JP2001146938A - 液体封入型防振装置 - Google Patents

液体封入型防振装置

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JP2001146938A
JP2001146938A JP33226799A JP33226799A JP2001146938A JP 2001146938 A JP2001146938 A JP 2001146938A JP 33226799 A JP33226799 A JP 33226799A JP 33226799 A JP33226799 A JP 33226799A JP 2001146938 A JP2001146938 A JP 2001146938A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中間金具と外筒金具の間の電食を確実に防止
する。 【解決手段】 端部壁13のゴム弾性体を内筒金具11
の外周面に加硫接着する一方で、そのゴム弾性体の外周
面に外筒金具12と異なる金属から成る中間金具16の
円筒部16a,16bを加硫接着する。このとき、各端
部壁13のゴム弾性体を各円筒部16a,16bの端面
に回り込ませると共に、その端末部に径方向外側に延出
するゴムフランジ17を設ける。端部壁13を予備圧縮
するために円筒部16a,16bを縮径するときには、
円筒部16a,16bの外周面にゴムがないために均等
な縮径を行える。この内部ユニットAを液槽内にて外筒
金具12に組付けるときには、ゴムフランジ17を円筒
部16a,16bの外周面に対峙させるように折り曲
げ、その状態で外筒金具12を縮径する。各円筒部16
a,16bはゴム弾性体によって完全に被覆され、電食
が防止される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のサスペン
ションブッシュやエンジンマウント等に用いられる防振
装置、とりわけ、内部に振動減衰用の液体を封入した液
体封入型防振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の液体封入型防振装置として、例
えば、特公平7-26664号公報に示されるようなも
のが開発されている。
【0003】この防振装置は、図6に示すように、内筒
金具1と、外筒金具2と、これらの両端部の間を封止す
るゴム弾性体から成る端部壁3,3と、この両側の端部
壁3,3の間に形成されて内部にシリコンオイル等の液
体が充填された液室5とを備えており、内筒金具1と外
筒金具2が例えば車体とサスペンションリンク(図示せ
ず)に夫々取付けられ、両者間の振動を端部壁3,3の
ゴム弾性と液室5内の液体の粘性抵抗によって吸収する
ようになっている。
【0004】また、この防振装置の場合、両側の各端部
壁3,3を構成するゴム弾性体は内筒金具1の外周面に
加硫接着され、そのゴム弾性体の各外周面は中間金具6
の両側の各円筒部6a,6bに加硫接着されている。そ
して、内筒金具1に端部壁3,3(ゴム弾性体)と中間
金具6が一体化された内部ユニットは、液室5内に充填
すべく液体を満たした液槽内において外筒金具2に挿入
され、その状態で外筒金具2が縮径されると共に、外筒
金具2の両端部が中間金具6にかしめ固定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の外筒
金具2は、通常、サスペンションリンク等の相手側部材
に圧入固定して用いられるが、近年の自動車部品の軽量
化の要望から相手側部材のアルミ化に伴なって外筒金具
2も同様のアルミニウムで形成することが検討されてい
る。しかし、外筒金具6をアルミニウムで形成する場合
であっても、製造コストの低減の観点から中間金具6は
鉄系材料で形成することが望まれており、この要望を満
たそうとすると、上記従来の防振装置は以下のような不
具合を生じる。
【0006】即ち、上記従来の防振装置の場合、図6中
の拡大部分で示すように、組付けを完了した状態におい
て中間金具6の外周面と軸方向の外側端とが外筒金具2
に接触し、しかも、中間金具6と外筒金具2の両者が外
部に露出した構造となっているため、中間金具6と外筒
金具2にまたがって塩水等の電解液aが付着すると、中
間金具6と外筒金具2のうちの化学的に卑である側の金
属材料(アルミニウムと鉄の場合、アルミニウム側。)
に電食を生じ、それによって製品の早期劣化を招き易く
なる。また、液槽内での組付時に中間金具6と外筒金具
2の接触部に液体が入り込んだり、この接触部に液室5
内の液体が触れることがあると、これらの液体がやはり
電解液として機能して上述と同様の電食を生じる。
【0007】そこで本発明は、中間金具や外筒金具の電
食を確実に防止できるようにして耐久性に優れた液体封
入型防振装置を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ための手段として、請求項1に記載の発明は、内筒金具
の両端部とその外周側に配置された外筒金具の両端部の
間が夫々ゴム弾性体から成る端部壁によって封止され、
この両側の端部壁の間に液室が形成された液体封入型防
振装置にして、前記各端部壁のゴム弾性体が前記内筒金
具の外周面に加硫接着される一方で、そのゴム弾性体の
各外周面に前記外筒金具と異なる金属から成る中間金具
の円筒部が夫々加硫接着され、さらにこの中間金具の各
円筒部が縮径されることで前記各端部壁のゴム弾性体が
予備圧縮され、こうして形成された内部ユニットが前記
外筒金具に挿入された後に外筒金具が縮径されて内部ユ
ニットと外筒金具が一体化されたものにおいて、前記各
端部壁のゴム弾性体を中間金具の各円筒部の端面に回り
込ませると共に、その端末に径方向外側に延出するゴム
フランジを延設し、前記内部ユニットと外筒金具の組付
時にこのゴムフランジを前記中間金具の対応する円筒部
側に弾性変形させて、各円筒部の外周面をこのゴムフラ
ンジで被覆するようにした。
【0009】この発明の場合、中間金具の各円筒部の内
周面側から端面にかけてが予めゴム弾性体によって完全
に被覆され、各円筒部の外周面は内部ユニットと外筒金
具の組付時に弾性変形させられるゴムフランジによって
被覆される。したがって、中間金具の各円筒部は外筒金
具に直接接触しなくなると共に、各円筒部の外周面と外
筒金具の間に液体が入り込むこともなくなる。また、内
部ユニットと外筒金具を組付ける前に端部壁のゴム弾性
体を予備圧縮するために中間金具の各円筒部を縮径する
ときには、各円筒部の外周面がゴムフランジに覆われず
に外部に露出しているため、各円筒部は均等に確実に縮
径される。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の発明において、ゴムフランジを中間金具の両円筒部の
同一側端面から夫々延出させるようにした。
【0011】この発明の場合、各円筒部のゴムフランジ
が円筒部の同一側の端面から延出しているため、内部ユ
ニットを外筒金具の一方の端部側から挿入するときに両
ゴムフランジを各対応する中間金具の外周面に倣わせて
容易に弾性変形させることができる。
【0012】請求項3に記載の発明は、内筒金具の両端
部とその外周側に配置された外筒金具の両端部の間が夫
々ゴム弾性体から成る端部壁によって封止され、この両
側の端部壁の間に液室が形成された液体封入型防振装置
にして、前記各端部壁のゴム弾性体が前記内筒金具の外
周面に加硫接着される一方で、そのゴム弾性体の各外周
面に前記外筒金具と異なる金属から成る中間金具の円筒
部が夫々加硫接着され、さらにこの中間金具の各円筒部
が縮径されることで前記各端部壁のゴム弾性体が予備圧
縮され、こうして形成された内部ユニットが前記外筒金
具に挿入された後に外筒金具が縮径されて内部ユニット
と外筒金具が一体化されたものにおいて、前記各端部壁
のゴム弾性体を、中間金具の各円筒部の外周面中央が露
出するように各円筒部の両端面から外周面の一部にかけ
て回り込ませると共に、この外周面に回り込ませたゴム
弾性体の外周被覆部に軸方向に沿う液排出溝を形成し、
前記内部ユニットと外筒金具の組付時に外筒金具でゴム
弾性体の前記各外周被覆部を潰し変形して、前記各円筒
部の外周側露出面をこの外周被覆部で覆うようにした。
【0013】この発明の場合、中間金具の各円筒部の内
周面側から端面と外周面の一部にかけてが予めゴム弾性
体によって完全に被覆される。そして、内部ユニットと
外筒金具の組付時に外筒金具が縮径されると、ゴム弾性
体の外周被覆部が弾性変形して中間金具の各円筒部の外
周露出面を覆うようになる。また、外筒金具の縮径は液
室に充填すべく液体を満たした液槽内等において行われ
ると、外筒金具の縮径開始当初は中間金具の外周露出面
上に液体が存在しているが、その液体は縮径の進行に伴
なってゴム弾性体の液排出溝に沿って外部に排出され
る。また、内部ユニットと外筒金具を組付ける前に端部
壁のゴム弾性体を予備圧縮するために中間金具の各円筒
部を縮径するときには、各円筒部の外周面略中央の露出
面を押圧することによってその円筒部を均等に縮径する
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。
【0015】まず、図1〜図3に示す請求項1,2の発
明にかかる液体封入型防振装置について説明する。
【0016】この防振装置は全体が略円柱状に形成さ
れ、内筒金具11とその外周側に配置されたアルミニウ
ム製の外筒金具12とが、ゴム弾性体から成る一対の端
部壁13,13によって連結されている。
【0017】両側の端部壁13,13の間にはシリコン
オイル等の液体が充填される液室14が内筒金具11を
挟んで上下2ヶ所に形成され(図中液室14は一方のみ
示す。)、これらの液室14,14が後述するオリフィ
ス15によって互いに連通している。このオリフィス1
5は、内筒金具11と外筒金具12が上下または左右方
向に相対変位したときの液室14,14相互間の液体の
流通を許容し、このときに液体に抵抗を付与することに
よって入力振動を減衰する。
【0018】ここで、両側の各端部壁13を構成するゴ
ム弾性体は内筒金具11の外周域において一体化されて
おり、このゴム弾性体の内周面は内筒金具11の外周面
に対して型成形時に加硫接着されている。そして、この
ゴム弾性体の外周面には鉄系金属から成る以下の中間金
具16が同時に加硫接着されている。
【0019】即ち、中間金具16は、前記各端部壁13
の外周面に加硫接着される二つの円筒部16a,16b
と、これらの円筒部16a,16bを連結する一対の梁
部16cとを備えており、各梁部16cは両円筒部16
a,16bの外周面に対して中央部分が縮径した円弧形
状となっている。この各梁部16cは外筒金具12の内
周面との間で断面方形状の通路を形成し、この通路が液
室14,14間を連通する前記オリフィス15を構成す
るようになっている。尚、梁部16cの内周面側は両側
の端部壁13に連続する前記ゴム弾性体に加硫接着され
ている。また、梁部10cの外周面はゴム弾性体と中間
金具16が加硫成形されるときに同時にゴム被覆成形さ
れている。
【0020】そして、中間金具16の各円筒部16a,
16bに加硫接着される端部壁13のゴム弾性体は、図
2に示すように各円筒部16a,16bの両端面まで回
り込み、さらに一方の端末には径方向外側に延出するゴ
ムフランジ17が延設されている。この各円筒部16
a,16bから延出するゴムフランジ17は両円筒部1
6a,16bの同一側端部に設けられており、図1にお
いては両円筒部16a,16bの各左側の端部に延設さ
れている。尚、ゴムフランジ17の円筒部16a,16
bからの延出長さは円筒部16a,16bの軸長と同じ
若しくはそれよりも若干短く設定されている。
【0021】ここで、内筒金具11と中間金具16は型
成形によって前記ゴム弾性体と一体化されるが、端部壁
13を構成するゴム弾性体はこの後に中間金具16の各
円筒部16a,16bを縮径することによって予備圧縮
される。このとき各円筒部16a,16bは一方の端部
にゴムフランジ17が立ち上がって延出しているもの
の、その外周面はゴム弾性体に被覆されずに外部に直接
露出しているため、全周に亙って偏りなく均等な力でも
って確実に縮径される。
【0022】そして、各円筒部16a,16bの縮径を
完了して成形を終えた内部ユニットA(内筒金具11,
中間金具16,ゴム弾性体から構成。)はこの後に図3
に示すように液室14内に充填すべく液体を満たした液
槽18内において外筒金具12に組付けられる。
【0023】この組付けにあたっては、同図に示すよう
に、最初に液槽18内において内部ユニットAのゴムフ
ランジ17の延設されている側の端部を外筒金具12に
向け、その状態から内部ユニットAを外筒金具12内に
挿入することによって両ゴムフランジ17を各対応する
円筒部16a,16bの外周面に対峙させるように弾性
変形させる。そして、この後に外筒金具12を縮径して
ゴムフランジ17を間に挟み込んだ状態で外筒金具12
を各円筒部16a,16bの外周面に密着させ、さらに
外筒金具12の端部を各円筒部16a,16bの外側端
面に対してかしめ固定する(図1参照)。尚、このとき
ゴムフランジ17は外筒金具12の縮径によって径方向
に潰されると同時に軸方向に逃げるため、ゴムフランジ
17の延出長さを円筒部16a,16bの軸長よりも短
く形成した場合であっても、ゴムフランジ17のボリュ
ームと外筒金具12に対する縮径力の設定によって円筒
部16a,16bの外周面を確実に覆うことができる。
【0024】この防振装置においては、以上のように中
間金具16の円筒部16a,16bがゴム弾性体によっ
て外部から完全に遮蔽されるため、同装置の外面側に塩
水等の電解液が付着することがあっても、その電解液は
異なる金属からなる外筒金具12と中間金具16とにま
たがって付着することはない。したがって、外部からの
電解液の付着による電食は生じない。
【0025】また、この防振装置は、組付けを完了した
状態においては外筒金具12と中間金具16の各円筒部
16a,16bがゴム弾性体によって非接触状態にされ
ると共に両者の間に液体が入り込まないようになってい
るため、液室14内の液体が電解液となって外筒金具1
2に電食が生じる不具合も生じない。
【0026】さらに、この防振装置の場合、中間金具1
6の両円筒部16a,16bに設けるゴムフランジ17
は両円筒部16a,16bの同じ側の端部に設定してい
るため、内部ユニットAと外筒金具12の組付時には内
部ユニットAを外筒金具12に単に挿入するだけで両ゴ
ムフランジ17を所望とおりに変形させることができ、
このことから組付作業性が極めて良いという利点があ
る。
【0027】つづいて、請求項3の発明にかかる液体封
入型防振装置の実施形態を図4,図5に基づいて説明す
る。
【0028】この防振装置は、内筒金具(図示せず。)
と外筒金具12の両端部がゴム弾性体からなる端部壁1
3,13によって連結され、両端部壁13,13の間に
液室(図示せず。)が形成されている点や、内筒金具と
中間金具16が型成形によってゴム弾性体と一体に加硫
接着されている点、中間金具16の各円筒部16a,1
6bが縮径されて端部壁13のゴム弾性体が予備圧縮さ
れる点等の基本的な構成は図1〜図3に示した実施形態
のものと同様であるが、端部壁13から中間金具16の
各円筒部16a,16bに回り込んで加硫接着されるゴ
ム弾性体の形状が異なっている。
【0029】即ち、端部壁13のゴム弾性体は、図1〜
図3に示した実施形態のものと同様に中間金具16の各
円筒部16a,16bの両端面に回り込んでいるが、そ
の両側の端末は図4に示すように各円筒部16a,16
bの外周面の軸方向略中央に露出面20を残すように各
円筒部16a,16bの外周面の一部まで回り込み、そ
の部分が外周被覆部21となっている。そして、この両
側の外周被覆部21の外面側には軸方向に沿う液排出溝
22が形成されている。
【0030】前記の各円筒部16a,16bに残された
露出面20は、端部壁13のゴム弾性体を予備圧縮する
ときに各円筒部16a,16bの縮径が行われる部分で
あり、この露出面20に冶具を押し当てて縮径を行うこ
とによって全周に亙って均等な縮径を行うことが可能に
なっている。とりわけ、この実施形態の場合、露出面2
0は各円筒部16a,16bの軸方向の略中央に設定し
てあるため、端部壁13のゴム弾性体に対して確実な予
備圧縮を行うことができる。
【0031】この防振装置は、中間金具16の各円筒部
16a,16bに縮径を行った後に、前述の実施形態と
同様に内部ユニットと外筒金具12を液槽内において組
付けるが、このとき内部ユニットを外筒金具12に挿入
した状態で外筒金具12を縮径していくと、各円筒部1
6a,16b上の両側の外周被覆部21が次第に潰され
て露出面20方向に逃げ、このとき外筒金具12と各円
筒部16a,16bの露出面20の間に存在する液体は
外周被覆部21の液排出溝22を通って外部に排出され
る。そして、こうして外筒金具12の縮径が続けられる
と、各円筒部16a,16b上の露出面20が外周被覆
部21によって完全に覆われ、最終的には外周被覆部2
1の液排出溝22も潰されて各円筒部16a,16bと
外筒金具12の間が完全に密閉される。
【0032】したがって、この防振装置の場合にも、組
付完了状態では中間金具16の各円筒部16a,16b
がゴム弾性体によって完全に覆われることとなり、外筒
金具12の電食は確実に防止される。
【0033】また、この防振装置においては、前述の実
施形態のものと異なり、中間金具16の各円筒部16
a,16bの外周面に部分的にゴム弾性体を回り込ませ
るだけであって、径方向外側に大きく延出するゴムフラ
ンジを設ける必要がないため、前述の実施形態に比較し
て型成形が容易であり、低コストでの製造が可能である
という利点を有する。そして、さらにこの装置は内部ユ
ニットと外筒金具12の組付け作業にあたってもゴムフ
ランジの押し曲げのような煩雑な作業が必要でないた
め、組付作業も容易であってこの点からも製造コストの
低減を図れる。
【0034】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明は、
組付けを完了した状態では中間金具の各円筒部の周域を
端部壁から延出するゴム弾性体によって完全に被覆し
て、各円筒部と外筒金具の直接接触と両者間への液体の
浸入を確実に防止することができ、しかも、内部ユニッ
トと外筒金具の組付け前の状態では各円筒部の外周面が
ゴムフランジに被覆されずに外部に露出していることか
ら、端部壁を予備圧縮するための各円筒部の縮径を偏り
なく均等に行うことができる。したがって、この発明に
よれば、異なる金属から成る中間金具と外筒金具の間の
電食を確実に防止することができると共に、端部壁のゴ
ム弾性体に対して常時安定した予備圧縮を施すことがで
きる。
【0035】請求項2に記載の発明は、組付工程におい
て内部ユニットを外筒金具の一方の端部側から挿入する
ときに、両ゴムフランジを外筒金具によって各対応する
中間金具の外周面に倣わせて容易に弾性変形させること
ができるため、組付作業が容易であって低コストでの製
造が可能であるという利点がある。
【0036】請求項3に記載の発明は、組付けを完了し
た状態では、中間金具の各円筒部と外筒金具の直接接触
と、両者間への液体の浸入を各円筒部を覆ったゴム弾性
体によって確実に防止することができると共に、組付け
前の状態では各円筒部の外周面略中央にゴムフランジに
被覆されない露出面が存在することから、端部壁を予備
圧縮するための各円筒部の縮径を偏りなく均等に行うこ
とができる。したがって、この発明においても、異なる
金属から成る中間金具と外筒金具の間の電食を確実に防
止することができると共に、端部壁のゴム弾性体に対し
て常時安定した予備圧縮を施すことができる。
【0037】また、この発明においては、ゴムフランジ
を中間金具の外側に延出させる請求項1の発明に比較し
て型成形が容易であると共に、内部ユニットと外筒金具
の組付時にもゴムフランジの押し曲げ等を必要とせずに
外筒金具を単純に縮径するだけで良いことから、組付作
業も容易になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,2に対応する発明の実施形態を示す
断面図。
【図2】同実施形態を示す組付前状態の断面図。
【図3】同実施形態を示す組付時の断面図。
【図4】請求項3に対応する発明の実施形態を示す組付
前状態の断面図。
【図5】同実施形態を示す組付状態の断面図。
【図6】従来の技術を示す断面図。
【符号の説明】
11…内筒金具 12…外筒金具 13…端部壁 14…液室 16…中間金具 16a,16b…円筒部 17…ゴムフランジ 20…露出面 21…外周被覆部 22…液排出溝 A…内部ユニット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内筒金具の両端部とその外周側に配置さ
    れた外筒金具の両端部の間が夫々ゴム弾性体から成る端
    部壁によって封止され、この両側の端部壁の間に液室が
    形成された液体封入型防振装置にして、前記各端部壁の
    ゴム弾性体が前記内筒金具の外周面に加硫接着される一
    方で、そのゴム弾性体の各外周面に前記外筒金具と異な
    る金属から成る中間金具の円筒部が夫々加硫接着され、
    さらにこの中間金具の各円筒部が縮径されることで前記
    各端部壁のゴム弾性体が予備圧縮され、こうして形成さ
    れた内部ユニットが前記外筒金具に挿入された後に外筒
    金具が縮径されて内部ユニットと外筒金具が一体化され
    たものにおいて、 前記各端部壁のゴム弾性体を中間金具の各円筒部の端面
    に回り込ませると共に、その端末に径方向外側に延出す
    るゴムフランジを延設し、前記内部ユニットと外筒金具
    の組付時にこのゴムフランジを前記中間金具の対応する
    円筒部側に弾性変形させて、各円筒部の外周面をこのゴ
    ムフランジで被覆したことを特徴とする液体封入型防振
    装置。
  2. 【請求項2】 ゴムフランジを中間金具の両円筒部の同
    一側端面から夫々延出させたことを特徴とする請求項1
    に記載の液体封入型防振装置。
  3. 【請求項3】 内筒金具の両端部とその外周側に配置さ
    れた外筒金具の両端部の間が夫々ゴム弾性体から成る端
    部壁によって封止され、この両側の端部壁の間に液室が
    形成された液体封入型防振装置にして、前記各端部壁の
    ゴム弾性体が前記内筒金具の外周面に加硫接着される一
    方で、そのゴム弾性体の各外周面に前記外筒金具と異な
    る金属から成る中間金具の円筒部が夫々加硫接着され、
    さらにこの中間金具の各円筒部が縮径されることで前記
    各端部壁のゴム弾性体が予備圧縮され、こうして形成さ
    れた内部ユニットが前記外筒金具に挿入された後に外筒
    金具が縮径されて内部ユニットと外筒金具が一体化され
    たものにおいて、 前記各端部壁のゴム弾性体を、中間金具の各円筒部の外
    周面中央が露出するように各円筒部の両端面から外周面
    の一部にかけて回り込ませると共に、この外周面に回り
    込ませたゴム弾性体の外周被覆部に軸方向に沿う液排出
    溝を形成し、前記内部ユニットと外筒金具の組付時に外
    筒金具でゴム弾性体の前記各外周被覆部を潰し変形し
    て、前記各円筒部の外周側露出面をこの外周被覆部で覆
    ったことを特徴とする液体封入型防振装置。
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