JP2001147509A - ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成方法

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JP2001147509A
JP2001147509A JP33131799A JP33131799A JP2001147509A JP 2001147509 A JP2001147509 A JP 2001147509A JP 33131799 A JP33131799 A JP 33131799A JP 33131799 A JP33131799 A JP 33131799A JP 2001147509 A JP2001147509 A JP 2001147509A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 色再現性に優れ、かつ得られた画像の保存
性、特に光照射下での画像安定性が改良され、又、未露
光状態での経時保存による性能安定性、処理条件の変動
に対する性能安定性が改良され、品質安定性の改良、更
には走査露光方式への適性を有したハロゲン化銀写真感
光材料及び画像形成方法を提供する。 【解決手段】 支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有する
ハロゲン化銀写真感光材料を露光する画像形成方法にお
いて、該ハロゲン化銀写真感光材料には一般式(M−
I)又は(M−II)〔「化1」〕で表されるマゼンタ色
素形成カプラーの少なくとも1種を含有し、かつ該ハロ
ゲン化銀写真感光材料を走査露光方式で露光することを
特徴とする画像形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料(以下、単に感光材料とも言う)及び画像形成
方法に関し、特に、得られた色素画像の堅牢性、画像安
定性に優れ、現像処理時の性能変動性に優れたハロゲン
化銀写真感光材料、及び該感光材料を用いた画像形成方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料は、安価に安
定した品質で高画質の画像を提供する材料として今日ま
で広く用いられてきているが、ユーザーの高画質化、品
質安定化への要求は益々高まっている。高画質化の要求
に対しては、色再現性、階調再現性、鮮鋭性等の改良が
求められており、品質安定化の要求に対しては、感光材
料の製造安定性、未露光状態で経時保存での安定性、現
像処理時の性能変動性等の改良が必要となる。更には、
得られた画像の高い堅牢性も求められている。
【0003】又、近年、コンピュータの演算能力の向上
や、ネットワーク技術の進歩に合わせて、画像をデジタ
ルデータとして取り扱う機会が急速に増加しており、ス
キャナなどを用いてデジタルデータ化された画像情報
は、コンピュータ上で編集加工したり、更には文字やイ
ラスト等のデータを付加することも比較的容易に行え
る。このようなデジタル化された画像情報をハロゲン化
銀写真として再生するためには、画像データに応じて露
光量を変化させながら露光を行う必要がある。
【0004】この露光には幾つかの方式が知られている
が、中でもデジタルデータに基づき変調された光ビーム
により感光材料を走査露光する方法は、露光速度や画質
の観点から見て有利であり、例えば光ビームを水平方向
にラスター走査させる(主走査)と同時に、感光材料を
垂直方向に搬送させ、感光材料に対するラスター走査の
位置を相対的にずらす(副走査)ことを組み合わせて感
光材料を露光させる方法、あるいは光源をアレイ状に並
べた露光ヘッドに対して感光材料をアレイと垂直方向に
搬送させる(この場合は主走査のみ)方法などが一般的
に用いられており、この様な走査露光方式で露光して形
成される画像の高品質化の要求も高まっている。
【0005】一方、高画質化の要求に対しては、近年、
色再現性を改良するピラゾロトリアゾール系のマゼンタ
色素形成カプラーが用いられてきているが、ピラゾロト
リアゾール系のマゼンタ色素形成カプラーを含有した感
光材料を未露光状態で経時保存した後、走査露光方式で
露光して画像を形成すると、感度、階調、カブリ等の写
真性能の変動が増大するという問題が生ずる。又、上記
カプラーから生成される画像色素は光に対する堅牢性に
劣り、又、現像処理時の性能変動性に劣るという問題点
を有している。
【0006】これに対してはカプラー及び色素画像安定
化剤の両面から改良技術が検討されており、例えば特開
昭61−65245号、同61−120146号、同6
1−120147号、同61−120148号、同61
−120149号、同61−120150号、同61−
120151号等に記載された2級又は3級アルキル基
等が置換したピラゾロトリアゾール系マゼンタ色素形成
カプラー、特開昭56−159644号、同59−12
5732号、同61−145552号、同60−262
159号、同61−90155号、特開平3−3995
6号等に記載されたフェノール又はフェニルエーテル系
化合物、特開昭61−73152号、同61−7224
6号、同61−189539号、同61−189540
号、同63−95439号等に記載されたアミン系化合
物等が挙げられる。
【0007】しかし、これらの技術を用いた場合、色素
形成カプラーの構造が複雑であり分子量が大きいこと
や、多量の油溶性添加剤を用いなければならないため、
写真構成層中の油溶性成分の含有量が増大し、写真構成
層の皮膜物性の劣化が起こる。この問題の改良には、写
真構成層のバインダーとして用いられているゼラチンの
使用量を増大すること、又はカプラーを含有するオイル
の分散粒径を大きくすることが有効であるが、ゼラチン
使用量を増大すると、写真感光材料の現像スピードの低
下を招き、近年重要視されている迅速処理適性が劣化す
るという問題がある。又、オイルの分散粒径の大きくす
ることは、現像処理による品質安定性が劣化するという
問題が起こる。
【0008】高画質化の要求に関しては、ハイライトか
らシャドー部に亘る良好な階調再現性が求められてお
り、特に、その安定性の向上が求められ、この要求に対
する改良技術としては、特開平7−20617号、同7
−306509号等でマゼンタ色素形成カプラーを含有
する層にベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を添加する
方法が記載されているが、この場合、製造安定性に劣る
という問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、色
再現性に優れ、かつ得られた画像の保存性、特に光照射
下での画像安定性が改良されたハロゲン化銀感光材料を
提供することにあり、又、未露光状態での経時保存によ
る性能安定性、処理条件の変動に対する性能安定性が改
良され、品質安定性の改良、更には走査露光方式への適
性を有したハロゲン化銀写真感光材料及び画像形成方法
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、以
下のハロゲン化銀写真感光材料及び、それを用いた画像
形成方法により達成される。
【0011】(1)支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有
するハロゲン化銀写真感光材料を露光する画像形成方法
において、該ハロゲン化銀写真感光材料には下記一般式
(M−I)又は(M−II)で表されるマゼンタ色素形成
カプラーの少なくとも1種を含有し、かつ該ハロゲン化
銀写真感光材料を走査露光方式で露光することを特徴と
する画像形成方法。
【0012】
【化3】
【0013】式中、RM1は水素原子又は置換基を表し、
M2及びRM3はアルキル基を表し、RM4及びRM5は各
々、水素原子又はアルキル基を表す。JMは−OC(=
O)−、−N(RM7)CO−又は−N(RM7)SO2
を表し、RM6はアルキル基、アリール基、アルコキシ
基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基又はアリール
アミノ基を表す。RM7は水素原子又はアルキル基を表
す。XMは水素原子、ハロゲン原子又は発色現像主薬の
酸化体との反応により脱離可能な基を表す。
【0014】(2)支持体上に少なくとも1層のハロゲ
ン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
て、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が前記一般
式(M−I)又は(M−II)で表されるマゼンタ色素形
成カプラーを含有し、かつ該マゼンタ色素形成カプラー
を含有するオイルの平均分散粒径が80〜200nmで
あることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
【0015】(3)支持体上に少なくとも1層のハロゲ
ン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料におい
て、該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が前記一般
式(M−I)又は(M−II)で表されるマゼンタ色素形
成カプラーを含有し、かつ該マゼンタ色素形成カプラー
を含有するハロゲン化銀乳剤層が下記一般式(U−I)
で表される化合物を含有することを特徴とするハロゲン
化銀写真感光材料。
【0016】
【化4】
【0017】式中、RU1は水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アリール基又はアルコキシ基を表し、RU2
びRU3は各々、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アリール基又はアルコキシ基を表し、RU4は水素原子、
アルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシル
アミノ基、スルホンアミド基又はウレイド基を表す。
【0018】以下に本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、前記一般式(M−I)又は(M−II)で表され
るマゼンタ色素形成カプラー(以下、マゼンタ色素形成
カプラーを、単にマゼンタカプラーとも言う)について
説明する。
【0019】前記一般式(M−I)又は(M−II)にお
いて、RM1で表される置換基としては、アルキル基(メ
チル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブチル、
ペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシ
ル、オクチル、ドデシル等)、アルケニル基(ビニル、
アリル等)、アルキニル基(プロパルギル等)、アリー
ル基(フェニル、ナフチル等)、複素環基(ピリジル、
チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、フリル、ピ
ロリル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、セ
レナゾリル、スルホラニル、ピペリジニル、ピラゾリ
ル、テトラゾリル等)、ハロゲン原子(塩素、臭素、沃
素、弗素等)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プ
ロピルオキシ、ペンチルオキシ、シクロペンチルオキ
シ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシルオキシ、オクチル
オキシ、ドデシルオキシ等)、アリールオキシ基(フェ
ノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルコキシカルボニ
ル基(メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、ブト
キシカルボニル、オクチルオキシカルボニル、ドデシル
オキシカルボニル等)、アリールオキシカルボニル基
(フェノシカルボニル、ナフトキシカルボニル等)、ス
ルホンアミド基(メチルスルホニルアミノ、エチルスル
ホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、ヘキシルスル
ホニルアミノ、シクロヘキシルスルホニルアミノ、オク
チルスルホニルアミノ、ドデシルスルホニルアミノ、フ
ェニルスルホニルアミノ等)、スルファモイル基(アミ
ノスルホニル、メチルアミノスルホニル、ジメチルアミ
ノスルホニル、ブチルアミノスルホニル、ヘキシルアミ
ノスルホニル、シクロヘキシルアミノスルホニル、オク
チルアミノスルホニル、ドデシルアミノスルホニル、フ
ェニルアミノスルホニル、ナフチルアミノスルホニル、
2−ピリジルアミノスルホニル等)、ウレイド基(メチ
ルウレイド、エチルウレイド、ペンチルウレイド、シク
ロヘキシルウレイド、オクチルウレイド、ドデシルウレ
イド、フェニルウレイド、ナフチルウレイド、2−ピリ
ジルアミノウレイド等)、アシル基(アセチル、エチル
カルボニル、プロピルカルボニル、ペンチルカルボニ
ル、シクロヘキシルカルボニル、オクチルカルボニル、
2−エチルヘキシルカルボニル、ドデシルカルボニル、
ベンゾイル、ナフチルカルボニル、ピリジルカルボニル
等)、アシルオキシ基(アセチルオキシ、エチルカルボ
ニルオキシ、ブチルカルボニルオキシ、オクチルカルボ
ニルオキシ、ドデシルカルボニルオキシ、ベンゾイルオ
キシ等)、カルバモイル基(カルバモイル、メチルカル
バモイル、ジメチルカルバモイル、プロピルカルバモイ
ル、ペンチルカルバモイル、シクロヘキシルカルバモイ
ル、オクチルカルバモイル、2−エチルヘキシルカルバ
モイル、ドデシルカルバモイル、フェニルカルバモイ
ル、ナフチルカルバモイル、2−ピリジルカルバモイル
等)、アシル基(アセチル、プロピオニル、ブチリル、
ベンゾイル等)、アシルアミノ基(メチルカルボニルア
ミノ、エチルカルボニルアミノ、ジメチルカルボニルア
ミノ、プロピルカルボニルアミノ、ペンチルカルボニル
アミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、2−エチル
ヘキシルカルボニルアミノ、オクチルカルボニルアミ
ノ、ドデシルカルボニルアミノ、フェニルカルボニルア
ミノ、ナフチルカルボニルアミノ等)、スルホニル基
(メチルスルホニル、エチルスルホニル、ブチルスルホ
ニル、シクロヘキシルスルホニル、2−エチルヘキシル
スルホニル、ドデシルスルホニル、フェニルスルホニ
ル、ナフチルスルホニル、2−ピリジルスルホニル
等)、アミノ基(アミノ、エチルアミノ、ジメチルアミ
ノ、ブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、2−エチル
ヘキシルアミノ、ドデシルアミノ、アニリノ、ナフチル
アミノ、2−ピリジルアミノ等)、シアノ基、ニトロ
基、スルホ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基等が挙
げられ、これらの基は、更に上記の置換基によって置換
されてもよい。
【0020】RM1としては、アルキル基、アルケニル
基、アリール基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、
ハロゲン原子、複素環基、スルホニル基、アシル基、カ
ルバモイル基、スルファモイル基、シアノ基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アミノ基、
アルキルアミノ基、ウレイド基、アルコキシカルボニル
基、アリールオキシカルボニル基等が好ましく、更に好
ましいものはアルキル基であり、特に好ましくはt−ブ
チル基である。
【0021】RM2〜RM5及びRM7で表されるアルキル基
としては、直鎖又は分岐のアルキル基、例えばメチル、
エチル、i−プロピル、t−ブチル、2−エチルヘキシ
ル、ドデシル、1−ヘキシルノニル等の各基が挙げられ
る。これらの基は更に前記R M1で表される置換基として
挙げられた基で置換されてもよい。
【0022】RM2及びRM3で表されるアルキル基として
はメチル基が好ましい。RM7は水素原子が好ましい。
【0023】RM6で表されるアルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルアミノ基及
びアリールアミノ基としては、例えば前記RM1の表すア
ルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルアミノ基及びアリールアミノ基と同様な基
が挙げられる。
【0024】XMで表されるハロゲン原子としては塩
素、臭素、弗素等が挙げられ、発色現像主薬の酸化体と
の反応により脱離可能な基としては、アルコキシ基(メ
トキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ペンチルオキシ、
シクロペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、シクロヘキシ
ルオキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ等)、アリ
ールオキシ基(フェノキシ、ナフチルオキシ等)、複素
環オキシ基(ピリジルオキシ、チアゾリルオキシ、オキ
サゾリルオキシ、イミダゾリルオキシ、フリルオキシ、
ピロリルオキシ、ピラジニルオキシ、ピリミジニルオキ
シ、ピリダジニルオキシ、セレナゾリルオキシ、スルホ
ラニルオキシ、ピペリジニルオキシ、ピラゾリルオキ
シ、テトラゾリルオキシ等)、アシルオキシ基(アセチ
ルオキシ、エチルカルボニルオキシ、ブチルカルボニル
オキシ、オクチルカルボニルオキシ、ドデシルカルボニ
ルオキシ、フェニルカルボニルオキシ等)、スルホニル
オキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基(メトキシカ
ルボニルオキシ、エトキシカルボニルオキシ等)、アリ
ールオキシカルボニルオキシ基(フェニルオキシカルボ
ニルオキシ等)、アルキルオキザリルオキシ基、アルコ
キシオキザリルオキシ基、アルキルチオ基(メチルチ
オ、エチルチオ等)、アリールチオ基(フェニルチオ、
ナフチルチオ等)、複素環チオ基(ピリジルチオ、フリ
ルチオ等)、アルキルオキシチオカルボニルチオ基、ア
シルアミノ基(メチルカルボニルアミノ、エチルカルボ
ニルアミノ、ジメチルカルボニルアミノ、プロピルカル
ボニルアミノ、ペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキ
シルカルボニルアミノ、2−エチルヘキシルカルボニル
アミノ、オクチルカルボニルアミノ、ドデシルカルボニ
ルアミノ、フェニルカルボニルアミノ、ナフチルカルボ
ニルアミノ等)、スルホンアミド基(メチルスルホニル
アミノ、エチルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルア
ミノ、ヘキシルスルホニルアミノ、シクロヘキシルスル
ホニルアミノ、オクチルスルホニルアミノ、ドデシルス
ルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ等)、N原
子で結合した含窒素複素環基、アルキルオキシカルボニ
ルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、カル
ボキシル基等の各基が挙げられる。
【0025】上記の中でもハロゲン原子が好ましく、特
に好ましくは塩素原子である。一般式(M−I)又は
(M−II)で表されるマゼンタカプラーの中では、一般
式(M−I)で表されるマゼンタカプラーが好ましく、
更に好ましく用いられるのは下記一般式(M−Ia)で
表されるマゼンタ色素形成カプラーである。
【0026】
【化5】
【0027】式中、RM1及びXMは、それぞれ前記一般
式(M−I)におけるRM1及びXMと同義であり、RM8
は、それぞれ置換もしくは無置換のアルキル基、シクロ
アルキル基又はアリール基を表す。Lは置換又は無置換
のアルキレン基を表し、Jは−CO−又は−SO2−を
表す。
【0028】一般式(M−Ia)において、RM8で表さ
れるアルキル基は炭素数1〜32のものが好ましく、例
えばメチル、エチル、プロピル、i−プロピル、t−ブ
チル、ヘキシル、オクチル、ドデシル、ヘキサデシル、
2−エチルヘキシルの各基が代表例として挙げられる。
M8で表されるアルキル基が置換基を有する時、その置
換基としては、前記一般式(M−I)におけるRM1と同
様の基を挙げることができる。
【0029】RM8で表されるシクロアルキル基は炭素数
3〜12のものが好ましく、例えばシクロプロピル、シ
クロペンチル、シクロヘキシル、2−メチルシクロプロ
ピル、アダマンアルキル等の各基が代表例として挙げら
れる。RM8で表されるシクロアルキル基が置換基を有す
る時、その置換基としては、前記一般式(M−I)にお
けるRM1と同様の基を挙げることができる。
【0030】RM8で表されるアリール基は炭素数6〜1
4のものが好ましく、その代表例としてはフェニル、1
−ナフチル、2−ナフチル等の基が挙げられる。RM8
表されるアリール基が置換基を有する時、その置換基と
しては、前記一般式(M−I)におけるRM1と同様の基
を挙げることができる。
【0031】Lで表されるアルキレン基が置換基を有す
る時、その置換基としては、前記一般式(M−1)にお
けるRM1と同様の基を挙げることができる。
【0032】以下に、Lで表されるアルキレン基の代表
的具体例を示すが、Lはこれらに限定されない。
【0033】
【化6】
【0034】Lは置換又は無置換のエチレン基が好まし
く、特に好ましくは無置換のエチレン基である。
【0035】以下に、一般式(M−I)又は(M−II)
で表されるマゼンタカプラー(本発明のマゼンタカプラ
ーとも言う)の代表的具体例を示すが、本発明はこれら
に限定されない。
【0036】
【化7】
【0037】
【化8】
【0038】
【化9】
【0039】
【化10】
【0040】
【化11】
【0041】
【化12】
【0042】
【化13】
【0043】
【化14】
【0044】
【化15】
【0045】
【化16】
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】
【化19】
【0049】
【化20】
【0050】
【化21】
【0051】本発明に用いられる一般式(M−I)又は
(M−II)で表されるマゼンタカプラーは、J.Che
m.Soc.,パーキン(Perkin)I(197
7),2047〜2052頁、米国特許3,725,0
67号、特開昭59−99437号、同58−4204
5号、同59−162548号、同59−171956
号、同60−33552号、同60−43659号、同
60−172982号、同60−190779号、同6
1−189539号、同61−241754号、同63
−163351号、同62−157031号、Synt
heses,1981年40頁、同1984年122
頁、同1984年894頁、特開昭49−53574
号、特開平7−175186号、リサーチ・ディスクロ
ージャ(RD)40376(1997年11月)839
〜842頁、英国特許1,410,846号、新実験化
学講座14−III巻,1585〜1594頁(197
7),丸善刊、Helv.Chem.Acta.,36
巻,75頁(1953)、J.Am.Chem.So
c.,72巻,2762頁(1950)、Org.Sy
nth.,II巻,395頁(1943)等を参考にし
て、当業者ならば容易に合成することができる。
【0052】本発明のマゼンタカプラーは、通常、ハロ
ゲン化銀1モル当たり1×10-2〜8×10-1モルの範
囲で用いることができる。
【0053】本発明のマゼンタカプラーは、本発明の効
果を損なわない範囲で他の種類のマゼンタカプラーと併
用することができる。
【0054】次に、本発明での走査露光について説明す
る。本発明における走査露光方法とは、デジタル化され
た画像情報に基づき変調された光ビームを感光材料に露
光する際に、光源もしくは感光材料を走査させながら露
光する方法であり、通常、光ビームによる線状露光(ラ
スター露光:主走査)と、この線状露光方向に対して垂
直方向への感光材料の相対的な移動(副走査)の組合せ
で行われることが一般的である。例えば、円筒状のドラ
ムの外周又は内周に感光材料を固定し、光ビームを照射
しながらドラムを回転させることで主走査を行うと同時
に、光源をドラムの回転方向に対して垂直に移動させる
ことで副走査を行う方式(ドラム方式)や、回転させた
ポリゴンミラーに光ビームを照射することで反射ビーム
をポリゴンミラーの回転方向と水平に走査(主走査)す
ると共に、感光材料をポリゴンの回転方向に対して垂直
に搬送することで副走査を行う方式(ポリゴン方式)な
どが多く用いられている。
【0055】用いることができる光源の種類としては、
発光ダイオード(LED)、ガスレーザー、半導体レー
ザー(LD)、LD又はLDを励起光源として用いた固
体レーザーと第2高調波変化素子(所謂SHG素子)と
の組合せ等、公知の光源を何れも用いることができる。
【0056】本発明におけるオイルとは、カプラー、高
沸点有機溶媒及び写真用添加剤など、疎水性化合物の分
散混合物であり、その平均分散粒径はマルバーン社のシ
ステム4700で測定した。本発明におけるオイルの平
均分散粒径は80〜200nmであることが必要だが、
好ましくは100〜180nmである。
【0057】前記一般式(U−I)で表される化合物
(紫外線吸収剤)は、その融点が−50〜130℃であ
ることが好ましく、より好ましくは−50〜100℃で
ある。
【0058】一般式(U−I)で表される化合物の置換
基において、RU1は水素原子、ハロゲン原子、アルコキ
シ基が好ましく、RU2及びRU3は各々、水素原子、アル
キル基が好ましく、RU4は水素原子、アルコキシ基、ア
シルアミノ基、ウレイド基が好ましい。
【0059】以下に、一般式(U−I)で表される紫外
線吸収剤の具体的化合物例を挙げるが、これらに限定さ
れない。
【0060】
【化22】
【0061】
【化23】
【0062】本発明のマゼンタカプラーは、下記一般式
(AO−I)、(AO−II)及び/又は(AO−III)
で表される色素画像安定化剤から選ばれる少なくとも1
種の化合物と併用することが好ましい。
【0063】
【化24】
【0064】式中、R1は水素原子、アルキル基、アリ
ール基、複素環基又は下記残基を表す。
【0065】
【化25】
【0066】ここで、R1a,R1b及びR1cは各々1価の
有機基を表す。R2,R3,R4,R5及びR6は各々、水
素原子、ハロゲン原子又はベンゼン環に置換可能な基を
表す。又、R1〜R6は互いに結合して5〜6員環を形成
してもよい。
【0067】
【化26】
【0068】式中、R11は脂肪族基又は芳香族基を表
し、Yは窒素原子と共に5〜7員複素環を形成するのに
必要な非金属原子群を表す。
【0069】
【化27】
【0070】式中、R21はアルキル基を表し、R22は置
換基を表す。nは0〜5の整数を表すが、nが2以上の
時、複数のR22は同じでも異なってもよい。
【0071】前記一般式(AO−I)において、R1
表すアルキル基、アリール基、複素環基としては、前記
一般式(M−I)において、RM1等で表されるアルキル
基、アリール基として説明した基が、複素環基として
は、例えばピラゾリル、2−イミダゾリル、3−ピリジ
ル、2−フリル等の各基が挙げられる。又、R1a,R1b
及びR1cが表す1価の有機基としては、アルキル基、ア
リール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン
原子等が挙げられる。R1としては水素原子、アルキル
基が好ましい。
【0072】R2〜R6で表されるベンゼン環に置換可能
な基としては、前記一般式(M−I)において、RM1
で表されるアルキル基、アリール基等が更に置換されて
いる場合の置換基として説明した基が挙げられる。
2,R3,R5,R6としては、水素原子、ヒドロキシル
基、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリール
オキシ基、アシルアミノ基が好ましく、R14はアルキル
基、ヒドロキシル基、アリール基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基が好ましい。又、R1とR2は互いに閉環し
て5又は6員環を形成してもよく、その時のR4はヒド
ロキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基が好まし
い。又、R1とR2が閉環してメチレンジオキシ環を形成
してもよい。更に又、R3とR4が閉環して5員の炭化水
素環を形成してもよく、その時のR1はアルキル基、ア
リール基、複素環基が好ましい。
【0073】以下に一般式(AO−I)で表される化合
物の具体例を示す。
【0074】
【化28】
【0075】
【化29】
【0076】上記具体例の他に、一般式(AO−I)で
表される化合物の例としては、特開昭60−26215
9号の11〜13頁に記載された例示化合物A−1〜A
−28、同61−145552号の8〜10頁に記載さ
れた例示化合物PH−1〜PH−2、特開平1−306
846号の6〜7頁に記載された例示化合物B−1〜B
−21、同2−958号の10〜18頁に記載された例
示化合物I−1〜I−13、I′−1〜I′−8,II−
1〜II−12、II′−1〜II′−21、III−8〜III−
14、IV−1〜IV−24、V−13〜V−17、同3−
39956号の10〜11頁に記載された例示化合物II
−1〜II−33等を挙げることができる。
【0077】次に、前記一般式(AO−II)において、
11は脂肪族基又は芳香族基を表すが、好ましくはアル
キル基、アリール基、複素環基であり、最も好ましくは
アリール基である。Yが窒素原子と共に形成する複素環
としては、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオ
モルホリン、チオモルホリン−1,1−ジオン、ピロリ
ジン等の各環が挙げられる。
【0078】以下に一般式(AO−II)で表される化合
物の具体例を示す。
【0079】
【化30】
【0080】上記具体例の他に、一般式(AO−II)で
表される化合物の具体例としては、特開平2−1675
43号の8〜11頁に記載された例示化合物B−1〜B
−65、特開昭63−95439号の4〜7頁に記載さ
れた例示化合物(1)〜(120)等を挙げることがで
きる。
【0081】前記一般式(AO−III)において、R21
で表されるアルキル基としては、前記一般式(M−I)
において、RM1等で表されるアルキル基として説明した
基が挙げられる。R22で表される置換基としては、前記
一般式(M−I)において、RM1の置換基として説明し
た基が挙げられる。
【0082】上記R21で表されるアルキル基としては、
炭素数1〜16の無置換のアルキル基が好ましく、R22
としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子が
好ましい。
【0083】以下に、一般式(AO−III)で表される
化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定される
ものではない。
【0084】
【化31】
【0085】
【化32】
【0086】これら一般式(AO−I)〜一般式(AO
−III)で表される色素画像安定化剤の使用量は、本発
明の一般式(M−I)又は(M−II)で表されるマゼン
タカプラーに対して5〜400モル%であることが好ま
しく、より好ましくは10〜250モル%である。
【0087】本発明のマゼンタカプラーと本発明の色素
画像安定化剤は、同一層中で用いられるのが好ましい
が、該カプラーが存在する層に隣接する層中に色素画像
安定化剤を用いてもよい。
【0088】色素形成カプラー、色素画像安定化剤等の
疎水性化合物は、通常、沸点約150℃以上の高沸点有
機溶媒又は水不溶性高分子化合物と混合後、80℃以上
に加熱して溶解するか、又は必要に応じて低沸点有機溶
媒(酢酸エチル等)及び/又は水溶性有機溶媒を併用し
て溶解し、ゼラチン水溶液などの親水性バインダー中に
界面活性剤を用いて撹拌器、ホモジナイザー、コロイド
ミル、フロージェットミキサー、超音波装置等の分散手
段を用いて乳化分散した後、目的とする親水性コロイド
層中に添加すればよい。低沸点有機溶媒を用いる場合
は、乳化分散後、又は分散と同時に低沸点有機溶媒を除
去する工程を入れることが好ましい。
【0089】用いられる高沸点有機溶媒としては、フタ
ル酸エステル、燐酸エステル、脂肪族エステル等のエス
テル類、高級飽和又は不飽和アルコール類、アルキルフ
ェノール類、有機酸アミド類、ケトン類、炭化水素化合
物等が挙げられる。
【0090】これらの具体例としては、例えば特開平1
−196048号4〜7頁に記載の例示化合物A−1〜
A−120、8〜9頁に記載の例示化合物II−1〜II−
29、14〜15頁に記載の例示化合物H−1〜H−2
2、特開平1−209446号3〜7頁に記載の例示化
合物S−1〜S−69、特開昭63−253943号1
0〜12頁に記載の例示化合物I−1〜I−95、米国
特許5,429,913号2頁右に記載の例示化合物
(a−I)〜(a−IX)、欧州特許550,359A1
号22頁に記載の例示化合物5−1〜5−15等を挙げ
ることができる。
【0091】本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
の組成は、塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、沃臭化銀、塩沃
臭化銀、塩沃化銀等、任意のハロゲン組成を有するもの
であってもよいが、塩化銀を95モル%以上含有する実
質的に沃化銀を含有しない塩臭化銀が好ましい。迅速処
理性、処理安定性からは、好ましくは97モル%以上、
より好ましくは98〜99.9モル%の塩化銀を含有す
るハロゲン化銀乳剤が好ましい。
【0092】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤を得
るには、臭化銀を高濃度に含有する部分を有するハロゲ
ン化銀乳剤が特に好ましく用いられる。この場合、高濃
度に臭化銀を含有する部分は、ハロゲン化銀乳剤粒子に
エピタキシー接合していても、所謂コア・シェル乳剤で
あってもよいし、完全な層を形成せず単に部分的に組成
の異なる領域が存在するだけであってもよい。又、組成
は連続的に変化してもよいし不連続に変化してもよい。
臭化銀が高濃度に存在する部分は、ハロゲン化銀粒子の
表面の結晶粒子の頂点であることが特に好ましい。
【0093】ハロゲン化銀乳剤を得るには重金属イオン
を含有させるのが有利である。このような目的に用いる
ことの出来る重金属イオンとしては、鉄、イリジウム、
白金、パラジウム、ニッケル、ロジウム、オスミウム、
ルテニウム、コバルト等の第8〜10族金属や、カドミ
ウム、亜鉛、水銀などの第12族遷移金属や、鉛、レニ
ウム、モリブデン、タングステン、ガリウム、クロムの
各イオンを挙げることができる。中でも、鉄、イリジウ
ム、白金、ルテニウム、ガリウム、オスミウムの金属イ
オンが好ましい。これらの金属イオンは、塩や錯塩の形
でハロゲン化銀乳剤に添加することが出来る。
【0094】重金属イオンが錯体を形成する場合には、
その配位子又はイオンとしてはシアン化物イオン、チオ
シアン酸イオン、イソチオシアン酸イオン、シアン酸イ
オン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン、硝
酸イオン、カルボニル、アンモニア等を挙げることがで
きる。中でも、シアン化物イオン、チオシアン酸イオ
ン、イソチオシアン酸イオン、塩化物イオン、臭化物イ
オン等が好ましい。
【0095】ハロゲン化銀乳剤に重金属イオンを含有さ
せるためには、該重金属化合物をハロゲン化銀粒子の形
成前、ハロゲン化銀粒子の形成中、ハロゲン化銀粒子の
形成後の物理熟成中の各工程の任意の場所で添加すれば
よい。前述の条件を満たすハロゲン化銀乳剤を得るに
は、重金属化合物をハロゲン化物塩と一緒に溶解して粒
子形成工程の全体或いは一部にわたって連続的に添加す
ることができる。
【0096】重金属イオンをハロゲン化銀乳剤中に添加
する時の量は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-9
1×10-2モルが好ましく、特に1×10-8〜5×10
-5モルが好ましい。
【0097】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の形
状は任意のものを用いることが出来る。好ましい一つの
例は、(100)面を結晶表面として有する立方体であ
る。又、米国特許4,183,756号、同4,22
5,666号、特開昭55−26589号、特公昭55
−42737号や、ザ・ジャーナル・オブ・フォトグラ
フィック・サイエンス(J.Photogr.Sc
i.)21,39(1973)等の文献に記載された方
法等により、八面体、十四面体、十二面体等の形状を有
する粒子を造り、これを用いることもできる。更に、双
晶面を有する粒子を用いてもよい。
【0098】ハロゲン化銀粒子は、単一の形状から成る
粒子が好ましく用いられるが、単分散のハロゲン化銀乳
剤を2種以上同一層に添加することが特に好ましい。
【0099】ハロゲン化銀粒子の粒径は特に制限はない
が、迅速処理性及び感度など、他の写真性能などを考慮
すると、好ましくは0.1〜1.2μm、更に好ましく
は0.2〜1.0μmの範囲である。この粒径は、粒子
の投影面積か直径近似値を使ってこれを測定することが
できる。粒子が実質的に均一形状である場合は、粒径分
布は直径か投影面積として可成り正確にこれを表すこと
ができる。
【0100】本発明に用いられるハロゲン化銀粒子の粒
径の分布は、好ましくは変動係数が0.22以下、更に
好ましくは0.15以下の単分散ハロゲン化銀粒子であ
り、特に好ましくは変動係数0.15以下の単分散乳剤
を2種以上同一層に添加することである。ここで変動係
数は、粒径分布の広さを表す係数であり、次式によって
定義される。
【0101】変動係数=S/R(S:粒径分布の標準偏
差、R:平均粒径)ここで言う粒径とは、球状のハロゲ
ン化銀粒子の場合はその直径、又、立方体や球状以外の
形状の粒子の場合は、その投影像を同面積の円像に換算
した時の直径を表す。
【0102】ハロゲン化銀乳剤の調製装置、方法として
は、当業界において公知の種々の方法を用いることがで
きる。
【0103】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
酸性法、中性法、アンモニア法の何れで得られたもので
あってもよい。該粒子は一時に成長させたものであって
もよいし、種粒子を造った後で成長させてもよい。種粒
子を造る方法と成長させる方法は同じであっても、異な
ってもよい。
【0104】又、可溶性銀塩と可溶性ハロゲン化物塩を
反応させる形式としては、順混合法、逆混合法、同時混
合法、それらの組合せなど、何れでもよいが、同時混合
法で得られたものが好ましい。更に同時混合法の一形式
として、特開昭54−48521号等に記載されている
pAgコントロールド・ダブルジェット法を用いること
もできる。又、特開昭57−92523号、同57−9
2524号等に記載の、反応母液中に配置された添加装
置から水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液を供
給する装置、ドイツ公開特許2,921,164号等に
記載された水溶性銀塩及び水溶性ハロゲン化物塩水溶液
を連続的に濃度変化して添加する装置、特公昭56−5
01776号等に記載の反応器外に反応母液を取り出
し、限外濾過法で濃縮することによりハロゲン化銀粒子
間の距離を一定に保ちながら粒子形成を行なう装置など
を用いてもよい。
【0105】更に必要で有ればチオエーテル等のハロゲ
ン化銀溶剤を用いてもよい。又、メルカプト基を有する
化合物、含窒素複素環化合物又は増感色素のような化合
物をハロゲン化銀粒子の形成時、又は、粒子形成終了の
後に添加して用いてもよい。
【0106】ハロゲン化銀乳剤は、金化合物を用いる増
感法、カルコゲン増感剤を用いる増感法を組み合わせて
用いることが出来る。
【0107】適用できるカルコゲン増感剤としては、硫
黄増感剤、セレン増感剤、テルル増感剤などを用いるこ
とが出来るが、硫黄増感剤が好ましい。硫黄増感剤とし
てはチオ硫酸塩、アリルチオカルバミド、チオ尿素、ア
リルイソチアシアナート、シスチン、p−トルエンチオ
スルホン酸塩、ローダニン、無機硫黄等が挙げられる。
硫黄増感剤の添加量としては、適用されるハロゲン化銀
乳剤の種類や期待する効果の大きさなどにより変えるこ
とが好ましいが、通常、ハロゲン化銀1モル当たり5×
10-10〜5×10-5モルの範囲、好ましくは5×10
-8〜3×10-5モルの範囲が好ましい。
【0108】金増感剤としては、塩化金酸、硫化金等の
他各種の金錯体として添加することができる。用いられ
る配位子化合物としては、ジメチルローダニン、チオシ
アン酸、メルカプトテトラゾール、メルカプトトリアゾ
ール等を挙げることができる。金化合物の使用量は、ハ
ロゲン化銀乳剤の種類、使用する化合物の種類、熟成条
件などによって一様ではないが、通常はハロゲン化銀1
モル当たり1×10-4モル〜1×10-8モルであること
が好ましい。更に好ましくは1×10-5モル〜1×10
-8モルである。
【0109】ハロゲン化銀乳剤の化学増感法としては、
還元増感法を用いてもよい。ハロゲン化銀乳剤には、感
光材料の調製工程中に生じるカブリを防止したり、保存
中の性能変動を小さくしたり、現像時に生じるカブリを
防止する目的で公知のカブリ防止剤、安定剤を用いるこ
とが出来る。こうした目的に用いることのできる好まし
い化合物の例として、特開平2−146036号7頁下
欄に記載された一般式(II)で表される化合物を挙げる
ことができ、更に好ましい具体的な化合物としては、同
公報の8頁に記載の(IIa−1)〜(IIa−8)、(II
b−1)〜(IIb−7)の化合物や、1−(3−メトキ
シフェニル)−5−メルカプトテトラゾール、1−(4
−エトキシフェニル)−5−メルカプトテトラゾール等
の化合物を挙げることができる。
【0110】これらの化合物は、その目的に応じて、ハ
ロゲン化銀乳剤粒子の調製工程、化学増感工程、化学増
感工程の終了時、塗布液調製工程などの工程で添加され
る。これらの化合物の存在下に化学増感を行う場合に
は、ハロゲン化銀1モル当たり1×10-5〜5×10-4
モル程度の量で好ましく用いられる。化学増感終了時に
添加する場合には、ハロゲン化銀1モル当たり1×10
-6〜1×10-2モル程度の量が好ましく、1×10-5
5×10-3モルがより好ましい。塗布液調製工程におい
てハロゲン化銀乳剤層に添加する場合には、ハロゲン化
銀1モル当たり1×10-6〜1×10-1モル程度の量が
好ましく、1×10-5〜1×10-2モルがより好まし
い。又、ハロゲン化銀乳剤層以外の層に添加する場合に
は、塗布被膜中の量が、1m2当たり1×10-9〜1×
10-3モル程度の量が好ましい。
【0111】感光材料には、イラジエーション防止やハ
レーション防止の目的で種々の波長域に吸収を有する染
料を用いることができる。この目的で、公知の化合物を
何れも用いることが出来るが、特に、可視域に吸収を有
する染料としては、特開平3−251840号308頁
に記載のAI−1〜11の染料及び特開平6−3770
号記載の染料が好ましく用いられ、赤外線吸収染料とし
ては、特開平1−280750号の2頁左下欄に記載の
一般式(I)、(II)、(III)で表される化合物が好
ましい分光特性を有し、ハロゲン化銀乳剤の写真特性へ
の影響もなく、又、残色による汚染もなく好ましい。好
ましい化合物の具体例として、同公報3頁左下欄〜5頁
左下欄に挙げられた例示化合物(1)〜(45)を挙げ
ることができる。
【0112】これらの染料を添加する量として、鮮鋭性
を改良する目的には感光材料の未処理試料の680nm
における分光反射濃度を0.7以上にする量が好まし
く、更には0.8以上にすることがより好ましい。
【0113】本発明に係る感光材料中に蛍光増白剤を添
加すること、が白地性を改良でき好ましい。好ましく用
いられる化合物としては、特開平2−232652号記
載の一般式IIで示される化合物が挙げられる。
【0114】本発明の感光材料をカラー写真感光材料と
して用いる場合には、イエローカプラー、マゼンタカプ
ラー、シアンカプラーに組み合わせて400〜900n
mの波長域の特定領域に分光増感されたハロゲン化銀乳
剤を含む層を有する。該ハロゲン化銀乳剤は1種又は2
種以上の増感色素を組み合わせて含有する。
【0115】ハロゲン化銀乳剤に用いる分光増感色素と
しては、公知の化合物を何れも用いることができるが、
青感光性増感色素としては、特開平3−251840号
28頁に記載のBS−1〜8を単独で又は組み合わせて
好ましく用いることができる。緑感光性増感色素として
は、同公報28頁に記載のGS−1〜5が好ましく用い
られる。赤感光性増感色素としては、同公報29頁に記
載のRS−1〜8が好ましく用いられる。又、半導体レ
ーザーを用いるなどして赤外光により画像露光を行う場
合には、赤外感光性増感色素を用いる必要があるが、赤
外感光性増感色素としては、特開平4−285950号
6〜8頁に記載のIRS−1〜11の色素が好ましく用
いられる。又、これらの赤外、赤、緑、青感光性増感色
素に、特開平4−285950号8〜9頁に記載の強色
増感剤SS−1〜SS−9や特開平5−66515号1
5〜17頁に記載の化合物S−1〜S−17を組み合わ
せて用いるのが好ましい。
【0116】これら増感色素の添加時期としては、ハロ
ゲン化銀粒子形成から化学増感終了までの任意の時期で
よい。増感色素の添加方法としては、メタノール、エタ
ノール、弗素化アルコール、アセトン、ジメチルホルム
アミド等の水混和性有機溶媒や水に溶解して溶液として
添加してもよいし、固体分散物として添加してもよい。
【0117】本発明の乳化分散物及び感光材料には、本
発明のマゼンタ色素形成カプラーが用いられるが、その
他の色素形成カプラーを併せて用いてもよいし、又は、
その他の色素形成カプラーを本発明の色素形成カプラー
を用いた乳化分散物を含有するハロゲン化銀乳剤層とは
別の写真構成層に用いてもよい。これらを包括し、本発
明に用いられる色素形成カプラーとしては、波長域40
0〜500nmに分光吸収極大波長を有するイエロー色
素形成カプラー、波長域500〜600nmに分光吸収
極大波長を有するマゼンタ色素形成カプラー、波長域6
00〜750nmに分光吸収極大波長を有するシアン色
素形成カプラーが代表的である。
【0118】好ましく用いることのできるシアンカプラ
ーとしては、特開平4−114154号5頁左下欄に記
載の一般式(C−I)、(C−II)で表されるカプラー
を挙げることができる。具体的な化合物は、同公報5頁
右下欄〜6頁左下欄にCC−1〜CC−9として記載さ
れているものを挙げることができる。更に、特開平8−
254783号13〜15頁にかけてC−1〜C−13
として記載されているシアンカプラーも好ましい化合物
として挙げることができる。
【0119】好ましく用いることのできるイエローカプ
ラーとしては、特開平4−114154号3頁右上欄に
記載の一般式(Y−I)で表されるカプラーを挙げるこ
とができる。具体的な化合物は、同公報3頁左下欄以降
にYC−1〜YC−9として記載されているものを挙げ
ることができる。中でも、同公報4頁左上欄に記載され
ているYC−8、YC−9は好ましい色調の黄色を再現
でき好ましい。更に、特開平8−254783号18〜
21頁にY−1〜Y−16として記載されているイエロ
ーカプラーも好ましい化合物として挙げることができ
る。
【0120】写真用添加剤の分散や塗布時の表面張力を
調整するため用いられる界面活性剤として好ましい化合
物としては、1分子中に炭素数8〜30の疎水性基とス
ルホ基又はその塩を含有するものが挙げられる。具体的
には特開昭64−26854号記載のA−1〜A−11
が挙げられる。又、アルキル基に弗素原子を置換した界
面活性剤も好ましく用いられる。これらの分散液は、通
常ハロゲン化銀乳剤を含有する塗布液に添加されるが、
分散後塗布液に添加される迄の時間、及び塗布液に添加
後、塗布迄の時間は短い方が良く、各々10時間以内が
好ましく、3時間以内、20分以内がより好ましい。
【0121】上記各カプラーには、形成された色素画像
の光、熱、湿度等による褪色を防止するため褪色防止剤
を併用することが好ましい。特に好ましい化合物として
は、特開平2−66541号3頁記載の一般式I及びII
で示されるフェニルエーテル系化合物、特開平3−17
4150号記載の一般式Bで示されるフェノール系化合
物、特開昭64−90445号記載の一般式Aで示され
るアミン系化合物、特開昭62−182741号記載の
一般式XII、XIII、XIV、XVで示される金属錯体が特にマ
ゼンタ色素用として好ましい。又、特開平1−1960
49号記載の一般式I′で示される化合物及び特開平5
−11417号記載の一般式IIで示される化合物が特に
イエロー、シアン色素用として好ましい。
【0122】発色色素の吸収波長をシフトさせる目的
で、特開平4−114154号9頁左下欄に記載の化合
物(d−11)、同公報10頁左下欄に記載の化合物
(A′−1)等の化合物を用いることができる。又、こ
れ以外にも、米国特許4,774,187号に記載の蛍
光色素放出化合物を用いることもできる。
【0123】本発明に係る感光材料には、現像主薬酸化
体と反応する化合物を感光層と感光層の間の層に添加し
て色濁りを防止したり、又、ハロゲン化銀乳剤層に添加
してカブリ等を改良することが好ましい。このための化
合物としてはハイドロキノン誘導体が好ましく、更に好
ましくは2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノンのよ
うなジアルキルハイドロキノンである。特に好ましい化
合物は、特開平4−133056号記載の一般式IIで示
される化合物であり、同公報13〜14頁記載の化合物
II−1〜II−14及び17頁記載の化合物1が挙げられ
る。
【0124】感光材料には、バインダーとしてゼラチン
を用いることが有利であるが、必要に応じてゼラチン誘
導体、ゼラチンと他の高分子のグラフトポリマー、ゼラ
チン以外の蛋白質、糖誘導体、セルロース誘導体、単一
又は共重合体の如き合成親水性高分子物質等の親水性コ
ロイドも用いることができる。
【0125】これらバインダーの硬膜剤としてはビニル
スルホン型硬膜剤やクロロトリアジン型硬膜剤を単独又
は併用して使用することが好ましい。特開昭61−24
9054号、同61−245153号記載の化合物を使
用することが好ましい。
【0126】又、写真性能や画像保存性に悪影響する黴
や細菌の繁殖を防ぐためコロイド層中に特開平3−15
7646号記載のような防腐剤及び抗黴剤を添加するこ
とが好ましい。又、感光材料又は処理後の試料の表面の
物性を改良するため保護層に特開平6−118543号
や特開平2−73250号記載の滑り剤やマット剤を添
加することが好ましい。
【0127】本発明に係る感光材料に用いる支持体とし
ては、どのような材質を用いてもよく、ポリエチレン
(PE)やポリエチレンテレフタレート(PET)で被
覆した紙、天然パルプや合成パルプから成る紙支持体、
塩化ビニルシート、白色顔料を含有してもよいポリプロ
ピレン、PET支持体、バライタ紙などを用いることが
できる。中でも、原紙の両面に耐水性樹脂被覆層を有す
る支持体が好ましい。耐水性樹脂としてはPEやPET
又はそれらのコポリマーが好ましい。
【0128】支持体に用いられる白色顔料としては、無
機及び/又は有機の白色顔料を用いることができ、好ま
しくは無機の白色顔料が用いられる。例えば硫酸バリウ
ム等のアルカリ土類金属の硫酸塩、炭酸カルシウム等の
アルカリ土類金属の炭酸塩、微粉珪酸、合成珪酸塩等の
シリカ類、珪酸カルシウム、アルミナ、アルミナ水和
物、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、クレイ等が挙げら
れる。白色顔料として好ましくは硫酸バリウム、酸化チ
タンである。
【0129】支持体の表面の耐水性樹脂層中に含有され
る白色顔料の量は、鮮鋭性を改良する上で13質量%以
上が好ましく、更には15質量%が好ましい。
【0130】本発明に用いられる紙支持体の耐水性樹脂
層中の白色顔料の分散度は、特開平2−28640号に
記載の方法で測定することができる。この方法で測定し
た時に、白色顔料の分散度が前記公報に記載の変動係数
として0.20以下であることが好ましく、0.15以
下であることがより好ましい。
【0131】又、支持体の中心面平均粗さ(SRa)の
値が0.15μm以下、更には0.12μm以下である
方が光沢性が良いという効果が得られ、より好ましい。
又、反射支持体の白色顔料含有耐水性樹脂中や塗布され
た親水性コロイド層中に、処理後の白地部の分光反射濃
度バランスを調整し、白色性を改良するため、群青、油
溶性染料等の微量の青味付剤や赤味付剤を添加すること
が好ましい。
【0132】感光材料は、必要に応じて支持体表面にコ
ロナ放電、紫外線照射、火炎処理等を施した後、直接又
は下塗層(支持体表面の接着性、帯電防止性、寸度安定
性、耐摩擦性、硬さ、ハレーション防止性、摩擦特性及
び/又はその他の特性を向上するための1又は2以上の
下塗層)を介して塗布されていてもよい。
【0133】ハロゲン化銀乳剤を用いた感光材料の塗布
に際して、塗布性を向上させるために増粘剤を用いても
よい。塗布法としては2種以上の層を同時に塗布するこ
との出来るエクストルージョンコーティング及びカーテ
ンコーティングが特に有用である。
【0134】本発明の感光材料を用いて写真画像を形成
するには、ネガ上に記録された画像を、プリントしよう
とする感光材料上に光学的に結像させて焼き付けてもよ
いし、画像を一旦デジタル情報に変換した後その画像を
CRT(陰極線管)上に結像させ、この像をプリントし
ようとする感光材料上に結像させて焼き付けてもよい
し、デジタル情報に基づいてレーザー光の強度を変化さ
せて走査することによって焼き付けてもよい。
【0135】本発明は、現像主薬を感光材料中に内蔵し
ていない感光材料に適用することが好ましく、特に直接
鑑賞用の画像を形成する感光材料に適用することが好ま
しい。例えばカラーペーパー、カラー反転ペーパー、ポ
ジ画像を形成する感光材料、ディスプレイ用感光材料、
カラープルーフ用感光材料を挙げることができる。特に
反射支持体を有する感光材料に適用することが好まし
い。
【0136】本発明の感光材料は、発色現像後、漂白処
理及び定着処理を施される。漂白処理は定着処理と同時
に行ってもよい。定着処理の後は、通常は水洗処理が行
われる。又、水洗処理の代替として、安定化処理を行っ
てもよい。感光材料の現像処理に用いる現像処理装置と
しては、処理槽に配置されたローラーに感光材料を挟ん
で搬送するローラートランスポートタイプであっても、
ベルトに感光材料を固定して搬送するエンドレスベルト
方式であってもよいが、処理槽をスリット状に形成し
て、この処理槽に処理液を供給すると共に感光材料を搬
送する方式や処理液を噴霧状にするスプレー方式、処理
液を含浸させた担体との接触によるウエップ方式、粘性
処理液による方式なども用いることができる。大量に処
理する場合には、自動現像機を用いてランニング処理さ
れるのが通常だが、この際、補充液の補充量は少ない程
好ましく、環境適正等より最も好ましい処理形態は、補
充方法として錠剤の形態で処理剤を添加することであ
り、公開技報94−16935号に記載の方法が最も好
ましい。
【0137】
【実施例】以下に、実施例により本発明を具体的に説明
するが、本発明の実施態様はこれらに限定されない。
【0138】実施例1 秤量180g/m2の紙パルプの両面に高密度ポリエチ
レンをラミネートし、紙支持体を作製した。ただし、乳
剤層を塗布する側には、表面処理を施したアナターゼ型
酸化チタンを15質量%の含有量で分散して含む溶融ポ
リエチレンをラミネートし、反射支持体を作製した。こ
の反射支持体をコロナ放電処理した後、ゼラチン下塗層
を設け、更に以下に示す構成の各層を塗設し、多層カラ
ー感光材料を作製した。塗布液は下記の如く調製した。 第1層塗布液 イエローカプラー(Y−1)23.4g、安定剤(ST
−1)3.34g、(ST−2)3.34g、(ST−
5)3.34g、ステイン防止剤(HQ−1)0.34
g、画像安定化剤A5.0g、高沸点有機溶媒(DB
P)3.33g及び(DNP)1.67gに酢酸エチル
60mlを加え溶解し、この溶液を20%界面活性剤
(SU−1)7mlを含有する10%ゼラチン水溶液2
20mlに超音波ホモジナイザーを用いて乳化分散させ
てイエローカプラー分散液を作製した。この分散液を下
記にて作製した青感性ハロゲン化銀乳剤と混合し、第1
層塗布液を調製した。
【0139】第2層〜第7層塗布液も、上記第1層塗布
液と同様に表1及び表2の塗布量になるように調製し
た。
【0140】又、硬膜剤として(H−1)、(H−2)
を添加した。塗布助剤としては、界面活性剤(SU−
2)、(SU−3)を添加し、表面張力を調整した。
又、各層に防黴剤(F−1)を全量が0.04g/m2
となるように添加した。
【0141】
【表1】
【0142】
【表2】
【0143】SU−2:トリ−i−プロピルナフタレン
スルホン酸ナトリウム SU−1:スルホ琥珀酸ジ(2−(エチルヘキシル))
・ナトリウム塩 SU−3:スルホ琥珀酸ジ(2,2,3,3,4,4,
5,5−オクタフルオロペンチル)・ナトリウム塩 DBP:ジブチルフタレート DNP:ジノニルフタレート DOP:ジオクチルフタレート DIDP:ジ−i−デシルフタレート PVP:ポリビニルピロリドン HBS−1:オレイルアルコール H−1:テトラキス(ビニルスルホニルメチル)メタン H−2:2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリ
アジン・ナトリウム HQ−1:2,5−ジ−t−オクチルハイドロキノン HQ−2:2,5−ジ−sec−ドデシルハイドロキノ
ン HQ−3:2,5−ジ−sec−テトラデシルハイドロ
キノン HQ−4:2−sec−ドデシル−5−sec−テトラ
デシルハイドロキノン HQ−5:2,5−ジ[(1,1−ジメチル−4−ヘキ
シルオキシカルボニル)ブチル]ハイドロキノン 画像安定化剤A:p−t−オクチルフェノール
【0144】
【化33】
【0145】
【化34】
【0146】
【化35】
【0147】(青感性ハロゲン化銀乳剤の調製)40℃
に保温した2%ゼラチン水溶液1リットル中に、下記
(A液)及び(B液)をpAg=7.3、pH=3.0
に制御しつつ30分かけて同時添加し、更に下記(C
液)及び(D液)をpAg=8.0、pH=5.5に制
御しつつ180分かけて同時添加した。この時、pAg
の制御は特開昭59−45437号記載の方法により行
い、pHの制御は硫酸又は水酸化ナトリウム水溶液を用
いて行った。 (A液) 塩化ナトリウム 3.42g 臭化カリウム 0.03g 水を加えて 200ml (B液) 硝酸銀 10g 水を加えて 200ml (C液) 塩化ナトリウム 102.7g K2IrCl6 4×10-8モル/モルAg K4Fe(CN)6 2×10-5モル/モルAg 臭化カリウム 1.0g 水を加えて 600ml (D液) 硝酸銀 300g 水を加えて 600ml 添加終了後、花王アトラス社製デモールNの5%水溶液
と硫酸マグネシウムの20%水溶液を用いて脱塩を行っ
た後、ゼラチン水溶液と混合して平均粒径0.71μ
m、粒径分布の変動係数0.07、塩化銀含有率99.
5モル%の単分散立方体乳剤EMP−1を得た。
【0148】次に(A液)と(B液)の添加時間及び
(C液)と(D液)の添加時間を変更した以外はEMP
−1と同様にして、平均粒径0.64μm、粒径分布の
変動係数0.07、塩化銀含有率99.5モル%の単分
散立方体乳剤EMP−1Bを得た。
【0149】上記EMP−1に対し、下記化合物を用い
60℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−1B
に対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたE
MP−1とEMP−1Bを銀量で1:1で混合し、青感
性ハロゲン化銀乳剤Em−Bを得た。
【0150】 チオ硫酸ナトリウム 0.8mg/モルAgX 塩化金酸 0.5mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−1 4×10-4モル/モルAgX 増感色素 BS−2 1×10-4モル/モルAgX (緑感性ハロゲン化銀乳剤の調製)(A液)と(B液)
の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更す
る以外はEMP−1と同様にして、平均粒径0.40μ
m、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分
散立方体乳剤EMP−2を得た。
【0151】次に、平均粒径0.50μm、変動係数
0.08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤
EMP−2Bを得た。
【0152】上記EMP−2に対し、下記化合物を用い
55℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−2B
に対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたE
MP−2とEMP−2Bを銀量で1:1で混合し、緑感
性ハロゲン化銀乳剤Em−Gを得た。
【0153】 チオ硫酸ナトリウム 1.5mg/モルAgX 塩化金酸 1.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 GS−1 4×10-4モル/モルAgX (赤感性ハロゲン化銀乳剤の調製)(A液)と(B液)
の添加時間及び(C液)と(D液)の添加時間を変更す
る以外はEMP−1と同様にして、平均粒径0.40μ
m、変動係数0.08、塩化銀含有率99.5%の単分
散立方体乳剤EMP−3を得た。
【0154】又、平均粒径0.38μm、変動係数0.
08、塩化銀含有率99.5%の単分散立方体乳剤EM
P−3Bを得た。
【0155】上記EMP−3に対し、下記化合物を用い
60℃にて最適に化学増感を行った。又、EMP−3B
に対しても同様に最適に化学増感した後、増感されたE
MP−3とEMP−3Bを銀量で1:1で混合し、赤感
性ハロゲン化銀乳剤Em−Rを得た。
【0156】 チオ硫酸ナトリウム 1.8mg/モルAgX 塩化金酸 2.0mg/モルAgX 安定剤 STAB−1 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−2 3×10-4モル/モルAgX 安定剤 STAB−3 3×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX 増感色素 RS−1 1×10-4モル/モルAgX STAB−1:1−(3−アセトアミドフェニル)−5
−メルカプトテトラゾール STAB−2:1−フェニル−5−メルカプトテトラゾ
ール STAB−3:1−(4−エトキシフェニル)−5−メ
ルカプトテトラゾール 又、赤感性乳剤には、強色増感剤(SS−1)をハロゲ
ン化銀1モル当たり2.0×10-3添加した。
【0157】
【化36】
【0158】
【化37】
【0159】このようにして作製した感光材料を試料1
01とする。次に、試料101と同様にして、表3に記
載の通り内容を変更した以外は試料101と同一の試料
102〜108を作製した。
【0160】得られた各試料を常法に従って緑色光によ
ってウエッジ露光後、下記の処理工程に従って処理した
試料の階調γを求めた。更に、未露光試料を高温条件
(55℃)に6日間保存した試料を用いて同様な評価を
行い、未露光試料の保存による階調の変動幅Δγを求め
た。
【0161】 Δγ=|高温保存後のγ−高温保存前のγ| 又、同試料をレーザービームの露光量を段階的に変化さ
せ露光時間10-6秒で走査露光方式で露光後、同様な評
価を行い、階調の変動幅Δγを求めた。尚、レーザービ
ーム光源はG光を利用した。ここで言うγとは濃度0.
8と1.8を得るために必要な露光量の対数の差の逆数
で表される値である。
【0162】 処理工程 処理温度 時 間 発色現像 35.0±0.3℃ 45秒 漂白定着 35.0±0.3℃ 45秒 安定化 30〜34℃ 90秒 乾 燥 60〜80℃ 60秒 各処理液の組成を以下に示す。尚、各処理液の補充量は
感光材料1m2当たり80mlである。 発色現像液及び発色現像補充液 タンク液 補充液 純水 800ml 800ml トリエタノールアミン 10g 18g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 5g 9g 塩化カリウム 2.4g − 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸 1.0g 1.8g N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3− メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 5.4g 8.2g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 1.0g 1.8g 炭酸カリウム 27g 27g 水を加えて全量を1リットルとし、タンク液はpHを1
0.10に、補充液はpHを10.60に調整する。 漂白定着液(タンク液と補充液は同一) エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム二水塩 60g エチレンジアミン四酢酸 2g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷
酢酸でpHを5.7に調整する。 安定化剤(タンク液と補充液は同一) F−1 1.0g エチレングリコール 1.0g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジスルホン酸 2.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g 水酸化アンモニウム(20%水溶液) 3.0g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンジスルホン酸誘導体) 1.5g 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又は水酸化カリ
ウムでpHを7.0に調整する。
【0163】結果を併せて表3に示す。
【0164】
【表3】
【0165】
【化38】
【0166】表3から明らかなように、本発明のマゼン
タカプラーを含有する試料を走査露光方式で露光する画
像形成方法は、未露光試料の保存前後での階調変動が小
さいことが判る。特に、含有するマゼンタカプラーが本
発明の一般式(M−Ia)で表されるマゼンタカプラー
の場合、その効果が顕著であることが判る。
【0167】実施例2 超音波ホモジナイザーでの分散時間を変化させて、表4
に記載した平均分散粒径となるように調製したマゼンタ
カプラー分散液を第3層の塗布液に使用した以外は試料
101と同一の試料201〜217を作製した。
【0168】各試料を常法に従って緑色光によってウエ
ッジ露光後、実施例1と同様な処理工程に従って処理し
た試料を高温・高湿下(75℃・55%RH)に7日間
保存した後、色素画像のムラを目視で評価した。又、実
施例1の処理工程に従って処理した試料の階調γを求め
る評価をランニング開始直後と発色現像液のタンク容量
の2倍の発色現像補充液を補充するまでランニング処理
した後に行い、階調のランニングによる変動ΔγRを求
めた。
【0169】ΔγR=|ランニング処理後のγ−ランニ
ング開始直後のγ| 尚、色素画像のムラの評価は10段階で行い、数値が小
さい程ムラが少ないこととする。又、平均分散粒径は、
マゼンタ分散液を作製した直後にマールバーン社のシス
テム4700で測定した数値である。
【0170】結果を表4に示す。
【0171】
【表4】
【0172】表4から明らかなように、マゼンタカプラ
ーMM−1を含有する試料は、オイルの平均が小さい時
は、階調変動は小さいが色素画像のムラが大きく、又、
オイルの平均分散粒径が大きい時には色素画像のムラは
小さいが、階調変動が大きく、階調変動と色素画像のム
ラが共に小さくなるように両立させることは極めて困難
であった。しかしながら、本発明のマゼンタカプラーを
含有する試料は、平均粒径が80〜200nmの範囲に
おいて、階調変動と色素画像のムラが共に小さくなって
いることが判る。特に、平均粒径が100〜180nm
の範囲で、その効果が顕著であり、更に、含有するマゼ
ンタカプラーが一般式(M−Ia)で表されるマゼンタ
カプラーの場合には、その効果が特に大きくなることが
判る。
【0173】実施例3 実施例1における試料101の第3層のマゼンタカプラ
ーMM−1を表5に示す化合物に変更し、かつベンゾト
リアゾール系化合物を第3層に添加した以外は実施例1
と同様にして、各試料を作製した。ただし、マゼンタカ
プラー分散液を作製してから塗布する迄の時間を表5に
示すように、各試料共、1時間、12時間、24時間と
変化させた。
【0174】各試料を常法に従って白色光によってウェ
ッジ露光後、実施例1の処理工程に従って処理した試料
の青色最大濃度DBmaxを求めた。
【0175】結果を表5に示す。
【0176】
【表5】
【0177】表5から明らかなように、比較マゼンタカ
プラーMM−1又はMM−2とベンゾトリアゾール系化
合物を併用すると、青色最大濃度が向上するが、分散液
の停滞時間が増すとその効果が少なくなっていくことが
わかる。一方、本発明のマゼンタカプラーとベンゾトリ
アゾール系化合物を併用すると青色最大濃度が向上し、
かつ、分散液の停滞時間が増してもその効果の変動がひ
じょうに小さいことがわかる。従って、本発明のマゼン
タカプラーとベンゾトリアゾール系化合物を併用すると
青色最大濃度が向上し、なおかつ製造適正にも優れた技
術であることがわかる。
【0178】
【発明の効果】本発明のハロゲン化銀感光材料及び画像
形成方法は、色再現性、画像の保存性に優れ、又、未露
光状態での経時保存による性能安定性、処理条件の変動
に対する性能安定性に優れ、更には走査露光方式への適
正を有する。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上にハロゲン化銀乳剤層を有する
    ハロゲン化銀写真感光材料を露光する画像形成方法にお
    いて、該ハロゲン化銀写真感光材料には下記一般式(M
    −I)又は(M−II)で表されるマゼンタ色素形成カプ
    ラーの少なくとも1種を含有し、かつ該ハロゲン化銀写
    真感光材料を走査露光方式で露光することを特徴とする
    画像形成方法。 【化1】 式中、RM1は水素原子又は置換基を表し、RM2及びRM3
    はアルキル基を表し、RM4及びRM5は各々、水素原子又
    はアルキル基を表す。JMは−OC(=O)−、−N
    (RM7)CO−又は−N(RM7)SO2−を表し、RM6
    はアルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオ
    キシ基、アルキルアミノ基又はアリールアミノ基を表
    す。RM7は水素原子又はアルキル基を表す。XMは水素
    原子、ハロゲン原子又は発色現像主薬の酸化体との反応
    により脱離可能な基を表す。
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が前記一般式
    (M−I)又は(M−II)で表されるマゼンタ色素形成
    カプラーを含有し、かつ該マゼンタ色素形成カプラーを
    含有するオイルの平均分散粒径が80〜200nmであ
    ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。
  3. 【請求項3】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料において、
    該ハロゲン化銀乳剤層の少なくとも1層が前記一般式
    (M−I)又は(M−II)で表されるマゼンタ色素形成
    カプラーを含有し、かつ該マゼンタ色素形成カプラーを
    含有するハロゲン化銀乳剤層が下記一般式(U−I)で
    表される化合物を含有することを特徴とするハロゲン化
    銀写真感光材料。 【化2】 式中、RU1は水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
    リール基又はアルコキシ基を表し、RU2及びRU3は各
    々、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基
    又はアルコキシ基を表し、RU4は水素原子、アルキル
    基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルアミノ
    基、スルホンアミド基又はウレイド基を表す。
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