JP2001151560A - アルミナ−炭素質不焼成れんが及びこれを内張りしてなる溶融金属容器 - Google Patents

アルミナ−炭素質不焼成れんが及びこれを内張りしてなる溶融金属容器

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JP2001151560A
JP2001151560A JP33615299A JP33615299A JP2001151560A JP 2001151560 A JP2001151560 A JP 2001151560A JP 33615299 A JP33615299 A JP 33615299A JP 33615299 A JP33615299 A JP 33615299A JP 2001151560 A JP2001151560 A JP 2001151560A
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Yoshitoshi Saito
吉俊 齋藤
Koji Kono
幸次 河野
Hajime Kasahara
始 笠原
Kimihiko Takeuchi
公彦 竹内
Masahito Tanaka
雅人 田中
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Nippon Steel Corp
Krosaki Harima Corp
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Krosaki Harima Corp
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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルミナ質粒子を使用したアルミナ−炭素質
不焼成れんがにおいて、その耐食性の効果を活かし、耐
スポール性かつ耐摩耗性の向上を図る。 【解決手段】 Al金属及び/又はAl系合金5〜80
質量%を含むピッチで被覆したマグネシア10〜80質
量%、黒鉛1〜20質量%およびマグネシア10〜60
質量%を含む耐火骨材100質量部%に対し、Al金
属、Al系合金、Si金属から選ばれる1種又は2種以
上を0.5〜5質量%添加し、混練、加圧成形後、加熱
乾燥したアルミナ−炭素質不焼成れんがとこれを内張り
してなる溶融金属容器である。ピッチで被覆したアルミ
ナ質粒子は、使用時の加熱によりピッチの一部が空隙と
なり、さらに空隙の内壁に結晶度の低い黒鉛が存在す
る。この空隙と内壁の黒鉛は、熱衝撃により発生した亀
裂伝播を防止し、更にAl金属及び/又はAl系合金が
高温下においてピッチ成分の黒鉛と反応し、アルミニウ
ムカーバイトの生成で被覆ピッチの組織強度が増し、れ
んがの耐酸化・摩耗性を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐食性、耐スポー
リング性および耐酸化・摩耗性に優れたアルミナ−炭素
質不焼成れんがおよびそれを内張りしてなる溶融金属容
器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】アルミナ質粒子と炭素から構成されるア
ルミナ−炭素質不焼成れんがは、取鍋、混銑車、溶銑鍋
等の内張りとして使用され、良好な成績をおさめてい
る。このれんが材質はアルミナがもつ耐食性と炭素によ
る耐スポーリング性等の効果をあわせて、優れた耐用性
を発揮している。
【0003】しかし、近年の溶銑処理における溶銑温度
の高温化・長時間処理等の炉操業の過酷化、あるいはス
ラグ成分調整剤の添加等により、アルミナ−炭素質不焼
成れんがといえども十分な耐用性が得られない。そのた
め、より耐用性に優れたアルミナ−炭素質不焼成れんが
が強く求められている。
【0004】上述の容器あるいは炉で使用する場合、ア
ルミナ−炭素質不焼成れんがは酸化鉄を含むスラグある
いは空気に接する。この時に炭素が酸化されるのでこの
れんがの耐食性を向上させるためにはアルミナ質粒子の
割合を多くすれば良い。しかし、それに伴って耐熱スポ
ーリング性が低下する。
【0005】従来、耐熱スポーリング性の低下を防止す
る目的でピッチ粉を添加することが知られている。これ
らのれんがは、ピッチ粉がマトリックスに均一に分散し
ていることにより、れんがマトリックス全体が多孔質化
し、亀裂伝播を防ぎ耐熱スポーリング性に役立ってい
た。しかし多孔質化したマトリックスには、溶融スラ
グ、溶融金属、ガスが容易に侵入することが原因で、れ
んがの耐食性が低下する。
【0006】その対策として、例えば、特開平2−16
7855号公報で、MgO−C質不焼成れんがの粗粒骨
材であるマグネシアの表面をフェノール樹脂で被覆して
使用する方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法で
も、耐食性を向上させるために炭素の量を減らすと十分
な耐熱スポーリング性が得られなかった。粗粒骨材の表
面をフェノール樹脂で被覆する方法では前記欠点に加え
て、残存炭素がアモルファスなため耐食性に劣ると同時
に、応力が加わった時に発生する亀裂の伝播が速く耐摩
耗性に弱い。その結果、溶銑攪拌、あるいは溶銑粒の激
しい部位及び熱変化の大きい部位での使用では十分な耐
用性が得られない。本発明の目的は、耐食性の低下を抑
制しつつ耐熱スポーリング性および耐酸化・摩耗性が向
上するアルミナ−炭素質不焼成れんが及び溶融金属容器
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴とするとこ
ろは、(1)ピッチからなる被覆材で被覆したアルミナ
質粒子と残部がアルミナ質粒子とカーボンを主材とした
配合物からなる耐火骨材及び結合材からなるアルミナ−
炭素質不焼成れんが、(2)前記ピッチからなる被覆材
で被覆したアルミナ質粒子は、Al金属及び/又はAl
系合金を前記被覆材100質量部に対し内掛けで5〜8
0質量%とすることを特徴とする(1)記載のアルミナ
−炭素質不焼成れんが、(3)前記ピッチからなる被覆
材で被覆したアルミナ質粒子を耐火骨材100質量部に
対し内掛けで10〜80質量%とすることを特徴とする
前記(1)又は(2)記載のアルミナ−炭素質不焼成れ
んが、(4)前記残部において、耐火骨材100質量部
に対し内掛けでカーボン1〜20質量%およびアルミナ
質粒子10〜60質量%を含む前記(1)〜(3)のい
ずれか1項に記載のアルミナ−炭素質不焼成れんが、
(5)前記耐火骨材100質量部に対し、更にAl金
属、Al系合金及びSi金属から選ばれる1種又は2種
以上を、内掛けで合計で0.5〜5質量部含有する
(1)〜(4)のいずれか1項に記載のアルミナ−炭素
質不焼成れんが、(6)前記残部において、マグネシ
ア、酸化カルシウム、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、ガラ
ス粉、チタン、チタン化合物、ホウ化物、窒化物、アル
ミニウム繊維及びカーボン繊維の1種又は2種以上を耐
火骨材100質量部に対し、内掛けで合計で20質量%
以下含有する前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載
のアルミナ−炭素質不焼成れんが、(7)前記ピッチは
溶剤で希釈されたピッチである前記(1)〜(6)のい
ずれか1項に記載のアルミナ−炭素質不焼成れんが、
(8)前記ピッチからなる被覆材で被覆したアルミナ質
粒子の粒径が0.5mm以上である前記(1)〜(7)
のいずれか1項に記載のアルミナ−炭素質不焼成れん
が、および(9)(1)〜(8)のいずれか1項に記載
のアルミナ−炭素質不焼成れんがを全部または一部に内
張りしてなることを特徴とする溶融金属容器である。
【0009】ここで耐火骨材とは、必要に応じAl金属
及び/又はAl系合金を含むピッチからなる被覆材で被
覆されたアルミナ質粒子と、アルミナ質粒子及びカーボ
ンを主体とした配合物と定義する。
【0010】本発明によるアルミナ−炭素質不焼成れん
がは、耐スポール性及び耐摩耗性に優れる。その理由は
明確なものではないが、以下のとおりと考えられる。
【0011】本発明では、ピッチをアルミナ質粒子の周
囲にのみ存在させることにより、従来技術に認められる
ような、マトリックス全体が均一に多孔質化することを
防止している。本発明で使用されるピッチをもって被覆
したアルミナ質粒子は、使用時の加熱によりピッチの部
分の一部が空隙となる。さらにこの空隙の内壁には結晶
度の低い黒鉛が存在する。この空隙と内壁の黒鉛は熱衝
撃により発生した亀裂伝播を防止する。この阻止作用に
より、れんがが剥落するほどの大きな亀裂には容易に発
達しない。更に、アルミナ質粒子同士の接触を抑制する
効果がある。しかし、内部組織に微細な空隙が生じ、耐
スポーリング性が向上する反面、これが、優れた耐酸化
・摩耗性を得るうえでは、逆に作用する場合がある。本
発明では、さらに、必要に応じ、Al金属及び/又はA
l系合金を添加したピッチをもって被覆することで、こ
れらの金属は、高温下においてピッチ成分の黒鉛と反応
し、アルミニウムカーバイト(Al43)が生成する。
そして、このアルミニウムカーバイトが被覆ピッチの組
織強度を向上させることで、優れた耐酸化・摩耗性を安
定して得ることができる。
【0012】炭素含有耐火物においてAl金属を添加
し、黒鉛(カーボン)等の炭素原料とAl金属との反応
によるアルミニウムカーバイトの生成によって耐火物組
織の緻密化を図ることは既知の技術である(たとえば、
耐火物38,p.232-241,1986)。この耐
火物組織の緻密化は耐食性等に効果をもつ反面、耐スポ
ーリング性にはむしろ逆効果である。
【0013】これに対し、本発明で生成するアルミニウ
ムカーバイトはアルミナ質粒子に被覆したピッチの組織
強度を向上させるが、ピッチが黒鉛等の炭素原料に比べ
て揮発成分が多いことから、アルミニウムカーバイトに
よる組織の緻密化によっても、ピッチ部分の内部におけ
る微細な空隙の形成を損なうものではない。その結果、
この微細な空隙が熱衝撃緩和の作用を持ち、耐スポーリ
ング性にも優れた効果を発揮する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明で使用するアルミナ質粒子
は、焼結アルミナ、電融アルミナ、アルミナ−マグネシ
ア系の焼結ならびに電融スピネル、焼結ならびに電融ム
ライト、ボーキサイト、およびバン土頁岩からなる群よ
り選ばれる一種、または併用でもよい。アルミナ質粒子
の化学成分は特に限定するものではないが、本発明の効
果を十分に発揮するには、Al23:70質量%以上含
むものを使用するのが好ましい。
【0015】アルミナ質粒子に被覆するピッチは、特に
限定するものではないが、固定炭素10〜70質量%の
ものが好ましい。カーボンは耐スポーリング性およびス
ラグ浸透防止の効果をもつ。その具体例は、りん状黒
鉛、土状黒鉛、人造黒鉛、カーボンブラック、ピッチコ
ークス、メソフェーズカーボン、無煙炭、膨張黒鉛等で
ある。
【0016】本発明では、必要に応じ、このピッチにA
l金属及び/又はAl系合金を被覆材100質量部に対
し内掛けで5〜80質量%添加する。Al系合金の具体
例としては、Al−Mg、Al−Si、Al−Mg−S
i等である。
【0017】ピッチに占めるAl金属及び/又はAl系
合金の割合は、被覆材100質量部に対し内掛けで5〜
80質量%が好ましい。5質量%未満では、被覆組織の
強度が低く耐摩耗性に劣る。80質量%を超えると空隙
が少なくなり、耐スポール性に劣る。また、これら金属
の粒径は例えば500μm以下、更に300μm以下で
あることが好ましい。
【0018】なお、後述するように本発明ではピッチを
溶剤で希釈して使用することが好ましいが、その場合の
前記金属の割合は、ピッチとその溶剤の合計量に対する
ものとする。
【0019】被覆したアルミナ質粒子の割合は、耐火骨
材に占める割合で、10〜80質量%が好ましく、10
質量%未満では耐スポーリング性が低下し、80質量%
を超えると耐酸化性及び耐食性に劣る。また、このピッ
チ被覆のアルミナ質粒子の更に好ましい割合は、20〜
70質量%である。
【0020】耐火骨材に占めるカーボンの割合は、内掛
けで1〜20質量%が好ましく、1質量%未満では炭素
が持つ耐スポーリング性およびスラグ浸透防止の効果が
不十分となり、20質量%を超えると強度や耐酸化・摩
耗性が低下する。粒度は特に限定するものではないが、
0.5mm以下が好ましい。
【0021】ピッチを被覆しないアルミナ質粒子は、主
として1mm以下の微粒として使用することが好まし
い。耐火骨材に占める割合は、10〜60質量%が好ま
しく、10質量%未満では耐食性に劣り、60質量%を
超えると耐スポール性に劣る。
【0022】以上の耐火骨材に対し従来材質と同様、必
要に応じて炭素に対する酸化防止とれんが組織の強度の
向上を目的とし、Al金属、Al系合金及びSi金属か
ら選ばれる1種又は2種以上を添加する。その割合は耐
火骨材100質量部に対し、合計で0.5〜5質量部が
好ましく、0.5質量部未満では酸化防止および組織強
度付与の効果がなく、5質量部を超えると耐スポーリン
グ性が低下する。
【0023】ここでの金属も、カーボンとの反応性や酸
化防止、強度発現の効果及び耐熱スポーリング性を考慮
して、その粒径は例えば500μm以下、好ましくは3
00μm以下であることが望ましい。
【0024】耐火骨材は、炭素原料とアルミナ質粒子が
主材となるが、本発明の効果を損なわない範囲であれ
ば、マグネシア、酸化カルシウム、炭化ケイ素、二酸化
ケイ素、ガラス粉、チタン、チタン化合物、ホウ化物、
窒化物、アルミニウム繊維及びカーボン繊維等の1種又
は2種以上を組合わせてもよい。例えば、炭化ケイ素を
耐火骨材100質量に占める割合で、20質量%以下組
合わせることで、炭化ケイ素の熱分解で生成したSiO
2が耐酸化性を向上させる。
【0025】アルミナ質粒子に対するピッチの被覆に際
しては、ピッチを液状化する必要がある。ピッチの液状
化の方法には、熱溶融と溶剤による希釈がある。熱溶融
ではピッチの種類に合わせて100〜300℃程度で加
熱する。希釈では、キノリン、トルエン等の溶剤を添加
する。
【0026】希釈したピッチは熱溶融によるピッチに比
べ、アルミナ質粒子に対する被覆厚みがより均一なもの
となり、耐火物組織の均質化が図られ、耐スポーリング
性において一段と優れている。
【0027】ピッチの希釈において、溶剤の添加量は希
釈後のピッチに占める割合で80質量%以下が好まし
い。更に好ましくは10〜70質量%である。溶剤の割
合が少なすぎるとアルミナ質粒子表面でのピッチ厚みが
不均一となり、耐スポーリング性低下の原因となる。ま
た、80質量%を超えるとピッチ厚みが薄く、この場合
も耐スポーリング性においてより十分な効果が得られな
い。
【0028】ピッチをもって被覆したアルミナ粒子は、
耐スポーリング性の向上の効果を十分に得るためには、
粒径0.5mm以上であることが好ましい。アルミナ粒
子の上限は、本発明の効果を得るためには特に限定する
必要はないが、緻密な組織を得るために、5mm以下と
することが好ましい。
【0029】混練に際しては以上の配合物にフェノール
樹脂、ピッチ、タール等の結合剤を添加する。その割合
は、耐火骨材100質量部に対し1〜5質量部が好まし
い。混練後は加圧プレスにて任意形状に成形した後、1
50〜500℃程度で加熱乾燥し、不焼成品を得る。
【0030】
【実施例】以下に本発明の実施例と比較例を示す。表1
は各例に使用したピッチ被覆又はフェノール樹脂被覆の
アルミナ質粒子における被覆材組成を示す。表2は、各
例のアルミナ−炭素質不焼成れんがの配合組成とその試
験結果である。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1において、DおよびEを除くピッチ被
覆アルミナ質粒子は、溶剤としてキノリンを内掛け50
質量%で希釈したピッチを使用した。アルミナ質粒子に
この希釈ピッチを添加して攪拌混合後、120℃で加熱
乾燥し、ピッチ被覆アルミナ質粒子を得た。
【0034】DおよびEは溶剤を使用せず、ピッチを1
20℃の加熱で液状化し、アルミナ質粒子に添加後、攪
拌混合して被覆させた。
【0035】各例は表2に示した配合組成に、耐火骨材
100質量部に対する割合でフェノール樹脂を4質量部
添加し、混練後、フリクションプレスにて成形し、さら
に約200℃で加熱乾燥して不焼成れんがを得た。試験
方法は次のとおりである。
【0036】耐食性は、質量比で鋼片:転炉スラグを
1:1で組み合わせたものを誘導炉にて1650℃に溶
解し、この溶解物に試験片を3時間浸漬し、試験片の溶
損寸法を測定した。試験片は縦60mm、横60mm、
高さ230mmとし、溶損寸法は、縦及び横のいずれに
おいても5点の残寸を測定しその平均値と定義した。試
験結果は比較例1の溶損寸法を100とした指数で示
し、数値が大きいほど溶損が少ない。
【0037】耐摩耗性の試験では、回転炉に試験片を内
張りし、摩耗寸法は3点の残寸を測定しその平均値と定
義した。摩耗材としてジルコニアブロック1個(1k
g)をこの炉に投入し、1500℃×5hr加熱下にお
ける試験片の残寸を測定した。試験結果は比較例1の溶
損寸法を100とした指数で示し、数値が大きいほど摩
耗が少ない。
【0038】耐スポーリング性は、誘導炉にて1650
℃で溶解した溶鋼に試験片を90秒浸漬後、水中に浸漬
する加熱−水冷を繰り返し、試験片の浸漬部が剥落する
まで繰り返した。試験片の寸法は耐食性試験と同じもの
を使用した。
【0039】実機試験は、実施例及び比較例の一部を3
00t混銑車直胴部に厚さ230mmでライニングし、
溶銑120ch処理後の損傷速度を測定した。試験結果
は比較例1の溶損寸法を100とした指数で示し、数値
が大きいほど損傷が少なく、耐用性に優れる。
【0040】表2の試験結果が示すように、本発明の実
施例で得られたれんがは、耐食性、耐摩耗性および耐ス
ポーリング性のいずれも優れている。中でも、希釈ピッ
チを使用した実施例1〜6が耐スポーリング性において
更に優れている。また、実機試験からは、これらの効果
は実機耐用性の向上に相関することが確認される。
【0041】実施例7,8は、比較例1に比べ耐食性及
び耐スポーリング性に優れ、耐摩耗性も同等以上であっ
た。
【0042】なお、ここでの実機試験は混銑車について
示したが、本発明実施例は溶銑鍋のライニングにおいて
も同様に優れた耐用性が得られた。
【0043】これに対し比較例1は、フェノール樹脂で
被覆したアルミナ質粒子Hを使用したものであり、耐ス
ポール性に劣り、実機試験でも十分な効果が得られな
い。
【0044】実施例9は被覆アルミナ質粒子の割合が多
く、実施例1〜8に比べ耐食性に若干劣る。実施例10
は被覆アルミナ質粒子の割合が少なく、耐スポーリング
性に若干劣る。
【0045】被覆アルミナ質粒子における金属添加量が
少ない実施例11は、実施例1〜8に比べ耐摩耗性が不
十分である。逆に金属添加量が多い実施例12は、組織
強度が過多となって実施例1〜8に比べ耐スポーリング
性、耐食性に若干劣る。
【0046】実施例13は、被覆アルミナ質粒子の割合
が多く、また、Al金属、Al-Mg合金及びSi金属
のいずれも含有していないために、実施例1〜8に比べ
て耐食性は若干劣るが、耐スポーリング性は優れる。実
施例14は、実施例4に電融マグネシアを含有するもの
であり、耐食性、耐摩耗性及び耐スポーリング性のいず
れにも優れる。実施例15は、熱溶融ピッチを被覆して
いるために、耐スポーリング性には優れるが、Al金
属、Al-Mg合金及びSi金属のいずれも含有してい
ないため、耐食性及び耐摩耗性は、実施例1〜8に比べ
て若干劣る。実施例16は、被覆アルミナ粒子の割合が
多いが、Al金属及びSi金属を含有するため、耐食性
及び耐摩耗性は、実施例1〜8と同等レベルであった。
【0047】実施例2のアルミナ−炭素質不焼成れんが
の配合組成において、そこに使用する被覆アルミナ質粒
子のピッチに対するAl金属添加量のみを変化させ、こ
のAl金属の添加量(ピッチに対する内掛け質量%)と
れんがの耐摩耗性との関係を図1に示す。同表からも、
被覆アルミナ質粒子におけるAl金属の添加が耐摩耗性
の向上に効果を持つことがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明によるアルミナ−炭素質不焼成れ
んがは、耐食性、耐摩耗性および耐スポーリングを兼ね
備えることで、炉内張りとして、近年の溶銑処理におけ
る溶銑温度の高温化・長時間処理等の炉操業の過酷化に
おいても優れた耐用性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピッチ被覆アルミナ質粒子を使用したアルミナ
−炭素質不焼成れんがにおいて、ピッチに対するAl金
属添加量とれんがの耐摩耗性との関係を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河野 幸次 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日 本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 笠原 始 兵庫県姫路市広畑区富士町1番地 新日本 製鐵株式会社広畑製鐵所内 (72)発明者 竹内 公彦 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 ハリマセラミック株式会社内 (72)発明者 田中 雅人 兵庫県高砂市荒井町新浜1丁目3番1号 ハリマセラミック株式会社内 Fターム(参考) 4G030 AA07 AA08 AA16 AA36 AA37 AA47 AA48 AA53 AA60 AA61 AA66 BA19 BA23 BA28 BA33 GA01 GA07 4K051 AA00 AB03 AB05 BE00 BE01 BE03

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ピッチからなる被覆材で被覆したアルミ
    ナ質粒子と残部がアルミナ質粒子とカーボンを主材とし
    た配合物からなる耐火骨材及び結合材からなるアルミナ
    −炭素質不焼成れんが。
  2. 【請求項2】 前記ピッチからなる被覆材で被覆したア
    ルミナ質粒子は、Al金属及び/又はAl系合金の割合
    が前記被覆材100質量部に対し内掛けで5〜80質量
    %とすることを特徴とする請求項1に記載のアルミナ−
    炭素質不焼成れんが。
  3. 【請求項3】 前記ピッチからなる被覆材で被覆したア
    ルミナ質粒子を耐火骨材100質量部に対し、内掛けで
    10〜80質量%とすることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のアルミナ−炭素質不焼成れんが。
  4. 【請求項4】 前記残部において、耐火骨材100質量
    部に対し内掛けでカーボン1〜20質量%およびアルミ
    ナ質粒子10〜60質量%を含む請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載のアルミナ−炭素質不焼成れんが。
  5. 【請求項5】 前記耐火骨材100質量部に対し、更に
    Al金属、Al系合金及びSi金属から選ばれる1種又
    は2種以上を、内掛けで合計で0.5〜5質量部含有す
    る請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルミナ−炭素
    質不焼成れんが。
  6. 【請求項6】 前記残部において、マグネシア、酸化カ
    ルシウム、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、ガラス粉、チタ
    ン、チタン化合物、ホウ化物、窒化物、アルミニウム繊
    維及びカーボン繊維の1種又は2種以上を耐火骨材10
    0質量部に対し、内掛けで合計で20質量%以下含有す
    る請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルミナ−炭素
    質不焼成れんが。
  7. 【請求項7】 前記ピッチは溶剤で希釈されたピッチで
    ある請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルミナ−炭
    素質不焼成れんが。
  8. 【請求項8】 前記ピッチからなる被覆材で被覆したア
    ルミナ質粒子の粒径が0.5mm以上である請求項1〜
    7のいずれか1項に記載のアルミナ−炭素質不焼成れん
    が。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載のア
    ルミナ−炭素質不焼成れんがを全部または一部に内張り
    してなることを特徴とする溶融金属容器。
JP33615299A 1999-11-26 1999-11-26 アルミナ−炭素質不焼成れんが及びこれを内張りしてなる溶融金属容器 Withdrawn JP2001151560A (ja)

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