JP2001145839A - 生ゴミ破砕処理装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】生ゴミの種類や大きさや形状にかかわらず、短
時間に効率よく好気性分解処理できるようにすることに
ある。 【解決手段】 処理槽本体２は、生ゴミ破砕用処理槽４
と好気性微生物により生ゴミを分解処理する生ゴミ処理
槽５とを仕切り板３を介して一体的に形成した。この処
理槽本体２内に仕切り板３を貫通して回転自在にシャフ
ト６を横設した。生ゴミ破砕用処理槽４の内側面には切
断刃９を設けた。生ゴミ破砕用処理槽４内のシャフト６
には回転羽根８を設けた。生ゴミ処理槽５内のシャフト
６には攪拌羽根１８を設けた。シャフト６は駆動手段３
５によって回動できるようにした。さらに、前記の仕切
り板３には生ゴミ破砕用処理槽４と生ゴミ処理槽５とを
連通させる開口１１を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、野菜、果物、魚
類、肉類、穀物類、加工食品等の食物や、魚や鳥や牛・
豚等の骨を、生ゴミとして好気性微生物により分解処理
する場合に、この分解処理が効果的に行われるようにす
る生ゴミ破砕処理装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】一般に各家庭や飲食店やスーパーマーケ
ット等から出される種々の生ゴミは、市町村のゴミ回収
業者や、個々に契約している廃棄物処理業者等によって
公営又は私営のゴミ焼却場等に運ばれ、ここで毎日焼却
処分されている。

【０００３】しかし、最近は各種のゴミや生ゴミ等の焼
却処分によって発生するダイオキシン等の有害物質によ
る環境への悪影響が、以前にも増して大きな社会問題と
なり、生ゴミ等に対する新たな処分方法の開発が望まれ
ていた。

【０００４】本願発明者らは、これらの社会的背景等に
鑑みて以前から種々研究・開発を重ね、その結果、生ゴ
ミを焼却処分することなく好気性微生物（バチルス菌
等）によって水と二酸化炭素とに好気性分解できる生ゴ
ミ処理装置を開発し、環境に悪影響を及ぼす有害物質を
発生することなく生ゴミを処分できるようにしていた。

【０００５】この生ゴミ処理装置は、攪拌羽根を備えた
回転軸を処理槽内に回転可能に設け、駆動装置によって
回転軸を低速で回転させるようにした構成のものであ
る。そして使用する場合は、処理槽内に間伐材等の杉材
を細かくカットしたチップを充填するとともに好気性微
生物を入れ、生ゴミを投入して上記の攪拌羽根で攪拌
し、所定時間の間に投入した生ゴミを水と二酸化炭素に
好気性分解処理している。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところが、この生ゴミ
処理装置を使用する人々は、生ゴミを姿形のまま処理層
内に投入していたため、酸性の強い柑橘類だけとか、中
華料理等の油分を多く含んだ生ゴミだけとか、肉類だけ
とか、魚類だけとか等、偏って投入する傾向がある。そ
のため、従来の生ゴミ処理装置の構造では、処理槽内の
好気性微生物が必要とする中性のｐｈ値に生ゴミを調整
することができなかった。

【０００７】また、従来の生ゴミ処理装置では、米飯、
麺類等の団子状になるものは処理困難なものとして扱わ
れていた。さらに、鳥の骨、魚の骨、牛、豚の骨等も処
理困難な対象として扱われていた。また、バナナ類等の
ようにホルマリン処理をされていたものは、バナナの皮
にホルマリンの薬液が含まれているため、少量ならば処
理できるが、大量に皮付きのまま処理層内に投入すると
好気性微生物が死滅すると言うことで処理対象から除外
されていた。

【０００８】また、発生した生ゴミの姿形は様々であ
り、キャベツ、人参、トマト、リンゴ等のように丸姿の
ままのものもあり、従来の生ゴミ処理装置ではこれらの
生ゴミの処理に長時問かかっていた。

【０００９】本発明は、上記のような点に鑑みて開発さ
れたものであり、その目的とするところは、生ゴミの種
類や大きさや形状にかかわらず、短時間に効率よく好気
性分解処理できるようにする生ゴミ破砕処理装置を提供
することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
有効に達成するために、次のような構成にしてある。す
なわち、本発明の請求項１記載の生ゴミ破砕処理装置
は、底部に排出口を有する生ゴミ破砕用処理槽と、この
生ゴミ破砕用処理槽の内側面に設けた切断刃と、生ゴミ
破砕用処理槽内に回転自在に横設したシャフトと、この
シャフトに設けた回転羽根と、シャフトを回転される駆
動手段とからなる構成にしてある。

【００１１】本発明の請求項２記載の生ゴミ破砕処理装
置は、請求項１記載の生ゴミ破砕処理装置において、生
ゴミ破砕用処理槽の排出口に固定刃を設けるとともに、
排出口又は排出口近傍を回転通過する回転羽根の所定箇
所に、排出口への破砕生ゴミ押し込み用の押し込み部材
を設けた構成にしてある。

【００１２】本発明の請求項３記載の生ゴミ破砕処理装
置は、生ゴミ破砕用処理槽と好気性微生物により生ゴミ
を分解処理する生ゴミ処理槽とを仕切り板を介して一体
的に形成した処理槽本体と、処理槽本体内に仕切り板を
貫通して回転自在に横設したシャフトと、生ゴミ破砕用
処理槽の内側面に設けた切断刃と、生ゴミ破砕用処理槽
内のシャフトに設けた回転羽根と、生ゴミ処理槽内のシ
ャフトに設けた攪拌羽根と、シャフトを回転させる駆動
手段とからなり、さらに、前記の仕切り板に生ゴミ破砕
用処理槽と生ゴミ処理槽とを連通させる開口を設けた構
成にしてある。

【００１３】本発明の請求項４記載の生ゴミ破砕処理装
置は、生ゴミ破砕用処理槽と好気性微生物により生ゴミ
を分解処理する生ゴミ処理槽とを仕切り板を介して一体
的に形成した処理槽本体と、生ゴミ破砕用処理槽並びに
生ゴミ処理槽に回動自在に別々に横設したシャフトと、
各シャフトを同時駆動又は単体駆動させる単数又は複数
の駆動手段と、生ゴミ破砕用処理槽の内側面に設けた切
断刃と、生ゴミ破砕用処理槽内の回転軸に設けた回転羽
根と、生ゴミ処理槽内の回転軸に設けた攪拌羽根とから
なり、さらに、前記の仕切り板に生ゴミ破砕用処理槽と
生ゴミ処理槽とを連通させる開口を設けた構成にしてあ
る。

【００１４】本発明の請求項５記載の生ゴミ破砕処理装
置は、請求項２、３又は４記載の本発明の生ゴミ破砕処
理装置において、生ゴミ破砕用処理槽内に設けた回転羽
根が螺旋状であって一端部又は両端部に生ゴミ送り部材
を設けた構成にしてある。

【００１５】本発明の請求項６記載の生ゴミ破砕処理装
置は、請求項３、４又は５記載の本発明の生ゴミ破砕処
理装置において、生ゴミ処理槽内のシャフトに螺旋状の
攪拌羽根を設け、この攪拌羽根の仕切り板側の端部に、
攪拌羽根の外径と同一又はほぼ同一の環状体を設け、こ
の環状体の外周部に、仕切り板に設けた開口よりやや大
きめの切欠部を設けた構成にしてある。

【００１６】本発明の請求項７記載の生ゴミ破砕処理装
置は、請求項６記載の本発明の生ゴミ破砕処理装置にお
いて、生ゴミ処理槽内の攪拌羽根に設け環状体に形成し
た切欠部と、生ゴミ破砕用処理槽内の回転羽根に設けた
生ゴミ送り部材との位相差を同じにした構成にしてあ
る。

【００１７】本発明の請求項８記載の生ゴミ破砕処理装
置は、請求項３〜７の何れか一に記載の本発明の生ゴミ
破砕処理装置において、仕切り板の開口を開閉できる開
閉手段を備えた構成にしてある。

【００１８】

【発明の実施の形態】以下、本発明の生ゴミ破砕用処理
槽を図１〜図８に基づいて説明する。図１は本発明の生
ゴミ破砕処理装置の一部を切欠した説明図であり、図２
は本発明の生ゴミ破砕処理装置の正面から見た説明図で
あり、図３は本発明の生ゴミ破砕処理装置の仕切り板の
箇所を示す説明図であり、図４は本発明の生ゴミ破砕処
理装置の要部の説明図であり、図５は本発明の他の例の
生ゴミ破砕処理装置の正面から見た説明図であり、図６
は生ゴミを破砕する構成のみからなる本発明の生ゴミ破
砕処理装置の一部を切欠した説明図であり、図７は生ゴ
ミを破砕する構成のみからなる他の例の本発明の生ゴミ
破砕処理装置の一部を切欠した説明図であり、図８は図
７に示す生ゴミ破砕処理装置の破砕生ゴミの排出箇所を
示す説明図である。

【００１９】図１〜図４は本発明の生ゴミ破砕処理装置
１の一例に関する図であって、この例において処理槽本
体２は、仕切り板３によって内部を仕切って形成した生
ゴミ破砕用処理槽４と生ゴミ処理槽５とからなる半円筒
形状のものである。勿論、両端は、両側面部２５、２６
によって閉塞されている。

【００２０】この処理槽本体２内には、仕切り板３を貫
通し軸受（図示省略）によって回動自在に支持された１
本のシャフト６が、生ゴミ破砕用処理槽４と生ゴミ処理
槽５を貫くようにして横設してある。

【００２１】生ゴミ破砕用処理槽４内のシャフト６の部
分には、シャフト６に対して直角方向に複数の支持杆７
が設けてあり、この各支持杆７に支持されるようにして
螺旋状の回転羽根８が設けてある。

【００２２】この回転羽根８の仕切り板３側の端部に
は、回転羽根８に沿って、略円弧形をした板状の送り部
材１０が設けてある。この送り部材１０は、後述する切
断刃９とともに生ゴミを破砕するとともに、生ゴミ破砕
用処理槽４内で破砕した生ゴミを開口１１から生ゴミ処
理槽５側へ間欠的に送る作用を成すものである。

【００２３】尚、この送り部材１０の後端１０ａは、後
述する生ゴミ処理槽５の攪拌羽根１８ｂの仕切り板３側
の支持杆１７ａの取り付け位置と、１８０度の位相差を
持たせるとともに、生ゴミ処理槽５側に設けた環状体２
３の切欠部２４と同じ位置に設けるのが効果的である。
また、送り部材１０は、切断刃９とともに生ゴミを破砕
できれば、板状に限らず種々の形状の部材であってもよ
い。

【００２４】前記した仕切り板３の下部中央には、開口
１１を設けて生ゴミ破砕用処理槽４と生ゴミ処理槽５と
が連通できるようにしてある。さらに、仕切り板３の開
口１１の周囲の生ゴミ破砕用処理槽４側の側面には、図
示のように３個の切断刃９が設けてある。生ゴミを効果
的に破砕するには、図示のように切断刃９を複数設ける
とよい。勿論、切断刃９は、３個以外の複数であっても
よく、また単数であってもよい。

【００２５】１２は排出口であって、開閉可能に設けた
閉鎖板１３によって通常は閉じられている。排出口１２
は、生ゴミ破砕用処理槽４内に異物が入った時に取り出
すのに使用される。

【００２６】また、生ゴミ破砕用処理槽４の底部には多
数の小孔１２ａが穿設してある。生ゴミの破砕する時に
水分が発生する場合があり、この水分は生ゴミ処理工程
に悪影響をもたらすため、発生した水分は小孔１２ａか
ら外に排水できるようにしてある。

【００２７】１４は散水用管であって、長手方向に沿っ
て所定間隔毎に多数の小孔１５を有し、生ゴミ破砕用処
理槽４の上部後側に設けてある。散水用管１４の一部
は、生ゴミ破砕用処理槽４から外に突出している。この
散水用管１４の突部１６にホース又は配管（図示せず）
を接続することによって水を供給できるようにしてあ
る。そして散水用管１４の各小孔１５から生ゴミ破砕用
処理槽４内に散水することによって、生ゴミ破砕用処理
槽４内に投入された生ゴミに付着している油分、塩分、
酸性のものを洗い流したり、生ゴミ破砕用処理槽４の内
面や回転羽根８、シャフト６を洗浄したりすることがで
きる。散水によって、生ゴミ破砕用処理槽４内に投入さ
れた生ゴミを破砕開始と同時に一定時問水洗することに
よって、安定した品質の破砕生ゴミを得ることができ
る。

【００２８】一方、生ゴミ破砕用処理槽４に併設した生
ゴミ処理槽５内のシャフト６の部分には、シャフト６に
対して直角方向に複数の支持杆１７（１７ａ）が設けて
あり、この各支持杆１７（１７ａ）に支持されるように
して右巻き螺旋状の攪拌羽根１８ａと、左巻き螺旋状の
攪拌羽根１８ｂとが所定の隙間１９を以て設けてある。
この隙間１９の下方の生ゴミ処理槽５の底部には、生ゴ
ミ処理槽５内に充填した好気性微生物の住処となる杉の
チップを所定期間毎に排出できるように排出口２０が設
けてある。この排出口２０は、開閉可能に設けた閉鎖板
２１によって通常は閉じられている。

【００２９】また、攪拌羽根１８ｂと仕切り板３との間
には、シャフト６に対して直角方向に設けた支持杆２２
を介して、攪拌羽根１８ｂの外径と同一又はほぼ同一で
帯板状の環状体２３が設けてある。さらに、環状体２３
の外周部には、前記した生ゴミ破砕処理装置４内の回転
羽根８に設けた送り部材１０の端１０ａと同一位相とな
る位置に、仕切り板３の開口１１よりやや大きめの切欠
部２４が形成してある。

【００３０】さらに、生ゴミ処理槽５の側面部２５側の
攪拌羽根１８ａの先端部、並びに生ゴミ破砕処理装置４
の側面部２６側の回転羽根８の先端部には、それぞれ圧
力逃がし棒２７、２８が設けてある。これらの圧力逃が
し棒２７、２８は、シャフト６の逆転時に、攪拌や破砕
されつつある生ゴミを、攪拌羽根１８ａ、１８ｂ並びに
回転羽根８によって側面部２５、２６に押し付ける強い
力を逃がす働きを成すものである。

【００３１】前記の生ゴミ処理槽５内に設けた環状体２
３と、仕切り板３との間には、仕切り板３の開口１１を
開閉するための開閉手段２９が設けてある。すなわち、
この開閉手段２９は、開口１１を閉じることができる大
きさに形成した開閉扉３０と、この開閉扉３０を昇降さ
れるための昇降杆３１と、昇降杆３１の上部中央に設け
た連結杆３２と、連結杆３２と昇降杆３１を介して開閉
扉３０を昇降させる例えばソレノイド３３（勿論、他の
昇降駆動装置でもよい。）と、ソレノイド３３を収納し
たケース３４とによって構成されている。ケース３４は
仕切り板３に固定して設けられ、昇降杆３１も支持部材
（図示せず）を介して仕切り板３に昇降可能に支持され
ている。また開閉扉３０は、仕切り板３の開口１１の両
側に設けたガイド枠４７によって昇降可能に案内されて
いる。

【００３２】前記のソレノイド３３は、通電によって作
動し昇降杆３１等を介して開閉扉３０を引き上げる。こ
のことにより仕切り板３の開口１１は開放される。ま
た、ソレノイド３３への通電を遮断すると、開閉扉３０
は下降して仕切り板３の開口１１を閉鎖する。

【００３３】尚、開閉手段は、半自動又は手動によって
開閉扉３０を昇降させることができる構成の装置であっ
てもよい。

【００３４】また、前記したシャフト６は、処理槽本体
２の外に設けた駆動手段３５によって正・逆回転させる
ことができるようにしてある。この駆動手段３５は、モ
ータ３６と、減速機３７と、減速機３７に設けた歯車３
８と、シャフト６の端に固着した歯車３９と、両歯車３
８、３９に張設したチェーン４０とからなる。尚、両歯
車３８、３９に代えてプーリを設け、これらプーリにベ
ルトを張設してもよい。また、駆動手段３５は、多数の
歯車を係合させてモータ３６の動力をシャフト６に伝達
できるようにした構成であってもよい。

【００３５】上述のような構成からなる本発明の生ゴミ
破砕処理装置１において使用する場合、先ず開閉扉３０
は、降下させて仕切り板３の開口１１を閉じておく。そ
して生ゴミを生ゴミ破砕処理槽４に投入し、駆動手段３
５を一定時間( ８分程度が良好な結果が得られる）駆動
させて回転羽根８を正回転させる。このことにより生ゴ
ミ破砕処理槽４内に投入された生ゴミは、回転羽根８の
回転によって仕切り板３側へと押されていく。仕切り板
３側に押された生ゴミは、仕切り板３によって進行が阻
まれ、かつ送り部材１０と、仕切り板３に設けた複数の
切断刃９とによって狭圧され破砕される。

【００３６】次に駆動手段３５を一定時間( ２分程度が
良好な結果が得られる) 逆回転させると、シャフト６と
共に回転羽根８も逆転し、仕切り板３側に押されてた破
砕中の生ゴミは逆方向に移動する。そして未破砕の生ゴ
ミは、破砕された生ゴミと混合させる。この時、破砕さ
れつつある生ゴミ（及び生ゴミ処理剤）は、回転羽根８
によって側面部２６側に強く押し付けられる。その結
果、側面部２６には大きな押圧力が作用することにな
る。この押圧力は、回転羽根８とともに回転する圧力逃
がし棒２８によって分散される。

【００３７】このようにして駆動手段３５を正・逆回転
させて生ゴミの破砕・混合を所定回数行うと、投入され
た生ゴミは生ゴミ破砕用処理槽４内で、必要とする大き
さに破砕される。

【００３８】次に開閉手段２９によって開閉扉３０を上
昇させ、仕切り板３の開口１１を開く。その後に、駆動
手段３５を正転させることにより、破砕完了している生
ゴミは生ゴミ処理槽５側に押され、送り部材１０によっ
て一定量づつ仕切り板３の開口１１を通って生ゴミ処理
槽５側へ送り込まれる。

【００３９】この時、すなわち、破砕した生ゴミが送り
部材１０によって開口１１を通過した時、生ゴミ処理槽
５側の環状体２３の切欠部２４も同時に開口１１を通過
し、生ゴミ破砕用処理槽４側からの破砕生ゴミをスムー
ズに生ゴミ処理槽５内に受け入れることができる。環状
体２３の切欠部２４が開口１１を通過後は、回転する環
状体２３の切欠部２４以外の部分で開口１１を閉じた状
態を保持し、生ゴミ処理槽５から生ゴミ破砕用処理槽４
側へチップや破砕生ゴミが逆流しないようにしている。

【００４０】このようにシャフト６の一回転毎に、一定
量の破砕完了した生ゴミは、送り部材１０によって生ゴ
ミ破砕用処理槽４から生ゴミ処理槽５側へ送り出され
る。

【００４１】生ゴミ処理槽５に送り込まれてきた破砕生
ゴミは、一定期間に生ゴミ処理槽５内に充填したチップ
に棲む好気性微生物によって、水と二酸化炭素に好気性
分解され消滅する。

【００４２】図５は本発明の他の例の生ゴミ破砕処理装
置１ａを示し、この例の生ゴミ破砕処理装置１ａでは、
生ゴミ破砕用処理槽４並びに生ゴミ処理槽５に、それぞ
れ別々のシャフト６ａ、６ｂが軸受（図示省略）を介し
て回動自在に設けられている。各シャフト６ａ、６ｂ
は、それぞれの駆動手段３５ａ、３５ｂによって単独に
駆動させることができるようにしてある。勿論、電気制
御によって両シャフト６ａ、６ｂが同時に駆動できるよ
うにしてもよい。また、１台の駆動手段（装置）、伝動
機構によって両シャフト６ａ、６ｂを同時に駆動させた
り、単独で駆動させたりするようにしてもよい。

【００４３】尚、この生ゴミ破砕処理装置１ａおける他
の構成並びに駆動手段３５ａ、３５ｂの構成は、前記し
た生ゴミ破砕処理装置１の構成と同一であり、同一箇所
に同一符号を付して説明を省略する。

【００４４】この生ゴミ破砕処理装置１ａでは、駆動手
段３５ａのみを作動させることにより生ゴミの破砕作業
のみを行う装置として使用でき、また駆動手段３５ｂの
みを作動させることにより破砕生ゴミを好気性分解処理
のみを行う装置として使用できる。また、シャフト６ａ
に設けた回転羽根８、並びにシャフト６ｂに設けた攪拌
羽根１８ａ、１８ｂは、それぞれの回転速度で回転させ
ることができる。そのため、生ゴミ破砕用処理槽４内で
の生ゴミの破砕作業、並びに生ゴミ処理槽５内での破砕
生ゴミの分解作業をより効果的に行うことができる。

【００４５】図６は、本発明の生ゴミ破砕処理装置が生
ゴミを破砕する装置のみの構成からなる例を示し、この
例の生ゴミ破砕処理装置１ｂは、前記した生ゴミ破砕処
理装置１の生ゴミ破砕部分を独立させたものである。し
たがって、生ゴミ破砕用処理槽４ａは、半円筒状の独立
した槽であり、図１に示す仕切り板３に代えて側壁部４
１を有している。そして図１に示す開口１１は有さず、
また切断刃９は側壁部４１の内面又は／及び側壁部４１
と対峙する反対側の側壁部４２の内面に設けてある。そ
の他の構成は生ゴミ破砕処理装置１（図１参照）と同様
であり同一箇所に同一符号を付して説明を省略する。

【００４６】この生ゴミ破砕用処理槽４ａに投入された
生ゴミの破砕は、前記の生ゴミ破砕処理装置１（図１参
照）の生ゴミ破砕用処理槽４ａ内で行われる破砕と同様
であり、説明を省略する。

【００４７】次に図７は本発明の生ゴミ破砕処理装置が
生ゴミを破砕する装置のみの構成からなる他の例を示
し、この例の生ゴミ破砕処理装置１ｃでは、両端を閉塞
した半円筒状の生ゴミ破砕用処理槽４ｂに回動自在に横
設したシャフト６ｂに、複数の支持杆７を介して左巻き
の回転羽根８ａと左巻きの回転羽根８ｂとが、シャフト
６ｂの中央付近で所定の間隔を以て設けてある。生ゴミ
破砕用処理槽４ｂの中央の底部に形成した排出口１２
は、この両回転羽根８ａ、８ｂの間に位置するようにし
て設けてある。

【００４８】排出口１２には、複数のＶ字状の固定刃４
３が同一方向を向くようにして所定間隔毎に設けてあ
る。

【００４９】一方、この排出口１２に対して交互に通過
するようにして押し込み部材４４ａ、４４ｂが、各回転
羽根８ａ、８ｂの一端部に設けてある。

【００５０】すなわち、この押し込み部材４４ａ、４４
ｂは、金属板をやや円弧状に形成したものであって、回
転羽根８ａ、８ｂの各羽根面４５に沿って押し込み部材
４４ａ、４４ｂの側部４６を当接させ、羽根面４に対し
て直角方向に設けてある。

【００５１】このように押し込み部材４４ａ、４４ｂを
回転羽根８ａ、８ｂに設けることによって、この例の生
ゴミ破砕処理装置１ｃでは、生ゴミの破砕作業が完了後
に回転羽根８ａ、８ｂを逆回転させ、破砕生ゴミを排出
口１２から効率よく排出することができる。さらに、排
出口１２には固定刃４３が設けてあるため、排出される
破砕生ゴミは、排出時にさらに固定刃４３によって破砕
され、より細かくして排出されることになる。したがっ
て、この破砕生ゴミを生ゴミ処理槽で好気性微生物によ
って分解処理する場合にも、好気性微生物が破砕生ゴミ
の表面に付着しやすく、より効果的に破砕生ゴミを分解
処理することができる。

【００５２】また、この生ゴミ破砕処理装置１ｃにおい
て駆動手段３５は、モータ３６と各プーリ４９、５０
と、ベルト５１とからなる。勿論、前記した例の駆動手
段の構成であってもよい。生ゴミ破砕処理装置１ｃの他
の構成は、前記した生ゴミ破砕処理装置１ｂと同様の構
成であり、同一箇所に同一符号を付して説明を省略す
る。

【００５３】また、本発明の生ゴミ破砕処理装置におい
て、駆動手段は手動式の構成の装置であってもよい。

【００５４】また、前記した各生ゴミ破砕処理装置１、
１ａ、１ｂ、１ｃ（図１、図５、図６、図７参照）は、
処理槽本体２（図１参照）、及び生ゴミ破砕用処理槽４
（図６、図７参照）の上部開口を被うことができる蓋
（図示せず）が開閉可能に設けてあり、生ゴミ投入時、
並びに破砕及び好気性分解処理の時には、蓋を開いた
り、閉じて作業を行えるようにしてある。さらに、各生
ゴミ破砕処理装置１、１ａ、１ｂ、１ｃは、全体を開閉
蓋（図示せず）を備えた収納ケース（図示せず）に内設
してある。

【００５５】

【発明の効果】以上、上述のように請求項１に記載の本
発明の生ゴミ破砕処理装置では、生ゴミ破砕用処理槽内
に投入された生ゴミを、この処理槽内側面に設けた切断
刃と、回転する回転羽根とによって破砕することができ
るため、処理しにくい固い鳥の骨や魚の骨や牛や豚の骨
等、また、丸姿のまま投入されることがあるキャベツ、
人参、トマト、リンゴ等を簡単に細かくして減容するこ
とができる。また、発生した生ゴミを種類を選ばず投入
することにより、総合的なｐｈの調整が行われ、処理し
にくい骨等の生ゴミでも処理可能な状態にすることがで
きる。したがって、好気性微生物によって破砕生ゴミを
処理する場合に、この破砕生ゴミを使用することによ
り、短時間で効率良く好気性分解処理をすることができ
る。

【００５６】また、請求項２に記載の本発明の生ゴミ破
砕処理装置では、回転羽根に押し込み部材を設け、生ゴ
ミ破砕用処理槽の排出口から排出する破砕生ゴミを、こ
の押し込み部材によって強制的に押し出すようにしてあ
るので、効率良く生ゴミ破砕用処理槽から排出すること
ができる。また、排出口に固定刃を設けてあるので、排
出される破砕生ゴミをさらに細かく破砕して排出するこ
とができる。したがって、この破砕生ゴミを使用して好
気性微生物による好気性分解処理によって破砕生ゴミを
処理する場合に、さらに効率良く処理することができ
る。

【００５７】また、請求項３に記載の本発明の生ゴミ破
砕処理装置では、投入された生ゴミを破砕する回転羽根
等で破砕する生ゴミ破砕用処理槽と、この破砕された生
ゴミを好気性微生物によって分解処理する生ゴミ処理槽
とを有し、生ゴミを生ゴミ破砕用処理槽で回転羽根や切
断刃等によって細かく破砕した後に、生ゴミ処理槽に仕
切り板の開口から送り出せるようにしてあるので、生ゴ
ミ破砕用処理槽に投入した生ゴミを大小の形のこだわら
ず破砕することによって減容でき、好気性微生物による
従来の生ゴミ処理装置の処理能力よりも多くの生ゴミを
処理することができる。また、生ゴミを破砕することに
より処理菌（好気性微生物）との接触面積が広がり、処
理時間が短縮できる。さらに、破砕した生ゴミを生ゴミ
破砕用処理槽に定量的に送り込み制御することにより、
生ゴミ処理槽の負荷をコントロ−ルすることができる。

【００５８】また、請求項４に記載の本発明の生ゴミ破
砕処理装置では、生ゴミ破砕用処理槽に設けたシャフト
と、生ゴミ処理槽に設けたシャフトとを同時にまたは別
々に駆動させることができるので、前記した効果を有す
るとともに、生ゴミの破砕装置として使用したり、好気
性微生物による生ゴミ処理装置として使用したり、或い
は生ゴミの破砕と好気性分解処理を同時に行う、といっ
たことを選択的に行うことができる。したがって、無駄
な動力を使用することなく効率良く生ゴミの処理を行う
ことができる。

【００５９】また、請求項５に記載の本発明の生ゴミ破
砕処理装置では、生ゴミ破砕用処理槽内に設けた回転羽
根が螺旋状であって一端部又は両端部に生ゴミ送り部材
を設けることにより、破砕した生ゴミを仕切り板の開口
から生ゴミ処理槽へ効率良く送り込むことができ、生ゴ
ミの処理効率を向上させることができる。

【００６０】また、請求項６に記載の本発明の生ゴミ破
砕処理装置では、仕切り板に設けた開口よりやや大きめ
の切欠部を有する環状体を、攪拌羽根の仕切り板側の端
部に設けたことによって、回転する攪拌羽根により環状
体の切欠部が仕切り板の開口に位置した時に、生ゴミ破
砕用処理槽と生ゴミ処理槽とが確実に連通し、生ゴミ破
砕用処理槽内で破砕された生ゴミをスムースに受け入れ
ることができ、生ゴミ破砕用処理槽内で破砕された生ゴ
ミを生ゴミ処理槽に送って効率良く好気性分解処理する
ことができる。

【００６１】また、請求項７に記載の本発明の生ゴミ破
砕処理装置では、生ゴミ処理槽内の攪拌羽根に設け環状
体に形成した切欠部と、生ゴミ破砕用処理槽内の回転羽
根に設けた生ゴミ送り部材との位相差を同じにしたこと
によって、生ゴミ処理槽内の環状体の切欠部が仕切り板
の開口に位置することになり、生ゴミ破砕用処理槽内か
らの生ゴミ処理槽内への破砕生ゴミの送り込みをスムー
ズに行うことができる。また、環状体の切欠部が仕切り
板の開口を通過した後は、回転する切欠部以外の環状体
の部分で開口を封じるようにするので、生ゴミ処理槽内
に充填した木のチップや好気性微生物が生ゴミ破砕用処
理槽内に入っていくことを防止できる。

【００６２】また、請求項８に記載の本発明の生ゴミ破
砕処理装置では、仕切り板の開口を開閉できる開閉手段
を備えたことによって、この開口を適宜開閉することが
でき、生ゴミ破砕用処理槽で確実に破砕された生ゴミを
生ゴミ処理槽に送り込まれるようにすることができ、ま
た生ゴミ処理槽から生ゴミ破砕用処理槽側へ木のチップ
等が入り込むのを防止することができる。

【００６３】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の生ゴミ破砕処理装置の一部を切欠した
説明図である。

【図２】本発明の生ゴミ破砕処理装置の正面から見た説
明図である。

【図３】本発明に係る仕切り板と開閉手段及び切断刃を
示す説明図である。

【図４】本発明の生ゴミ破砕処理装置の仕切り板の箇所
を示す説明図である。

【図５】本発明の他の例の生ゴミ破砕処理装置の正面か
ら見た説明図である。

【図６】生ゴミを破砕する構成のみからなる本発明の生
ゴミ破砕処理装置の一部を切欠した説明図である。

【図７】生ゴミを破砕する構成のみからなる他の例の本
発明の生ゴミ破砕処理装置の一部を切欠した説明図であ
る。

【図８】図７に示す生ゴミ破砕処理装置の破砕生ゴミの
排出箇所を示す説明図である。

【符号の説明】

１（１ａ、１ｂ、１ｃ） 生ゴミ破砕処理装置 ２ 処理槽本体 ３ 仕切り板 ４（４ａ、４ｂ） 生ゴミ破砕用処理槽 ５ 生ゴミ処理槽 ６（６ａ、６ｂ） シャフト ８（８ａ、８ｂ） 回転羽根 ９ 切断刃 １０ 送り部材 １１ 開口 １２ 排出口 １８（１８ａ、１８ｂ） 攪拌羽根 ２３ 環状体 ２４ 切欠部 ２５ 側面部 ２９ 開閉手段 ３５（３５ａ、３５ｂ） 駆動手段 ４３ 固定刃 ４４ａ、４４ｂ 押し込み部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 清治 大阪市西区江戸堀１丁目10番２号肥後橋ニ ッタイビル８階 住金マネジメント株式会 社内 (72)発明者 前岡 秀幸 和歌山市湊1850番地 住金マネジメント株 式会社和歌山事業所内 Ｆターム(参考） 4D004 AA03 AA04 CA04 CA19 CB12 CB13 CB26 CB45 CC07 4D065 CA06 CB03 CC01 DD01 DD26 EA08 EB17 EC07 ED16 ED22 EE08 EE15 4G078 AA03 AB09 BA01 CA08 CA19 DA14 DB02 DC01 EA10

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 底部に排出口を有する生ゴミ破砕用処理
   槽と、この生ゴミ破砕用処理槽の内側面に設けた切断刃
   と、生ゴミ破砕用処理槽内に回転自在に横設したシャフ
   トと、このシャフトに設けた回転羽根と、シャフトを回
   転される駆動手段とからなる生ゴミ破砕処理装置。
2. 【請求項２】 生ゴミ破砕用処理槽の排出口に固定刃を
   設けるとともに、排出口又は排出口近傍を回転通過する
   回転羽根の所定箇所に、排出口への破砕生ゴミ押し込み
   用の押し込み部材を設けた請求項１記載の生ゴミ破砕処
   理装置。
3. 【請求項３】 生ゴミ破砕用処理槽と好気性微生物によ
   り生ゴミを分解処理する生ゴミ処理槽とを仕切り板を介
   して一体的に形成した処理槽本体と、処理槽本体内に仕
   切り板を貫通して回転自在に横設したシャフトと、生ゴ
   ミ破砕用処理槽の内側面に設けた切断刃と、生ゴミ破砕
   用処理槽内のシャフトに設けた回転羽根と、生ゴミ処理
   槽内のシャフトに設けた攪拌羽根と、シャフトを回転さ
   せる駆動手段とからなり、さらに、前記の仕切り板に生
   ゴミ破砕用処理槽と生ゴミ処理槽とを連通させる開口を
   設けた生ゴミ破砕処理装置。
4. 【請求項４】 生ゴミ破砕用処理槽と好気性微生物によ
   り生ゴミを分解処理する生ゴミ処理槽とを仕切り板を介
   して一体的に形成した処理槽本体と、生ゴミ破砕用処理
   槽並びに生ゴミ処理槽に回動自在に別々に横設したシャ
   フトと、各シャフトを同時駆動又は単体駆動させる単数
   又は複数の駆動手段と、生ゴミ破砕用処理槽の内側面に
   設けた切断刃と、生ゴミ破砕用処理槽内の回転軸に設け
   た回転羽根と、生ゴミ処理槽内の回転軸に設けた攪拌羽
   根とからなり、さらに、前記の仕切り板に生ゴミ破砕用
   処理槽と生ゴミ処理槽とを連通させる開口を設けた生ゴ
   ミ破砕処理装置。
5. 【請求項５】 生ゴミ破砕用処理槽内に設けた回転羽根
   が螺旋状であって一端部又は両端部に生ゴミ送り部材を
   設けた請求項１、２、３又は４記載の生ゴミ破砕処理装
   置。
6. 【請求項６】 生ゴミ処理槽内のシャフトに螺旋状の攪
   拌羽根を設け、この攪拌羽根の仕切り板側の端部に、攪
   拌羽根の外径と同一又はほぼ同一の環状体を設け、この
   環状体の外周部に、仕切り板に設けた開口よりやや大き
   めの切欠部を設けた請求項３、４又は５記載の生ゴミ破
   砕処理装置。
7. 【請求項７】 生ゴミ処理槽内の攪拌羽根に設け環状体
   に形成した切欠部と、生ゴミ破砕用処理槽内の回転羽根
   に設けた生ゴミ送り部材との位相差を同じにした請求項
   ６記載の生ゴミ破砕処理装置。
8. 【請求項８】 仕切り板の開口を開閉できる開閉手段を
   備えた請求項３〜７の何れか一に記載の生ゴミ破砕処理
   装置。