    ー鎖セグメント(B)からなる含フッ素多元セグメント
    化ポリマーである請求項8〜11のいずれかに記載の薬
    液透過抑制性含フッ素樹脂組成物。
  14. 【請求項14】 前記結晶性含フッ素樹脂が結晶性のテ
    トラフルオロエチレン−パーフルオロ(アルキルビニル
    エーテル)共重合体であり、前記薬液透過抑制剤が非晶
    質含フッ素ポリマー鎖セグメント(A)およびテトラフ
    ルオロエチレン繰返し単位のみからなる結晶性含フッ素
    ポリマー鎖セグメント(B)からなる含フッ素多元セグ
    メント化ポリマーである請求項8〜11のいずれかに記
    載の薬液透過抑制性含フッ素樹脂組成物。
  15. 【請求項15】 請求項8〜14のいずれかに記載の薬
    液透過抑制性含フッ素樹脂組成物を溶融成形して得られ
    る成形品。
  16. 【請求項16】 薬液透過試験における硝酸透過量が
    1.5×10-6g・cm/cm2以下である請求項15
    記載の成形品。
  17. 【請求項17】 請求項8〜14のいずれかに記載の薬
    液透過抑制性含フッ素樹脂組成物を溶融成形して得られ
    るチューブ。
  18. 【請求項18】 請求項8〜14のいずれかに記載の薬
    液透過抑制性含フッ素樹脂組成物を溶融成形して得られ
    るライニングシート。
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